2016-05-05(Thu)

子どもの貧困 連鎖断ち切ろう 160505

こどもの日  貧困の実態に目を注ごう 居場所づくりを急ごう

<各紙社説・論説>
朝日新聞)子どもの貧困 学び支え、連鎖断ち切ろう(5/5)
読売新聞)こどもの日 未来切り開く力を育てたい(5/5)
毎日新聞)こどもの日 助けての声が聞こえる(5/5)
北海道新聞)子どもの貧困 居場所づくりを急ごう(5/5)
福島民報)【子どもの格差】貧困の連鎖断ちたい(5/5)

新潟日報)こどもの日 地域の力で「宝」育てたい(5/5)
信濃毎日新聞)貧困の実態に目を注ごう こどもの日に(5/5)
京都新聞)こどもの日に  大人こそ役目をしっかりと(5/5)
琉球新報)こどもの日 子とつながり未来支えよう(5/5)

河北新報)子どもと政治参画/「なぜ」と問う力を育んで(5/5)
中国新聞)こどもの日 次世代への投資もっと(5/5)




以下引用



朝日新聞 2016年5月5日(木)付
社説:子どもの貧困 学び支え、連鎖断ち切ろう


 最も貧しい家庭の子どもが、他の多くの先進国と比べて、厳しい状況に置かれている――。
 4月に公表された国連児童基金(ユニセフ)の報告書は、そんな日本の現状を浮かび上がらせた。最貧困層と標準的な層との格差を国ごとに分析しており、日本の格差は41カ国の中で8番目に大きいという。
 所得が真ん中の人の半分に満たない人の割合を示す「相対的貧困率」でも、日本の子どもは6人に1人が貧困層にあたり、先進国の中で悪い方だ。貧しさの広がりに加え、ユニセフの調査でその度合いも深刻であることを指摘されたと言える。
 対策としてまず問われるのは、そうした家庭へのサポートだ。日々の生活を助ける各種の手当や親の就労への支援など、福祉を中心とする施策が重要であることは言うまでもない。
 それ以上に考えなければならないのは、子どもたちに焦点を当てた支援だ。生活の苦しい家庭で育った子が、大きくなってもその状態から抜け出せず、世代を超えて続いてしまう「貧困の連鎖」をどう断ち切るか。
 カギとなるのは教育だ。
 ■教育で広がる将来
 さいたま市内のコミュニティセンター。午後6時を回ると制服や体操着姿の中学生が次々とやって来る。経済的に厳しい家庭の子どもたちに、学生ボランティアが週2回、勉強を教える無料の「学習支援教室」だ。
 4月からボランティアをしている女子学生(18)は、かつて教室で学んだ一人だ。「ここに来ると、いつでも私の話を聞いてくれる人がいる。心のよりどころみたいな場所でした」
 母と2人暮らし。女子学生が中学2年生の時、家計を支えていた母が体を壊し、生活保護を受けるようになった。「進学するより働いた方が、と思った時もあった。けれど、大学生のボランティアさんから学生生活のこととか、いろんな話を聞くうちに夢がふくらんで」。今は奨学金で大学に通い、福祉の分野を学んでいる。
 市の委託で教室を運営するNPO「さいたまユースサポートネット」の青砥恭(やすし)代表は言う。「子どもたちが自分自身で未来を切り開く力をつけなければ、貧困問題は解決しない。学びは貧困対策の核です」
 昨年4月に始まった生活困窮者自立支援制度で、厚生労働省は学習支援事業を貧困対策の柱の一つと位置づけ、自治体に実施を促している。しかし任意事業のため、青砥さんのNPOの調査では「実施予定なし」の自治体が45%もある。
 ■地域の実態調査を
 こうした取り組みをどう加速させるか。ヒントになりそうなのが、貧困の「見える化」だ。
 沖縄県は今年、都道府県で初めて独自に子どもの貧困率を29・9%と推計し、公表した。全国の1・8倍という高さだ。
 「沖縄の子どもの状況がどれだけ厳しいか。それを把握しないと必要な対策も見えてこない」(喜舎場〈きしゃば〉健太・県子ども未来政策室長)。渋る市町村を説得し、協力を仰いだ。
 学校で必要な教材の費用などを援助する就学援助を貧困家庭の半分近くが利用しておらず、制度を知らない人も2割近い。同時に行ったアンケートからは、既存の支援制度が十分に機能していない実態もわかった。
 県は「就学援助を知らない貧困世帯ゼロ」「学習支援教室を全市町村に拡大」など34の数値目標を含む6カ年計画を作り、30億円の対策基金を設けた。調査を担当した一般社団法人「沖縄県子ども総合研究所」の龍野愛所長は「現実を突きつけられたから政策が動いた。実態把握は、政策の効果を検証する上でも欠かせない」と強調する。
 大阪市も今年度、小・中学生らを対象に調査を予定する。地域ごとに実態をつかむことが、対策を前進させる大きな力になる。取り組みを急ぎたい。
 ■社会全体で向き合う
 「子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図る」。2014年に施行された子どもの貧困対策法を受け、政府が閣議決定した大綱がうたう理念だ。
 言葉だけで終わらせてはならない。社会保障と教育を両輪に、対策を充実させたい。とりわけ教育分野では、経済規模と比べた公的支出が先進諸国の中で最低水準にとどまる。予算を思い切って増やすべきだ。
 「義務教育は国がしっかりやるが、高校や大学は自立してがんばってもらわないと」。自民党の国会議員が奨学金制度の拡充をめぐって最近、こんな趣旨の発言をした。今も根強い主張だが、そうした単純な「自己責任論」から卒業する時だ。
 子どもたちは社会の担い手になっていく。その健やかな育ちを後押しすることは、「未来への投資」にほかならない。
 社会全体で子どもを支える。その合意と負担に向き合う覚悟が問われている。
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読売新聞 2016年05月05日 06時00分
社説:こどもの日 未来切り開く力を育てたい


 〈その笑顔 未来を照らす 道しるべ〉。「こどもの日」から始まる児童福祉週間の今年の標語である。福島県の13歳の女の子の作品だ。
 自分たちの可能性を信じ、未来を切り開いていこうとする気概が感じられる。夢に向かって挑戦する心を育てていきたい。
 子供は、成長しようとするパワーに満ちている。
 そう実感させるのがカリスマ小学校教諭「ぬまっち」こと沼田晶弘さんのクラスの風景だ。東京学芸大学付属世田谷小学校で子供のやる気を引き出すユニークな指導法を展開し、教育界だけでなくビジネス界からも注目を集める。
 子供が興味のあるテーマごとにチームを作って授業を行うティーチャー制度、地理の学習で好きな都道府県の魅力をアピールして競い合う「勝手に観光大使」など、子供が主役になって楽しめる仕掛けを編み出してきた。
 信頼して任せると、子供たちは自ら動き出す。課題を徹底的に調べ、パソコンで発表資料を作り、説明の構成や表現を工夫する。学びの範囲がどんどん広がる。
 クラス中で作文などの小学生向けコンクールに次々と応募して賞金を獲得し、目標にしていた豪華な卒業遠足も実現させた。
 子供たちに「自分はできる」という自信を持ってもらいたい。それが、大人になって困難に直面しても、くじけず、チャレンジする力になる。型破りな試みの背景にある沼田さんの思いだ。
 内閣府の調査では、日本の青少年は「自分に満足している」という自己肯定感が諸外国に比べて低く、将来への希望も乏しい。
 「自分は認められている」「必要とされている」。子供たちがそう思えるように導くことが、大人の責任だろう。
 夢を持ちにくい環境で育つ子供たちからも、目を背けてはならない。家庭が経済的に苦しい子供は6人に1人に上る。ひとり親家庭の半数以上が貧困状態だ。悲惨な児童虐待も後を絶たない。
 困難な状況にある子供を支えるため、食事の提供や学習支援を行う「居場所」作りを各地のNPOなどが進めている。信頼できる大人とのふれ合いは、子供の意欲や自信を育む上でも重要だ。
 政府も、子供の貧困と児童虐待の対策強化プランをまとめた。ひとり親家庭への手当の充実や児童相談所の機能強化が柱だ。
 2日には改正児童扶養手当法が成立した。その他の施策についても、着実な実施が求められる。
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毎日新聞2016年5月5日 東京朝刊
社説:こどもの日 助けての声が聞こえる


 きょうは、こどもの日。「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」と国民の祝日法に書かれている。しかし、幸せそうに見える風景の中に小さな悲鳴が隠れている。
 親から虐待されている子、生活苦で子の養育ができない親たち……。貧困だけでなくアルコール依存や障害などさまざまな要因が複雑に絡み合って、子供たちを傷つけている。子供はこうした困窮が自覚できず、なかなかSOSを言わないだけで、実態は深刻だ。
複合的な困窮から救え
 学校を休みがちの中学生がいた。
 まったく不登校というわけではないので誰も気付かなかったが、1年前からひとり親となった母の生活が苦しくなり、水道やガスが止められていた。風呂に入らず、駅や公園の公衆トイレを使っていた。中学の養護教員が子供たちの何気ない会話からようやく気付いたのだという。
 「渦中にある子はなかなか自分から助けてと言わない。周囲が気付いてもすぐに救済されるわけではない。生活保護は申請してから受給するのに1カ月もかかる」
 中学生を支援する静岡市の独立型社会福祉士の川口正義さんは指摘する。30年以上、虐待や貧困で苦しむ子供たちに寄り添ってきた。
 今やどこにでもこうした子供はいる。困窮の状況が見えにくく、関心を持つ人が少ないだけだ。
 札幌市の社会福祉法人「麦の子会」の保育所や放課後等デイサービスには、500人近い子供が通っている。そのうち77人はひとり親家庭の子だという。
 親のアルコール依存や精神障害、虐待、近親者の自殺、触法などが何重にも絡み合うケースが多い。母の内縁の夫に暴力を振るわれている子、母がうつでゴミ屋敷の中で生活している子もいるが、「これが普通の家庭だと子供は思っている」と北川聡子総合施設長は言う。「暴力があってもお父さん、お母さんが好きで、貧しいのは自分のせいだと思ってしまうのです」
 義務教育を受ける15歳までは、学校が子供の困窮を発見し支援につなげる役割を担っている。年齢が上がるにつれて教育や福祉などの公的支援は少なくなる。18歳になり、児童福祉法の適用年齢を超すと、児童養護施設や障害児入所施設が利用できなくなり、「自立」を迫られる。
 現在、大学や専門学校などへの進学率は7割を超えているが、生活困窮家庭の子は高等教育を受ける機会が少なく、高校中退者も多い。部屋を借り、就職する際に必要とされる保証人を探すことが難しい。
 どうやって自立しろというのか。
 寝る場所や食べ物がないため、インターネットのサイトで援助してくれる男性を求める少女たちがいる。「神待ち少女」と呼ばれる。
 警察庁によると2015年に非出会い系サイトで児童買春や児童ポルノの被害にあった子供は1652人に上る。性風俗にしか居場所を見つけられないという少女も多い。
 こうした子供たちが求めるのは、今すぐ寝るところ、食べるもの、お金だが、子供の福祉を担う公的機関はほとんど頼りにならない。
国政の最優先課題に
 政府の対策が遅れてきたのは、親の養育責任を重視する考えが根強いからでもある。「甘やかすとためにならない」と子供にも努力を求める意見がよく聞かれる。
 だが、親族や近所などの支え合いが格段に厚かった時代に比べ、現在は子供を保護し育てる近隣の補完的な機能が極めて弱い。
 幼少期に虐待やネグレクトに遭うと、自分自身や社会に関心が持てなくなり、生活習慣を身に着けたり学習したりする意欲が阻害される。ひどい虐待を受けた子の中には、脳が萎縮する例があるとの研究報告もある。努力するために必要な土台がない子に努力を求める理不尽さを認識すべきである。
 母子家庭の8割の母親は就労しており、先進国の中でひとり親の就労率は日本が突出して高い。その半数は低収入の非正規雇用で、複数の仕事を掛け持ちしている人も多い。
 社会的格差が以前よりはるかに大きくなり、社会の底辺でもがいている人に自己責任を求めて解決できる状況ではないのだ。
 「子供はうそをつく。自立のために部屋を確保し、仕事を見つけてきても、家賃を踏み倒して逃げていく。幼いころに虐げられた子は簡単に立ち直ることはできない」。困窮家庭の子供や非行少年を支援している造園業の男性はそう言う。
 しかし、何度だまされても辛抱して支援し続けると、数年が過ぎてから、子供が変わっていく。そんな経験を何度もしたという。この男性自身が幼いころ父から激しい虐待を受け、非行に走った過去がある。
 福祉制度の隙間(すきま)で、公的な助成を受けずに必死に子供たちを救っている人々がいる。こうした民間の活動にこそ公的支援がもっと必要だ。
 子供の困窮対策は国政の最優先課題に位置づけるべきである。財源や人材を確保し、福祉や教育の支援を厚くしないといけない。官民を挙げた取り組みが求められている。
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北海道新聞 05/05 08:55
社説:子どもの貧困 居場所づくりを急ごう


 18歳未満の「子どもの貧困」が深刻さを増している。
 厚生労働省の調査では、国内の子どもの貧困率は16・3%だ。6人に1人の子どもが、標準的世帯の半分に満たない家計収入のもとで暮らしている計算になる。
 こうした状況は、不登校や学力、健康状態の低下を招きかねない。親による虐待が増えた背景とも指摘される。
 日本がいつの間にか、子どもが貧しさにあえぐ国になっている現実を受け止める必要がある。
 何よりも、子どもたちが安心して過ごせる居場所をきちんと用意することが急がれる。
 きょうはこどもの日。すべての子どもたちが夢を持ち続けることができる社会を築きたい。
 国連児童基金(ユニセフ)は4月、2013年段階の子どもの貧困格差に関する調査結果を公表している。日本は先進41カ国中、8番目に格差が大きかった。
 08年のリーマン・ショック後の不況を背景に、派遣切りや非正規雇用化などで親の収入が減ったことが大きいとされる。
 市町村から就学援助を受ける小中学生は増え続け、今や児童・生徒全体の15%を超えている。
 しかし、就学援助は国からの補助が削られたため市町村格差が大きく、十分とは言い難い。親への周知不足との指摘もある。
 こうした現状を打ち破ろうとする動きも出てきた。
 ボランティアが夕食時に1人になる子どもに料理や談笑の場を提供する「こども食堂」が、道内各地で設けられている。
 市民団体などが、母子家庭の子どもを対象に無料学習塾を開く事例も見られる。
 政府は13年に子どもの貧困対策推進法を成立させ、14年には大綱を策定、本年度から本格的に対策に着手した。子どもの居場所づくりに向け、民間の取り組みもしっかり支援してもらいたい。
 ただ、忘れてはならないのは、子どもの貧困を根本的に解決するには、大人の貧困や格差の解消が欠かせないことだ。
 生活保護基準額は13年度以降、段階的に切り下げられている。給与面で不安定な非正規雇用も働く人の4割に達している。
 政府は、貧困や格差対策にもっと力を入れなければならない。
 親世代が子育てと仕事を両立できるよう、雇用・労働環境も並行して整備することが求められる。
 貧困の放置で、子供の無限の可能性の芽を摘んではならない。
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福島民報( 2016/05/05 08:32)
論説:【子どもの格差】貧困の連鎖断ちたい(5月5日)


 県内の子どもの数は全国と同様、減少傾向にある。昨年行われた国勢調査の速報値によれば、県内の昨年10月1日現在の子ども(14歳以下)の数は23万5000人で、対前年で比べると5000人減った。児童虐待やいじめ問題の深刻化など子どもを取り巻く環境は年々、厳しさを増している。とりわけ看過できないのが、貧困による格差の拡大だ。
 国連児童基金(ユニセフ)は先月中旬、先進41カ国の子どもがいる世帯の所得格差を小さい方から順位付けした調査報告書を発表した。日本は34位と下から8番目で、米国や韓国よりも格差が大きかった。意外性をもって受け止める人も多いのではないか。最も格差が小さいのはノルウェー、最も大きいのはルーマニアだった。
 日本は高度経済成長時代、「1億総中流社会」と言われた。大多数の国民が自分は中流階級に属し、他の人と生活水準に大差はないと考えた。しかし、バブル崩壊と長い経済低迷などで格差は広がっていたことを調査結果は示す。
 日本財団は3月、子どもの貧困問題を放置した場合の税収などの社会的損失を都道府県別に試算した。本県は29位で、影響が最大なのは沖縄とされた。昨年12月には、平成25年10月に15歳だった子どもの貧困対策を怠ったままだと、その子どもの生涯所得は当該学年だけでも合計2.9兆円減ると推計した。見過ごせない数字だ。
 県によると、25年4月1日現在の生活保護世帯の子どもの大学等進学率は32・2%で、全国平均の32.9%をわずかながら下回っている。高校等進学率は90.1%で、これも全国に0.7ポイント届いていない。県は子育て支援の「ふくしま新生子ども夢プラン」を今年3月に改定、子どもの貧困対策に乗り出している。全国平均はもとより、一般世帯に限りなく近づけていくことが肝要となろう。
 昨年4月に施行された生活困窮者自立支援法には、貧困家庭の子どもらへの学習支援活動が盛り込まれた。学習支援は親の困窮が子の世代に続く「貧困の連鎖」を断ち切るのに有効とされるが、人手や財源の不足から県内を含め実施されない自治体が多い。
 今年度から県は、厳しい経済状況の子どもらの学習指導や、中退防止に向けた支援を強めている。学習意欲のある県内全域の中高生を選定する。100人程度を想定しているが、果たして十分だろうか。生まれた環境で将来が固定されない社会づくりに向けて、効果的な対策をさらに練り上げるべきだ。(浦山文夫)
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新潟日報 2016/05/05
社説:こどもの日 地域の力で「宝」育てたい


 子供の笑顔ほど美しく、まぶしいものはないだろう。
 きょうは「こどもの日」。その輝きが失われることがないよう大人が、地域が考える日としたい。
 日本は、急速に少子高齢化が進んでいる。未来を担う子供たちは社会の宝だ。
 ところが今の日本は、安心して子供を産み、育てていけるような社会だろうか。
 「貧困の連鎖」ということが言われて久しい。
 経済的に苦しい家庭で育った子供が十分な教育を受けられずに貧困になり、親から子へと貧困が連鎖するというものだ。
 日本では現在、子供の約6人に1人が貧困状態にある。中でもひとり親世帯は貧困率が50%を超えるなど深刻だ。
 このため大学などへの進学を諦める子供も多い。高校生の大学進学率は全体の約53%に対して、生活保護世帯は20%に満たない。
 それは本県も例外ではない。県の2014年度の調査では、母子世帯の約6割が年収200万円未満だった。
 生活保護世帯に暮らす子供の高校卒業後の進学率は約31%と、県全体の平均の約78%を大きく下回っているのである。
 子供の将来が、生まれ育った環境で左右されてはならない。
 活力ある社会を築いていくためにも、一人一人の子供たちが夢を追い、能力を生かせる環境整備を急がなくてはならない。
 国は14年に子供の貧困対策大綱を決定し、母子世帯への生活支援や就労支援などを強化している。
 所得の低いひとり親家庭に支給する児童扶養手当は、加算額を引き上げる改正児童扶養手当法が2日に成立した。
 第2子の加算額が月額最大1万円、第3子以降は同じく6千円と、ともに倍に引き上げられた。
 施行は8月だが、現在は支給が年3回のため、増額される8~11月分の支給は12月になる。
 支給回数を増やしてほしいという声は強い。隔月支給の検討をすべきだろう。大学の給付型奨学金制度の導入なども必要だ。
 先月、子供が保育園に入れず復職できない憤りを書き込んだブログが、同じ境遇の母親らの共感を呼び大きなうねりとなった。
 待機児童の解消をはじめ、非正規労働や長時間労働の是正など、働きながら子育てしやすい環境を整えるのはもちろんだ。
 県は先月、「子どもの貧困対策推進計画」を初めて策定し、ひとり親家庭や生活保護世帯などへの約50の支援策を、子供の成長段階に応じてまとめた。
 各自治体でも生活保護世帯の子供を対象とした無料学習会を開催するなど取り組みは進んでいる。
 同時に重要なのは、社会の宝である子供は、地域・社会で見守り育てるということだろう。
 経済的に貧しかったり親が仕事で忙しかったりする子供たちに食事を提供する「子ども食堂」が県内でも広がっている。
 ひとり親や共働きの家庭を支える地域の取り組みが、さらなる大きな輪となってほしい。
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信濃毎日新聞 (2016年5月5日)
社説:貧困の実態に目を注ごう こどもの日に


 おもちゃで遊ぶ幼児がいる。近くでは大人を相手に将棋を楽しむ中学生。おにぎりを食べている子もいた。とてもにぎやかだ。
 隣の部屋に入ると、数人の子どもたちが熱心に宿題に取り組んでいる。横には大人が座り、質問に答えていた。
 長野市街地にある介護施設の一角で、毎月3回開いている「きずな塾」の光景だ。
 「ここはご飯も食べられて、勉強も教えてもらえる。塾に行きたいけれど、お金のことで親に心配かけたくないし…」
 学校の宿題を終えた中学生の男の子はこう話した。
   <深刻化する格差問題>
 きずな塾は地元の有志や医療生協関係者、弁護士らでつくる「反貧困ネット長野」が2012年に始めた。経済的な問題を抱えた家庭の子どもらのための無料学習支援活動だ。
 幼児から高校生まで毎回十数人が訪れる。元教師や社会人、大学生ら登録ボランティアが子どもらの希望に沿って、マンツーマンで勉強の手伝いをしたり、話し相手になったりしている。経済的な理由だけでなく、居心地がいいからと来る子も多い。
 塾の開設時から関わる元小中学校教師の小林啓子さんは「子どもの貧困は一人一人事情が異なり、実態が見えにくい。当事者も世間体を気にして助けを求めにくく、対応が難しい」と話す。
 小林さんは、子どもの貧困は日本の社会が抱える構造的な問題と考えている。さまざまな課題を掘り下げて対応策を考えようと、12年から「長野子ども白書」の編集にも関わっている。
 毎年途切れることなく、これまでに4冊出した。今年ももうすぐ出る。貧困についてさまざまな問題点を指摘し続けている。
   <国の施策は不十分だ>
 昨年の白書には「学校事務室からみえる子どもの貧困」という記事を載せた。県内のある小学校の事務職員に仮名で書いてもらったもので、深刻化する実態を浮き彫りにしている。
 この小学校の児童数は440人。うち、生活保護世帯の子は12人、給食費や学用品代などを自治体が補助する就学援助制度の対象者は65人に上った。17・5%の子どもが経済的な支援を必要としているのだ。申請をしない家庭もあるため、実際には20%を超えるのでは、と書いている。
 国の調査でも同様の結果が出ている。就学援助制度の支給対象者の割合は12年度に15・64%で過去最高を更新。13年度は15・42%とやや減ったものの、高止まりの傾向がはっきりした。
 近年注目されている「子どもの貧困率」も同じ傾向だ。平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の子どもの割合を示すもので、12年度に16・3%と過去最悪を記録している。
 他の国と比べても日本の状況はよくない。国連児童基金(ユニセフ)が発表した子どもの格差に関する調査では、先進国など41カ国の中で下から8番目。米国や韓国より格差が大きかった。
 国は14年に子どもの貧困対策推進法を施行し、「子供の貧困対策大綱」を閣議決定。昨年は学習支援などを進める生活困窮者自立支援法を施行した。
 大綱には奨学金制度の充実、幼児教育無償化などを盛り込んでいる。しかし、貧困改善に向けた数値目標の設定は見送られ、実効性を疑問視する声は多い。
 調査などによると、一つのクラスの中に6人に1人、5人に1人といった高い割合で貧困状態の子どもがいることが想像される。就学援助を受けても、光熱水費に回さざるを得ない家庭も多い。国の施策は不十分だ。
 貧困問題の解消を願う小林さんは「国は所得や資産の再配分に力を入れ、児童扶養手当の充実や医療費の窓口無料化など、子どもに関わる施策にもっとお金を回してほしい」と訴える。
 政治の対応が鈍いのに対し、民間の動きは広がっている。
 松本市では市民団体「反貧困セーフティネット・アルプス」が3年前から無料の塾を開いている。市が子どもの権利条例を施行したのをきっかけに、家庭の経済事情に左右されることなく、学ぶ権利を保障しようと始めた。
   <マンパワーを生かす>
 県内で始まった市民による無料学習支援の特徴は、さまざまな世代の人が子どもの教育や育ちに関わっていることだ。多くの人の目が1人の子どもに注がれることで見えにくかった問題解決への糸口が見つかるかもしれない。
 地域として取り組むこともできる。少子高齢化の中、ボランティア活動に携われるマンパワーはあるはずだ。学習支援などを通じて地域で子どもを育てる意識が広がれば、貧困の直接的な解決にはならなくても孤立化を防ぐことにつながるのではないか。
 きょうは「こどもの日」。それぞれの地域で子どもが置かれた状況に目を向けたい。
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[京都新聞 2016年05月05日掲載]
社説:こどもの日に  大人こそ役目をしっかりと


 詩人の谷川俊太郎さんのこんな作品がある。
<わたしがたねをまかなければ
 はなは ひらかない
 ぼくが あしをふみだすとき
 みちは かぎりない
 じぶんでかんがえ
 じぶんではじめる
 幸小(さいわいしょう)のわたしたち
 わたしがあすを あきらめたら
 あさは もうこない
 ぼくがほしを みつめるとき
 そらは かぎりない
 あせらず こつこつ
 ねばって やりぬく
 幸小のわたしたち>
 幸小とは東京都立川市にある小学校のこと。40年余り前に書かれた校歌だ。
 谷川さんは今春開校した京都市立京都工学院高(洛陽工、伏見工高の再編校)の校歌も作っている。
<問いが生む 新たな答
 ともどもに 励む楽しさ
 すこやかにしなやかに 私たち
 知恵とわざ学び続けて未来へと せめぎあい 渦巻く時代に先駆けて>
 最後の一文に、谷川さんはこだわったそうだ。せめぎあいは前向きでない、との市側の意見に「現実を直視せず前向きな言葉ばかりを使えば、歌は単なるきれいごとになる」と答えたという。
 幸小にも「あさは もうこない」という歌詞がある。ただ、どちらも全体として暗さはない。むしろ、すっくと自力で立つ子どものイメージが浮かぶ。
 変化の激しい現代社会を生き抜く力をどう育むか。甘やかすのでも突き放すのでもなく、「じぶんでかんがえ」「ともどもに励む楽しさ」に気付かせることが大人の役目なのだろう。
・ 寄り道の大切さ教え
 子どもに大切な「育ち」と「学び」。その「学び」が変わろうとしている。次期学習指導要領と大学入試改革をめぐる議論に、それは端的に表れている。
 暗記した知識や公式を使うだけではうまくいかない課題や、答えが一つではない問いに答えを出す。周りと協調しながら解決策を探る。こうした力を養い、入試の在り方も変えるという。
 道筋はまだ見通せない。ハードルも高そうだ。とはいえ、方向性はおそらく多くの人が共有できるだろう。
 すぐ役に立つことばかりでなく、役に立つかどうか分からないことにも興味を持ち、納得できるまで追いかけていく。そんな寄り道の大切さも子どもに教えたい。
 宮津市出身の国語教師で、2013年に101歳で亡くなった橋本武さんは横道にそれる授業の名人だった。神戸の進学校・灘中で3年間かけて明治期の小説「銀の匙(さじ)」を読み込む授業で知られた。
・ 貧困の歯止め見えず
 物語にぺんぺん草(ナズナ)が出てくると、そこから春の七草、関連する和歌、秋の七草との違いへと話題を広げる。駄菓子や凧(たこ)が登場すれば、実際にそれを食べたり作ったりして体感する。桃の節句が描かれれば、他の年中行事や祝日の起源、風習を徹底的に調べる。
 私立校で少人数だからこその授業とはいえ、遊び心や好奇心を生かした学びは、家庭や地域の日常の中でも手本にできそうだ。
 ただ、気になるのは、そんなふうに子どもにじっくり向き合えない家庭が増えていることだ。
 ひとり親だったり、不安定な仕事を昼夜掛け持ちしたりで、親子がともに過ごす時間が少ない。温かな食事を一緒に囲むことができない。病気やけがをしても病院に行けず、外で思いきり遊べない。
 健全な「育ち」を妨げる貧困の広がりに、歯止めがかかっていない。深刻な児童虐待の事例も相次いでいる。
 大地震や津波の影響で、生活環境が大きく変わってしまった子どもたちもいる。親きょうだいを亡くしたり、離ればなれの暮らしが長引いたり。学校が避難所になり、多くの親子が不自由な生活や車中泊を余儀なくされている熊本の今後も気がかりだ。
・ 官民の本気どこまで
 子どもの貧困をめぐっては、対策の一つとして安倍晋三首相が旗振り役となって昨年10月に発足した「子供の未来応援基金」がある。5カ月間に集まった寄付金は、わずか2千万円足らず。学習支援や食事の提供、放課後の居場所づくりなどのために億単位の寄付を見込むものの、期待された大手企業の反応は鈍く、呼びかけた政府もどこまで本気なのか疑わざるを得ない。
 大人は本当に、ぼくたちわたしたちのことを考えてくれているの-。どこからかそんな声が聞こえてきそうだ。
 大型連休中、街で、野山で、いろんな子どもたちを目にする。その姿から一人ひとりの未来を想像してみたい。青空の下ではしゃぐことのかなわぬ子ども、海の向こうで内戦やテロにおびえる子どもがいることにも思いをめぐらせ、何ができるかを考えたい。
<ここに生き 世界をみつめ
 今日に生き 明日を夢見る>
 京都工学院高の校歌の2番は、こう歌い出す。子どもたちの夢を大人がしっかり後押ししたい。
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琉球新報 2016年5月5日 06:02
<社説>こどもの日 子とつながり未来支えよう


 きょうは「こどもの日」である。ことしは、深刻さを増す県内の「子どもの貧困」に対する関心がかつてないほど高まる中で迎えた。
 沖縄の未来を開く子どもたちが夢と希望に彩られながら、幸せに生きることができるよう、全ての大人が向き合って改善策を実践し、沖縄社会の責任を果たしたい。
 「こどもの日」が祝日になってから3年後の1951年に制定された児童憲章は、全ての子どもが人として尊ばれ、良い環境の中で育てられるよう促している。その理念で、全児童が健やかに生まれて生活を保障され、就学の道が確保されねばならないなどと定める。
 だが、生きていくことに精いっぱいで、わが子と向き合う余裕がない家庭が増えている。それと呼応するように児童虐待件数も増加傾向にある。全国の児童相談所が2014年度に対応した児童虐待の通告は約8万8千件、県内は478件でいずれも過去最多だった。
 県が1月に発表した子どもの貧困率は29・9%で、全国平均の16・3%(12年)に比べて深刻さが際立つ。困窮世帯の子や孫に貧困が継続される傾向が著しく、学びや自立の機会を奪っている。
 こうした状況を受け、県も「子どもの貧困対策計画」を策定し、本腰を入れている。鍵を握る理念は「つながり、皆で育む」だ。
 家庭や地域で子どもたちを包み込み、健やかな成長を支える実践例が本紙の連載「希望この手に」で報告されている。孤食や不登校に陥りがちな子らをPTAや地域が支える浦添市の「てぃーだこども食堂」や那覇市内の公民館の取り組みは示唆に富む。
 困窮世帯の生徒の高校進学を後押しする石垣中学校や那覇市の児童自立支援員の活動は、生徒に寄り添い、貧困が教育格差に結び付くことに歯止めをかけている。
 「子どもができたら、愛情を注げ。だが、愛も庇護(ひご)もなく学校にも行けない子どもが世界に数多くいることを忘れずに。人は群れなす社会的人間として他者を必要とし、孤独では生きられない」。清貧な生活を貫き、「世界で最も心が豊かな大統領」として脚光を浴びる前ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏は、日本の若者への講演でこう語った。
 人の痛みをわが事と受け止める沖縄の「肝苦(ちむぐり)さん」の精神に通じる。子どもたちの成長を支える意識をより一層高めねばならない。
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河北新報 2016年05月05日木曜日
社説:子どもと政治参画/「なぜ」と問う力を育んで


 「主権者教育」。ちょっと堅苦しい言い回しの取り組みが今、各地の高校生らを対象にしきりに行われている。
 1カ月半後の6月19日、改正公選法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ240万人の新有権者が誕生する。70年ぶりの引き下げで、政治的には大きな出来事。
 18歳には高校3年生も含まれる。まだ18歳に満たなくとも、近い将来の有権者としての自覚がますます求められていくだろう。
 主権者教育の第一歩は取りあえず、民主主義とは何かを学ぶこと。民主主義についての学習熱が高まったのも、終戦直後以来70年ぶりのことかもしれない。
 その昔、教科書では民主主義の根本精神は「人間の尊重」であり、「政治の方針の最後の決定者は、国民でなければならない」と教えていたという。アメリカの第16代大統領リンカーンの「人民の、人民による…」ももちろん引用されていた。
 戦後ずっと日本は民主主義によって政治が運営されてきたことになっているが、さてその民主主義とは何ぞやと問われると、答えに窮する大人も少なくないだろう。
 国民が主体となって国民のために政治を行う。それがすなわち民主主義と説明したところで、字面そのまま。
 皮肉っぽい視点で見れば、「結局は多数派が力ずくで押し切る政治」と言って言えなくもない。終戦直後の教科書には「水とボウフラ」の例え話が載っていた。常に新しい水を送り込まなければ、政治の世界も腐ってしまうことを戒めている。
 もし多数派の横暴が目に余ったらどうすべきか。選挙で別の政治勢力を選べばいい。ということは、民主主義とは「主権者が選挙で簡単に政権をすげ替えられるシステム」とも言える。
 福島第1原発事故を巡る国会事故調査委員会の事務局メンバーだった経営コンサルタントの石橋哲さん(51)=川崎市=は今、全国で高校生と共に「わかりやすいプロジェクト」に取り組んでいる。
 原発事故の背景を突き詰めて考えるのが目的だが、巨大な社会的テーマを掘り下げるという試みは主権者教育の一環でもある。
 石橋さんの元にプロジェクトに参加した福島県内の高校生から手紙が届いたという。中に書かれていたのは「本当に大事な問いとは、答えが簡単に出るものではない」。それが分かったわけだ。
 石橋さんは問いを発することを大切にしてきた。事故は東京電力と国による「人災」と事故調は結論付けたが、では「その国は一体、誰の意思で動くのか?」と聞く。
 国と国民は民主主義という仕組みで結ばれているとすれば、国民の側の責任も免れないことになる。現に「私たちにも責任があるってこと?」と話した高校生もいた。
 「良い問いは良い答えに勝る」という言葉がある。子どもは未熟だとしても、社会や組織のよからぬしきたりに染まっていない強みを持つ。
 澄んだ目で見つめ、「なぜ?」と問い続ける力こそ民主主義の核心かもしれない。
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中国新聞 2016/5/5
社説:こどもの日 次世代への投資もっと


 きょうは「こどもの日」。主役となる子どもは、14歳以下でみると人数も割合も、1950年以降で最も少なくなったという。その分だけ手厚い政策が整っているのならまだいいが、現実には取り巻く環境がいびつになってきてはいないか。
 例えば「子どもの声がうるさい」という訴えが目立ってきていることを、どう考えればいいのだろう。近隣住民の反対で保育所の開設ができなかったり、公園や学校から出る「騒音」への苦情が出たりしている。
 確かに体調が悪いときなどは不快に感じ、眠れなくなるなど困ることもあるだろう。だが、それだけではあるまい。高齢者の1人暮らしや夫婦だけの世帯が増えて地域の老いが深まり、子ども世代との距離が広がってきているのではないか。
 政府は保育所などの防音壁の補助事業も始めた。ただ、それだけでは解決できまい。世代のギャップを越え、折り合いを付けて暮らす知恵を絞らなくてはならない。互いに顔が見える関係をつくることも、寛容の精神を育む一歩となるに違いない。地域の後押しを得て、子どもが伸び伸び育つ場を確保しなくてはならない。
 しかし保育所でいえば、保育士が足りないという問題も浮上している。最大の理由は、待遇の悪さにある。保育士の平均給与は月約22万円で、全職種平均より11万円も安い。離職する人が後を絶たない。
 政府は今月策定する1億総活躍プランに、保育士の賃金を月1万2千円引き上げ、経験や職責に応じて上積むことを盛り込む方向だ。ただ、元の水準が低いため「焼け石に水」との批判も既に出ている。
 なるべく早く、適正な給与に引き上げるべきだ。政府は財源がないと言い訳するかもしれないが、むしろ子育て分野への予算配分がこれまで不十分すぎたのではないのか。高齢者に偏った配分を見直したい。
 国際的にみても日本は次世代への投資が少ない。経済協力開発機構(OECD)によると、国内総生産(GDP)に占める保育や児童手当の家族関係社会支出の割合は、欧州諸国の半分から3分の1にとどまる。
 教育の分野も同じだ。GDPに占める教育機関への公的支出の割合は、OECDの32カ国中で最下位だった。一方で高等教育の私費負担は非常に重い。このままでいいのだろうか。
 子どもたちが希望を育み、将来の夢に向かって安心して歩んでいくためには保育環境だけでなく、学齢期も含めて成長に応じてサポートする必要がある。
 大学に通うための奨学金の充実も例外ではあるまい。大学を卒業しても非正規雇用などで収入が低く、奨学金を返すのに困る若者が増えているという。返済が大変だから進学を諦めるケースも少なくないようだ。親の経済格差を教育の格差に直結させてはならない。
 政府は来年度から、卒業後の年収に応じて毎月の返す額が決まる「所得連動返還型」を導入する方針だ。少しは負担が軽くなりそうで、歓迎したい。さらに安倍晋三首相は夏の参院選を意識してか、返済不要の「給付型」の創設も明言している。財源や対象基準など解決すべき課題はあるが、ぜひとも実現させてもらいたい。
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