2016-07-13(Wed)

秋の経済対策 財政投融資が先祖返り? 国民負担の懸念

「無駄な事業への投資」増への懸念 財投依存 金利上昇時、コスト増

----政府は今秋の経済対策で、国が民間企業に資金を貸し出す「財政投融資」(財投)を積極的に括用する。
財投はずさんな投融資が問題となり、二〇〇一年度から制度改革で事業規模を縮小してきたが、安倍晋三首相は方針を転換。
識者からは「安易な財投の拡大は最終的に国民のツケとなりかねない」と懸念する声が出ている。
 
----財投の活用は財投が特別会計(特会)で処理され、一般会計の赤字を増やさずに済むという政府の狙いもある。
消費税増税の延期で財源が乏しい中、財政健全化目標に直接影響しない特会という「別の財布」を使い、景気対策を進めようとしている。
 
しかし、財投の肥大化は民間金融機関のビジネスチャンスを奪うだけでなく、将来の国民負狽につながる恐れもある。
現在、日銀のマイナス金利政策で政府が財投債を発行しても超低金利で資金調達できるが、将来、景気が良くなれば金利は上がる可能性が高い。
そうなると、政府の支払う利子が増えて資金調達コストがかさむ。
一方で企業への貸出金利は長期で低利固定のままのため、調達コストが貸出金利を上目る「逆ざや」となるおそれもある。
 
財投に詳しい北海道大の宮脇淳敦授は「民間融資である以上、貸し倒れや損失のリスクはある。最終的に税金などで穴埋めする可能性があり、将来の財政リスクを抱えることになる」と指摘する。

財政投融資 公共性が高いが、民間企業だけでは対応できない長期の巨大プロジェクトなどに対し、政府が低利融資や出資で支援する制度。政府は国債の一種の財投債を発行して市場から調達した資金を政府系金融機関などを通じ事業者に供給する。かつて郵貯・簡保の資金が財投を通じてさまざまな特殊法人に流れ、その使途が批判を浴びた。
(東京新聞)




以下引用

将来 金利上昇 「逆ザヤ」
----(財政投融資の積極活用)背景には日銀のマイナス金利政策に伴い、財投の資金を調達する際の金利が極めて少なくて済むことがある。ただ、低金利がいつまでも続く保証はなく、将来的に金利上昇で財政が「逆ザヤ」に苦しむことを懸念する声もある。

----(財政投融資は)非効率な事業にも資金が投じられたり、民間が手掛けられる事業も政府系金融機関が低利融資で取引をさらっていったりするなどの「民業圧迫」批判があった。

このため、財投債による資金調達の変更(入口)と、政府系金融機関の再編など無駄な事業の整理(出口)という両面の改革を実施し、財投は1990年代後半の400兆円規模から、最近は150兆円程度に、大幅に圧縮されてきた経緯がある。

----現在の財投活用論は、財投改革前への先祖返りというわけではないが、危うさを指摘する声は絶えない。

代表的なものは将来の金利上昇リスクへの懸念だ。
2016年6月10日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財投分科会でも「将来の金利変動に備えるべきだ」との意見が出た。
財投は貸し出しが長期間にわたるため、財投債を借り換える際に金利が上昇し、貸出金利を上回る「逆ザヤ」が生じる可能性があり、大きな損失につながる恐れがある。
政府がデフレ脱却を強力に進めるという以上、低金利が長続きしない理屈だが、そこを見越した対応策は示されていない。

----そもそも、経済活動は民間ベースで採算が合うものはやり、採算が合わなければやらないのが基本。
政府は2008年のリーマン・ショック後、財投で中小企業の資金支援などを行ったように、今回も低利の財投資金を民間に貸し出し、企業の設備投資などを促したい考えだが、市場では「現在は超低金利にもかかわらず民間融資が低迷しており、どこまで資金ニーズがあるか疑問」(金融関係者)との声が聞こえる。

逆に、例えば整備新幹線などは人口減少が進むなか、投資に見合う収入を得ることができるのか疑問視されるなど、「財投の趣旨から外れる融資で無駄な事業を増やし、財投改革前の昔に逆戻りしかねない」(エコノミスト)との指摘も出ている。
(J-CASTニュース)


****************************
東京新聞 2016年7月13日 朝刊
首相 経済対策指示 財投依存 国民負担の懸念 金利上昇時、コスト増
 政府は今秋の経済対策で、国が民間企業に資金を貸し出す「財政投融資」(財投)を積極的に括用する。財投はずさんな投融資が問題となり、二〇〇一年度から制度改革で事業規模を縮小してきたが、安倍晋三首相は方針を転換。識者からは「安易な財投の拡大は最終的に国民のツケとなりかねない」と懸念する声が出ている。
 首相は十一日の記者会見で「現在の低金利環境を最大限に生かして財投を積極的に活用し、リニア中央新幹線の全線開業を前倒しする」と述べた。
 JR東海が手掛けるリニアは二〇二七年に東京・品川-名古屋を先行開業し、四五年に大阪へ延伸する計画。政府は財投を使い数十年の長期間、低利固定でJR東海に三兆~五兆円程度を貸し出し財務支援することで大阪延伸を最大八年早めたい考えだ。整備新幹線の建設や低利奨学金の拡充にも財投を充てるという。
 財投の活用は財投が特別会計(特会)で処理され、一般会計の赤字を増やさずに済むという政府の狙いもある。消費税増税の延期で財源が乏しい中、財政健全化目標に直接影響しない特会という「別の財布」を使い、景気対策を進めようとしている。
 しかし、財投の肥大化は民間金融機関のビジネスチャンスを奪うだけでなく、将来の国民負狽につながる恐れもある。現在、日銀のマイナス金利政策で政府が財投債を発行しても超低金利で資金調達できるが、将来、景気が良くなれば金利は上がる可能性が高い。そうなると、政府の支払う利子が増えて資金調達コストがかさむ。一方で企業への貸出金利は長期で低利固定のままのため、調達コストが貸出金利を上目る「逆ざや」となるおそれもある。
 財投に詳しい北海道大の宮脇淳敦授は「民間融資である以上、貸し倒れや損失のリスクはある。最終的に税金などで穴埋めする可能性があり、将来の財政リスクを抱えることになる」と指摘する。 (岸本拓也)
財政投融資 公共性が高いが、民間企業だけでは対応できない長期の巨大プロジェクトなどに対し、政府が低利融資や出資で支援する制度。政府は国債の一種の財投債を発行して市場から調達した資金を政府系金融機関などを通じ事業者に供給する。かつて郵貯・簡保の資金が財投を通じてさまざまな特殊法人に流れ、その使途が批判を浴びた。


J-CASTニュース-2016/6/27 12:24
財政投融資が先祖返り? 「無駄な事業への投資」増への懸念
 安倍晋三政権が財政投融資(財投)の積極活用に動いている。民間企業だけでは資金を賄い切れない事業などに政府が投融資するもので、財政事情が厳しい中でも機動的に規模を積み増せることから、今(2016年)秋に予定する景気対策の柱にする考えだ。背景には日銀のマイナス金利政策に伴い、財投の資金を調達する際の金利が極めて少なくて済むことがある。ただ、低金利がいつまでも続く保証はなく、将来的に金利上昇で財政が「逆ザヤ」に苦しむことを懸念する声もある。
 財投は、政府が財投債(国債の一種)を発行して市場から借りた資金を原資に、政府系金融機関などを通じて投資や融資をおこなうもの。事業が長期間にわたるもの、リスクが高くて民間が手を出しにくい事業に資金を供給するのが目的だ。
「目玉」はリニア中央新幹線や整備新幹線
 安倍首相は消費税増税の再延期を表明した6月1日の記者会見で、「新たな低利貸付制度によって21世紀型のインフラ整備をする」と述べ、財投を景気対策に最大限活用する考えを表明した。これに呼応し、自民党は参院選公約で、財投を活用し、向う5年間で民間資金と合わせて30兆円の事業規模を確保することを打ち出している。
 財投活用の目玉とされるのが、リニア中央新幹線や整備新幹線だ。リニアはJR東海の「民間事業」で、2027年に東京-名古屋を先行開業し、大阪への延伸は2045年を目指す方針だった。政府は、これに財投による低利融資を使った支援スキームを作り、大阪までの延伸を最大8年程度、前倒しする方針を示し、JR東海と協議に入っている。リニアを成長戦略の目玉として参院選に向けてアピールする作戦だといわれる。
 整備新幹線についても、石井啓一国土交通相は6月2日の記者会見で、「長期固定、低金利の融資を活用することで(整備新幹線の)建設をより着実に推進したい」と表明。整備新幹線は、鉄道・運輸機構が建設主体として施設を保有し、JR各社に貸し出す仕組みで、北海道新幹線の札幌-新函館北斗、北陸新幹線の金沢-敦賀、九州新幹線の長崎-武雄温泉が着工中だが、財投から機構にお金を回して金利負担を軽くし、着実に整備を進めようというが狙いだ。
「民業圧迫」批判などから大幅に圧縮されてきた経緯
 今、政府が財投に着目するのは、日銀によるマイナス金利政策の「追い風」を生かそうという思惑からだ。金利が歴史的な低水準となっていることから、財投債の金利も低下し、貸出金利も下げられるというわけで、すでに財投の貸出金利の下限を現行の0.1%から0.01%程度に下げる方向を打ち出している。
 もうひとつ、国と地方の借金が国内総生産(GDP)の2倍を超えるという危機的な財政状況の中でも、財投を使えば、税金を原資とする一般会計予算を傷めずに事業に金を回せることも、大きな誘因だ。安倍首相は消費税増税を2019年10月まで2年半延期すると決めた際、基礎的財政収支(社会保障費などの政策経費を税収でどこまで賄えるかを示す指標)を2020年度に黒字化するという目標の堅持を明言する一方、財政出動に積極姿勢を示した。「税収が増えている」(安倍首相)とはいえ、消費税先送りと財政出動は矛盾する方針だ。そこで、一般会計ではないが投融資の形で支出される公的資金である財投が財政出動の一形態として役割を果たすということだ。
 もとをただせば、財投は郵貯や年金の資金を旧大蔵省の資金運用部を通じて自動的に流していた仕組みで、一般会計予算のように国会の承認が必要なく、政府の裁量で使えた。このため、1990年代の不況期に相次いで実施された経済対策でも活用され、事業規模を大きく見せる「膨らし粉」と揶揄されもした。
 一方、非効率な事業にも資金が投じられたり、民間が手掛けられる事業も政府系金融機関が低利融資で取引をさらっていったりするなどの「民業圧迫」批判があった。このため、財投債による資金調達の変更(入口)と、政府系金融機関の再編など無駄な事業の整理(出口)という両面の改革を実施し、財投は1990年代後半の400兆円規模から、最近は150兆円程度に、大幅に圧縮されてきた経緯がある。
超低金利のなか「どこまで資金ニーズがあるか疑問」
 もちろん、現在の財投活用論は、財投改革前への先祖返りというわけではないが、危うさを指摘する声は絶えない。代表的なものは将来の金利上昇リスクへの懸念だ。2016年6月10日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財投分科会でも「将来の金利変動に備えるべきだ」との意見が出た。財投は貸し出しが長期間にわたるため、財投債を借り換える際に金利が上昇し、貸出金利を上回る「逆ザヤ」が生じる可能性があり、大きな損失につながる恐れがある。政府がデフレ脱却を強力に進めるという以上、低金利が長続きしない理屈だが、そこを見越した対応策は示されていない。
 そもそも、経済活動は民間ベースで採算が合うものはやり、採算が合わなければやらないのが基本。政府は2008年のリーマン・ショック後、財投で中小企業の資金支援などを行ったように、今回も低利の財投資金を民間に貸し出し、企業の設備投資などを促したい考えだが、市場では「現在は超低金利にもかかわらず民間融資が低迷しており、どこまで資金ニーズがあるか疑問」(金融関係者)との声が聞こえる。逆に、例えば整備新幹線などは人口減少が進むなか、投資に見合う収入を得ることができるのか疑問視されるなど、「財投の趣旨から外れる融資で無駄な事業を増やし、財投改革前の昔に逆戻りしかねない」(エコノミスト)との指摘も出ている。

****************************

毎日新聞2016年7月13日 東京朝刊
経済対策
10兆円超 建設国債追加へ 財政悪化招く恐れも 首相指示
 安倍晋三首相は12日、石原伸晃経済再生担当相らに経済対策の策定を指示した。リニア中央新幹線の大阪延伸の最大8年前倒しなどが柱となる。事業規模は10兆円超となる見通しで、月内をめどにまとめる。だが、景気低迷で財源となる税収は頭打ちとなっており、政府は4年ぶりに建設国債を追加発行する方針だ。大型の経済対策は一層の財政悪化を招く可能性もある。【小倉祥徳、横山三加子】
 「成長の投資となるものは思い切って行い、中長期的な成長基盤を構築する」。安倍首相は石原氏らに対策の狙いをそう説明した。ただ、首相が指示した対策のメニューは、訪日外国人客を地方に呼び込むための港湾整備や、農産物輸出拡大のためのインフラ整備など公共投資が中心。一方、首相が看板政策と位置付ける介護や子育て支援など「1億総活躍プラン」については、「加速化につながる施策を盛り込む」と述べるにとどまった。
 国内では、年金など将来不安を背景にした消費低迷が長引いている。少子高齢化などで経済の実力を示す潜在成長率は0%台にとどまっており、「目先の対策ではなく、経済の底上げにつながるような成長戦略の実行が必要」(証券アナリスト)との指摘は多い。
 しかし、成長産業に人材の移転を進めたり、女性の就労を促したりして所得増などにつなげる「働き方」改革は、企業の意識改革の遅れなどで進んでいない。消費税の増税再延期で社会保障の不安解消も遠のいている。
 今回の対策では財源探しも課題だ。円高などを背景に2015年度の法人税収は6年ぶりに減少。対策の財源に使える剰余金は安倍政権発足後、毎年1兆〜2兆円発生していたが、15年度は約2500億円にとどまった。一段と円高が進んでいる16年度も、税収が想定を上回る「上ぶれ」は見込めそうにない。
 政府は、政府が民間に低利融資する財政投融資を5兆円程度活用する方針とみられるが、それでも財源は不足する見込み。12日に記者会見した石原氏は、「赤字国債の発行は望ましくない」としつつも、公共事業などに使途を限定した建設国債の追加発行は容認した。建設国債を追加発行すれば、安倍政権発足直後の12年度補正予算以来、4年ぶりとなる。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「国債の追加発行で財政悪化が進みかねず、財政健全化目標の達成は一層遠のくだろう」と指摘した。

10兆円超 建設国債、追加へ 財政悪化招く恐れも 法政大大学院教授・小峰隆夫氏の話
中長期的な政策を
 参院選で安定多数の盤石な政権基盤を得たのだから、短期的ではなく中長期的な視点の経済政策に転換すべきだ。「アベノミクスのエンジンをふかす」として、大型補正予算を組もうとしているが、雇用が安定し、賃上げも進むなど足元は大きな緊急対策が必要なほど悪い経済状況ではなく、必要性は感じられない。少子化問題や格差問題などの根底にある働き方の改革に腰を据えて取り組むべきだ。多様な働き方や、成長分野に転職しやすくなるような働き方を制度面で後押しする必要がある。起業家も誕生しやすくなり、成長を押し上げるだろう。一方、社会保障制度改革も必要だ。高齢化や少子化で歳出は増え続けており、効率化や合理化を進めるべきだ。


時事通信(2016/07/12-19:25)
経済対策、10兆円超=建設国債発行を検討=安倍首相が月内策定を指示
 安倍晋三首相は12日、デフレ脱却へ向け、石原伸晃経済財政担当相、麻生太郎財務相ら関係閣僚を官邸に集め、景気を下支えする総合的な経済対策を月内をめどに策定するよう指示した。事業規模で10兆円超の大型対策とする方向で調整。財源として、公共事業などに使途を限った建設国債の追加発行も検討する。2020年度の財政健全化目標は堅持し、赤字国債は発行しない見通しだ。
 首相は関係閣僚への指示で「構造改革を進めるとともに未来への投資の加速を目的とする総合的かつ大胆な経済対策」とする考えを表明した。記者会見した石原経財相は「建設国債の発行はあり得る。しかし、補正予算の財源としての赤字国債は望ましくない」と強調した。年度途中の国債の追加発行は13年1月の経済対策以来となる。
 経済対策の裏付けとなる16年度第2次補正予算案を9月に召集する臨時国会に提出する方針。
 政府は、税収に依存せず、国が政府系金融機関などを通じた低利融資で民間事業を支援する財政投融資を積極活用。JR東海のリニア中央新幹線の大阪延伸の8年程度前倒しや整備新幹線の建設を後押しする考えだ。
 首相は対策指示の中で「英国の欧州連合(EU)離脱の選択など世界経済の需要低迷、成長の減速のリスクが懸念される」と指摘した。対策には地方経済の活性化や「1億総活躍社会」の実現加速、中小企業・小規模事業者や海外進出企業の資金繰り支援などの施策を盛り込む。
 具体的には、政府が掲げる農林水産物・食品の輸出額1兆円(15年は約7450億円)の早期達成に向け、輸出関連のインフラ整備を加速。クルーズ船受け入れのための港湾施設整備のほか、地方のホテル・旅館の改修・建設支援など訪日外国人観光客4000万人の目標達成に向けた観光業強化策を推進する。保育・介護の受け皿整備、年金受給資格を得るための保険料納付期間の短縮、無利子奨学金の拡充なども盛り込む。
 税収の大きな上振れが期待しにくい中、財政投融資を除く財源には、建設国債のほか、低金利で生じることが見込まれる国債の利払い費の減少分などを充てる方向だ。


東京新聞 2016年7月13日 朝刊
首相、経済対策の月内策定を指示 成長戦略の具体策見えず
 安倍晋三首相は十二日、石原伸晃経済再生担当相、麻生太郎財務相らに経済政策「アベノミクス」を加速するために、財政出動によるインフラ整備を中心とした対策を月内をめどに取りまとめることを指示した。事業規模は十兆円超の方向で調整し、財源は公共事業に限定した建設国債の発行を検討する。規制改革による成長戦略が十分に効果を発揮していない段階で実施する公共事業中心の対策の効果に、エコノミストからは疑問の声も出ている。
 政府は二〇二〇年度の財政健全化目標は堅持し、歳入の不足を補う赤字国債は発行しない見通し。首相は「未来への投資の加速を目的とする総合的かつ大胆な経済対策を講じなければならない」と表明した。石原氏は「経済対策の目的は未来への投資。思い切って中長期的に成長していくための基盤を構築する」とし、赤字国債の発行は「補正予算の財源としては望ましくない」と述べた。
 対策の柱は▽一億総活躍プランの加速▽二十一世紀型のインフラ整備▽英国の欧州連合(EU)離脱に伴うリスクへの備え▽震災復興の加速など。目玉は財政投融資(財投)を活用したリニア中央新幹線の大阪開業前倒しになる。財投は税収に頼らず国の信用力で借りた資金を民間に低利で貸し出す手法。首相は日銀の金融緩和による低金利を生かしリニア整備を進める。
 訪日外国人観光客四千万人の目標達成に向けた観光振興策として、外国からの大型客船が停泊できる港湾の整備や、旅館・ホテルの改修支援を推進。農林水産物・食品の輸出額一兆円を目指すため、農産物の輸出基地を全国に建設する。保育・介護の受け皿強化や年金受給資格を得るための保険料納付期間の短縮、無利子奨学金の拡充なども進める。対策を盛り込んだ一六年度第二次補正予算案は秋の臨時国会に提出する。
 首相は十二日、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ前議長と経済政策について会談。同席した浜田宏一内閣官房参与によると、前議長は「金融政策は機能しており、財政が加わると、もっとうまくいくだろう」と語ったという。
 三年半のアベノミクスは、金融政策や財政政策が目立つ一方、三本目の矢の規制改革による成長戦略は「成果が上がっていない」(ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミスト)との批判が出るなか、今回の対策は財政政策が中心。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎氏は「この先も成長戦略が不発のまま金融、財政の政策を続けてもすぐに効果は剥げ落ちる」と指摘している。 (白山泉)

/////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 経済対策 財政投融資 国民負担

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン