2016-05-04(Wed)

みどりの日 林業再生 森と里山 160504

若者呼び込める成長産業に への関心高めよう 里山をよみがえらせよう

<各紙社説・論説>
読売新聞)林業再生計画 若者呼び込める成長産業に(5/4)
福井新聞)違法伐採深刻化 後手の日本、厳格な法必要(5/4)
京都新聞)みどりの日に  森への関心もっと高めよう(5/4)
神戸新聞)みどりの日/里山をよみがえらせよう(5/4)
山陽新聞)みどりの日 国産材の新たな時代期待(5/4)




以下引用



読売新聞 2016年05月04日 06時10分
社説:林業再生計画 若者呼び込める成長産業に


 豊かな林は、水源を涵養し、山崩れや洪水を防ぐ。温室効果ガスを吸収するなど、多くの恩恵をもたらしてくれる。
 林業は、植林と適切な時期の伐採によって、貴重な林資源を保全する役割も担う。
 今日はみどりの日林業再生の重要性を再認識したい。
 政府が、今後10年の林業政策の指針となる新たな「林・林業基本計画」を月内にも策定する。
 経営の大規模化などで生産性を向上させ、林業の成長産業化を図る方針を示す。2025年までに、国産材の供給量を14年の約1・7倍に増やす数値目標も掲げる。着実な実行が望まれる。
 日本は、国土の3分の2を林が占める。恵まれた資源を有効活用する余地は大きい。
 だが、林業の現状は厳しい。国内の木材産出額は、1980年の2割程度に落ち込んだ。林業従事者も、当時の3分の1の約5万人に減少している。
 安い輸入材に押されて国産材価格は低迷し、林業の収益性は大きく悪化した。このため担い手が不足して伐採の適期を迎えた人工林が放置され、林荒廃に拍車がかかる。こうした悪循環が進んでいるとの指摘は少なくない。
 若年層を含め、毎年約3000人ペースで新規就労者がいるのは、せめてもの救いである。若い力をさらに呼び込むには、林業を「もうかる産業」に再生することが、何より重要だ。
 国産材は近年、価格競争力で必ずしも輸入材に遜色ないが、それでも十分に活用されていない。
 使い道の限られる間伐材にも、木質バイオマス(生物資源)発電の燃料用などの新たな需要が増えつつある。生産者と利用者を結ぶ流通網を整備し、安定供給体制を確立することが求められる。
 政府は今年度から、耐震・耐火性に優れた集成材を中層ビルの建材に使うことを認めた。
 技術開発と規制緩和による木材の付加価値の向上に、官民でさらに知恵を絞りたい。
 林の共有者が所在不明のため、共有林を伐採できないケースも目立つ。所有者全員の同意がなくても、共有林を伐採できるようにする森林法改正案が、今国会で審議中だ。森林の荒廃防止へ、早期成立を図らねばならない。
 アジアなどで違法伐採された安い木材が輸入材の1割を占めていることが、国産材の需要が伸び悩む一因とされる。乱伐防止による環境保護の観点からも、法的規制を急ぐべきだ。
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福井新聞(2016年5月4日午前7時30分)
論説:違法伐採深刻化 後手の日本、厳格な法必要


 地球規模で熱帯林破壊が懸念され始めた1980年代から、木材輸入国は違法伐採された木材が自国内に入らない輸入・調達システムの構築を活発化させてきた。取り組みが遅れている日本でも対策法を議員立法で作る動きが出ている。熱帯木材の輸入大国であることを忘れず、効力のある法整備を急ぎたい。
 違法伐採はアジア、アフリカ、南米の熱帯林を中心にロシアでも深刻だ。これら主要生産国の木材の50〜90%が違法伐採という。昨年の主要国首脳会議(独サミット)で報告された。世界全体では15〜30%が違法伐採と推計されている。
 各国の法規制を無視した伐採、国立公園内や先住民保養地で保護価値の高い森林木まで勝手に切る行為が後を絶たない。監視するための資金が不足し、取り締まり側と伐採企業との癒着も常態化しているからだ。
 生産国と同様に消費・輸入国の責任は重大である。日本でも相当量の違法木材や製品が使われているとみられる。安い、手に入りやすいからと出所不明の木材使用は許されず、国内林業の振興にとっても消費者にもプラスにならない。
 違法伐採排除の国際的な流れで、2006年にグリーン購入法が改正され、その証明のため林野庁は「木材・木材製品の合法性、持続可能性(持続可能な森林経営)の証明のためのガイドライン」を発表。今年で10年を迎えた。業者・業界団体が社会的責任において合法性が証明された木材を優先調達するシステムを進めてきたが、あくまで業界側の自主性であり、合法性の定義もあいまいな部分を残したままである。
 EUや米国、豪州は企業に違法木材の取引禁止、輸入業者に合法的木材の証明を義務づける厳格な法律を制定。米国は没収や重い罰金を科し、日本との違いが比較されるようになった。
 今国会成立を目指す新たな対策法は合法的木材を確実に取り扱う企業の登録制度が柱という。だが登録は任意、欧米のように「デューディリジェンス(合法性の確認)」を業者に義務化せず罰則もない。業界に配慮した法ではいけない。
 欧米では合法的木材と認める国際機関認証を積極的に取得する業者が増え、市場での認証ラベルが一般化しつつある。ここでも日本は後れを取る。
 20年に東京五輪・パラリンピックを迎える。五輪関連工事が加わり木材需要の急増は必至だろう。スポーツの一大祭典だからといって、熱帯木材の大量消費を世界は許さない。日本は海外の違法伐採を助長していると非難されないよう注意しなければならない。
 4日は「みどりの日」。身近にあふれる緑に大いに親しみ、そして遠く海外で止まらぬ森林破壊にも目を向けたい。「木は環境に優しい」ことには違いないが市場に出回る違法木材を考えると単純には喜べない。
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[京都新聞 2016年05月04日掲載]
社説:みどりの日に  森への関心もっと高めよう


 鴨川の源流に近い京都市北区雲ケ畑の岩屋山志明院を訪ねた。咲き誇るシャクナゲに囲まれた楼門をくぐって境内を進む。地表はわずかなコケと落ち葉が目立ち、緑は少ない。
 住職の田中真澄さんは「クマザサや他の下草は、ほとんどがシカに食べられてなくなった」と説明する。
 志明院でニホンジカによる食害が目立ち始めたのは10年ほど前から。薄い表土に育つ自然植生は「岩屋山志明院の岩峰植生」として市の天然記念物に指定されているが、下草ばかりか低木も被害を受けている。
 田中さんによると、近くの北山の峠や尾根付近でも、下草がシカにすっかり食べ尽くされ、土がむき出しになっている場所もあるという。
 「以前に比べると、それほど多くはない雨でも、川の水が濁るようになった。土砂が川に流れ込むのを防いでいた下草がなくなった影響が大きい」と田中さんは心配する。
・著しい生態系の変化
 森には木材や食料の生産に加え、水源として雨水を蓄え、災害を防ぎ、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を防止するといった多面的な機能がある。
 その森の生態系が大きく変わりつつある。
 シカの急増は、京都、滋賀を含む各地で問題となっており、対策が急務だ。
 京都府によると、ニホンジカの府内の生息数は、1997年には推計で最大2万9千頭だったが、2006年には4万4千頭に増え、現在は7万~8万頭とみられるという。
 シカが増えた背景には、耕作放棄地や人が立ち入らない山が増えて生息域が広がった▽温暖化で降雪量が少なくなって冬場に死ななくなった▽山村人口の減少や高齢化で狩猟者が減った-などの事情があるとされる。
 一時期に比べて減少はしているが、樹皮や植えた苗を食べられたり、畑が荒らされたりする被害が続いている。下草の減少により、台風や豪雨での土砂崩れ、河川下流部での洪水などにつながる恐れも高まる。
 府は防護柵やネットの設置などの対策に取り組むほか、シカの狩猟捕獲や個体処分に対して補助金を支給している。狩猟免許試験の開催を増やし、新規免許取得者を有害鳥獣捕獲員に育成するインターン講習を開くなど担い手対策にも力を入れている。
 5年後をめどに捕獲強化で頭数を半分に減らす目標を府は掲げるが、実現できるかどうかは見通せない。生態系を乱さない適正なシカの頭数に関する研究もさらに進める必要があろう。
・恵み実感する機会に
 府は今年、府中部で自然環境の保全や交流人口の拡大、林業振興などを目指す構想「森の京都」を展開している。10月には宇治市と南丹市で第40回全国育樹祭が開催される。
 3月には京都、南丹、綾部の3市と京丹波町にまたがる約6万9千ヘクタールを区域とする「京都丹波高原国定公園」が誕生した。
 由良川源流域にアシウスギやブナ、ミズナラなどの原生的な自然林が西日本屈指の規模で残る芦生地域(南丹市)をはじめ、希少な昆虫類や湿地植生が分布する八丁平湿原(京都市左京区)などがある。
 国定公園指定を機に、豊かな自然をはじめ、南丹市美山町のかやぶき屋根集落に代表される景観、京都の生活や文化を支えてきた歴史といった森の恵みを実感し、森と人の関わり方を見つめ直したい。
 芦生地域でもシカの食害によって植生が変化している。無秩序に観光客が入って生態系に影響を与える「オーバーユース」の抑制も必要だ。
 立ち入りを規制して保護を優先させるエリアと、観光資源として活用するエリアを分け、地域のために森を守って生かす手法やルールを自治体、事業者は工夫してほしい。
・税の使い道見届けて
 京都府は本年度、新たな府税「豊かな森を育てる府民税」(森林環境税)を導入した。
 納税者1人当たり年間600円を徴収し、約6億8千万円の税収を見込む。荒廃した森林の整備や府内産木材の利用促進などに使われる。府の事業分を除き、半分は市町村に交付される。
 滋賀県は06年度に「琵琶湖森林づくり県民税」を導入した。個人からは年間800円を徴収し、琵琶湖の水源林の間伐などに充てている。しかし、昨年の県の調査では、県民の7割が課税を「知らない」と回答しており、認知度は高くない。
 単に税を納めるだけではなく、どのような事業に使われたかを見届けることが大切だ。中山間地にとどまらず、都市部を含めた住民一人一人が関心を高めてこそ、森の再生につながるはずだ。府県や市町村は事業の必要性や効果を分かりやすく示し、納税者の声も取り入れてより効率的な税の活用に努めてもらいたい。
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神戸新聞 2016/05/04
社説:みどりの日里山をよみがえらせよう


 新緑が生えそろったこの時期、山が浮き立って見える。季節の劇的な変化が感じとれる。
 里に近い山ではいろんな人と出会う。山野草に夢中の人、ツクシやワラビを摘む人、そぞろ歩く人、撮影やスケッチに余念のない人。自然の恵みは人を元気にする。
 今日は「みどりの日」。自然と親しみ、恩恵に感謝する日である。
 日本は国土の約7割を森林が占める山岳国だが、かつてほど山との結びつきは密でない。薪炭に依存しない生活になって久しく、国産材の低迷で山から足が遠のいた。高齢化、過疎化も山離れを加速させている。
 人が入らなくなった山は確実に荒れる。土砂災害などの原因となる一方、里へ下りる野生動物を増やし、人とのあつれきを強める。
 健全な姿を取り戻すためには、関係を築き直す必要がある。結びつきを強めることは災害に強く、本来の森の働きを回復する道である。
 とりわけ人家や集落に近い里山整備は最優先課題だ。全国で取り組みが進み、兵庫県では3万690ヘクタールの里山を対象に2002年度から1期10年の計画で始まった。
 担い手となるボランティア1万人を達成し、県は事業を継続するための核となるリーダー養成に力を入れる。一通り整備を終えた里山は地域が担うが、継続的な整備をどう果たすかが次の課題である。
 里山が出現したのは縄文時代といわれる。森で採れる山菜やキノコ、トチの実などを食料にした名残は三内丸山遺跡(青森県)で見られる。森の恵みが多様な生活文化や食習慣を生み、地域の個性をつくった。
 里山の役割、可能性を問い直すことが必要ではないか。
 5年前の原発事故で福島県の阿武隈高地は広く放射能に汚染された。雑木林主体の、それ自体が大きな里山である。山菜やキノコの宝庫だが、事故後、足を踏み入れる人はほとんどいない。見た目は同じでも、入ることを許されない味気ない山になった。楽しみを奪われたとして帰還をあきらめる人が少なくない。
 里山は生活の糧を得るためだけの山ではない。癒やされ、生きる意味を感じる場所だ。長距離で大自然に触れるロングトレイルの拠点とするなど新たな活用法も考えられる。
 里山を生き生きした場所によみがえらせることを真剣に考えたい。
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山陽新聞(2016年05月04日 07時08分 更新)
社説:みどりの日 国産材の新たな時代期待


鉄筋コンクリート造りが当たり前だったビルやマンションが木造に変わる―。こんな状況が日本でも生まれることを期待したい。
 今春、国産材の新たな時代が幕を開けたといえる。高層建築も可能にするCLT(直交集成板)と呼ばれる新建材の使用基準が、国から示された。さらに真庭市に国内初のCLT専用工場ができて量産体制がスタートし、CLT普及への条件が整った。
 CLTには国内のスギなどが使われる。普及により木材需要が増えて林業や中山間地域の再生につながり、森林は適正に維持される。そんな夢が広がる中で迎えた、きょうの「みどりの日」である。
 CLTは、一般的な集成材と違い、木の板を繊維方向が直角に交わるように接着する。何層も張り重ねていくことで、コンクリート並みの強度になる。技術が1990年代に開発され、欧州を中心に急速に普及しつつある。大規模ショッピングセンターや10階以上の集合住宅などの建設が相次いでいるという。
 日本ではこれまで建築基準が確立しておらず、建物を支える構造部材として用いるためには、建築物ごとに精緻な構造計算を行って国土交通省の大臣認定を受ける必要があった。このため建築例は真庭市営住宅などごくわずかしかなかった。
 耐震、耐火実験などでデータを収集してきた同省が今回、建築物の規模に応じた構造計算や強度などの基準を定めた。これにより、手間や費用をかけて大臣認定を受けることなく、CLTの建築が可能となった。
 特に3階以下の建築物では石こうボードなど防火被覆がなくても用いることができる。利点を生かし、事務所や店舗、集合住宅などでCLTの活用を進めてもらいたい。
 真庭市内の専用工場は、全国に先駆けて生産技術を確立した地元の集成材メーカー・銘建工業が建設した。年間3万立方メートルの生産能力があり、本年度に全国で5万立方メートル程度の生産能力を目指す国の目標の主要部分を占める。
 CLT普及への鍵を握るのが価格だ。現在は1立方メートル当たり12万円程度で、鉄筋コンクリート造りと対抗するためには7万~8万円に抑える必要がある。量産体制ができてどこまで下げられるかが問われる。
 ただ、CLTの重さはコンクリートの約5分の1と軽く、基礎施工費を抑えられる。工場であらかじめパネルに加工するため現場での作業が少なくできる。こうしたコスト面のほか、温かみや断熱性に優れる利点もあり、鉄筋コンクリート造りとの総合的な競争となろう。
 政府は経済成長戦略で、「林業の成長産業化」としてCLTの普及拡大を掲げている。岡山県はその最前線にいる。この機会を生かし、地元木材の利用拡大にもつなげられるよう環境整備が急がれる。
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