2016-05-23(Mon)

沖縄米軍属の犯罪(3)全基地撤去要求 日米政府は真剣に向き合え

基地あるゆえの悲劇だ 抜本対策は基地の縮小だ 基地負担の軽減は待ったなしだ

<各紙社説・論説>
琉球新報)全基地撤去要求 日米政府は真剣に向き合え(5/22)
沖縄タイムス)[米軍属暴行殺害供述]再発防止策は破綻した(5/22)

愛媛新聞)沖縄の米軍属逮捕 基地負担の軽減は待ったなしだ(5/21)
徳島新聞)沖縄米軍属逮捕 過重な基地負担が問題だ(5/21)
高知新聞)【米軍属の逮捕】沖縄の悲劇防ぐ具体策を(5/21)
西日本新聞)米軍属逮捕 政府は沖縄とともに怒れ(5/22)

佐賀新聞)沖縄女性殺害 日米地位協定の見直しを(5/21)
熊本日日新聞)沖縄の米軍属逮捕 抜本対策は基地の縮小だ(5/22)
宮崎日日新聞)沖縄の元米兵逮捕 防止には基地縮小しかない(5/21)
南日本新聞) [沖縄米軍属逮捕] 基地あるゆえの悲劇だ(5/21)




以下引用



琉球新報 2016年5月22日 06:02
<社説>全基地撤去要求 日米政府は真剣に向き合え


 米軍属女性死体遺棄事件の謝罪に訪れた在沖米四軍調整官に対して、安慶田光男副知事は「沖縄基地全体について県民は反対する可能性が懸念される。事件に対する県民の気持ちは無視できない。注視していく」と述べ、県民の意思表示によっては全ての在沖米軍基地撤去を求める考えを示した。
 米軍人・軍属による事件が起きるたび、日米両政府は何度も綱紀粛正と再発防止を誓ってきた。しかし事件は起き続けている。今年3月にも観光客の女性が海軍兵に性的暴行を受ける事件が起きた。
 この時、謝罪に訪れた四軍調整官は「良き隣人であるため、良き市民であるため、できる限りのことをさせていただく」と述べ、再発防止を約束していた。それにもかかわらず再び犠牲者が出た。
 県内での米軍構成員による凶悪犯罪は日本復帰の1972年5月15日から2015年末までの約43年間で、574件発生し、741人が摘発されている。殺人が26件34人、強盗が394件548人、強姦(ごうかん)は129件147人、放火25件12人となっている。これらの犯罪は、沖縄基地が存在していなければ起きていなかった。県民は基地あるが故の犯罪にさらされ続けているのだ。
 事件を受けて会見した女性団体の代表らは「基地がなければ事件はなかった」と涙ながらに訴え、沖縄から全ての基地・軍隊を撤退させるよう求める要求書を日米両政府に送ることを表明した。多くの県民の気持ちを代弁している。
 翁長雄志知事は日米安全保障体制を容認する立場だ。しかし今回の事件を受け、全基地撤去を求める民意は広がりを見せている。安慶田副知事の発言は民意の高まりいかんでは翁長県政として全基地撤去を求める可能性を示したものだ。それだけ相次ぐ事件に危機感を抱いている証左だ。
 オバマ米大統領の広島訪問前に事件が起きたことに触れ、政府関係者が「本当に最悪のタイミング」と発言したことが一部で報じられた。事件そのものではなく、時期が最悪だとの認識だ。別の時期なら事件が起きてもよいのか。犠牲者の無念さに一片の思いも寄せられない冷酷な人間の発想だ。
 これ以上、言葉だけの再発防止策など聞きたくない。全基地撤去を求める声に、日米両政府は真剣に向き合うべきだ。
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沖縄タイムス 2016年5月22日 05:00
社説:[米軍属暴行殺害供述]再発防止策は破綻した


 父親は嗚咽(おえつ)しながら「遺影を見てください。娘を忘れないでください」と参列者に語り掛けた。
 母親は遺体が発見された後、沖縄の風習にならい、「落とした魂(マブイ)」を探しに恩納村の現場などを回り、手を合わせたという。
 「好きな人と心通わせ、今が一番楽しい時期だった、かけがえのない宝物」の一人娘を奪われた両親の心中は察するに余りある。
 うるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかった事件で、女性の葬儀・告別式が21日、実家のある名護市内で開かれた。家族や親族、高校時代のクラスメートら約800人が参列。葬斎場は深い悲しみと憤りに包まれた。
 死体遺棄容疑で逮捕された元米海兵隊員で軍属の男性は、県警捜査本部の調べに対し、「わいせつ目的で女性を探し暴行した」「殺害し、遺体をスーツケースに入れて運んだ」などと殺害と性的暴行を認める供述を始めている。
 「首を絞め、刃物で刺した」とも話しているようだ。事実とすれば、極めて残忍で凄惨(せいさん)な事件で言葉を失う。
 女性は午後8時ごろ、ウオーキングに出て事件に遭った。1995年の米兵による少女暴行事件は買い物帰りだった。今年3月、那覇市内のビジネスホテルで起きた米海軍兵による女性暴行事件は、安全なはずのホテルが犯行現場となった。
 沖縄では民間地域であっても安全ではない。女性はどのようにして自分の身を守ればいいというのか。
■    ■
 沖縄戦で米軍が離島や沖縄本島に上陸した直後の1945年3、4月からすでに各地の集落で女性が性的暴行に遭っていることがわかっている。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」などが掘り起こした事実である。
 復帰後、米兵による女性暴行事件は県警によると、昨年末までに129件に上る。「沈黙している」女性のことを考えると、氷山の一角であろう。
 米兵による少女暴行事件が起きた際、当時の米太平洋軍司令官が「(犯罪で使用した)レンタカーを借りる金で女を買えた」と発言して更迭された。軍隊が女性の人権をどう見ているかがあからさまだ。その延長線上に事件はあるのではないか。
 95年の県民総決起大会で決議したのは、米軍人の綱紀粛正と犯罪根絶、日米地位協定の見直し、基地の整理縮小-などだった。県民の要求はいまだ実現されていない。
■    ■
 在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官は3月の女性暴行事件で県庁を訪れ、「綱紀粛正」「再発防止」を約束した。あれから約2カ月。また謝罪である。
 米軍がらみの性犯罪でいったいどれだけの女性が犠牲になったのか。何度も再発防止策が講じられたにもかかわらず、被害が続いているのはその破綻を示すものだ。
 沖縄では基地が女性の人権を侵害する「暴力装置」のような存在になっている。「性暴力に脅かされないで当たり前に生きる権利」すら保障できないような政府はもはや政府とはいえない。
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愛媛新聞 2016年05月21日(土)
社説:沖縄の米軍属逮捕 基地負担の軽減は待ったなしだ


 米軍関係者による凶行が、またも繰り返された。沖縄県うるま市の女性会社員が先月から行方不明になっていた事件で、元海兵隊員の軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕された。殺害をほのめかす供述もしているという。
 沖縄の人々の怒り、悲しみ、不安に寄り添わねばなるまい。安倍晋三首相は、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて開く日米首脳会談で、オバマ大統領に厳正対応を求める意向だ。抜本対策は待ったなし。再発防止や綱紀粛正の要請にとどまらず、日米地位協定の改定や基地縮小など、沖縄の負担軽減に踏み込んでもらいたい。
 在日米軍人・軍属の法的地位を定めた地位協定は、「米側を守る内容」との批判がかねて根強い。日本側の捜査を阻む壁にもなっている。公務中と判断されれば第1次裁判権は原則として米側にあり、公務外でも先に米側が被疑者を拘束すれば、日本側が起訴するまで身柄を引き渡す義務がないためだ。
 1995年の少女暴行事件を契機に、殺人や強姦(ごうかん)といった凶悪犯罪に限り起訴前の引き渡しを認めるなど運用改善が図られたものの、協定自体はほぼ手つかず。いまだに米側の優越的地位は歴然と言わざるを得ない。
 今回は軍属の身柄がすでに日本側にあり、米側も全面協力を表明している。だからといって協定を維持する根拠にはならない。事件が起きるたび、米軍は夜間外出禁止令を出すなど対策を講じてきたが、実効性を欠くのは明らかだ。優越的地位が、軍人・軍属の犯罪が絶えない要因だとの専門家らの指摘を、重く受け止める必要がある。
 沖縄県内での米軍関係者による殺人や強盗などの凶悪犯罪は77年の69件がピークだった。95年以降も、2013年を除いて毎年1~7件発生している。減ったからといって、安心できるわけではもちろんない。
 今年3月には、那覇市内で米兵による女性暴行事件があったばかり。再発防止に向け日本政府や米軍、沖縄県が先月中旬に会合を開いた直後、今回の事件が起きた。安慶田光男副知事が「これまで通りの綱紀粛正では同じことの繰り返し」と断じたのは当然。小手先の対策でお茶を濁すことは許されないと、日米両政府は肝に銘じてほしい。
 在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄。県民の願いは基地負担の真の軽減にある。少女暴行事件の際は8万5千人(主催者発表)規模の総決起大会が開かれ、普天間飛行場(宜野湾市)の返還合意につながった。安倍政権は負担軽減を強調しながら、名護市辺野古への移設に固執する。県内移設では軽減にはならない。普天間と辺野古を切り離すよう改めて求める。
 軍属逮捕を受け、政権や関係省庁からは普天間問題やオバマ氏の広島訪問、参院選などへの悪影響を懸念する声が漏れ聞こえる。向き合う相手を間違ってはならない。今こそ、沖縄の声に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだ。
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徳島新聞 2016年5月21日付
社説:沖縄米軍属逮捕 過重な基地負担が問題だ


 米軍関係者による凶悪事件がまた起きた。
 沖縄県うるま市の会社員女性(20)の死体を遺棄した容疑で、米軍属の男(32)が逮捕された。男は殺害をほのめかす供述をしている。
 繰り返される犯罪に、沖縄の怒りが頂点に達したのは当然だろう。
 米軍は事件のたびに再発防止を図ってきたが、効果は上がっていない。改めて綱紀粛正の徹底と、兵士・軍属の教育強化を求めたい。
 沖縄県によると、米兵による殺人、強盗、強姦などの凶悪犯罪は、県内で毎年1~7件発生している。3月には那覇市で、女性観光客を暴行する事件があったばかりだ。
 翁長雄志知事は「痛恨の極みだ」と憤った。県民からは「人ごとじゃない」「基地がある限り、事件は起きる」との声が上がっている。
 沖縄には在日米軍専用施設の約74%が集中している。過重な基地負担が事件の背景にあるのは明らかだ。
 日米両政府は一部の基地返還に合意しているが、ほとんど実現していない。沖縄の負担軽減へ、両政府は真剣に取り組まなければならない。
 合意から20年になる普天間飛行場も、返還の見通しは立っていない。県民の反対にもかかわらず、名護市辺野古への移設を両政府が押し進めようとしているためだ。
 今回の事件で反発は一層強まろう。民意を踏まえ、県外・国外移設も視野に入れるべきではないか。
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高知新聞 2016.05.21 08:30
社説:【米軍属の逮捕】沖縄の悲劇防ぐ具体策を


 在日米軍専用施設の約74%が集中する「基地の島」で、また悲劇が起こった。
 沖縄県うるま市の女性会社員が行方不明だった事件で、米空軍の嘉手納基地内で働く米国人の軍属が死体遺棄容疑で逮捕された。殺害をほのめかす供述もしており、殺人容疑も視野に捜査が続いている。
 3月には、米兵による女性観光客暴行事件があったばかりだ。沖縄で繰り返される米軍関係者の重大犯罪は、過度な米軍基地の集中と無縁であるはずがない。
 政府には沖縄県民の生命と財産を守る責任がある。米側に再発防止を求めるだけでなく、当事者としての具体策が問われている。
 被害者は4月末、ウオーキング中に消息を絶った。日常のなかでなぜ突如、命を奪われなければならなかったのか。犯人の罪はいうまでもないが、事件が相次ぐ環境を見過ごすわけにはいかない。
 沖縄県によると2011年現在、沖縄県内には約2万6千人の軍人、約2千人の軍属がいる。
 米軍関係者による刑法犯は減少傾向にあるとはいえ、県民の反基地感情が高まるきっかけとなった1995年の少女暴行事件以降も、凶悪事件は度々発生している。酒気帯び運転を含めた交通事故が頻発する実態もある。
 米軍基地が集中するがゆえに、沖縄県民の日常の危険性が増している状況は否めまい。そして重大な事件が起こるたび、米軍は綱紀粛正をうたうものの、その効果が一時的にすぎないことは数々の事件で明らかといえる。
 軍属の逮捕を受け、政府はケネディ駐日米大使に捜査への協力や綱紀粛正、実効的な再発防止策の策定を要請した。抗議は当然としても、この内容ではいずれ悲劇が繰り返されるのではないかという不安を禁じ得ない。
 政府内では、普天間飛行場の辺野古移設計画への影響を懸念する声があるようだ。
 だが、沖縄の移設反対の世論は明確であり、相次ぐ事件や事故も根拠の一つとして指摘され続けてきた。その危険性があらためて顕在化しているのだから、反基地の声が高まるのも自然な流れだろう。
 辺野古移設を巡る訴訟の和解後も、政府は沖縄県との協議会で、移設が「唯一の解決策」と繰り返し、主張は平行線をたどっている。
 しかし、移設では県民が不安を覚えざるを得ない状況は変わらない。政府は不安の原因を直視し、根本的に負担を軽減できるよう、米国内を含めた「県外移設」などを真剣に検討すべきではないか。
 日米地位協定の問題もある。今回の事件は「公務外」の犯罪で日本側が逮捕できたが、「公務中」なら真相究明がさらに困難になった可能性がある。
 米軍関係者による犯罪への抑止力を高める意味でも、根本的な改定を米側に働き掛ける必要がある。
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=2016/05/22付 西日本新聞朝刊=
社説:米軍属逮捕 政府は沖縄とともに怒れ


2016年05月22日 10時38分
 いつまでこんな事件が続くのか。沖縄は怒りに震えている。
 沖縄県うるま市に住む20歳の女性が遺体で発見され、元米海兵隊員で軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕された。男は「わいせつ目的で女性を襲い、殺害した」という内容の供述をしているという。
 沖縄では1995年、米兵3人が小学生の女子児童を集団で暴行する事件が発生し、県民に衝撃を与えた。この時は全島で抗議運動が燃え上がり、普天間飛行場返還の日米合意につながった。
 だがその後も、米軍関係者による事件は後を絶たない。沖縄県によると95年以降、県内での米兵による殺人、強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪は、2013年を除いて毎年1~7件発生しているという。
 安倍晋三首相は事件を受け「徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」と語った。しかし、求めるだけでいいのか。
 これまでも事件が起きるたび、日本側は再発防止を求め、米軍は綱紀粛正を約束してきた。効果が上がらないのは証明済みだ。
 翁長雄志(おながたけし)知事は「基地があるがゆえに事件が起きてしまった」と強調した。米軍基地の集中それ自体が、県民の安全な生活を脅かしているという認識である。
 沖縄には全国の米軍専用施設の約74%が集中している。過重な基地負担の解消なしに、こうした犯罪の抜本的な改善は望めない。
 今回の事件は公務時間外で容疑者も基地の外に住んでいたため、日米地位協定は捜査の障害にはならなかった。しかし米軍人や軍属に刑事手続きでの特権を認める地位協定の存在が、犯罪の抑止力を弱めているとの指摘もある。
 前途ある女性の命が無残に奪われたのだ。政府はその理不尽さへの怒りを沖縄と共有してほしい。
 そして米軍関係者による犯罪防止の根本策として、沖縄の米軍基地の整理・縮小や地位協定の改定に向けて踏み出すべきだ。
 政府がこれまで通りの「再発防止要請」だけで事態を収拾しようとするのなら、「怒りが足りない」と言わざるを得ない。
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佐賀新聞 2016年05月21日 05時00分
論説:沖縄女性殺害 日米地位協定の見直しを


 希望に満ちていたはずの未来を奪われ、どれほど無念だっただろうか。20歳の女性会社員が沖縄で殺害された事件で、米軍属の米国人の男が逮捕された。
 米軍関係者による犯罪がまた起きた。1972年に沖縄が本土復帰して以来、米軍関係者による犯罪の検挙数は約6千件に及ぶ。それも、殺人や強姦(ごうかん)など凶悪な犯罪が後を絶たない。1995年の米兵3人による少女暴行事件をはじめ、殺人や強姦が相次ぎ、今年3月にも、海軍の水兵が女性観光客を自室に連れ込んで暴行する事件が起きたばかりだ。
 容疑者逮捕を受けて、岸田文雄外相はケネディ駐日米大使に抗議した。これまでも事件が起きるたび、米軍は謝罪し、再発防止を約束してきてはいた。
 だが、一向に改善される気配はない。なぜ、こうも繰り返されるのか。
 戦後の米統治下で整備された沖縄の米軍基地は、本土復帰後も整理や縮小が進んでいない。国土面積のわずか0・6%の沖縄県に在日米軍専用施設の約74%が集中している。
 翁長雄志知事が「基地があるがゆえに事件が起きてしまった」と憤りをあらわにしたが、基地撤廃を求める声が一層強まるのは当然だろう。
 日米の間には「日米地位協定」が横たわる。この協定では、米側が身柄の引き渡しに応じないケースを認めており、米軍による事件・事故について米側が報告する義務さえない。
 例えば、95年の少女暴行事件でも、米兵3人の身柄引き渡しに米軍は応じなかった。沖縄県民の強い反発を受けて、米軍が「好意的配慮を払う」と運用の一部を見直したが、果たしてこれで十分だろうか。
 今回の事件では、容疑者が公務中ではなかったため、日本の法律で裁かれることになる。今回に限って言えば、地位協定が直接、壁になったわけではない。
 だが、これほど米軍関係者が犯罪を安易に引き起こす根底には、ある種の“特権”意識があるのではないか。「基地に逃げ込めば何とかなる」などという考えを生み出す土壌に、現行の地位協定がつながってはいないだろうか。
 これまでも沖縄は地位協定の根本的な見直しを求めてきた。翁長知事は「日本政府が、当事者として対応できないことは県民がよく知っている」と述べたが、それでは困る。
 安倍晋三首相には、ぜひとも指導力を発揮してもらいたい。これまでのように米軍が再発防止を約束するだけではまったく足りない。実効性のある対策を引き出す必要がある。ここは地位協定の見直しにまで踏み込むべきだ。
 来週にはオバマ大統領が来日する。被爆地・広島の訪問も予定されており、日米の両国関係にとって大きな節目だ。日米同盟の重みを再確認するとともに、安倍首相とオバマ大統領には対等なパートナーとして率直に語り合ってもらいたい。基地問題に目を背けてはならない。
 沖縄の事件で狙われるのはいつも、女性ばかりだ。基地があるゆえに暴力にさらされ、命まで奪われる。こんな理不尽は、許されない。もう終わりにしてほしい。(古賀史生)
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熊本日日新聞 2016年05月22日
社説:沖縄の米軍属逮捕 抜本対策は基地の縮小だ


 沖縄で何の罪もない女性の命が奪われ、米軍関係者がまた逮捕された。繰り返される悲劇に県民の怒りは頂点に達している。
 4月末から行方不明になっていたうるま市の女性会社員(20)が遺体で見つかり、元米海兵隊員で米空軍嘉手納基地に勤務する軍属の男(32)が死体遺棄の疑いで逮捕された。男は「わいせつ目的で女性を狙い乱暴した」「殺害し遺体をスーツケースに入れて運んだ」と供述している。
 沖縄県民からは「米軍基地がある限り、事件は起こる」と基地撤廃を求める声が上がっている。当然の怒りである。
 沖縄県には在日米軍専用施設の約74%が集中し、米軍関係者による凶悪事件が後を絶たない。1995年には女子小学生が米兵に暴行される事件も起き、「県民総決起大会」で約8万5千人(主催者発表)が抗議の声を上げた。翌96年に日米両政府が普天間飛行場の返還に合意する原動力となった。
 安倍晋三首相は「非常に強い憤りを覚える。今後、徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」と述べたが、これまでも再三の再発防止の申し入れにも関わらず、こうした事件が繰り返されている。抜本的な対策には、沖縄の米軍基地の縮小を本気で進めるしかあるまい。
 在日米軍の軍人や、軍に直接雇用されている民間人の軍属が事件や事故を起こした場合、日米地位協定で日本側は任意捜査に頼らざるを得ないなど米側に大きな特権があり、不公平さへの批判も根強い。今回は「公務外」の事件のために、日本の刑事手続きに従って送検されるが、半ば放置されてきた地位協定の改定にも取り組むべきだろう。
 安倍首相は、26日から主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で訪日するオバマ米大統領に直接、厳正対応を求める意向を固めた。だが、それだけでは不十分だ。首脳会談で日米両政府が米軍基地の縮小に向けて固い決意で取り組むよう協議すべきだ。
 政府はオバマ氏の広島訪問で、日米の歴史的和解と同盟関係を演出し、参院選への弾みとするシナリオを描いていた。広島訪問への影響を心配する声もあるようだが、一過性の対応では沖縄県民の怒りを鎮めることはできまい。
 基地問題で政府は、普天間飛行場の返還に代わり、名護市辺野古への新たな基地建設工事を進めている。しかしこれが「負担軽減にはつながらない」と県民の強い反発を受けている。政府が今回の事件で毅然[きぜん]とした対応を取らなければ、沖縄の反基地運動の対象は普天間飛行場にとどまらず米軍基地全体に広がるだろう。
 日米同盟は日本の安全保障政策の基本だが、事件は同盟の基礎となる信頼関係を根底から損なうものである。首相は23日に沖縄県の翁長雄志知事と会談する。しっかりと沖縄の声を受け止め、責任を持って米側との交渉に当たってもらいたい。沖縄の負担軽減を求める政府の本気度が問われる。
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宮崎日日新聞 2016年5月21日
社説:沖縄の元米兵逮捕
◆防止には基地縮小しかない◆


 怒り、悔しさが込み上げてくる。またもや沖縄の女性が犠牲になった。本人や家族の無念はいかばかりか。沖縄の人々の憤りや悲しみはいかばかりか。
 沖縄県うるま市の会社員女性(20)の行方不明事件で、元海兵隊員で空軍基地で働く米軍属の男(32)が死体遺棄容疑で逮捕された。安倍晋三首相は「徹底的な再発防止など厳正な対応を米国側に求めたい」と述べたが、米軍絡みの事件は繰り返されている。「再発防止策」の徹底などで済む話ではない。抜本的な対策には沖縄の米軍基地の縮小を本気で進めるしかない。
住民は常に身の危険
 1995年、女子小学生が米兵に暴行された事件を忘れることはできない。沖縄では反基地の怒りが噴き出し、「県民総決起大会」に約8万5千人(主催者発表)が集まり抗議の声を上げた。
 それ以降も米兵が絡む事件や事故は絶えず、そのたびに米軍は夜間外出を禁止するなど綱紀粛正を図ってきた。
 しかし事件はなくならない。沖縄県によると米兵による殺人、強盗、強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪は95年以降も毎年数件発生。今年3月にも女性観光客が那覇市内で暴行される事件が起きている。
 翁長雄志知事が「基地があるがゆえに事件が起きてしまった」と述べたのは当然だ。
 在日米軍の専用施設・区域の約74%が集中する沖縄。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代共同代表は「沖縄の人々が日常を過ごしているところに、暴力が起き続ける」と語ったが、この指摘は重い。沖縄の人々にこのような思いを背負わせたままでいいのか。いいはずがない。
 「同じ女性として怖いし悔しい」「あらためて、何をされるか分からないとの思いを強くした」。同県内の女性たちの声だ。
 政府は常に身の危険を感じなければならない住民の恐怖心を、しっかりくみ取るべきだ。
拡大する抗議の動き
 抗議行動は同県内、さらに東京にも広がっている。
 95年の「総決起大会」に象徴される抗議行動は、日米両政府による96年の普天間飛行場(宜野湾市)の返還合意につながった。
 だが同飛行場は返還されず、名護市辺野古で新たな移設基地の建設工事が進められている。今回、菅義偉官房長官は「沖縄の負担軽減に全力で取り組んでいく」と述べたが、軽減は進んでいない。
 オバマ米大統領が26日から主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のため来日し、日米首脳会談が行われる。日米両政府は事件について話し合い、米軍基地の縮小、県民の負担軽減に向け固い決意で取り組むよう協議すべきだ。
 日米同盟は日本の安全保障政策の基本となっているが、事件は同盟の基礎となる信頼関係を損なうものだ。信頼関係の持てない同盟関係はあり得ず、日本は毅然(きぜん)とした態度を示さなければならない。
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南日本新聞 ( 2016/5/21 付 )
社説: [沖縄米軍属逮捕] 基地あるゆえの悲劇だ


 基地があるゆえの悲劇はいつまで続くのか。強い憤りを覚える。
 沖縄県うるま市の20歳の女性が遺体で見つかった事件で、元海兵隊員で軍属の男が死体遺棄容疑で沖縄県警に逮捕された。女性は4月末から行方不明になっていた。
 男は女性の殺害をほのめかす供述もしており、沖縄県警は殺人容疑でも調べる方針だ。事件解明へ徹底した捜査を求めたい。
 国土の0.6%しかない面積に在日米軍の専用施設・区域の約74%が集中する沖縄県では、軍人や軍属など米軍関係者による凶悪犯罪が後を絶たない。
 県民や議会は、そのたびに日米両政府に再発防止策を強く求めてきたものの、有効な手立ては講じられていないのが実情である。今度こそ、日米両政府は実効性のある対策を打ち出すべきだ。
 沖縄県基地対策課によると、1972年の本土復帰以降、米軍関係者がかかわった犯罪の検挙件数は2015年末までに5896件に上る。うち殺人などの凶悪事件は574件を占める。
 95年に起きた米兵による少女暴行事件は、反基地の大きなうねりとなり、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の返還合意につながった。
 しかし、普天間飛行場は20年たっても返還に至っていない。政府は、沖縄県民の反対が強い名護市辺野古への移設工事の方針を変えないままだ。
 事件が、普天間飛行場の移設計画や、オバマ米大統領の広島訪問に影響を及ぼす可能性もある。
 オバマ氏の広島訪問で安倍政権は、日米の歴史的和解と強固な同盟関係を演出し、参院選の弾みとする考えだ。しかし、シナリオ通りにはいくまい。安倍晋三首相はオバマ氏に強く抗議し、基地の整理縮小に向けた協議につなげるべきである。
 沖縄県民には再発防止を求めても、米軍基地がある限り事件は繰り返されるとの思いは強い。日米両政府は基地問題に本気で取り組まなければならない。
 沖縄県民の怒りを増幅させている要因には、在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定もある。
 少女暴行事件当時、地位協定を盾に米兵の起訴前の身柄引き渡しを拒否し、反発が広がったのは多くの人の記憶に残る。
 日米両政府は凶悪事件に限り、米側が起訴前の身柄引き渡しに「好意的考慮を払う」という形で運用改善を図ってきた。だが、抜本改正は見送られたままだ。今回は身柄が日本側にあるが、協定の改定を求める議論も再燃しよう。
 日本政府には毅然(きぜん)とした対応が求められる。
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