2016-04-19(Tue)

熊本地震 被災者支援 社説等160419(2) 

生活物資を早く十分に 命を守る踏ん張りどきだ 被災者のケア、最大限に 
活断層と原発--リスク再点検が必要だ 広がる震源に不安拭えぬ 住民の安全を最優先に

<各紙社説・論説>
京都新聞)地震と地元支援  被災者のケア、最大限に(4/19)
神戸新聞)要援護者支援/命を守る踏ん張りどきだ(4/19)
山陰中央新報)熊本地震/住民の安全を最優先に(4/19)
山陽新聞)熊本地震と原発 広がる震源に不安拭えぬ(4/19)
中国新聞)活断層と原発 リスク再点検が必要だ(4/19)
高知新聞)【被災者支援】生活物資を早く十分に(4/19)




以下引用



[京都新聞 2016年04月19日掲載]
社説:地震と地元支援  被災者のケア、最大限に


 最大震度6強(M7・3)を記録した熊本、大分両県を中心にした地震が収束していない。
 その後も余震が絶えず、震度1以上の余震は500回を超えた。16日未明の地震発生から、負傷者の生存率が格段に下がるとされる72時間が経過した。
 熊本県によると、南阿蘇村で8人が安否不明になっている。残された時間と闘いながら警察と消防の懸命の救助作業が続いている。
 避難した住民に届くべき物資の不足も心配だ。政府は業者へ指示して食料や飲料水を手配していたが、肝心の避難所や店舗まで行き届いていない状態だという。今も各地で9万人を超えている避難者のケアを最大限に優先してもらいたい。
 熊本市が開いたきのう朝の対策会議では、「避難所の朝食が足らない」との報告が相次いだ。避難所を運営する市職員の人数も足らないという。物資不足の原因は道路の通行止めで物資の流れが阻まれたほか、集荷拠点から末端への移送が進まないことによる。
 熊本県では、幼稚園から小中高などのうち約6割に当たる約450校が休校し、大分県でも公立の小中高校26校が休校している。多くが避難所として使われている。
 避難所近くにマイカーを持ち込み車内で寝泊まりする人は多い。狭い車内で何泊もする苦労は計り知れない。生活の基本となる飲料水や食品、衣料品など生活必需品の到着遅れがあってはならない。避難者への配給に当たる職員の確保も同時に行ってもらいたい。
 各市町村の限られた職員数を考えるなら、各地からの派遣要員の受け入れを検討すべきだ。各地には着々とボランティア団体が結成されている。今後、ますます活動を手助けする要員の確保が重要になる。各団体の自主性を重んじながら、要員を広く受け入れてさまざまな地域で活躍してもらうことが求められるだろう。
 残念な事態も起こっている。熊本県阿蘇市にある公的施設の避難所で、市内の女性が死亡した。深夜に食事した後に行方が分からなくなり、施設に隣接する公園のトイレ内で死亡していた。震災関連死とみられている。
 地震のどさくさに紛れるように米軍の普天間飛行場(沖縄県)所属の新型輸送機MV22オスプレイを使った必要品の輸送をした。被災者支援とはいえ、国内でオスプレイを使うのは初めてだ。安全性が疑われるなかでの使用に疑問が残ることだけは指摘したい。
ページのトップへ戻る



神戸新聞 2016/04/19
社説:要援護者支援/命を守る踏ん張りどきだ


 天災とはいえ、むごい試練だ。熊本、大分両県の被災者はうち続く余震に疲労、心痛が頂点に達しているだろう。察するに余りある。
 道路が寸断され、救援物資が届かない。水や紙おむつを求める声にも応えられず、もどかしさが募る。
 マグニチュード(M)7・3の本震から72時間になり、不明者捜索は一刻の猶予も許されない状況だ。救出に全力を挙げてもらいたい。
 約10万人が避難を余儀なくされている。道路や水道などインフラが復旧し、物資補給が可能になれば、助け合いや励まし合いが窮状を乗り越える原動力になるだろう。
 心配なのは自力生活が困難な「要援護者」と呼ばれる人たちだ。
 阿蘇市の避難所では77歳の女性が死亡した。死因は急性心不全。避難によるストレスが原因になった震災関連死の可能性があるという。
 5年前の東日本大震災では避難後の関連死が今も続いている。その数をいかにして減らすかは災害救援の在り方に関わる問題だ。
 阪神・淡路大震災以降、数々の災害での理論と実践を組み合わせた「災害看護」はそのためにある。
 被災者は環境激変による身体、精神的ストレスを抱え込み、水や食料事情の変化から呼吸器系、消化器系疾患や感染症にかかりやすい。
 避難先では共同生活となり、高齢者や体が不自由な人ほどトイレに近い場所を選び、水分を控えがちになる。水分不足は体調悪化の原因になると関係者は指摘する。避難所に被災者の健康状態を細かくチェックできる人の配置が欠かせない。
 熊本県宇土市、八代市などでは庁舎での業務停止や機能まひが相次ぎ、被災者対策への影響が懸念される。政府はきのう、こうした市町に生活支援チームの派遣を決めた。適切な配置と素早い対応が鍵になる。
 要援護者支援策の一つとして国は全国で福祉避難所の整備を進めてきた。特別養護老人ホームや老人保健施設などを受け皿とするが、状態のよくない人を遠方に移すと逆効果になる場合もあり、注意が必要だ。家族の近くでホテルや温泉施設に協力を求めるなど柔軟に考えたい。
 人のいるところで起きるのが災害だ。地域が変わり果てても人がいて暮らしがある。そこで芽生える連携が地域をよみがえらせる力になる。試練を乗り越える踏ん張りどきだ。
ページのトップへ戻る



山陰中央新報 ('16/04/19)
論説 : 熊本地震/住民の安全を最優先に


 14日夜、熊本県で震度7の揺れから始まった地震活動はその後、より大きな地震が発生したほか、大きめの余震が続き、地震の起こる範囲も東側の大分県に拡大するなど活発化している。
 活断層で発生する地震は予測が極めて困難で、今後どう推移するのかも分からない。気象庁は余震への警戒を呼び掛けているが、周辺地域では住民の安全確保を最優先に可能な対策を総動員しなければならない。
 一連の地震は、別府湾から阿蘇山を経て島原半島に至る「別府-島原地溝帯」に沿って起きた。地殻のひずみがたまりやすく、過去の地震が地表付近に残した活断層が数多く存在し、東側には四国を通る中央構造線断層帯という巨大な活断層がある。
 特徴的だったのは、震度7の揺れを引き起こしたマグニチュード(M)6・5の地震の後、16日未明にエネルギーが16倍もあるM7・3の地震が起きたことだ。大きな本震の後に小さな余震が続く普通のパターンではなく、大きな地震の前に小さな地震が起こる「前震」だった。
 2011年の東日本大震災では、3月9日に宮城県沖でM7・3の地震が起き、そのときは本震だと考えられた。2日後にM9・0の超巨大地震が起きたことにより、前震と位置付けられた。今回もM6・5が本震だと思っていたら実は前震で、M7・3が本震だった。こんなふうに、ある地震が前震かどうかは、その後に本震が起きないと分からない。
 余震が頻発していることも特徴的だ。これも、震源が内陸の浅い場所にある地震でよく見られる現象だ。04年の新潟県中越地震でも、大きな有感地震が続いた。余震の多さは複雑な地下構造に起因するとみられる。そこでの活動が東側の活断層に飛び火し、大分県の活動を誘発した可能性が指摘されている。そんな地震の連鎖も、世界的には珍しくない。
 九州以外の地域にとっても決して人ごとではない。どこでも地震は起こり得る。建物の耐震化など基本的な地震対策はもちろん、どんな事態にも対応できる仕組みをつくっておくことが重要だ。
 地震は自然現象であり、世界のどこかで起きたことは日本でも起こり得るが、いつどこでどんな地震が起こるかを予測することはできない。政府の地震調査委員会は活断層の調査を基に、各地で起こり得る地震の規模や発生確率を発表している。だが科学的根拠は乏しいとされる。
 予測できなくても備えることはできる。津波や土砂災害など速やかに避難すべきケースは別にして、地域にとどまって災害に立ち向かうことが基本であり、そのための第一歩は建物の耐震化だ。
 耐震基準を満たせば、震度7の揺れでも構造が壊れることはほとんどない。耐震基準の対象外となっている天井の落下防止対策や家具の固定など、室内の安全対策も欠かせない。その上で、水や食料の備蓄や屋外への避難経路の確認も当然必要だ。
 地域では初期消火など近所で協力して取り組む対策を議論し、訓練したい。災害の規模に応じて、市町村、都道府県、国の、それぞれのレベルで対応を決めておけば、混乱は避けられるはずだ。
ページのトップへ戻る



山陽新聞(2016年04月19日 07時18分 更新)
社説:熊本地震と原発 広がる震源に不安拭えぬ


熊本県を襲った地震は発生から4日が経過した。余震は一向に収まる気配を見せず、むしろ大分県側や逆方向の南西側へも震源域が拡大している状況だ。九州の原発は大丈夫なのか。そんな不安に対して、原子力規制委員会がきのう、安全に問題はないとの判断を示した。
 最も気になるのは、稼働中の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)である。予防的に原発を停止させることについて、田中俊一委員長は「安全上の理由があれば止めなければならないが、今の状況では問題はない」と述べた。
 薩摩川内市では最大震度4を観測した。九州電力は、原発に伝わった揺れはそれより小さく、安全に影響はないとして運転を続けている。
 原子力規制庁は、今回の地震で活動した布田川・日奈久断層についてはマグニチュード(M)8・1と想定して適合審査を行ったとした。実際に観測されたのはM7・3で想定を下回ってはいる。原発までの距離も約90キロあり、影響は限定的と判断した。
 九州には停止中の九電玄海原発(佐賀県玄海町)もある。同原発は今回の地震で、揺れの大きさを示す最大加速度20・3ガルを観測した。これは原子炉が自動停止する設定値を下回るものという。
 数値的にはそうだとしても心配は尽きない。福島原発では、事前に事故リスクが指摘されたのに適切な対応がなされなかった。安全神話に寄りかかり、自然の力を甘く見た結果だ。今、断層を原因とする内陸地震としては想定できない頻度と規模で余震が続いている。慎重に監視した上で、早めの運転停止もためらわずに選択肢とすべきだろう。
 もう一つ気になるのは対岸にある四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)である。熊本地震では、九州を斜めに縦断するように走る断層が動いた。その延長線上には四国を横断して紀伊半島に至る中央構造線がある。伊方原発は、中央構造線が走る海域の南8キロに立地しているからだ。
 伊方原発は再稼働に向けた規制委の審査に合格済みだ。審査は中央構造線の影響をどう評価するかで長引いた。結局、想定する揺れを引き上げなければならなかった経緯があり、大きな不安要因になっていることは確かである。
 専門家からは、熊本地震を引き金に近い将来、中央構造線上で地震が発生する可能性も指摘されている。さかのぼれば、1596年に別府湾(大分県)の海底断層から地震が始まり、数日で四国、近畿地方へ大地震が連鎖した記録がある。それが中央構造線に沿った地震だったことを思うと不安は拭えない。
 “地震の巣”といっても過言ではない地盤の上で、原発と共存している私たちの生活である。事故が起きてからでは取り返しがつかない。地震の今後の動きに十分な目配りを続けねばならない。
ページのトップへ戻る



中国新聞 2016/4/19
社説:活断層と原発 リスク再点検が必要だ


 2千を超す活断層が走る日本列島に原発が立地することも強く意識せざるを得ない。活断層が原因とみられる熊本、大分両県の地震被害で率直な不安を抱く人も少なくないだろう。それが政府や電力会社に十分伝わっていないのではないか。
 新規制基準をクリアし、全国で唯一稼働する鹿児島県の九州電力川内(せんだい)原発も直接の被害はなかったとはいえ、予防的に停止すべきだとの声もある。
 しかし、九電は早々に安全は確認できたと動かし続けた。それでも地震の影響を懸念する国民の声を無視できなかったのだろう。きのう原子力規制委員会の臨時会合が開かれた。国の情報発信が不十分だった点は「率直に反省しないといけない」と認めつつ、肝心の運転継続の是非については「安全上の問題はない」として追認した。
 規制委の田中俊一委員長は会見で「安全上の理由があれば止めなければならないが、今の状況で問題があるとは判断していない」と述べたが、あまりに漠然としている。これで住民の不安を拭いきれるだろうか。
 確かに震源域と川内原発のある薩摩川内市は距離があって、震度は4にとどまった。揺れの勢いも、耐震設計のもとになる基準地震動よりはるかに小さかった。とはいえ今回、震源域は広がる傾向にあり、これから原発の近くでもっと強い揺れが発生しないとも限らない。
 油断が何より恐ろしい。現に今回の地震との関係が指摘される布田川(ふたがわ)断層帯と日奈久断層帯は、政府の地震調査委員会が警戒を促してきた主要活断層に数えられていた。しかし被害が大きかった熊本県益城町(ましきまち)が4年前に作ったハザードマップでは、「今後30年以内の地震発生確率は極めて低い」として想定震度も若干低く見積もっていた。
 活断層には地表に痕跡が現れにくかったり、長い年月で痕跡が消えたりしたものもあるという。今後、心配されるのはさらに別の活断層が動き、大きな地震を引き起こす可能性である。
 九州以外にとってもひとごとではない。今夏の再稼働を予定している愛媛県の四国電力伊方原発の付近には、四国から近畿まで延びる中央構造線断層帯がある。熊本などの地震が中央構造線に影響するかどうかは研究者の間でも意見が分かれる。
 しかし地元からすれば、リスクを大きめに想定するのは当然ではないか。少なくとも活断層の現状と耐震設計の妥当性を再点検し、住民にもあらためて説明を尽くすべきであろう。
 今回もう一つ浮き彫りになったのは、いざというときの情報提供がおろそかにされがちな現状である。九電にしても運転継続に対する住民の疑問にどこまで応えようとしていたか。さらに原子力規制庁がホームページでトラブルなしを伝えたのも最初の地震から半日以上たってからだ。あまりにも遅すぎる。
 規制庁によると原発の立地自治体で震度5弱以上を観測した場合は一般向けに情報発信するよう内規で定めており、対象外とみなして当初は対応しなかったようだ。今後を改善する方向というが、住民の意識とのギャップが3・11以降も何ら変わっていないと考えたくもなる。
 地震国日本の防災・減災では原発のリスクも切り離せないことを肝に銘じてもらいたい。
ページのトップへ戻る



高知新聞 2016.04.19 08:12
社説:【被災者支援生活物資を早く十分に


 地震による甚大な被害が出た熊本、大分両県で、避難生活が長引いている。これに伴い、さまざまな生活上の問題が出ている。特に深刻なのが水や食料など、必需品を含む物資の不足である。
 避難者は、18日午前で両県合わせて約10万5千人に上る。だが、スーパーやコンビニの多くが休業を余儀なくされ、営業していても品不足の店が目立っている。
 政府は同日、被災者向け非常食を倍増し、物資配布を調整するため国の職員を派遣する方針を表明した。厳しさを増す物資不足を受けた措置である。
 14日夜の発生以降、避難者は疲れとストレスに悩まされている。先が見えない不安は募る一方のはずだ。不便で神経を使う避難所暮らしが長引くにつれ、体調を崩す人も増えているのではないか。
 熊本県阿蘇市の避難所で17日、ストレスなどが原因で震災関連死の可能性がある犠牲者も出た。
 高齢者や乳幼児、持病のある人々といった弱者の健康管理は十分だろうか。おにぎり、パンの食事が続けば、栄養も気になる。時には温かい食事で気分転換することも必要だろう。
 食べ物を配る行列に並んでも小さなバナナ一切れしか手に入らなかった、あるいは並んだ揚げ句、水や食べ物を入手できなかった気の毒なケースもある。
 物資が不足しているのは、土砂崩れなどで道路や鉄道が寸断され、通行できない場所が多いからだ。
 庁舎損壊で行政機能がまひしたままの地域があり、余震も頻発している。拠点に荷物が届いているのに、避難所や店舗へ届けられなくなっている。
 安否不明者の捜索とともに、早急に交通網を復旧させたい。物資が十分被災地に届き、配布できるようになれば、数多くの人手が必要になろう。人命救助を優先し現在は受け入れていないが、ボランティアの力が必要になる。
 被災により物流が混乱して生活物資が不足するケースは、2011年の東日本大震災、07年の新潟県中越沖地震などでもあった。
 災害対策基本法は、被災者の保護に当たり「遅滞ない避難所の供与」と、避難所以外の人も含め「食糧、衣料、医薬品、その他の生活関連物資の配布」などで生活環境整備を図るよう求めている。
 過去の事例を基に、災害時を想定した物資供給に関する行政と企業、団体などとの協定は、本県でも多くみられる。
 備えはもちろん必要だが、いざ災害となると、想定通りいかないことはあり得る。あらゆる事態を考え、万全を期す必要がある。
 熊本、大分両県でこれ以上物資配布が遅れてはならない。
 避難生活はさらなる長期化も予想されている。苦難の中でも生きていくために、迅速かつ十分に届けなければならない。
ページのトップへ戻る

////////////////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 熊本地震 被災者支援 生活物資 活断層と原発

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン