2016-05-08(Sun)

熊本地震 南阿蘇の水力発電所 地震で壊れる 集落へ大量の水流出

黒川第一発電所の貯水槽崩壊 土砂崩れで住民2人死亡 九電が関連調査

----熊本地震の影響で、熊本県南阿蘇村にある九州電力の水力発電所の設備が壊れ、大量の水がふもとの集落の方向に流れ出ていたことが7日、同社への取材で分かった。

この集落では土砂崩れで住民2人が死亡した。
水の流出と土砂崩れの因果関係は不明だが、九電は外部の専門家の意見を聞くなどして関連を調べる。
 
九電によると、4月16日未明に発生した本震で、黒川第一発電所で発電に使う水をためる貯水槽の水位に異常があることを確認。
ヘリコプターで上空から調べたところ、貯水槽の外壁が壊れて水が流れ出していたという。
(日本経済新聞)


----「雨が降っていたっけ?」。会社員の片島崇(たかし)さん(21)は本震の直後、山から水が流れてくる音を聞いて不思議に思った。自宅2階から見ると、大量の水に遅れて泥が迫ってきた。一家5人で避難。

「津波のような流れだった。死ぬかと思った」。貯水槽が壊れたと知り、「こんなことになるなんて」。
60代の男性住民は「想定外では済まされない」と憤る。

現場付近の土壌は火山灰に覆われ、そもそも軟弱だった。
熊本県は、貯水槽付近を土砂災害のおそれがある「土砂災害警戒区域」に指定していた。
大量の水が流れ込んだことで被害が大きくなった可能性がある。
九電は調査結果を住民側に報告するという。
 
じく家が損壊した区長の山内博史さん(62)は「雨も降ってないのに変だと思った。人命や生活は戻らない。調査と並行して話し合いも続け、ちゃんと謝罪してほしい」と話す。
(朝日新聞)





以下引用

朝日新聞デジタル2016年5月8日05時00分
九電土砂崩れと関連調査へ 南阿蘇水力発電所が損壊 熊本地震
損壊した黒川第一発電所の貯水槽。水路も壊れ、大量の水が流れ出た=4月17日、熊本県南阿蘇
 熊本地震の本震で、熊本県南阿蘇村の水力発電所「黒川第一発電所」が壊れ、大量の水が集落に向け流れ出ていたことが明らかになった。因果関係は不明だが、現場では土砂崩れが起き、2人の住民が亡くなった。発電所を持つ九州電力は週明けから調査に取りかかり、外部専門家を交えて水の流出と土砂崩れの関連を調べる。▼1面参照
 発電所は同村立野の山の斜面にある。九電の担当者が7日、村役場などを訪れ、週明けから土砂の採取など調査の準備に入ることを報告し、了承を得た。
 黒川の水を貯水槽まで引き、約250メートル下の発電設備までの落差を使い発電する黒川第一。九電によると、4月14日の「前震」後に設備を点検した時は、異常はなかったという。しかし本震後の16日未明、貯水槽の水位が低下。朝になって上空から確認したところ、貯水槽の外壁や水路が壊れ、水が流れ出ていた。作業員が黒川から取水を止めた午前9時半ごろまでに流出した水は、約1万立方メートル(25メートルプールで約20杯分)にのぼるとみられる。
 現場では土砂崩れが発生。ふもとの新所(しんしょ)地区で家が押しつぶされ、片島信夫さん(69)と妻の利栄子さん(61)が亡くなった。
 通商産業省(現経済産業省)は、1965年に水力発電所の耐震性など技術基準を省令で定めた。黒川第一の貯水槽は、それ以前につくられたため適用外という。九電は斜面の崩落は貯水槽より上から発生しているとして、「水の流出と斜面の崩落の因果関係は不明」(広報)と話している。
 ■迫る泥、「津波のよう」
 山の斜面に家が点在する南阿蘇村立野の新所地区。片島弥生さん(82)は本震が起きた4月16日未明、ドスンという突き上げる揺れで目を覚ました。続けて「ドドドドドッ」という地鳴りのような音。発電所の貯水槽がある裏山側から土石流が家に流れ込んだ。
 泥水につかりながら夫と逃げる途中、隣家に住む親戚の片島信夫さんが倒れているのが見えた。消防団員に助けを求め、病院へ運ばれたが死亡。「のぶちゃん立たんねー、と励ましたのに……」と悔やむ。
 「雨が降っていたっけ?」。会社員の片島崇(たかし)さん(21)は本震の直後、山から水が流れてくる音を聞いて不思議に思った。自宅2階から見ると、大量の水に遅れて泥が迫ってきた。一家5人で避難。「津波のような流れだった。死ぬかと思った」。貯水槽が壊れたと知り、「こんなことになるなんて」。60代の男性住民は「想定外では済まされない」と憤る。
 現場付近の土壌は火山灰に覆われ、そもそも軟弱だった。熊本県は、貯水槽付近を土砂災害のおそれがある「土砂災害警戒区域」に指定していた。大量の水が流れ込んだことで被害が大きくなった可能性がある。九電は調査結果を住民側に報告するという。
 同じく家が損壊した区長の山内博史さん(62)は「雨も降ってないのに変だと思った。人命や生活は戻らない。調査と並行して話し合いも続け、ちゃんと謝罪してほしい」と話す。
 本震の8日後、北園芳人・熊本大名誉教授(地盤工学)は地盤工学会の調査団長として現場一帯を調べた。「崩れた土砂の上を水が流れた跡があり、土砂崩れの直後に貯水槽が壊れたとみられる」と話す。「大量の水が土砂を押し流し、土石流が広がった可能性がある。さらに詳しい調査が必要だ」

朝日新聞デジタル 2016年5月7日20時30分
南阿蘇水力発電所地震で壊れる 集落へ大量の水流出
【動画】損壊した黒川第一発電所の貯水槽。現場では土砂崩れが起き、ふもとの集落が被害にあった
http://www.asahi.com/articles/ASJ5734J9J57TIPE005.html
損壊した黒川第一発電所の貯水槽(左)。現場では土砂崩れが起き、ふもとの集落が被害にあった=7日午後2時19分、熊本県南阿蘇村立野、朝日新聞社ヘリから、長沢幹城撮影
 熊本地震の本震で、熊本県南阿蘇村の水力発電所「黒川第一発電所」が壊れ、大量の水が集落に向け流れ出ていたことが明らかになった。因果関係は不明だが、現場では土砂崩れが起き、2人の住民が亡くなった。発電所を持つ九州電力は週明けから調査に取りかかり、外部専門家を交えて水の流出と土砂崩れの関連を調べる。
 発電所は同村立野の山の斜面にある。九電の担当者が7日、村役場などを訪れ、週明けから土砂の採取など調査の準備に入ることを報告し、了承を得た。
 黒川の水を貯水槽まで引き、約250メートル下の発電設備までの落差を使い発電する黒川第一。九電によると、4月14日の「前震」後に設備を点検した時は、異常はなかったという。しかし本震後の16日未明、貯水槽の水位が低下。朝になって上空から確認したところ、貯水槽の外壁や水路が壊れ、水が流れ出ていた。作業員が黒川から取水を止めた午前9時半ごろまでに流出した水は、約1万立方メートル(25メートルプールで約20杯分)にのぼるとみられる。
 現場では土砂崩れが発生。ふもとの新所(しんしょ)地区で家が押しつぶされ、片島信夫さん(69)と妻の利栄子さん(61)が亡くなった。
 通商産業省(現経済産業省)は、1965年に水力発電所の耐震性など技術基準を省令で定めた。黒川第一の貯水槽は、それ以前につくられたため適用外という。九電は斜面の崩落は貯水槽より上から発生しているとして、「水の流出と斜面の崩落の因果関係は不明」(広報)と話している。
     ◇
 〈黒川第一発電所〉 1914年に完成した水力発電所。黒川から取水し、貯水槽から発電所までの約250メートルの落差を利用して発電している。最大出力4万2200キロワットで、約1万4千世帯分の電気を供給できる。


日本経済新聞 2016/5/7 21:06
水力発電所設備壊れ集落へ水 九電、土砂崩れとの関連調査
 熊本地震の影響で、熊本県南阿蘇村にある九州電力の水力発電所の設備が壊れ、大量の水がふもとの集落の方向に流れ出ていたことが7日、同社への取材で分かった。この集落では土砂崩れで住民2人が死亡した。水の流出と土砂崩れの因果関係は不明だが、九電は外部の専門家の意見を聞くなどして関連を調べる。
 九電によると、4月16日未明に発生した本震で、黒川第一発電所で発電に使う水をためる貯水槽の水位に異常があることを確認。ヘリコプターで上空から調べたところ、貯水槽の外壁が壊れて水が流れ出していたという。

テレ朝news(2016/05/08 06:22)
土砂崩れとの関連は? 熊本地震で水力発電所損傷
 熊本地震の影響で熊本県南阿蘇村にある九州電力の水力発電所が損傷し、大量の水が麓の集落に向けて流れ出ていたことが分かりました。集落では土砂崩れで2人が死亡していて、九州電力は関連を調べる方針です。
 地震で損傷したのは、南阿蘇村にある「黒川第一発電所」です。先月16日の地震の後、約1万立方メートルの貯水槽から大量の水が流れ出ました。麓の新所地区では土砂崩れに巻き込まれ、2人が死亡しています。九州電力はこれまで2度にわたって地区の区長らに被害状況や今後の対応を説明しました。
 南阿蘇村新所地区区長:「(九州電力は)もっと早く私たち被災者に話を持ってきてほしかった」
 九州電力では今月中旬に発電所の被害を詳しく調査し、集落を襲った土砂崩れとの因果関係についても調べる方針です。

テレ朝news(2016/05/07 17:39)
地震で水力発電所損傷 流水と土砂崩れに因果関係は
 熊本県南阿蘇村にある九州電力の水力発電所が地震で損傷し、大量の水が流れ出ていたことが分かりました。近くの集落では土砂が崩れて2人が亡くなっていて、九州電力は近く、水の流出との因果関係を調べる方針です。
 地震で損傷したのは、南阿蘇村にある九電の「黒川第一発電所」です。先月16日に起きた地震の後、容量が1万立方メートルの貯水槽から大量の水が流れ出しました。近くの新所地区では7世帯が土砂崩れに巻き込まれ、2人が亡くなりました。
 南阿蘇村新所地区区長:「地震と決壊した水によって、私の考えだが、2人の尊い命が奪われた。九州電力としての考え方をもっと明確にしてほしい」
 九電は今月中旬に専門家を交えて発電所の被害を調査し、集落を襲った土砂崩れとの因果関係についても調べることにしています。また、南阿蘇村の阿蘇立野病院では建物の一部が倒壊し、土砂災害の危険も残っていることから閉鎖を決めました。入院していた患者約30人は、すでに県内の他の病院に移っています。
 病院職員・郷良民さん:「危険性があるので(診療は)ここではできない。いったん全職員、解雇という形になった」
 この地域で唯一、救急と入院を受け入れる病院が閉鎖されることになり、住民の間には不安が広がっています。

読売新聞 2016年05月07日 10時35分
発電所の水、大量流出…熊本地震本震で損壊
土砂崩れに巻き込まれた新所地区の集落。山腹に損壊した黒川第一発電所の貯水槽(中央上付近)がある(4月16日、熊本県南阿蘇村で、読売ヘリから)=中司雅信撮影
 熊本地震で本震が起きた4月16日、熊本県南阿蘇村の山間部にある九州電力の水力発電所「黒川第一発電所」の貯水槽などの設備が損壊し、麓の集落の方向に大量の水が流れ下っていたことが九電への取材でわかった。
 集落では土砂崩れで9世帯の住宅が被災し、住民2人が死亡した。九電は近く有識者を交えたチームを発足させ、土砂崩れと水の流出の関係などについて調査する。
 九電は本震後の4月16日午前10時~同11時頃、ヘリコプターで状況調査を実施。その結果、〈1〉貯水槽(約1100立方メートル)のコンクリート製外壁のうち、集落側の一部が崩落し、中が空になっていた〈2〉貯水槽横にある水路の一部が損壊し、水が集落の方向に流れていた――ことを確認。午前9時半頃にダム湖から取水を停止するまで、計約1万立方メートル(25メートルプールの約20杯分)の水が流出したと推定している。

毎日新聞2016年5月7日 21時52分
熊本地震
発電所の水が大量流出 周辺集落で泥流被害
損壊した黒川第1発電所の貯水槽(手前)と土砂被害にあった集落=熊本県南阿蘇村で2016年4月20日、本社ヘリから須賀川理撮影
 熊本地震で熊本県南阿蘇村立野の山間部にある九州電力の水力発電所「黒川第1発電所」の貯水施設が損壊し周辺で土砂崩れも起きたことについて、九電が今月中旬にも現地調査に入ることが分かった。九電によると、損壊で推定1万トンの水が流出しており、土砂崩れや付近の集落被害との因果関係を調べる。有識者の意見も取り入れる方針。集落では少なくとも民家9戸が泥流で被災し2人が亡くなっている。
 九電によると、黒川第1発電所は黒川の取水堰(ぜき)から引いた水を導水路で標高約450メートルのプール状の貯水槽に導き、流下させて発電している。集落は貯水槽から南西に約300メートル下った場所にあり、貯水槽との標高差は約110メートル。
 4月14日夜の地震発生後の点検では施設の異常は確認されなかったが、16日の本震後にヘリコプターで上空から調べたところ貯水槽が壊れていた。貯水槽の余った水を流す水路も、崩れた斜面を通っている部分が損壊していた。損壊により一般的な50メートルプール四つ分の容量に相当する約1万トンの水が流出したと推定されるという。本震発生時、2機の発電所のうち1機が稼働中だった。
 集落の男性(59)は16日午前1時25分の本震直後、自宅にいて外でゴーッと音がするのを聞いた。「土石流と思い逃げようとしていたら、家の中に泥流が流れ込み膝までつかった」。当時雨は降っていなかったという。民家5戸が流され、4戸が泥に埋まった状態となり、流された家に住んでいた片島信夫さん(69)と妻利栄子さん(61)が亡くなった。2人は自宅から数十メートルほど離れた泥の中から遺体で見つかった。
 こうした被害に対し、九電熊本支社は「(貯水施設損壊との)因果関係があるかないかも含めて詳細に調査する。調査の透明性、客観性を担保するため、調査のあり方の検討に外部の有識者を活用することを考えている」としている。まずは現地で目視と土砂採取による調査をした上で、地質を調べるボーリングも実施する予定。
 集落の区長の男性は「水がなければ被害は小さかったはず。村を交え補償を前提に九電と協議したい」と話している。
 熊本地震の被災地の現地調査を続けている北園芳人・熊本大名誉教授(地盤防災)は「強い揺れで土砂崩れが起こり、その衝撃で設備が壊れたのだろう。土砂とともに流れた水が被害を及ぼした可能性はある」と話している。【取違剛】

時事通信(2016/05/07-16:27)
南阿蘇村の発電所損壊=熊本地震、集落方向に水
 熊本地震の影響で、熊本県南阿蘇村にある九州電力の水力発電所「黒川第一発電所」の施設が損壊し、麓の集落の方向へ大量の水が流出していたことが7日、同社への取材で分かった。集落では土砂崩れで住民2人が死亡。因果関係は不明だが、九電は外部の有識者を含むチームをつくり、水の流出と土砂崩れの関連などを調査する方針。
 九電によると、4月16日未明の本震後、貯水槽の水位計に異常を感知。午前10~11時ごろヘリで上空から調査した結果、貯水槽の集落側の外壁や水路の一部が壊れ、水が流出していた。同9時半ごろにダム湖からの取水を止めるまで約1万立方メートルの水が流れ出たとみている。
 黒川第一発電所は1914年に完成。水力発電所の耐震性などの基準は65年の通産省(現経済産業省)省令で定められているが、同発電所の貯水槽は適用対象外という。

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