2016-05-01(Sun)

三菱自動車燃費不正 社説等(4) なぜまかり通ったのか

これで「存続」できるのか  消費者をまたも裏切った 刷新なくして存続なし ものづくりの資格を問う


<各紙社説・主張>
産経新聞)三菱自の燃費不正 これで「存続」できるのか(4/30)
高知新聞)【三菱自動車】存在意義が問われている(4/30)
南日本新聞) [三菱自燃費不正] 車を造る誇りはどこに(4/29)
沖縄タイムス)[三菱自動車不正]消費者を裏切る行為だ(4/29)

朝日新聞)三菱燃費不正 なぜまかり通ったのか(4/28)
新潟日報)三菱・燃費不正 消費者をまたも裏切った(4/28)
信濃毎日新聞)三菱自動車 刷新なくして存続なし(4/28)
西日本新聞)三菱自燃費不正 ものづくりの資格を問う(4/28)
------------------
三菱自動車 当社製車両の燃費試験における不正行為について
http://www.mitsubishi-motors.com/important/detailg420_jp/index.html




以下引用



産経新聞 2016.4.30 05:00
【主張】三菱自の燃費不正 これで「存続」できるのか


 四半世紀にわたりデータを捏造(ねつぞう)してきた。そう聞けば、いったいこの会社は不正なしに、ものづくりができるのだろうか、と疑問を抱く。
 軽自動車の燃費試験データの偽装を公表した三菱自動車の相川哲郎社長は、会社の存続が問われる事態であるとの認識を示したが、十分な危機感に基づいたものだろうか。
 長期間の捏造を認めながら、肝心の対象車種や台数などは「調査中」として公表していない。これでどうやって顧客に説明するのか。国内受注が半減したのも当然だろう。
 全容解明への取り組みの遅さを露呈するトップの説明で、会社の今後など展望できない。
 三菱自では米当局から燃費試験の実施を求められるなど、販売全体の9割を占める海外からも疑念の目を向けられている。同社だけの問題にとどまらない。自動車大国として、世界の中での日本の信頼が問われよう。
 国土交通省への報告では、燃費偽装が発覚した軽自動車でデータを実際に計測していたのは一部にとどまり、多くは計算上の架空データを使用していた。
 同社は新車開発をめぐり、短期間に5回も燃費性能目標を引き上げた。競争の激化が理由だが、達成を焦った開発陣が偽装に手を染めたとの見方もある。不正の経緯と動機の解明が欠かせない。
 さらに軽自動車以外でもこの25年間、国の基準とは異なる不正な方法で測定していたという。同社は平成12年と16年にリコール隠し事件を引き起こし、消費者離れを招いて経営不振に陥った。
 三菱自はグループ各社からの支援を受け、法令順守の徹底などで会社の再生を誓ったはずだ。しかし、実際にはその間も水面下で不正が繰り返されていたことになる。企業体質と呼ぶしかない。
 同社は購入者に対してガソリン代の差額分の補償などを検討している。政府は適正な燃費試験で同社製の軽自動車がエコカー減税の対象から外れた場合には、減税分を同社に負担させるという。
 これらも経営への打撃となるが、自ら不正をただす取り組みをみせない限り、これまでのようなグループ支援は見込めない。各社の株主にも説明がつくまい。
 国交省も、長年にわたる同社の不正行為を見抜けなかった事態を重く受け止める必要があろう。
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高知新聞 2016.04.30 08:10
社説:【三菱自動車】存在意義が問われている


 燃費データの改ざん問題に揺れる三菱自動車が、調査内容を国土交通省に報告した。コンプライアンス(法令順守)不在の企業体質が改めて浮き彫りになったといえる。
 法令と異なる不正な試験方法で、四半世紀にわたり燃費データを計測していた。他社販売を含む軽自動車の4車種で明らかになったデータ改ざんは、国のエコカー減税制度で最高ランクの免税認定を受けるためだったという。
 だが、調査の不十分さは否めず、4車種以外にデータ改ざんがなかったかなどについて、再度の報告を求められた。約10車種とされた不正な燃費試験の対象車種も増える可能性がある。
 同社の相川哲郎社長は、会見でも「全容が把握できていない」と繰り返した。提携する日産からの指摘で昨年11月には不正を把握していたにもかかわらず、不正試験を行った車種の公表さえ拒んだ。
 発覚の経緯から隠蔽(いんぺい)体質が再び指摘されているが、消費者を軽視した対応には、当事者意識も疑わざるを得ない。
 報告書や同社の説明によれば、国が法律で燃費試験の方法を定めた1991年から不正な試験を続けていた。同社が採用していた米国式の試験は、法定の方法より試験時間が短い利点があったとみられる。
 燃費を5~10%程度良く見せかけるデータも、不正試験の数値をさらに改ざんしたものという。必要な走行試験さえ行わない事例もあった。他社との激しい燃費競争から、社内目標が約2年で5回も引き上げられるなど現場に強い圧力が働き、不正に至った可能性が高い。
 同社は弁護士による特別調査委員会を設置し、3カ月ほどで報告書をまとめる方針を示した。不正の対象が広がらないか、経営陣の関与はなかったのか、疑問は多い。実態の解明が急がれよう。
 ただし、「再発防止」を掲げても消費者の納得や信頼を得ることは容易ではあるまい。同社はこれまでにも、重大な法令違反を繰り返しているからだ。
 2000年に発覚した「リコール隠し」は、同社の設立当初までさかのぼった。その後も04年に再度のリコール隠し、12年にも5年以上に及ぶ「リコール遅れ」があった。02年には大型車のタイヤが外れ、母子3人を死傷させる、痛ましい事故も発生している。
 その度に再発防止をうたったはずだが、自浄作用は全く働いていなかった。安全に直接関わる不正で批判を浴びながら、一方でまだ今回の不正を延々と続けていたわけだ。
 企業にとって利益が重要なのは当然だが、事業を通じた社会貢献を求められる存在でもある。相川社長は燃費改ざん問題を「会社の存続に関わる大きな事案」としたが、まだ認識が甘いのではないか。
 不正に染まり切った三菱自は、社会から存在意義そのものを問われている。
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南日本新聞 ( 2016/4/29 付 )
社説: [三菱自燃費不正] 車を造る誇りはどこに


 車を製造する誇りは、いったいどこへいったのか。そんな疑問すらわいてくる。
 軽自動車の燃費データ改ざんが発覚した三菱自動車で、1991年から約25年間にわたって、法令とは異なる不正な試験方法で燃費データを計測していたことが新たにわかった。
 軽自動車4車種のデータ改ざんは、燃費目標を達成するためだったことも明らかになった。
 一方、データの改ざんや不正な計測はだれの指示だったのか、どうして自浄作用が働かなかったのかなど、これまでの会社の説明では分からないことも多い。
 三菱自は外部識者による調査委員会を設置し、不正に至った経緯を調べる。徹底的な調査でうみを出し切らなければならない。
 国土交通省への報告などによると、三菱自の燃費データ計測は78年から米国式を採用していた。91年に国が法律で別の方式を定めたが、試験時間が短い米国式を続けていたという。
 軽自動車の燃費データ改ざんでは必要な走行試験を行わず、社内目標の燃費に合わせて机上でデータを算出したケースがあった。
 三菱自は、2000年と04年にリコール(無料の回収・修理)隠しが発覚した。これらの不正でタイヤ脱落による死傷事故が起き、厳しい批判を浴びている。
 「再発防止に全力を尽くす」と誓いながら、その裏で別の不正が続いていたことになる。コンプライアンス(法令順守)意識の欠如にあきれるほかない。
 燃費不正行為の発覚で、三菱自の受注台数は激減している。
 部品などを直接納入している企業は、国内の1次下請けだけで1300社を超える。すでに操業停止で自宅待機が広がるなど、雇用や景気に与える影響が懸念される。三菱自の経営陣は社会的責任の重さを自覚するべきだ。
 不正を見抜けなかった国の検査体制にも問題があったと言わざるを得ない。
 国の燃費試験は、メーカーが提出する走行抵抗値のデータを基に、屋内の計測器に車を載せて走らせ、算出する。国交省は「(抵抗値を)改ざんされたら見抜けない」としているが、それでは無責任ではないか。
 国交省の作業部会は、燃費データ測定の見直しを中心に再発防止策の議論を始めた。三菱自の軽自動車4車種については、実際の燃費データを測定するため、屋外での走行試験を実施する。
 自動車業界全体の信頼のためにも、不正行為を許さない検査制度を構築するべきだ。
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沖縄タイムス 2016年4月29日 05:00
社説[三菱自動車不正]消費者を裏切る行為だ


 過去の不祥事を受けて、あしき企業体質を改めたはずではなかったのか。コンプライアンス(法令順守)意識のあまりの低さにがくぜんとさせられる。
 三菱自動車による燃費データの改ざん問題のことである。
 同社が軽自動車4車種の燃費試験のデータを不正操作し、その際、多数の偽装工作をしていたことが国土交通省の調べで分かった。複雑な計算式で数値を変換したり、走行試験をしていない車種の数値も独自の算定方法で捏造(ねつぞう)したりするなどしていたという。
 無理に設定した燃費目標を達成したように装うのが目的だったとみられる。
 同社は2013年度以降、燃費試験のデータに意図的に手を加え、性能を実際より5~10%程度良く見せる不正行為をしていたと20日に公表した。対象台数は計62万5千台に上り、生産・販売は停止された。
 燃費性能は消費者の車選びの重要なポイントであり、各メーカーが技術開発にしのぎを削る。今回不正が発覚した一部の車種では、社内の燃費の目標が5回にわたり引き上げられたことも明らかになり、同社幹部は「目標にプレッシャーを感じて(改ざんに)走った」可能性を指摘した。
 ただ、社内のどのレベルが不正に関与していたのかなど不明な点は残る。同社は弁護士による特別調査委員会を設置した。消費者への裏切り行為である不正の背景に何があるのか、全容を明らかにしてもらいたい。
■    ■
 三菱自動車の不祥事はこれまでも繰り返された。リコール(無料の回収・修理)につながる顧客のクレーム情報を隠し、不具合をひそかに修理していたことが00年に発覚した。04年には別のリコール隠しが表面化し、隠蔽(いんぺい)体質に批判が集まった。経営危機に陥り、三菱グループの支援を受けた経緯がある。
 今回の問題が表面化したのも、軽自動車の供給を受けていた日産自動車の指摘が発端だった。自浄作用は働かなかったということなのか。
 三菱自動車が1991年から約25年間にわたり、法令と異なる不正な試験方法で燃費データを計測していたことも明らかになっている。
 他社との競争を勝ち抜くためには法令無視もいとわない。こうした企業体質は変わっていない、と言わざるを得ない。
■    ■
 三菱自動車は燃費データ改ざん公表後、国内の1日当たりの受注台数が半減した。株価は公表前の半値以下まで下落した。問題の車種がエコカー減税の対象から外れるなどして所有者に負担が生じる場合、同社が穴埋めするとしており、業績への打撃は避けられない。相川哲郎社長も認めたように「会社の存続に関わる」事態だ。
 主力工場の水島製作所(岡山県倉敷市)では軽自動車生産に携わっていた従業員約1300人が自宅待機となっている。取引先の中小企業や全国の販売店も影響は深刻だ。
 企業倫理の低下が招いた不信感の払拭(ふっしょく)は容易ではない。
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朝日新聞 2016年4月28日(木)付
社説:三菱燃費不正 なぜまかり通ったのか


 なぜ四半世紀もの間、不正がまかり通ったのか。
 燃費試験データの偽装が発覚した三菱自動車問題への疑念と怒りは、国土交通省への追加報告を経ても膨らむばかりだ。
 まずは三菱自動車である。
 端緒となった軽自動車では、データを実測していたのが一部にとどまり、残りは机上の計算による架空のデータを使っていたことが新たにわかった。
 軽自動車以外でも、国が1991年に定めた試験方法とは異なる測定手法を当初から使っていたことが判明した。07年に社内で法定の方法を使うと決めたが、その後も改まらなかったという。
 相川哲郎社長は「会社の存続に関わる事案だ」と認めた。法令順守という基本を欠けば企業経営は成り立たない。当然の発言だが、経営面でも厳しさを増している。
 新車の販売店では三菱自動車離れが進む。購入者には、部分的な補償にとどまらず、車の買い戻しを求める声がくすぶる。
 三菱自の提携相手で、データを巡る矛盾を最初に指摘した日産自動車は、三菱自からの軽自動車の供給が止まったことで補償請求を検討中だ。
 軽自動車はエコカー減税の対象だ。関連する税金を所管する総務省は、燃費試験のやり直しで減税の適用区分が変わった場合、適正額との差額を三菱自に支払わせる検討を始めた。
 しかし、まずは実態の徹底解明である。不正な試験方法を使った車種や台数の全体像について、三菱自は「調査中」としている。軽自動車を巡り、短期間に5度も燃費に関する開発目標を引き上げたことが不正に影響したのか。三菱自は、社外の弁護士に委嘱した特別調査委員会の指示に従って、調べを尽くさねばならない。
 三菱自の不正を見抜けなかった国交省は、試験方法を抜本的に見直す必要がある。
 試験は所管する外郭団体が担当しているが、基礎データはメーカーからの提供分をそのまま使う仕組みだ。「性善説」にたつ検査体制に構造的な欠陥があったと言わざるをえない。
 メーカーのデータ測定時に国の検査員が立ち会うなど既に改善案が出ている。独フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れでは、自動車のエンジニアらでつくるNPOと大学が独自の走行試験をしたことが発覚のきっかけとなった。第三者の目を生かすことも検討課題だろう。
 官民ともに大きな課題に直面している。関係者はそのことを自覚してほしい。
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新潟日報 2016/04/28 08:30
【社説】三菱・燃費不正 消費者をまたも裏切った


 企業の存続を揺るがす事態と言わざるを得ない。
 三菱自動車が燃費データを改ざんしていたほか、1991年から約25年間にわたり、法令と異なる不正な試験方法で燃費データを計測していたことが分かった。
 2000年に発覚し、経営難を招いたリコール(無料の回収・修理)隠し問題を挟んで不正が繰り返されていたことになる。
 死亡事故にまで発展したリコール問題を受け、04年に企業倫理委員会を設置し、140回以上も会合を重ねてきたはずだ。
 コンプライアンス(法令順守)不在の企業体質に、あきれるばかりだ。ユーザーへの背信行為と言うほかない。
 意図的に5~10%程度向上させた燃費データの改ざんは13年以降、日産自動車向けを含む軽自動車4車種で行われた。対象は計62万5千台に上る。
 日産が測定した燃費が、認証を受けた数値と差があることが判明し、不正が発覚した。
 燃費性能は軽自動車のユーザーが最も重視する要素といわれる。
 実際は達成できていないにもかかわらず、国からエコカー減税制度の免税認定を受けるため不正に手を染めたという。
 中には、走行試験を行わず、社内目標の燃費に届くようにデータを机上で算出し、国に提出したケースさえあった。
 メーカー間で繰り広げられている激烈なエコカー開発競争への焦りがあったとみていい。消費者をないがしろにしていると受け取られても仕方あるまい。
 三菱自はユーザーへの補償を急ぐ方針だ。ガソリン代などを補填(ほてん)し、車の買い取りは見送る考えだが、思惑通りに進むかどうかは不透明といえる。
 不正な手法の走行試験で燃費データを取得した車種についても何らかの対応を迫られる可能性がある。日産への補償も不可欠だ。
 消費者の信頼を裏切った代償はあまりにも大きい。
 焦点は、経営陣がどこまで不正に関与していたかだ。
 三菱自は、現場の人間が上司に物を言いにくい企業体質が染みついており、それが不正の一因となっているとの指摘がある。
 「チャレンジ」と称して達成困難な利益目標を現場に課した東芝と同じような構図だ。
 今回の不正は、経営の上層部や社内の複数の部門が認識していた可能性が拭えない。
 三菱自は弁護士による特別調査委員会を設置した。早急に実態を解明してもらいたい。併せて、不正を放置した経営陣の刷新と組織の抜本的見直しも進めるべきだ。
 国がメーカーに事実上丸投げしている燃費試験の在り方も今後、検討する必要があろう。
 燃費偽装にとどまらない。
 国が実施したディーゼル車の走行調査で、国内3社の4車種が排ガス基準を2~10倍程度上回る窒素酸化物を排出したことが分かった。いずれも認証試験では基準を満たしていた車だ。
 自動車メーカー全体の信頼性もまた問われていると言える。
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信濃毎日新聞(2016年4月28日)
社説:三菱自動車 刷新なくして存続なし


 この会社に巣くう病は、果たして根治できるのだろうか。
 燃費データの改ざん問題が発覚した三菱自動車が、1991年から約25年間にわたり、法令と異なる不正な試験方法で燃費データを計測していた。
 2000年にはリコール(無料の回収・修理)隠し問題が発覚している。それ以前から不正が始まり、リコール問題で経営が大きく傾いても続けられた。01年には会社が不正を認識していた可能性がある。07年には正しい試験方法を社内に周知している。それでも不正は止まらなかった。
 軽自動車のデータ改ざんでは、必要な走行試験を実施せず、データを机上で算出したケースがあったことも新たに判明した。
 各社が燃費性能の向上に向けた技術開発にしのぎを削る中、三菱自動車では性能を偽装することが当たり前になっていた。
 リコール問題の後、消費者に信頼される会社に生まれ変わることを誓ったのではないのか。コンプライアンス(法令順守)不在の企業に存在意義はあるのか。厳しく問わねばならない。
 地に落ちた信頼を回復するには事実を全て明らかにして不正を招いた要因を取り除き、必要となる補償に取り組むしかない。
 三菱自動車は実態解明に向け、弁護士3人による特別調査委員会を設置した。役員がどこまで関係したのか、なぜ不正が続いたのか詳細に解明するべきだ。
 余分にかかったガソリン代や中古車価格の下落などを考慮して、ユーザーに補償する意向を示している。買い取りを求められる可能性もある。経営問題に直結しても、ユーザー側に立った姿勢が欠かせない。
 問題を招いた体質を刷新し誠実に一からやり直さなければ、消費者は存続を許さないだろう。
 データ偽装の背景には、社内で設定した目標燃費を技術的に達成できなかったことがある。一部車種では11年以降の約2年間で目標を5回引き上げていた。中尾龍吾副社長は「競争の世界なのでチャレンジングな目標を掲げた」と述べている。
 実情を無視した目標を上層部が現場に押し付けて、達成するために現場が不正に手を染める―。東芝の不正会計問題と病巣は共通している。幹部の責任は重い。
 競争に勝つことを大義名分として、不正を看過する体質が日本企業の中に広がっていないか。社員一人一人も改めて見つめ直す必要がある。
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=2016/04/28付 西日本新聞朝刊=
社説:三菱自燃費不正 ものづくりの資格を問う


2016年04月28日 10時37分
 三菱自動車は不正の泥沼にどこまで沈んでいくのだろうか。
 軽自動車4車種の燃費性能データを改ざんして実際より高く見せかけていたのに続き、1991年から約25年にわたり法令と異なる不正な方法で燃費データを計測していたことが明らかになった。過去の不正と重なる時期もある。
 このメーカーにものづくりの資格はあるのかと問いたい。
 軽自動車の不正では、提携先の日産自動車向けに生産した車種も含む。国にうその報告をして、排出ガスと燃費の基準値もクリアし「エコカー減税」の対象になっていた。顧客を裏切り、国をだまし、日産にも泥をかけた。
 安価で低燃費、維持費も割安な軽自動車の人気は高い。2015年度も新車総販売台数の37%を占めた。車名別販売台数の上位10車種のうち6車種が軽自動車で、5位には三菱が日産に供給した「デイズ」が入っている。
 軽自動車販売の鍵を握る燃費の向上競争は激化する一方だ。シェアの低い三菱自動車が焦りから不正に走ったとみられていた。
 ところが、法令違反の不正はそのずっと以前から始まっていた。必要な走行試験をせず、机上計算したデータを国に提出したケースもあったという。対象車は02年以降だけで200万台を超える。
 三菱自動車は過去にも、顧客からの不具合情報を隠し、ひそかに修理する「リコール隠し」を続け、02年には大型車から脱落したタイヤが母子を直撃して死傷させる重大事故を引き起こした。
 今回も自浄作用は働かず、日産自動車の指摘で明らかになった。その指摘がなければ、不正が続いた可能性は高い。会社ぐるみの不正体質と疑わざるを得ない。
 「燃費の差は技術の差」-。かつて三菱自動車が掲げた宣伝文句だ。その気概は本当にあったのか。だましてでも売れればいいという姿勢はメーカーとして断じて許されない。三菱自動車に求められるのは、不正の全容と経営責任を明確にするとともに、ユーザーへの謝罪と補償を尽くすことだ。
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********************



三菱自動車 当社製車両の燃費試験における不正行為について


http://www.mitsubishi-motors.com/important/detailg420_jp/index.html

***************************
2016年04月26日
当社製車両の燃費試験における不正行為に係わる国土交通省への報告について
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2016/news/detailg427.html
当社製車両の燃費試験における不正行為に関し、4月20日に国土交通省より受けた調査指示につき、本日、報告書を提出いたしましたので、概略につき下記の通りご報告いたします。 
 記
1.当社製軽自動車における燃費試験データ不正の経緯について
(1)14型『eKワゴン』『デイズ』(2013年2月申請)に設定されている4つの類別(燃費訴求車、標準車、ターボ付車、4WD車)のうち、燃費訴求車の開発において、目標燃費は当初(2011年2月)26.4km/lであったが、その後の社内会議で繰り返し上方修正され、最終的(2013月2月)には29.2km/lまで引き上げられた。
(2)同燃費訴求車につき、法規で定められた惰行法と異なる方法「高速惰行法」で走行抵抗データを実測。燃費を良く見せるため、計測したデータの中から小さい値を選別し、走行抵抗を設定した。残る3類別については、実測を行うべきところ、同燃費訴求車の値を基に机上算出した。
(3)14型『eKスペース』『デイズルークス』(2013年10月申請)、15型『eKワゴン』『デイズ』(2014年3月申請)、15型『eKスペース』『デイズルークス』(同年12月申請)、16型『eKワゴン』『デイズ』(2015年6月申請)のいずれについても、14型『eKワゴン』『デイズ』を基に目標燃費に合わせて机上算出し、申請していた。

2.法規に定められたものと異なる測定法「高速惰行法」使用の経緯について
以下のいずれについても、当時の判断理由については調査中。
(1)1991年、道路運送車両法により走行抵抗の測定法が「惰行法」と指定されたが、当社ではそれと異なる「高速惰行法」で国内向け車両の計測を始めた。
(2)1992年1月、走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法が作られた。
(3)2001年1月、「惰行法」と「高速惰行法」の比較試験を実施し、最大2.3%の差にとどまることを確認。
(4)2007年2月、試験マニュアルにより、「DOM(国内)はTRIAS(「惰行法」)」と追記改定したが、以降も「高速惰行法」を継続して使用していた。

3.今後の調査方針について
(1)上述の経緯1、2について、一定の調査が進んだものの、原因や責任については未解明であり、引き続き調査を進める。
(2)上述の軽自動車以外の当社製車両についても十分な調査が進んでおらず、引き続き調査の上、別途ご報告する。

---------------------
2016年04月26日
特別調査委員会の設置について
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2016/news/detailg426.html
当社製軽自動車の型式認証取得の問題に関し、昨日、外部の専門家から構成される特別調査委員会を下記のとおり設置することを取締役会で決定いたしましたので、お知らせいたします。
お客様をはじめ、株主、取引先等関係者の皆様には、多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしますことを深くお詫び申し上げます。
1 特別調査委員会設置の経緯
2016年4月20日付け「当社製車両の燃費試験における不正行為について」でお知らせしましたとおり、当社製軽自動車の型式認証を取得した際に、当社が国土交通省へ提出した燃費試験データについて、燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作が行われていたこと、国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたこと(以下「本件問題」という。)が判明しました。そこで、当社は、本件問題について、客観的かつ徹底的な調査を行うため、独立性のある外部有識者のみで構成される特別調査委員会を設置いたしました。

2 委員の選任および活動内容
(1) 特別調査委員会の構成
特別調査委員会は、当社と利害関係を有しない以下の委員で構成されております。よって、特別調査委員会の独立性・中立性が阻害される要因はありません。なお、特別委員会の調査には、技術知見のある有識者にも参画いただくことを検討しております。

委員長 弁護士 渡辺恵一(元東京高等検察庁検事長)
委員  弁護士 坂田吉郎(弁護士)
委員  弁護士 吉野弦太(弁護士)

(2) 活動内容
特別調査委員会は、当社からの委嘱により、以下の活動を行います。
(1)本件問題の事実関係の調査(関連書類・データの調査及び関係者への聴取を含む。)
(2)本件問題に類似した不正の存否及び事実関係の調査
(3)本件問題に関する原因分析、及び再発防止策の提言

3 今後の予定
特別調査委員会には、3ヶ月を目処に調査を実施していただき、調査結果を報告していただく予定です。特別調査委員会から受領した調査結果につきましては、速やかに公表させて頂く予定としております。

(参考)委員の略歴
氏名 略歴
渡辺恵一
昭和53年4月 検事任官
平成19年1月 大津地検検事正
平成23年8月 東京地検検事正
平成24年8月 最高検次長検事
平成26年7月 東京高検検事長
平成27年12月 退官
平成28年3月 弁護士登録(銀座中央法律事務所)

坂田吉郎
平成3年4月 検事任官
平成22年10月 弁護士登録(弁護士法人坂田法律事務所)

吉野弦太
平成12年4月 検事任官
平成28年4月 弁護士登録(のぞみ総合法律事務所)

------------------------------
2016年04月20日
当社製車両の燃費試験における不正行為について
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2016/news/detailg420.html
当社製軽自動車の型式認証取得において、当社が国土交通省へ提出した燃費試験データについて、燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作が行われていたことが判明しました。また、国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたことも判明しました。お客様はじめ全てのステークホルダーの皆様に深くお詫び申し上げます。
 該当車は、2013年6月から当社で生産している『eKワゴン』『eKスペース』と、日産自動車向けに供給している『デイズ』『デイズルークス』の計4車種です。これまでに当社は計15万7千台を販売し、日産自動車向けには計46万8千台を生産しています(2016年3月末現在)。
燃費試験については、該当車のいずれについても、開発を担当し認証届出責任を持つ当社が実施していました。次期車の開発にあたり、日産自動車が該当車の燃費を参考に測定したところ、届出値との乖離があり、当社が試験で設定した走行抵抗値について確認を求められました。これを受けた社内調査の結果、実際より燃費に有利な走行抵抗値を使用した不正を把握するに至ったものです。該当車にお乗り頂いているお客様に対しては、今後、誠実に対応させて頂きます。
※走行抵抗:車両走行時の転がり抵抗(主にタイヤ)と空気抵抗

また、該当車については、生産・販売を停止することといたしました。日産自動車でも販売を停止して頂いており、補償についても今後、協議いたします。
その他の国内市場向け車両についても、社内調査の過程で、国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたことが判明しました。
また、状況の重大性を鑑み、海外市場向け車両についても調査を行います。
これら問題につき、さらに客観的で徹底的な調査を行うため、独立性のある外部有識者のみによる調査のための委員会を設置し、調査結果がまとまり次第、公表させていただく予定です。
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