2016-04-16(Sat)

熊本地震 直下型震度7 社説等(3) 

地震列島」の怖さ示した 「明日はわが身」の認識を新たに 全力で被災者の救援を

<各紙社説・論説>
東奥日報)防災対策は機能したのか/熊本地震(4/16)
岩手日報)熊本で震度7 「どこでも」の再認識を(4/16)
福島民報)【熊本地震】被害の拡大止めたい(4/16)
新潟日報)熊本で震度7 「地震列島」の怖さ示した(4/16)
福井新聞)熊本地震 常に覚悟と備えが必要だ(4/16)

山陽新聞)熊本地震 被災者サポートに全力を(4/16)
山陰中央新報)熊本地震/防災対策の総点検を(4/16)
愛媛新聞)熊本地震 「明日はわが身」の認識を新たに(4/16)
徳島新聞)熊本地震 救援と復旧に全力挙げよ(4/16)
高知新聞)【熊本地震】全力で被災者の救援を(4/16)




以下引用



東奥日報 2016年4月16日(土)
社説:防災対策は機能したのか/熊本地震


 熊本県益城町で震度7の地震があり、九州を中心に強い揺れに襲われた。多数の死傷者が出ている。余震も続く中、警察と消防、自衛隊には被災者の救出、確認に全力を挙げてほしい。
 気象庁によると、熊本地震の震源は深さ11キロと浅く、活断層で起きたタイプだ。日本各地には活断層だけで約2千あると推定されている。
 危機は各地に潜んでいる。1995年の阪神大震災以降に積み上げてきた地震への備え、防災対策が機能したのか、総点検が不可欠だ。震度7を記録した地震は阪神大震災、2004年の新潟県中越地震、11年に起きた東日本大震災を含め計4回だ。
 これらを教訓に、この国は防災体制を発展させてきた。例えば活断層の場所を特定、地震の可能性を測っている。 本県でも、青森市を南北に走る入内断層を震源とする内陸直下型地震が起きた場合、多くの死傷者や建物倒壊の被害が出るとの予測を、県や市が公表し、建物の耐震化など防災、減災への取り組みを呼び掛けている。
 熊本の活断層でも被害想定がなされていた。その地震像が、実際の地震と比べどうだったのか、比較し想定の精度を全国的に上げてほしい。
 県外からの警察や消防、自衛隊による広域的な救命、救急も行われた。国や熊本県などとの被害情報のやりとり、活動がスムーズだったのか調べる必要があるだろう。
 中越地震は夜に起きている。被災地には山間部が多く、被害把握に時間がかかり、多くの孤立地域が発生した。
 熊本地震の発生は午後9時26分。自衛隊のヘリなどが、被害状況の把握に努めている。今回の被害像は夜の間にどれだけ把握できたのか。今後の対策に生かすためにも情報把握能力の検証もすべきだ。
 心配なのが、九州新幹線の脱線だ。中越地震では営業運転中の上越新幹線が脱線した。この事故を受け「脱線防止ガード」の設置などの対策が進められている。
 今回は総合車両所に向けて回送中の車両だった。脱線したのは、ガードがない区間というが、地震を考慮すれば、脱線対策をできるだけ広範囲に広げるべきではないか。
 昼間で営業運転していた車両であれば、どうなっていたのか。国土交通省、JR各社は、営業中の被害をシミュレーションした上で、早急に対策を詰めるべきである。
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岩手日報(2016.4.16)
社説:熊本で震度7 「どこでも」の再認識を


 東日本大震災以来の震度7。14日夜、九州が大きく揺れた。熊本市に隣接する益城(ましき)町で震度7、熊本市内でも6弱を観測した「熊本地震」。その後も余震が続いている。
 不安な一夜が明けて被害状況が明らかになってきた。倒壊した住宅の下敷きになるなどして9人が死亡。負傷者は千人を超えた。
 相次ぐ余震で自宅にとどまれないため避難している人も多数いる。幹線道路、水道、ガスなどのライフラインも打撃を受けた。被災者の支援や復旧を急ぎたい。
 震度7は、阪神大震災、新潟県中越地震、東日本大震災以来。マグニチュード(M)6・5と、規模はそれほど大きくなかったが、震源の深さが10キロ程度と浅かったため強い揺れとなった。
 石垣が崩落し、瓦が落ちた熊本城の痛々しい姿が、激しい揺れを物語る。
 震源となった熊本県の内陸部には、益城町を通る活断層「布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯」が走る。今回はこれに沿って起きた可能性が大きいとみられる。日本列島に数多くある足元の活断層が動く怖さを思い知らされた。
 本紙の取材に熊本県在住の本県出身者が口をそろえたのは「熊本は地震が少ない」。しかし、地震は起きた。どこで地震が起きても不思議ではないことを、あらためてかみしめる必要がある。
 犠牲者の多くは倒壊家屋の下敷きになった。住宅の耐震化、家具の固定などの基本的な防災対策は十分だったのか再度点検する必要があろう。熊本に限らず、地震列島に住む私たちへの教訓だ。
 付近で震度4を観測した鹿児島県の九州電力川内原発には幸い異常はなかったが、各地の原発周辺では活断層の存在が指摘されている。いわば「不意打ち」のように起きる地震でも大丈夫なのか。課題は依然残されている。
 今回の地震の特徴は余震の多さだ。震度1以上の有感地震は既に百数十回に上り、阪神大震災以降では中越地震と岩手・宮城内陸地震に続いて3番目に多いペースだ。停電で真っ暗な中、何度も地面が揺れる恐怖は大変なものだっただろう。
 気象庁によると、余震は1週間程度続く可能性が高い。傷んだ家屋が余震で倒壊する危険もある。避難生活が長引くことも予想され、被災者を支える体制が必要だ。
 15日未明の震度6強の余震では、高層ビルの上部などが大きく長く揺れる「長周期地震動」が起き、国内で初めて最大の「階級4」(立っていることができない)を熊本市などで観測した。
 都市は高層化している。地震が見せる「新たな顔」への備えも欠かせない。
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福島民報 2016/04/16 09:00
論説:【熊本地震】被害の拡大止めたい


 気象庁が命名した「平成28年熊本地震」は、国民に「地震列島日本」で暮らす危険性を改めて認識させた。速やかな救助や支援によって被害が拡大しないことを願う。
 国内で震度7を観測したのは平成23年の東日本大震災以来という。大震災でわれわれが学んだのは、せっかく震災から生き残っても日常とは大きく異なる避難生活の中で、体調を崩して亡くなる震災関連死が数多く生じてしまうということだ。
 関連死の数は、避難の規模におおまかに比例するだろう。原発事故などによって避難者が一時16万人超に達した本県の関連死の死者数は、27年9月末で1979人と岩手県の455人、宮城県の918人を大きく上回る。
 熊本地震の避難者は1万数千人に及ぶ。安倍晋三首相は15日、被災者の屋内避難を確実に進めるよう指示したが最低限のことだ。集団生活そのものが避難者にとって大きなストレスになる。トイレを我慢しようと水分摂取を控えれば内臓の病気を誘発するし、流行性疾患も懸念される。高齢者や健康に問題を抱える弱者にとって避難生活は格段にリスクを増大させる。
 インフラの損傷などで機能不全に陥った医療機関や高齢者施設から入所者が移動する必要も生じている。
 行政や関係者は避難所の生活環境を適切に整えるとともに、避難者の健康維持に十分に配慮する必要がある。高齢者らにとって移動が生死に直接関わるリスクであることを認識しなければならない。これまでの災害経験が生かされるべきだ。
 道路をふさぐ崩れた建物や、余震におびえる避難者の姿に5年前のつらい経験を思い起こした県民も多いだろう。原発事故の影響で流通が途絶えた本県のケースとは異なり、支援物資がしっかり届いているのは幸いだ。東日本大震災で本県は熊本県からも物心両面で大きな支援を受けた。熊本には今も100人近い県人が避難している。今度は本県が熊本の力になりたい。
 大震災では被災地側が使途や分配に困る支援物資が届くケースもあった。相手方に喜ばれ、役立つには事前に調査した方が良い。
 県民にとっては再度、自然災害への備えを確認する機会になった。家具の転倒防止は十分か。避難場所、避難ルートは確認しているか。水や食料の備えはあるか。家族の安否確認は…。行政も個人も、日本が自然災害と無縁でいられないことを前提にした心構えが必要だ。(佐久間 順)
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新潟日報 2016/04/16
社説:熊本で震度7 「地震列島」の怖さ示した


 また巨大地震が起きた。私たちは「地震列島」で暮らしているということを改めて胸に刻みたい。
 熊本県を震度7の地震が襲い、倒壊した建物の下敷きになるなどして9人が亡くなった。負傷者は千人を超えている。
 最大震度を記録した益城町を中心に多数の建物が倒壊・損壊し、道路や電気、水道といったライフラインに大きな被害が出た。
 余震も、震度6強という強いものも含めて頻発している。今後1週間は警戒が必要という。
 まずは救援・救護活動に全力を挙げるとともに、二次災害の防止に努めてほしい。
 今回の地震で特徴的なのは、地震の規模が極端には大きくはないのに、震度7を記録したことだ。
 これまで日本で震度7を記録した地震は3回ある。1995年の阪神大震災、2004年の中越地震、11年の東日本大震災である。
 それぞれの地震の規模を示すマグニチュード(M)は、東日本のM9・0が最高で、阪神がM7・3、中越はM6・8だった。
 今回はM6・5と推定されており、これまでの3回に比べて小さかったのである。
 今回の地震は内陸活断層による直下型地震との見方が強く、震源の深さは約11キロだった。
 規模は小さくても震源が浅かったため、その真上の地域で震度が大きくなったのだ。
 日本ではM6を超える地震は、たびたび発生している。
 活断層は日本各地にあり、未知の活断層も多いといわれる。今回のような地震は、いつ、どこでも起きる恐れがあると言っていいだろう。備えを怠ってはならない。
 今回も犠牲者のほとんどが倒壊家屋の下敷きになっていた。耐震化を急ぐ必要がある。
 寝たきりの母と介護していた61歳の男性も犠牲になった。2人が運び出されたのは発生から約7時間後だった。発見が早ければ助かっていたかもしれない。
 地震をはじめとした災害時には、これまでも高齢者や障害者といった災害弱者が逃げ遅れて犠牲になることが多くあった。
 普段から地域で見守る仕組みをつくり、万一の事態に備えたい。
 家具の転倒防止や、非常食や災害時の持ち出し品を準備することなども忘れないでほしい。
 今回、大きな被害を受けた熊本県に接する鹿児島県には、日本で唯一稼働中の川内原発がある。
 九州電力は異常はないとして発電を続けているが、地元などから不安の声も挙がっている。
 福島第1原発事故は発生から5年を過ぎても収束は見えず、いまだに10万人近い人たちが県内外で避難生活を続けている。
 巨大地震はどこでも起き得るということを示した今回の地震を、原発推進に前のめりとなる安倍政権は真摯(しんし)に受け止めるべきだ。
 東日本大震災の復興への道は半ばだ。今回の熊本も、復旧や復興に向けては幾多の困難も待ち受けるだろう。
 中越、中越沖という地震を乗り越えた私たちは、経験や財産を伝え、寄り添いたい。
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福井新聞 (2016年4月16日午前7時30分)
論説:熊本地震 常に覚悟と備えが必要だ


 熊本県益城町(ましきまち)で最大震度7の地震が発生、九州中部を中心に西日本の広い範囲で強い揺れに襲われた。被害の大きかった同県では9人が死亡、負傷者は千人を超え、避難者は一時4万人超に上った。強い余震が頻発しており警戒が必要だ。
 政府は被害の全容把握を急ぐが、被災者の人命救助と安全確保が最優先である。余震による家屋の倒壊や土砂災害など二次災害防止に全力を挙げたい。われわれも日ごろから覚悟と備えが不可欠だ。特に家族や地域住民の力で災害弱者を守りたい。
 地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・5と、数字上では特異なものではない。しかし、震度でいえば阪神大震災や東日本大震災と同様だ。激震の「震度7」は1948年の福井地震を踏まえ創設された。今回、気象庁は福井地震と同じ「横ずれ断層型」との見解を示している。
 東日本大震災のような海底の岩板が起こすプレート型とは違い直下型地震だ。震源の深さが約11キロ、地表に近い場所だったことが被害を大きくしたといえる。震度6強や6弱を含め、余震が繰り返し発生している。これは新潟中越地震(2004年)、岩手・宮城内陸地震(08年)に次いで過去3番目の多さだ。
 震度6強の余震は、気象庁が13年3月に長周期地震動の観測情報提供を始めて以降、初の「階級4」観測。「立っていることができない」余震とは驚きだ。
 本震の震度7も九州で初めて。熊本市付近では1889年に市街地のほぼ直下でM6・3の地震が発生、死者20人、400棟以上が全半壊した経験がある。
 国は大震災などを教訓に防災体制を強化し、熊本の周辺を走る活断層でも被害想定がなされてきた。想定の精度を上げるため今回の地震を研究し、全国規模で総点検するべきだ。
 もう一つ、安全対策で懸念されるのが九州新幹線の脱線である。幸い回送列車だったが、中越地震では営業中に脱線した。対策を早急に講じなければ大きな災害に発展しかねない。
 過去の大地震は多くの教訓を残してきたはずだ。日本には約2千の活断層があると推定され、M6以上の地震は全世界の20%が日本に集中しているという。
 地震がいつ、どこで、どの程度の規模で起こるかをあらかじめ知る「地震予知」は困難だ。南海トラフ巨大地震や、首都直下地震に関心が集まるが、常に「足元で起きる」と覚悟し、減災に備えることが大事だ。
 家屋の耐震化を進めても家具が倒れれば凶器となり、圧迫死につながる。避難袋や水の確保、ハザードマップの確認は無論だが、自助努力だけでは対処できない。近所や地域の共助、公助が迅速にできるよう、コミュニケーションを濃密にしておく必要がある。
 「災害時要援護者」を助ける自治体の避難支援システムはうまく機能するか。その体制強化とともに、自主防災組織の訓練を重ねるなどマンパワーの充実へ不断の努力を望みたい。
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山陽新聞 (2016年04月16日 08時43分 更新)
社説:熊本地震 被災者サポートに全力を


またも繰り返された災害の脅威に慄然(りつぜん)とする。おととい夜、熊本県を中心に強い地震が発生し、震度7を観測した益城町を中心に多数の死傷者を出した。国内で震度7を記録したのは2011年3月の東日本大震災以来で、九州では初めてだ。日本が地震列島であることをあらためて思い知らされる。
 警察によると、犠牲者の多くは倒れた建物の下敷きになった。今回は、震度6強や6弱をはじめとする余震が異常に活発に起きている。このことが消防隊員らによる懸命の救助作業の妨げになったようで悔やまれる。
 益城町の体育館など県内約500カ所に避難した人は一時4万人を超え、なおも数千人に上っている。自宅が損壊したり、頻発する余震に恐怖を感じたりして家に戻れず、当面は避難生活を続けざるを得ない人も多かろう。
 東日本大震災では、プライバシーを保てない体育館などでの避難生活が、心身両面に極めて重い負担を与えることがクローズアップされた。避難生活が長引いた高齢者を中心に多くの「震災関連死」も発生した。避難者のサポートに物心両面で力を尽くしてもらいたい。
 岡山県内からは、国際医療ボランティアAMDAやAMDAと災害支援協定を結んでいる総社市、県精神科医療センター、県警、岡山市消防局などから支援要員が次々と現地入りしている。被災地のニーズに合った有効な支援につなげてほしい。
 交通の大動脈である新幹線や自動車道は機能がまひした。九州新幹線は、最初に地震が発生した際に約80キロで走行していた回送中の車両(6両編成)が脱線した。地震の揺れなどによって新幹線が脱線した事例は過去に3度あるが、全車両が脱線するというのは初めてだという。
 幸い、回送中で客はいなかった。客を乗せて高速で走行していたら、大惨事になりかねないところだった。運輸安全委員会はきのう、現地で調査を始めた。徹底して原因を究明し、鉄道の地震対策に生かすことが重要だ。
 今回の災害を機に「備え」をいま一度確認したい。未曽有の被害に衝撃を受けた東日本大震災から5年余りが過ぎて、防災の心構えがおろそかになっている面があるのではないか。とりわけ、目立った地震がほとんどない岡山県は油断を招きやすい。
 南海トラフ地震は、30年以内に70%の確率で発生するとされる。東日本大震災と同じマグニチュード9クラスの規模と考えられ、死者は最大32万人、岡山県内も震度6強に見舞われ、最大3千人の犠牲者が出ると試算されている。
 地域ごとの避難訓練や要援護者の把握などの取り組みは進みつつある。家具の転倒防止や避難袋の準備、救助の手が届くまでの3日分以上の飲食品の備蓄といった、個々に可能な備えも心掛けたい。
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山陰中央新報 ('16/04/16)
論説 : 熊本地震/防災対策の総点検を


 熊本県益城町で震度7の地震があり、九州南部を中心に強い揺れに襲われた。多数の死傷者が出ている。余震も続く中、警察と消防、自衛隊には被災者の救出、確認に全力を挙げてほしい。
 気象庁によると、今回の震源は深さ11キロと浅く、活断層で起きたタイプだ。日本各地には活断層だけで約2千あると推定され、危機は各地に潜んでいる。1995年の阪神大震災以降に積み上げてきた地震への備え、防災対策が機能したか総点検が不可欠だ。
 現在の観測体制になってから震度7を記録した地震は阪神大震災、2004年の新潟県中越地震、11年に起きた東日本大震災を含め計4回。これらを教訓に防災体制を整えてきた。例えば活断層の場所を特定、地震の可能性を測っている。熊本の活断層でも被害想定がなされていた。その地震像が、実際の地震と比べどうだったのか、比較し想定の精度を全国的に上げてほしい。
 県外からの警察や消防、自衛隊による広域的な救命、救急も行われた。国や熊本県などとの被害情報のやりとり、活動がスムーズだったのか調べる必要があるだろう。
 中越地震は夜に起きた。被災地には山間部が多く、被害把握に時間がかかり、多くの孤立地域が発生した。
 熊本地震の発生も午後9時26分。自衛隊のヘリなどが、被害状況の把握に努めているが、被害像は夜の間にどれだけ把握できたのか。今後の対策に生かすためにも情報把握能力の検証もすべきだ。
 心配なのが、九州新幹線の脱線だ。中越地震では営業運転中の上越新幹線が脱線した。この事故を受け「脱線防止ガード」の設置などの対策が進められている。
 今回は総合車両所に向けて回送中の車両だった。脱線したのは、ガードがない区間というが、地震を考慮すれば、脱線対策をできるだけ広範囲に広げるべきではないか。
 昼間で営業運転していた車両であれば、どうなっていたのか。国土交通省、JR各社はこの脱線を深刻に受け止める、営業中の被害をシミュレーションした上で、早急に対策を詰めるべきだ。
 倒壊した家屋の下敷きになって死亡した高齢者が目立った。古い家だったとみられ、耐震改修や補強、建て替えの促進など被害を減らす事前の対策が重要となる。
 消防によって救出された人も多い。地域の高齢化によって、阪神大震災のように隣近所の人が助ける「共助」が機能しにくい面もあるだろう。
 自治体は、高齢者ら「災害避難時の要支援者」の名簿を作り、誰が助けるのか定めることになっている。このシステムが実際に機能したのかどうかも検証が待たれる。消防など「公助」に頼らざるを得ないとすれば、高齢社会に対応して支援の在り方を見直す必要があるだろう。
 一時4万人を超えた避難者は、翌日の昼前でもまだ1万5千人に上った。高齢者が多く、避難中に健康を害す人が出てくるかもしれない。健康管理、心のケアも重要だ。
 もちろん被災地の復旧を急がなければならない。ボランティアの出番だ。地元は受け入れ態勢を整え、お互いさまの気持ちを持って参加したい。これも震災を経験して学んだことだ。
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愛媛新聞 2016年04月16日(土)
社説:熊本地震 「明日はわが身」の認識を新たに


 熊本県益城町(ましきまち)で震度7を観測する地震が起きた。建物の倒壊などで9人が死亡、千人を超すけが人が出ている。まず救命救助活動を急ぎたい。
 今回の熊本地震は余震の多さが特徴だ。翌朝までに100回以上発生。中には震度6強のものもあった。気象庁は今後1週間は大きな余震が続く恐れがあるとしている。今日の夕方以降は大雨が予想され、土砂災害が起きやすくなる。引き続き厳重な警戒が必要だ。
 国内で震度7を観測したのは2011年の東日本大震災以来で、九州では初めてだった。改めて「いつどこで起きてもおかしくない」震災の恐ろしさを痛感させられた。愛媛でも万が一への備えを再確認したい。
 益城町は熊本市の東に隣接するベッドタウン。町内に大規模な活断層である布田川(ふたがわ)・日奈久(ひなぐ)断層帯がある。江戸時代以降に周辺で複数の地震が起きた記録が残っている。1889年には熊本市付近で、マグニチュード(M)6.3の地震が発生、死者20人の大きな被害が出た。
 今回の震源の深さは約11キロ。地表に近い場所だった。断層が南北方向にずれる形で動いた直下型地震とみられる。東大地震研究所の解析によると、震源から約20キロ以内が特に強い揺れに見舞われた。木造家屋に大きな被害を出しやすい周期1~2秒の揺れが強いことも判明。1995年の阪神大震災との共通点が多いという。
 確かに、今回の被災地では、古い家屋が倒壊し、落ちた瓦や倒れたブロック塀などが道路をふさいだ。耐震補強が不十分だったとみられる。住んでいる人が危ないのはもちろん、こうした倒壊物が救助活動の妨げになる。補強工事の大切さを再認識する必要がある。
 また防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、熊本地震で10万人が震度6強以上の揺れに遭遇したと試算した。多くの住民にとって「想定外」であり、その後も続いた大きな余震への恐怖は想像に余りある。
 愛媛をはじめ西日本では南海トラフ地震への対策が進められているが、専門家は「活断層は日本各地にあり、同様の局所型地震は日本列島のどこでも起こり得る」と警告する。すべての国民が人ごとではなく「明日はわが身」の意識を新たにしなければならない。
 熊本地震は、活断層による直下型の威力をまざまざと見せつけた。北陸電力志賀原発(石川県)や日本原子力発電敦賀原発(福井県)は原子炉建屋の直下に活断層がある、と原子力規制委員会が認定している。地震が起きた場合、周辺地域に及ぼす被害の大きさを考えれば、廃炉は避けられまい。
 四国電力伊方原発の敷地前面にも中央構造線断層帯がある。基準地震動を最大650ガルに引き上げて対策を進めているが、専門家からは「不十分」との指摘もある。再稼働の危険性を再度指摘しておきたい。
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徳島新聞 2016年4月16日付
社説:熊本地震 救援と復旧に全力挙げよ


 熊本県益城町(ましきまち)で震度7の地震があり、九州中部を中心に西日本の広い範囲で強い揺れを観測した。益城町などで家屋倒壊の被害が相次ぎ、多数の死傷者が出ている。
 九州自動車道では路面に陥没が生じ、火災、停電、断水も起きた。国や自治体、自衛隊など関係機関は、救援、治療のほか、ライフラインの復旧に全力を挙げてほしい。
 被災者や避難者らの心のケアも欠かせない。
 震源地は熊本地方で、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・5。震度7を観測したのは東日本大震災が発生した2011年3月11日以来で、九州では初めてだ。
 気象庁は「平成28年熊本地震」と命名。地震のメカニズムを、南北方向に引っ張られる「横ずれ断層型」と説明した。震源付近は「布田川(ふたがわ)断層帯」と「日奈久(ひなぐ)断層帯」が接するように延び、枝分かれして複雑な帯を形成している。
 震度6強の余震が起きるなど、内陸や沿岸部が震源の同規模の地震に比べて余震が多いのも気掛かりだ。気象庁は今後、1週間は震度6弱程度の余震が発生する恐れがあるとしている。警戒を怠ってはならない。
 地震の原発への影響も心配である。九州電力は、稼働中の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に異常はないとして発電を続けている。だが、余震が多発する状況で、住民の不安を払拭(ふっしょく)するためにも、運転停止を検討してはどうか。
 四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)は停止中で、異常は確認されていない。
 益城町に隣接する熊本市では、熊本城の周辺を囲む国重要文化財の長塀が約100メートルにわたって崩れ、数カ所で石垣も崩落した。入場者の受け入れを中止しており、観光面のダメージも懸念される。
 熊本県の阿蘇山や鹿児島県の桜島などの火山活動に変わりはなく、地震との直接の関連はないとみられる。
 九州新幹線では、JR熊本駅から熊本市内の車両基地に向けて回送中の列車が脱線した。地震による脱線のメカニズムを究明する必要がある。
 地震の際、高層ビルの上層階が大きく長く揺れる「長周期地震動」が九州の大半の地域で起きた。気象庁によると熊本市や八代市などで3、佐賀県南部や長崎県・島原半島で2と推定される。
 震源地から離れた地域にいても、安心はできない。
 徳島県内でも、徳島市と北島町で震度2を記録した。
 本県は、近い将来に発生が懸念される南海トラフ巨大地震への備えが急務だ。
 県は災害派遣精神医療チームを現地に派遣し、被災した精神科病院から搬送された患者の支援に当たる。徳島大学も調査団を派遣し、家屋の倒壊状況などを調査する。
 県域を越えた「公助」「共助」で被災者らを勇気づけたい。建物の耐震化や家具の固定といった「自助」にも取り組み、災害の被害を最小限に食い止めることが大事だ。
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高知新聞 2016.04.16 08:45
社説:【熊本地震】全力で被災者の救援を


 熊本県の内陸部を震源とする震度7の地震が発生し、九州をはじめ西日本の広い範囲が強い揺れに襲われた。本県でも宿毛市と黒潮町で震度3を観測した。
 15日夕の時点で家屋の倒壊などによる死者9人、負傷者は約千人に上っている。建物や道路などの被害の状況も今後、調査とともに明らかになっていくとみられる。
 強い余震が相次ぎ、天気も下り坂との予報だ。家屋倒壊や土砂災害などの危険性が高まっている恐れがあるとして、気象庁が注意を呼び掛けている。
 多くの人が避難しているが、避難所での生活は長引く可能性がある。水道や電気、ガスのライフラインの復旧を急ぐとともに、食料の提供や体調の管理など、被災者の救援に全力を挙げてほしい。
 気象庁が1949年に震度階級に7を設けて以降、震度7を観測したのは4度目で、九州では初めてだ。地震の規模の割に激しい揺れとなったのは浅い地下で活断層が動いたためとみられる。
 熊本県内には大規模な活断層帯があり、江戸時代以降、その周辺で複数の地震が発生した記録が残る。国内では未知の活断層が動いたケースも相次ぎ、内陸部や沿岸部を震源とする規模の大きな地震はどこでも起きる可能性があるといってよい。
 今回の地震も含め、課題としてあらためて浮かび上がるのが、住宅の耐震化など「減災」への取り組みの大切さだ。
 耐震性が低い木造住宅の場合、震度6弱で傾いたり倒れたりするものが出始め、6強、7と揺れが強まるにつれて多くなるとされる。
 熊本の被災地の映像を見ると、同じ地区でも家屋によって被害に大きな違いが出ている。今後の詳しい調査を待たなければならないが、耐震化が進んでいれば被害を軽減できた可能性があるのではないか。
 次の南海トラフ地震を考えると、本県にとっても極めて重大だ。
 最大クラスの地震が起きた場合、県全域が強い揺れに襲われ、26市町村が最大で震度7に、残りの8市町村でも震度6強になるとされる。県が3年前に公表した被害想定では、建物倒壊による死者は約5200人に上る。
 強い揺れに続いて、沿岸部には短時間のうちに津波が押し寄せる。避難のためには、まず揺れに耐えなければならない。
 ところが、住宅の耐震化率は2015年度末で77%だ。県の調査によると、1981年以前の古い耐震基準で建てられた木造住宅に住む人のうち、8割以上が耐震診断を受けていない。
 改修工事などの費用が大きな壁になっていることに加え、県民の意識のありようも問題点として指摘される。県や市町村は取り組みをさらに強化していく必要がある。
 熊本地震の犠牲者のご冥福を祈るとともに、南海トラフ地震への備えを考える契機としたい。
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