2016-04-19(Tue)

熊本地震 被災者支援 社説等160419(4) 

関連死」防ぐケア充実を  被災者の寝食確保へ全力を
災害対応--避難・支援計画を見直そう 長引く余震--広域的な避難も視野に 


<各紙社説・論説>
西日本新聞)震災医療 「関連死」防ぐケア充実を(4/19)
佐賀新聞)熊本地震 佐賀を避難・支援拠点に(4/19)
宮崎日日新聞)熊本地震終息せず 被災者の寝食確保へ全力を(4/19)
南日本新聞)[被災地支援] 連帯の精神で継続的に(4/19)
琉球新報)災害対応 避難・支援計画を見直そう(4/19)
沖縄タイムス)[長引く余震]広域的な避難も視野に(4/19)




以下引用



=2016/04/19付 西日本新聞朝刊=
社説:震災医療 「関連死」防ぐケア充実を


2016年04月19日 10時40分
 恐れていたことが、早くも起きてしまったのか。熊本県阿蘇市の避難所で77歳の女性が急性心不全で死亡した。市などによると、高血圧症の持病があったといい、避難に伴うストレスや疲労に起因する震災関連死の可能性がある。
 震災関連死は、地震終息後も長く続く深刻な「二次被害」である。東日本大震災の関連死は今なお後を絶たず、死者は昨年9月時点で3400人を超えた。その約9割が高齢者だ。
 そんな過去の教訓を踏まえて災害医療が築かれてきた。経験と知見を生かしてあらゆる手だてを尽くし、関連死を未然に防ぎたい。助けられる命は必ずあるはずだ。
 大勢の被災者が厳しい避難生活を余儀なくされている。十分な水や食料が行き届かない避難所もあるという。行政が被災者のニーズを把握し、全国から寄せられる救援物資を速やかに、かつ的確に配給してほしい。避難生活の質を少しでも改善することが、疾病予防の土台となる。
 体育館などの硬い床では、満足な睡眠もとれない。阿蘇で亡くなった女性のような高齢者、重い糖尿病や心臓病といった慢性病患者などにとっては、生命の危機に直結しかねない過酷な環境だ。
 障害者や妊婦、乳幼児も含め、ケアが必要な被災者への目配りをいっそう強める必要がある。
 被災によって使用中止となった医療機関もある。入院患者の転院や要介護者の受け入れなどは、県境を越えた医療機関や高齢者施設の緊密な連携と協力が不可欠だ。
 日本透析医会はホームページで病院ごとの人工透析の可否、被災の有無などの情報を提供している。慢性疾患に関する治療情報を必要な人に知らせる方策にも知恵を絞りたい。
 避難が長期化すれば、ストレスに加え、生活再建への不安も高じてくる。うつ病や自殺を防ぐための対策も課題となるだろう。
 現地の医師や看護師、保健師などの疲労も極限に達している。医療スタッフや医療機器などの広域的な支援態勢も早急に整えたい。
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佐賀新聞 2016年04月19日 05時00分
論説:熊本地震 佐賀を避難・支援拠点に


 「熊本地震」の余震が続く。
 一連の地震は14日夜の震度7、マグニチュード(М)6・5から始まった。これが本震とみられていたが、16日になって最初の地震の16倍ものエネルギーを放出するМ7・3が発生。気象庁は当初の発表を改めて、最初の震度7を「前震」に格下げした。従来考えられていた本震-余震の流れとはまったく異なる、前震-本震という経過は、内陸部では初めてのケースだという。
 どう終息していくのか、これまでの経験則では見通せないという。それだけに、この震災への対応は、長期化を覚悟しておかねばならないだろう。
 熊本・大分両県では最大で約20万人が避難した。これまでの大震災を踏まえると、避難所生活はプライバシーもなく、衛生的にも厳しく、被災者の肉体的、精神的負担が非常に大きい。
 とりわけ、体力的に弱い高齢者や乳幼児、妊産婦ら、いわゆる災害弱者の疲労はすでにピークに達している。さらに長期の避難所暮らしは耐えがたいだろう。
 被災者の負担を減らすため、できるだけ早く仮設住宅や、民間の住居を借り上げる“みなし仮設住宅”へと移す必要がある。
 今回、私たちの佐賀県も最大で震度5強を記録し、家屋の倒壊やけが人などの被害も出ている。だが、熊本や大分に比べれば、被害の程度は軽い。ここは、同じ九州でもあり、被災地支援の拠点として役割を果たしたい。
 その支援策のひとつとして、被災者の希望があれば、積極的に県内へ受け入れたい。県は公営住宅184世帯の受け入れが可能としているが、将来的な生活再建を見込んで、移動に数時間圏内であるという地理的な利点を生かしてほしい。
 また、被災者の受け入れと同時に、市民ボランティアを派遣する準備も進めたい。
 現段階では、自衛隊や警察、消防、医療分野など、専門家による支援が第一だ。二次災害に巻き込まれる危険性があり、民間人が向かっても現場の混乱に拍車をかけてしまうようだ。
 だが、いずれ余震が落ち着き、次の段階に入れば、被災地ボランティアの力が欠かせない。具体的には、全半壊した住居の後片付け、避難所での食事の世話や救援物資の配布・仕分けなどで担い手が求められる。
 受け入れ窓口になる熊本県社会福祉協議会はウェブサイトで、現時点ではボランティアを受け入れていないというお知らせとともに、今後、ボランティアとして参加する場合に必要な心構えや具体的な携行品、交通手段などを案内している。基本的には食事や宿泊場所は用意されず、あくまでもボランティア自身が自立して動くことが条件になる。
 ゴールデンウイークの休みを利用して現地へ向かおうという人も多いだろう。受け入れ開始に向けて、ボランティア希望者向けに養成講座を開いてはどうだろうか。
 東日本大震災では、県内からも多くのボランティアが東北に向かい、汗を流した。地震の予測にはこれまでの経験則が通じなくとも、被災地支援ならば生かせるはずだ。余震が終息したその先を見据えて、今から準備しておきたい。(古賀史生)
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宮崎日日新聞 2016年4月19日
社説:熊本地震終息せず ◆被災者の寝食確保へ全力を◆


 終息の気配が見えない「熊本地震」。14日夜以降、本県も断続的に揺れに襲われており、宮崎地方気象台は引き続き警戒を呼び掛けている。
 一連の地震で熊本県では行方不明者が出ている。捜索が進み一刻も早く救出されることを願う。また食料、水といった生きるために必要な物が避難所等に行き届いていない。阪神大震災、東日本大震災で培った知恵や知識を生かし、総力を挙げて被災者を支えたい。
被害拡大する恐れも
 今回の地震は、一度大きな地震が起き、次第に落ち着いていくという“一般常識”が通用しない。14日は倒れずに済んだ家屋が、16日の地震を受けて倒壊している。
 壊滅的な被害からどう立ち直るかを考えるのも大変だが、被害が「進行形」をたどり拡大していく今回のような事態にどう立ち向かうか。自然は大きな課題を再び人間に突き付けていると言える。
 14日の発生から5日がたつ。本県ではその間、椎葉村、高千穂町、美郷町で震度5強を観測した。
 震度5強を県内で観測したのは、1996年に震度階級が10段階に分かれて以来、初めて。その他の地域でも揺れが続いている。
 県内で死者は出ていないものの、けが人や住宅被害、交通・物流への影響などがみられている。このまま終息に向かってほしいが、今後の可能性について真剣に考え、対策を講じておくべきだ。
 政府の地震調査委員会は、熊本県を北東から南西方向に走る「布田川(ふたがわ)断層帯」が本震、布田川から折れ曲がるように分かれた「日奈久(ひなぐ)断層帯」が前震を引き起こしたと判断した。
 活断層の位置は地形に残った痕跡や地層のずれなどを根拠に推定する。それでは本県ではどうなのか、同じような地震が起こる恐れがあるのかが気になるところだ。
県内の断層帯は不明
 原田隆典・宮崎大教授(地震工学)は本紙取材に、直下型のえびの地震が1968(昭和43)年にあったことを挙げ「可能性は十分考えられる」と答えている。
 不安が募ったのは「宮崎に断層帯があるかははっきりしていないが、調査が行われていないだけ」という指摘だ。
 これまで本県は南海トラフ巨大地震への備えに集中していた面もある。あらためて、全域でさまざまな観点からの調査や研究が進むことを望みたい。
 県には、自治体や県民一人一人が対策を講じていくのに役立つ情報発信に力を入れてほしい。
 急がねばならないのは被災地の人々への支援だ。屋外にシートを敷き毛布にくるまって寝ている人がいる。食料や水を求め長時間並ぶ人がいる。何とかあたたかい場所で眠れるよう、何とかおなかが満たせるよう、支えられないか。
 情報集約や物流、避難所運営など、日本が過去の震災で培ってきた復旧、復興への知恵を、今こそ熊本や大分へ生かしていく時だ。
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南日本新聞 ( 2016/4/19 付 )
社説: [被災地支援] 連帯の精神で継続的に


 熊本県を中心とする地震活動による被害が広がっている。
 家屋倒壊や崖崩れの現場では、自衛隊や警察による捜索が続いている。交通網の寸断で思うように移動できず、二次災害を警戒しながらの厳しい作業である。細心の注意を払った上で、一人でも多くの人命を救ってほしい。
 懸念されるのは、余震とみられる揺れが収まらないことだ。14日夜以降の地震発生回数は、2004年の新潟県中越地震を上回り、内陸や沿岸部で起きた地震では過去最多ペースになっている。
 鹿児島県でも揺れが観測され続けている。震源地が隣県で、被害が人ごとではないことを意識せざるを得ない。
 自宅が被害を受けたり、危険地域にあったりして避難している現地の人たちは心労が重なっているはずだ。暮らしの先行きの不安に加えて、深夜でも容赦なく襲ってくる地震の恐怖でストレスは極限に近づいているのではないか。
 鹿児島県内には、飲料水や食料品などの支援物資をトラックに載せて現地に届けた人もいる。被災者の力になりたいと思う人の具体的な行動は心強い。
 過去の大規模災害の例を見ると、被災地再建にボランティアの力は欠かせない。東日本大震災で被災者の身の周りの世話をしたり、人海戦術の復旧で汗を流したりした人の多くは、全国各地から集まったボランティアだった。
 ただ、今はまだ余震が終息せず、受け入れ態勢は整っていない。熊本県社会福祉協議会のボランティアセンターは、現時点では活動を控えるように呼びかけている。こうした情報は、鹿児島県の被災者支援に関するホームページでも見ることができる。
 どこで何が足りないのか、どんな人手がほしいのか。行政には迅速な状況把握と受け入れ態勢整備、仕事の割り振りを求めたい。
 県境近くの鹿児島県の大型店舗では、駐車場で車中泊する熊本県民の姿もあるという。隣県として、特に避難者の実情に細かに目を向け、支援策を打ち出すことを考えたい。
 例えば、県内の公共宿泊施設や温泉センターなどで一定期間、体を休めてもらうような対応はできないだろうか。不安と恐怖の日々に終わりが見えず、心身共に疲れ切った人たちを思えば、検討の価値はありそうだ。
 隣県として自治体で、個人でできることを考え、前例にとらわれず継続的に実行していく必要がある。その積み重ねが連帯のメッセージとして伝わり、苦境を乗り越える力になるかもしれない。
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琉球新報 2016年4月19日 06:02
<社説>災害対応 避難・支援計画を見直そう


 熊本地震の被災地では多数の人が避難しているが、道路寸断などで物資不足が深刻化している。飲み水さえ足りず、指定避難所の校庭にパイプ椅子で「SOS」の文字ができる光景は衝撃的だ。一刻も早く物資が行き渡るよう、政府は最大限の支援態勢を敷くべきだ。
 一方、熊本県庁は支援物資を含む段ボールで満杯で、さばき切れない状態という。自治体の人手不足も深刻なのだ。民間から支援の輪を広げたい。
 こうした時は往々にしてボランティアの受け入れそのものにも手間取る。各ボランティアを調整する総合的な調整機能が重要だ。行政はそうした役目を担える民間団体との連携も急いでほしい。
 それにしても、過去から私たちは教訓を得てきたはずだ。それなのにこれほど脆弱(ぜいじゃく)なのはなぜか。
 阪神大震災以後、各県から緊急消防援助隊を派遣する仕組みができ、今回も約2千人が来援した。だが震度6以上が次々起きる今回のような事態は想定外だった。部隊をいつまで待機させるか、難しい対応を余儀なくされている。
 自治体間の相互応援協定の動きも阪神大震災以降に広がった。結果、地域を越えて迅速に物資を運ぶ態勢は整いつつある。だが、体育館に物資が山積みになる一方、個々の避難所の被災者にはなかなか届けられないという問題は、その後も頻発している。
 被災地に送ると作業が滞るのはいわば必然だ。手前の地域にいったん物資を集積させ、各避難所向けに小分けにする方が効率的だ。2007年の新潟県中越沖地震で得た教訓だが、生かされたのか。
 東日本大震災では、仕分け拠点から避難所までの配送に民間の宅配業者が活躍した。防災学者は「国や県、自衛隊は大量に物資を送るのは得意だが、避難者個々の要望に合わせるのは苦手だ。もっと民間に任せる発想を」と語る。
 避難所で被災者一人一人の要望に合わせて対応するのはボランティアの得意技だ。余震が続く状況とはいえ、やはり民間の力を得たい。それを円滑に引き出す仕組みが必要だ。
 東日本大震災後、自力避難困難者名簿の作成が義務付けられたが、作成済み自治体は12%にとどまる。今回も行方不明者の把握に手間取った。その点も留意が必要だ。
 今回浮き彫りになったこれらの課題に向き合いたい。現在の避難・支援計画を総合的に見直そう。
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沖縄タイムス 2016年4月19日 05:00
社説[長引く余震]広域的な避難も視野に


 熊本地震は14日の「前震」と16日の「本震」の後も、余震活動が活発で、収まる気配がない。震度1以上の地震は550回を超えた。気象庁も「レアケースで先が見通せない」と警戒を呼び掛ける。
 熊本、大分両県の内陸の三つの活断層が引き起こしているとみられ、両県を中心に被害が拡大している。
 死者は44人に上る。8人の安否が依然不明の南阿蘇村では、本震から生存率が低下するとされる「72時間」が迫る中、土砂崩れや倒壊家屋現場で懸命の捜索が続く。
 避難住民も、9万人余り。避難所に身を寄せる住民らは激しい地震のたびに恐怖と不安に襲われる。極度のストレスに見舞われているに違いない。今後、「心のケア」が重要になってくる。
 映像を見ると、身動きがほとんど取れない小さなスペースしか確保されていない体育館などの避難所もあり、ついたてもない。女性は着替えや授乳などプライバシーが保護されているのだろうか。
 避難所には簡易トイレなどが備えられているものの衛生環境の悪化が懸念される。
 熊本市内の2カ所の避難所で、それぞれ男性1人が下痢や嘔(おう)吐(と)の症状を訴え、ノロウイルスと診断された。時間がたつにつれて集団感染のリスクが高まる。
 朝夕はまだまだ肌寒い日が続く。お年寄りや乳幼児、持病のある患者ら体調不良を訴える避難者らに対し、地元の保健師が圧倒的に不足している。医療関係のボランティアが緊急の課題だ。
■    ■
 阿蘇市内の避難所では急性心不全で女性(77)が死亡した。避難のストレスや疲労などが原因となった初の震災関連死の可能性がある。
 長期に及ぶ避難生活で心配されるのが「エコノミークラス症候群」だ。
 避難所の狭い空間では体が動かしにくく、長時間、同じ姿勢を取らざるを得ない。脚の静脈に血の塊(血栓)ができ、最悪の場合、肺に達し、血管を詰まらせ突然死に至ることがある。
 2004年に起きた新潟県中越地震で車中で寝泊まりをした被災者を中心に多くの人が発症。死亡者も出た。
 熊本地震でも避難所からあふれ、あるいは、屋内での避難を恐れ、自家用車の中で「車中泊」をする被災者が少なくない。水分を十分取り、膝の曲げ伸ばしなど体を動かすことが予防法だが、熊本県内で女性3人が意識不明の重体となる深刻な事態がすでに発生している。
■    ■
 避難生活は長期に及ぶことが避けられそうにない。先の見えない厳しい避難生活が続くことを考えると、一定期間、地震のない所に移動する「広域避難」も選択肢の一つではないだろうか。
 実現すれば、少なくとも避難者の「衣食住」は保障され、地震におびえることのない生活を送ることができる。
 熊本地震で避難所を開設している自治体や医療機関は、県内外の自治体などに協力を求め、広域避難の道を探ってほしい。沖縄県も現地の要望などを把握して率先して広域避難を受け入れてほしい。
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