2016-09-16(Fri)

三菱自動車 「常軌逸する」 再測定方法も不正 

有利な数値選ぶプログラム使用 販売中8車種 国交相「遺憾で深刻な事態」

----国土交通省は15日、三菱自動車燃費不正問題の発覚後、販売中の9車種について燃費を再測定した際、8車種の測定方法が不正だったと明らかにした。

三菱自の担当者は、不正を認識しながら、国の規定とは異なる測定方法を続けていた。
 
国交省は「再測定結果をかさ上げしようとした意図が疑われ、常軌を逸する事態」とし、益子修会長を呼んで文書で注意し、再発防止策の見直しと9月末までの報告を求めた。
 
国交省によると、三菱自は問題が発覚した4月以降に、販売中の9車種の燃費値を再測定
本来なら走行試験で得たデータの中央値を利用すべきなのに、都合の良いデータを使っていた。
(共同)




以下引用

NHK 9月16日 13時29分
三菱自の再測定不正 国交相「遺憾で深刻な事態」
三菱自動車工業が、燃費の不正が発覚したあとの再測定でも不正な測定を続けていた問題について、石井国土交通大臣は閣議のあとの会見で、「極めて遺憾で深刻な事態だ」と述べ、会社側が今月中に行う再発防止策の見直しに危機感を持って取り組むことを求めました。
この問題で、三菱自動車は再測定の方法について当初、「不正な方法とは認識していなかった」と説明していましたが、国土交通省が調査した結果、現場の担当者が正しい測定方法を知ったあとも、それを改めないまま測定を続けていたことが明らかになりました。
 これについて、石井国土交通大臣は閣議のあとの会見で、「三菱自動車の法令順守と再発防止の姿勢に疑問を抱かざるをえない、極めて遺憾で深刻な事態だ」と述べました。そのうえで、石井大臣は「三菱自動車はここで企業体質の見直しに失敗すれば、消費者からの信頼を決定的に失うことになる」と述べ、会社側が今月中に行う再発防止策の見直しに危機感を持って取り組むことを求めました。
 また、石井大臣は一連の問題を受けて、虚偽の燃費データを申請した場合には実質的に販売停止とするなど、メーカーへの処分を厳格化したことについて、「虚偽の申請に対する罰則規定などを適切に運用して、メーカーの不正行為の防止に努めていく」と述べました。


読売新聞 2016年09月15日 23時54分
三菱自、再測定でも不正…国交省「常軌逸する
 三菱自動車が燃費データの不正発覚後、社内で行った燃費の再測定について、担当者が不正を認識しながら測定を続けていたことが15日、国土交通省の立ち入り検査の結果報告でわかった。
 不正は対象の9車種のうち8車種に及び、国交省は「常軌を逸する事態」として厳しく指弾した。三菱自の企業体質が改めて問われている。
 三菱自は今年4月に軽4車種の燃費不正が発覚後、販売中だった別の9車種について社内で燃費値の再測定を実施した。しかし、結果が国が測定した燃費値とかけ離れていたため、今月2日、国交省が三菱自本社などに立ち入り検査をしていた。
 国交省の検査結果によると、三菱自は不正発覚後、国の審査機関から燃費測定に必要なデータの測定法について改めて説明を受けていた。しかし、現場担当者は国の測定法と異なることを知りつつ、良い燃費が出るデータを意図的に選んでいた。さらに、燃費に有利なデータを自動的に選ぶプログラムを使用し続けていた。


日本経済新聞 2016/9/15 20:46
国交省「常軌逸する」 三菱自、再測定でも不正
 三菱自動車燃費不正問題で、国土交通省は15日、4月20日の問題発覚後に実施した再測定で同社が不正をしていたことについて「測定結果をかさあげしようとした意図が疑われ、常軌を逸する事態」とする立ち入り検査の報告書を公表した。同省は15日、三菱自の益子修会長兼社長を呼んで厳重注意するとともに、今回の不正の経緯解明と再発防止策の見直しを指示した。
 国交省は先月30日に三菱自9車種のうち8車種で燃費がカタログ値を下回ったとする独自試験の結果を公表。同社が不正な方法で再測定をしていたとして、今月2日に同社に立ち入り検査した。
 検査の結果、同社がこれまで燃費を再測定したとしていた「ミラージュ」は実際は再測定せず、2012年に実施した測定結果を流用していたことが判明した。
 このほか国交省は4月28日に正しい燃費の測定方法として5回程度実施して最低と最高を除いた3回の平均値を使うことを同社に説明。ところが同社は意図的に燃費が良く出るデータを抽出するため約30回再測定するなど不正な方法を続けていたことも分かった。
 こうした再測定方法については社内の会議で「国の見解に従って測定方法を改める」ことを確認していたが、実際には守られていなかった。
 再測定の経緯について、益子会長は先月30日の記者会見で「法令に定めがなく、現場は間違っていたという認識がなかった」などと“無知”を強調。だが正しい測定方法を説明していた国交省は検査報告書で「再測定結果をカタログ値に近づけようとした意図が疑われる」と不正を認識していたと指摘した。
 同省の藤井直樹自動車局長は15日、益子会長に対して「検査の結果、現場の法令順守意識の欠如と経営陣のチェックの欠如が改めて明らかになった」として、再発防止策の見直しを9月中に報告するよう指示した。
 益子会長は記者団の取材に対し、「『お客様第一』『コンプライアンス第一』という考えが見失われていた」と陳謝。燃費がカタログ値と異なり、販売を一時停止している8車種の販売再開について「9月中に国交省に対応を報告し、理解を得た上でお願いする」と述べた。


朝日新聞 2016年9月16日00時14分
三菱自、再測定でも不正 有利な数値選ぶプログラム使用
 燃費不正の発覚後に三菱自動車が自ら行った燃費データの再測定で、試験結果の中から有利な数値を選び出すプログラムが使われていたことが、国土交通省の立ち入り検査でわかった。国交省は15日、「法令の趣旨に反し不正」と三菱自の益子修会長兼社長に再発防止を指示した。
 国交省で、藤井直樹・自動車局長から指示を受けた益子氏は「コンプライアンスの意識が欠けていたと痛切に思う」と述べた。
 国交省によると、三菱自は今年4月16日から社内で9車種の再測定を実施。この際、燃費算出に有利な数値ばかりを選ぶ社内の独自プログラムを使っていた。
 国の外郭団体は4月28日、三菱自の担当部に対し、複数回測った中から平均値を取るのが正しい方法だと知らせた。だが不正を改めず、6月17日に結果を公表。カタログ値との燃費のずれは「プラスマイナス3%程度」としていた。
 また1車種(ミラージュ)については、走行試験自体を行わないまま、昔のデータを流用、「再測定結果」として公表していた。
 国交省は三菱自に対し、不正プログラムがつくられた経緯や、再測定の担当者に故意があったかを調べ、結果と再発防止策を9月中に提出するよう指示した。
 この問題では、9車種中8車種でカタログよりも最大8・8%燃費が悪いことが国交省の測定で判明し、三菱自は8車種の販売を自粛している。再開は、再発防止策の提出後になるという。


毎日新聞2016年9月16日 西部朝刊
三菱自動車
再測定でも燃費不正 国交省「常軌逸する事態」
 国土交通省は15日、三菱自動車が燃費不正問題の発覚後に販売中の9車種の燃費を再測定した際、担当者が不正を認識しながら、国の規定とは異なる方法での測定を続けていたと明らかにした。
 三菱自は再測定の結果「燃費はカタログ値と大きな差はなかった」としたが、国交省の独自計測で8車種がカタログ値を下回ることが判明し、同社本社(東京都港区)に立ち入り検査。その結果、不正が判明した。
 国交省は「再測定結果をかさ上げしようとした意図が疑われ、常軌を逸する事態」とし、益子修会長を呼んで文書で注意し、再発防止策の見直しと9月末までの報告を求めた。
 国交省によると、三菱自は問題が発覚した4月以降に、販売中の9車種の燃費値を再測定。本来なら5回程度の走行試験で得たデータの中央値を利用すべきなのに、8車種で最大70回の走行を繰り返し、都合の良いデータを使っていた。
 同社は再測定を始めた後、国の検査を実施している独立行政法人から正しい測定方法を説明され、社内会議でもその方法に従うと申し合わせていたが、会議に出席した車両開発担当者は「自分の方法が正しい」と考え、不正な測定を継続したという。
 国交省の担当者は「不正な測定方法と分かっていながらなぜ継続したのか、三菱自は経緯を明らかにすべきだ」と話している。
 益子会長は15日、国交省で記者団の取材に対し「深くおわびする。調査したい」と述べた。同社は販売を停止しているスポーツタイプ多目的車(SUV)「RVR」や「パジェロ」などの再開時期を9月中旬としていたが、下旬以降になるとの見通しを明らかにした。


東京新聞 2016年9月16日 朝刊
三菱自動車、燃費再測定報告も不正 ミラージュは12年の値を流用
 国土交通省は十五日、三菱自動車が燃費不正問題で燃費の再測定をした生産中の九車種のうち「ミラージュ」について、過去のデータを流用し、実際には測定していなかったと明らかにした。七車種は計測結果のうち良い結果ばかりを使うなど、国の方式を行わなかった。従ったのは一車種だけだった。
 国交省自動車局は「カタログの燃費値に近づけようとした意図が疑われる。不正が明らかになった後になされたのは、常軌を逸する事態と言わざるを得ない」と厳しく批判。三菱自の益子修会長兼社長を同省に呼んで厳重注意し、再発防止策を今月末までに報告するよう指示した。
 益子氏は報道陣に「順法意識が欠けていた」と謝罪した。再測定をしなかった理由などは今後調べるという。
 三菱自の燃費不正問題について、国交省は今月二日に同社の立ち入り検査を実施。十五日に検査結果を公表した。
 国交省によると、不正発覚後の四月二十八日、国の外郭団体がデータ測定方法について「五回程度計測し、中央値を中心とした三回分を選択する」方式でやることを説明した。
 しかし三菱自が従ったのは「ミニキャブ・ミーブトラック」一車種のみで、その他は数十回計測したうち燃費性能が良く見えるデータばかりを抜き出すなど「いいとこ取り」(益子氏)をしていた。再測定をしなかったミラージュは二〇一二年のデータを使った。
 再測定の未実施などについて役員も把握していなかったという。国交省は「経営陣のチェックの欠如が今回の事態を招いた要因の一つだ」と指摘した。
 三菱自では四月以降、軽自動車四車種の燃費データ偽装や、二十五年間にわたり法令を逸脱した方法で測定していたことなどが相次いで発覚。軽四車種を除く販売中の九車種の燃費データを三菱自が再測定した際も、燃費を良く見せかける不正があったことが八月に判明した。
◆国交省「常軌を逸する事態」
 燃費不正問題を起こした三菱自動車が、消費者や業界内部から繰り返し批判を浴びたにもかかわらず、再びずさんなことをしていた。実際に行っていない燃費の再測定をしていたかのように報告した同社に対し、国土交通省も「常軌を逸する事態だ。常識的に理解しにくい」(斧田孝夫審査・リコール課長)と怒りをあらわにしている。
 国交省によると、三菱自は国の燃費試験を担当する外郭団体から、偏りのないデータ測定方法について説明を受けた。それにもかかわらず、説明通りの方法で再測定をしたのは一車種だけ。社内で国の方法で再測定することを共有しておらず、経営陣もチェックしていなかったという。再測定が行われた四月下旬から五月は日産自動車との提携交渉が進んでいた時期。経営陣が再測定を軽視していたと言われても仕方が無い。
 国交省内には三菱自の測定担当者たちが故意に不正を犯したのではなく、法令の趣旨を理解していなかったとの見方もある。同社の益子修会長兼社長も「現場が本当に悪いと思っていたか疑問だ」と述べ、意識の低さを認めている。
 「もはや考えられないところがある」(斧田課長)と、国交省からあきれる声も出ている三菱自。信頼回復はまた先に遠のいた。 (妹尾聡太)


NHK 9月16日 5時23分
三菱自動車 よい数値出るまで測定繰り返していたか
三菱自動車工業が燃費の不正が発覚したあとの再測定でも不正な測定を続けていた問題で、現場の担当者は、カタログで公表していた燃費の値に近づけようと、よい数値が出るまで測定を繰り返していた疑いがあることが分かりました。国土交通省は「常軌を逸する事態」だとして、会社に対して、今月中に実態を調査して報告するよう求めています。
この問題で、三菱自動車は、再測定の方法について当初、「不正な方法とは認識していなかった」と説明していましたが、国土交通省が調査した結果、実際には、現場の担当者が正しい測定方法を知ったあとも、それを改めないまま測定を続けていたということです。
その理由について、現場の担当者は国土交通省の聞き取り調査に対し、「開発した車が設計したとおりの燃費の値が出ないのはおかしいので、よい数字が出るまで測定した」という趣旨の発言をしていることが分かりました。
このため国土交通省は、カタログで公表していた燃費の値に近づけようと意図的によい数字が出るまで測定を繰り返していた疑いがあると見ています。
 さらに、会社の経営陣は測定の具体的な方法をチェックしておらず、こうした経営陣の意識が今回の事態を招いた要因の1つだとしています。
今回の問題について、国土交通省は「常軌を逸する事態」だとしていて、三菱自動車に対して、関係者の責任を明確にするとともに、不正が繰り返された経緯などについて改めて調査し今月中に報告するよう求めています。


J-CASTニュース -2016/9/16 16:06
三菱自、再測定でまたも不正発覚 国交省「常軌を逸する事態」
三菱自動車の燃費不正問題をめぐって、国土交通省は2016年9月15日、問題発覚後に実施した同社への立ち入り検査の報告書を公表し、同社が再測定の際にも不正を行っていたことを明らかにした。同省は15日に同社の益子修会長兼社長を呼んで厳重注意し、再発防止策を追加報告するよう指示した。
三菱自は6月、燃費不正が4月に明らかとなった軽4車種とは別の9車種について、再測定を実施。「燃費とカタログ値との差は問題ない範囲だ」と主張した。しかし、国交省は8月30日、うち8車種で燃費がカタログ値を下回ったとする独自試験の結果を公表。9月2日に本社(東京都港区)と名古屋製作所(愛知県岡崎市)への立ち入り検査を実施した。その結果、良い燃費が出るデータを選ぶ、過去の測定結果を流用する、といった不正が確認された。
報告書の中で同省は「測定結果をかさあげしようとした意図が疑われ、常軌を逸する事態」と同社の姿勢を厳しく批判している。

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NHK 9月14日 21時34分
三菱自動車 “実力不足”が招いた不正
「いいとこどりをしていた」
 三菱自動車工業の燃費不正をめぐる問題で、また新たな「不正」が発覚しました。ことし4月に燃費の不正問題が発覚したあとも、都合のよいデータを抜き出す不正な方法で、販売中の車種の燃費測定を続けていたのです。三菱自動車は、燃費の再試験を行った9車種のうち8車種を販売停止とする異例の事態となりました。燃費不正の発覚で会社への批判が高まるなかで、なぜ不正が繰り返されたのか。取材を進めると、自動車メーカーとしての資格さえ問われかねない“お粗末”な実態が見えてきました。
(経済部・宮本雄太郎)

渦中の再試験で「不正」
問題になっているのは、三菱自動車が愛知県岡崎市のテストコースで実施した燃費試験の測定方法です。
 燃費の測定は、タイヤと路面の摩擦や空気抵抗などの「走行抵抗」と呼ばれるデータを取る必要があります。データの取り方は「惰行法」という、日本の法令で定められた方法で行わなければなりません。しかし、4月下旬に三菱自動車は「高速惰行法」と呼ばれるアメリカなどで採用されている方式を長年使っていたことが発覚しました。これが法令違反だとして、「惰行法」で取得した燃費を改めて測定するよう国に求められたのです。
 この再試験で新たな不正が明らかになりました。国土交通省によりますと、走行抵抗のデータを取る際は、通常、一定の距離を5回程度往復させて測定値を出します。そして、中央値となる3つの値の平均を、その車の正しいデータと見なします。これは、走行抵抗が、風の強さや路面の滑りやすさ、それに、車のアクセルの踏み方などでデータにばらつきが生じるため、こうしたばらつきを最小限に抑えるための措置です。
 しかし、三菱自動車が提出したデータは、測定した複数の値の中央値ではなく、最も燃費がよい値を抽出し、その平均から導き出していたことがわかりました。さらに、通常は5回程度の走行回数を、大幅に超えるケースが目立ち、最大で70回以上も走っていたといいます。
 益子会長は会見で、「いいとこどりをしていた」と述べ、みずからに都合のよいデータを抽出していたことを認めました。
異例の販売停止に
この結果、再試験を行った9車種のうち8車種で、会社がこれまで公表していた燃費より、平均で4.2%、最大で8.8%も悪かったことが判明しました。
 三菱自動車は、燃費不正が発覚して1か月後の記者会見で、「正しい方法で実施した社内測定の結果、カタログ値(これまでの公表値)との差は±3%に納まった。誤差の範囲内なので販売に影響ない」と説明していました。それにもかかわらず、またもや消費者の信頼を裏切ることになったのです。
 事態を重く見た国交省は、問題のあった8車種の燃費の修正を指示し、その間の販売の自粛を要請する異例の措置を取りました。三菱自動車は、燃費不正問題の発覚のきっかけとなった軽自動車に続いて、国内で販売する車の大半が一時的に販売の停止に追い込まれたのです(軽自動車は7月上旬に販売再開)
 さらに、対象の車を持つ顧客に対して、3万円から10万円の賠償金を支払うことを決めました。

開発現場の深刻な「実力不足」
 燃費不正で、会社が厳しく批判されていたまさにその時期に、なぜ不正を繰り返したのか。
 国土交通省は「(再試験でも)燃費を実際よりもよく見せる意図があったと見ている」と指摘し、徹底した調査を行うため、本社と岡崎市の開発拠点に抜き打ちの立ち入り検査に入りました。一方、三菱自動車の開発部門は「不正を行う意図はなかった」と釈明し、認識に食い違いが生じています。
 これはなぜなのでしょうか。
 関係者への取材を進めると、あまりにお粗末な開発現場の実態が見えてきました。今回の再試験を行った三菱自動車の「性能実験部」は、長年にわたって法令の定めと異なる測定方法を行っていました。正しい測定の方法について無知だったというのです。
 再試験にあたって、燃費の審査を行う独立行政法人「自動車技術総合機構」に正しい方法を確認したものの、法令の趣旨までは理解していませんでした。「よい燃費を出すこと」ではなく「データのばらつきを抑える」という目的を十分に把握せず、やみくもによいデータを求めようとした可能性があるのです。
 さらに、再試験で三菱自動車が使用した車は、中古車や従業員の車などをかき集めたものだったことも取材でわかってきました。燃費の測定を行う際、自動車メーカーは性能のばらつきが少ない新車を使うのが一般的です。しかし、三菱自動車は不正の発覚後、再試験の結果を国から早急に求められたため、新車をそろえることができなかったといいます。その結果、データにばらつきが生じ、必要以上の測定を行わなければならなくなったとみられます。
 会社側が主張するように、今回の不正が本当に意図したものでないとすれば、何が背景にあったのでしょうか。“業界の常識”とも言える法令に対する理解不足、そして、衆人環視の再試験でも万全の準備ができなかったわきの甘さ。世界に冠たる日本の自動車メーカーとは思えない深刻な「実力不足」が、そこにあったと言わざるをえません。
 自動車メーカーの間では、技術者どうしが常日ごろから情報交換を行い、燃費測定の方法も含めた業界の常識をアップデートすると言います。しかし、三菱自動車の開発部門は人事的な交流が極めて少なく、すでに時代遅れとなった測定方法がまかり通っていました。
 ある大手自動車メーカーの技術者は取材に対し、「何か理由があって不正を行うのではなく、意図せずして不正を行ってしまうほうが問題の根は深い」と話していたのが印象的でした。

改革は始まったものの…
 不正が繰り返される三菱自動車の開発現場の体質を如実に物語るエピソードがあります。
 燃費不正の発覚からさかのぼること11年前。三菱自動車の開発部門で、社内の不正を指摘した1人の新人社員がいました。「国内での燃費データの測定方法は惰行法と決まっており、法規にしたがって惰行法に改めるべきだ」。当時の上司20人余りは、この勇気ある提言に何の対応を取るわけでもなく、不正が繰り返されたのです。この若手技術者は、その後まもなく会社を去ったといいます。
 三菱自動車はことし7月、日産自動車から移った山下光彦副社長をトップとする「事業構造改革室」を設置し、開発部門を中心とした組織改革に乗り出しました。部長クラス以上の200人余りを対象に、課題や改善点を話し合う「パフォーマンスレボリューション活動」という取り組みを始め、年内には具体策をまとめる方針です。
 人材の交流が進まず、淀んだように自浄作用が働かなくなってしまった組織に対し、まずは地道な意識改革から始めるのが狙いです。来月には日産との資本提携も控えるなか、目に見える改革をどこまで進めることができるのか。三菱自動車は、まさに待ったなしの対応を迫られています。
経済部
宮本 雄太郎 記者

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