2016-06-28(Tue)

2016参院選 アベノミクス 格差拡大 将来不安増

トリクルダウン」起きず 血の通った経済政策へ転換を
企業と富裕層を優遇、企業業績や内部留保は上積み、地方、中小企業、個人への「トリクルダウン」起きず
⇒格差是正や「底上げ」に資する血の通った経済政策へ転換を


----3年半前、安倍政権は金融政策・財政政策・成長戦略を「三本の矢」とうたう経済政策を打ち出した。
前2者の緊急的効果で株高円安は進んだものの、設備投資や消費は低迷。

企業と富裕層を優遇し、企業業績や内部留保は上積みされたが、地方、中小企業、個人への「トリクルダウン」はほぼ起きなかった。
 
その修正もないままに、首相は安全保障関連法を強行成立させた直後の昨年秋、再び経済最優先を強調し始めた。
「強い経済(国内総生産600兆円)」「子育て支援(希望出生率1.8)」「社会保障(介護離職ゼロ)」という「新三本の矢」はもはや矢ですらなく、遠い「的(目標)」にすり替わり、実現不能な数字が躍る。
 
結局3年半たって、豊かな人をさらに豊かにはしたかもしれないが、多くの国民に「暮らしが良くなった」実感は乏しい。
不安定な雇用や貧困によって格差は拡大し、将来不安は増している。

異例のマイナス金利で金をばらまいても消費や投資に向かう雰囲気はない。
であればやはり政策のベクトルを見直し、格差是正や「底上げ」に資する血の通った経済政策へと、軌道修正を急がねばなるまい。
(愛媛新聞)

山陰中央新報)参院選・アベノミクス/成長頼みで大丈夫なのか(6/27)
愛媛新聞)経済政策 理念問い直し「底上げ」へ転換を(6/26)
朝日新聞)参院選 税制改革 「再分配」を強めよう(6/24)
東京新聞)アベノミクス 前進か後退かではなく(6/24)
熊本日日新聞)アベノミクス 所得再配分どう進めるか(6/24)




以下引用



山陰中央新報 ('16/06/27)
論説:参院選・アベノミクス/成長頼みで大丈夫なのか


 参院選の大きな争点の一つが経済政策だ。安倍晋三首相はアベノミクスをさらに加速すると強調して支持を訴える。目標に掲げるのはデフレ脱却、実質成長2%、名目国内総生産(GDP)600兆円の達成などだ。
 具体的な道筋が見えない野党側の政策に比べると、確かに力強い目標に映る。半面、その達成は極めて難しいだろう。高齢化と人口減少、そして社会の成熟化が急速に進んでいるからだ。さらに英国の欧州連合(EU)離脱決定という不安要素も新たに加わった。
 アベノミクスの問題点は大きく二つある。一つは目標を是が非でも実現しようと、かつてなくリスクの高い政策を重ねている点で、その代表が日銀による大規模金融緩和であり、マイナス金利政策だ。ところが、脱デフレの目標が「逃げ水」のように遠のき、追加策を打つ悪循環に陥っている。しかも、このリスクの高い政策の勘定書きは将来、国民に回ってくるだろう。
 もう一つは、高い成長の実現を想定しているために、喫緊の課題-財政再建と社会保障制度の見直し-に本格的に手を付けず、先送りしている点だ。消費税率10%への引き上げを再び延期したことが象徴している。
 日本に残された時間は少ない。あと10年ほどで団塊世代が75歳以上となり、高齢化と人口減少が一段と加速する。年金や医療、介護に必要なお金がさらに増えるのは確実だが、不足分を国の借金で賄う今のやり方はもう限界で、既に1千兆円も借金を抱えている。
 ところが、安倍首相は「成長により企業と家計が潤い、国と地方へ入るお金も増える」「それで財政や社会保障の問題は解決できる」というストーリーを繰り返す。しかし、日本の現実を冷静に見れば、このような成長頼みのやり方を続けるのは無理があるだろう。
 この3年間の実質成長率は2013年の1・4%の後、14年が小幅マイナス、15年は0・5%しかなかった。日本経済の実力である潜在成長率が0%台前半とされるので不思議ではない。これが日本の姿といえる。
 高い成長がなくとも持続可能な社会保障や税・財政の仕組みに大急ぎで変えていくべきだろう。残された時間を考えれば、今が最後のチャンスといえる。負担増の痛みをある程度伴っても、それで将来不安が和らげば、かえって景気の安定が期待できよう。
 言い換えれば、いつまでも「成長」という名のバスを待ち、大切な時間を費やしていていいのかどうか。有権者は今、それを問われている。
 時間が問題なのは、アベノミクスの勘定書きは、時がたつほど額が膨らみかねないためだ。
 金融政策の後始末で、大規模緩和の結果として日銀が保有する国債は、今や約360兆円。年80兆円ずつ増えている。将来、財政再建がうまくいかないなどの理由で国債の価値が下がれば、最終的に損失を負うのは国民とならざるを得ない。
 おまけにマイナス金利政策により借金をする国が得をする異常事態が生じている。このため財政再建に対する政権の危機感が低下しかねないだろう。
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愛媛新聞  2016年06月26日(日)
社説:経済政策 理念問い直し「底上げ」へ転換を


 「最大の争点は経済政策だ」―今回の参院選で安倍晋三首相はそう位置づけ、「加速か、後戻りか」と二択を迫る。だが、過去の検証や反省もなく「この道しかない」と突き進むことには、不安と疑問を禁じ得ない。各党は「誰のため、何のための経済成長を目指すべきか」という根幹の理念を問い直し、大局的な議論を深めてもらいたい。
 3年半前、安倍政権は金融政策・財政政策・成長戦略を「三本の矢」とうたう経済政策を打ち出した。前2者の緊急的効果で株高円安は進んだものの、設備投資や消費は低迷。企業と富裕層を優遇し、企業業績や内部留保は上積みされたが、地方、中小企業、個人への「トリクルダウン」はほぼ起きなかった。
 その修正もないままに、首相は安全保障関連法を強行成立させた直後の昨年秋、再び経済最優先を強調し始めた。「強い経済(国内総生産600兆円)」「子育て支援(希望出生率1.8)」「社会保障(介護離職ゼロ)」という「新三本の矢」はもはや矢ですらなく、遠い「的(目標)」にすり替わり、実現不能な数字が躍る。
 結局3年半たって、豊かな人をさらに豊かにはしたかもしれないが、多くの国民に「暮らしが良くなった」実感は乏しい。不安定な雇用や貧困によって格差は拡大し、将来不安は増している。異例のマイナス金利で金をばらまいても消費や投資に向かう雰囲気はない。であればやはり政策のベクトルを見直し、格差是正や「底上げ」に資する血の通った経済政策へと、軌道修正を急がねばなるまい。
 自民党公約で首相は「道半ばだが、確実に『結果』を生み出している」と力説する。矛盾した強弁だが、掲げた目標の未達は認めた格好。実際、政権や日銀が自ら設定した「2年程度で2%物価上昇」「デフレ脱却」の目標は、実現には程遠い。
 消費税増税の再延期も、2年前に「(経済政策で)増税できる環境を整える」と言い切った以上、公約違反には違いない。自民からも「見込み違いだったと言ってもらえば、私たちも説明しやすかった」(野村哲郎政調会長代理)との声が上がる現状である。「新しい判断」の一点張りで説明責任を放棄し、方向転換せずに「エンジンを吹かす」ことは到底容認できない。
 野党の民進は「人への投資」「分配と成長の両立」を重視。共産は「格差と貧困の是正」、生活は「地方への交付金」、社民は「富裕税創設」を訴える。首相は「対案などあるのか」と攻撃するが、自民公約も「目指す」「安定財源を確保」など根拠薄弱な希望、約束が目立つ。
 英国を見ても分かる通り「世界経済のリスク」(首相)は確かに大きく、一国だけであらがうすべも、特効薬も見当たらない。細かな個別政策もさることながら理念と方向性、そして正直に副作用や「できないこと」も語れるか。政治がどこを、誰を見ているか、を注視したい。
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朝日新聞 2016年6月24日(金)付
社説:参院選 税制改革 「再分配」を強めよう


 正社員と非正社員、大企業と中小企業、都市と地方。高齢者と若者、稼ぎや資産の多い人と少ない人……。
 様々な格差・不平等の拡大を実感する人は多いだろう。誰もが生き生きと暮らせる社会をめざすには、再分配政策を強め、格差を縮めることが不可欠だ。
 その際、社会保障などの予算措置に加え、大きな役割を担うのが税制だ。安倍政権が消費増税を先送りし、年金や介護分野での低所得者対策が後回しになりそうなだけに、税制を広く見直して再分配を進める重要性はますます高い。
 具体的には所得税と相続税、法人税について「持てるところから取る」という基本方針をしっかりと掲げることが必要だ。
 所得税では政府税制調査会が昨年秋、働き方や家族のあり方の多様化、格差の拡大などを踏まえて論点を整理した。女性活躍推進の観点で始めた配偶者控除の見直し作業を発展させ、各種控除の改変を焦点にすえる。
 税率の見直しも忘れてはならないだろう。所得税率は5~45%の累進制だが、株式の配当や売却益への課税は20%が基本だ。年間所得が1億円を超えると実際の税負担率が下がっていく傾向があるが、高所得者ほど株式を多く持っているからだ。
 相続税では15年から、基礎控除の縮小や最高税率の引き上げなどで課税が強化された。それにより、死亡に伴って相続税が課される比率が4%強から6%程度に高まると見られる。
 不動産相場が高い大都市圏での影響はどうか、政府は分析を深めるとしてさらなる増税には慎重だ。だが、資産の再分配のカギとなるのが相続税だけに、段階的に強化していくべきだ。
 そして、法人税である。
 安倍政権は、企業の負担を軽くすれば賃上げや投資が進むとして税率の引き下げを急ぐ。
 確かに賃上げはある程度実現し、投資も持ち直しの傾向にある。しかし企業が全体として過去最高水準の利益をあげ、多額の現預金をため込んでいる状況からすればまったく力不足だ。企業におカネを使ってもらうには、むしろ課税強化が検討課題になるのではないか。
 論点は多いのに、参院選での議論は低調だ。民進党など野党4党は「累進所得税、法人課税、資産課税のバランスの回復による公正な税制」という共通政策を掲げたが、自民党の公約は消費増税の延期以外に税制に関する記述がほとんどない。
 めざす社会像を知る手がかりの一つが税制である。各党や候補の主張に耳をすまそう。
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東京新聞 2016年6月24日
【社説】アベノミクス 前進か後退かではなく


 安倍晋三首相が三年半にわたって進めた経済政策、アベノミクスの成果をどうみるかは参院選の焦点の一つである。目先だけでなく将来像も含め判断すべきだ。
 「成長と分配の好循環」と自民、公明の連立与党は掲げる。これに対し、最大野党の民進党が主張するのは「分配と成長の両立」。ともに「成長」と「分配」を前面に出しているが、中身は大きく異なっている。
 自公は、有効求人倍率や新卒の就職率など雇用の改善、企業の収益増大、税収増をアベノミクスの成果と強調する一方、いまだ道半ばだとして路線継続を訴える。
 強調する「成長と分配の好循環」とは、主にアベノミクスによる果実である税収の上振れ分の活用を指す。税収(一般会計)は確かに、この三年間で約十兆円増えた。企業の利益が増大し、法人税収が増加したためだ。これを消費税増税の再延期で穴があく社会保障の財源に充てたり、アベノミクスの恩恵が及びにくい低年金者へ一律三万円を配ったりする。
 ただ、これまで企業の利益が増えたのは異次元緩和による円安の効果が大きかったのである。今年に入ってからの円高進行で企業の利益も税収も期待できず、流れが逆回転するおそれがある。そもそも恒久的に必要な社会保障の財源を、景気によって大きく左右される税収の上振れ分で賄おうという発想は危うく、再分配というには不安定だと指摘する声は多い。
 与党自身がアベノミクスは道半ばというように、経済全体の動きを最も的確に表すGDP(国内総生産)は、この三年間で五百二十三兆円から五百三十兆円(いずれも物価の変動分を除いた実質)へとわずかしか増えていない。異次元緩和や財政出動は将来世代への負担先送りとの懸念があろう。
 一方の民進党がいう分配と成長の両立はどうか。大企業と富裕層の税負担を高め、低所得者や若者への分配に軸足を置く。格差を縮小し、経済成長の潜在力を引き上げる狙いだが、政策理念は聞こえがよくても具体的な成長底上げへの施策が鮮明でなければ説得力を欠くのではないか。
 消費税増税の先送りに伴う社会保障充実の財源を、当面は赤字国債の増発で賄うとした点も、負担のつけ回しとの批判は免れまい。
 日本の所得再分配は経済協力開発機構(OECD)の中で最下位に近い。成長と分配の実現は今や経済政策の喫緊の課題である。 
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熊本日日新聞 2016年06月24日
社説:アベノミクス 所得再配分どう進めるか


 「アベノミクス」の継続か否か-。今回の参院選で安倍晋三首相(自民党総裁)が最大の争点に掲げるのが、3年半にわたって進めてきた経済政策への評価だ。個人消費が伸び悩み景気に陰りもみられ、熊本など地方では回復の実感を得られないままだ。各党はアベノミクスの功罪を唱えるだけでなく、経済再生の処方箋を示した論戦を展開してほしい。
 自民、公明両党は有効求人倍率など好調な雇用指標を挙げてこれまでの成果を強調。ただ、まだ道半ばだとして「アベノミクスのエンジンをフル回転させる」(安倍首相)必要性を訴える。一方、民進、共産など主要野党は実質賃金の低下や非正規雇用の増加などを指摘。「アベノミクスは限界にぶち当たっている」(岡田克也民進党代表)と政策転換を迫る。
 安倍政権は大規模な金融緩和、機動的な財政出動、規制緩和を中心とした成長戦略という「三本の矢」で、デフレ脱却を目指してきた。確かに、日銀の「異次元緩和」を背景に円安・株高が進み大企業を中心に業績が好転。賃金の底上げを図る動きも出て、雇用の改善や税収増などをもたらした。
 大企業や富裕層を潤し、その恩恵を中小企業などに波及させる「トリクルダウン」を進めるのがアベノミクスのシナリオとされる。しかし、新興国の経済減速などから年明け以降、「好循環」は逆回転し始めた。恩恵を受けているのは都市部や一部の大企業で、一般市民や地方には景気回復の実感は乏しい。
 一橋大経済研究所の試算によると、2013~15年の3年間に個人消費を支える中間層が減少。高・低両所得層への二極化が進んだという。その背景には金融緩和による株高の恩恵が富裕層に偏ったのに加え、賃上げが幅広い層に及んでいないことが挙げられよう。
 格差の拡大は景気底上げの足かせになりかねず、所得の再配分をいかに進めるかが問われている。参院選公約では、自民党が「成長と分配の好循環」を掲げ、民進党は「分配と成長の両立」を打ち出したが、似たような言葉が並び有権者には分かりづらい。もっと具体的な説明が必要だ。特に野党は、アベノミクスに代わり得る経済政策を明確に打ち出すべきだ。
 消費低迷の背景には家計の節約志向に加え、若年層を中心に将来不安が高まっている現状もある。消費増税の再延期で財源の裏付けが不透明になった社会保障の将来像を、はっきり示すことも求められよう。
 アベノミクスは、1本目の矢である金融政策に依存してきた。ただ、日銀の国債購入にも限界がある。財政出動もカンフル剤としては有効でも、長期間続けることはできない。国際通貨基金(IMF)は、構造改革を伴わない財政出動や金融政策に過度に依存する日本の現状に警鐘を鳴らしたばかりだ。鍵を握るのは、やはり成長戦略を具体的にどう進めるかだ。
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