2016-04-30(Sat)

熊本地震 被災中小企業 社説等 160430 本震2週間

迅速できめ細かな支援を  災害弱者の支援充実を  命守る耐震化急ぎたい 甚大な被害も想定すべきだ

<各紙社説>
朝日新聞)被災と子ども 心開ける場をつくろう(4/30)
京都新聞)地震の建物被害  命守る耐震化急ぎたい(4/30)
熊本日日新聞)被災中小企業 迅速できめ細かな支援を(4/30)
宮崎日日新聞)本県の危機対応 甚大な被害も想定すべきだ(4/30)
琉球新報)熊本・本震2週間 災害弱者の支援充実を(4/30)




以下引用



朝日新聞 2016年4月30日(土)付
社説:被災と子ども 心開ける場をつくろう


いらいらする。黙りこむ。指しゃぶりをする。眠れない。
 「また大きな地震が来たらどうしよう」と涙目で訴える。
 熊本県を中心に続く地震で、心に傷を受けた子どもたちの様子が報告されている。
 大人が災害への対応に追われるなか、子どものストレスは見過ごされがちだ。一人ひとりに目を配り、支える必要がある。
 子どもは、気持ちや体験を言葉でうまく伝えられない。しかも反応は一人ひとり違う。
 頑張る大人を見て、気持ちを出すのを我慢したり、無理に笑顔を見せたりする子もいる。
 まずは安心させ、様子をしっかり見る。話をよく聞き、「大変だったね」「こわかったね」と受けとめる――。
 そんな姿勢が、周りの大人には欠かせないと専門家は言う。
 大きな災害の後は「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)が心配される。後になって、つらい体験を繰り返し思い出したり、集中できなかったりする。
 文部科学省が東日本大震災翌年の2012年、被災地の保護者を対象に調べた結果では、幼稚園児の20%、小学生の18%、中学生の12%にPTSDを疑われる症状が見られた。
 こうした事態をできるだけ防ぐには、子どもが心を開放でき、ストレスを発散できる時間と場所が重要である。
 例えば、国際的な子ども支援団体の一員の「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」は、熊本県益城町の避難所5カ所に「こどもひろば」を開設している。
 主に四つから14歳の子どもを受け入れ、集まった子どもたちでお絵かきや紙芝居、ボール遊びなど遊び方を決めていく。
 子どもの居場所をつくり、同じ世代の子が一緒に遊ぶことを通じて日常を取り戻せるようにするのが狙いだ。
 熊本県西原村にある村立にしはら保育園は、子どもたちに園庭を開放している。
 避難所になった学校の校庭が駐車場として使われるなか、子どもが思いきり体を動かせる場を、と考えたという。
 被災地では連休明けの再開を目指し、準備を進めている学校が多い。学校のスタートは、子どもが日常を取り戻すためにも重要だが、心の傷がすぐに癒えるわけではない。
 阪神大震災後の兵庫県教委の調査では、心のケアが必要と判断された小中学生数がピークを迎えたのは震災3年後だった。
 保護者や教員だけでなく、地域や支援団体も含め、さまざまな目で子どもを見守り続けることが欠かせない。
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[京都新聞 2016年04月30日掲載]
社説:地震の建物被害  命守る耐震化急ぎたい


 熊本地震は震度7を2回観測し、多くの家屋が倒壊して犠牲者が出た。命を守るため、住宅耐震化の重要性をあらためて思い知らされた。
 1995年に発生した阪神大震災では、関連死を除く犠牲者の9割近くが家屋や家具の倒壊などによる圧迫死だった。現在の耐震基準を満たさない81年以前の建物に被害が集中した。
 熊本地震でも、ずれた断層帯上を中心に、古い家屋など多数の建物が被害を受けた。災害時に対応拠点となる自治体庁舎が築50年以上で、損壊したケースもあった。阪神大震災の教訓を十分に生かして被害を防げなかったことが悔やまれる。
 政府は補助制度を設けて耐震改修を促している。2020年には住宅耐震化率を95%とする目標を掲げているが、13年の推計は82%で、08年から3ポイントの上昇にとどまる。熊本県内は76%と全国に比べ対策が遅れており、被害が大きかった益城町は11年度時点で63%だった。
 京都府はこのほど、府内で最大の被害をもたらすとされる花折断層地震について、想定死者数を6900人から3500人に見直した。03年に74%だった住宅耐震化率が13年には81%になり、試算をやり直した結果だ。府は20年度に95%へ高めることを目標とし、2160人まで減るとしている。
 耐震化が進まない背景には工事費用負担の大きさがある。一戸建て住宅の平均的な耐震改修費は200万円弱だが、強固なフレームで1部屋だけ壊れにくくする「耐震シェルター」なら1室50万円以下で済む場合が多いという。無防備な就寝中の地震に備え、寝室を補強するだけでも効果はある。
 活断層による内陸直下型の地震は、どこでも起きる可能性がある。南海トラフ巨大地震も今後30年以内に発生する確率が70%程度とされる。政府や自治体は補助制度の拡充や住民の減災意識の向上に努め、耐震化をもっと加速させるべきだろう。
 熊本では14日夜の「前震」に続き、16日未明に同じく震度7の「本震」が起きた。避難先から自宅に戻り、本震で家屋の下敷きになった住民もいたという。
 専門家は住宅の耐震化を進めるとともに、耐震基準についても、一度だけでなく何度も地震が襲うケースを考慮する必要があると指摘する。政府は熊本地震を検証し、連続する地震でどう安全を確保するのか検討してもらいたい。
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熊本日日新聞 2016年04月30日
社説:被災中小企業 迅速できめ細かな支援を


 熊本地震で生産設備などに被害を受けた県内の中小企業は少なくない。いまだに事業再開のめどが立たないところもある。直接被害を受けていなくても、予約の取りやめが相次ぐ観光業などで経営が深刻化することも予想される。当面の資金繰りをはじめ、あらゆる手だてを講じて後押しすることが地域経済の再生に何より重要だ。
 帝国データバンクによると、熊本、大分両県の被災地に本社を置く企業は約1万7200社。熊本の被災地域には、特に飲食料品卸売り業が集積しているという。それらの企業の取引先は延べ3万社を超え、地震による影響は国内の広範囲に及ぶとみられている。
 東日本大震災時には取引ができなくなり、仕入れ先を被災地以外の企業に変更する動きもみられた。今回の地震でも、復興が遅れれば同様の動きが出かねない。迅速な支援が鍵を握る。
 経済産業省によると、両県の商工会議所などに設置した相談窓口には「工場に倒壊の危険があり、当面の決済や人件費のための資金が必要」といった資金繰りに関する相談が多く寄せられている。27日から県内各地で経営や雇用、金融に関する特別相談会が順次開かれている。相談に当たる県や商工団体は被災企業のニーズをすくい上げ、きめ細かな対応を取ってほしい。
 金融面の支援策として、被災企業が有利な条件で資金を借りられる県の制度融資が拡充されたり、復旧に向け長期や低利で融資を受けられたりする制度が導入済みだ。金融機関などの貸し手は迅速な手続きを心掛ける一方、企業が地震前から抱える債務の返済猶予といった柔軟な対応も必要だろう。
 県内に立地する大手製造業の中には、地震前の水準に戻るのに時間を要するところもある。下請け企業に負担が及ばないよう目配りも欠かせない。
 企業自らが災害時の業務再開手順を定めておく事業継続計画(BCP)があらためて注目を集めている。2016年版中小企業白書は、BCPの運用が取引先との関係強化や企業価値向上につながると強調する。しかし中小企業でBCPを策定しているのは15%にとどまり、策定が進む大企業との差は歴然だ。地震活動は依然、終息していない。備えを怠らないようにしたい。
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宮崎日日新聞 2016年4月30日
社説:本県の危機対応 ◆甚大な被害も想定すべきだ◆


 熊本地震の最初の揺れから2週間以上が過ぎた。あらためて考えなければならないのが、本県で熊本のような甚大な被害が起きたとき、どのような危機対応ができるかということだ。
 一連の地震で、熊本では災害対策の拠点となるはずの役場も被災。人手不足で行政機能がまひしている現状や、避難生活で住民が肉体的、精神的なストレスにさらされている様子が伝えられ、災害は起きたその時だけではなく「発生後」に厳しい試練が待ち受けていることを再認識させられる。本県ではどこまで対策がなされているか、官民挙げた総点検が必要だ。
支援拠点の確保図れ
 九州新幹線に続き、九州自動車道が全線で復旧。一般道は路面損傷や余震への警戒から各地で通行止めが続いているが、交通の大動脈が回復したことは大きい。
 必要な物資を届け、支援者を現地に送り込むのに道路は不可欠だ。災害発生後、いかに早く危険箇所を補修していく態勢が取れるか。鉄路、空路、海路とも同じことがいえ、その回復により復興のスピードは増すだろう。
 多くの建物に被害が発生した熊本県では、自治体の庁舎も損壊。移転先を探しても主な施設が既に避難所になっていれば、対策の拠点を構えようもない。本県でもあらかじめ考えておく必要がある。
 行政機能のまひは被災者の命や健康に悪影響を与えかねず、国の防災基本計画は、各自治体に機能を維持する方法を策定するよう定めている。職員が被災することも想定され、他の自治体からどのような協力が得られるかも、復旧に向けての機動力に関わってくる。
 「国-県-市町村」の流れだけではなく、自治体間の“横の連携”をどう強固にしていけるか。本県からも自治体職員が多く熊本入りしており、現場でさまざまな学びを得ているのではないか。
生かしたい民間の力
 行政と民間との連携も欠かせない。阪神大震災や東日本大震災でもみられたように、熊本地震の被災地にも大勢のボランティアが駆け付け、民家の片付けや避難所の運営支援などに汗を流している。
 本県と熊本県のNPO法人など複数の団体でつくるネットワークが、民間ならではの軽やかな動きで情報共有を進め、求められる物資搬送や現場での手伝いに当たっている姿は力強い。
 官民の連携が一層図られれば、日々変わっていく被災地ニーズにより的確に対応し、支援の手から漏れている人を減らしていけるはずだ。苦境に立つ隣県を支えながら、本県でも官民を交えた会議などを通して、現在持っている計画に不備はないか再点検したい。
 また防災意識が高まっている今こそ、県や市町村は住民に対し非常時対応の方針や計画を説明してはどうか。広報紙や座談会形式などさまざまなやり方があっていい。住民一人一人の意識をより高めていくことにつながるだろう。
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琉球新報 2016年4月30日 06:02
<社説>熊本・本震2週間 災害弱者の支援充実を


 16日未明、熊本県で阪神大震災と同規模のマグニチュード7・3の本震が発生してから2週間が経過した。震源域は大分県にも拡大し、29日は由布市で震度5強を記録した。
 熊本、大分両県で震度1以上の地震が千回に達した。激しい地震活動はなお続くとみられ、気象庁は引き続き警戒を求めている。熊本県内の避難所には依然3万人以上が身を寄せている。長期避難によって健康が悪化しないよう心と体両面の健康管理と支援が必要だ。
 特に、高齢者や体の不自由な人、妊婦などを受け入れる「福祉避難所」が十分機能していない。熊本市は176施設と協定を結んでいるが、27日までに41施設207人にとどまっている。計画の4分の1程度でしかない。
 福祉避難所は阪神大震災を機に必要性が指摘され、2007年の能登半島地震で初めて設置された。今回は建物が被害を受け、食料や水などの物資や、自治体や介護施設の職員が被災するなど予想外の出来事が重なり、計画通りに進んでいない。介護の人材不足も対応遅れにつながっている。
 災害弱者が一刻も早く支援を受けられるように対応を急ぎたい。紙おむつや介護食などの物資の支援に加え、沖縄を含む他府県から熊本へ福祉ボランティアや専門職員を派遣することで、現地の介護を下支えできるのではないか。
 熊本県は29日、震災関連死の疑いが計17人になったと明らかにした。「車中泊」が原因とみられるエコノミークラス症候群による死者も出た。医師や保健師らのチームによるきめ細かな健康管理が必要だ。
 一方、余震が沈静化すると人や物の流れの復旧や社会基盤の整備、被災者の日常生活の再建、甚大な被害を受けた地域の再建、経済の立て直しなどに取り掛からなければならない。
 倒壊の恐れから「危険」と判定された建物は熊本県内で1万棟を超え、阪神大震災の6476棟を上回った。仮設住宅100戸の建設が始まり、今後は土砂災害への応急対策、道路の修復など膨大な復興作業が続く。地元の力だけでは限界がある。
 政府をはじめ全国の自治体、民間の力が必要だ。全国知事会を通じて他自治体の支援を本格化させるなど、力を合わせて復旧復興を着実に進めたい。
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