2016-05-15(Sun)

三菱自動車燃費不正 社説等(7)不正問題の解明が先決だ

企業の不正 物言えぬ風土にメスを  日産傘下入り 不正の解明と信頼回復に尽くせ

<各紙社説・論説>
岩手日報)企業の不正 物言えぬ風土にメスを(5/15)
愛媛新聞)三菱自が日産傘下入り 不正の解明と信頼回復に尽くせ(5/15)
高知新聞)【三菱自と日産】提携の成否握る体質改善(5/15)
神戸新聞)三菱自動車/不正問題の解明が先決だ(5/14)




以下引用



岩手日報(2016.5.15)
論説:企業の不正 物言えぬ風土にメスを


 燃費データ不正問題で揺れる三菱自動車が、日産の傘下に入って再建を目指すことになった。このままでは経営悪化が避けられないことを考えるとやむを得まい。
 近年、三菱自動車に限らず大企業の不正や隠ぺいが相次いで発覚している。それらがもたらす代償はあまりにも大きい。企業の存続を脅かし、従業員を路頭に迷わせかねない。当然、下請けにも波及する。
 背景には、上からの圧力、風通しの悪さなど、社内風土の問題もあるように思われる。企業人は他山の石として防止に努めたい。
 三菱自動車の不正にはあきれるばかりだ。法令と異なる試験方法での燃費データ計測が25年間にもわたって行われていたことも分かった。
 この間、2000年には、リコール(無料の回収・修理)につながるクレーム情報を長年隠ぺいしていた「リコール隠し」が発覚した。それでも体質は改善されなかったようだ。
 リコール隠しによる危機からの再建に乗り込んだトップは手腕を発揮したが、「上に物を言えない」社風をつくったとの批判がある。
 また今回の問題について同社が国に行った報告は、上層部からの圧力が背景にあったことを認めている。
 現場は息苦しい空気に包まれていたのではないか。そんな中で不正の温床が残されたのかもしれない。
 このような指摘は他の例でもあった。記憶に新しいのは東芝の不正会計だ。
 決算で、利益を実際よりも多く見せかけた。第三者委員会の報告書は、歴代3社長が収益目標を達成するよう部下に強い圧力をかけたことを原因に挙げた。部下が上司の命令に逆らえない企業風土があったとも指摘した。
 東芝、三菱自動車両社とも不正の芽を摘む機会はあったはずだ。誤ったことを正すよう進言した社員はいたのではないか。いや、必ずいたはずだ。経営幹部が対応できていたなら、致命的な事態には至らなかっただろう。
 東芝は結局資金難に陥り、白物家電や医療機器など看板事業の切り売りを迫られた。
 三菱自動車は生産ライン停止で自宅待機する従業員に不安が広がる。全国の販売店は懸念を強めているだろう。何より、車を購入したユーザーの憤りは大きい。同社は日産との資本業務提携に活路を見いだすが、不正の本格解明は欠かせない宿題だ。
 多くの人々を巻き込み、窮地を招く不正。よそ事とは思わず、企業風土をあらためて見直したい。社員同士の意思疎通を図り、上司が耳を傾ける社内環境はできているだろうか。
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愛媛新聞2016年05月15日(日)
社説:三菱自が日産傘下入り 不正の解明と信頼回復に尽くせ


 燃費データ不正問題に揺れる三菱自動車が、日産自動車の傘下に入り、経営再建を目指すことになった。
 三菱自は不正行為による信用失墜で、経営環境は急速に厳しさを増し、自力再建は難しくなっていた。大手が後ろ盾になったとはいえ、消費者を繰り返し欺いてきた不信感を拭い去るのは容易ではない。今度こそ、うみを出しきり、法令を守る健全な会社へと生まれ変わらなければなるまい。さもなくば、自動車市場からの退場は避けられないと肝に銘じる必要がある。
 不正発表から3週間あまり。燃費を偽装した三菱自の軽自動車の4月の新車販売台数はほぼ半減し、生産工場の再開の見通しは立っていない。雇用維持などで地域経済への影響を抑えるのはもちろん、不正があった車の所有者への補償もなおざりにしてはならない。
 燃費不正問題の全容はほとんど明らかになっていない。三菱自の国土交通省への2回目の報告によると、公表済みの軽4車種以外でも、スポーツタイプ多目的車などで走行試験をせずに机上計算だけでデータを取っていた。軽の燃費を最大15%も良く見せかけていたことなど、調査結果公表のたびにごまかしの範囲は広がっている。
 軽の燃費偽装では、本社の社員が子会社の管理職に走行試験データの改ざんを指示したことが分かった。組織ぐるみの不正は否定したが、社員の聞き取りに手間取っており、具体的な経緯や、不正を行った車種、台数も確定できていない。国交省が全容解明には程遠いとして、再調査を命じたのは当然だ。
 日産は約2400億円を投じて三菱自の株34%を取得し、筆頭株主となる。日産と提携先のルノーに三菱自を合わせた世界販売台数は、トヨタやフォルクスワーゲンに迫る年間約950万台となり、日産のカルロス・ゴーン社長が目指す「世界一」にも手が届く。
 提携合意の記者会見では、両社のトップから軽以外の分野でも提携を広げられるとの利点を挙げる発言が目立ち、深刻さは感じられなかった。
 経営再建のため提携拡大へと突き進む前に、まずは不正を生んだ原因を消費者に明らかにすべきだ。三菱自は、過去にリコール隠しを重ね、その都度再発防止を誓ってきた。しかしその裏では、25年間にわたり燃費不正を続けていた。繰り返し不正に手を染め、自らを正すことができない企業体質の根は深い。原因を究明し、その根を断たねばならない。
 日産の責任も重い。「不正の解明は三菱自の責任」との立場を取るが、当事者だけに任せていては、おぼつかない。支援の手を差し伸べた以上、三菱自と共に一刻も早く実態を明らかにし、経営陣の責任を厳しく問う責務があるとの認識を持つべきだ。両社が不正の原因を直視するところから始めなければ、信頼回復や再建の道は開けまい。
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高知新聞 2016.05.15 08:15
社説:【三菱自と日産】提携の成否握る体質改善


 日産自動車と、燃費データの不正問題に揺れる三菱自動車が、資本業務提携で基本合意した。
 日産は、三菱自の増資に応じ株式の34%を取得する。株主総会で重要案件の決定を拒否でき、三菱自を事実上、傘下に収める格好だ。
 規模拡大により、世界販売台数でトヨタなどを追う日産・ルノー連合と、自力での再建が難しい三菱自の思惑が一致したといえる。不正発覚から約3週間で出直しに向けた枠組みが決まったことは、被害者である購入者や販売店の不安を幾分でも和らげるのではないか。
 ただし、繰り返し不正に手を染めてきた三菱自に対する消費者の信頼は地に落ちている。再建がならなければ、日産にとっても経営上の重荷となる可能性をはらんでいよう。資本提携の成否は、三菱自の体質改善が進むかにかかっている。
 自動車業界では、環境対応や自動運転技術などの厳しい開発競争が繰り広げられ、生き残りを懸けた再編が進む。三菱自のような中堅メーカーにとって、巨額の開発費を捻出し続けるのは極めて苦しい状況だったといえよう。
 両社は2011年、軽自動車の共同開発を手掛ける共同出資会社を設立していたが、より広い分野での提携も探っていたという。皮肉にも不正問題による三菱自の株価下落が、資本提携に踏み込むきっかけとなった。
 日産からみて、看板に傷はあるものの、巨大な三菱グループとの関係強化は販売面で魅力だろう。供給を受ける軽自動車の生産力に加え、東南アジアでのブランドや電気自動車の技術もある。
 相乗効果を生み出せれば、世界でのシェア争いで、トップ3社を追う態勢が整うことになる。とはいえ、狙い通りに進むか、当面は予断を許さない。
 三菱自は、燃費性能の不正に伴って余計にかかったガソリン代や、エコカー減税の差額分などを補償しなければならない。その負担は長期に及ぶ恐れがある。
 より深刻なのは三菱自の企業体質そのものである。今回の法令と異なる不正な燃費試験やデータ改ざんのほか、リコール隠しなどを繰り返したコンプライアンス(法令順守)不在の病巣はあまりに深い。
 問題発覚からの対応にも、危機意識を疑わざるを得ない。当初の説明で「5~10%」とした燃費データの改ざん幅は最大15%程度に広がり、偽装が疑われる車種も拡大した。本社の担当社員が子会社に改ざんを指示したことも明らかになった。
 2度にわたり内部調査の内容を国に報告したが、不正の全容解明にはほど遠い。昨年11月には日産の指摘で不正を把握していたにもかかわらず、いまだ実態さえ説明できないのでは信頼回復など望めまい。
 染みついた不正体質を一掃できなければ、今後はグループの看板に関わろう。日産はまず、膿(うみ)を出し切るよう主導権を発揮すべきだ。
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神戸新聞 2016/05/14
社説:三菱自動車/不正問題の解明が先決だ


 燃費データ不正が発覚した三菱自動車が事実上、日産自動車の傘下に入ることが決まった。日産が約2400億円を投じて株の34%程度を取得し筆頭株主となる。
 三菱自は販売台数の急減に加えユーザーへの補償など対策費も巨額に上るとみられ、経営悪化が避けられない状況だ。三菱グループも支援を続けるが、日産の支援を受けて再生を目指す以外に道はないほど追い込まれたのだろう。
 一方、日産は三菱自が持つアジアなど海外でのブランド力や自社にない軽自動車の生産拠点を取り込み、競争力を高める狙いがある。日産のカルロス・ゴーン社長は「ブランドを守り育てることを決意し、燃費データ不正問題で失われた信頼回復に力を注ぐ」と語った。
 しかし、三菱自は過去に2度のリコール隠しを繰り返し、燃費データ不正は1991年から25年間も続いていた。法令違反を重ねる企業体質の根は深い。信頼回復のためには抜本的な改革が不可欠だ。
 燃費不正問題は、これまでの社内調査では、事実がほとんど明らかになっていない。当初の軽自動車4車種から他の車種にも改ざんの疑いが広がっている。
 三菱自は組織的な関与を否定しているが、本社の開発担当者が走行試験を実施した子会社の管理職と協議し、燃費目標をクリアするためデータ改ざんを指示していたことが分かった。全容解明には程遠く、社内の指示系統や経営責任があいまいなままでは再生は果たせない。
 国土交通省は三菱自の報告内容が不十分として再度報告することを求めた。2度目の立ち入り検査も実施した。国交省は徹底的に調査するだけでなく、偽装を許した燃費試験の在り方も根本から見直すべきだ。
 仏ルノー・日産グループは三菱自を抱えることで、販売台数世界3位の米・GMに肉薄し、トップのトヨタ自動車の1千万台も視野に入る。三菱自の不正問題が自動車業界の再編を促した形となった。
 その日産も、かつては経営危機に陥ってルノーの傘下に入り、工場統廃合や大胆なリストラなどゴーン流の痛みを伴う大改革で復活した。
 三菱グループ下でぬるま湯的な体質に慣れた三菱自に、その覚悟はあるのか。不正を招いた企業風土から抜け出すしかない。
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