2016-05-25(Wed)

リニア新幹線訴訟 安全にも環境にも疑念深まる

納得えるまで対話を 「新幹線鉄道整備法」と「アセス法

----リニアがもたらすのはメリットばかりではない。
品川―名古屋間の86%をトンネルが占め、沿線では環境への影響を懸念する声が相次ぐ。

----リニアに意義があるとしても、沿線に不利益を甘受させてはならない。
JR東海は住民の納得を得られる対話をしてきたか。改めて問い直すべきだ。


----工事で東京ドーム46個分、5680万立方メートルの残土が生じる。----静岡県で明らかにされた残土置き場の候補地は南アルプスの山中にあり、生態系や景観に悪影響を及ぼしたり、土砂災害の原因になったりするのでは、との不安が強い。
----トンネルを掘る工事が地下水脈を変化させ、川の流量が減る恐れも指摘されている。

----公費が投入されないため、国会でも計画の問題点がほとんど議論されないまま、国は認可した。
型通りの手続きを踏んできたのに、懸念の声があがるのはなぜか。JRも国もそのことを重く受け止めるべきだ。
 
---着工が間近に迫ってきた地域でも、不安がいまだに大きい。-----長野県大鹿村では、残土を運ぶダンプカーが1日1300台超も通る見込み。南木曽町は環境保全に関する協定締結を要請したが、JRは難色を示している。沿線の願いは切実だ。十分な合意がないまま、工事を急ぐことがあってはならない。
(朝日新聞)


----深刻なのは、地震への対応をはじめリニア運行の安全性に大きな疑問があることです。
リニア建設ルートには糸魚川―静岡構造線など日本でも有数の活断層が多く存在しています。

JR東海は、活断層の通過は「短い距離」にするなどと説明しますが、不安はぬぐえません。

時速500キロという超高速走行中に、断層が大きくずれる巨大地震に直撃されたらどうなるのか。かりに「安全停止」しても、1000人もの乗客をどう地上まで避難させるのか。

いまも活動が収まらない熊本地震の状態をみても、活断層がもたらす危険をいささかも軽視することはできません。
(しんぶん赤旗)


朝日新聞)リニア提訴 納得えるまで対話を(5/23)
しんぶん赤旗)リニア新幹線訴訟  安全にも環境にも疑念深まる(5/24)
------------------------------------
Y!ニュース(まさのあつこ) ●738人がリニア計画を提訴:
裁判所は国会は「新幹線鉄道整備法」と「アセス法」に未来をもたらすか?(5/21)





以下引用



朝日新聞 2016年5月23日05時00分
(社説)リニア提訴 納得えるまで対話を


 東京・品川―名古屋間で27年の開業を目指すJR東海リニア中央新幹線計画の是非が、司法の場で争われることになった。沿線の住民ら738人が国の認可の取り消しを求め、先週末、東京地裁に提訴した。
 リニアは45年までに大阪へ延伸され、東海道新幹線に次ぐ大動脈になる予定だ。JRは3大都市を1時間強で結ぶ社会的意義を強調し、国や経済界、沿線都府県も後押ししてきた。
 ただ、リニアがもたらすのはメリットばかりではない。品川―名古屋間の86%をトンネルが占め、沿線では環境への影響を懸念する声が相次ぐ。
 裁判には、リニアの路線が通るだけの山間部の住民が多く加わった。
 リニアに意義があるとしても、沿線に不利益を甘受させてはならない。JR東海は住民の納得を得られる対話をしてきたか。改めて問い直すべきだ。
 沿線の住民側が問題視している点は多岐にわたる。
 工事で東京ドーム46個分、5680万立方メートルの残土が生じる。JRは主に公共事業で再利用してもらう方針だが、大半はまだ調整中だ。静岡県で明らかにされた残土置き場の候補地は南アルプスの山中にあり、生態系や景観に悪影響を及ぼしたり、土砂災害の原因になったりするのでは、との不安が強い。
 トンネルを掘る工事が地下水脈を変化させ、川の流量が減る恐れも指摘されている。
 これらはいずれも11~14年に実施された環境影響評価でも問題になった。JRは「適切な対策をとる」と繰り返してきたが、残土の再利用先といった肝心な回答は先送りし、計画の修正にもほとんど応じていない。
 リニア中央新幹線は整備新幹線と同じ法律に基づいて建設されるが、JR東海が経費を全額負担する民間事業だ。公費が投入されないため、国会でも計画の問題点がほとんど議論されないまま、国は認可した。
 型通りの手続きを踏んできたのに、懸念の声があがるのはなぜか。JRも国もそのことを重く受け止めるべきだ。
 着工が間近に迫ってきた地域でも、不安がいまだに大きい。全長25キロのトンネルの起点になる長野県大鹿村(おおしかむら)では、残土を運ぶダンプカーが1日1300台超も通る見込みで、村は着工前に道路を改良するよう求めている。同県南木曽町(なぎそまち)は環境保全に関する協定締結を要請したが、JRは難色を示している。
 沿線の願いは切実だ。十分な合意がないまま、工事を急ぐことがあってはならない。
ページのトップへ戻る



しんぶん赤旗 2016年5月24日(火)
主張:リニア新幹線訴訟  安全にも環境にも疑念深まる


 JR東海が2027年開業をめざし一部で着工しているリニア中央新幹線事業(東京・品川―名古屋)にたいし、700人を超える市民が国に事業の認可取り消しを求める訴訟を先週起こしました。リニア事業の中止を求める裁判は初めてです。自然環境や沿線住民の平穏な生活が壊されることや、大半を地下深く超高速で走行することの安全性や防災対策などについて国民が疑念と不信を抱き続けていることを浮き彫りにしています。JR東海と政府は「建設ありき」の推進姿勢をあらため、国民の声に耳を傾けるべきです。
活断層横切る不安高まり
 リニア中央新幹線事業は、JR東海が建設主体となり、27年に品川―名古屋で先行開業させ45年に大阪まで延伸させる計画です。沿線住民などから不安や疑問が出され、環境省も「環境影響は枚挙にいとまがない」と見直しを求める意見書を出しています。国土交通省は14年に事業を認可し、JR東海は品川や名古屋の駅整備や、南アルプスのトンネル工事の準備、用地買収などに着手しています。
 しかし、疑問や不安はなんら解消されていません。品川―名古屋ルートの86%を地下トンネルで貫く工事によって大量発生する残土の処分先が決まっていないこと、大規模工事の期間中多くの車両が行き交うことによる環境破壊などについて、沿線7都県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)の住民や自治体などが多岐にわたる問題を具体的に指摘していますが、JR東海も政府も、まともに答える姿勢がありません。
 深刻なのは、地震への対応をはじめリニア運行の安全性に大きな疑問があることです。リニア建設ルートには糸魚川―静岡構造線など日本でも有数の活断層が多く存在しています。JR東海は、活断層の通過は「短い距離」にするなどと説明しますが、不安はぬぐえません。時速500キロという超高速走行中に、断層が大きくずれる巨大地震に直撃されたらどうなるのか。かりに「安全停止」しても、1000人もの乗客をどう地上まで避難させるのか。いまも活動が収まらない熊本地震の状態をみても、活断層がもたらす危険をいささかも軽視することはできません。
 JR東海は、リニア建設の理由の一つに東海道新幹線が南海トラフ巨大地震などで寸断された際の「う回路」をあげますが、新幹線とほぼ並走するリニアが地震で無傷ですむのか。説得力はありません。
 むしろリニア建設や残土処理によって南アルプスなど地形が大きく変わり、災害を拡大させる危険を警告する研究者も少なくありません。「災害に強い国土づくり」にも逆行しかねない無謀なリニア建設に道理はありません。リニアに9兆円の巨費を投じるのでなく、既存の新幹線などが巨大地震に耐えるかどうかの徹底的な点検と耐震補強こそ最優先の課題です。
中止の声を受けとめよ
 岐阜ではウラン鉱床近くにトンネルを掘ることに不安が広がっています。静岡では水脈の変化による水枯れが心配されています。
 人口減少社会のなかでリニアが経営的に成り立つのかという疑問も消えていません。このままの推進は将来に重大な禍根を残します。本格着工前の今なら間に合います。住民の声を受けとめ、政府は見直し・中止を検討すべきです。
ページのトップへ戻る
*********************



Y!ニュース(まさのあつこ) -2016年5月21日 13時6分配信
●738人がリニア計画を提訴:
裁判所は国会は「新幹線鉄道整備法」と「アセス法」に未来をもたらすか?


http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20160521-00057917/
*住民参加規定なしの全国新幹線鉄道整備法
*諸外国の流れに追いつかなかった環境アセスメント法
*争点は?原告適格は?
*既報 『環境団体訴訟』を認められていない国がほとんどない!
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20160521-00057917/
738人がリニア計画を提訴:裁判所は国会は「新幹線鉄道整備法」と「アセス法」に未来をもたらすか?まさのあつこ | ジャーナリスト

リニア提訴後に議員会館で集会を行った原告・弁護団ら(2016年5月20日)
東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知県の「リニア中央新幹線」沿線の原告738名(原告団長:川村晃生・慶応大学名誉教授)が、国土交通大臣の許可取消を求めて、東京地裁に提訴した。
大臣の許可とは、JR東海が2027年に開業予定のリニア中央新幹線の東京・名古屋間の「工事実施計画」に対し、2014年10月17日に出たものだ。全国新幹線鉄道整備法(全幹法)9条1項に基づいていている。
住民参加規定なしの全国新幹線鉄道整備法
全幹法は、1970年に制定され、「基本計画」→「建設線の調査の指示」→「営業主体及び建設主体の指名」→「整備計画」→「建設線の建設の指示」→「工事実施計画」と、塾度を上げながら計画を具体化させる法律だが、その間、一度たりとも「住民参加」の義務付けがない。国と事業者間のキャッチボールで進められる。
原告等は品川駅で提訴の始まりを訴えた(2016年5月20日、筆者撮影)
諸外国では1960年代からこうした事業の計画段階で「住民参加」を義務付け、環境影響評価手続を通し、自然環境の他、社会、文化、地域経済などへの影響を予測し、それらの影響を回避、軽減、代償措置を不可欠なものとすべく、制度改善を行ってきた。
日本はあらゆる公共事業計画にこうした「住民参加」規定を盛り込むのが遅れたか、手つかずだが、全幹法は後者「手つかず」の一つである。
諸外国の流れに追いつかなかった環境アセスメント法
影響評価制度については、諸外国ではその制度の効果について批判を受けて、より早期段階で住民参加をさせるべく改善し続けてきたが、日本では諸外国にほぼ約40年遅れで1997年に法定化された。「環境アセスメント法」である。だが、事業計画が具体化し、後戻りが困難な段階となって影響評価を行うもので、諸外国の動向を汲んでいない制度としての誕生だった。
今回の取消訴訟は、そもそもの根拠法が国際的な潮流からはずれた、住民の視点が弱いもので、いわば「武器不対等」な中で、輸送の安全性、工事の安全性、環境影響評価法違反を問う容易ではない法廷闘争となる。
弁護団の共同代表の1人、関島保雄弁護士は「提訴は第一歩だが、今後、多くの学者の協力が必要だ」と提訴後の集会で呼びかけた。
争点は?原告適格は?
5月20日に原告が東京地裁に提出した訴状によれば、738名の原告には、大きくわけて4つの立場がある。
品川駅前の雑踏で「リニア訴訟が始まりました!」と知らせる原告ら(2016年5月20日、筆者撮影)
(1)リニア中央新幹線の乗客になる可能性が高く、輸送の安全を求める法律上の利益がある。
(2)ユネスコのエコパークに選ばれた南アルプスの良好な自然環境を享受する法律上の利益を有する。
(3)工事予定地に土地、建物、地上権、立木などを有し、工事によりそれらの権利が侵害される。
(4)工事や工事関係車両の運行により、騒音・振動・大気汚染、飲料水源喪失、水源汚染等々、健康または生活環境に著しい被害を受けるおそれがある。
今後の裁判では、提訴の根拠はもちろん、こうした原告となる資格(原告適格)があるかどうかも含めて、裁判所が判断することとなる。
環境を守るための裁判は、以下で既報したように、日本は制度自体が諸外国に遅れをとっている。
既報 『環境団体訴訟』を認められていない国がほとんどない!
(1)大久保規子教授指摘
(2)裁判官が国際会議へ
裁判の動向に注視すると同時に、国会での「立法」による取り組みも不可欠ではないか。未来を切り開く裁判となることに期待したい。

まさのあつこジャーナリスト
ジャーナリスト。1993~1994年にラテン諸国放浪中に日本社会の脆弱さに目を向け、帰国後に奮起。衆議院議員の政策担当秘書等を経て、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。著書に「四大公害病-水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市公害」(中公新書、2013年)、「水資源開発促進法 立法と公共事業」(築地書館、2012年)など。
ページのトップへ戻る

//////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : リニア 新幹線 訴訟 安全 環境 新幹線鉄道整備法 JR東海 アセス法 環境影響評価 国交省

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン