2016-09-09(Fri)

リニア中央新幹線 JR東海 相変わらず住民無視の姿勢

「住民理解」への協議揺らぐ 大鹿村釜沢のリニア関連説明会

◇理解を得たかどうかはJRが判断する
----説明会開催をリニア着工に向けたアリバイにするのではないか。

----住民の理解を得るための説明会である。大鹿村だけで300万立方メートル余になる残土の処分地など、住民には不安と疑問が根強く残っている。JRは真摯(しんし)に向き合い、解消に努める必要がある。
 
大きな問題は、工事の本格着手には住民の理解が必要とししつつ、理解を得たかどうかはJRが判断するという考えを何度も示していることだ。
 
理解を得たという既成事実をつくるための説明会になるのでは―。住民側からはそんな懸念が出ている。JRにはこれまで、2027年開業という目標を最優先する姿勢が目立つからだ。

----住民たちの暮らしは、工事が始まれば10年以上にわたって影響を受ける。JRの説明や対応に納得できるかどうかは、住民が自治会などの組織で話し合い、決めることだ。JRがこのままの姿勢を続けると、住民との信頼関係は構築できない。
 
説明会に対する姿勢にも疑問が多い。先月26日に大鹿村釜沢地区で開いた非公開の関連工事説明会で、地区の正副自治会長が求めた村リニア対策委員のオブザーバー出席を拒否している。正副会長は抗議して退席した。

<社説>
信濃毎日新聞)リニア説明会 住民置き去りはだめだ(9/3)




以下引用



信濃毎日新聞 (2016年9月3日)
社説:リニア説明会 住民置き去りはだめだ


 説明会開催をリニア着工に向けたアリバイにするのではないか。
 JR東海リニア中央新幹線南アルプストンネル(約25キロ)の長野工区(約8・4キロ)である。10月中にも着工する方向で調整している。掘削する下伊那郡大鹿村では7日に全住民向けの説明会を開く。村内の各地区でも開催することになっている。
 住民の理解を得るための説明会である。大鹿村だけで300万立方メートル余になる残土の処分地など、住民には不安と疑問が根強く残っている。JRは真摯(しんし)に向き合い、解消に努める必要がある。
 大きな問題は、工事の本格着手には住民の理解が必要とししつつ、理解を得たかどうかはJRが判断するという考えを何度も示していることだ。
 理解を得たという既成事実をつくるための説明会になるのでは―。住民側からはそんな懸念が出ている。JRにはこれまで、2027年開業という目標を最優先する姿勢が目立つからだ。
 JRは15年4月に県と交わした基本合意書で「工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視して進める」と明記している。
 それなのに、県や沿線自治体が挙げた要望のうち、作業用トンネル坑口数の削減や橋の地中化など、工期の遅れにつながりかねない要望は聞き入れてこなかった。
 先月29日には残土の処分地問題が解決しない下伊那郡阿智村のリニア対策委員会で、JRが「大鹿から木曽まで、他の所と比べても当地域は進んでいない」と早期決着を求めている。
 住民たちの暮らしは、工事が始まれば10年以上にわたって影響を受ける。JRの説明や対応に納得できるかどうかは、住民が自治会などの組織で話し合い、決めることだ。JRがこのままの姿勢を続けると、住民との信頼関係は構築できない。
 説明会に対する姿勢にも疑問が多い。先月26日に大鹿村釜沢地区で開いた非公開の関連工事説明会で、地区の正副自治会長が求めた村リニア対策委員のオブザーバー出席を拒否している。正副会長は抗議して退席した。
 対策委員はリニアに慎重な姿勢を取っていた。計画に疑義を持つ住民を含め、誠実に理解を得ようとしているとは思えない。
 これまで非公開で実施するとしていた7日の説明会は、一転して公開されることになった。透明性を高めるため、今後、県内各地で開く説明会も同様に公開で実施するべきだ。
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信濃毎日新聞(2016年8月30日)
「住民理解」への協議揺らぐ 大鹿村釜沢のリニア関連説明会
JR東海の説明会が開かれた釜沢地区の会場=26日夜
 JR東海が、リニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区(約8・4キロ)の掘削が始まる下伊那郡大鹿村釜沢地区で26日に開いた非公開のリニア関連工事説明会で、地区の正副自治会長が求めた地区外の村リニア対策委員のオブザーバー出席を「関係者のみが対象」として拒否していたことが29日、分かった。正副自治会長はJRの対応に疑義を唱えて退席したが、説明会はそのまま続行された。自治会側は、南アトンネルの工事を含め、JR側が9月上旬以降、同地区で予定する説明会の開催を拒否する方向で調整している。
 説明会は26日夜に開かれた。内容は、村中心部から釜沢地区の作業用トンネルの坑口へと続く県道赤石岳公園線の改良について。関係者によると、一部の住民が「地区住民とは別の視点を持った人に参加してもらいたい」と、同地区のリニア対策委員とは別に、リニアに慎重な姿勢を取っている地区外の対策委員、前島久美氏(34)の同席を要望した。
 自治会長の谷口昇氏(46)らがオブザーバーとして前島氏の同席を会場で申し入れたが、JR側は「関係者のみが対象」として拒否。谷口氏は、正副自治会長の判断を一方的に拒否するのは住民自治の観点から受け入れられない―と考え抗議したが、JR側は受け入れず、谷口氏は副自治会長のサイモン・ピゴット氏(66)と共に退席した。
 大鹿村では、1日最大1736台の工事関係車両が生活道路を通過することや、南アトンネルの生態系への影響などを懸念し、工事に反対する住民がいる。JR側はこれまで、反対意見の住民も含めて説明し、「理解を得る」としていた。
 谷口氏は「出席の線引きが一方的に決められては対話の余地がない」と主張。「住民理解を得たという既成事実のための説明会と捉えられても仕方ないのではないか」としている。
 JR東海広報部は「より地域に密着したきめ細かな説明をし、ご意見を頂くことで工事への理解を深めてもらうのが工事説明会の目的。そのため、地元住民とその関係者の方々に限定するのが基本的な考え方」と説明。地元住民以外の参加は事前に連絡があれば対応するが、参加の可否は同社が判断するとしている。
 この問題で、建設に反対する沿線住民らでつくる市民団体「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」は29日、同社の対応に抗議する声明文を発表。同社宛てに郵送する。


信濃毎日新聞(2016年8月30日)
JRがリニア関連工事 県内初 中川の県道改良
準備工事が始まった県道松川インター大鹿線の西下トンネル施工ヤード=29日午前8時49分、中川村大草
 下伊那郡大鹿村で予定されているリニア中央新幹線南アルプストンネル長野工区(約8・4キロ)建設工事の工事用車両が通る県道松川インター大鹿線の改良工事が29日、上伊那郡中川村で始まった。JR東海が関わるリニア関連工事の着手は県内で初めて。
 同社は交通安全対策として、中川村の同県道について2本のトンネル新設と現道拡幅を計画している。県によると、この日は2本のうち、西側の西下トンネル(0・9キロ)の施工ヤード(作業場)を整備。熊谷組(東京)と神稲建設(飯田市)の共同企業体(JV)の作業員20人ほどが資材の搬入や草木の撤去をした。2本ともに来年1月に掘削工事が始まる見通し。
 31日には、現地で安全祈願式が開かれる。同県道の改良を巡っては、大鹿村内の一部住民から工事に関する説明が不十分との声が上がっている。

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