2016-08-17(Wed)

GDP 4~6月期横ばい 年0・2%増 公共投資が支え

ゼロ成長 いつまで道半ばなのか  安倍失政で経済停滞激化する  民需主導の本格回復は遠い


----内閣府が15日発表した4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除く実質で前期比0・0%増だった。
このペースが1年間続くと仮定した年率換算は0・2%増で、2四半期連続のプラス成長となった。

ただ1~3月期と比べて増加幅は縮小した。
円高で輸出が減少したが、公共投資などが景気を下支えした。
 
個人消費は前期比0・2%増となり、設備投資は0・4%減。公共投資は2・3%増、輸出は1・5%減だった。
景気実感に近いとされる名目GDPは前期比0・2%増、年率換算で0・9%増となった。
(共同通信)

<各紙社説・主張>
朝日新聞)GDP横ばい 将来見すえた判断こそ(8/16)
毎日新聞)GDP伸び鈍化 民間の創意が試される(8/16)
日本経済新聞)企業の成長期待を高める改革を怠るな (8/16)
東京新聞)GDPゼロ成長 いつまで道半ばなのか(8/16)
しんぶん赤旗)4~6月期GDP 安倍失政で経済停滞激化する(8/16)
河北新報)GDP横ばい/民需主導の本格回復は遠い(8/16)




以下引用



朝日新聞 2016年8月16日(火)付
社説:GDP横ばい 将来見すえた判断こそ


 内閣府が発表した4~6月期の実質経済成長率は0・2%(前期比年率換算)で、2四半期続けてプラス成長だった。
 4月の熊本地震の影響は、日本経済全体で見れば限られた。英国の欧州連合離脱が決まったのは6月下旬だが、その後の各種指標を見ても世界経済に大きな悪影響は出ていない。新興国経済も小康を保っている。「景気はこのところ弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いている」(7月の月例経済報告)との判断は妥当だろう。
 ただ、4~6月の国内総生産(GDP)の内容も見ればせいぜい「横ばい」だ。超低金利を支えに住宅投資が急増し、予算の前倒し執行などで公共事業も増えたが、GDPの6割近くを占める個人消費が0・6%増、1割を超える企業の設備投資は1・5%減と低調だった。
 過去最高水準が続いてきた企業収益は、ここ数カ月の円高基調を受けて減益に転じた。とはいえ水準はまだ高く、利益の蓄積もたっぷりある。
 それを従業員の給与や賞与に回し、消費を活発化し自社の売り上げ増もにらむ。設備や研究開発への投資に充ててイノベーション(技術革新)を起こし、市場を切り開く。そうした企業の取り組みを政府が政策で後押しする――。これらが引き続き大きな課題となる。
 まずは企業の経営姿勢だ。
 みずほ総合研究所のリポートによると、金融を除く東証1部上場企業を対象に12年度以降のカネの使い道を調べたところ、自社株買いや配当という株主への還元策が大きく増え、株式取得による合併・買収(M&A)も活発だった。その一方で、人件費・福利厚生費や設備投資費の増加はゆるやかだった。
 株主への向き合い方は日本企業の課題の一つだが、本業を長期的に強化していくには従業員や設備・研究開発への投資が欠かせない。利益の使い道と株価の関係を見ると、人件費に重点を置いた企業の株価上昇が最も目立ったという。
 政府は秋の臨時国会で経済対策の柱となる補正予算案の成立を急ぐが、公共事業を積み増すだけではGDPの一時的なかさ上げにしかならない。
 日本経済に必要なのは、企業の賃上げや投資増が自律的に持続する仕組みだ。例えば法人税改革では、税率引き下げを最優先してきた姿勢を改め、賃上げや投資を促す減税をいま一度じっくり検討してはどうか。
 経済活性化の主役となるべき企業も、支える政府も、将来を見すえた判断こそが大切だ。
ページのトップへ戻る



毎日新聞2016年8月16日 東京朝刊
社説:GDP伸び鈍化 民間の創意が試される


 今年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比0・2%増だった。1〜3月期の2%増から伸びが大幅に鈍化した。
 アベノミクス開始から3年半あまりが経過したが、日本経済は停滞から抜け出せず、財政出動と金融緩和頼みの政策運営は限界を迎えている。企業が自らの生き残りに向け、創意工夫をこらし、民間主導の成長を担う時ではないか。
 4〜6月期のGDPで伸びが目立ったのは5%増えた住宅投資だ。日銀のマイナス金利政策で住宅ローン金利が低下したのが要因の一つだ。
 公共投資も2%強増えた。2015年度補正予算に盛り込まれた公共事業の執行が本格化したからだ。
 こうした政策の下支えによっても成長率は低水準にとどまった。GDPの約6割を占める個人消費が0・2%増と勢いを欠くためだ。
 設備投資は0・4%減とさらに低調だ。円高で企業の業績が圧迫され、投資に慎重になったとみられる。
 アベノミクスは「財政出動と金融緩和で景気を下支えし、その間に成長戦略を強化して民間主導の成長につなげる」ことを目指してきた。
 当初は金融緩和に伴う円安で企業収益が改善した。これに伴い、企業が持つ現預金など「内部留保」は300兆円を超えている。一部でも、新たな市場を創出する投資に回せば、消費を喚起する可能性がある。
 日本経済の実力を示す潜在成長率は0%台に過ぎない。少子高齢化や人口減少で国内市場は縮小し、成長力は低下している。
 新たな市場を切り開くための企業の創意が試されている。円高など経営環境は厳しいが、投資した分野が育てば、将来得られる利益は大きいはずだ。
 今後の成長のかぎを握る動きとして注目されているのは、第4次産業革命だ。あらゆるモノをインターネットにつないで利便性や生産性を高める「IoT」や、ビッグデータ、人工知能、ロボットなどの開発で、どこまで主導権を確保できるかが企業の国際競争力を左右する。
 日本が米欧に後れを取っている分野も多く、巻き返しが急務だ。大企業から中小企業まで裾野も広い。企業が製品やサービスの付加価値を高めれば、経済全体を底上げし、民間主導の成長を導く土台になる。
 政府は今月、事業規模28兆円の大型経済対策を決めた。公共事業が中心だ。日銀も追加緩和を実施したが、「アベノミクスの加速」と称して財政・金融政策のアクセルを踏んでも持続的成長にはつながらない。
 成長分野に資金を呼び込むような規制緩和など企業が投資しやすい環境整備に徹すべきだ。
ページのトップへ戻る



日本経済新聞 2016/8/16付
社説:企業の成長期待を高める改革を怠るな


 円高で企業収益が鈍り、設備投資が減少している。企業が将来の日本経済の成長力に確信を持てるように、政府は構造改革を着実に進めねばならない。
 4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.048%増、年率換算で0.2%増にとどまった。
 今年はうるう年で2月が1日多く、1~3月期の成長率がかさ上げされた。その反動で4~6月期の成長率が下振れしている分を割り引くと、実態は年率1%強の成長だったとの見方が多い。景気を過度に悲観視する必要はない。
 個人消費は底堅かった。住宅投資や公共投資は大きく伸び、全体として内需は堅調だった。
 ただ、企業部門が精彩を欠いているのは気がかりである。設備投資は2四半期連続でマイナスとなった。世界経済の停滞を背景に、輸出も減少した。
 4~6月期の米国とユーロ圏の実質経済成長率は年率1%台前半にとどまった。中国の成長率は前期と同じにとどまった。
 世界経済の強いけん引役が不在のなかで当面、外需に期待しにくい。日本経済は内需の底力が試される局面にある。
 政府は事業規模で28兆円超の経済対策を決め、臨時国会に2016年度第2次補正予算案を提出する。当面の景気をある程度下支えする効果はある。
 費用対効果の乏しい従来型の公共事業が紛れ込む懸念はある。政府は無駄遣いを防ぐ手立てを講じたうえで、予算案成立後に速やかに執行してほしい。
 目先の対策より大事なのは、0%台前半で低迷している潜在成長率を引き上げる改革だ。
 足元で設備投資が弱い背景として、円高を受けて企業が収益計画を下方修正し、様子見の姿勢を強めている可能性がある。
 長い目でみると、企業が期待する日本経済の成長力が下がっている。これが企業が前向きな投資を決めにくい一因になっており、政府は改革で応えねばならない。
 人口減が進むなか、女性や高齢者、外国人材がもっと活躍できるような働き方改革が急務だ。
 経済連携協定(EPA)などで海外の活力を取り込んだり、規制改革で国内外の企業がもっと事業をしやすい環境をつくったりする。こうした努力を政府は怠ってはならない。
ページのトップへ戻る



東京新聞 2016年8月16日
【社説】GDPゼロ成長 いつまで道半ばなのか


 三年続くアベノミクスはあらためて効果が乏しいことを裏付けた形だ。四~六月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は横ばいだった。「道半ば」でなく、誤った道を進んでいると気づくべきだ。
 一〇〇分の一秒を争うオリンピックの記録かと錯覚しかねない。GDPの伸び率(前期比)は物価変動の影響を除いた実質で0・048%。通常なら0・0%だが、わずかでもプラス成長を強調したいがためかと勘繰りたくもなる。
 年率換算では市場予測の0・7%増を下回る0・2%増。数字を取り繕ったところで実態はゼロ成長であり、政府が財政再建目標の前提としている「名目3%、実質で2%成長」には遠く及ばないのである。
 GDPの六割を占める個人消費が0・2%増と力強さに欠けるのが最大の要因だ。消費が伸びなければ企業は投資を手控える。設備投資は0・4%減と二期連続のマイナスだった。住宅投資は5・0%増と大きく伸びたが、マイナス金利政策の効果というよりは、消費税増税の延期が決まる前だったため増税を控えての駆け込み需要が大きかったとみるべきだろう。
 いずれにせよ、安倍政権が描いた経済の好循環、すなわち企業収益増→賃金増→消費増→企業の投資増は画餅に帰し、むしろ賃金の伸び悩みが消費低迷を招く負のスパイラル、悪循環に陥っている。
 アベノミクスは開始からじき三年半となるが、いまだ道半ばというのは根本的に間違っているためだ。異次元緩和も財政出動も景気を一時的に持ち上げるカンフル剤でしかない。基礎体力を付けないから、すぐに病気になるのに、一時しのぎのカンフル剤頼みを繰り返してきた。成長戦略で体力向上を図らねばならないが実態は官僚の作文だから効果が望めない。
 内部留保をためるばかりの企業経営者も問題だが、基本的に民間に任せるものは任せる方が官僚任せよりはましである。
 何より富める者をますます富ませれば問題解決するといった政策が決定的に間違っている。消費の中核を担う中間層を没落させ、格差拡大を助長するアベノミクスでは、人口減と少子高齢化に直面する日本経済を立て直すことは到底できまい。
 日銀は金融政策を総括的に検証し、現実離れした目標や限界のみえる政策を見直す。政府がなすべきはアベノミクスをこれ以上ふかすのではなく、誤った道を引き返す勇気を持つことである。
ページのトップへ戻る



しんぶん赤旗 2016年8月16日(火)
主張:4~6月期GDP 安倍失政で経済停滞激化する


 敗戦71年の15日発表された今年4~6月期国内総生産(GDP、季節調整済み)の速報値で、物価変動を除いた実質で前期比0・0%増と、日本経済が停滞を続けていることが浮き彫りになりました。詳しく見ると0・04%増なので年率では0・2%増ですが、いずれにせよ小数点以下の小幅な伸びです。日本経済は安倍晋三政権が「経済再生」を掲げて「アベノミクス」を3年半余り推進しても効果が表れず、特に一昨年4月に消費税を増税して以降は消費の低迷でマイナス成長を繰り返しています。経済停滞を激化させた安倍政権の失政の責任は重大です。
消費の低迷抜け出せない
 消費税増税後、日本経済は個人消費や民間住宅建設などが軒並み落ち込んで、実質GDPは2014年度には前年度比0・9%減となりました。15年度も4~6月期、10~12月期とたびたびマイナスを記録し、年度全体ではプラス成長となったものの、個人消費(民間最終消費支出)は2年連続のマイナスで、消費の停滞を抜け出ていません。今年1~3月期の実質GDPが0・5%増となったのも、2月がうるう年だった影響が大きいといわれ、それに続く4~6月期の事実上の横ばいで、経済の停滞は明らかです。
 前期比0・0%の伸びとなった4~6月期も、民間最終消費支出はわずか0・2%の伸び、民間企業設備投資は0・4%の落ち込みです。安倍政権が3年半以上続けた「アベノミクス」は、金融を緩和し、円安と株高を続ければ企業のもうけが増え、回り回って賃金や消費が増える筋書きですが、消費税増税の悪影響も加わって、「アベノミクス」が効果を発揮していないのは明らかです。
 先日発表された政府の「経済財政白書」(年次経済財政報告)も、個人消費は「力強さに欠けている」と指摘しました。特に世帯主が39歳以下の若年子育て期世帯と、60歳代前半の無職世帯の節約志向が要因だと分析しています。持続的な賃金上昇などを提案しており、「アベノミクス」の不十分さを浮き彫りにしています。
 日本が加盟する国際通貨基金(IMF)も8月に公表した今年の対日審査の中で、「アベノミクス」は当初こそ期待の押し上げと日本経済の再活性化に効果があったが、いまでは「持続的な改善を難しくしている」と、異例な率直さで“限界”を指摘しました。労働分野などでの「構造改革」が「アベノミクスの再充填(じゅうてん)に不可欠」などといったIMFの提案には同意できない点があるものの、「アベノミクス」の破綻は、今や国際的にも常識というほかありません。
破綻認めない安倍政権
 安倍政権は3年以上たっても効果がないのに「アベノミクス」の破綻は認めず、参院選が終わった途端、事業規模で28兆円にも上る「経済対策」を持ち出しています。しかし、対策は見かけを膨らませたもので、財政投融資でリニア中央新幹線や整備新幹線の建設を促進するなど、国民生活を改善するものではありません。安倍政権が担当相を置いた「働き方改革」も、非正規雇用は解消せず、残業代ゼロ法案を強行するなど、労働条件を悪化させるものです。
 「アベノミクス」はきっぱり中止し暮らし最優先の経済政策へ転換することこそ不可欠です。
ページのトップへ戻る



河北新報 2016年08月16日火曜日
社説:GDP横ばい/民需主導の本格回復は遠い


 2四半期連続のプラス成長とはいっても、伸び率は小数点以下で、景気が依然として横ばい状態から抜け出せていないことを物語る。
 内閣府がきのう発表した2016年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値である。実質で前期比0.048%の増、年率に換算して0.2%の伸びにとどまった。
 1~3月期(年率2.0%増)はうるう年による日数増で成長率がかさ上げされ、今期はそれに伴う反動減があるとはいえ、それでも低率に変わりはなく「踊り場」から脱する勢いとは程遠い。
 プラス成長の原動力となったのは公共事業の早期執行が追い風となった公共投資と、日銀のマイナス金利政策による住宅ローン金利の低下が寄与した住宅投資だ。
 官民の建設需要であり、政策効果である。だが、景気のけん引役が期待される民需は企業部門も、家計も低迷が続く。景気の足取りがおぼつかないのは、このためだ。
 1ドル=100円近くまで急伸した円高が主因で輸出は前期比マイナス。企業の設備投資も、円高が業績を圧迫し始め、企業心理が慎重になっていることなどから、2期連続でマイナスとなった。
 個人消費は前期比0.2%増とプラスになったものの、相変わらず力強さに欠ける。
 英国の欧州連合(EU)離脱問題の影響を含め海外経済の先行き不透明感は拭えず、消費に直結する所得増につながる賃上げは伸び悩む。現状のままでは、民需主導による景気の本格回復は遠いと言わざるを得ない。
 わけても、GDPの6割を占める個人消費が、一向に振るわないのはなぜか。
 当の政府が、先ごろまとめた16年度の「経済財政白書」の中で分析している。背景にある大きな要因の一つは、世帯主が39歳以下のサラリーマンの「子育て世代」における節約志向の強さだという。
 所得が増えても消費が伸びない傾向が強いのは、一つは低賃金で働く非正規社員の割合が高いからであり、さらには、その中で保育料や教育資金といった負担に迫られているからだとの見方を示す。
 その分析に、もう一つ付け加えれば、少子高齢化と人口減が急激に進む中で、社会保障制度の先行きは大丈夫か、社会保険料の負担が増大しないか、といった将来不安を募らせていることがあろう。
 個人消費の回復に向け、白書は、非正規社員と正社員との格差是正や保育所の増設を含め「1億総活躍プラン」に盛り込んだ子育て支援策の充実は挙げた。だが、将来不安の払拭(ふっしょく)策は見当たらない。
 社会保障制度の維持・充実のためには持続可能な財政が必要だ。が、消費税再増税の延期を決めた安倍政権の白書なのだから当然、その領域へ深く踏み込んではいない。
 財源の裏付けにも乏しい総活躍プランの実効性に疑問が残る上、将来不安をも抱えたままで、子育て世代の消費がどうして伸びるのだろうか。
 白書が消費低迷の一因とするこの課題を解決に向け前進させることができなければ、民需主導の力強い景気回復はさらに遠のきかねまい。
/ページのトップへ戻る


///////////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : GDP 公共投資 個人消費 ゼロ成長

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン