2016-07-24(Sun)

国の辺野古提訴・高江強行 蛮行に強く抗議する

国が沖縄県を提訴 ヘリパッド工事再開 極まる政府の強行姿勢 

<各紙社説・主張>
朝日新聞)政府と沖縄県 裁判より対話でこそ(7/22)
毎日新聞)国の辺野古提訴 和解の精神に反する(7/22)
日本経済新聞)沖縄との対話もっと丁寧に (7/23)
東京新聞)沖縄の米軍基地 対話でしか打開できぬ(7/23)
しんぶん赤旗)国が沖縄県を提訴 「真摯な協議」すらしないのか(7/23)
しんぶん赤旗)沖縄新基地建設 政府の強行姿勢に大義はない(7/20)

琉球新報)ヘリパッド工事再開 許されぬ建設強行 政府は計画見直し話し合え(7/23)
琉球新報)政府が県提訴へ 和解条項の曲解許されない(7/22)
沖縄タイムス)[辺野古提訴・高江強行]蛮行に強く抗議する 県は対抗手段練り直せ(7/23)
沖縄タイムス)[高江工事・訴訟再開]極まる政府の強行姿勢(7/22)




以下引用



朝日新聞 2016年7月22日05時00分
(社説)政府と沖縄県 裁判より対話でこそ


 政府と沖縄県の話し合いに、冷たい水を差すことにならないか、懸念される。
 米軍普天間飛行場の辺野古への移設計画をめぐり、政府はきょう県を相手取り、違法確認訴訟を起こす方針だ。
 翁長雄志(おながたけし)知事が前知事の埋め立て承認を取り消したことに対し、国土交通相の是正指示に従わないのは違法だと訴える。
 県と政府の和解が成立してから4カ月余。この提訴で、移設計画をめぐる政府と県の対立は再び法廷に持ち込まれる。
 改めて確認しておきたい。
 国交相の是正指示について、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」は6月に適否を判断しないと決め、政府と県に次のように話し合いを促した。
 「いずれの判断をしても、それが国と地方のあるべき関係を構築することに資するとは考えられない」「普天間の返還という共通目標に向けて真摯(しんし)に協議し、納得できる結果を導き出す努力をすることが最善の道だ」
 政府側は「協議と訴訟は車の両輪」というが、裁判による決着を急ぐ姿勢が沖縄との亀裂をいっそう深めることにならないか、強い疑問を禁じえない。
 県議会与党が過半数の議席を得た6月の沖縄県議選に続き、今月10日の参院選沖縄選挙区では、野党統一候補が現職の沖縄担当相を大差で破った。辺野古移設計画をはじめ安倍政権の沖縄政策を批判する民意が、改めて示されたと言えるだろう。
 だが参院選の終了を待っていたかのように、政府は再び強硬姿勢を見せ始めている。
 日米両政府が米軍北部訓練場の一部返還の条件として合意した、東村高江でのヘリコプター着陸帯移設。参院選の翌11日、中断していた工事を再開する準備に沖縄防衛局が不意打ち的に入った。オスプレイの騒音被害などが拡大しないか、一部住民らの強い反対がある。
 14日には、辺野古移設をめぐる県との作業部会で、和解によって中断している陸上部分の工事再開を求めた。
 政府が直視すべきは、県民の理解がなければ辺野古移設は困難だし、米軍基地の安定的な運用は望めないという現実だ。日米安保を円滑に機能させるためにも、県民との信頼の立て直しこそ急ぐ必要がある。
 政府はまず「辺野古が唯一の解決策」という固定観念から脱することだ。そのうえで米政府に働きかけて海兵隊の規模と機能を再検討し、県外・国外への分散を進めることだ。
 民意を軽視していては、決して問題解決にはつながらない。
ページのトップへ戻る



毎日新聞2016年7月22日 東京朝刊
社説:国の辺野古提訴 和解の精神に反する


 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移設をめぐる国と県の対立は、再び法廷に持ち込まれることになった。国は県を相手取って地方自治法にもとづく違法確認訴訟をきょう福岡高裁那覇支部に起こす。
 国と県が互いを訴えた3件の裁判について、和解が成立してわずか4カ月余り。問題解決に向けた話し合いは深まらず、司法に判断をゆだねることになったのは残念だ。
 和解条項には、国と県の双方が裁判を取り下げ、国が埋め立て工事を中止するとともに、今後の手続きが次のように定められていた。
 知事に埋め立て承認取り消しの撤回を求めた国の是正指示について、総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」が適否を判断する。そして、係争委が是正指示を認めて県がそれに不服な場合や、係争委が是正指示を認めず国がそれに従わない場合は、県が国を提訴する−−。
 しかし、係争委は先月、是正指示の適否を判断しないという予想外の結論を出した。それを受けて、県は提訴を見送る方針を表明した。
 困ったのは国だ。国は和解条項に沿って県に再び提訴してもらい、早期に裁判を決着させ、工事を再開したいと考えていた。係争委の判断回避と県の提訴見送りは、誤算だった。
 そこで国は、係争委が是正指示を否定していない以上、是正指示はまだ有効だと主張し、埋め立て承認取り消し処分を撤回しない県に対し、不作為の違法確認訴訟を起こすというのが、今回の経緯だ。
 しかし、裁判所の和解勧告の考え方をもう一度、思い起こしてみるべきだ。勧告文には「本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきだ」とある。
 係争委の小早川光郎委員長も「肯定、否定のいずれの判断をしても、国と地方のあるべき関係を構築することに資するとは考えられない」と語っていた。
 国が辺野古移設を強引に進めてもうまくはいかないだろう。仮に国が違法確認訴訟で勝ったとしても問題解決にはなるまい。和解勧告でも指摘されていたように、設計変更のたびに変更承認が必要になり、延々と法廷闘争が続くことも考えられる。結局、国と県が問題解決を目指して真摯(しんし)に話し合うしかない。
 沖縄では、先の参院選で島尻安伊子沖縄・北方担当相が大差で敗れ、衆参両院を通じて選挙区で当選した自民党議員が一人もいない事態になった。辺野古移設反対の民意は明白だ。米軍による事件・事故も相次ぎ、反発はさらに高まっている。
 政府はこれ以上、民意に背を向けるべきではない。
ページのトップへ戻る



日本経済新聞 2016/7/23付
社説:沖縄との対話もっと丁寧に


 国と沖縄県の法廷闘争が再び始まった。安倍政権は判決確定を待たずに米軍普天間基地の同県名護市辺野古への移設工事を一部再開する方針だ。菅義偉官房長官は県との対話と裁判が「並行して進んでおかしくない」と語るが、対話に熱意があるように見えない。もっと丁寧に話し合ってほしい。
 普天間基地の県内移設に反対する翁長雄志知事は昨年、工事に必要な辺野古沿岸の埋め立て工事の承認を取り消した。今回、国が提訴したのは、「その取り消しを是正せよ」という国の指示に従わない県は地方自治法違反だと確認してほしいという訴訟である。
 高裁からの二審制なので、来年春ごろに最高裁で決着がつく見込みだ。安倍政権は勝訴に自信を示している。日本は法治国家であるから、最高裁が最終判断を示した場合、従うのは当然である。
 ただ、今回のように国と地方自治体がここまで全面対立した事例は過去にあまりない。
 国が裁判に勝ったとして、県民の多くが納得しないまま工事を進めて不測の事態が起きないか。加えて基地はつくればおしまいではない。周辺住民とのあつれきを抱えて円滑な運用ができるのかも不安視する声は少なくない。
 3月に国と県がいったん和解した際、(1)総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」に適否の判断を委ねる(2)負けた側が裁判を起こして最終決着をつける――との手順で合意した。国は(1)(2)とも勝つことを想定していた。
 ところが、係争委は「納得できる結果を導き出す努力をすることが最善の道」として適否を判断しなかった。県は敗北とみなさず、裁判を起こさなかった。国は「県は和解を守っていない」と非難するが、係争委の判断を尊重すればまずは話し合いだろう。
 少なくとも判決が確定する前に工事を再開するのは行き過ぎである。参院選が終わったとたん、拳を振り上げるような進め方は、県民感情をより悪化させ、解決をさらに難しくするのではないか。
ページのトップへ戻る



東京新聞 2016年7月23日
【社説】沖縄の米軍基地 対話でしか打開できぬ


 米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設をめぐり、政府が再び沖縄県との法廷闘争に入った。和解プロセスからの逸脱である。対話を通じてしか打開できないことを安倍政権は肝に銘じるべきだ。
 話し合いで問題解決の道を探る心積もりなど、最初からなかったのではないか。そう勘繰らざるを得ない強権的な姿勢である。
 政府が沖縄県名護市辺野古での新米軍基地建設をめぐり、翁長雄志知事が国の指示に従わないのは違法だとして県を相手取って新たな訴訟を起こした。法廷での決着を経て、本格的な建設作業を早期に再開したいのだという。
 政府と県は今年三月に和解し、新基地建設をめぐる双方の訴えを取り下げ、打開に向けた協議のテーブルに着いていた。その最中の政府による訴訟再提起である。
 沖縄負担軽減担当相でもある菅義偉官房長官は訴訟と協議は両立すると強弁したが、同時並行が円満解決につながるとは思えない。
 参院選が終わったのを機に、協議による解決を一方的に放棄したとの誹(そし)りは免れまい。政府は陸上部分の工事を再開する意向も示している。いずれも辺野古での新基地建設を既成事実化しようとする動きであり、看過できない。
 六月の県議選では翁長県政与党が過半数を確保した。今月十日の参院選沖縄選挙区では自民党の島尻安伊子沖縄・北方担当相が野党統一候補に惨敗し、沖縄から与党系国会議員がいなくなった。
 いずれも、在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄県に、米軍基地はこれ以上造らせないという県民の強い意思の表れだ。
 安倍政権は選挙で示された民意を尊重し、辺野古「移設」をまず白紙に戻し、国外・県外移設など県民の抜本的な基地負担軽減策の検討に入るべきである。
 安倍政権は、米軍北部訓練場の一部返還の条件とされている東村高江のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事も再開した。
 選挙が終われば、結果に関係なく、地元の反対を押し切ってでも米軍専用施設の建設を進める。そんな強権的な姿勢で、県民の理解が得られるわけがない。
 沖縄県では米軍関係者の事件・事故も相次いでいる。米軍施設を強引に造っても、県民の敵意に囲まれるだけだ。そんな状況で米軍への基地提供という日米安全保障条約上の義務を果たせるのか。
 安倍政権にとっては、県民や翁長知事との真摯(しんし)な対話こそ「唯一の解決策」のはずである。
ページのトップへ戻る



しんぶん赤旗 2016年7月23日(土)
主張:国が沖縄県を提訴 「真摯な協議」すらしないのか


 安倍晋三政権が、沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設問題で、翁長雄志県知事が埋め立て承認取り消し撤回の指示に従わないのは違法だとして、新たな訴訟を福岡高裁那覇支部に起こしました(22日)。「新基地ノー」の沖縄の民意を踏みにじる安倍政権の許し難い強権姿勢の現れです。それは、同じ日に、同県東村高江で米軍ヘリパッド(着陸帯)の工事再開を、反対住民らを強制排除して強行したことにも示されました。今回の提訴は、新基地建設をめぐる「代執行」訴訟の「和解」や「国地方係争処理委員会」の結論にも反し、一片の道理もありません。
「和解」の内容にも反する
 辺野古の新基地建設問題では、安倍政権が翁長知事の辺野古沖埋め立て承認取り消しを知事に代わって撤回するため起こした「代執行」訴訟で、国と県との「和解」が3月に成立し、埋め立て工事は中止しています。訴訟を担当した福岡高裁那覇支部の「和解勧告文」は、「沖縄対日本政府という対立の構図」は地方自治法の「精神にも反する状況」だと断定し、両者が「円満解決に向けた協議を行う」ことが「和解条項」に盛り込まれました。
 一方で、「和解条項」には、▽国が県に対し埋め立て承認取り消しを撤回するよう「是正」指示を出す▽県は「是正」指示に不服があれば国の第三者機関である「国地方係争処理委員会」(係争委)へ審査を申し出る▽係争委が「是正」指示を違法ではないと判断するか、係争委が違法だと判断したのに国が従わない場合は、県が「是正」指示の取り消し訴訟を起こす―との内容も盛り込まれました。
 これに対し、係争委は6月に出した結論で、国の「是正」指示の適否を判断しませんでした。新基地建設問題をめぐり「国と沖縄県との間で議論を深めるための共通の基盤づくりが不十分」であり、「(両者の)紛争は今後も継続する可能性が高い」として、「是正」指示の適否を判断しても「それが国と地方のあるべき関係を両者間に構築することに資するとは考えられない」というのが理由です。その上で、係争委は国と県が「真(しん)摯(し)に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題解決に向けての最善の道である」と結論付けました。
 「代執行」訴訟の「和解」内容と係争委の結論に共通するのは、国と県との「対立」や「紛争」が地方自治法の精神に反するという認識であり、両者に「円満解決に向けた協議」や「真摯な協議」を求めていることです。このため、県が提訴を見送り、国との協議を強く求めているのは当然です。
 「和解条項」には今回のように国が県を提訴するという想定は含まれていません。国の新たな提訴は、自ら認めた「和解」内容や、係争委の結論に背くものです。
追い込まれているのは国
 今回、安倍政権が訴訟に踏み切ったのは、新基地建設が手詰まりに陥り、追い込まれているためです。翁長知事には、▽埋め立て承認の「撤回」▽新基地の設計変更承認の拒否―など強力な権限があり、国にとって今後も工事再開は容易ではありません。沖縄をはじめ全国で「辺野古新基地ノー」「高江ヘリパッド建設反対」の世論と運動をさらに広げ、安倍政権を追い詰めていくことが必要です。
ページのトップへ戻る



しんぶん赤旗 2016年7月20日(水)
主張:沖縄新基地建設 政府の強行姿勢に大義はない


 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設問題で、翁長雄志県知事が決定した埋め立て承認取り消しについて、安倍晋三政権は、その撤回を求めた国土交通相の「是正」指示に知事が従わないのは違法だとして新たな訴訟を起こそうと検討しています。同時に、同県東村高江(ひがしそんたかえ)では垂直離着陸機オスプレイが使う米軍ヘリパッド(着陸帯)の建設工事を強行する構えです。参院選沖縄選挙区で「新基地ノー」「オスプレイ反対」を掲げた伊波洋一氏の圧勝で改めて示されたばかりの民意を乱暴に踏みにじるもので絶対に許されません。
「オール沖縄」の連続勝利
 辺野古の新基地問題をめぐっては、安倍政権の圧力に屈し、自民党沖縄県連や仲井真弘多前知事が建設推進へと立場を豹変(ひょうへん)させて以来、沖縄県民は選挙で「新基地ノー」「オスプレイ反対」の明確な意思を幾度となく示してきました。
 新基地建設とオスプレイ配備に反対する「オール沖縄」勢力は、2014年の名護市長選(1月)、県知事選(11月)、総選挙(12月)沖縄小選挙区の全て、今年の県議選(6月)と勝利を重ねてきました。今月の参院選沖縄選挙区で野党統一候補・伊波氏が、現職閣僚(沖縄北方担当相)の島尻安伊子氏に約10万6千票もの大差で圧勝し、沖縄の選挙区選出の自民党衆参議員をゼロにしました。
 「新基地ノー」「オスプレイ反対」の民意は明白です。安倍政権が強権を振るうことに大義も道理もありません。
 翁長知事による辺野古沖埋め立て承認取り消しをめぐっては、安倍政権が知事に代わってこれを撤回するため起こした「代執行」訴訟で、3月に和解が成立していました。和解内容は、埋め立て工事を直ちに中止し、国と県がそれぞれ起こした全ての訴訟を取り下げ、円満解決に向けた協議を行うというものでした。
 一方で、安倍政権は和解に基づく県との協議を始める前に、翁長知事の埋め立て承認取り消しの撤回を求める石井啓一国土交通相の「是正」指示を出しました。これに対し、知事は「是正」指示を不服とし、国の第三者機関である「国地方係争処理委員会」(係争委)に審査を申し出ました。係争委は6月、「是正」指示の適否は判断せず、新基地建設をめぐる国と県との議論は不十分であり、このままでは今後も紛争が継続する可能性が高いとして、両者の「真摯(しんし)な協議」が「問題の解決に向けての最善の道」と結論付けました。
 ところが、安倍政権は、翁長知事による埋め立て承認取り消しの違法確認訴訟を新たに起こすことを検討し、辺野古新基地の陸上部の建設作業を再開するとの考えを表明しています(14日)。これは、「代執行」訴訟の和解内容や係争委の決定に反します。
沖縄の海兵隊基地撤去を
 安倍政権は高江のヘリパッド建設でも機動隊を大量動員し、着工しようとしています。こうした強硬手段に出ざるを得ないのは、沖縄の民意と粘り強い運動によって追い詰められているためです。
 沖縄の民意は、元米海兵隊員による女性暴行殺人事件を契機に、辺野古の新基地建設反対にとどまらず、米海兵隊の撤退にまで高まっています。安倍政権はこの声こそ真剣に受け取るべきです。
ページのトップへ戻る



琉球新報 2016年7月23日 06:01
<社説>ヘリパッド工事再開 許されぬ建設強行 政府は計画見直し話し合え


 県民世論を踏みにじる暴挙だ。沖縄防衛局は米軍北部訓練場内のヘリパッド建設工事を強行した。警察力で基地ゲート周辺の県道を封鎖し、反対行動を排除した上での工事再開である。
 反対行動のテントや駐車車両も強制撤去された。生活道路を封鎖し、工事に反対する住民、県民を排除した建設強行は、米軍占領下の「銃剣とブルドーザー」による軍用地強制接収をも想起させる。
 一方で政府は辺野古新基地建設に向け、県を相手取る違法確認訴訟を提訴した。新基地陸上部の工事も近く強行する構えだ。「問答無用」がまかり通る異常事態だ。
*市民運動を抑圧
 警察の対応は常軌を逸している。道路を封鎖し、反対行動を排除する強硬措置は、市民の自由な活動を妨害するものだ。資材搬入の実力阻止といった行為に対する制約ではない。道路封鎖は、反対行動に向かおうとする人々をあらかじめ排除するもので、民主主義社会で正当に保障される「表現の自由」の抑圧にほかならない。
 工事の強硬再開を前に周辺道路では、法律専門家が違法性を指摘する警察の車両検問もあった。
 名桜大学の大城渡准教授はこうした警察活動に対し「国策を批判する市民運動を抑圧する動きであり、戦時下の治安維持法を想起させる」と指摘している。沖縄にとどまらず国民の人権、民主主義そのものが危機にひんしている。
 建設が強行されるヘリパッドは、オスプレイを配備予定の辺野古新基地と一体的な施設だ。既設ヘリパッドには既にオスプレイが飛来しているが、辺野古新基地建設により、両施設間をオスプレイが日常的に行き交うことになる。
 県内移設を条件とする米軍普天間飛行場の返還と、ヘリパッド移設を条件とする北部訓練場の過半の返還は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれた。
 米国はSACO最終報告草案に、オスプレイ沖縄配備を盛り込んでいたが、日本政府は欠陥機と疑われるオスプレイ配備への世論の反発を恐れて文書から削除させ、ひた隠しにしてきた。
 日本政府がオスプレイ配備を認めたのはSACO報告から14年後の2010年。オスプレイ配備を前提とした合意形成や環境影響評価が行われないまま辺野古新基地建設、北部訓練場内へのヘリパッド建設が進められた経緯がある。
 オスプレイは開発段階から重大事故が相次ぎ「未亡人製造機」とも揶揄(やゆ)された。その配備が隠蔽(いんぺい)されたまま合意された辺野古新基地計画、ヘリパッド建設計画は破棄されてしかるべきだ。
*住民の懸念現実に
 訓練場内のヘリパッド建設地に近い東村高江区は建設反対決議を繰り返し、建設が強行された場合は「阻止行動も辞さない」ことも決議し、訴えてきた。
 ヘリパッドが建設されれば「人間は住めなくなる」という住民の懸念は現実となった。夜間の騒音発生回数が2年前に比べ22倍にも激増。眠れない児童生徒が学校を休む事態となっているのだ。
 このような事態を重く見た翁長雄志知事が、工事再開を「容認できない」と表明したのは当然だ。東村の伊集盛久村長は、北部訓練場の過半返還のためヘリパッド建設を容認する立場だが、オスプレイの運用には反対している。
 ヘリパッドがオスプレイ運用を前提とし、住民被害が明確である以上、県知事も東村長も県民、村民の生命と健康、やんばるの自然を守る立場から「ヘリパッド反対」を言明すべきだ。
 沖縄本島北部の海、山の自然、住民の命が辺野古新基地とヘリパッドの建設で危機にさらされている。建設に反対する県民の心も踏みにじられている。
 建設強行は県民の人権だけでなく世界自然遺産に値する豊かな自然、日本の国益をも損なう。政府は無謀な建設を中止し、計画見直しを県や住民と話し合うべきだ。
ページのトップへ戻る



琉球新報 2016年7月22日 06:02
<社説>政府が県提訴へ 和解条項の曲解許されない


 話し合いで解決する考えなど、はなからなかったのだろう。安倍政権は選挙を念頭に、県民の気持ちに「寄り添う」姿勢を装っていたにすぎない。
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡る訴訟の和解に基づく協議会で、菅義偉官房長官は新たな訴訟を22日に起こす方針を翁長雄志知事に伝えた。
 福岡高裁那覇支部は和解勧告で、政府と県が「円満解決」を目指すことを求めた。国地方係争処理委員会も、双方が「真摯(しんし)に協議」することで解決することを促した。
 政府による提訴は福岡高裁那覇支部などの要請に明らかに反する。和解条項をも踏みにじるものであり、断じて容認できない。
 新たな訴訟は、埋め立て承認の取り消し撤回を求めた国土交通相の是正指示に、翁長知事が従わないのは違法だとの確認を求める内容である。
 政府は、訴訟と協議は「車の両輪」とし、提訴した上で協議することは可能との見解を示している。それが「和解協議のもともとの精神」(定塚誠法務省訟務局長)とも強弁している。
 「もともとの精神」とは、福岡高裁那覇支部が和解勧告で提示した「原告と被告は違法確認訴訟判決まで円満解決に向けた協議を行う」との和解案を指すのだろう。
 だがその後、政府と県が合意した和解条項には政府による「違法確認訴訟」は含まれていない。政府の和解破りは明らかである。
 和解条項に明記された訴訟は、是正指示の取り消し訴訟のやり直しだけである。再訴訟についても、あくまで「折り合いがつかなければ」との条件が付されている。
 そもそも訴訟と協議を同時並行で行うことが、円満解決につながるはずがない。
 和解が成立した3月は6月の県議選、7月の参院選を控えた時期である。安倍政権が選挙を強く意識して和解に応じたことは容易に想像がつく。それまでの強権姿勢を隠し、話し合うことで県に歩み寄ったとアピールすることが狙いだったと断じざるを得ない。
 沖縄全戦没者追悼式参列のため、6月に来県した安倍晋三首相は「和解条項に従って誠実に対応していく」と述べていた。安倍首相が言葉に責任を持つならば、新たな提訴はやめるべきだ。和解条項の曲解は許されない。
ページのトップへ戻る



沖縄タイムス 2016年7月23日 05:00
社説[辺野古提訴・高江強行]蛮行に強く抗議する 県は対抗手段練り直せ


 名護市辺野古の新基地建設を巡り政府は22日、県を再び提訴した。東村高江では同日早朝、機動隊が市民を強制排除しヘリパッド工事を強行した。
 政府は「和解の精神」を自ら踏みにじったのだ。選挙で示された沖縄の民意を一切考慮せず、話し合いによる解決を望む沖縄の人々の心を傷つけたのだ。
 言葉では言い表せない強い憤りをもって政府に抗議したい。
■    ■
 政府が県を相手取り違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した翁長雄志知事が、取り下げを求める政府の是正指示に従わないことの違法性を確認する訴訟である。
 菅義偉官房長官は「和解条項に基づく手続き」と説明するが、あまりにも一方的で一面的な解釈だ。
 国地方係争処理委員会は国による是正指示の適否を示さず、県と国の双方に問題解決に向けた話し合いを促した。
 国と自治体の安全保障を巡る対立を憂慮し、適否を判断しないという異例の結論を出して両者の協議を求めたのである。
 今年1月、福岡高裁那覇支部が出した和解勧告文も話し合い解決を求めるものだった。県と国が3月に合意した和解条項は、違法確認訴訟には触れていない。そもそもそういう事態を想定していなかったのである。
 話し合いによる解決を放棄し、国の側から和解条項にはない違法確認訴訟を提起するのは、合意を逸脱する行為である。
■    ■
 高江では、全国から動員された機動隊など約500人の警察官が、生活道である県道を封鎖し、人と車の通行を遮断。抗議の住民を力で排除する強引なやり方で、ヘリパッド工事が再開された。
 機動隊とのもみ合いで男性1人が肋骨(ろっこつ)を折る大けがを負い、3人が救急搬送されるなど現場は大混乱となった。蛮行としか言いようがない。
 北部訓練場の一部返還のためとはいえ、なぜ人の住む高江の集落を取り囲むように6カ所ものヘリパッドを造らなければならないのか。
 最も近い民家からは400メートルしか離れておらず、すでに完成した2カ所のヘリパッドではオスプレイが昼夜を問わず飛び回り、住民からの苦情が相次いでいる。住民生活を考慮しない訓練優先の移設計画だったのだ。
 オスプレイ配備にともなう環境への影響を評価した米軍の「環境レビュー」は米側が一方的に作成したもので、県民の意見は反映されていない。
 21日の緊急抗議集会であいさつした安次嶺雪音さんは「豊かな自然の中で子育てしたいのに、オスプレイが飛ぶので国頭村へ避難している」と窮状を訴えた。
 安倍政権がこのような強硬な姿勢を打ち出した以上、国の出方を見て対応するというこれまでの県の防御的なやり方には限界がある。
 県は早急に対抗手段を練り直さなければならない。
 「辺野古が唯一」「沖縄でなければ抑止力は維持できない」という政府の従来の主張は海兵隊の分散配備が進んだことで事実上破綻している。その事実を全国にアピールし、国民の不安を和らげることも必要だ。
 それぞれの分野の専門家に声を掛け、全国規模、あるいは世界的規模の応援団を組織化することが急務である。
 「辺野古・高江」問題はなぜ、これほどまでこじれてしまったのか。
■    ■
 第一に、負担軽減がすべての出発点であったにもかかわらず、中北部では負担軽減の名に値しない「移転・新設・再配置による恒久基地化」が進められ、辺野古への新基地建設が目的化してしまったこと。
 第二に、カネと振興策をからませる「アメとムチ」政策が沖縄の人々の自尊心を深く傷つけ、沖縄社会を分断し、政府に対する強烈な不信感を生んだこと。
 第三に、こんな狭い島に巨大な空軍基地と演習場が住宅地に隣接し存在すること自体、米本土にも日本本土にも例がなく、住民生活への配慮を著しく欠いていること。
 第四に、オスプレイ配備に象徴されるように、不都合なことを隠し続け、説明責任を果たさない政府の姿勢が、住民や自然保護団体の反発を招いていること、などである。
 海兵隊の本土移駐に頑強に反対する半面、「沖縄からは動かないでほしい」と懇願する政府の姿勢は、沖縄からみれば「構造的差別」そのものである。
 「辺野古・高江」問題は単なる基地問題ではない。沖縄の未来と沖縄の人々の尊厳、日本の民主主義の質が問われている。
ページのトップへ戻る



沖縄タイムス 2016年7月22日 05:00
社説[高江工事・訴訟再開]極まる政府の強行姿勢


 名護市辺野古への新基地建設を巡り、政府と県は再び法廷闘争に突入する。
 政府は22日、埋め立て承認取り消しに対する国の是正指示に翁長雄志知事が応じないのは違法だとして新たな訴訟を起こす。21日に首相官邸で開かれた政府・沖縄県協議会で、菅義偉官房長官が翁長知事に伝えた。
 会合後、翁長知事は「非常に残念だ」と政府の対応を批判した。県は訴訟ではなく、あくまで話し合いによる解決を目指していたからだ。
 新基地建設を巡る代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部が提示した和解勧告文は「沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべき」と円満解決に向けた協議を求めた。
 その後の総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」も、国の是正指示の適否を判断せず、「普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて真摯(しんし)に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をする」ことが最善の道だとした。
 菅氏は21日の会見で「訴訟と協議の手続きを並行して進めるなど誠実に対応したい」と述べた。だが、法廷闘争と協議が両立するかは極めて疑わしい。政府は、もはや対話による解決を放棄したと言わざるを得ない。
 政府はキャンプ・シュワブ陸上部分の工事を再開する意向を示しており、何が何でも辺野古に新基地を造る、との強行姿勢ばかりが際立つ。「普天間飛行場の危険性除去」のためというより、「辺野古」そのものが目的化しているように映る。
■    ■
 同じ本島北部の東村高江でも、緊迫の度を増している。
 政府が22日に米軍北部訓練場へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事の再開方針を固めたことを受け、東村高江のゲート前で、建設阻止緊急抗議集会が開かれた。約1600人(主催者発表)が抗議のこぶしを突き上げた。
 県議会も初めて、ヘリパッドの建設中止を政府に求める意見書を与党の賛成多数で可決した。ヘリパッドで運用されるオスプレイの危険性や騒音を指摘し「自然環境や住民生活へ悪影響を及ぼす」と訴え、建設を「到底容認できるものではない」と批判した。
 抗議の声の高まりにもかかわらず、政府は県外から500人規模の機動隊を投入し、県道を封鎖する強硬手段で工事に着手しようとしている。ヘリコプターでの資材搬入も検討しているという。
 辺野古同様に政府のなりふり構わぬ手段は、異常だというしかない。
■    ■
 辺野古新基地と、高江の集落を取り囲むように計画されたヘリパッドに共通するのは、いずれも完成後はオスプレイが運用されることだ。
 高江では、先行して建設されたヘリパッド2カ所が使用され、今でもオスプレイの激しい騒音が住民生活に著しい影響を与えている。夜間の飛行や離着陸訓練で子どもたちの睡眠にも支障が出ている。
 政府は北部訓練場の過半の返還につながるとアピールするが、「負担軽減」とは到底言えるものではない。
ページのトップへ戻る

/////////////////////////////////////////////////
関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 辺野古 提訴高江 強行 蛮行 抗議 沖縄県 ヘリパッド 米軍 基地

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン