2016-05-15(Sun)

熊本地震1カ月 住まい再建 社説等 160514(1) 

住まいの確保に全力を 被害検証し耐震補強に生かせ 救援・復興に政治の責任果たせ

<各紙社説・主張>
朝日新聞)震災1カ月 住まいの確保に全力を(5/14)
読売新聞)熊本地震1か月 復興に向けた道筋を描きたい(5/14)
毎日新聞)熊本地震1カ月 住まいの再建が急務だ(5/14)
日本経済新聞)熊本地震の被害検証し耐震補強に生かせ (5/14)
しんぶん赤旗)熊本地震1カ月 救援・復興に政治の責任果たせ(5/14)




以下引用



朝日新聞 2016年5月14日05時00分
(社説)震災1カ月 住まいの確保に全力を


 熊本地震から1カ月。おさまらぬ余震に不安をかき立てられながら、熊本県内では、いまだに1万人を超す人たちが避難所暮らしを続けている。
 避難所ではこの間、段ボールで間仕切りを設けたり、看護師を24時間態勢で配置したりと、生活環境の改善に向けた努力が重ねられてきた。
 だが、それはあくまでも応急の対策だ。住民の健康を守り、復旧・復興という次のステップに踏み出すためにも、県や地元自治体は被災者の住まいを確保し、避難所暮らしを解消させることが急務だ。
 その際に大切なことは「被災といえばプレハブ仮設の建設」という先入観を捨てることだ。
 内閣府は、東日本大震災を経てまとめたマニュアルで、民間の賃貸アパートなどを行政が借りて被災者に提供する「みなし仮設」の活用をうたっている。
 被災地の親しい住民同士のつながりをどう維持するかといった課題はあるが、すぐに入居でき、コストも低く抑えられる利点がある。
 熊本県でもみなし仮設の相談窓口は開かれているが、申し込みは数十件にとどまる。
 最大の理由は、入居に必要な罹災(りさい)証明書の発行の遅れだ。自宅が全壊か大規模半壊かに判定される必要があるが、自治体の人手不足で間に合わない。
 緊急時である以上、すでに行っている被災宅地危険度判定士の調査を援用するなど、臨機応変な対応ができないものか。
 会計検査院は12年、みなし仮設の家賃を現金支給することも提言した。賃貸契約に絡む行政事務が減り、入居待ちの時間も短縮できる。その適用を国は検討すべきだ。
 熊本県では震度7が2度も起きたこともあり、震災2週間後にようやく仮設住宅の建設が始まった。これまでに約1千戸分に着手したが、その分でさえ、入居できるのは早くても6月中旬だという。そもそも、全体でどれだけの仮設建設が必要なのかも、はっきりしていない。
 全体の見通しを示すことは、被災者の生活再建に欠かせない。東日本大震災では、さみだれで仮設住宅が提供された結果、応募が殺到し、一つの団地にさまざまな地区の住人が入り交じった地域もあった。コミュニティーづくりが難しくなり、復興の歩みがにぶる。
 熊本は梅雨入りを間近に控えている。全国の自治体職員がすでに応援に入っているが、必要ならばさらに支援を仰ぎ、国も関与しながら用地確保や住民ニーズの把握を急いでほしい。
ページのトップへ戻る



読売新聞 2016年05月14日 06時02分
社説:熊本地震1か月 復興に向けた道筋を描きたい


 熊本地震の前震が発生してから、14日で1か月となった。
 政府は、被災地支援を柱とする2016年度補正予算案を閣議決定し、国会に提出した。速やかに成立させ、復旧・復興への取り組みを加速させたい。
 地震後に寸断された交通網は元に戻りつつある。九州新幹線は全線で運行を再開し、高速道路の不通区間は解消された。
 道路や橋の復旧事業の一部を国が代行する大規模災害復興法の適用も決まるなど、政府による支援も具体化してきた。
 熊本県内の小中学校と高校では、全校で授業が再開された。校舎に児童・生徒の笑顔が戻ったことは、朗報である。
 一方で、余震は続いている。住み慣れた家を失った被災者の生活再建は、思うように進まない。避難者は、なお約1万人に上る。
 当面の課題は、仮設住宅の建設だ。今のところ、着工したのは約1000戸にとどまり、入居開始は早くても6月中旬になる。
 熊本県は、住宅の全半壊を8000棟程度と見込み、みなし仮設を含めて計4200戸の仮設住宅の整備を打ち出した。
 ところが、実際の全半壊は4万棟を超えており、足りなくなる可能性が高い。政府と県、市町村が連携し、建設用地の確保などに取り組むことが大切だ。
 熊本県の有識者会議は今週、復興への緊急提言を公表した。インフラの早期復旧や災害拠点の強化が盛り込まれている。優先度の高い事業を効率的に進めたい。
 活断層が複雑に連なる一帯で発生した熊本地震は、情報発信に大きな課題を残した。
 14日の前震と16日の本震は、ともに最大震度7を記録した。観測史上、例のないパターンだ。
 気象庁は、マグニチュード(M)6・5の前震を本震と判断し、余震への注意を呼びかけた。政府の地震調査委員会のマニュアルに、内陸型は「M6・4以上ならば本震」と記載されているためだ。
 この発表により、さらに大きな地震は発生しないと判断した人が多かったのではないか。実際、前震が収まった後に避難先から帰宅し、M7・3の本震による住宅倒壊で死亡した人もいる。
 前震の規模に応じた救助・救援体制を組んだ政府や自治体にとっても、想定外の展開となり、人員の増強などに追われた。
 地震調査委は、情報発信の在り方を検討する。リスクを的確に伝える手法が求められる。
ページのトップへ戻る



毎日新聞2016年5月14日 東京朝刊
社説:熊本地震1カ月 住まい再建が急務だ


 熊本地震の「前震」から1カ月を迎えた。震度7の激震に2度襲われ、その後も広範囲の連続地震が起き、終息は見通せない。震度1以上の地震は1400回を超えた。
 避難所などで避難生活を送る人はいまだ1万人を超える。実数は把握できないが、車で寝泊まりする人たちもいる。避難生活の長期化による疲れは想像以上だろう。
 健康被害を生まぬよう当面の被災者の避難生活をしっかり支える体制づくりがまずは必要になる。より抜本的には安定的な住まいの確保を急ぐべきだろう。
今なお1万人の避難者
 熊本県内で避難所は今も約240カ所に上る。地元自治体は避難所として活用してきた学校の再開に伴い、避難所の集約を進めている。だが、集約により避難所が自宅から遠くなったり、これまで培ってきた避難所内のコミュニティーが壊れたりすることを不安に感じる被災者が少なくないようだ。
 多くの避難所は、住民同士で生活上のルールを作り、共同体として機能してきた。避難所のリーダー有志が集まり、環境改善を話し合う動きも出ていた。避難生活は長期化が予想される。地域や地区単位で避難所生活を送ってきた人たちについては、そのコミュニティーの維持に最大限留意し、避難者同士の顔の見える関係を大切にしてもらいたい。
 プライバシーへの配慮から、避難所内に間仕切りを設ける対策がとられるが、一部にとどまっている。
 また、毎日新聞が避難者に実施したアンケートでは4割の人が健康が悪化したと回答した。避難に伴う震災関連死をこれ以上増やしてはならない。これからは熱中症や食中毒対策など暑さへの備えも課題だろう。
 「夜が怖い」と訴える子供がいる。心のケアも必要だ。スクールソーシャルワーカーの活用など手厚い支援を求めたい。
 余震が長期化する中で、屋内にいられず、車で寝泊まりする被災者が相次いだのが今回の地震の特徴でもある。エコノミークラス症候群(肺塞栓(そくせん)症など)の被害者が続出した。
 「車中泊は好ましくない」としてきた政府も、現実に対応するために、具体策の検討を始めた。車中泊する人は減っているとみられるが、健康を損なわないよう行政が見守り、支援していく必要がある。
 自宅が壊れた被災者のために仮設住宅の確保を急がねばならない。仮設住宅は、自宅が全壊したり、大規模に壊れたりした被災者が対象になる。だが、どれだけ必要になるかの見積もりは難しい。市町村が入居に必要な罹災(りさい)証明書を発行するための調査や手続きが進まないためだ。
 県によると、今回の地震で一部損壊も含めて被害を受けた住宅は約7万5000棟にも及ぶ。
 2次被害防止のため自治体が実施した応急危険度判定では約1万件が余震で倒壊する恐れがある「危険」と判定された。罹災証明の終了に全力をあげるべきだ。
 ただし、罹災証明の調査を待っていては、仮設住宅の整備は遅れてしまう。熊本県が主導するなどして、建設を速やかに進めるべきだ。
 民間の空き家などを行政が借り上げ、仮設住宅として無償で貸与する「みなし仮設」の積極的な活用も重要だ。その場合、罹災証明書が出ない段階でも仮入居を認めるような柔軟な対応を心がけてもらいたい。
地元の要望聞き支援を
 仮設住宅の建設場所によっては入居しないという被災者もいる。広々とした土地を活用し、米国で災害時などに活用されるトレーラーハウスなどを仮設住宅代わりにもっと使うべきだと提言する人もいる。
 被災自治体、あるいは地域によって事情は異なるだろう。行政は被災者の心情をくみとって、住まいへの対応に生かしてほしい。
 津波で市街地全体が浸水した東日本大震災と異なり、熊本地震では同じ地域でも住宅が受けた被害の程度はさまざまだ。自治会や町内会などを生かし、地域が一体感をもって、復興に取り組む体制も確立したい。
 政府は復旧・復興に向け、インフラ再建や仮設住宅建設などにあてるため総額約7800億円の補正予算案を決定した。予備費と合わせ総額1兆円超の予算が確保される。
 また、政府は熊本地震を「非常災害」に指定した。崩落した「阿蘇大橋」の復旧など自治体が行う事業を国が代行できる。被災地の意向を尊重した運用をすべきだ。
 熊本県は復興に向け「くまもと復旧・復興有識者会議」を発足させた。五百旗頭真座長がまとめた緊急提言は「創造的復興」を掲げ、国が東日本大震災の復興で実施した財政支援のレベルを維持するよう求めた。
 巨額なインフラ整備は負担率がわずかでも地元にとって大きな負担となるだけに、国は十分に地元の要望に耳を傾けてほしい。
 熊本地震が発生して以来、全国から駆けつけたボランティアはすでに延べ4万人を突破した。だが、最近はそのボランティアも減少傾向にある。地震から1カ月といっても、まだ復興の緒についたばかりだ。わたしたち一人一人が、息の長い支援を続けていきたい。
ページのトップへ戻る



日本経済新聞 2016/5/14付
社説:熊本地震の被害検証し耐震補強に生かせ


 熊本地震の発生からきょうで1カ月。余震はなおも収まらず、1万人以上が避難を続けている。地震活動が長期化し、国や自治体の防災の死角を突く震災となった。
 被災地では崩れた建物の撤去が進まず、仮設住宅の建設もこれからだ。政府は熊本地震の復旧を柱とした今年度補正予算案を決めた。国会で速やかに成立させ、早期の復旧に全力を挙げてほしい。
 多くの専門家が被災地に入り、被害の調査も本格化している。教訓をきちんと導き出し、今後の防災に役立てることも重要だ。
 まず重く受け止めるべきが、1981年以前の古い耐震基準による建物の倒壊が多かったことだ。熊本県では耐震基準を満たす住宅の比率が76%と、全国平均の82%を下回っていた。県などは住宅の耐震改修を補助する制度を設けていたが、利用率は低かった。
 自治体は住民に地震はどこでも起きることを伝え、改修を促すべきだ。安価な工法も登場している。これを対象に含めるなど制度の使い勝手を高める工夫も要る。
 防災上重要な役割を担う自治体庁舎の補強も急務だ。今回の地震では宇土市役所などの庁舎が壊れ、災害対応に支障が出た。耐震性の低さはわかっていたのに、住民の理解を得られないなどの理由で補強が後回しになっていた。
 国によれば、耐震性が不足する庁舎は全国の自治体の2割以上にのぼる。これらの自治体は補強の必要性を住民に粘り強く訴えるべきだ。財源が足りないのなら国が支援する仕組みを考えてよい。
 熊本地震では震度7の揺れが立て続けに起き、被害を広げた。いまの耐震基準は強い揺れの続発は想定していない。基準の再検討が必要とみる専門家もいる。
 ただ、同様の地震がどの程度の頻度で起きるのか科学的にはっきりしない。最初の揺れで住人が適切に避難すれば、命は守れる。基準強化は建築コストを押し上げ、費用対効果の吟味が不可欠だ。
 地震を起こす活断層は国内に2千カ所以上あるとされ、未知のものも多い。一方、熊本地震でずれた日奈久(ひなぐ)・布田川(ふたがわ)断層帯のように、地震の危険度がある程度わかっていた活断層もある。
 こうした活断層については国や自治体が住民への情報開示を徹底すべきだ。防災上重要な施設の建築を避けるなどの仕組みづくりも真剣に考えるときだ。
ページのトップへ戻る



しんぶん赤旗 2016年5月14日(土)
主張:熊本地震1カ月 救援・復興に政治の責任果たせ


 熊本県や大分県を中心にした地震災害で、最初の最大震度7の大きな揺れが起きてから、きょうで1カ月です。一連の地震は、直接的な死者49人、行方不明者1人、避難生活で命を失う震災関連死の疑いのある人19人などの犠牲を出したうえ、建物や宅地に甚大な被害を引き起こしました。体に感じる揺れは1400回を超えてもおさまらず、被災者は心が休まる余裕もありません。1万人以上もの避難者の暮らしは困難なままで、長引く避難生活による健康被害の広がりが心配されます。被災者の切実な願いに寄り添い、政治が苦難の解決へ力を発揮すべきです。
「未経験」に見合う支援で
 熊本地震は、日本の観測史上未経験の状況となっています。
 14日夜に最大震度7を観測したマグニチュード6・5の地震は「前震」で、2日後にその約16倍ものエネルギーのマグニチュード7・3の「本震」が襲うことは、従来の「内陸直下型の経験則」から考えられないことでした。阪神大震災級の揺れに2度も直撃された被害は甚大で、被災者にもトラウマなど深刻な影響を与えています。
 今回のように広範な地域で同時に地震活動が活発に続いていることも、かつてない事態です。最初の揺れでは持ちこたえた建物も繰り返す揺れで、危険になるケースも生まれています。建物の全半壊、損壊が7万棟以上にのぼり、役場や病院、避難所となるはずの学校などまで使用不能に陥りました。
 被災者や被災自治体の抱える困難は並大抵のものではありません。国は自治体の努力を支えるため人的支援、財政的措置などをはじめ、従来の発想にとどまらない施策の実行が求められます。
 急がれるのは被災者の命と健康を守るための避難生活の改善です。熊本でも気温が上昇し夏日が続いています。この暑さが長引く避難で心身ともに疲労が蓄積している被災者に追い打ちをかけます。熱中症の症状で避難所から救急搬送される高齢者も相次いでいます。体育館など冷房のない避難所が多いなか、健康を守るためきめ細かな対応は待ったなしです。
 食中毒対策や蚊などの発生への備えなど政府が作成・通知してきた指針などにもとづく対策を緊急にとるべきです。自家用車やテント、損壊した自宅に住み続ける人たちなどへのきめ細かな支援は不可欠です。震災関連死をこれ以上出すことはあってはなりません。
 被災者が切実に願っているのは安心の住まいの確保です。仮設住宅建設を加速するため国公有地を確保するなど支援強化が必要です。住宅再建に希望を持てるようにするため、被災者生活再建支援法を抜本改正するなど公的支援拡充が重要です。被災者が公的支援を受けるために必要となる「罹災(りさい)証明書」発行が3割弱という事態は早急に打開すべきです。
「災害国」の力試される
 農業・畜産、雇用、営業などへの対策と支援も急がれます。
 熊本地震への支援をさらに強めると同時に、東日本大震災の被災者・復興支援の手を緩めるようなことがあってはなりません。いま「災害大国」日本の政治の姿勢が問われています。これまでの震災の痛苦の教訓を生かし、英知を結集し、すべての被災者が暮らしと生業(なりわい)を取り戻すまで、政治が責任を果たすことが求められます。
ページのトップへ戻る

/////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 熊本地震 1カ月 住まい 再建 耐震

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン