2016-07-06(Wed)

ダッカ襲撃テロ事件 バングラデシュ 有望市場に暗雲

安全対策の強化急務=日系240社進出、ODAで存在感

----バングラデシュの首都ダッカで起きた人質テロ事件で、JICA(国際協力機構)の委託業務で渡航していた建設コンサルタント会社の日本人技術者7人が死亡した。

バングラデシュに対しては、JICAが6月末に過去最大規模の円借款貸付契約を調印したばかり。
これから多くのインフラ事業が期待されるなか、今後のプロジェクト実施に暗雲が立ち込めている。

----ダッカの交通渋滞を解消するために日本企業3社がJVを組み、現地で交通システム改善事業の実現可能性調査を実施している最中にテロに遭遇した。
 
JICA広報室によると、6~7月の滞在予定で渡航していた技術者が事件に巻き込まれた。
業務名や契約期間は明らかにしていない。JICAは現在、同国でJICAの案件に関与している技術者らに対して、ホテルや自宅で待機するよう命じている。

----バングラデシュは、南アジアと東南アジアの結節点に位置し、地政学的に周辺地域の経済発展に大きな影響を与える国だ。
中所得国化に向けて、経済成長を加速させている。

人口増加率が高く、現在、1億6000万人の人口を抱えるバングラデシュは、日本企業から新たな市場として注目を集めている。
しかし、急激な都市化の進展に対して、インフラ整備が追いつかず、交通ネットワークの構築や電力の安定供給などが課題となっている。
JICAの円借款事業などでは首都ダッカを中心に、日本との二国間援助が進む。

----今年6月29日には、JICAとバングラデシュ政府との間で、1度に円借款を貸し付ける額として過去最大規模となる総額1735億3800万円の契約を結んでいる。
(日経コンストラクション)
 
----バングラデシュの首都ダッカで起きた飲食店襲撃テロ事件は、現地に進出する日系企業に衝撃を与えた。
日本人男性が銃撃、殺害された事件が2015年10月にあったばかりで、各社とも現地の社員らに注意を促してきた。
事業を展開していく上でさらなる安全対策の強化が急務となる。
 
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、経済成長が見込めるバングラデシュには今年2月時点で、日系企業240社が進出。
特に安倍晋三首相が14年5月の同国との首脳会談で、最大6000億円の経済支援を表明後、政府開発援助(ODA)を軸にした交通・電力などインフラ整備面で日系の存在感が増している。
(時事通信)




以下引用

日経コンストラクション2016/07/05
7邦人犠牲のバングラデシュ有望市場に暗雲
 バングラデシュの首都ダッカで起きた人質テロ事件で、JICA(国際協力機構)の委託業務で渡航していた建設コンサルタント会社の日本人技術者7人が死亡した。バングラデシュに対しては、JICAが6月末に過去最大規模の円借款貸付契約を調印したばかり。これから多くのインフラ事業が期待されるなか、今後のプロジェクト実施に暗雲が立ち込めている。
 亡くなったのはアルメックVPI(東京都新宿区)の社員3人と、オリエンタルコンサルタンツグローバル(東京都渋谷区)の社員など関係者3人、片平エンジニアリング・インターナショナル(東京都中央区)の社員1人の計7人。またアルメックVPIの社員1人が負傷した。
 ダッカの交通渋滞を解消するために日本企業3社がJVを組み、現地で交通システム改善事業の実現可能性調査を実施している最中にテロに遭遇した。
 JICA広報室によると、6~7月の滞在予定で渡航していた技術者が事件に巻き込まれた。業務名や契約期間は明らかにしていない。JICAは現在、同国でJICAの案件に関与している技術者らに対して、ホテルや自宅で待機するよう命じている。

1735億円の円借款事業
 バングラデシュは、南アジアと東南アジアの結節点に位置し、地政学的に周辺地域の経済発展に大きな影響を与える国だ。中所得国化に向けて、経済成長を加速させている。
 人口増加率が高く、現在、1億6000万人の人口を抱えるバングラデシュは、日本企業から新たな市場として注目を集めている。しかし、急激な都市化の進展に対して、インフラ整備が追いつかず、交通ネットワークの構築や電力の安定供給などが課題となっている。JICAの円借款事業などでは首都ダッカを中心に、日本との二国間援助が進む。



2016年4月時点のバングラデシュにおける案件配置図。
https://libportal.jica.go.jp/fmi/xsl/library/Data/PlanInOperation/EastSouthAsia/051_Bangladesh.pdf
Pは技術協力、Dは開発調査、開発計画調査型技術協力、Lは有償資金協力、Gは無償資金協力を表す。図中に、今回の事件で犠牲となった社員が関与していた実現可能性調査の業務は入っていない(資料:JICA)
 今年6月29日には、JICAとバングラデシュ政府との間で、1度に円借款を貸し付ける額として過去最大規模となる総額1735億3800万円の契約を結んでいる。
(発表資料:JICA、バングラデシュ向け円借款契約の調印)
 今回のテロ事件で犠牲者が出た企業を含め、多くの建設コンサルタント会社がバングラデシュを有望な市場とみている。
 アルメックVPIは14年度から16年7月末までの契約期間で、JICAのダッカ都市交通戦略計画改訂プロジェクトに関与している。片平エンジニアリング・インターナショナルはNECとともに14年度に、「ダッカ市都市交通料金システム統合のためのクリアリングハウス設立プロジェクト」を受託していた。

建設工事も盛んに行われる
 日経コンストラクションの独自調査でも、バングラデシュの市場の好調さが見てとれる。今年2月、2015年1月~12月に期末を迎えた決算期を対象に、全国の主要建設コンサルタント会社にアンケート調査を実施したところ、同国での売上高上位5社は軒並み増収を遂げた。次期の見通しも増加傾向にあった。
■バングラデシュにおける売上高上位5社
■バングラデシュにおける売上高上位5社
2015年1月~12月に期末を迎えた決算期を対象に、主要な建設コンサルタント会社へ実施したアンケート調査の結果。売上高は原則として、関連会社を含む連結ベース。オリエンタルコンサルタンツは2014年10月に海外事業を分社化しており、表中の売上高はオリエンタルコンサルタンツグローバルの数値がメーン(資料:日経コンストラクション)
 バングラデシュで売上高が1位だった日本工営は6月、同国の民間航空局からダッカの新空港建設に関する調査業務を約16億円で受注した。同社はこの3月、建築設計分野で売上高英国2位のBDPホールディングスの買収を発表した際、バングラデシュの鉄道駅舎事業などにも強い関心を示していた。
(関連記事:狙いは都市と交通、日本工営が英設計大手を買収)
 今回の事件は建設コンサルタント会社だけでなく、同国に進出している建設会社にも影響しそうだ。
 大林組・清水建設・JFEエンジニアリング・IHIインフラシステムJVは15年11月、バングラデシュから約900億円で主要幹線道に架かる既存橋の改修と新設工事を受注。さらに今年3月には東急建設が都市高速鉄道(MRT)整備事業で、初弾工事となる車両基地造成工事を単独で受注した。
 今後、海外事業に従事する技術者の安全確保に関して、業界を挙げた対策が求められる。

(関連記事:バングラデシュで3橋の改修・並行新橋建設を受注、大林組JV)
2016/01/07
大林組は清水建設、JFEエンジニアリング、IHIインフラシステムとのJVで、バングラデシュ政府から主要幹線道に架かる既存橋3橋の改修と並行橋の新設工事を受注。発注者は同国の道路交通・橋梁省。同JVは約900億円で受注し、2015年11月25日に請負工事契約を結んだ。
(関連記事:バングラデシュ初のMRT建設、初弾工事を東急建設が受注)
2016/04/21
東急建設は、バングラデシュの首都ダッカ市内で計画中の都市高速鉄道(MRT)整備事業で、初弾工事となる車両基地造成工事を単独受注。発注者のダッカ都市交通会社と、3月27日に請負工事契約を結んだ。

真鍋 政彦 [日経コンストラクション]

------------------------------
国際協力機構(JICA)
http://www.jica.go.jp/index.html
バングラデシュ向け円借款契約の調印:急増する電力・交通需要への対応と災害リスク低減のため、過去最大規模の円借款を供与
2016年6月29日
http://www.jica.go.jp/press/2016/20160629_01.html

署名式の様子
国際協力機構(JICA)は6 月29日、バングラデシュの首都ダッカにてバングラデシュ人民共和国政府との間で計6件、総額1,735億3,800万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。
(以下略)

*******************
時事通信 7月3日(日)16時50分配信
安全対策の強化急務=日系240社進出、ODAで存在感―ダッカ襲撃テロ事件
 バングラデシュの首都ダッカで起きた飲食店襲撃テロ事件は、現地に進出する日系企業に衝撃を与えた。日本人男性が銃撃、殺害された事件が2015年10月にあったばかりで、各社とも現地の社員らに注意を促してきた。事業を展開していく上でさらなる安全対策の強化が急務となる。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、経済成長が見込めるバングラデシュには今年2月時点で、日系企業240社が進出。特に安倍晋三首相が14年5月の同国との首脳会談で、最大6000億円の経済支援を表明後、政府開発援助(ODA)を軸にした交通・電力などインフラ整備面で日系の存在感が増している。
 大林組と清水建設は、ダッカとチッタゴンを結ぶ幹線道路の橋りょう工事を共同で実施。現地の社員の無事を確認後、自宅待機を命じている。東芝は15年6月に市場調査と情報収集のため現地に事務所を開設したが、テロ事件を受けてバングラデシュ全域への出張を今月10日まで禁止するよう社内に通知を出した。
 中国などの人件費が上昇する中、バングラデシュは今後も「有力な進出先」であり続ける。ただ、政情が不安定なだけにテロの巻き添えへの対応は難しい課題だ。鹿島の担当者は「(安全対策を)もっと勉強、研究する」と指摘する。
 大手商社の多くも現地に事務所を置く。ダッカ支店に9人駐在する丸紅。電力などのインフラ整備に加え、繊維事業も手掛ける。「人口も多く、生産地としても消費地としてもポテンシャルが高い」と見ており今後、安全対策などについて検討する構えだ。
 繊維分野は同国の成長を支える基幹産業の一つ。ユニクロを運営するファーストリテイリングは現地法人「グラミンユニクロ」を設立し、国内9店舗を展開。日本人従業員には自宅待機を命じた。同国への出張の取りやめなども検討している。 


日本経済新聞 2016/7/4 2:00
テロ対策「日系企業、常時対応を」 意識浸透必要
 グローバル展開を加速する日本企業にとって、海外で働く日本人従業員や現地雇用のスタッフ、海外出張者がテロに巻き込まれるリスクは年々高まっている。繁華街や空港施設といった日常生活の場がテロの標的となる。従業員の家族が巻き込まれないための対策づくりも重要となっている。
 「大規模テロが起きるたびに日本企業の危機意識は高まるが、しばらくすると特に対策を講じないままの企業も少なくない」。危機対応のコンサルティングを手がける専門家はため息をつく。
 紛争地域に工場などの拠点を構える日系企業は歴史的にテロ対策を講じてきたが、比較的安全とされた地域に進出している企業のテロ対策はまだまだ手薄という。この専門家は「経営トップが関与したり、予算を確保したりして日常的に訓練や情報収集できる体制構築が必要」と指摘する。
 海外各地に拠点を置く総合商社などは、安全対策の組織設置や従業員の意識向上に努めている。海外駐在員で約800人、海外出張者が年間延べ1万人に達する伊藤忠商事は、本社内に海外安全の専任者を置いて日常的に海外の担当者らとの情報交換を重ねている。
 バングラデシュで発電所の建設計画を進めている丸紅では、同国への出張者は入国時間や訪問場所などのスケジュールを現地の事務所と共有。「盛り場には不用意に近づかない」などと厳重な注意を払ってきた。
 ある大手商社は「ラマダンの時期にはテロが頻発しているため、イスラム圏などでこの時期は人の集まる場所に近づかないよう社員に意識させてきた」という。
 テロ発生後に迅速に現地従業員の安全を確保できるようにすることも重要だ。ダッカに駐在員事務所を置く東レ子会社の蝶理は今回のテロを受けて、2日から営業活動を中止した。テロや大規模災害が発生した際、駐在員が即座に隣国などに退避できるように常時、航空券を用意している。


日本経済新聞 2016/7/4 0:29
専門家「日本人は狙われやすい」 テロ対策、意識変革を
 「外国人」を標的としたテロが世界各地で相次ぐ中、海外での安全対策が改めて課題となっている。専門家は「日本人だから安全というのは過去の話。日本人だから危ないという意識で行動すべきだ」と警鐘を鳴らす。
 日本人が巻き込まれるテロは近年、相次いでいる。2013年にアルジェリアの日系企業の天然ガス施設がイスラム過激派の襲撃を受け、日本人駐在員らが人質となり、制圧時に10人が亡くなった。15年にはチュニジアの博物館前で男2人が銃を乱射、日本人3人を含む外国人観光客20人以上が犠牲となった。
 国際テロ対策が専門の大泉光一・青森中央学院大教授は「今回の事件を含め、いずれも外国人という理由で狙われた。特に日本人は安全に対する危機意識が薄いほか、日本はお金持ちの国のイメージを持たれており身代金目的でも狙われやすい」と話す。
 15年に中東の過激派組織「イスラム国」(IS)が日本人のフリージャーナリストらを拘束し、身代金を要求。その後に殺害したとする映像が公開された事件は、世界中で大きく報じられ、存在を誇示できたことで「日本人は格好の標的に変わった」とも指摘する。
 大泉教授は「被害を防ぐには目立たないことが鉄則」と強調。海外では集団行動や、同じ飲食店に頻繁に通うなどのパターン化した行動は控えたほうがよいという。
 渡航先のテロ情報などを収集することも重要だ。外務省が14年に開設したサイト「たびレジ」(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)は渡航先を登録すれば、安全情報などをメールで知らせてくれる。現地でテロなどが起きた場合、すぐに知らせてくれるため、不要不急の外出は控えるなどの対策がとりやすくなるという。


日本経済新聞 2016/7/4 1:30
治安改善揺らぐバングラ 外資依存の成長に暗雲
 【ニューデリー=黒沼勇史】バングラデシュのダッカで外国人を中心に犠牲者20人を出した大規模なテロ事件を防げなかったことは、ハシナ政権の治安対策への信頼を揺るがせた。警備が厳しいはずの大使館街が舞台だっただけに衝撃はなおさらだ。治安への不安は外資企業のバングラ進出熱に冷や水を浴びせ、ようやく高成長の入り口に立ったばかりの同国経済の足かせになりかねない。
 バングラでは昨年からイスラム国(IS)系組織が犯行声明を出すテロ事件が続発する。政府はISの浸透を否定しているものの、過激派の動きが活発化しているのは確かだ。ハシナ首相は2日の国営放送で「テロの脅威と戦う」と宣言した。
 同国では首相率いるアワミ連盟(AL)とバングラデシュ民族主義党(BNP)の二大政党が激しく対立し、たびたび政情不安を引き起こしてきた。2009年発足のハシナ政権は「治安改善」を掲げて反政府デモを禁じるなど強権的に封じ込めをはかってきた。
 最近のテロ頻発も、野党に連なる勢力が関与しているとの見方が出ていた。このため政府は6月に1万1千人を拘束。「ありとあらゆる殺人者を逮捕者リストに加える」と明言したものの、摘発された人の大半は武装勢力とは無関係な野党政治家らだったといわれる。
 だが今回の飲食店襲撃犯のうち5人がリストに入っていたにもかかわらず、結果的に凶行を許した。政争にかまけ、真の治安対策が後手に回ったとの批判は免れない。
 長くアジア最貧国のひとつに甘んじてきたバングラは近年、経済成長が著しい。人口1億6千万人と世界8位の同国は、豊富な低賃金労働力を武器に「チャイナプラスワン」の受け皿として縫製産業への対内投資が拡大する。国内総生産(GDP)伸び率は15年まで6年連続で6%台だった。
 中国主導で1月に発足したアジアインフラ投資銀行(AIIB)からは、初案件として農村の250万人向けの基幹送電線整備への融資を取り付けた。「多くの建設事業が進み、国がどんどん成長する」(ダッカのタクシー運転手)とハシナ首相の国内人気は高い。
 米広告大手オグルヴィ・アンド・メイザーは、インドやフィリピンなどと並び、中間層の拡大で急成長が見込める有望な12カ国の一つにバングラを挙げた。世界銀行も昨年、バングラの「低所得国卒業」を認定した。
 ただ成長のけん引役である外資は、政情不安には敏感だ。昨年初めに野党が大規模なゼネストを強行した際には、同国最大の輸出産業である縫製業で「海外バイヤーの来訪が途絶えた」(中央銀行幹部)。今回の凄惨な事件を受け、外資が治安に対する懸念を強めれば、今後の対内投資に悪影響を及ぼしかねない。
 AFP通信によると、今回の飲食店襲撃事件の実行犯についてカーン内相は「教育水準が高い若者で大半は裕福な家庭の出。(イスラム過激思想という)流行に感化された」と話す。テロリスト予備軍はあくまでひと握りとの見方を示したものだが、高成長にブレーキがかかり、貧困層に働く場を与える産業の発展が滞れば、過激思想に感化される人がますます増える悪循環も懸念される。

///////////////////////////////////////////////
関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : ダッカ 襲撃 テロ事件 バングラデシュ 有望市場

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン