2016-09-02(Fri)

2017年度予算概算要求 社説等(1)財政規律が置き去りだ

危機感の乏しさを憂う  財政再建を忘れてないか 歳出削減の姿勢がみえぬ

<各紙社説>
読売新聞)概算要求 特別枠を成長実現につなげよ(9/1)
朝日新聞)予算概算要求 危機感の乏しさを憂う(8/31)
北海道新聞)予算概算要求 財政規律が置き去りだ(9/1)
神戸新聞)概算要求/財政再建を忘れてないか(9/1)
高知新聞)【概算要求】歳出削減の姿勢がみえぬ(9/1)
沖縄タイムス)[沖縄予算概算要求]振興体制の検証始めよ(9/1)




以下引用



読売新聞 2016年09月01日 06時03分
社説:概算要求 特別枠を成長実現につなげよ


 国の借金は1000兆円を超え、財政の余裕はなくなっている。予算編成の焦点は、成長力を高める施策への「選択と集中」である。
 2017年度予算概算要求が締め切られ、総額は3年連続で100兆円を超えた。16年度当初予算を5兆円程度上回り、拡大傾向が続く。年末に向け、財務省の厳しい査定が必要だ。
 気になるのは「新しい日本のための優先課題推進枠」の扱いだ。1億総活躍社会の実現や、成長戦略に資する事業を対象に、4兆円程度の特別枠を設けた。
 枠以外の政策的な経費は10%削減し、メリハリを付ける。
 特別枠には、総務、文部科学、経済産業3省による次世代の人工知能(AI)研究や、厚生労働省による医療機関の外国人患者受け入れ強化などの要求があった。
 過去にも同様の特別枠が設けられたが、関連の薄い事業でも名目をつけて体裁を整えるような便乗事例がまかり通った。この轍を踏んではなるまい。
 消費税率引き上げが19年10月まで2年半延期され、社会保障・税一体改革で予定された施策の財源に穴が開いている問題もある。
 さらに、1億総活躍関連の待機児童解消や介護離職ゼロを目指す施策を推進する必要がある。
 政府は財源にアベノミクスの成果を活用するとして、法人税収などに期待する。しかし、円高の進行や海外経済の変調などで、企業収益の伸びに勢いは乏しい。
 恒常的に施策を実行するには恒久財源の裏付けが不可欠である。財源を確保するために工夫を凝らさねばならない。
 歳出の3分の1を占める社会保障費の抑制も大きなテーマだ。
 高齢化の進展で医療費などがかさみ、このままでは16年度より6600億円も増える。
 政府は伸びを5000億円程度に抑える方針だ。1600億円もの圧縮には、国民の痛みを伴う改革は避けられまい。
 医療費の自己負担に上限を設けた高額療養費制度で、所得の高い高齢者は上限を引き上げることなどが検討対象となろう。
 土木・建設や農地改良といった公共事業が、大幅な増額要求となった。災害が頻発する中で防災・減災事業の重要性は増し、農業の構造改革には農地の大規模化などが欠かせないとされている。
 大切なのは、経済の活性化に資する観点だ。政治的な思惑から非効率な公共事業を求めることがあってはならない。
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朝日新聞 2016年8月31日05時00分
(社説)予算概算要求 危機感の乏しさを憂う


 「施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化する」
 来年度予算編成の出発点となる各省庁からの概算要求について、政府が今月初めに決めた基本方針の一節である。
 言葉は力強い。だが現実はといえば、決意表明はどこへやら、未曽有の財政難への危機感の乏しさに驚くばかりだ。
 きょう締め切られる概算要求の総額は、3年連続で100兆円を超える。
 要求時の基準に天井(シーリング)を設けず、一部の予算については今年度当初予算から2割増し近くまで要求できる仕組みとしたことが大きい。
 もちろん、全額がそのまま認められるわけではなく、財務省の査定などを通じて絞られる。
 とはいえ、厳しい財政を直視すれば、政府の基本方針がうたう通り、「既存事業の実績や効果を効率性、有効性等の観点から徹底検証して見直した上で要求・要望を行う」のは当然だ。
 省庁の姿勢はどうか。
 国土交通省は、公共事業費として今年度当初予算から16%増の6兆円強を要求した。経済産業省も、特別会計分を含めて9%増の1兆4千億円余を求めた。被災地での復旧事業が峠を越えた復興庁が要求を減らした例もあるが、「できるだけ多くの予算を獲得するために目いっぱい要求する」と言わんばかりの省庁が多い。
 そうした中で目を引くのが、内閣府が所管する沖縄振興予算だ。要求額は今年度当初より140億円少ない3210億円。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐって対立する翁長雄志知事を牽制(けんせい)したのでは、ともささやかれる。
 菅官房長官はそうした見方を否定したうえで「予算については、効果的な政策を実現するために必要に応じて歳出の見直し、不断の努力をするのは当然。沖縄振興予算も例外ではない」と強調した。
 ならば、問いたい。そうした「不断の努力」をすべての省庁がすべての予算について尽くしたのか、と。
 来年度予算の概算要求に先立って、政府は今年度2次補正予算案を閣議決定した。2兆7千億円強の建設国債を追加発行して公共事業を積み増すなど、総額は3兆3千億円に迫る。当初予算と似た項目が並び、補正が抜け道となって歳出が膨らむ構図は相変わらずだ。
 こんな財政運営をしていては健全化への道は遠い。それだけは確かである。
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北海道新聞 2016/09/01 08:50
社説:予算概算要求 財政規律が置き去りだ


 2017年度予算編成に向けた各省庁の概算要求がまとまった。一般会計の総額は101兆円台となった。
 3年連続で100兆円を超え、低金利で国債の利払い負担が軽くなるのを考えれば、過去最大だった16年度の要求総額に匹敵する。
 国と地方を合わせた借金は既に1千兆円を超えている。
 安倍晋三首相は「財政再建の旗は降ろさない」と強調する。そう言うからには、将来世代へのつけ回しにならぬよう、メリハリのある効率的な予算配分になるよう指導力を発揮すべきだ。
 各省庁からの要求が水膨れになったのは、4年連続で概算要求の上限を示さなかったためだ。
 国土交通省の管轄する公共事業費は3年連続で6兆円を超え、防衛費も米軍再編関連経費を含めて過去最大となった。
 背景には「アベノミクスのエンジンを最大限ふかす」とした首相の言葉がある。
 財政運営をめぐって安倍政権は、歳出削減よりも経済成長による税収増を重視してきた。
 だが、最近の円高で企業業績が悪化し、税収は伸び悩む。17年4月の消費税増税も先送りした。事態は逆の方向に進んでいる。
 政府が掲げる、財政の健全性を示す基礎的財政収支を20年度に黒字化する目標を、これで達成できるのか。
 実際、最新の試算によると、名目成長率3%という楽観的な前提であっても、20年度は5兆5千億円の赤字となる見通しだ。
 ここは、緩みきった財政規律を締め直す時ではないか。
 首相は「1億総活躍社会」も打ち出している。保育士・介護職員の処遇改善、無利子奨学金の拡充など子育て、若者支援策は将来の成長の種にもなろう。
 ならば、ハード面の他の事業を削ってでも、こうしたソフト面の事業を重視し、未来を見据えた予算とするべきだろう。
 それにしても首をかしげるのは、内閣府所管の沖縄振興予算が本年度当初比140億円減の3210億円と、7年ぶりの減額になったことだ。
 菅義偉官房長官は「基地問題と沖縄の振興問題は、総合的に推進していくという意味合いでリンクしている」と述べていた。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設問題で言うことを聞かないから減額した―とも聞こえる。
 国の予算がこんな恣意(しい)的なことで決まっていいのか。
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神戸新聞 2016/09/01
社説:概算要求/財政再建を忘れてないか


 2017年度予算の各省庁からの概算要求がまとまった。一般会計の総額は101兆円台となり、3年連続で100兆円を超える。
 過去最大だった16年度要求からは1兆円前後減った。だが、景気は足踏み状態にあり、税収は伸び悩みが予想される。17年4月に予定されていた消費税率10%への引き上げも2年半先送りされた。
 国と地方を合わせた借金は1千兆円を超えている。このままではさらに赤字が膨らむ。査定する財務省は事業の中身を吟味し、無駄な歳出を抑制する必要がある。
 安倍晋三首相は消費税増税を再延期する一方、社会保障の充実策は優先順位を付けて実現すると表明した。予算編成に向けて、代替財源の確保が大きな課題になる。
 要求では、一般会計の3割を占める社会保障費や、1億総活躍プランの経費が膨らんだ。1億総活躍では政府が看板に掲げる待機児童対策や「働き方改革」に重点を置いた。
 待機児童対策には1100億円超を充て、17年度末に保育所などの受け皿を50万人分拡大を目指す。だが保育士の人手不足は深刻で、計画どおりに進むかは見通せない。
 「働き方改革」には特別会計を含めて877億円を計上した。「同一労働同一賃金」の実現に向け、非正規雇用から正社員への転換促進や、長時間労働を是正するための職場の指導などが盛り込まれた。
 正規と非正規の格差縮小は、実質賃金を上げ消費を底上げすることで景気回復につながる。女性の活躍推進の観点からも重要だ。本気で実行しなければならない。
 地方の衰退を受けて、観光や農業振興など地域活性化策も多く盛り込まれた。都市部の大学生らに地方で働いてもらう国内版ワーキングホリデーなどで移住を促す。地方再生は待ったなしで取り組む必要がある。
 整備新幹線や港湾整備などの公共事業関係費は16年度当初予算比16%増と大幅に増えた。防衛予算も5兆円を超え過去最大規模となった。
 忘れてならないのは財政健全化をきちんと進めることだ。日銀のマイナス金利政策の導入で、政府は低利で借金ができる環境にある。だが、これ以上国債の発行が重なれば、国際的な信認も失いかねない。財政出動の効果にも限界がある。次世代に安易にツケを回してはならない。
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高知新聞 2016.09.01 07:50
社説:【概算要求】歳出削減の姿勢がみえぬ


 財政再建の旗は降ろさない、のではなかったか。今年もまた、そんな疑問を禁じ得ない。
 2017年度予算編成のスタートとなる、各省庁の概算要求が締め切られた。一般会計の要求総額は101兆円規模に膨らみ、3年連続で100兆円の大台を超える。財政の拡大路線に歯止めが利かなくなりつつあることを印象づけた。
 政府は、20年度までに国と地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させる目標を掲げる。借金に頼らず、収入だけで支出が賄えるかどうかを示す指標で、黒字化も借金をこれ以上増やさないという意味だ。あくまで財政健全化への「一里塚」にすぎない。
 しかし、達成は極めて厳しい状況にある。政府が7月末に公表した中長期の財政試算では、20年度も約5・5兆円の赤字となる見通しだ。それも実質経済成長率2・0%以上という甘い想定に加え、歳出抑制による改善効果を織り込んでいた。
 その「節約」の姿勢が、出そろった要求をみる限り政府、各省庁ともに全くうかがえない。
 政府は、景気に応じて柔軟に予算を組めるようにと歳出総額の上限を設定せず、1億総活躍プランなどの関連施策を優遇する4兆円程度の特別枠を設けた。予算規模が拡大した15年度、16年度の編成方針をそのまま踏襲した格好だ。
 同じ前提なら、結果も変わらないだろう。特別枠は草刈り場と化し、各省庁の増額要求が相次いだ。このため経済対策、特に人口減少が影を落とす地域経済の活性化を名目とした事業が目立つ。
 とはいえ、16年度当初予算比で16%増の6兆円強にも上る公共事業費を要求した国土交通省をはじめ、財政規律の緩みを指摘せざるを得ない。防衛費も5兆円余りと過去最大となった。
 一方で政府は沖縄振興費に関し、安倍首相が維持方針を示した3千億円台は確保したものの減額した。菅官房長官は「必要に応じて歳出を見直すのは全国どこでも同じだ」と見解を示している。
 正論ではあろう。ただ、全体が膨張した中での「冷遇」なら、基地問題と関連付けた締め付けとみられても仕方あるまい。
 むしろ、歳出見直しを徹底すべきなのは政府自身だろう。拡大路線を取り続ける財政余力はもうない。足元を見つめ直す必要がある。
 高齢化に伴い、年金や医療などの社会保障費は31兆円を超えた。国債費は日銀のマイナス金利政策の影響を見込んでも、国債発行残高が膨らんで16年度当初比では約1兆円増えた。財政の硬直化が進んでいるのは間違いない。
 国の借金は6月末で1053兆円に上る。天文学的数字に国民が将来不安を募らせ、個人消費の低迷につながっている可能性もある。安倍政権は「経済再生なくして財政健全化なし」とするが、財政状況に目配りしない経済再生も成り立ち難い。
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沖縄タイムス 2016年9月1日 07:00
社説[沖縄予算概算要求]振興体制の検証始めよ


 内閣府は2017年度沖縄振興予算の概算要求をまとめ財務省に提出した。要求額は3210億円で、16年度当初予算と比べると140億円、4・2%の減である。
 前年度当初予算を下回ったのは、第2次安倍政権発足後、初めてのことだ。
 基地と振興策の「リンク論」が政権内で露骨に語られる中、新基地建設を巡る国と県の対立が影を落としている。
 要求総額を押し下げた大きな要因は、275億円のマイナスとなった沖縄振興一括交付金である。
 国が指摘する「不用額や繰り越しの多さ」は、県も謙虚に受け止めなければならない。どこが問題か、一括交付金の検証が必要だ。
 ただ以前に比べ執行率が改善する中での大幅減額である。使う側にとって自由度の高いお金が、配分する側にとって「操作」のしやすいもろ刃の剣になってはいないか。
 沖縄予算は「21年度まで毎年3千億円台の確保」が、安倍晋三首相と仲井真弘多前知事との間で約束されている。
 しかし、予算の内容を細かく見ていくと、県が別枠要請していた沖縄科学技術大学院大学(OIST)関連経費や那覇空港滑走路増設事業費などが総額に含まれている。
 OISTはオールジャパンの施設で、事業スタート時に沖縄担当相は「沖縄予算に迷惑をかけない」と話していた。滑走路増設も自衛隊の使用を前提にしたものだ。沖縄予算からこれら事業費を捻出することには強い疑問が残る。
 年末の予算編成に向け、国と県で再度調整してもらいたい。
■    ■
 釈然としないのは、概算要求に初めて盛り込まれた沖縄・地域安全パトロール事業費の8億7千万円である。
 元海兵隊員による女性暴行殺人事件を受け、沖縄総合事務局が雇用する200人の非常勤職員が100台の車両を使って県内の繁華街をパトロールするための費用という。
 県民の安全を守る仕事は重要だが、警察権限を持たない職員の巡回にどれだけの効果があるのか。費用対効果を十分検討した上での要求なのか。沖縄振興の予算を米軍関係者による犯罪の再発防止のために使うことも疑問だ。
 成果を注視しているのは、2年目となる子どもの貧困緊急対策事業である。
 支援員の配置や子ども食堂など居場所づくりが進んでおり、今後は保護者の就労支援などでも目に見える成果を期待したい。
■    ■
 沖縄振興特別措置法に基づく10年単位の沖縄振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」は、来年度6年目となり、後期に入る。
 振興策が基地受け入れの「見返り」でないことは沖振法を読めば分かるが、政府の沖縄振興策が日米安保を維持するための装置として機能してきた側面は否めない。
 来年度以降、ポスト振計の議論が始まる。沖縄予算を巡る本土側の誤解を解くことが極めて重要な課題になっており、一括計上方式のメリット、デメリットを検証し、沖縄振興体制に全面的にメスを入れるべきである。
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