2016-04-17(Sun)

熊本地震 M7・3「本震」 社説等(2) 

地震被害が拡大--救命と救出に全力挙げよ 止まらぬ連鎖憂慮する 広範囲で揺れへの警戒を

<各紙社悦・論説>
北海道新聞)「熊本」被害拡大 総力を結集し支援急げ(4/17)

東奥日報)心身のケアに万全を期せ/熊本地震 避難生活(4/17)
岩手日報)地震被害が拡大 経験と知恵を生かす時(4/17)
福島民友新聞)九州で地震相次ぐ/総力挙げ被災者救援を急げ(4/17)
新潟日報)熊本でM7・3 救命と救出に全力挙げよ(4/17)
信濃毎日新聞)続く強い地震 断層の連動に注意を(4/17)

神戸新聞)熊本地震「本震」/広範囲で揺れへの警戒を(4/17)
中国新聞)震度6続く熊本地震 止まらぬ連鎖 憂慮する(4/17)
愛媛新聞)被害広がる熊本地震 新たな教訓踏まえて対策見直せ(4/17)
徳島新聞)熊本で大地震続発 被災者支援に力を注ごう(4/17)
高知新聞)【熊本地震】あらゆる警戒徹底したい(4/17)




以下引用



北海道新聞 2016/04/17 08:55
社説:「熊本」被害拡大 総力を結集し支援急げ


 14日に起きた、九州では初の震度7が「前触れ」だったとは、被災地の不安はいかばかりか。
 16日未明、熊本県を震度6強の地震が襲った。
 その後も短時間で震度6弱以上の地震が相次いで発生。被害は大分県にも広がり、死傷者も増え続けている。道路が寸断され、孤立している人々もいる。
 これからは天候が崩れる見通しで、二次被害が懸念される。一部地域では避難勧告も出された。
 政府は自衛隊や警察、消防などの派遣要員を増強することを決めた。時間は限られている。被災者の救援に全力を注いでほしい。
 16日午前1時25分ごろに発生した地震は、マグニチュード(M)7・3と、阪神大震災に匹敵する規模だった。M6・5を観測した14日夜の地震の16倍で、一連の地震の本震とみられている。
 強い地震がさらに続き、家屋の倒壊や土砂崩れ、道路の崩壊などが熊本県や大分県で起きている。
 今後も震度6弱程度の余震が起きる可能性があるという。
 木造の古い建物は倒壊の恐れがある。地震により地盤が緩くなっている場所は、雨が降ると普段より崩れやすくなる。注意したい。
 避難所には、不安と疲労を募らせる子供やお年寄りがいる。気持ちの動揺も大きいだろう。
 飲料水や食料の確保とともに、できるだけゆっくりと体を休められるような環境を整えてほしい。
 政府は自衛隊の派遣を2万5千人規模に拡充、警察や消防についても全国からの応援部隊を投入し、災害応急対策に当たるとする。
 迅速な対応で被害の拡大を食い止める必要がある。被災地の住民が一日も早く普段の暮らしに戻れることを願う。
 今回の地震は、九州中央部を北東―南西に走る「日奈久(ひなぐ)断層帯」から、東北東―西南西に走る「布田川(ふたがわ)断層帯」に連鎖的に活動が移って広域化したとみられている。
 布田川断層帯の延長上に位置する大分県で、地震活動が活発化しているのはこのためだ。
 被害エリアがさらに拡大する可能性も指摘される。活断層近くの住民はもちろん、離れている地域でも警戒を強め、備えを万全にすべきだ。
 道内では各地で救援金を集めるなど、さまざまな支援活動が始まった。北海道新聞社と北海道新聞社会福祉振興基金も救援金を受け付ける。
 助け合う気持ちを道民全体で共有したい。
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東奥日報 2016年4月17日(日)
社説:心身のケアに万全を期せ/熊本地震 避難生活


 熊本地震の被害が拡大している。14日夜の最大震度7の地震に続いて16日未明には熊本県で震度6強の地震が短時間に相次いで発生した。熊本県はもとより、大分県でも建物被害などが起き、広範囲で死傷者が出ている。気象庁は「(地震が)これほど広域的に続けて起きるケースは珍しい」とし、余震に警戒を呼び掛けている。
 こうまで次から次に地震が起きると、住民は息をつく間もないだろう。安全な避難先の確保はもちろんだが、避難生活の長期化に備えてメンタルケアにも気を配るなど対策に万全を期してほしい。
 熊本県では16日午後の段階で約9万人が避難した。相次ぐ地震に「避難所も安心できない」との声も聞こえてくる。誰もが地震の続発に神経をすり減らし、先の見えない避難生活に不安を募らせている。身体的な安全の確保が最優先で、生活物資の支援なども求められるが、避難生活が長引くと、よりきめ細かい対策が必要になることは阪神大震災や東日本大震災などの教訓が示すところだ。
 避難所に身を寄せている住民たちは肉親や友人らを失い、慣れ親しんできた地域社会が崩壊したのを目の当たりにして大きなショックを受けている。それに加え寝具などが不足し、プライバシーを保つのも難しい場所でストレスがたまり、これに先々への不安感も重なり、心に傷を負うことになりかねない。
 東日本大震災から今年3月で5年になるのを前に、共同通信が津波で大きな被害に遭った岩手、宮城、福島3県の被災者を対象に実施したアンケートで、「震災発生当初を思い出し、今もつらいと感じることがあるか」との問いに7割以上が「ある」と答えた。具体的には「家族や親しい人を亡くしたこと」「自宅や財産の損失」「津波や地震の体験」「避難生活」などを思い出すとの回答だった。
 そういった心の傷を癒やすには、専門家による継続的なメンタルケアが欠かせない。つらさを抱えたまま何もしないと、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状が出る可能性もあるという。
 また度重なる地震への恐怖から屋根のある避難所を離れ、狭い車の中で生活するうちに「エコノミークラス症候群」にかかってしまう人が出ることも懸念される。避難生活での体調不良に対応できる態勢を整備する必要がある。
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岩手日報(2016.4.17)
社説:地震被害が拡大 経験と知恵を生かす時


 あの震度7は始まりにすぎなかった。熊本地震は16日未明からさらに活発化。強い揺れが続いて、新たな犠牲者も出るなど事態は深刻さを増している。
 被害範囲も広域化。倒壊した建物に閉じ込められた人の救出や負傷者の手当て、避難者の支援、インフラ復旧。どこも人手が足りない。
 政府は自衛隊や警察、消防の派遣要員を増強する方針を決めたが、官民ともにあらゆる分野で総力を挙げたい。
 被災地では16日夜から風雨が強まり始めた。地震で緩んだ地盤で土砂災害が起きる恐れもある。2次災害の防止に万全を期しながら救援活動に取り組んでほしい。
 熊本県では同日午前1時25分ごろ、震度6強の地震があった。マグニチュード(M)が7・3と阪神大震災級の規模。気象庁はこの地震が「本震」で、14日の震度7の地震は「前震」だったという見方を示した。
 その後も短時間に震度6弱以上の地震が相次ぐ。余震発生のペースは衰えていない。絶え間なく起きる余震が活動を阻んでいるのが悔しい。震源は複数の活断層に沿って広がっており、被害は今もなお拡大し続けている。
 各地で住宅やアパートなどが倒壊。多くの人が閉じ込められた。土砂崩れで埋まった住宅もある。懸命の救助活動が続いているが、犠牲者が増えている。14日以降の死者は40人を超えた。各病院はけが人であふれている。
 無残に押しつぶされたマンション。損壊した市役所。土砂崩れのためにえぐられた山。道路が寸断されて孤立した集落。谷に崩落した橋-。
 阪神大震災や新潟県中越地震、そして岩手・宮城内陸地震。いずれも見たことのある風景だ。直下型地震の荒々しい爪痕に息をのむ。
 しかし、ひるんでばかりはいられない。過去の災害と似た事態が起きているのなら、それらの経験と教訓を今回の被災地に集中したい。
 避難者のケアやライフラインの復旧、ガソリンや生活物資などの輸送。災害の度に学び、蓄積してきた多くの知恵を生かすべきときだ。
 ひっきりなしに起きる余震が避難者の気持ちをなえさせているのではと心配だ。心身の疲れはピークに近づいていることだろう。
 被災者が孤立していないことを知らせたい。5年前の東日本大震災で、立ちすくむ被災地に寄せられた励ましの声がどれほど力になったか。
 県内の支援活動も本格化してきた。各地から温かな支援を受けた恩返しをしたい。ボランティアでも義援金でも、できることを始めたい。多くの災害から立ち上がってきた強さを見せよう。
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福島民友新聞 2016年04月17日 09時16分
社説:九州で地震相次ぐ/総力挙げ被災者救援を急げ


 九州を揺らす地震が止まず、被害が拡大している。16日には熊本県から大分県にかけた広い範囲で建物の倒壊や火災、山崩れが相次ぎ、再び多数の死傷者が出た。
 国を挙げて被害の全容把握を急ぎ、救命救助活動や被災者支援に総力を注がなければならない。
 14日夜に熊本県益城町(ましきまち)でマグニチュード6.5、震度7を観測して以降、地震が多発している。
 16日未明には、マグニチュード7.3、震度6強を観測した。阪神大震災に匹敵する規模だ。地震の規模を示すマグニチュードの数値が大きいほど、地震が発するエネルギーが大きいということだ。
 気象庁はこの地震を「14日以降に発生した地震の本震と考えられる」との見解を示した。14日夜の地震は「本震」の前兆に当たる「前震」とみられるという。
 熊本県内では一連の地震で、16日夕までに30人超の犠牲者が確認されている。気象庁などは、14日の地震発生段階で「本震」への注意を呼び掛けられなかったのか。改めて地震予知の難しさを浮き彫りにしたといえよう。
 16日には、それまでの地震で半壊状態だった家もことごとく崩れた。半壊した家に帰宅して生き埋めになった住民もいたという。
 今回の地震は内陸の活断層が動いて引き起こされた可能性が高い。益城町は「日奈久(ひなぐ)断層帯」と「布田川(ふたがわ)断層帯」が交わる地点に位置し、14日夜の地震は日奈久断層帯のずれによるとみられる。
 16日未明からは熊本県から大分県に延びる布田川断層帯に沿った震源が目立つ。地震の専門家は二つの断層帯で連鎖的に地震活動が移ったとみているようだ。
 内陸の活断層によって引き起こされる地震が「直下型」だ。大地を突き上げる激しい揺れの脅威を直視しなければならない。
 本県にも、福島盆地と会津盆地のいずれも西縁に断層帯が確認されているほか浜通りには双葉断層がある。「直下型」の地震への備えを新たにしたい。
 今回の地震は、熊本地方から阿蘇地方、大分県内へと被災地域が拡大している。土砂崩れによって道路や鉄路の寸断が広がり孤立も心配される。ガソリンや物資の供給を滞らせてはならない。
 避難所に身を寄せる住民も増えている。断続的に続く激しい揺れにおびえながらの避難はダメージが大きい。降雨への心配も増す。
 避難の長期化に備え、官民を挙げて避難者の心身のケアに最大限の支援を差し伸べなければならないのは、東日本大震災と原発事故の教訓でもある。
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新潟日報 2016/04/17
社説:熊本でM7・3 救命と救出に全力挙げよ


 震度7の地震があったばかりの熊本県で16日、阪神大震災と同規模のマグニチュード(M)7・3、震度6強の地震があった。
 震度6弱以上の地震が相次いで発生し、14日以降の死者は計40人を超えた。
 隣の大分県でも地震が多発するなど、被害は九州の広い範囲に及んでいる。
 多くの家屋が倒壊し、住民が閉じ込められる被害が多発した。重軽傷者は千人以上、避難者は9万人に上った。
 道路、鉄道、空港の交通インフラは大きな打撃を受けた。広い範囲で電気、ガスのライフラインが使えなくなった。
 17日には大雨や暴風が予想されている。地盤が緩み、土砂災害の発生が懸念される。
 被災地は、危機的な事態に陥っている。政府は自衛隊や警察、消防の総力を挙げ、救命と救出に当たってもらいたい。
 M7・3の地震のエネルギーは震度7を観測した14日の地震(M6・5)の約16倍だ。
余震ではなく「本震
 気象庁は「14日以降に発生した地震の本震と考えられる」との見解を示した。
 今回の震源の周辺では断層が複雑に入り組んでおり、もともとM7級の地震が発生すると推定されていた。
 震源が浅い内陸直下型の地震では、真上の揺れが非常に強くなる傾向がある。
 今後1週間程度は、最大震度6弱の余震が起きる恐れがある。
 14日夜以降の地震の発生回数は2004年の中越地震に次ぎ、過去2番目のペースだ。
 警戒を緩めてはならない。ダメージを受けた建物や土砂崩れ現場には近づかないといった注意が必要だろう。
 今回の地震は、震源から遠く離れた場所でも高層ビルなどを大きく揺らすことがある長周期地震動が強いのも特徴だ。
 熊本、大分の両県だけではなく、九州全域で地震に対し、しっかり備えてほしい。
 16日朝には、阿蘇山で小規模な噴火も起きた。約1カ月ぶりで、噴煙の高さは100メートルに及ぶ。
 気象庁は、一連の地震とは直接の関連はないとみている。だが、火山の観測も並行して強化する必要があろう。
◆子供、高齢者に配慮を
 被災地では、まだ倒壊した家屋に閉じ込められたり、土砂崩れに巻き込まれたりしている人がいる可能性がある。
 被災地では余震が続き、道路が寸断されるなど困難な状況にある。だが、一刻も早く救出できるよう努めてほしい。
 骨折や打撲を負った被災者が多いのも気掛かりだ。治療を受けることができなければ、容体が悪化する恐れがある。
 被災地には、全国から「災害派遣医療チーム(DMAT)」が続々と到着している。
 DMATが機能的に活動できるようにしなければならない。派遣先の選定や移動手段の確保に万全を期してほしい。
 熊本県内では、人工透析が不可能になった医療施設もある。患者の生命に関わる事態だ。復旧を急いでもらいたい。
 避難所での生活は、肉体的にも精神的にも負担が大きい。特に子供と高齢者には配慮してほしい。
 被災者には、観光客や留学生など外国人も含まれている。外国語を話すことができるボランティアを派遣するべきだ。
◆新潟の経験伝えよう
 本県からは警察や消防、自治体、自衛隊が被災地の支援に向かった。安全に十分気を付けながら、期待に応えてもらいたい。
 被災者は今、大きな不安を抱えている。活動の合間には声を掛けるなど、精神的なケアにも心を配ってほしい。
 私たちは2004年には中越地震、07年には中越沖地震と3年の間に二つの大きな地震に見舞われた。そして、力を合わせて、乗り越えてきた。
 避難所で困ることは何か。あると便利な物は何か。元の暮らしを取り戻すにはどうしたらいいか。身近な経験や教訓を、多くの県民が記憶していることだろう。
 新潟にいても被災地や被災者のためにできることは少なくないはずである。それぞれの立場で知恵を絞りたい。
 今回の地震は被害が甚大で広範囲に及んでいる。それだけに、インフラが復旧して、被災者の生活を再建するまでに長期間を要するのは間違いない。
 支援を一時的なものに終わらせてはならないのはもちろんだ。被災者の気持ちになって、手助けをしていきたい。
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信濃毎日新聞(2016年4月17日)
社説:続く強い地震 断層の連動に注意を


 最初の大地震よりさらに規模の大きい地震が続けて来ると考えていた人がどれほどいただろうか。14日夜に発生した「熊本地震」はより規模の小さな余震が続くとの「常識」を覆し、被害が拡大した。
 最初の地震から「72時間の壁」が迫っている。がれきの下になったり、土砂崩れに巻き込まれたりした人の生存率が著しく下がるとされる時間だ。
 人知れず助けを待っている人がいないか点検を徹底する必要がある。その後の地震の被害者の救助にも全力を挙げてもらいたい。
 被害の拡大と余震によって避難者は大幅に増えた。官民の支援を強めたい。
 14日夜の最初の地震は、規模を示すマグニチュード(M)が6・5、最大震度は熊本県益城(ましき)町の7だった。その後余震が頻発し、16日未明にはM7・3、最大震度6強の地震が起きた。Mは阪神大震災と同規模で、エネルギーは最初の地震の16倍だ。益城町に集中していた建物の倒壊などの被害は周辺から大分県にも広がった。
 気象庁は最初の地震の後、今後1週間、震度6弱程度の余震が発生する恐れがあるとしていた。実際にはそれを上回る震度6強の地震が3回起きた。
 震度6弱と6強では「立っていることが困難」が「はわないと動けない。体が飛ばされることもある」に、耐震性の低い木造建物で倒れるものが「ある」から「多くなる」になるなどの違いがある。
 住民の避難や救助活動の判断に影響を与える。気象庁は想定が違った原因を検証すべきだ。
 気象庁はその後、最初の地震が「前震」で、16日未明の地震が「本震」と変更した。
 最初の地震は九州の中央部を北東―南西方向に走る「日奈久(ひなぐ)断層帯」で起きたとされる。16日未明の地震は、その北側で東北東―西南西方向に走る布田川(ふたがわ)断層帯が連鎖的に動いた可能性があるという。さらにこの東北東側の大分県の別府―万年(はね)山断層でも地震活動が活発化した。
 一帯は活断層が複雑に入り組んでいることが分かっている。連動する可能性を知らせ、広く避難を呼び掛けていたら、次の大地震での犠牲を減らせたのではないか。悔やまれる結果だ。
 東日本大震災をきっかけに、被害想定を引き上げる形で地域防災計画を改定する動きが進む。活断層が交錯する地域は、連動する可能性も想定に入れたい。最初の地震が次の「予知」になり得る。
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神戸新聞 2016/04/17
社説:熊本地震「本震」/広範囲で揺れへの警戒を


 震度7の揺れに襲われたばかりの熊本県で16日未明、マグニチュード(M)7・3の地震が起きた。
 最大震度は6強だが、M7・3は阪神・淡路大震災と同規模で、14日夜のM6・5に比べエネルギーは16倍にもなる大きな地震だ。気象庁は14日夜の地震が「前震」で、今回が「本震」とする。
 その後も震度5弱以上の激しい余震が続く。大分県も含め被害は広範囲に及び、14日以降の死者は計40人を超えた。多数の避難者が不安な夜を過ごした。
 政府は自衛隊や警察などの派遣要員を増強した。土砂崩れや倒壊した建物で生き埋めになった人もいる。道路は各地で寸断され、孤立している住民も多い。何より救出に全力を挙げてほしい。
 心配なのは地震活動がなお活発な上、天候が荒れ模様となりそうなことだ。まず早めの避難を心掛けたい。損壊した建物に近寄ると激しい余震で崩れたり、雨で地盤が緩んだりして二次災害の可能性がある。くれぐれも注意が必要だ。
 14日の熊本地震は九州中央部を走る「日奈久(ひなぐ)断層帯」で起き、今回は北側に隣接する「布田川(ふたがわ)断層帯」が連鎖的に動いた可能性が指摘される。さらに布田川断層帯の延長線上に位置する大分県の断層帯で地震活動が活発化しているという。広範囲で警戒しなければならない。
 熊本地震で気象庁は、15日時点で3日間に震度6弱以上の余震が発生する確率は20%としていた。余震は多発していたが、徐々に落ち着くとの見方もあった。その予測をはるかに上回る揺れが再び被災地を襲うと、これが「本震」と説明した。気象庁を非難しているのではない。地震発生は未解明な点が多く、予測は難しいことを認識しておきたい。
 阪神・淡路や東日本大震災でも予知の限界が指摘された。国の地震対策は予知偏重から、被害発生を前提にそれをできるだけ少なくする現実的な対応へと変化してきた。
 日本列島ではいつ、どこで地震が起きてもおかしくないこと、「想定外」をなくして備えることの大切さをあらためて確認したい。
 「防災は貯蓄」と言われる。行政の対策強化や見直しは当然必要だが、減災に向け住民も住まいの耐震化、避難方法の確認など、備えを積み重ねる努力をする必要がある。
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中国新聞 2016/4/17
社説:震度6続く熊本地震 止まらぬ連鎖 憂慮する


 家屋が倒壊し、犠牲者が出た14日夜の地震以降も、熊本県で震度6強や6弱の強い揺れが引き続いた。きのう未明にはマグニチュード(M)7・3という、1995年の阪神大震災と同じ規模の大地震に見舞われた。真夜中、緊急地震速報にうなる携帯の音で目覚めた人も多かったに違いない。
 夜が明けると、目を疑う光景が広がった。阿蘇山のカルデラに近い村は、土砂崩れで山肌がえぐられ、道路の橋は崩れ落ちている。民家に加え、都市部では倒壊したマンションもある。きのうだけで犠牲者は30人を超え、その数が刻々と増えていく。何とも痛ましい。
 M6・5だった14日の地震に比べると、エネルギーは16倍とはるかに大きい。気象庁は、これこそが平成28年熊本地震の「本震」であり、14日は「前震」だったと見解を変えた。
 今後、さらに激しい揺れが起きれば、それが「本震」だとまた言い直すのだろうか。
 文部科学省の地震調査研究推進本部によると、「本震が発生するより前に、ある地震が前震であるかどうかを判断することは、現状では難しい」という。とすれば、気象庁は、前震か本震かの判断についてはもっと慎重であるべきだったし、今後の発表には工夫を求めたい。
 震源域は、阿蘇地方や東隣の大分県に広がりつつある。加えて、一連の動きかどうかはまだ定かでないものの、活火山の阿蘇山できのう朝、小規模な噴火も起きている。
 不気味というほかない。行き着く先は一体どうなるのか、皆目見当がつかない。
 余震の多さが尋常ではない。14日夜以降、揺れの回数が2004年の新潟県中越地震に次いで過去2番目という多発ペース。高層の建物が長く、ゆっくり揺さぶられる長周期地震動も生じ、はわないと人が動けないレベルの「階級4」が観測された。何度も揺さぶられた建物のダメージが懸念される。
 実際、震度6強を観測した熊本市では鉄筋7階建てマンションの駐車場だった1階部分が押しつぶされた。やはり震度6強だった宇土市では鉄筋5階建ての市役所の途中階がひしゃげ、立ち入り禁止となった。
 わが家や避難所を離れ、寒さを覚悟して野外や車中で夜を明かす人が少なくないのも、耐震性への不安からに違いない。
 地盤のダメージも相当なものだろう。とりわけ阿蘇山の周辺部は、もともと火山灰が降り積もった地域である。17日にかけて強まりそうな風雨が災いし、土砂崩れなどの被害が広がらないか、心配だ。
 救助や復旧に当たる自衛隊は派遣規模が大幅に増強され、警察庁や消防庁も追加出動を決めた。被災地は心強かろう。余震の心配がない、離れた地域への広域避難もニーズ次第で検討してもいいのではないか。
 震源域に近い火山もあり、その活動に何らかの影響はないのだろうか。四国や紀伊半島を通る中央構造線断層帯が誘発されて動く心配は…。幾つもの疑問が浮かんでくる。
 西日本での地震多発は、南海トラフのエネルギーの高まりを物語っている。熊本地震もまだこれからの成り行きから目が離せない。もちろん、備えを怠らないようにしたい。
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愛媛新聞 2016年04月17日(日)
社説:被害広がる熊本地震 新たな教訓踏まえて対策見直せ


 「熊本地震」の被害が拡大している。16日未明に震度6強、マグニチュード(M)7.3を観測し、家屋倒壊や土砂崩れで多数の死傷者が出た。新たに大分県でも地震が発生している。
 過去3度あった震度7の地震とは異なる未知の大地震といえよう。最も危惧するのは震源地が移動していることだ。最初は九州の中央部を北東―南西に走る日奈久ひなぐ断層帯で起き、北側に接する断層へと拡大、さらに東側の大分県の断層へと移った。気象庁は「影響を及ぼした可能性がある」と地震が連鎖して起きているとの見方を示す。八幡浜でも16日に震度5弱を観測しており、今後の愛媛県内への影響が心配される。最大限に警戒を強めねばならない。
 気象庁は当初、14日夜の震度7、M6.5の地震を「本震」とみていた。3日間以内に震度6弱以上の余震が発生する確率は20%と発表。このまま終息に向かうと安心した人も少なくなかったはずだ。だがこれは「前震」で、地震のエネルギーが前震に比べて16倍も大きい本震は28時間後に発生した。気象庁は結果的に判断を誤った責めは免れず、今後の予測精度の向上に努めねばなるまい。
 熊本地震と同じ規模だった阪神大震災では、約2時間後に震度4、M5.4の最大余震があり、その後終息に向かった。気象庁はこのような過去のデータを基に想定したが、通用しなかった。今回は震度6弱以上の余震が相次いでおり、地震発生回数は2004年の新潟県中越地震に次ぐ過去2番目という異例の多さだ。
 着の身着のまま逃げた人たちの不安は募るばかりだろう。避難所で再び被害に遭う最悪の事態だけは回避せねばならず、気象庁は今後の見通しの情報を細かに提供してもらいたい。
 日本全体の防災対策を今すぐに見直さなければならない。震度7が起きた熊本県益城町ましきまちでは4年前、国や県のデータを基に「今後30年以内の大地震発生確率は極めて低い」と想定し、ハザードマップを作成していた。だが活断層は全国いたるところにあり、潜在的なリスクを抱えている。安全と思っている場所が、実際は危険かもしれないとの認識に立ち、再点検する必要がある。
 建物の耐震も再考したい。損壊した熊本県宇土市役所は築51年と老朽化し、13年前には地震で被害が出ると判定されたが、耐震工事はしていなかった。ただ現在の耐震基準は、今回のように短時間に何度も震度6弱以上の強い地震が起きる場合を想定していない。起こり得る地震の規模や影響を検討し直し、原発を含め、あらゆる建物の耐震基準に反映させるべきだ。
 過去の経験値では予測がつかない熊本地震。今回の教訓を踏まえて、避難や救援方法などを練り直し、万全を期す必要がある。それは被災地でなくても同じだ。誰もが当事者の意識を持ち、大地震に備えたい。
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徳島新聞 2016年4月17日付
社説:熊本で大地震続発 被災者支援に力を注ごう


 熊本県で14日夜に震度7を観測して以降、激しい揺れを伴った地震が相次いでいる。
 規模の大きな地震が繰り返し起きたことで死者は増え、九州の広い範囲で負傷者が多数出ている。極めて憂慮すべき事態だ。
 政府は、自衛隊の派遣規模をきょうにも2万5千人態勢にする。孤立者や行方不明者の救命、救出を急がなければならない。
 16日には、午前1時25分ごろマグニチュード(M)7・3の地震が起きた。
 これは阪神大震災に匹敵するもので、14日夜のM6・5に比べてエネルギーが約16倍も大きい。
 気象庁は14日夜の地震は前触れとなる「前震」であり、16日の地震が「本震」との見方を示した。
 地震の発生地域は、九州中央部を北東-南西方向に走る「日奈久断層帯」から、北側で接する「布田川断層帯」に連鎖的に拡大した。
 布田川断層帯の東北東側の延長線上に位置する大分県の「別府-万年山断層帯」でも地震活動が活発化している。見過ごせない。
 地震発生の広域化に対する最大限の警戒が必要だ。
 余震の多発で、主要な道路が寸断され、橋が崩落した。大規模な土砂崩れも起きている。地盤が緩み、倒壊の危険がある建物も多くなった。
 今後、雨や風が強まると予想されており、二次災害への注意は怠れない。
 政府は、自治体と連携して被災者の支援を強化していかなければならない。
 食料や水などの必要物資はもとより、医療の提供に力を尽くしてほしい。
 懸念されるのは避難の長期化による被災者の心労だ。
 自宅から避難所へと環境が変われば、幼児や高齢者の負担は相当大きくなる。
 被災者同士が具合や様子を確かめ合う、助け合いの輪を広げたい。
 避難所の環境改善に向け、知恵を絞り、工夫を凝らしていくことが大切だ。
 東日本大震災では、精神的疲労や体調不良で命を落とす「震災関連死」は高齢者が圧倒的に多かった。仕切りやトイレの問題など、女性への配慮も足りなかった。
 余震が続けば、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高めると専門家が指摘している。
 手洗いを徹底して、感染症を防ぐことも欠かせない。
 車中などで膝を曲げて眠ると、静脈に血栓ができる「エコノミークラス症候群」に注意する必要がある。
 2004年に起きた新潟県中越地震では、車中で寝泊まりして発症するケースがあった。中越地震と同様、余震が多発している今回も、車中で避難を続ける人は多くなるだろう。水分補給や運動を心掛けたい。
 巨大地震や災害を経験した被災地や被災者には多くの教訓が残っている。被災者の支援や避難所の運営に生かしていかなければならない。
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高知新聞 2016.04.17 08:00
社説:【熊本地震】あらゆる警戒徹底したい


 震度7の激震後に、震度6の強烈な揺れに繰り返し襲われる―。そんな事態をどれだけの人が想像できたであろうか。
 14日夜に始まった熊本県を中心とする九州の地震が、地域をさらに深刻な状況に追い込んでいる。
 余震への警戒が続く中、16日未明に地震の規模を示すマグニチュード(M)がそれまでで最大の7・3の地震が発生した。最大震度6強で、その後も6弱以上が相次いだ。
 M6・5、最大震度7を観測した初日の地震では9人だった死者は、急激に増えている。
 犠牲者は、初日は震源の熊本県益城(ましき)町が中心だったが、東側に位置する南阿蘇村方面へと広がった。負傷者は大分、福岡、佐賀、宮崎などにまで拡大している。
 南阿蘇村では、2階建てアパートの1階部分が完全につぶれたり、橋が落下したりし、土砂崩れにのまれた集落もある。地域によっては、道路の寸断などで住民の安否確認や救出も難航している。
 自衛隊の派遣増員に加え、全国から警察や消防、医療チームも現地入りしている。被害の全容把握と被災者の救助、避難生活者への支援を一層強化してほしい。
 今後1週間は震度6弱程度の余震が起きる可能性があるという。雨の影響や阿蘇山の動きも気掛かりだ。予断を許さず、全方位の警戒を徹底したい。
 M7・3のエネルギーは阪神大震災に匹敵し、初日の地震の約16倍に当たる。このため気象庁は「今回が本震」との見方を示している。
 震源域も変化している。益城町では、九州中央部を北東―南西方向に走る活断層の「日奈久(ひなぐ)断層帯」と、その北側の「布田川(ふたがわ)断層帯」が交わる。初日の地震は日奈久断層帯の一部が動き、その後の余震も同断層帯に沿って発生していた。
 ところが、16日の大地震は布田川断層帯で発生しており、隣接の断層帯に活動が連鎖したとみられる。
 大分県を震源にする地震も相次いでおり、気象庁は「余震ではなく、別の地震」としつつも、関連性は否定していない。いずれにしても活断層による直下型地震に引き続き注意が必要だ。
 地震終息のめどが立たない中、現地では二次災害も心配される。
 2004年の新潟県中越地震では余震で建物が崩れる例が多数発生した。被災を免れたように見えても、専門家の診断なしに生活するのは危険だ。
 地震で緩んだ地盤が雨で崩落する恐れもある。梅雨、台風シーズンに向け注意が怠れず、監視体制の強化が求められる。
 四国も無関係ではない。16日には高知県西部では震度4を記録している。四国電力伊方原発への影響を心配する声も少なくない。
 自然災害は過去の教訓でも明らかなように弱点を突いてくる。各地、各機関とも油断せず、あらゆる警戒に当たってほしい。
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