2016-07-15(Fri)

東京都知事選スタート 鳥越俊太郎氏 野党統一候補

どう是正する 大都市と地方の「一極集中」格差 ひろがる住民の貧困と格差

<各紙社説・論説・主張>
読売新聞)都知事選告示 重責全うする「顔」を今度こそ
東京新聞)都知事選告示 試される選ぶ側の眼力(7/15)
岩手日報)都知事選スタート 地方との関わりも語れ(7/15)
信濃毎日新聞)都知事選 政策論争を深めてこそ(7/15)

福井新聞)東京都知事選 「一極集中」どう是正する(7/15)
京都新聞)東京都知事選  「一極集中」でも議論を(7/15)
神戸新聞)都知事選告示/首都の将来像を競い合え(7/15)
西日本新聞)都知事選告示 一極集中のままでいいか(7/15)
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朝日新聞)都知事選 「東京の未来」論じよう(7/14)
日本経済新聞)首都の新しい顔を政策をもとに選ぼう (7/14)
産経新聞)都知事選 冷徹に新たな顔の選択を(7/14)
北海道新聞)東京都知事選 首都の将来大いに語れ(7/14)
河北新報)都知事選あす告示/地方との連携が欠かせない(7/13)




以下引用



読売新聞 2016年07月15日 06時05分
社説:都知事選告示 重責全うする「顔」を今度こそ


 東京都知事選が告示された。2代続けて知事が政治とカネの問題で辞職するという異常な事態を受けた選挙だ。
 都政の安定を取り戻して、重責を全うできる人物を、今度こそ見極めたい。
 自民、公明両党などが推薦する元総務相の増田寛也氏、ジャーナリストで、民進など4野党推薦の鳥越俊太郎氏、元防衛相の小池百合子氏ら21人が立候補した。
 前知事の舛添要一氏と2代前の知事だった猪瀬直樹氏は、ともに高い知名度を武器に当選した。2人が任期途中で失脚した教訓から、真に資質に優れた知事の誕生を都民は望んでいよう。
 しかし、政党による候補者選びは迷走を重ね、有力候補の顔ぶれが確定したのは告示前夜という慌ただしさだった。結局、知名度頼みの選考となった印象が強い。
 岩手県知事も務めた増田氏は、豊富な行政経験をアピールする。ただ、地方の衰退を食い止めるために、東京への一極集中の是正を唱えてきたことと、都知事の職務との整合性をどう取るのか。分かりやすい説明が求められる。
 鳥越氏は、告示の前々日に出馬表明した際の記者会見で、「まだ公約はできていない」と述べた。主張に具体性を欠いたままでは、都民は判断のしようがない。
 国政での野党共闘の枠組みを都知事選にまで持ち込み、統一候補とした4党の対応も疑問だ。
 小池氏は都議会の冒頭解散を打ち出した。増田氏を擁立した自民党都連や都議会との対決姿勢を強調する戦術なのだろう。舛添氏の公私混同問題を検証する第三者委員会の設置も公約に挙げた。
 都政の課題は山積している。新知事の任期は、2020年東京五輪・パラリンピックまでの4年間とほぼ重なる。準備に万全を期すことが最大の使命と言えよう。
 少子高齢化対策や大規模災害への備えも重要だ。
 増田氏は、待機児童問題、高齢化、首都直下地震という「三つの不安」の解消を掲げる。鳥越氏は「予算を見直して少子高齢化に手を打つ」と訴える。小池氏は「保育士の待遇改善」「建物の強靱化」などで対処すると主張する。
 舛添氏も4年で待機児童をゼロにすると公約し、保育サービスを拡充したが、在任中に大きく減少させることはできなかった。
 公約を実行に移すための具体策こそが問われている。候補者は、政策の実現性を競うべきだ。31日の投票日に向け、密度の濃い論戦を展開してもらいたい。
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東京新聞 2016年7月15日
【社説】都知事選告示 試される選ぶ側の眼力


 舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選がきのう告示された。人気投票に流されることなく、今度こそ、都政のかじ取りを委ねられる本物のリーダーを選ばねばならない。試されるのは都民の眼力だ。
 首都の顔選びは、この五年余りで四度目となる。石原慎太郎氏をはじめ、任期途中での降板が三代も続いたからだ。知事の任期は本来四年。異常極まりない事態に終止符を打たねばならない。
 猪瀬直樹氏と舛添氏は、政治とカネの問題で信頼を失い、都政を混乱させた。あらためていう。真剣、誠実、清廉潔白はリーダーの必須条件である。
 立候補したのは、ジャーナリストの鳥越俊太郎(76)、前岩手県知事で元総務相の増田寛也(64)、自民党の前衆院議員で元防衛相の小池百合子(64)の三氏ら二十一人。
 政党支援の枠組みをみると、民進、共産、社民、生活は鳥越氏を、自民、公明などは増田氏を推す。参院選一人区とほぼ同じ与野党対決の構図が持ち込まれ、安倍政権の是非も同時に問われよう。
 自民の援軍を欠く小池氏は、かえって組織の束縛から逃れ、フリーハンドを得たといえるかもしれない。野党票の集約を狙い、元日弁連会長の宇都宮健児氏が出馬を辞退した経緯と併せ、政党主導の論理への疑問もかき立てよう。
 衆参両院では、憲法改正発議に必要な三分の二の議席を改憲勢力が握るに至った。緊迫する国会情勢を遠景にみての首都決戦だ。
 首都の顔にふさわしい資質や能力を、候補者が持ち合わせているかどうかは、公党の折り紙付きかどうかや知名度とは無関係だ。歴代知事から学んだ教訓である。
 スウェーデンの国家予算に匹敵する十三兆円規模の予算。十六万六千人に上る職員。千三百六十万人の都民の命と暮らしを守るために、それらを切り盛りする責任の重大さは並大抵ではない。
 東京には大きく生活都市、経済都市、国際都市の三つの顔があろう。優先順位をどうつけるのか。
 高齢者の介護や医療の仕組みを見直さねばならない。約二十年後、都民の三人に一人は六十五歳以上になる。保育所に入れない待機児童の解消や、貧困と格差の是正も待ったなしである。
 東京は日本経済の心臓部である半面、一極集中が少子化や地方の疲弊を招いている。その視点からも、負の遺産を残さない五輪・パラリンピックが求められる。
 トップ退場の愚を繰り返さない。それは都民の責任でもある。
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岩手日報(2016.7.15)
論説:都知事選スタート 地方との関わりも語れ


 混迷を引きずったまま、首都の顔を決める舌戦に突入した。14日スタートした東京都知事選の構図に、そんな印象が拭えない。
 今知事選は、政治資金の流用問題による舛添要一氏の辞職に伴う。都知事が2代続けて「政治とカネ」の問題で批判を浴び、任期半ばで辞任する異常な事態を収めることが求められた。
 しかし与野党の候補者選びは迷走し、告示前日にようやく顔ぶれが固まった。知名度に頼りがちで争点はぼやけ、政策論議が置き去りにされたことは残念でならない。
 だからこそ17日間の選挙戦が大事になる。2020年東京五輪の準備をはじめとする首都東京の課題に論議を深め、都政に対する不信を一掃してもらいたい。
 今選挙は岩手県民の関心も高い。県知事を3期務めた増田寛也氏が自民、公明などの推薦で立候補した。野党統一候補鳥越俊太郎氏、元防衛相の小池百合子氏とともに有力の一人とみられる。
 増田氏はこれまで、日本の人口減を食い止めるため、東京一極集中の是正を唱えて民間から政策提言してきた。多くは政府の「地方創生」政策に反映されている。
 その点で都知事を目指すことに疑問の声もあるが、新たな地方と東京の関係を訴えることに期待したい。鳥越、小池氏らも積極的に地方との関わりを語ってほしい。
 13日に発表された日本の最新の人口は岩手など41道府県が減少した半面、東京圏はまた増えた。一極集中が一段と進んだことになる。
 政府の地方創生戦略は、20年に東京への転入超過をゼロにする目標を掲げる。しかし同じ年に五輪が控えるため達成はますます遠のく。
 東京と地方の課題は表裏一体と言える。首都の深刻な問題である待機児童や急激な高齢化は、地方から人が集中して起きた。逆に地方は人口減が加速している。
 東京の成長は、地方からの人材供給に支えられてきた。地方が活力を失えば、首都にも影響する。ひとり東京のことだけを考える時代ではなくなった。
 増田氏は「東京と地方が切磋琢磨(せっさたくま)して、より良い地域づくりに取り組む」と語る。その通りだが、魅力が多い東京と対等の条件で競争しては地方に勝ち目はない。
 だから政府も、地方への企業移転などを政策で誘導しようとしている。都知事候補は地方に譲るべきは譲る姿勢を示し、その上で新しい東京の姿を打ち出すべきだ。
 東北で生まれた人が東京圏に住む割合は3割を超えるという。地方出身者が多いからこそ、地方との関わりを訴えることに理解も得られよう。
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信濃毎日新聞 2016年7月15日
社説:都知事選 政策論争を深めてこそ


 東京都知事選が告示された。首都の顔、五輪開催都市のトップを決める選挙である。都民ならずとも関心が向く。候補者による活発な政策論争を望む。
 ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏、元防衛相の小池百合子氏ら、過去最多の21人が立候補している。
 鳥越氏は民進、共産、社民、生活の野党4党が統一候補として推す。増田氏は自民、公明両党などが推薦している。小池氏は党の了解なしに出馬し、自民は分裂選挙になった。
 舛添要一氏が政治資金流用問題で辞職したことに伴う選挙だ。徳洲会グループから5千万円を受け取っていたことが発覚して辞した猪瀬直樹氏と、2代続けて政治とカネの問題で退いている。
 石原慎太郎氏も2012年、国政復帰を狙って任期の途中で辞職した。この4年で3回目の知事選になる。都民にすれば、今度こそクリーンで安心して都政を託せる人物を選びたい思いだろう。
 構図が固まったのは告示の直前だ。主要政党の候補者選びの混迷による。自民が決定を参院選後に先送りする一方、野党では次々に名前が浮かんでは消えた。
 どんな顔触れになるかにばかり注目が集まり、争点がはっきりしないまま選挙戦に入っている。31日の投開票に向け、候補者それぞれに主張の違いを明確にしていく必要がある。
 待機児童の問題、高齢化への対応など都政の課題は多い。首都直下地震など大規模災害への備えも急がれる。都市機能がまひするといったことになれば、東京だけでなく国全体に影響が及ぶ。
 20年東京五輪・パラリンピックを巡っては、費用負担の枠組みを見直すことで組織委員会、国と3月に合意している。新知事は、舛添氏の辞職で中断した協議を引き継ぐことになる。
 何のため、どんな大会を目指すのか。費用負担の問題にとどまらず、改めて目的や理念についても考えを聞きたい。
 地方の視点から注目されるのは東京一極集中を巡る議論だ。岩手県知事も務めた増田氏は人口減少や一極集中の問題について積極的に発言してきた経緯がある。テーマの一つとして論戦が盛り上がることを期待する。
 無党派層の多い東京の知事選はとかく「人気投票」のようになりがちだ。知名度ではなく、政策を競い合う機会になるか。選挙戦を通じての各候補の訴え、都民の選択を見守りたい。
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福井新聞 (2016年7月15日午前7時05分)
論説:東京都知事選 「一極集中」どう是正する


 【論説】政治資金流用問題で舛添要一氏が辞職したことに伴う東京都知事選が告示された。与野党が推薦する有力候補が出そろい、激しい選挙戦を展開する。「首都決戦」というより非常事態下の選挙だ。新知事には混迷都政を立て直す強いリーダーシップと清廉で安定した政治手腕が求められる。都民に実効性のある明確な政策を示してもらいたい。
 都知事選は、終わったばかりの参院選そのままに野党共闘も成立。対立の構図が持ち込まれた形だ。
 立候補したのはいずれも無所属で、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏、元防衛相の小池百合子氏ら。鳥越氏は民進、共産、社民、生活の野党4党が推薦する統一候補。自民党は党支援の増田氏と党の了解なく出馬した小池氏の間で1999年以来の分裂選挙となった。
 「一緒に新しい東京を取り戻そう」(鳥越氏)、「知事になるのが目的ではなく、都民のために何をするかだ」(増田氏)、「組織やしがらみを超え、今こそ東京の大改革を」(小池氏)と、表現は違っても都政の刷新を訴えている点では同じだ。
 増田氏は待機児童解消を、小池氏は自らも身を切る改革として、知事報酬の削減を公約に盛ったが、鳥越氏は直前の出馬表明からか具体的な政策にはほとんど言及しなかった。
 3氏ともそれぞれの分野で実績があり、メディアなどへの露出も多い。だが、知名度に頼る選挙ではない。介護や医療など増加し続ける高齢者対策、子育て環境の充実、確実に発生すると予測される首都直下型地震の防災対策など、深刻な課題ばかりだ。人気投票に終わらせないためにも、都民は厳しい視点で論戦を注視し、冷静に判断したい。
 都知事は巨大都市のトップとして、国際的な影響力がある。2020年の東京五輪・パラリンピックはその大舞台となる。新国立競技場の整備で混乱するなど対応のまずさも目立つが、五輪を契機に新しい大都市の未来像を世界に提案していくべきである。
 都知事は47都道府県をリードする役割もある。日本を覆う人口減少や少子高齢化問題はいびつな「東京一極集中」と無縁ではない。「ブラックホール」のように、毎年多くの若者を吸い込む大都市は全国でも最低の出生率。安倍政権は「地方創生」を主導するが、地方からの流入を止められず、中央省庁や本社機能の移転もほとんど空手形だ。
 有力候補の増田氏は14年5月、有識者会議「日本創成会議」の座長として、このまま大都市への人口流出が続けば「半数の地方自治体が消滅する可能性がある」との「増田リポート」を公表、衝撃を与えた。大都市偏重政策から脱し、持続可能で調和の取れた地域社会をどう構築していくのか、明快にその答えを聞かせてもらいたいものだ。
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[京都新聞 2016年07月15日掲載]
社説:東京都知事選  「一極集中」でも議論を


 主要政党の候補者選びがバタバタしたのは、今回も知名度が優先されたからだろう。
 きのう東京都知事選が告示された。
 多くの立候補者がいるが、バタバタの中で名乗りをあげたのは、いずれも無所属新人で、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏、元防衛相の小池百合子氏。
 小池氏は自民党の了解なく出馬表明し、増田氏は自民、公明などの推薦を得た。自民にとって事実上の分裂選挙だ。
 鳥越氏は民進、共産、生活、社民の推薦を受け、参院選の野党統一候補の形を継承した。その陰で元日弁連会長の宇都宮健児氏は立候補を断念した。
 こうした選挙の構図が固まったのは告示直前。おなじみの顔ぶれとはいえ、公約は出たばかりで、告示前の共同記者会見でも課題の羅列が多く物足りなかった。
 早々にビジョンや政策を明確に提示し、論争を深めなければいけない。選挙期間中に討論の機会を重ねて、有権者の判断にゆだねてほしい。
 都知事選が注目されるのは、猪瀬直樹氏から舛添要一氏に続く2代の知事が「政治とカネ」の問題で辞職に追い込まれたからだ。舛添氏の豪華な海外視察や公用車での別荘通いなど公私混同と税金の無駄遣いは未解明のままだ。
 個人の資質もあろうが、都政の構造的問題はないのか、メスを入れる必要がある。
 2020年開催の東京五輪・パラリンピックの準備が遅れている。膨れ上がる費用の負担をどうするのか。コンパクトな大会への見直しを求める声も出ており、知事の判断が問われる。東京都が招致した都市開催とはいえ、多くの国民が関心を寄せている。
 都民にとっては待機児童の解消や高齢化への対応など、課題は山積している。大事業と生活が織りなす東京で何を優先するのか。選挙ではっきり示すべきだ。
 人口1300万、年間予算は各会計を合わせると13兆円に上る。一つの国家並みの規模である。知事には政府に対する発言力も期待されていよう。
 「東京一極集中」の問題に東京自体がどう向き合うのか。そんな議論も知事選で交わしてはどうか。全国の若者を吸収し経済的膨張を続けてきたが、大きなゆがみを生んでいる。候補者には他の自治体との関わりを視野に入れた将来の都市ビジョンを示してほしい。
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神戸新聞 2016/07/15
社説:都知事選告示/首都の将来像を競い合え


 政治資金の流用問題で前任の舛添要一氏が辞職したのに伴う東京都知事選が告示された。
 都知事は2代続けて「政治とカネ」の不祥事で都庁を追われた。今度こそ信頼できる知事のリーダーシップで、安定した都政を実現させなければならない。
 都知事は首都の顔である。4年後の東京五輪・パラリンピックを控え世界の表舞台に立つ場面も増える。清廉さはもちろん、都市の将来像を描く能力と、国内外への発信力を兼ね備えた人物であってほしい。そう願うのは都民だけではない。
 短期決戦は知名度頼みになりがちだが、都政の課題を見据えた政策論で競い合うべきだ。
 参院選と重なり、政党の候補者選びは混迷した。曲折の末、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏、元防衛相の小池百合子氏らが立候補した。
 自民党は公明党とともに増田氏を推薦し、党の方針に反発する小池氏との分裂選挙となった。民進、共産など野党4党は鳥越氏を統一候補として推す。元日弁連会長の宇都宮健児氏は野党の分断を避け、立候補を取りやめた。
 東京五輪の準備や首都直下地震への備え、待機児童の解消、高齢者の急増と介護・医療の不足など課題ははっきりしている。論戦を通じて誰が説得力のある解決策を示し、都民の不安を解消できるかが鍵となる。
 鳥越氏は改憲勢力が3分の2を占めた参院選に危機感を覚え、急きょ立候補を決めたという。国政と一線を画した都政運営を訴えるが、準備不足は否めない。選挙戦では地に足のついた政策を語る必要がある。
 東京一極集中に向き合う姿勢も問われる。増田氏は過去に一極集中を批判する一方、東京の高齢者の地方移住を提唱したこともある。東京の都市機能を維持するため地方に負担を押しつけることのないよう、「共存共栄」の方策を示すべきだ。
 舛添氏の高額出張問題などでは都議会のチェック機能や都庁の公金意識の甘さも指摘された。小池氏は「都議会の冒頭解散」を掲げる。対決姿勢のアピールにとどまらず、都庁という巨大組織を都民目線で改革する道筋を明らかにしてほしい。
 首都の将来像をどう描くかは、地方にも影響が大きい。私たちも論戦にしっかり耳を傾けたい。
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=2016/07/15付 西日本新聞朝刊=
社説:都知事選告示 一極集中のままでいいか


2016年07月15日 10時41分
 東京都知事選がきのう、告示された。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏、元防衛相の小池百合子氏らが立候補した。知名度の高い候補者がそろい、自民党の分裂や4野党連携といった国政上の駆け引きも絡み、全国注視の選挙戦となった。
 2020年東京五輪を控える首都の華やかなリーダー選び-と言いたいところだが、不祥事からの出直しである。3代続けて任期途中で辞職、そのうち前任の舛添要一氏、その前の猪瀬直樹氏は「政治とカネ」で都政をまひさせた。異常事態の中での都知事選だ。
 東京都の推計人口は先月1日現在、1361万3660人で、全国の1割以上を占める。全国的な人口減社会にあって、前月比9437人、前年同月比12万5024人と、なお膨張を続けている。
 計算上は1カ月で例えば福岡県糸田町、1年間だと佐賀県唐津市が丸ごと東京に移転したのと同じ規模の人口増である。13年度の国内総生産(GDP)を都道府県別にみると、東京都は93兆円余りで九州7県合計の2倍を超す。
 人、モノ、カネ、情報が一極集中する巨大都市・東京だが、暮らしやすいとは到底言えない。待機児童は全国最多の8千人、特別養護老人ホームの入所を待つ高齢者も同じく4万人を超える。首都直下地震への備えも遅れている。
 首都の知事選として政党レベルの枠組みや思惑が先行する陰で、住民生活に直結する自治の課題が山積する。東京は一極集中の道をさらに突き進むのか。軌道修正は考えられないのか。九州からも注目していきたい。
 告示前日、日本記者クラブであった共同会見で一極集中に正面から具体的に言及した候補がいなかったのは残念だった。
 大きくなりすぎた東京は既に地方自治の範囲を超えているとも指摘される。他方で自治を巡る深刻な課題が大規模に集中しているのが東京の現実との見方もある。
 首都の首長を選ぶ知事選だ。自治と分権の在り方も含めて骨太の政策論争を繰り広げてほしい。
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朝日新聞 2016年7月14日(木)付
社説:都知事選 「東京の未来」論じよう


 1300万都民のリーダーを選ぶ東京都知事選が、きょう告示される。
 立候補を表明しているのは、自民党衆院議員で元防衛相の小池百合子氏、元岩手県知事で編著「地方消滅」で人口急減社会に警鐘を鳴らした増田寛也氏、ジャーナリストで「憲法改正への流れを変えたい」と手を挙げた鳥越俊太郎氏ら。
 増田氏は自民、公明などが推す。これに反発する小池氏との間で自公陣営は分裂選挙となる。
 鳥越氏は民進、共産、社民、生活の野党4党が参院選での共闘の流れを引き継ぎ、野党統一候補として支える。
 元日弁連会長で前回は共産、社民両党の推薦を受け、次点だった宇都宮健児氏も、いったん立候補を表明した。
 だが、野党票の分裂を避けようと、野党4党が鳥越氏への一本化を呼びかけた。宇都宮氏もこれに応じ、最終的に出馬を取りやめた。
 各政党の候補者選びが参院選後にバタバタと進んだこともあり、都民にとって、各候補が何をめざすのか、その政策を聞く機会が乏しいまま選挙戦に突入することは残念でならない。
 だからこそ、各候補に求めたい。「東京の未来」をどう描くのか、17日間の選挙戦を通して具体的な政策を競い合うことによって、有権者に判断基準を示してもらいたい。
 都政が抱える課題は明白だ。
 東京五輪・パラリンピックの準備が迫られるのはもちろんのことだ。約8千人といわれる保育所待機児童の解消、首都直下地震への備えも急務だ。
 新知事が任期を終える2020年から都は人口減少に転じ、2035年には都民の3人に1人が65歳以上となる。「巨大都市の超高齢化」という未曽有の難問に直面することになる。
 きのう日本記者クラブで行われた主な候補の会見でも、こうした点が論点となった。
 逆にいえば、これらの課題を「解決する」と言うだけでは何も語っていないに等しい。
 大切なのは、山積する課題に優先順位を示し、将来への大きな道筋を示すことだ。
 少子高齢化、東京一極集中をはじめ全国共通の課題にメッセージを出し、時には国政にもの申す発信力も「首都の顔」として大事な資質だろう。
 無党派層の多い都知事選は、知名度が優先されがちだ。それではダメだというのが猪瀬、舛添両都政の停滞で学んだ教訓だった。その苦さを、17日間の選挙期間中、忘れずにいたい。
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日本経済新聞 2016/7/14付
社説:首都の新しい顔を政策をもとに選ぼう


 東京都知事選が14日に告示される。首都の顔、そして4年後の東京五輪の顔を選ぶ選挙になる。2代続けて「政治とカネ」で辞任した後だけに政治資金にきれいなことはもちろんだが、やはり候補者が問われるのは政策だ。
 これまでに元防衛相の小池百合子氏やジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相で岩手県知事もつとめた増田寛也氏らが出馬を表明している。自民党と公明党は増田氏を推薦し、民進党など野党4党は鳥越氏を支援している。
 政策を問われる課題はまず、都政の停滞もあって遅れている五輪の準備だ。競技施設の整備だけでなく羽田空港の機能拡張や都心とのアクセスの改善なども要る。小池氏らが指摘する五輪経費の圧縮も必要だろう。
 少子化対策も喫緊の課題だ。都内の待機児童は高水準のままで、出生率は現在も断トツで低い。多くの候補者が公約で待機児童の解消を掲げてはいるが、知りたいのは実現への道筋と具体策だ。
 東京では今後、高齢者が急増する。介護や医療を担う人材や施設は足りない。増田氏はかつて日本創成会議の座長として東京で暮らす高齢者の地方移住を提言したが、今も同じ考えなのだろうか。
 首都直下地震への備えは心もとない。都内には今なお建物の倒壊や火災の危険性が高い木造住宅密集地域が広がっている。
 候補者は五輪後をにらむ中長期的なビジョンも示すべきだ。20年ごろにも東京の人口は減少に転じる。全国から人を吸引して成長してきた東京は新たな成長モデルを求められる。13日に日本記者クラブで開かれた共同記者会見は、この問題で具体論を欠いた。
 次の知事はこうした課題に向き合い、都政を着実に前に進める責務がある。それでなくても4年で3回目の都知事選だ。
 この点で「(都議会の)冒頭解散」を掲げた小池氏の姿勢は、いささか理解に苦しむ。都議会との対立をあおれば、都政は再び混乱しかねない。
 参院選の影響や各党の思惑もあり、候補者が出そろったのは告示直前になった。保守は分裂し、野党では日替わりで様々な名前が浮かんでは消える混迷が続いた。
 都知事選は人気投票になりがちだ。都民の生活を守り東京の活力を維持する政策を掲げているのはだれか。有権者は各候補の主張にしっかりと耳を傾けてほしい。
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産経新聞 2016.7.14 05:03
【主張】都知事選 冷徹に新たな顔の選択を


 首都の顔を選択する東京都知事選は14日、告示される。
 新知事には、まず、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催都市のトップにふさわしい人物であることが求められる。
 同時に、深刻な少子高齢化の対策や待機児童の解消、防災都市づくりなど、山積する課題に対峙(たいじ)する強いリーダーシップが欠かせない。
 猪瀬直樹氏、舛添要一氏と、2代続けて「政治とカネ」の問題によるお粗末な退任劇を繰り広げた末の選挙である。清廉な人物であることは大前提だ。
 こうした条件を満たす候補者は誰なのか。有権者は冷徹な目で吟味する必要がある。もう失敗は、許されない。
 ただ、13日に日本記者クラブで行われた立候補予定者の共同会見をみる限り、十分な選択肢が用意されたとは言い難い。
 共同会見には、元日弁連会長の宇都宮健児氏、元防衛相の小池百合子氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元総務相の増田寛也氏が出席した。
 それぞれの知事選に対する「一言」は以下の通りである。「困ったを希望に変える東京へ」「東京大改革」「がん検診100%」「混迷に終止符」。そして全候補が、五輪の成功と経費の見直しを標榜(ひょうぼう)し、待機児童の解消を約束した。そこに、大きな差異は見いだしにくい。
自民、公明は増田氏を支持し、小池氏は自民党都連や都議会との対決姿勢を前面に打ち出している。民進、共産、社民、生活の4党は「参院選結果に危機感を覚えた」として最後に立った鳥越氏を統一候補として推した。
 宇都宮氏は、この政策なき結託を批判しながら、結局、立候補を取り下げた。
 与野党それぞれに紆余(うよ)曲折を経て、小池、増田、鳥越の3候補が軸となるのだろうが、人気投票と党利党略を優先させた末に知事の人選に失敗した過去の反省が生かされているとは到底思えない。
 この上は、各候補者が選挙期間中、存分に自らの描く東京像を明確に語り、分かりやすく他候補との差別化を図るべきだ。
 注文を加えれば、五輪やパラリンピックについて、さらに五輪後を見据えた大東京の未来についても、もっと明るい文脈で語ってもらいたい。
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北海道新聞 2016/07/14 08:50
社説:東京都知事選 首都の将来大いに語れ


 東京都知事選がきょう告示される。2020年の東京五輪・パラリンピックを控えた首都の顔選びだが、主要政党が推す候補は直前まで出そろわなかった。
 舛添要一氏、猪瀬直樹氏と都知事が2代にわたり「政治とカネ」の問題で辞職した後の選挙戦である。都政への信頼を取り戻せる人物かどうか、資質の見極めと公約の点検がこれまで以上に重要だ。
 にもかかわらず、候補選びは相変わらず知名度や「勝てる」かどうかの物差しが重視され、政策が置き去りにされたのは残念だ。
 17日間の選挙戦で、日本の中で東京が果たす役割や将来像を含めた有意義な議論を期待したい。
 メディアへの露出度が高い都知事選では、知名度が高い人物を政党が「勝てる候補」として支援する構図が続いてきた。
 その結果が舛添氏や猪瀬氏のつまずきだという反省を各党は候補選びの出発点にすべきだったが、実際にはそうならなかった。
 自民党は参院選後まで結論を先送りした上で、公明党などとともに増田寛也元総務相を推薦した。
 いち早く名乗りを上げた小池百合子元防衛相が自民党都連との対決姿勢を取り、都選出国会議員や都議は増田氏を支持した。
 だが、元岩手県知事で東京一極集中の解消を訴えてきた増田氏を、自民党が都政のトップにふさわしいと考えた理由は何か。地方への移住を促すなど、これまでの主張との整合性は取れるのか。
 重要な論点だがそこは突き詰めず、党内事情と官僚出身の手堅さを優先したようだ。
 民進党も候補選びが迷走し、告示2日前に出馬表明したジャーナリストの鳥越俊太郎氏に飛びついた。鳥越氏は急転直下で野党4党の統一候補となった。
 鳥越氏は改憲への強い危機感から出馬したというが、出馬会見で都政の公約は「できていない」と述べるなど準備不足は否めない。
 鳥越氏への野党候補一本化を求める声に応じ立候補を取りやめた元日弁連会長の宇都宮健児氏は、いったんは「政策が示されていないので判断材料がない」とも述べていた。無理もない話だ。
 都政の課題は五輪以外にも首都直下型地震への対策、待機児童の解消など山積しており、その成否が国政に与える影響も大きい。
 全国注目の選挙で都民が実のある1票を投じるために、候補者はこれからの論戦を通じて公約を練り上げていくべきだ。今度こそ人気投票で終わらせてはならない。
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河北新報 2016年07月13日水曜日
社説:都知事選あす告示/地方との連携が欠かせない


 2020年の東京五輪・パラリンピック開催を契機に東京の巨大化が加速している。
 五輪競技会場や選手村が整備される湾岸部では、高層マンションの建設ラッシュが続く。大規模オフィスの建設が相次ぐ都心部と一体となる形で、職住近接型の「都心回帰」が進んでいる。
 戦後、東京一極集中の動きが景気変動と連動する形で繰り返され、首都はソフト・ハードの両面で肥大してきた。
 1979年から4期16年続いた鈴木俊一都政で臨海副都心開発、都庁の新宿移転などの都市改造が行われた。2000年以降、石原慎太郎氏の「都市再生」政策が都心でオフィスの大量供給を進めた。
 政治、経済、情報の中枢機能が集まる東京。経済都市として成長する一方、1300万人が暮らす生活都市としては、介護や子育てなど多くの課題が浮上している。
 都知事選が14日、告示される。約17万人の職員を抱え、一般会計約7兆円の予算を執行する巨大組織のリーダー選び。立候補者には20年を節目に東京の魅力を高めるとともに、五輪後を見据えた長期的な視野での論戦を求めたい。
 都の試算によると、人口は20年の1336万をピークに減少に転じ、60年には1036万に減る。10年時点で現役世代(生産年齢人口)3.3人で1人の高齢者(65歳以上)を支える年齢構造が、60年には1.4人で1人を支えることになる。
 一極集中がもたらした弊害だが、これから急速に進展する高齢化に伴う介護や医療の膨大な社会保障費は、都の財政を逼迫(ひっぱく)させかねない。
 さらに今後30年間にマグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生すると予想されている。日本の中枢機能が破壊されれば、その影響は計り知れない。
 これまで東京と地方の関係は対等の関係になり得なかったが、地方と手を携えていなければ、東京そのものが立ちゆかなくなる恐れがある。移住、交流の促進や首都機能分散の推進など、地方との連携という視点が欠かせない。
 東北にとっては、「復興五輪」を旗印に東日本大震災の被災地をどう支援できるかという具体策も論じてほしい。
 舛添要一前知事は、五輪後の目標に「真に豊かな成熟社会」を掲げ、水素エネルギーや次世代型燃料電池などの環境技術を駆使した街づくりの構想を描いていた。
 惜しまれるのは、6月1日の都議会での施政方針演説で、重点課題として、再生可能エネルギーを復興の柱に位置付ける福島県との連携、共同研究を挙げ、震災の被災地支援にやっと動きだしたばかりだったことだ。
 舛添氏の「政治とカネ」の問題の根底には、巨大権力を背景とするおごりが感じられた。「東京は特別」という思いがあったのではないか。
 次の知事は都民の信頼回復という責務を負う。そのためには「住民の福祉の増進を図る」という自治体の基本に立ち返って政策を語ってほしい。有権者には、知名度優先の人気投票ではなく、政策や知事にふさわしい資質を見極める眼力を期待したい。
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