2016-04-20(Wed)

熊本地震 避難生活のケア 社説等160420(3)

長期化に備え万全を期せ 震災関連死--予防徹底へ見守りの強化を
オスプレイ派遣--災害の政治利用はやめよ 地震大国原発--安全性あらためて検証を


<各紙社説・論説>
西日本新聞)震災と企業活動 教訓生かし早期の復旧を(4/20)
佐賀新聞)地震大国の原発 安全性あらためて検証を(4/20)
宮崎日日新聞)震災関連死 予防徹底へ見守りの強化を(4/20)
南日本新聞)[熊本地震・避難生活のケア] 長期化に備え万全を期せ(4/20)
琉球新報)オスプレイ派遣 災害の政治利用はやめよ(4/20)




以下引用



=2016/04/20付 西日本新聞朝刊=
社説:震災と企業活動 教訓生かし早期の復旧を


2016年04月20日 10時33分
 熊本、大分両県を中心にした震災が、国内の企業活動にも深刻な影響を及ぼしている。
 熊本県は九州の中央部に位置しており、空港や高速道路など交通の利便性も高い。精密機器に欠かせない水も豊富で、工業用地に適している。特に自動車や半導体などの部品関連工場が多く、地震が部品供給体制を直撃した形だ。
 日本の企業は、阪神大震災、東日本大震災でも同じようにサプライチェーン(供給・調達網)の寸断に見舞われている。震災を受け、複数の部品メーカーへの発注や在庫の積み増しなどサプライチェーン強化に取り組んできた。その経験と教訓を生かして、事態の悪化を最小限に食い止めたい。
 トヨタ自動車は本社のある愛知県や宮城県、岩手県などで工場生産ラインを段階的に停止した。トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)も、14日の地震を受けて15日に停止した宮田工場(同)での生産を23日まで止めることを決めた。5万台程度の減産につながる可能性もある。グループの部品メーカーも減産に入ったという。
 ドアフレームなどをつくるトヨタ系のアイシン精機の子会社(熊本市)が被災し、再開のめどが立たないことが影響している。
 日産自動車も、部品の調達難で福岡県苅田町にある子会社工場の操業を一時停止した。熊本市で自動車向け半導体を製造するルネサスエレクトロニクス川尻工場は14日から操業を停止している。再開のめどは立っていない。
 早期の再開を阻むのは、被害状況の確認に時間がかかっているからだ。大きな余震が多いため、工場内の点検も容易ではなく、復旧が進まないという。安全には最大限の配慮をしながら、まずは実態の把握を急いでほしい。
 再開後にスムーズな物資輸送ができるよう、物流ルートを確保することも重要だ。業種を超えた産業界の協力態勢も求められる。
 自動車は関連産業の裾野が広く、生産停止が長引けば日本経済全体に打撃を与える恐れもある。官民挙げて早期復旧に努めたい。
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佐賀新聞 2016年04月20日 05時00分
論説:地震大国原発 安全性あらためて検証を


 直下型で甚大な被害を出した熊本地震は、新規制基準のもとで再稼働を始めた原発について、再び安全性を問いかけている。一連の震源地は関東から九州へと延びる日本最大の断層帯「中央構造線」につながっており、近くには鹿児島県の九州電力川内原発と愛媛県の四国電力伊方原発がある。“地震大国”に原発が密集することのリスクが浮き彫りになっている。
 14日夜の激しい揺れで、九州新幹線の6両編成回送車両が熊本市内で脱線した。レールに戻すには1両ずつクレーンで引き上げる必要があり、作業は難航している。脱線の際に300メートルにわたり、レールの枕木が損傷したほか、新玉名-新八代間で防音壁の落下や高架橋の柱のひびが多数見つかっており、復旧には時間がかかりそうだ。
 この九州新幹線を、川内原発が立地する薩摩川内市では原発事故時の住民の避難手段に検討していた。新幹線でピストン移送することで広域避難がスムーズにいくと考え、JR側に申し入れていた。しかし、強い地震を前に設備の脆弱(ぜいじゃく)さを露呈した形となった。
 道路網についても同じことが言える。高速道路をはじめ、多くの道路が路面の崩落や土砂崩れのために通行止めとなり、寸断された。被災地周辺は今、大渋滞が起きている。住民に自家用車を使った避難を求めるなら、あらゆる事態に対応できるように、複数の避難ルートを準備しておく必要がある。それは玄海原発が立地する佐賀県も例外ではない。
 問われているのは避難計画だけではない。国土が狭い日本では、地震リスクが高い活断層の近くに立地する原発が少なくない。危険性を承知の上で原発を動かすのであれば、規制基準も、より高いものが求められる。
 昨夏に再稼働した川内原発は、隣県の熊本地震後も運転を続けている。マグニチュード7・3を記録した16日未明の「本震」の際、震源から116キロ離れた原発の揺れは8・6ガル。原発の自動停止の設定値は80~160ガルで、耐震性も最大650ガルまで対応できるように設計されており、原子力規制委員会も「今の状況で問題はない」と判断した。
 しかし、「本震」よりも揺れが小さかった14日深夜の「前震」で、熊本県益城町で1580ガルを記録したことを考えれば、現在の基準で安全は担保できるのか、説明を求めていく必要はある。
 また、熊本地震を引き起こした「布田川(ふたがわ)断層帯」と「日奈久(ひなぐ)断層帯」の延長線上に川内原発と伊方原発がある以上、熊本地震後の地殻変動が両原発近くにある断層に影響を与えないか、注意を払い続けなければならない。
 原子力防災担当の丸川珠代環境相は「専門家である原子力規制委の判断を尊重したい」と繰り返す。しかし、気象庁も「過去に例がない」と認める熊本地震が起きた以上、安全性について慎重な検討を求めていくのが政治家の役割ではないだろうか。
 災害は複数の「想定外」が重なることで大惨事となることは、5年前の福島の原発事故で学んだはず。これまでの教訓がまるで生かされなかったと、後年振り返ることがないように、熊本地震で浮かび上がった課題とも正面から向き合いたい。(日高勉)
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宮崎日日新聞 2016年4月20日
社説:震災関連死 ◆予防徹底へ見守りの強化を◆


 熊本、大分両県を中心に相次ぐ地震で、エコノミークラス症候群による死者が出た。急性心不全による避難者の死亡も明らかになり、避難によるストレスや疲労などが原因となった「震災関連死」の可能性があるとみられている。
 地震そのものでは助かった命が、避難生活の中で失われるとは無念だ。突然死や健康悪化を招かないよう、予防策の徹底や、心身の不調を早期に発見し治療につなげられる態勢づくりが急がれる。
車中泊に目配り必要
 今回の地震では車中泊する人が目立つ。避難所となっている公共施設の駐車場や、自宅敷地内に止めた車の中で寝泊まりをしている様子がテレビに映しだされる。
 避難所が満杯で入れなかったり、避難所そのものも被害を受けて使えなくなったりするなど、さまざまな理由があるだろう。19日も強い地震があるなど、度重なる余震への恐怖から、屋根のある避難所を避ける人もいる。
 エコノミークラス症候群で搬送され、死亡が明らかになった熊本市西区の女性(51)も、自動車内に避難していた。
 同症候群は、同じ姿勢で長時間座るなどして手足がうっ血し、脚の静脈に血の塊(血栓)ができる症状だ。血栓が肺の血管を詰まらせると呼吸困難に陥り、突然死する恐れがある。
  水分を十分に取ることや、同じ姿勢を続けずに適度に体を動かすことが予防につながる。
 しかし避難所や店舗に十分に水が届かず、被災者に行きわたっていない現実がある。食料も不足し、余震で睡眠もままならないため、体を動かす体力も気力も減退している人は多いのではないか。
 女性のほかにも同症候群と診断された人が続々と出ている。
 車中への避難だと目が行き届きにくい。大勢の人が過ごしている避難所を含め、いかにして予防対策を周知できるか。健康状態の異常に気付き、対処できるか。態勢づくりの工夫が求められている。
避難長引き不安募る
 急性心不全で亡くなった阿蘇市の女性(77)は、公共施設に避難していたところ、トイレで倒れているのが見つかった。
 長期化する避難生活は、心身を疲弊させていく。集団での生活では風邪などがまん延しやすく、トイレの回数を減らそうと水分を控えることで脱水症状を起こすこともある。
 プライバシーが保ちにくくストレスもたまりやすい。家族や友人を失ったり、自宅が倒壊したりしてショックを受けている上、先々への不安感も重なる。
 持病や障害、その人の置かれた状況などに配慮した心身のケアが必要だ。疲れを癒やすマッサージや話を傾聴するボランティアなども、力を発揮しそうだ。
 本県からも保健師らのチームが派遣された。東日本大震災で支援経験のあるメンバーもいる。現場で培った視点を生かしてほしい。
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南日本新聞 ( 2016/4/20 付 )
社説:[熊本地震・避難生活のケア] 長期化に備え万全を期せ


 高齢者や幼児ら災害弱者への医療支援が急務である。避難生活の長期化に備え、心身のケアに万全を期したい。
 余震が続く熊本地震では、10万人規模が避難生活を強いられている。不自由な暮らしの疲労やストレスは大きく、健康悪化への不安も高まっている。
 阿蘇市の避難所では、高齢女性が急性心不全のため死亡した。避難によるストレスなどが原因となった震災関連死とみられる。
 熊本市では、自宅の敷地に止めた車に寝泊まりしていた50代女性がエコノミークラス症候群で死亡した。
 同様の症状の疑いがある人の病院搬送が相次いでおり、患者の拡大が懸念される。
 エコノミークラス症候群は脚の静脈にできた血の塊(血栓)が肺に届いて血管を詰まらせ、突然死を招く病気だ。
 発症のリスクは車中泊にとどまらない。すし詰めの避難所などでも長時間、同じ姿勢でいると発症しやすいという。
 予防には水分を十分補給し、適度に体を動かすことが有効だ。避難者の命を守るために予防策の周知徹底に努めたい。
 被災地には長期的に活動する日本医師会の災害医療チーム(JMAT)をはじめ、各地の災害派遣医療チーム(DMAT)が展開している。
 一部の病院では、ガスや水道が使えないため患者の受け入れ能力が低下している。非常食で賄っている病院も複数あるという。
 現地の医療機能回復は喫緊の課題だ。一刻も早い復旧に全力を挙げてもらいたい。
 避難者の数に対して医療チームの人手不足は否めない。避難所を巡回したJMATの医師は危機感を募らせている。住民ニーズに十分に対応するためにチームの増派を実現してほしい。
 とはいえ、巡回医療には限界がある。健康維持には、避難者同士が互いに目配りすることも役に立つ。体操や散歩などでリフレッシュすることも心掛けたい。
 避難所の環境整備も避けて通れない。水分補給を促すために室温を上げる工夫や人数に見合ったトイレの設置が求められる。こまめな消毒で食中毒や感染症の流行を防ぐことも大切だ。
 阪神大震災や東日本大震災では多くの震災関連死を生んだ。同じ悲劇を繰り返さないために被災者の視点で、医療支援態勢を構築したい。
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琉球新報 2016年4月20日 06:01
<社説>オスプレイ派遣 災害の政治利用はやめよ


 熊本地震の支援活動の一環として、米軍普天間飛行場所属の新型輸送機MV22オスプレイ2機が熊本県に救援物資約20トンを輸送した。被災地救援への協力に対して米国政府にまずは感謝したい。
 ただし背後に日本政府の政治的な意図が見え隠れするのは気に掛かる。陸上自衛隊が導入するオスプレイを、2019年度から佐賀空港に配備する計画との関連だ。
 佐賀県はじめ地元の同意が得られない中、被災地支援で安全性や有用性を訴え、理解を得る-。そんなシナリオが用意されていないか。防衛省幹部ですら「あまりにも露骨過ぎる」と否定的に見るのは当然だろう。
 オスプレイの熊本派遣自体に疑問は残るが、優先すべきは被災者支援だ。日本政府は決して災害を政治利用してはならない。
 そもそもオスプレイを派遣する必要性があるかを検証すべきだ。
 15年版防衛白書によると、陸海空自衛隊で輸送用途の航空機は124機ある。このうち回転翼機は81機で陸自が55機を持つ。通常は情報収集などを行うが、輸送機としても使える多用途の回転翼機も陸自は167機保有する。
 つまり輸送機として使用できる回転翼機は、陸上自衛隊だけでも222機ある。防衛省によると、17日深夜の時点で自衛隊が派遣した固定翼・回転翼機は118機だった。まだ余力があると見ていい。
 さらに疑問なのは安倍晋三首相が17日朝の時点で「直ちに米軍の支援が必要という状況ではない」としながら、その3時間後にオスプレイ支援を受け入れたことだ。
 自衛隊の輸送能力は限界に達しておらず、3時間で事態が急変したとは考えにくい。軍事評論家の田岡俊次氏が言うように「『手伝いたい』というのを『来るな』と断るわけにはいかない」のかもしれないが、それを政治的に利用する意図があれば話にならない。
 15年のネパール地震で災害支援に派遣されたオスプレイは、住宅の屋根を吹き飛ばし、現地紙に「役立たず」と酷評された。熊本県内でも支援に感謝しつつオスプレイの安全性に不安を感じる人がいる。
 今、被災地に必要なのは寸断された陸路の先で孤立する人々へ迅速に物資を届けることだ。支援の手法は他にもある。日米同盟の誇示や配備計画への地ならしとも見られかねない、不要不急のパフォーマンスをしている場合ではない。
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