2016-05-04(Wed)

JR尼崎脱線事故11年 遺族の声を安全に生かす 160425

JR西日本「非懲戒制度」開始 「組織罰を実現する会」発足

----二度とあのような事故を起こさない。この社会の誰もが強く誓った尼崎JR脱線事故から、きょうで11年になる。この春、安全をめぐって、遺族や負傷者の声を反映した動きが相次ぎ報じられた。
 
一つはJR西日本が始めた「非懲戒制度」である。人為ミスの懲戒処分を見直し、怠慢や故意によるもの以外を対象から外す。厳しく処罰することでミスを防ぐという従来の姿勢を改め、柔軟な対応で報告を促し再発防止を図る狙いだ。
 
----もう一つの動きは、事故の加害企業の責任を求める「組織罰」の立法化である。先週、伊丹市で遺族や支援の弁護士らが集まり「組織罰を実現する会」が発足した。(神戸新聞)

<各紙社説>
朝日新聞)脱線事故11年 遺族の問い安全向上に(5/4)
中国新聞)尼崎事故と「組織罰」 立法化の議論始めたい(4/27)
神戸新聞)JR事故11年/遺族の声を安全に生かす(4/25)

2016-04-24(Sun)
「組織罰を実現する会」発足 重大事故遺族ら 160423
JR尼崎脱線事故から11年/組織罰の設置で、「組織の構造的な問題を告発できるようになる」
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-4161.html




以下引用



朝日新聞 2016年5月4日05時00分
(社説)脱線事故11年 遺族の問い安全向上に


 JR宝塚線(福知山線)で電車が脱線し、107人が死亡した事故から11年たった。
 誰もが安全を疑わなかった鉄道が一瞬で多くの命を奪った。カーブをよりきつくしながら、安全装置を付けなかったJR西日本の対応が非難された。
 ただ、カーブでの脱線を「想定外」としてきたのはJR西日本だけではない。他の鉄道会社も事故が起きるまで、危険性を十分に認識していなかった。
 鉄道に限らず、高度に発達した技術は社会に多大な恩恵をもたらしたが、ひとたび人に牙をむけば被害も甚大だ。どの産業も「安全最優先」でシステムを整えているはずなのに、「想定外」の事故は後を絶たない。
 脱線事故の遺族らは教訓をJR西日本だけにとどめず、社会をより安全にするために生かそうと模索し続けてきた。重い問題提起を社会全体で受け止め、真の安全向上につなげたい。
 一部の遺族は、「想定外」の事故に至るまでの組織的な問題を、当のJR西日本の経営幹部とともに掘り下げる、という異例の試みに取り組んだ。
 2年前にまとまった「安全フォローアップ会議報告書」は、安全管理体制のあり方を具体的に提言している。とくに強調しているのは、第三者の目による不断のチェックの重要性だ。
 より速いダイヤで収益増を目指したJR西日本が典型だが、企業の自主的な安全管理は経営事情などに左右され、社会が望む水準を下回ることがある。それを防ぐには、利害関係を持たない第三者の検査が望ましい、とした。
 JR西日本は提言を受け入れ、昨年から安全管理体制の全般について、外部専門機関の評価を受ける仕組みを導入した。
 事故やトラブルが起きてからあわてて第三者委員会を設ける企業が目立つが、本来は未然防止に役立てるべきだろう。「外の目」をもっと積極的に活用する動きが広がってほしい。
 別の遺族らは先月、事故を起こした企業などの組織に刑事罰を科せるよう、新たな法律の制定をめざす会を結成した。23歳の長女を亡くし、会の代表に就いた大森重美さん(67)は「役員の責任を問うことで組織が根本から変革され、本当に安全な社会が実現できる」と訴える。
 運輸安全委員会の事故調査への影響など、刑事罰導入には課題も指摘されているが、国レベルで議論を深めていくべきだ。
 事故の教訓は尽きていない。一つでも多く引き出し、社会に生かす。それが、失われた命に対するせめてもの報いである。
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中国新聞 2016/4/27
社説:尼崎事故と「組織罰」 立法化の議論始めたい


 あの衝撃の惨事から、おとといで11年が過ぎた。乗客106人が犠牲になり、562人が重軽傷を負った尼崎JR脱線事故である。今なお後遺症に苦しみ続ける人もいて、決して過去の問題ではない。
 遺族側の注目すべき動きは、弁護士らと「組織罰を実現する会」を発足させたことだ。
 本来なら法廷に立たされたはずの当事者の運転士は死亡している。現場の危険を予見し、事故を防ぐ手だてを怠ったとして歴代社長4人が業務上過失致死傷罪で起訴されたが、これまで無罪判決が続く。現場の過失責任を経営側の個人に問う難しさが浮き彫りになってきた。
 企業として責任は免れない事故でも、個人の行為を対象にした刑法では何の罰則もない。司法制度の限界を指摘する声が前からあった。この際、被害者の立場から「組織罰」の立法化へ提言するのが会の目的である。
 共感する国民は少なくあるまい。このところ、何の罪もない人を巻き込む重大な事故が目立つからだ。4年前の中央自動車道笹子トンネルで突然、起きた天井板崩落事故も一つだろう。その遺族が会の副代表として参加しているのは象徴的である。
 さらにいえば5年前の福島第1原発事故で厳しい避難生活を強いられる被災者も同じ思いかもしれない。あれだけの惨事の法的責任を誰も負わず、2月に東京電力の元会長ら旧経営陣3人が検察審査会の議決を受けてようやく強制起訴されたばかりだ。それも今後の公判で有罪を立証できるかは見通せない。
 企業をはじめとする法人が過失で人を傷つけ、死に至らしめた場合の責任をどう考えるか。踏み込んだ議論を始める時期を迎えているのではないか。
 今回、会が示した「素案」がある。業務上過失致死罪について、法人の処罰に道を開く新たな特別法の制定である。
 企業などの業務で事故が発生すれば、関与した従業員だけではなく属する法人も刑事罰、具体的には罰金を科す。労基法や独禁法などの「両罰規定」を拡大する発想であり、事故の抑止につながると会は期待する。
 署名活動を経て国に制定を働きかけるというが、内容的には整理すべき課題もあろう。
 例えば原因調査との兼ね合いである。「素案」では事故を起こした企業側が安全対策を尽くしていた、と自ら立証できれば免責される仕組みという。それによって真相の解明を促すという考え方に立つのだろう。
 一方で慎重論があるのも確かだ。組織罰を追及する警察などの捜査対象になれば、立件の可否が優先されて原因究明や再発防止が棚上げされかねないし、企業も組織防衛で事実隠蔽(いんぺい)に走る、との懸念である。
 そもそも法人罰の対象をどう設定するかも問われてくる。まだまだ多角的な検討が必要な段階なのかもしれない。法人の刑事罰を問う法整備が進んだ英国などの試行錯誤の実情も、十分に検証しておく必要がある。
 今のところは法務省も国会も関心は低いようだ。とはいえ危険運転致死傷罪の新設や時効の廃止など、遺族の願いが世論を動かし、刑事司法の仕組みを変えたケースは過去にもあった。何事も議論なくして前に進まない。まず当事者の訴えに耳を傾けることから始めてほしい。
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神戸新聞 2016/04/25
社説:JR事故11年/遺族の声を安全に生かす


 二度とあのような事故を起こさない。この社会の誰もが強く誓った尼崎JR脱線事故から、きょうで11年になる。この春、安全をめぐって、遺族や負傷者の声を反映した動きが相次ぎ報じられた。
 一つはJR西日本が始めた「非懲戒制度」である。人為ミスの懲戒処分を見直し、怠慢や故意によるもの以外を対象から外す。厳しく処罰することでミスを防ぐという従来の姿勢を改め、柔軟な対応で報告を促し再発防止を図る狙いだ。
 遺族らが参加した「安全フォローアップ会議」の提言が生かされた。航空業界では、墜落事故やトラブルの教訓を生かすため広く導入されているが、鉄道会社では初の試みだ。
 「報告する文化」を根付かせることで事故の芽を摘む。そのためには何をもって怠慢とするのか、職場の一人一人が納得する形を示すことが欠かせない。会社側は公正な姿勢で臨むべきだ。
 もう一つの動きは、事故の加害企業の責任を求める「組織罰」の立法化である。先週、伊丹市で遺族や支援の弁護士らが集まり「組織罰を実現する会」が発足した。
 素案によると、個人の過失を問う業務上過失致死罪に「両罰規定」を加え、所属する企業などの法人にも罰則を科す。安全対策の立証責任は法人側が負う。企業が自らの対策を積極的に証明することで、真相の解明につなげる考えだ。
 脱線事故では、かつて安全対策を担った元社長が起訴され、無罪が確定した。強制起訴された歴代3社長も一審、二審で無罪判決が言い渡され、最高裁で審理中だ。
 相次ぐ無罪判決に、遺族の間から「なぜ企業も幹部も責任を取らないのか、納得できない」の声が上がる。「事故の危険性は認識していなかった」との歴代幹部とJR西の主張に失望が広がる。知らなかったことに責任はないのか、そんな感覚で安全な企業に生まれ変われるのか-。
 こうして新たに組織罰を求める声が高まった。今後は署名活動などで社会への働きかけを強めていく方針だ。その声を真摯(しんし)に受け止め、ともに議論を重ねていきたい。
 JR西の体質を変える動きと、新しい法律の整備を目指す動き。いずれも安全を希求する遺族の声が基になっている。「二度と事故を起こさない」との誓いを新たにしたい。
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