2016-06-29(Wed)

2016参院選 地方創生 一極集中の現実論じよ

リニア中央新幹線の大阪延伸の前倒し--どう考えても一極集中を加速する話

----東京ばかりに人が集まり、地方は過疎化が止まらない。
こうした流れを変えるため、中央と地方の関係見直しは急務だ。

昨年の国勢調査では、8割を超す市町村で人口が減った。
安倍政権が進める「地方創生」の方向性は正しいのか。

矢継ぎ早に打ち出した施策からは、根強い中央集権的な考え方がうかがえる。
 
典型は、JR東海リニア中央新幹線計画への肩入れだ。
 
安倍首相は今月、数兆円規模の公的資金を低利でJRに貸し付け、東京―大阪間の全線開業を前倒しする考えを表明した。
整備新幹線の建設も急ぎ、全国を一つの経済圏に統合する「地方創生回廊」にしたいという。
 
だが、すでに全人口の5割以上が集中する3大都市圏の直結が「地方創生」にどうつながるのだろう

田中角栄元首相が日本列島改造論を掲げた70年代以降、自民党政権が推し進めた新幹線や高速道路網の建設が、過疎化の歯止めにならなかった教訓を忘れてはなるまい。
(朝日新聞)

----アベノミクスの恩恵は、全国津々浦々にはとても及んでいない。
その上に2020年の東京五輪に向け、雇用や需要が首都圏に流れつつある。

自民党は地方創生を公約の柱の一つに据えるものの、前面に出すのは中小企業支援や観光振興などである。
さほどの新味は感じられず、むしろ「1億総活躍社会」という新たなスローガンの下では埋没感すらある。
 
その中でアベノミクスの次の一手で打ち出すのが、リニア中央新幹線の大阪延伸の前倒しである。
どう考えても一極集中を加速する話だ。その矛盾の自覚が政権にどこまであるのか。
(中国新聞)

<各紙社説>
朝日新聞)参院選 地方対策 自立を促す改革を(6/29)
中国新聞)'16参院選 国と地方 一極集中の現実論じよ(6/29)
神戸新聞)地方創生/地域の未来をもっと語れ(6/23) 
西日本新聞)参院選公示 地方の課題に目を向けよ(6/23)




以下引用



朝日新聞 2016年6月29日(水)付
社説:参院選 地方対策 自立を促す改革を


東京ばかりに人が集まり、地方は過疎化が止まらない。こうした流れを変えるため、中央と地方の関係見直しは急務だ。
 昨年の国勢調査では、8割を超す市町村で人口が減った。安倍政権が進める「地方創生」の方向性は正しいのか。参院選を通じ、改めて考えてみる。
 ほぼ半数の自治体が消滅する可能性があるとの民間研究組織の推計が衝撃を広げ、安倍政権が「地方創生」を政策の柱に据えたのは2年前だった。
 ただ、矢継ぎ早に打ち出した施策からは、根強い中央集権的な考え方がうかがえる。
 典型は、JR東海リニア中央新幹線計画への肩入れだ。
 安倍首相は今月、数兆円規模の公的資金を低利でJRに貸し付け、東京―大阪間の全線開業を前倒しする考えを表明した。整備新幹線の建設も急ぎ、全国を一つの経済圏に統合する「地方創生回廊」にしたいという。
 だが、すでに全人口の5割以上が集中する3大都市圏の直結が「地方創生」にどうつながるのだろう。田中角栄元首相が日本列島改造論を掲げた70年代以降、自民党政権が推し進めた新幹線や高速道路網の建設が、過疎化の歯止めにならなかった教訓を忘れてはなるまい。
 政権が地方創生の目玉として設けた交付金制度にも上意下達の性格が色濃い。自治体の提案した事業を国が評価し、予算を配分する仕組みだ。今年度までに計3700億円が計上されたが、観光振興や地場産業育成などの事業が並び、人の流れを変えられるか、心もとない。
 発想の転換が必要だ。一時的に金をばらまき、自治体を「元気にする」のではなく、恒久的な財源と権限を渡して「自立」を促す。そういう分権改革が今こそ必要ではないか。
 この点で野党側の公約も迫力を欠く。民進党は「地域主権改革」を掲げるが、民主党政権当時に進められなかった分権の具体策を示していない。おおさか維新の会は、大阪の副首都化で東京一極集中を打破すると説く。他の地方にどんな波及効果があるのか、見えにくい。
 「日本一の子育て村」構想を掲げ、積極的な子育て支援を打ち出している島根県邑南(おおなん)町、インターネット環境が整い、IT企業の進出が相次ぐ徳島県神山町など、近年注目される地域に共通するのは、お仕着せではなく、自発的な取り組みで人を引きつけていることだ。
 自治体の足腰を強くし、柔軟な発想を引き出す。そういう方向に国全体を変えていくことが、政治に期待される役割だ。
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中国新聞 2016/6/29
社説:'16参院選 国と地方 一極集中の現実論じよ


 選挙区の広さに候補者も有権者も戸惑うのだろう。初めて合区となった参院選の島根、鳥取選挙区は「選挙が遠くなった」との声も聞かれ、公示後も盛り上がりを欠いているようだ。
 ある意味では現代日本を象徴する光景かもしれない。1票の格差の拡大に顕著に表れるように、一極集中の構図になかなか歯止めがかからない。地方の過疎地ほど、少子高齢化と地域経済の疲弊の度合いを強める。
 安倍政権が地方の人口減を食い止め、雇用や活力を取り戻そうと「地方創生」のスローガンを掲げて2年。今こそ頑張らねばと奮い立った自治体や住民は少なくない。地域によっては、Iターン定住が増加するなど明るい兆しもあるのは確かだ。
 しかし大局的には、いまだ厳しい状況は変わるまい。アベノミクスの恩恵は、全国津々浦々にはとても及んでいない。その上に2020年の東京五輪に向け、雇用や需要が首都圏に流れつつある。政府は文化庁の京都移転を含めて国機関の地方分散を図るなどの手は打つが、小手先の感は否めない。
 だからこそ、この選挙では実のある地方再生策が論じられてしかるべきだ。なのに争点としては影が薄く、各党の参院選の公約を見ても物足りない。
 自民党は地方創生を公約の柱の一つに据えるものの、前面に出すのは中小企業支援や観光振興などである。さほどの新味は感じられず、むしろ「1億総活躍社会」という新たなスローガンの下では埋没感すらある。
 その中でアベノミクスの次の一手で打ち出すのが、リニア中央新幹線の大阪延伸の前倒しである。どう考えても一極集中を加速する話だ。その矛盾の自覚が政権にどこまであるのか。
 野党側も心もとない。民進党にしても、かつて「地域主権改革」を政権交代の旗印にしたはずなのに、地方や自治に関する政策はあまり目立たない。地方が自由に使える「一括交付金」の復活をうたうぐらいだ。
 このままでいいのか。地方再生を論じる前提として国と地方のありようを問い直し、分権を進める視点は欠かせない。
 安倍政権の3年半を振り返ると、逆に中央集権的な手法が目立つ。国と地方は対等な関係のはずなのに、国が考えた政策と財源配分を通じて自治の現場を誘導し、コントロールする空気が再び強まったように見える。道州制導入が話題にならなくなった点とも裏腹だろう。
 地方創生を巡っても、全国の自治体に「総合戦略」を立てさせ、国が認めた事業には地方創生推進交付金を出す仕組みができた。自治体の知恵比べは望ましいとしても、どうしても政権の意向に沿うだけに政策立案の自主性は損なわれがちだ。
 大半の自治体が、横並びで発行したプレミアム付き商品券。急増する半面、お得な返礼品による獲得競争がエスカレートした「ふるさと納税」。いずれも地域活性化に一定の効果はあるものの、地方の主権や財源を考える大きなビジョンに欠く点では共通していよう。こうした現状の検証も必要ではないか。
 自民党は都道府県連の多くが地方版の政策集を出している。各党の候補者は中央の政策を語るだけでなく、選挙区固有の課題をもっと掘り下げて地方目線の論戦を繰り広げてほしい。
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神戸新聞 2016/06/27
社説:地方創生/地域の未来をもっと語れ 


2015年の東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の転入超過は約12万人である。この一極集中を止め、各地に人を分散させるために地方の雇用を創出し、子育てのしやすい環境を整える。各地方の人口減少を背景に、安倍政権が掲げるのが「地方創生」だ。
 雇用、農林水産業の再生、教育、保育、介護など人々に身近なテーマの現場は地域社会である。全国町村会などが「地方創生こそが1億総活躍実現のためのメインエンジンだ。地方創生に向けた大きな流れを緩めてはならない」とアピールするのも当然といえる。
 だが今回の参院選で、各立候補者の口から「地方」という言葉は以前ほどには語られない。
 先のアピールにあるように、地方はこれからの社会の在り方を語る上で欠かせないキーワードだ。政策の背景にある足元の現状認識を、地域社会の未来像を、有権者に分かりやすく語るべきではないか。
 地方創生では16年度、政府が地方創生推進交付金を創設し、全国の自治体に総合戦略の策定を指示した。兵庫では次の段階として業績評価のための指標を定め、いよいよ事業展開を迎えようとしている。
 現在の仕組みは国が先駆的と認めた事業に交付金を出す形で、地方の自主性が尊重されないとの指摘がある。行政の現場からも「地方自治を推し進める動きに逆行している」との批判の声が上がる。
 各党の公約では、自民党は「地方創生なくして日本の再生なし」として、今の取り組みを推進する。一方、民進党は「地域のことは地域で決める」とし、地方が自由に使える財源の確保を第一に掲げる。
 今回の参院選では、暮らしや社会保障などの課題で各党の主張に大きな違いを見いだすことは難しい。安倍晋三首相の「アベノミクスの恩恵を列島の隅々まで」の掛け声も、地方の住民の実感からは遠い。
 兵庫の各立候補者は街頭でそれぞれに中小企業対策や農政、人口減少への取り組みなどについて持論を展開する。地域社会では雇用も教育も介護も、すべて連動している。
 各党の政策を地域の現場にどう生かすのか、足元から見つめ直す。
 「地方」をキーワードに、有権者の胸に響くような訴えを立候補者に求めたい。
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=2016/06/23付 西日本新聞朝刊=
社説:参院選公示 地方の課題に目を向けよ


2016年06月23日 10時39分
 ■2016 参院選■ 
 参院選がきのう公示された。九州では熊本地震に続き豪雨被害が相次ぐ中で、与野党の党首や幹部の全国遊説も始まった。
 それにしても-と改めて考え込んでしまう。地方活性化、地域再生、地方分権など地方に関する政策が参院選でほとんど語られないのは一体どうしたことなのか。
 消費税増税の再延期、アベノミクス、憲法改正、社会保障、財政再建…。確かにどれも重要な「争点」だ。しかし、地方が抱える問題も忘れてもらっては困る。
 自民党が「地方創生」を最大テーマに掲げた昨年の統一地方選から1年半もたっていない。喉元過ぎれば-ということなのか。
 有識者による「日本創成会議」が全国896市区町村を「消滅可能性都市」と指摘したのが、地方の危機感を深め、地方創生のムードを高めるきっかけとなった。
 地方創生の担当大臣が置かれ、新型交付金の配分を左右する地方版総合戦略作りに都道府県と市区町村は躍起となった。安倍晋三首相は「47都道府県すべてで有効求人倍率が1倍以上」と胸を張る。
 しかし、地方の苦境は解消されるどころか、深まり広がる一方だ。東京圏への人口流出に歯止めは掛からず、少子高齢化は一段と深刻化する。商店街のシャッター通りに活気は戻らず、耕作放棄地は荒れ果てたままだ。
 21日に日本記者クラブであった与野党9党首の討論会では、誰ひとり「地方」に言及しなかった。公約もあっさりしたものだ。自民、公明の与党はアベノミクスの効果を地方に波及させると強調するばかりだ。民進党も一括交付金など旧民主党時代に提唱した「地域主権」の焼き直しとしか思えない。与野党いずれも新味はない。
 そこで提案したい。せっかく全国遊説をするなら、党首や幹部は支持者の前で演説するだけでなく、地方の疲弊した現場を見て回り、新しい政策につなげたらどうか。自治や分権、震災復興など地方の課題をもっと語ってほしい。
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