2016-09-15(Thu)

民泊法案 日数 年180日上限 条例で削減可能

特区の民泊日数を緩和、最低6泊→2泊 

----マンションの空き室など一般住宅に観光客を有料で泊める「民泊」について、政府は本格解禁のための新法で年間営業日数の上限を設定し、年間180日とする方針を固めた。

海外では一般的なホームステイ型の民泊が国内で一気に普及する可能性がある一方、各自治体が条例で上限日数を少なくすることも可能にする。

政府・与党内で自治体の自主性の尊重を求める声が上がっていることに配慮した。
政府は来年の通常国会に法案を提出する方針。
(毎日新聞)


----政府の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、マンションなどの空き部屋に旅行客を泊める「民泊」の宿泊日数を、現在の最低6泊7日から、2泊3日に緩和することを決めた。

短めの滞在でも民泊を利用しやすくして、訪日客増加で目立っているホテル不足の解消につなげる考えだ。近く政令を改正する。
(朝日新聞)

民泊の種類




以下引用

毎日新聞2016年9月15日 15時42分
民泊法案
年180日上限、政府方針 条例で削減可能
 マンションの空き室など一般住宅に観光客を有料で泊める「民泊」について、政府は本格解禁のための新法で年間営業日数の上限を設定し、年間180日とする方針を固めた。海外では一般的なホームステイ型の民泊が国内で一気に普及する可能性がある一方、各自治体が条例で上限日数を少なくすることも可能にする。政府・与党内で自治体の自主性の尊重を求める声が上がっていることに配慮した。政府は来年の通常国会に法案を提出する方針。【熊谷豪】
 厚生労働省と観光庁でつくる専門家会議は6月、行政の許認可を得なくても住宅地で民泊を導入できるように新法を制定することを提言した。ただし、営業日数については、空き家の有効活用を求める不動産業界が上限設定に反対、営業への影響を懸念するホテル・旅館業界は年30日以下を主張し、まとまらなかった。
 政府は新法で、宿泊営業の規制を大幅に緩和し、自治体にインターネットで届け出をすれば、住宅地を含むどこでも営業できるようにする。営業日数は「社会通念上、半年を超えると一般民家とみなせなくなる」として、180日を上限として設定する。今後、与党内の議論を経て、閣議決定を目指す。
 ただし、京都市など民泊導入に慎重な自治体は、条例で上限を180日より少なくしたり、住宅地での営業を認めないようにしたりすることも認めるなど、自治体が地域の特色に応じて対応できるようにした。
 政府は、東京都大田区や大阪府など国家戦略特区民泊で条件としていた「6泊7日以上」を「2泊3日以上」に緩和する。外国人観光客の急増によるホテル不足に対応するため、宿泊者名簿の作成や近隣とのトラブル防止措置を民泊事業者に義務付ける措置と併せ、10月にも政令を改正する。
 【ことば】民泊
 一般の民家に観光客を有料で泊めるビジネス。仲介サイトの登場で世界的に拡大し、大手「Airbnb」(エアビーアンドビー)の国内の登録物件は今年5月現在で約3万件ある。現状では、宿泊営業には旅館業法の許可が必要なため、多くが無許可とみられる。政府は急増する外国人観光客の宿泊場所確保のため民泊の拡大を目指す。これまでに東京都大田区などの国家戦略特区(今年1月から)や旅館業法の簡易宿所(同4月から)によって段階的に導入しているが、適用条件が厳しく活用する事業者は伸び悩んでいる。


朝日新聞 2016年9月12日16時29分
民泊特区、最低2泊3日に緩和へ 大阪府市が改正方針
 マンションの空き部屋などに旅行客を泊められる国家戦略特区の「民泊」制度で、政府の諮問会議が宿泊日数を最低6泊7日から2泊3日に緩和する方針を決めたことを受け、大阪府の松井一郎知事は12日、府も最低2泊3日に緩和する条例改正案を9月議会に提案する意向を記者団に示した。
 府の条例に基づいてすでに府内34市町村で民泊制度を開始。ただし認定業者は4件にとどまり、業者側から「6泊以上滞在する客は少ない」と声が上がっている。条例に基づかない「ヤミ民泊」が横行しかねないとして、松井知事は政府に緩和を求めていた。
 大阪市も、府の制度とは別に独自の条例で10月から民泊制度を始める予定で、市も条例修正案を議会に提案する方針だ。


朝日新聞 2016年9月10日
民泊日数を緩和、最低6泊→2泊 一部特区、ホテル不足に対応
 政府の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、マンションなどの空き部屋に旅行客を泊める「民泊」の宿泊日数を、現在の最低6泊7日から、2泊3日に緩和することを決めた。短めの滞在でも民泊を利用しやすくして、訪日客増加で目立っているホテル不足の解消につなげる考えだ。近く政令を改正する。
 対象は特区の指定地域のうち、民泊事業を認めている東京都大田区や大阪府門真市など計35市区町村。これまでは感染症の予防、拡大防止を理由に最低6泊7日の宿泊が義務づけられていた。自治体から利用の壁になっていると緩和を求める声が出ていた。
 宿泊日数の緩和に合わせて、近隣住民との調整と宿泊者名簿の設置は民泊事業者の義務であることを政令で明確にする。
 安倍政権は民泊を成長戦略の一つに位置づけている。内閣府によると特区の民泊施設は現在、27施設(63部屋)で、利用者は208人(うち外国人104人)と伸び悩んでいる。最低宿泊日数の制限の緩和で、民泊の普及を加速させる狙いがある。


NIKKEI STYLE 2016/9/10
[日本経済新聞朝刊2016年9月7日付]
不動産投資、民泊に期待高まる 賃貸より高利回り狙う
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO06927550W6A900C1PPE001?channel=DF280120166591&style
和室や柱などで質感を高め、採算向上につなげるケースも(東京都大田区が民泊第1号として認定した旅行サイト運営会社、とまれるの物件)
 個人の不動産投資が活況だ。中でも、マンションや住宅などの投資物件に国内外の観光客らを有料で泊める「民泊」への関心は高い。高い収益が期待できるうえ、相続税などの節税メリットも受けやすいからだ。一方、政府・自治体はガイドラインを設けており、民泊ならではの高いコストやノウハウの難しさも潜む。
 「日本にいながら多様な文化に触れられるのが魅力」。東京都内の主婦、佐藤良子さん(仮名、30代)は、顔をほころばせる。民泊仲介サイトの米Airbnb(エアビーアンドビー)を通じて、自宅の空き部屋3室のうち1室を貸し出す。欧米、アジアの外国人観光客の利用が多く、1カ月のうち平均20日ほど稼働しているという。
 収益力も高い。佐藤さんは、ほぼ残りの2室を通常の賃貸に出しているが、家賃は月8万円ほど。観光のピークシーズンには「民泊で使ってもらう方が倍以上の収入になることもある」という。施設の稼働率と単価の上昇が相まって、比較的安定した不動産運用商品という民泊の「もう一つの顔」が浮かび上がる。
■相続税節税にも
 民泊に活路を見いだすのは佐藤さんにとどまらない。日本政府観光局によると、今年1~7月の訪日外国人は累計で1400万人を超え、14年通年の実績を上回った。中国人観光客らの「爆買い」は一巡したとは言え、滞在型の旅行需要は伸びる一方だ。国内の宿泊施設不足は外国人にとって深刻な問題であり、同時に国内の不動産オーナーにとってはビジネスチャンスになっている。運用利回りが10%を超えるケースも少なくないという。
 民泊情報サイト運営のオックスコンサルティング(東京・品川)によると、新宿区で2~3人で利用可能な部屋(1K中心)を民泊で「運用」した場合、1カ月の平均収入は約34万円。近隣の平均家賃が1Kで9万円程度なのに比べ、有利さは際立つ。
 オフィスビルや賃貸住宅は東京都心ほど運用収益が高くなる傾向があるが、民泊では台東区なども人気が高い。浅草や東京スカイツリーなどの観光名所に近く、利便性の高さが受けている。京都市内では都心より高い地域もある。
 節税対策としても注目されている。相続税制では現預金を直接相続するよりも不動産の方が有利な点が多い。「貸付事業用宅地」「特定事業用宅地」は、一定の基準を満たせば課税価格が下がる。一方、東京都内ではアパートの空室率が約3割に達する。「賃料を下げてまで賃貸契約を取るくらいなら民泊で」という潜在的なニーズは多い。
 しかし、国・自治体のガイドラインには留意が必要だ。民泊は大きく分けて(1)一般の個人が自宅の一室などに旅行者を泊める「ホームステイ型」(2)収益を主な目的にマンション、アパートなどの部屋を用意して客を泊める「ビジネス型」――の2つがある。ホームステイ型は休眠資産の有効活用と外国人との交流が主な目的だが、(2)の実態は限りなくホテル・旅館に近い。
 民泊サイトに登録されている物件の中には、旅館業法の許可を受けていないところもあるという。法律上は「グレー」な存在で、近隣住民やマンション管理組合の反対で休止に追い込まれる場合もある。民泊運営サイト、百戦錬磨(仙台市)の橋野宜恭取締役は「リスクをかかえたまま物件を民泊で運用するのは、持続的なリターンにつながらない」と警鐘を鳴らす。
 個人が民泊に新規参入する具体策としては(1)旅館業法上の簡易宿所として許可を取る(2)国家戦略特区に指定された自治体の条例に従って許可をもらう――くらいに限られる。東京都大田区、大阪府では特区で民泊が認められている。
■ハードル高く
 実際の運営に目を向けると、2つのルールの違いは少なくない。旅館業法では宿泊日数の制限はないが、特区条例では同じ旅行者を6泊7日以上宿泊させる必要がある。今後、2泊3日まで緩和される可能性がある。大田区で民泊物件を運営するアンビションの前田洋総務課長は「日数制限が緩和されれば、部屋の稼働率や宿泊料が上げやすくなる。投資にもなじみやすい」という。
 それでも実際の運営には設備投資が不可欠だ。旅館業法、特区ともに物件には消火器などの消防設備を義務付けている。自治体によってはフロントの設置も必要になるなど、運営のハードルはさらに高くなる。
 政府は民泊解禁に向け、法案を検討している。この「民泊新法」では住居専用地域での営業が認められる見込み。一方、営業日数は最長180日までとし、宿泊人数にも制限を課す方向で議論が進んでいる。
民泊の種類
http://www.nikkei.com/content/pic/20160910/96958A9F889DE2E4EBE0E5E7E7E2E2E4E2EBE0E2E3E4828297E2E2E3-DSXMZO0696920007092016000001-PB1-11.jpg
 国・自治体の制度改正で民泊の裾野が広がれば、民泊も利用者に選別される時代に入る。運用収益も一層、差が付く可能性がある。
 オックスコンサルティングの原康雄代表取締役は「民泊に最適な物件は40m2以上。部屋当たりの収益が大きく、固定費もカバーしやすい」と話す。固定費は物件の取得・改修から広告宣伝、日々の清掃までさまざま。個人が担うには荷が重く、専門業者に委託するケースも少なくない。
 民泊支援サービス、スクイーズ(東京・港)の舘林真一社長は「東京で募集から雑務までフルカバーで請け負うと、代行手数料は宿泊収入の20~25%が相場」と話す。幅広いコストを差し引くと、賃貸の方が確実な収益を出す場合もある。(押切智義)


しんぶん赤旗 2016年9月3日(土)
京都脅かす違法「民泊」急増 安全守るなら法規制
旅館ホテルの組合と初懇談
 マンションの空き室などを宿泊場所として提供する「民泊」の問題をめぐり、日本共産党の穀田恵二衆院議員らは1日、「民泊」が急増する京都市内で調査し、旅館業者らでつくる京都府旅館ホテル生活衛生同業組合と初めて懇談しました。穀田恵二、清水忠史、本村伸子の各衆院議員、倉林明子、山添拓の両参院議員、京都市議4人が参加しました。
 旅館業の許可を得ない違法「民泊」が急増し、騒音やごみ出しなどのトラブル、防犯や安全・衛生、管理者不在で運営者も不明な施設が問題となっています。政府は「民泊」の規制緩和をねらう新法を検討中です。
 京都府旅館ホテル生活衛生同業組合との懇談では、北原茂樹理事長、小野善三、磯橋克康の両副理事長らが出席しました。
 北原理事長は「無許可、無届けの民泊は法治国家では許されない」と強調。「一日であっても人の命と財産を預かってお泊めする。万が一、事故があれば申し開きできない。消防法や建物、衛生の規制は必要で、コストはかかるが守ってきた」と述べました。
 そのうえで、「安易な緩和は、国民の安全と公衆衛生を守る旅館業法の否定に繋(つな)がるものであり、断固反対」とする国家戦略特区事業に関する要望を提出したことを明らかにしました。そして、地蔵盆で会場を提供するなど、旅館業は地元との協力や理解が欠かせないと地域で果たす役割を語りました。
 穀田氏は「住んでよし、訪れてよしが観光の基本でなければいけない。まちづくりを担ってきたのが住民と地域に根差した旅館業です。『民泊』は緩和ではなく厳しい法規制が必要だ」と話しました。今後も話し合いを続けていくことを確認しました。
 京都市に聞き取りを行い、「民泊」調査の報告を受けました。東山区の住民とも懇談し、京都駅近くの「民泊」の現地調査をしました。
 京都市の調査では「民泊」2702件のうち、旅館業の許可を確認できたのは189件(7%)、無許可と推測される施設は1847件(68・4%)でした。


CNET Japan 2016/09/13 10:30
Marketers' 有元美津世のSocial Insights
日米で法制化の進む民泊--Airbnbをめぐる動き
有元美津世
 「民泊」という言葉が生まれ、日本でもAirbnbが一挙に普及した。普及と同時に近所迷惑など、そのマイナス面がクローズアップされ、条例で規制する自治体も現れている。無許可営業(旅館業法違反)の摘発も行われており、個人経営者や法人経営者が書類送検されるケースもある。
 米国での自治体による合法化については2014年に紹介したが、これは部屋貸しの「ホームシェアリング」は合法化する一方、丸ごと貸しの「バケーションレンタル」は規制するということであり、その後、同様に法制化する自治体が増え、無許可営業に対する取り締まりも強化されている。
 サンタモニカでは今夏、Airbnbで5軒貸し出していた個人が7月に罰金他で3500ドルの支払いを命じられた。さらに2年の保護観察付きである。
 この貸し手は民泊経営に関する書籍を出版し、経営希望者向けにアドバイスも提供していたといい、市としては見せしめのために摘発したようだ。この貸し手には、これまで何度も警告したものの、「あんな条例を実施できるはずがない」と豪語し営業をやめなかったという。同市では、2015年、1700軒ある民泊のうち約8割が違法営業ということだ。
米国では合法化の動き--個人間の宿泊仲介「Airbnb」(前編)
 サンタモニカでは2015年、30日未満の丸ごと貸しを禁止し、部屋貸しの場合は家主が居合わせること、かつ営業許可を取得して宿泊税14%を市に収めることを義務付けた。同市では、民泊違法営業摘発に3人の職員をあてている。
 条例可決の日には市役所に、賛成派と反対派の両者が集まったが、米国の場合、近隣住民による反対以外に、長期賃貸物件が短期賃貸物件に置き換わることによる長期賃貸物件不足、家賃高騰が問題になっている。とくにサンタモニカやニューヨークなどのように家賃規制のある都市では、既存の借主を退去させて短期賃貸物件に切り替える大家が珍しくない。
Airbnb、サンフランシスコ市条例に違反したホストなど取り締まりを強化
 一方、自宅を貸し出すことで生活費を工面している退職者などが、民泊禁止は違憲であるとして、サンタモニカ市を相手取って集団訴訟を起こしている。
 2011年にいち早くAirbnbの規制に乗り出したニューヨークでは、その後も違法営業が後を絶たず、今年、Airbnbをはじめとする民泊仲介サイトでの違法物件の掲載を禁止する法案が州議会で可決された。州知事が署名すれば施行され、違反者は罰金最高1000ドル、3度目の違反では最高7500ドルの罰金が課される。
 ロサンゼルスでも民泊規制条例が可決される見通しだが、それに先だって8月からAirbnbが市に代わって貸し手らから14%の宿泊税の徴収を始めている。すでに正直に宿泊税を支払っている貸し手からの分だけで会計年度分150万ドルに達しており、今後、徴収額は、少なくとも580万ドルに達すると市では見積もっている。
 これだけの税収を放っておく自治体があるはずもなく、今後、民泊に対する宿泊税課税は標準となるだろう。
予約の取り消し、「空いてない」--人種差別も問題に
黒人の宿泊が拒否される問題でAirbnbが謝罪、新ポリシー導入
 さらに米国では、最近、Airbnbでの人種差別も問題となっている。宿泊客が黒人とわかると予約を取り消されたり、黒人が申し込むと「空いていない」と断られるのに白人が申し込むと予約が通ったりするケースが次々に明るみに出た。黒人宿泊客を近所の人が空き巣と勘違いして警察に通報するなどの事件も報告されている。Airbnbの差別問題への対処は不十分という不満から、肌の色に関係なく安心し宿泊できるよう工夫した民泊仲介サイトも登場している。
 短期賃貸の普及による長期賃貸物件の不足に加え、人種差別も明るみに出たことから、米議員には連邦政府としての民泊規制を促す声もある。

Airbnb、日本での「時代に合った法整備」求める--民泊の経済効果をアピール
 日本でも国による民泊新法の制定が進められており、文化交流を目的とした家主居住型(ホームシェアリング)と休眠地活用の家主不在型(バケーションレンタル)に区別し、年間営業日数の制限が設けられるようだ。米国の自治体では家主居住型で年間90日までが主流となっている。
 訪日観光客急増によるホテル不足の解消や、空家を有効活用できる手段として期待される民泊。現在のグレーな状態を法制化することにより、宿泊客が安心して利用でき、かつ地域住民の生活を脅かさない環境が整ってはじめて、その効果が発揮されるのだろう。


ねとらぼ2016年09月03日 13時05分 更新
全面解禁していいの? 問題山積み「民泊」ビジネス、観光大国フランスはどう向き合った?
民泊の問題、GNIの代表ディディエ・シュネ氏に聞いてみました。
[城川まちね,ねとらぼ]
 外国人観光客の増加や、2020年の東京五輪に向けて宿泊施設の不足に悩む日本。今、政府が規制緩和に向け進めているのが、「Airbnb」に代表される仲介サイトを通して一般住宅に有料で宿泊できる「民泊」ビジネスです。
 ところがこの「民泊」ビジネスに対し規制緩和に向かう日本とは逆に、欧州では規制「強化」にかじを切っています。なぜなのでしょうか。
民泊禁止に踏み切るベルリン、観光大国フランスでも次々と問題が
 ドイツのベルリンでは5月、アパートでの民泊を禁止する法律が施行されました(条件付きで運営が可能)。違反した者には最高で10万ユーロの罰金。施行の背景には、利益率がよい民泊ビジネスに多くの家主が乗り出した結果、アパート不足や家賃の高騰を招いたことが挙げられます。
 とりわけ、仲介サイトに「匿名で登録できること」は違法な貸主を増幅させる一因となっています。不動産を専門にするある弁護士はねとらぼの取材に対し「登録している貸主のうちおよそ80%以上が違法だと思われる」という実態があり「むしろ違法である方がノーマルな貸主といえる状態」と話しています。
 民泊による価格破壊は世界一の観光大国であるフランスのホテル業界でも重い問題です。安さが魅力の民泊は、5つ星以上の高級ホテルを選ぶ客層とは別の需要が考えられ、住み分けもできているという声もあります。確かに5つ星以上のホテルが並ぶ1区や8区では民泊をあまり見かけませんが、3区、4区、10区など、市の中心ではたくさん見つけることができます。ちなみにパリは東京の約6分の1ほどの小さな街。移動は容易です。
(左)パリ最古の宮殿ホテル「ル・リッツ」は高級店の並ぶ1区のヴァンドーム広場に(右)5つ星のさらに上に君臨するパラス・ホテル「ル・ムーリス」もやはり1区に
 3月17日に、民泊の問題を抱えるフランスから関係者が来日し、日本に警鐘を鳴らす緊急フォーラムが開かれました。パネリストらは民泊規制緩和の動きが見られる日本に、上記のような同国の現状を伝えています。
 民泊に関わる問題を考える上で重要な「違法な貸主」の存在。日本では2015年11月から13回に渡り「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」が開かれましたが、この問題に対する解決策はまだ議論の途上。そうした中で、無許可運営などの違法業者が書類送検されるなど、問題の大きさが予見されています。
 違法な貸主の問題を解決する方法はあるのか、緊急フォーラムでパネリストの1人だった、ホテル・カフェ・レストランなどの事業者団体「GNI-Synhorcat」の代表、ディディエ・シュネ氏に聞いてみました。
フランスの解決策とは?
 シュネ氏は「この問題はとても気掛かりなもの。(緊急フォーラムでは)日本のホテル業界や公的機関の方々と建設的な交流ができたのは大変喜ばしいこと」と前置きした上で、回答してくれました。
GNI-Synhorcat代表のディディエ・シュネ氏
―― 民泊の違法な登録者が日本でも今後問題となりそうですが、フランスでは対策をお持ちですか?
シュネ フランスの国会では2016年前半に「デジタル法(Loi numerique)」について議論がなされました。本文は下院で調整され、9月に上院で適応される予定です。この法令は、民泊の規則に対する疑問に幾つかの解決をもたらすと思います。
 この法令はとりわけ、「貸主としてあらかじめネット上で登録しておくシステムを市町村が設ける」可能性を規定しています。貸主がシステムに登録すると、番号が交付され、情報として貸し出しの際に記載されることになります。
 一方、そうしたシステムは、登録されるのが主な住居(1つ目の住居)か、あるいはそれ以外(2つ目以上の住居)かを把握するものでなければいけません。主な住居(つまり民泊の定義上、貸主が実際に住んでいなければならないはずの住居である場合)の場合は、年に120日以上貸し出せないこと、そして市町村でこれを周知させることに留意しなければいけません。
―― その中で重要なポイントは?
シュネ 重要なことは2つあります。
 1つは、貸主として各市町村で申請時に付与される番号が、その土地での民泊市場における正規の貸主の証しとなること。これにより、利用者(借り手)は違法な貸主の提案を避けることができます。
 もう1つは、そうしたシステム、プラットフォームが今後は(特に個人の)貸主たちに責任感を与えるということです。彼らは違法性を有さないよう気を付けるようになるでしょう。
―― ホテル業界と民泊業界が調和しながら市場を伸ばしていくことは可能だと思いますか?
シュネ GNIは、フランスで2つの業界が協力し合いながら活動し、発展していくことを妨げたいと願ったことは1度もありません。個人による民泊は、フランスの法下で、土地の適性や需要によってその規模を広げながら、長らく存在してきたもの。これはより多くの観光客を受け入れるためです。
 ホテルと民泊が市場を分かち合うことには何の問題もありません。だた1つ、全ての人が規則を尊重すること、そして、その規則はあらゆる形態の事業主にとって公平であることが条件なのです。
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 日本ではいまのところ、民泊の貸主も旅館業法によって簡易宿所許可の申請が義務付けられていますが、利用者が仲介サイト上で「この貸主は違法なのか」を見分ける方法はありません。厚生労働省によれば「保健所に聞いていただくのがよいのでは」とのこと。利用者側が積極的に動くしかありません。
 また、「主な住居の場合は年120日以上貸し出すことはできない」という規定は、日本では「180日以下」という条件で「規制改革実施計画」の中に盛り込まれ、6月2日に閣議決定されています。フランスの180日に対し日本は120日と余裕がある一方で、フランスでは「主な住居」のみに適応されるのに対し、日本では主な住居以外(前者は日本でいう『家主居住型』、後者が『家主不在型』に相当)でも適応されるとのこと。この規定には「厳しい」という声と「もっと強化してほしい」という声があり、賛否両論のようです。
「Airbnb Japan」に聞いてみた
 民泊の規制緩和に関し、仲介サイトの大手「Airbnb Japan」では、違法な貸主をサイトに入れない、または追放するために何か有効な対策があるのかコメントを求めたところ、次のような回答が得られました。
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Airbnb Japanの回答
 Airbnbは191カ国、3万4000都市に広がるグローバルなプラットフォームです。Airbnbに物件を掲載する手続の一貫として、私どもは、ホストの方全員に対して、関係法令を順守していることを保証するよう要求しており、ホストの方々は、利用規約に同意された上で、Airbnbに物件を掲載されています。また、ホストの責任のページでもご案内をしております。
 ただ、実際には、ホストの多くの方から、現行の法制度は不明瞭で分かりにくいという話をよく耳にしております。このため、私どもは、日本でのサービス開始以降、日本政府を含む多くの方と協議を続け、現在も、法律の分かりにくさを解消すべく、ホームシェアリングのための公平かつ分かりやすい、新しいルールを整備するよう日本政府と協働しております。
 旅館業法(1948年第138号)は、70年前、今とは異なる時代に、異なる業界のために作られたものです。シェアリングエコノミーはまさに日本における第四次産業革命の萌芽であり、インターネットが存在すらしていなかった70年前の1948年の規制デザインにホストをはめ込もうとするのではなく、新しい時代に併せた規制デザインの変革が必要であると考えております。
 また、現在ホームシェアリングに関する政策議論が大きな前進を遂げており、簡単で分かりやすく現実的なルール作りが進んでおります。ホームシェアリングに関わる全てのコミュニティーに対し、安心・安全なルール作りができるよう、弊社でも引き続き政府関係者と協議を重ねて参る所存です。
 最近の動きとしましては、Airbnbのホストと近隣の皆さまとの橋渡しをする相談窓口設置いたしました。窓口では、フォームに必要事項とご返信のためのご連絡先をご記入いただきます。この窓口は、ホストやゲスト以外の第三社の方からもお問い合わせいただけます。お寄せいただいたトラブル内容は、弊社担当者が内容を確認させていただき、Airbnbに掲載中のリスティングであることが特定された場合には、該当するホスト様にご懸念事項を申し伝えるよう最善の努力を尽くします。
 行政の皆さまとも良好な関係を構築させていただいております。また法執行機関などから特別なケースで法執行機関からご連絡をいただいた場合は、ご協力させていただいております。
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 日本は先進国の中では物価が安く、ホテルの宿泊料も欧州からの観光客にとってみれば驚くほど安価。極端な価格破壊を避け、効率的に、また分かりやすく違法業者が可視化される方法を探るなど、民泊ビジネスにはまだまだ議論が必要となりそうです。



Business Journal 2016.07.29
民泊、一瞬でブーム終了 違法業者跋扈&摘発続出、呆れた実態
文=編集部
 4月から旅館業法に基づく合法的な営業が認められたはずの民泊だが、許可権限を持つ自治体の条例などが壁になり、違法営業が横行している。
 外国人観光客向けの宿泊施設(民泊)を無許可で営業したとして、警視庁下谷署は7月13日、ジャスダック上場のピクセルカンパニーズと、その子会社で民泊の運営会社、ハイブリッド・ファシリティーズ、また両社の社長ら計6人を旅館業法違反(無許可経営)の容疑で書類送検した。
 発表によると6人は5月1~21日、旅館業法に基づく許可を得ずに、ベルギー人やシンガポール人の観光客4人を台東区の賃貸マンションに1泊4000円で宿泊させた疑い。6人は容疑を認めている。
 ハイブリッド社は3LDKのマンションを3部屋借りて、室内を分割して民泊用施設として利用。管理人を常駐させ、受け付けや寝具の交換などを行っていた。昨年6月から今年5月まで、民泊仲介サイトで宿泊客を募集、1年間で1300人を宿泊させ、計1230万円の収入を得ていた。
 ハイブリッド社は、自社で借り上げた物件で民泊運営者を募り、清掃業者の手配や宿泊者の募集などを代行するサービスをやっていたが、それなりの手応えがあったことから今年2月、本格的に民泊業務を開始した。
 しかし、台東区は国家戦略特区に認定されておらず、旅館業法の許可を得ずに民泊を運営することは禁止されている。ハイブリッド社の社長は「許可を取ろうとしても取れないと思った」と供述し、見切り発車であったことを認めた。5月に保健所が書面で営業をやめるように注意したが従わなかったため、警察が摘発に乗り出した。
 国が4月に民泊を旅館業法の「簡易宿所」として許可制にする政令を施行して以降、都内での摘発は初めて。上場会社が無許可営業で摘発されたのも初めてだ。
ピクセル社は業績不振で再三、経営者が交代
 ピクセル社は再三、親会社や経営者が交代してきた会社だ。1986年、大阪プラント販売の商号で、コンピュータ用インクリボン、インクカートリッジの卸販売会社として設立された。98年、ハイブリッド・サービスに商号変更。2002年9月、日本証券業協会に株式を店頭登録、04年にジャスダック上場した。現在はオフィス用トナーの販売が主力である。
 だが、赤字経営が続き14年9月、吉田弘明氏が社長に就任した。同氏は06年に学習院大学経済学部経営学科を卒業、KOBE証券(現・インヴァスト証券)に入社。JFEスチールでメンテナンスを行うラーフルに転職。14年にハイブリッド社に常任顧問として入り、社長に昇格した。
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経営再建のために第三者割当増資を実施して資本を増強。15年10月、持ち株会社への移行に伴い、現社名に変更した。
 15年12月期の連結決算の売上高は前期比1.3%減の159億円、純利益は100万円。前期の4億9700万円の赤字から黒字に転換したとはいえ、業績回復にはほど遠い。
 業績の向上を目指し、M&A戦略を強化。太陽光発電設備のルクソニアを子会社に組み入れた。カジノ用ゲーミングマシンのLT Game Japanの第三者割当増資を引き受けて、連結子会社とした。新規事業として取り組んできたひとつが民泊代行サービス事業だった。だが、摘発を受けサービスを停止した。
1億5000万円荒稼ぎしたケースも
 無許可の民泊運営による摘発は、今回で3件目だ。
 15年12月、京都府警は京都の賃貸マンションで旅館業を無許可運営していたとして東京都の旅行会社の常勤顧問、マンション管理会社社員ら3人を書類送検した。書類送検された社員は、賃貸マンションに入居者が集まらなかったため、ショールームとして借り上げた一室を宿泊施設として転用。旅行仲介サイトに広告を出し、宿泊客を募っていた。14年6月ごろから京都市内や大阪市内の別のマンションで宿泊客3000組を受け付け、1億5000万円を稼いでいた。
 今年4月には大阪府警が、大阪市生野区のマンションなどで無許可の民泊を営んでいたとして、韓国籍と中国籍の男女3人を書類送検した。3人は、借りた生野区のマンション3カ所と一戸建て自宅など2カ所で韓国人観光客らを有料で宿泊させていた。750組、1290万円を売り上げていた。
 自治体の規制が厳しく、そう簡単に簡易宿所の認可は取れない。無許可運営をし、万一バレても書類送検だけで済む。それならば、バレるまで営業を続けたほうが得というソロバンを弾く輩が後を絶たない。かくして無許可民泊が横行することになる。
年間営業日数の上限が決まらず
 民泊解禁の行方に黄信号が灯った。政府は民泊解禁に向けたルール案をまとめたが、関係者の利害の対立から、年間営業日数の上限が決まらない。
 旅館業界は、民泊の営業日数を年30日までに制限するよう主張する。一方、民泊を有望なビジネスと考えている住宅業界は「日数制限があるなら、参入は不可能」と真っ向から対立している。
 三木谷浩史・楽天社長兼会長が主導する新経済連盟は「日数制度を設けることに断固反対」という立場だ。
 6月に規制改革会議が出した「180日以下の範囲内で適切な日数を設定する」という結論は、双方の意見の間を取ったものだが、推進派も規制を厳しくすべきだと考えている旅館業界も納得していない。
 旅館業界に影響力がある自民党生活衛生議員連盟の会長は伊吹文明・元衆院議長だ。伊吹氏は「規制緩和の前に、まず取り締まりから始めなくてはならない」と述べた。ヤミ民泊の存在を問題視した発言と受け止められている。
 民泊は安倍晋三首相が規制緩和の目玉として打ち出したものだが、このままだと秋の臨時国会に法案を提出できないのではないかと言われ始めている。
(文=編集部)



住宅新報社ニュース2016年7月28日
旅館業法取得の民泊も インバウンド対応で改修、2016年度補助事業を公募  観光庁
 観光庁はこのほど、2016年度「宿泊施設のインバウンド対応支援事業」の公募を始めた。2015年度補正予算に基づき初めて実施した事業で、旅館業法の許可を取得している場合に限り民泊も対象となる。期限は8月15日。
 既存の宿泊施設における、Wi―Fiの整備やトイレの洋式化、客室の洋室化、自社のウェブサイトの多言語化などのインバウンド対応に係る経費が補助される。5者以上の宿泊事業者が協議会を結成した上で、訪日外国人宿泊者の受け入れ体制拡充に向けた計画を策定し認定されることが条件。補助率は2分の1(1事業者当たり上限100万円)。

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