2016-06-27(Mon)

長周期地震対策を強化 高層ビル「南海トラフ」に備え

国交省が自治体に対策要請 新築・改築時=大臣認定の運用見直し、既存建築物=再検証

----国土交通省は24日、南海トラフ巨大地震に伴う長周期地震動により超高層ビルに被害が出る可能性が高いとして、太平洋側の大都市圏を中心とする11都府県を対策強化地域に指定すると関係自治体に通知した。

2017年4月以降に申請する高さ60メートル超(おおむね20階以上)の新築物件について、1秒間の揺れ幅が最大で現行基準の2倍となる160センチの長周期地震動に耐えられる設計を義務付ける。
 
ゆっくりとした大きな揺れの長周期地震動に備え、超高層ビルやタワーマンションの安全性を高める狙い。
ただ、不動産業界などからは建設コストの増加につながるとの懸念も出ている。
 
対策を強化するのは、東京地域(東京、埼玉、千葉、神奈川)、静岡地域(静岡、山梨、愛知)、中部地域(愛知、岐阜、三重)、大阪地域(大阪、兵庫)。愛知は2地域にまたがっている。
マグニチュード9級の地震が起きた場合、超高層ビルが2~3メートルの横揺れに見舞われると想定されている。
(共同通信)

----対策のポイントは、新築・改築時における大臣認定の運用の見直しと既存建築物に対する再検証の2点。
現在、高さが60mを超す建築物の新築や改築は、大臣認定によって構造上の安全検証を求めているが、その運用を強化。

2017年4月1日以降に申請する性能評価から対象地震によって建設地で発生すると想定される長周期地震動の検討を行うことや、長時間の繰り返しによる累積変形の影響を考慮して安全性の検証を行うことを求める。
 
一方の既存建築物は今回の想定が設計時に想定した地震動を上回る場合に限って、建築主などへの自主的な検証(再検証)や補強対策など必要な措置を促す。

特にマンションなどの区分所有建築物や庁舎などの公共建築物に対しては国の支援制度(耐震対策緊急促進事業)を用意して対策の促進を狙う。
(日刊建設通信新聞)

超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策について
http://www.mlit.go.jp/common/001135788.pdf
長周期地震動を考慮すべき主な地点と地震動の考え方
http://www.mlit.go.jp/common/001113880.pdf






以下引用


超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策について
平成28年6月24日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000620.html
 国土交通省では、6月24日、超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策についてとりまとめ、地方公共団体等の関係団体あてに通知しました。
 同対策は、南海トラフ沿いで約100~150年の間隔で発生しているとされるM8~9クラスの巨大地震に備えて、関東地域、静岡地域、中京地域及び大阪地域の対象地域内において、
  ・ 平成29年4月1日以降に申請する性能評価に基づき超高層建築物等を新築する際の大臣認定の運用を強化するとともに、
・ 同区域内の既存の超高層建築物等について、今回対策を求める地震動の大きさが設計時の想定を上回る場合には、大きな揺れによる家具の転倒、内外装材や設備の損傷等による危害が発生するおそれがあることから、自主的な検証や必要に応じた補強等の措置を促すものです。
 また、マンションを含む区分所有建物や庁舎等の公共建築物の耐震診断・耐震改修等の事業について、既存の国の支援制度の活用が可能です。
 
1.対策の背景
 平成15年9月の十勝沖地震において、震央から約250キロメートル離れた苫小牧市内で石油タンク火災が発生しました。平成23年3月の東北地方太平洋沖地震では、首都圏や大阪湾岸の超高層建築物において、大きな揺れが観測されました。これらの現象については、長周期かつ長時間継続する地震動(以下、「長周期地震動」という。)がその原因のひとつであるとして注目されています。
 国土交通省住宅局では、国土技術政策総合研究所及び国立研究開発法人建築研究所の協力のもと、平成20年度より、既往の観測地震記録に基づく長周期地震動の評価手法の検討と、長周期地震動を考慮した設計用地震動の作成手法の検討を行ってきました。その結果、建築物に影響を与える0.1~10秒の幅広い周期成分を含む設計用長周期地震動の作成手法をまとめました。
 一方、内閣府における「南海トラフ沿いの巨大地震モデル検討会」及び「首都直下モデル検討会」により、南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動に関する報告(平成27年12月17日)がとりまとめられました。本対策はこのような状況を勘案し、建築基準法(昭和25年法律第201号)に基づく超高層建築物等における長周期地震動の対策について、現時点までに得られた技術的知見に基づきとりまとめたものです。
 なお、長周期地震動に関する調査研究は今後も引き続き進められ、さらなる知見が得られていくものと考えられます。国土交通省としては、こうした長周期地震動に関する調査研究の結果を踏まえ、今回提案する長周期地震動への対策について、今後も必要に応じて適宜見直しを行っていく予定です。
2.対策の概要
(1)対象地震
 本対策で対象とする地震は、モデル検討会の報告において、南海トラフ沿いで約100~150年の間隔で発生しているとされるM8~9クラスの地震です。
(2)超高層建築物等における長周期地震動への対策
○ 対象地域内に超高層建築物等を大臣認定により新築する場合について
 高さが60mを超える建築物及び地上4階建て以上の免震建築物(以下、「超高層建築物等」という。)であって、平成29年4月1日以降に申請する性能評価に基づく大臣認定によって新築されるものについて、大臣認定の運用を強化します。
・ 従来からの検討に加えて、対象地震によって建設地で発生すると想定される長周期地震動による検討を行うこと。
・ 家具の転倒・移動防止対策に対する設計上の措置について説明すること。
・ 免震建築物や鉄骨造の超高層建築物について、長時間の繰返しの累積変形の影響を考慮して安全性の検証を行うこと。
○ 対象地域内の既存の超高層建築物等について
 対象地震による建設地の設計用長周期地震動の大きさが、設計時に構造計算に用いた地震動の大きさを上回る場合には、大きな揺れによる家具の転倒、内外装材や設備の損傷等による危害が発生するおそれがあることから、自主的な検証や必要に応じた補強等の措置を講じることが望ましい旨を周知します。なお、マンションを含む区分所有建物や庁舎等の公共建築物の耐震診断・耐震改修等の事業について、既存の国の支援制度の活用が可能です。

<対象地域>
 下図の対象地域内の既存の超高層建築物等については、対象地震による建設地の設計用長周期地震動の大きさが、設計時に構造計算に用いた地震動の大きさを上回る可能性があります。
   ■: 設計時に構造計算に用いた地震動の大きさを上回る可能性が非常に高い地域
   ■: 設計時に構造計算に用いた地震動の大きさを上回る可能性が高い地域
   ■: 設計時に構造計算に用いた地震動の大きさを上回る可能性がある地域

<留意点>
 内閣府において、相模トラフ沿いの巨大地震などによる長周期地震動の検討が進められており、特に、関東地域など、それらの地震による影響が大きいと想定される地域に超高層建築物等を建築する場合は、上記の対策に留まらず、可能な限り余裕のある建築物とする又は減衰材を設置しやすい架構としておくなど、将来の改修も見込んだ設計とすることが望ましいと考えています。
添付資料
超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策について(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001135788.pdf

国土交通省住宅局建築指導課  
TEL:03-5253-8111 (内線39-532)

****************************************

時事通信(2016/06/24-20:18)
長周期地震動への対策強化=超高層ビル、南海トラフに備え-国交省
 国土交通省は24日、南海トラフ地震に伴う超高層ビルにおける「長周期地震動」への対策をまとめ、関係する地方自治体などに通知した。超高層ビルの新築時に安全性などを確認するために行われる性能評価を強化し、一般的な地震動に加え、大きく長く揺れる長周期地震動による影響もあらかじめ検証するよう事業者に求めるのが柱。
 南海トラフ地震に伴う長周期地震動の影響が懸念される埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、岐阜、静岡、愛知、三重、大阪、兵庫の11都府県内の市区町村で、超高層ビルを新築する場合が対象。2017年4月1日以降に事業者から申請があった建物への性能評価から運用を強化する。
 事業者に対しては、長周期地震動に備え、設計段階から家具の転倒や移動防止対策を講じることも求める。既存の建物に関しては、自治体を通じて自主的な点検や補強を促す。


日本経済新聞 2016/6/25 0:30
長周期地震対策を強化 高層ビル「南海トラフ」に備え
 国土交通省は24日、南海トラフ巨大地震に伴う長周期地震動により超高層ビルに被害が出る可能性が高いとして、太平洋側の大都市圏を中心とする11都府県を対策強化地域に指定すると関係自治体に通知した。2017年4月以降に申請する高さ60メートル超(おおむね20階以上)の新築物件について、1秒間の揺れ幅が最大で現行基準の2倍となる160センチの長周期地震動に耐えられる設計を義務付ける。
 ゆっくりとした大きな揺れの長周期地震動に備え、超高層ビルやタワーマンションの安全性を高める狙い。ただ、不動産業界などからは建設コストの増加につながるとの懸念も出ている。
 対策を強化するのは、東京地域(東京、埼玉、千葉、神奈川)、静岡地域(静岡、山梨、愛知)、中部地域(愛知、岐阜、三重)、大阪地域(大阪、兵庫)。愛知は2地域にまたがっている。マグニチュード9級の地震が起きた場合、超高層ビルが2~3メートルの横揺れに見舞われると想定されている。
 強化地域で超高層ビルなどを新築する場合、南海トラフ地震の揺れを想定して設計。揺れ幅のほか、約60秒としていた揺れの継続時間を最長約500秒に厳しくする。家具の転倒や移動を防ぐ装置を設置することなども求める。
 既存のビルやマンションに関しては、自治体を通じて耐震補強や、家具の転倒防止策を取るよう促す。マンションを改修する場合、区分所有者の合意を得やすくするため、国が詳細な診断や改修設計費の30%強、工事費の10%強を補助する。
 対象地域の詳細な地図は国交省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001113880.pdf)で公表している。
 ▼長周期地震動 大規模地震の際に発生し、1往復する周期が長く、ゆっくりとした大きな揺れ。建物にも揺れやすい周期があり、双方の周期が一致すると共振して建物が大きく揺れる。震源から遠い場所まで伝わり、東日本大震災では震源から約770キロ離れた大阪の建物が一部損壊した。内閣府の推計によると、南海トラフでマグニチュード9級の地震が起きた場合、三大都市圏にある高さ60メートル超の最上階の揺れ幅は2~3メートルに及び、大阪湾の埋め立て地では6メートルに達する。
〔共同〕

日本経済新聞 2016/6/25 0:30
社説:長周期地震、自治体も住民に注意喚起
 南海トラフ巨大地震に伴う長周期地震動への対策強化を求めた国土交通省の通知を受け、関係自治体は高層マンションの住民らに大きな揺れへの備えや食料備蓄を呼び掛ける方針だ。一方、2020年東京五輪に向けた建設特需を見込む建築、不動産業界からは、ビル新築のコスト増やマンション販売への影響を懸念する声が上がった。
 東日本大震災の発生時、大阪市住之江区にある55階建ての大阪府咲洲庁舎(高さ256メートル)は長周期地震動のため防火扉や壁などが損傷した。対策強化の対象となる建物約500棟を抱える府の建築防災課は「家具の固定や部材の補強に乗り出すよう、所有者への周知を急ぎたい」と話す。
 今回の対策強化により、新築物件では鉄骨部材の強度の向上などが求められる可能性がある。大手不動産関係者は「建設費用が増えれば、販売価格に上乗せせざるを得ない」と話す。
 一方、既存のタワーマンションや高層オフィスビルでは、大半に大型ゴムやばねなどを使って地震の揺れを吸収する免震装置が設置されている。柱や外壁に免震用機器を取り付けることで影響を抑える技術もあり「既存建物の耐震性能をさらに高めることも可能」(関係者)という。〔共同〕


ハザードラボ - 2016年06月24日 18時03分
南海トラフ地震発生に伴う長周期地震動 国交省が自治体に対策要請
 巨大地震の発生時に、高層ビルや橋などがゆっくり大きく続く「長周期地震動」について、国土交通省は24日、南海トラフ地震に備えて公共建築物やマンションなどの耐震補強措置を進めるよう関係自治体に要請した。
 2011年3月の東日本大震災では、震源から遠く離れた首都圏や大阪湾岸でも超高層ビルで大きな揺れが観測され、エレベーターの停止や閉じ込めなどの被害が相次いだことは記憶に新しい。
 内閣府の検討会は昨年12月、南海トラフ巨大地震に伴って想定される長周期地震動の揺れ幅を、大阪市で約6メートル、東京2〜3メートル、名古屋では約2メートルに達する可能性があるという検討結果を公表した。
 これを受けて国交省は24日、来年4月以降に新築される高さ60メートルを超える高層ビルと地上4階建て以上の建物は、長周期時地震動の影響を考慮して、設計することなどを盛り込んだ対策をとりまとめ、各自治体に通知した。
  既存の建物については、大きな揺れによる家具の転倒や、使われている建材や設備による被害が起きるリスクが高いことから、耐震診断や補強の必要性を訴えた。
 とりわけ、大きな揺れ幅が想定される大阪湾沿岸から、静岡、中京、東京周辺のエリアについては、地震動の大きさが、設計時の想定を上回る可能性が高いとして、注意を喚起している。


日刊建設工業新聞  [2016年6月27日2面]
国交省/超高層の長周期地震動対策強化/17年度から新築時の大臣認定運用見直し
 国土交通省は17年度から、南海トラフ巨大地震が起きた場合の長周期地震動に備え、超高層ビル(高さ60メートル以上)の安全対策を強化する。新築時に行う構造設計の大臣認定制度の運用を強化し、構造設計の前提とする長周期地震動の波形を南海トラフ地震を想定して設定。既存ビルの対策では特定行政庁を通じて建築主に対し、改修を行うことが望ましいことを周知する。24日付で都道府県に通知した。
 大臣認定制度の運用強化は、17年4月以降に大臣認定を申請する計画から適用する。超高層ビルと4階建て以上の免震ビルの計画全般を対象にする。
 対策を強化する地域は、内閣府が昨年12月に発表した南海トラフ地震の長周期地震動に伴う超高層ビルの横揺れ推計で、特に大きな揺れが予測された3大都市圏(東京、名古屋、大阪)と静岡県の太平洋側。全国にある超高層ビル約3000棟のうち、このエリアに約2000棟が集中している。
 新築の対策では、建築基準法で建築主に義務付けている構造設計の大臣認定制度の運用を強化。現在は、建築主が自由に選択できる構造設計の前提とする長周期地震動の波形を、17年4月以降は、南海トラフ地震を想定した継続時間8分20秒以上の長周期地震動とするよう義務付ける。
 建築主には、長周期地震動で懸念されるビル内の家具の転倒防止策に対する設計上の措置について新たに説明を求める。鉄骨造の超高層ビルや免震ビルについては、長時間の横揺れの繰り返しで懸念される累積変形の影響を構造設計で考慮することも新たに求める。
 既存ビルの対策では、特定行政庁を通じ建築主に安全性能の再検証や必要な改修を要請する。
 マンションを含む区分所有建築物と公共庁舎については、耐震診断・改修費に対する国の支援制度が受けられることを周知する。


日刊建設通信新聞[ 2016-06-27 2面]
長周期地震動の対策強化/大臣認定運用を見直し/地方自治体、団体に通知
 国土交通省は、南海トラフ巨大地震への対応を目的に長周期地震動対策の強化に乗り出す。昨年12月に対策(案)として打ち出していた「超高層建築物等における南海トラフ沿いの巨大地震による長周期地震動への対策」を正式に決定。24日に地方自治体や関係団体に通知した。
 対策の前提となる想定地震は、南海トラフ沿いで約100-150年の間隔で発生しているとされるマグニチュード8-9クラスの地震。特に影響が大きいと考えられる関東地域、静岡地域、中京地域、大阪地域を対象に現在までに得られた長周期地震動に関する技術的な知見を踏まえて、必要と考えられる対策を内容や、設計時に用いる地震動のモデルを示した形となる。
 対策のポイントは、新築・改築時における大臣認定の運用の見直しと既存建築物に対する再検証の2点。
 現在、高さが60mを超す建築物の新築や改築は、大臣認定によって構造上の安全検証を求めているが、その運用を強化。2017年4月1日以降に申請する性能評価から対象地震によって建設地で発生すると想定される長周期地震動の検討を行うことや、長時間の繰り返しによる累積変形の影響を考慮して安全性の検証を行うことを求める。
 一方の既存建築物は今回の想定が設計時に想定した地震動を上回る場合に限って、建築主などへの自主的な検証(再検証)や補強対策など必要な措置を促す。特にマンションなどの区分所有建築物や庁舎などの公共建築物に対しては国の支援制度(耐震対策緊急促進事業)を用意して対策の促進を狙う。

//////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 長周期地震 超高層ビル 南海トラフ 巨大地震 国土交通省

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン