2016-06-23(Thu)

2016参院選 憲法 安保法制 アベノミクス 原発

安保法制--戦後の「岐路」忘れるな アベノミクス--「道半ば」か「失敗」なのか

<各紙社説>
朝日新聞)参院選 安保法制 誤った軌道を正せ(6/23)
毎日新聞)参院選スタート 党首討論会は何度でも(6/23)
日本経済新聞)ツケ回しせず経済再生の道筋示せ(16年参院選 政策を問う) (6/23)
東京新聞)参院選 党首第一声 福島でなぜ原発語らぬ(6/23)
河北新報)‘16参院選 アベノミクス/「道半ば」か「失敗」なのか(6/23)
中国新聞)‘16参院選 第一声と憲法 踏み込んだ議論求める(6/23)
中国新聞)‘16参院選 安保法制 戦後の「岐路」忘れるな(6/22)
中国新聞)‘16参院選 アベノミクス 現実を直視した論戦を(6/21)




以下引用



朝日新聞 2016年6月23日(木)付
社説:参院選 安保法制 誤った軌道を正せ


 この参院選は、昨秋の安全保障関連法成立後、初めて全国規模で民意が示される機会だ。
 安保法は、集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更で認め、兵站(へいたん)(後方支援)など自衛隊の他国軍支援を地球規模に広げた。憲法9条の縛りは緩み、法制は違憲の疑いが濃い。
 10本の法改正と1本の新法を一括し、わずか1国会で強行成立させた安倍政権の強引な手法も忘れることはできない。
 安保政策は、憲法が権力をしばる立憲主義と、幅広い国民の理解のうえに立つことが大前提だ。それを軽視した安倍政権のやり方は、時間が経過したからと容認されるものではない。
 いまからでも遅くない。「違憲」の法律は正す必要がある。長期的にみればそれが立憲主義を立て直し、日本の安全保障の土台を固めることになる。
 もう一つの選択肢は用意された。民進、共産、社民、生活の野党4党は市民連合とともに、安保法の廃止と集団的自衛権の行使を認めた閣議決定の撤回を共通政策に掲げている。
 民進党の岡田代表は、参院選の党首討論会などで「安保法ができる前の状態に戻す。そのことで日米同盟がおかしくなることはない」と述べている。
 これに対し、安倍首相は安保法を廃止すれば「日米の同盟の絆は毀損(きそん)される」と批判している。確かに、安保法は国内法ではあっても、一種の対米約束の色彩を帯びている。
 問題は、そうした傾向を必要以上に強めたのは誰だったか、ということである。
 安倍首相は、安保法案の国会審議が始まる前の昨年春に訪米し、米議会での演説で「夏までに成就させる」と約束した。
 ケリー米国務長官は、その2日前の記者会見で「日本は自国の領土だけでなく、米国やパートナー国も防衛できるようになる」と期待を語っていた。
 安保法を白紙に戻せば、米側の期待には背くことになろう。だがその責任は、「違憲」の法制を強引に成立させた安倍政権が負わねばならない。
 仮に一時的な混乱があったとしても、憲法9条のもとで海外での武力行使を禁じる原則に立ち返り、そこから日本の外交・安保政策を構想すべきだ。
 安倍政権は、今春の法施行後も、南スーダンPKOに派遣している自衛隊への「駆けつけ警護」任務の追加などを先送りしている。参院選への影響を考えてのことだ。
 選挙後、安保法は本格的に動き始める。誤った軌道は正さなければならない。
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毎日新聞2016年6月23日 東京朝刊
社説:参院選スタート 党首討論会は何度でも


 3年半の安倍晋三政権をどう評価するか。憲法改正や安全保障の問題をどう考えるのか。さまざまな課題が問われる参院選が公示され、7月10日の投開票日に向けて選挙戦がスタートした。
 有権者は各党党首の第一声をどう聞いただろう。投票する際の判断に十分、役立っただろうか。
 例えば安倍首相は「アベノミクスは道半ば。力強く前に進める」と成果を強調すると同時に、民進、共産両党の選挙協力を「無責任」と批判した。一方、民進党の岡田克也代表は「安倍政治の暴走を止め、政治の流れを変える」とアピールした。
 選挙演説は自ら訴えたい話を一方的に語るのが常だ。ただし、これだけでは議論は深まらない。
 しかも、再三指摘してきたように特定秘密保護法や安全保障関連法など、選挙戦では安倍首相がほとんど語らず、選挙で勝てばすべての政策が支持されたとばかりに政権が成立に突き進む姿を私たちは見てきた。
 今回も安倍首相が街頭演説などで憲法改正について語る機会は少ないと思われる。だが結果によっては改憲の行方に直結する選挙だ。むしろ政党や候補者が語ろうとしないテーマこそ重要だというべきだろう。
 「語られない話」を有権者に分かりやすく伝えていくのが、新聞をはじめメディアの役目である。党首に対する新聞のインタビューや焦点を掘り下げる記事、テレビやネットの番組で党首同士が議論する討論会などが、その方法の一つだ。
 気になる動きがある。従来、テレビでの党首同士による討論番組は公示後に組まれることが多かったが、今回は大半が公示前に終了し、公示後は1番組のみ。来週以降は開かれる予定はないという。
 21日のテレビ朝日の党首討論番組では、司会者が終了間際、再度討論するために安倍首相に再出演を要請したところ、首相は「菅直人政権の時(2010年の参院選)より回数が多い」などを理由に断った。
 これに対して民進党など野党4党は既に先週、公示後も党首討論会を積極的に開催するよう自民党に求めている。公示後の番組が減ったのは自民党の意向だというのが野党側の主張だ。
 仮に野党の指摘通りだとすれば、安倍首相や自民党は投票日が近づく中での討論を避けたがっていると思われても仕方がないだろう。
 首相の言うように遊説日程が詰まっているのは事実だろう。だが有権者は一方的な主張だけでなく、より深い政策論争を聞きたいはずだ。テレビに限らず討論の場は多いほどいいし、公示になった途端に議論が乏しくなるというのでは本末転倒だ。自民党も再考したらどうか。
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日本経済新聞 2016/6/23付
社説:ツケ回しせず経済再生の道筋示せ(16年参院選 政策を問う)


 来春の消費税増税はしない。社会保障はできるだけ充実する。最低賃金は1000円に引き上げる。与野党の参院選公約にはともに聞こえのいい言葉が並ぶが、これでは有権者が知りたい疑問に答えていない。成長低迷をどう克服し傷んだ財政をどう立て直すのか。道筋をきちんと語るべきだ。
空回りの「成長と分配」
 安倍晋三首相が3年半にわたって進めた経済政策、アベノミクスの中間評価が選挙戦の焦点だ。
 自民と公明の連立与党は雇用や企業収益、税収が改善した実績を誇示する一方、アベノミクスは道半ばだと路線継続を訴える。民進党など野党はアベノミクスは失敗だと断じ、路線転換を求める。
 有権者は過去の実績より今後の政策の良しあしを見極めたい。ところが各党の公約は説得力を欠き、優劣を比べようがない。
 与党は「成長と分配の好循環」を掲げる。経済拡大で得た成果を社会保障で分配し、さらに成長につなげるという。保育や介護の受け皿を広げ、サービス従事者の処遇改善に取り組むと指摘する。
 最大野党の民進党は「分配と成長の両立」をうたう。幼稚園や保育園など教育関連の負担軽減策を「人への投資」として強化し、潜在力を高めるという。
 日本の潜在成長率は0.5%程度ときわめて低い水準にとどまる。成長のテコ入れは欠かせない。企業業績の改善に比べて賃金の上昇は遅れている。予算措置で家計を潤す分配策を前面に出すのも、政治的には自然な判断だろう。
 だが、双方の主張は成長と分配という2つの言葉をもてあそぶだけで、空回りしている。分配の財源は不明確で、バラマキ策の競い合いになる懸念すらある。
 与党はこれまでの所得・法人税の自然増収をアベノミクスの果実として財源にする考えだが、景気変動に左右される収入を社会保障の恒久的な政策に充てるのは疑問だ。民進党は社会保障充実の財源を当面、赤字国債の増発で賄うというが、これも論外である。
 成長の底上げをどんな施策で実現するかも鮮明でない。イノベーションや人工知能(AI)、観光需要といった言葉は躍るが、既得権益と衝突するような構造改革や規制改革には言及を避けている。
 与野党はともに働き方改革と「同一労働同一賃金」の達成を強調する。少子高齢化が進むなか、女性や高齢者ら幅広い人材が有効に働けるようにするのは正しい。
 改革実行のスピードと深さが問題となる。自民党は「外国人労働者が適切に働ける制度」を限定的に整える方針を政策集に記した。労働力人口の減少の激しさを考えればもっと意欲的でいい。
 不人気な消費増税を先送りしたことで、日本の財政や社会保障の将来は一段と厳しくなる。与野党は2020年度に基礎的財政収支を黒字に転換する財政健全化の目標達成を明言する。本当に実現可能なのか。
 与党の自民・公明両党は消費税率を10%に引き上げる時期を19年10月と2年半ずらし、同時に食料品に軽減税率を導入すると明記した。民進党が公約に記した増税時期は19年4月と半年早いが、財政健全化の厳しさは変わらない。
痛みから逃げず改革を
 増税を来年4月に実施したとしても、日本経済が名目3%を超す高い成長の前提で、20年度の目標達成に6兆円余りの収支改善がいる。環境はさらに悪化した。
 増税による追加収入で社会保障を充実する「社会保障と税の一体改革」は挫折した。社会保障の負担と給付のバランスが崩れた状態は長期化する。これ以上の財政悪化を食い止めるには、給付の制限など痛みを伴う改革から逃げることはできない。
 25年度ごろには団塊の世代全員が75歳以上になる超高齢化の時代が訪れる。社会保障の構造を大胆に変えなければ医療や介護の支出が急膨張し、そのときの勤労世代を苦しめるのは明らかだ。
 脱デフレのためマイナス金利を導入し発行残高の3分の1を超す国債を買う日銀の金融緩和は、皮肉にも財政の厳しさを覆い隠し政治の甘えを招いている。
 初めて18歳から投票できる今回の参院選は、将来世代に無責任なツケを残さない政治の覚悟が問われる。現在の世代の反発を恐れて難題を封印している与野党だか、もうごまかしは許されない。
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東京新聞 2016年6月23日
【社説】参院選 党首第一声 福島でなぜ原発語らぬ


 国政選挙の公示日に、福島県内で第一声を発する党首がとうとういなくなった。過酷な事故を忘れてしまったのか。原発を語り続けることは政治の責任である。
 参院選が公示され、七月十日の投開票日まで十八日間の選挙戦が始まった。各党首は第一声をどこで発し、何を語るのか。有権者に向けた重要なメッセージである。
 自民党の安倍晋三総裁(首相)は熊本市の熊本城内にある加藤神社を第一声の地に選んだ。熊本地震で屋根瓦が崩れ落ちた天守閣を背景に、安倍氏は「熊本の復興に対する私たちの強い意志を全国に発信しようと考えた」と、熊本を選んだ理由を強調した。
 安倍氏は二〇一二年の総裁就任後、三回の国政選挙で、東日本大震災と原発事故の被災地である福島県を第一声の地に選んできた。
 今回は熊本だったが、午後には福島県に入った。災害からの復興や危機管理を重視する自民党を売り込む選挙戦術なのだろう。
 国民の命と暮らしを守るのは政治の崇高な使命だ。復興に取り組む決意を被災地から発する意義は理解する。しかし、安倍氏は福島県郡山市での街頭演説で原発に全く触れず、政権は事故などなかったかのように原発の再稼働や輸出を進める。あまりにも不誠実だ。
 民進党の岡田克也代表が第一声を上げたのは甲府市。野党統一候補と自民党候補の激戦が予想される山梨県選挙区で「分配と成長を両立させる政策こそ、本当の経済政策だ」と、成長重視の経済政策「アベノミクス」を批判した。
 私たちの暮らしにかかわる経済政策や社会保障はもちろん重要な争点だ。安全保障政策も日本の針路を大きく左右する。与党と「改憲派」に三分の二以上の議席を与えれば、憲法改正に道を開くかもしれない。激戦区をてこ入れする意義は分からなくはない。
 とはいえ、今回はなぜ第一声が福島でなかったのか。岡田氏は二十四日に福島県入りするが、大震災後の国政選挙で、前身の民主党代表は必ず公示日に福島県入りしており、気にはなる。
 各党事情はあるにせよ、福島を第一声の地に選ぶ党首は年を追うごとに少なくなっているのが実情だ。大震災・原発事故から五年がたつが、福島ではいまだ九万人以上が避難生活を余儀なくされ、復興や廃炉作業も道半ばだ。
 福島を忘れず、原発事故の教訓を政策に生かす。「災後」のかじ取りを担う政治家の責任である。
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河北新報 2016年06月23日木曜日
社説:’16参院選 アベノミクス/「道半ば」か「失敗」なのか


 首相は税収や雇用の面での成果を強調する。しかし、どの世論調査でも、半数を超す人が景気回復の実感を持てないままでいる。この隔絶が意味するものは何なのか。そのことを問う機会である。
 参院選が、きのう公示された。争点として真っ先に挙がるのは、安倍政権の経済政策「アベノミクス」である。
 政権発足から3年半がたつというのに、首相は今なお「道半ばだ」と言う。対する野党は「失敗だ」と批判する。政権と国民との間にある隔絶は、どちらに起因するのか。
 参院選は政権を争う選挙ではないとはいえ、政策に関しては、継続を「是」とするのか、それとも「否」とし、野党の対案を支持する形で転換・修正を求めるのか、が問われていると言える。
 与野党の主張に聞き耳を立てて、1票を行使したい。
 アベノミクスの成果なるものを、まずは見ていきたい。
 首相は、この4年で国と地方の税収が計21兆円も増えたと誇る。だが、消費税の8%増税分を除いたその税収水準はリーマン・ショック前とほぼ同じ。どん底の状態から持ち直してきたにすぎない。
 税収が増えたのは、大企業の好業績によるところが大きく、それをもたらしたのは大規模金融緩和による円安だ。
 だが、世界経済が混迷すれば、円安は反転し消費税増税を再延期せざるを得ない状況に陥る。このことは、金融緩和・円安頼みで外的ショックに弱いアベノミクスのもろさを露呈させた。今後も税収が伸びる保証はないのだ。
 一方で税収増を強調されればされるほど、実質賃金が5年連続して減少したその懐具合との違いに、家計は「なぜ」との疑問が膨らむ。
 有効求人倍率は24年ぶりの高水準だ、と首相が胸を張る雇用にしても、企業にとっては人手不足であり人材確保のため、賃金が跳ね上がっても不思議はない。だが、それほどの上昇は見られない。
 「成果は出ている」と言うなら、なぜ、目に見えた所得増につながらないのか。納得できる説明が要る。
 聞きたいのは「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」という危険で曖昧な言葉ではなく、いつになったらどの程度所得が向上するのか、その道筋である。そうした説明がなければ、「道半ば」は単なる言い訳にすぎまい。
 アベノミクスについて野党は、大企業・富裕層を優遇し格差や貧困を拡大、消費は低迷し成長率はむしろ鈍化したとして、失敗と結論づける。
 格差の是正に向け、大企業や富裕層に負担を求め再分配するとの考えについては理解できる。ただ、各野党の公約とその財源は見定めがたい。
 「人への投資」を第一に据え、給付型奨学金の創設を掲げる民進党にしても、給付対象となるのはどんな家庭の子どもで、必要な財源はどの程度なのかが分からない。
 同じ事業は与党の公約にもある。何が違うのか。財源を含む公約の「訴求力」をもっと高めねばならない。
 今参院選でも首相は「この道」しかないと言い募る。批判を越え今度こそ「別の道」を示す責任が、野党にはある。
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中国新聞 2016/6/23
社説:'16参院選 第一声と憲法 踏み込んだ議論求める


 アベノミクスの評価や社会保障の在り方…。さまざまな争点が浮上する中、きのう参院選が公示された。国政選挙で初めて18歳選挙権が導入され、若い世代の関心が、どこまで高まるかも注目される。
 その中で忘れてはならないのは憲法改正を巡る問題を選挙戦でどう論じ合うかだ。参院でも改憲に前向きな勢力が3分の2の議席を占めた場合、改正の動きが本格化する可能性があるからだ。過去の衆参の選挙で、ここまで改憲が現実味を帯びて語られるのは初めてだろう。
 しかし、きのうの各党首の第一声を聞く限り、争点としてははっきり見えにくい。改憲阻止を打ち出す野党に対し、与党はできるだけ触れまいとする構図といえよう。
 とりわけ首相である自民党の安倍晋三総裁の発言が注目されたが、やはり経済政策に重点を置いた。「経済を力強く前に進めていくのか、暗く低迷した時代に逆戻りするのかを決める」と専ら主張し、改憲について触れることはなかった。
 連立与党である公明党の山口那津男代表の演説を聞いても、憲法問題の争点化を避けたいスタンスが感じ取れた。
 通常国会での安倍氏の発言との落差は明らかだ。「参院選でも訴えていきたい」「私の在任中に成し遂げたい」と何度も強い意欲を示した。なのに自民党の参院選公約を記した冊子の末尾に示す程度で、本人も積極的に口にしない。いまだ世論が割れる憲法改正に関し、野党側に論戦を挑むのは戦術として得策ではないと考えるのだろう。
 その一方、安倍氏は公示直前に「次の国会から憲法審査会を動かしていきたい」とも述べている。その前に選挙でしっかり国民に問うのが筋ではないか。
 安倍政権はこれまでも選挙の時に前面に掲げず、勝利後には全権委任を得た、とばかりに数の力で押し通してきたテーマが目立つ。特定秘密保護法や安全保障関連法が一例である。今回も同じ手法なのだろうか。
 政権内では、将来の憲法9条改正を念頭に、まず緊急事態条項の創設を進めたいとの声がある。ならば、それを含めて憲法をどう変えたいのか、国民に十分に問題提起をして審判を受ける姿勢がなければ無責任だ。
 野党の姿勢も問われよう。この選挙で4野党が全1人区で統一候補を擁立したのは改憲勢力の議席増への危機感の表れといえる。有権者も各党の明確な考え方を聞いておきたいはずだ。
 きのうの第一声において民進党の岡田克也代表は「ここで参院3分の2議席を許せば、必ず憲法9条を変えてくる」と安倍政権への警戒心をあらわにし、共産党の志位和夫委員長は「憲法を守り、まっとうな政治を取り戻す」とアピールした。
 ただスタンスは微妙に違う。例えば民進党はあくまで安倍政権下の改憲に反対する構えで、将来の改正には含みを残しているのに対し、共産はあくまで現行憲法を維持する立場だ。仮に今後、国会で改憲論が進んだ場合、違いをどう埋めるのか。そのあたりも説明してほしい。
 憲法改正は国のありようを変えることだ。日本が経験したことがない大きな政治テーマである。今回の選挙で与野党が論戦を深めないまま、次のステップに移ることを強く危惧する。
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中国新聞 2016/6/22
社説:'16参院選 安保法制 戦後の「岐路」忘れるな


 参院選公示の日を迎えた。安倍政権に対し、有権者が評価を下す重要な選挙である。
 現時点ではアベノミクスの成否が焦点なのは仕方あるまい。きのうの党首討論会でも経済に関する議論が多くを占めた。
 9カ月前の国会を思い出したい。集団的自衛権の行使という封印を解いた、安全保障関連法が成立した日のことだ。政府・与党は憲法違反との指摘や野党の反対にもかかわらず、強引に審議を打ち切った。平和主義を掲げてきた戦後日本の岐路とも位置付けられ、国会周辺の抗議活動も熱を帯びた。
 今はどうか。3月に安保関連法は施行されたものの、目に見える変化がないためか世の中の関心が低下した感は否めない。しかし成立以来、補選を除いて初となる国政選挙は、その是非を考える絶好の機会だろう。
 安倍政権も国民の反対意見を踏まえ、「成立後も丁寧に説明を尽くしたい」と約束していたはずだ。なのに自民党も公明党も争点化を避け、それでいて選挙後に「信任を受けた」と言い張るつもりなら許されまい。
 今からでも検証すべき点は多い。そもそもひと口に安保法制といっても11本の難解な法律をひとくくりにしたもので、国会の審議も消化不良に終わった。現実問題として趣旨を理解できている国民がどれほどいよう。
 憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を認めた上に、「存立危機事態」というあいまいな定義を持ち出して日本が直接、攻撃を受けなくても武力行使ができる道を開いたこと。他国の戦争における後方支援の範囲を大幅に拡大し、かつ常時可能にしたこと。さらに国連平和維持活動(PKO)で多国軍などを救援する「駆け付け警護」を認めたこと…。いずれも、かつての感覚なら憲法9条に抵触すると考えられていた内容である。
 それを自衛隊員のリスクの増加すら認めないまま、日米同盟の強化ありきで一足飛びに前に進めたのは明らかだろう。
 思えば1991年のペルシャ湾への掃海部隊の派遣以来、自衛隊の海外任務は国民合意をあいまいにしたまま、なし崩し的に広がってきた。この調子なら将来、戦地を含めた任務はどうなっているか。賛否どちらの立場でも一度立ち止まり、足元を見つめ直すべきではないか。
 安保法制を巡る当面の具体的な動きは、おそらく南スーダンPKOに赴く陸上自衛隊への駆け付け警護の任務付与だろう。政府側は、参院選への影響を懸念して遅らせてきた節もある。考えようによっては、既成事実化する前に有権者が意思表示する余地が残ったともいえる。
 今こそ本質的な中身を問う論戦を与野党に求めたい。
 民進党、共産党など野党4党にとっては安保法撤回が共通政策であり、憲法違反という主張に力を入れる気持ちは分かる。ただ単に政権批判のスローガンに終わってはいないか。一方の与党側も日米同盟の強化と抑止力向上のため安保法制が必要だと繰り返し、これまでのところ水掛け論の域を出ない。
 自衛隊の果たすべき役割、日米安保のありようも含めて安全保障政策を掘り下げる覚悟が、どの党にも必要だ。不穏な動きを見せる中国や北朝鮮とどう向き合い、平和外交を構築していくかの論点も欠かせない。
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中国新聞 2016/6/21
社説:'16参院選 アベノミクス 現実を直視した論戦を


 「エンジンをもう一度、最大限ふかす」と安倍晋三首相は言う。本当にそれでいいのか。あす公示の参院選で問われる。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非が最大の争点であるのは間違いない。
 どの政権であろうと、日本経済の再生と財政健全化は極めて重要なテーマである。しかも消費増税の再延期方針を受けて初の国政選挙だけに、将来を見据えた活発な議論を求めたい。
 その前提としてアベノミクスとは何なのか検証する視点は不可欠だろう。この3年半聞き慣れた言葉だが、生活実感からはいまひとつ捉えにくいからだ。
 当初打ち出した「3本の矢」は、それぞれ既存の政策セオリーをパッケージにしていた。大胆な金融緩和と機動的な財政出動で景気を刺激し、その間に成長戦略で経済の底上げを目指すものだ。確かに一定の効果はあり、円安で企業収益は上がり、連動して税収も膨らんだ。首相も民主党政権時代と比較して、自画自賛をしている。
 半面、個人消費の伸び悩みや2%の物価上昇率目標の先送りなど看板倒れの面もある。首相が有効求人倍率の上昇を強調してみても、裏を返せば非正規雇用の増加と深刻な人手不足にほかならない。
 増税の再延期自体がアベノミクスの限界を示していよう。なのに世界経済のリスクを理由として挙げるには無理がある。
 そもそも景気が持ち直した最大の要因は日銀頼みの円安路線である。それにしても、ここにきて円高基調で輸出型企業への影響が懸念される。日銀が先週、追加の金融緩和を見送ったのも手詰まり感の表れだろう。銀行の収益圧迫など副作用のあるマイナス金利政策を拡大すればさらに市場が混乱するほか、仮に円売り介入すれば、通貨安競争に厳しい目を向ける各国の風当たりも強くなるからだ。
 日銀が既定路線通り、年80兆円のペースで国債を買い増すのもどうなのか。国内最大手のメガバンクが国債の安定的な引受先となる資格を国に返上する動きを見せた。市場で消化されない国債を日銀が買い支える割合が増えれば、財政のモラルハザードが加速しかねない。
 首相も金融緩和は当てにならないと踏んだのだろう。またぞろ財政出動による景気対策に軸足を移す考えだ。とはいえ公共事業は景気のカンフル剤とはなっても、波及効果が限られることを肝に銘じるべきだ。
 国内総生産(GDP)の600兆円達成と「成長と分配の好循環」を目指すというが、これまでの政策は法人税減税など企業重視の側面が強く、地方に恩恵が届いたとは言い難い。
 家計支援が手薄との批判を踏まえて「1億総活躍社会」も掲げた。財源も不透明なままではむしろ国民の将来不安につながるのではないか。
 今後の論戦ではこうした現実を直視すべきだ。その上でアベノミクスの継続か、軌道修正を図るかの判断材料を示してもらいたい。野党の多くはアベノミクスを失敗と批判する一方、民進党の岡田克也代表は「全否定するつもりはない」とも述べている。与野党ともその場しのぎや口先だけでは未来はない。人口減社会や広がる格差への対応なども含め、経済再生の処方箋が今こそ求められている。
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