2016-10-15(Sat)

電通過労自殺 強制調査 東京労働局

長時間労働常態化の疑い 社員の勤務記録を調査か

◇抜き打ち調査、関西、京都、中部の3支社も
----広告代理店最大手・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)の自殺が過労を原因とする労災と認定された問題で、東京労働局などは14日、東京都港区の電通本社に労働基準法に基づく抜き打ちの立ち入り調査「臨検」を実施した。

また、同日までに、関西(大阪市)、京都(京都市)、中部(名古屋市)の3支社の調査も行った。
全社的に長時間労働が横行している可能性があるとみて、社員の勤務記録や会社の対応策などを調べているとみられる。
 
電通では1991年にも入社2年目の男性社員(当時24歳)が自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定した。
労働局は過労自殺が繰り返された点を重視したとみられる。

労基法上、労働基準監督官は臨検して企業側に帳簿の提出を求め、使用者を尋問できると規定するが、支社までを対象とするのは異例という。
(毎日新聞)


電通の女性新入社員自殺、労災と認定 残業月105時間
----広告大手の電通に勤務していた女性新入社員(当時24)が昨年末に自殺したのは、長時間の過重労働が原因だったとして労災が認められた。
遺族と代理人弁護士が7日、記者会見して明らかにした。

電通では1991年にも入社2年目の男性社員が長時間労働が原因で自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定。
過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。その電通で、若手社員の過労自殺が繰り返された。
 
亡くなったのは、入社1年目だった高橋まつりさん。三田労働基準監督署(東京)が労災認定した。認定は9月30日付。
(朝日新聞)


過労死等防止対策白書
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138529.html

◇80時間超す残業、企業の2割 初の「過労死白書」
 政府は7日、過労死等防止対策推進法に基づく「過労死等防止対策白書」を初めて閣議決定した。1カ月間の残業時間が、労災認定の目安となり「過労死ライン」とされる80時間を超えた正社員がいる企業は22.7%に上ると指摘。正社員の4割近くが高いストレスを抱えながら働いている実態も浮かび、職場環境の改善、働き方の見直しなどを訴えている。
 2014年の同法施行を受け、厚生労働省は昨年12月~今年1月、企業約1万社(回答は1743社)と労働者約2万人(同約1万9千人)を対象とする調査を実施。結果を白書に盛り込んだ。・・・・
(日本経済新聞)




以下引用

NHK 10月14日 17時13分
電通社員過労自殺 労働局が本社を抜き打ち調査
大手広告会社、電通に去年入社した女性社員が過労のため自殺した問題を受けて、長時間労働の問題を担当する東京労働局の特別対策班が、電通の本社に抜き打ちの調査に入りました。
電通に去年入社した高橋まつりさん(当時24)は、長時間労働による過労のため、去年12月に自殺し、先月、労災と認められました。
これを受けて、14日午後1時すぎ、長時間労働の問題を担当する東京労働局の過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」のメンバーなどが東京・港区にある電通の本社に「臨検監督」という抜き打ちの調査に入りました。
 今回の調査は、電通の本社だけでなく、全国すべての事業所を対象にしているということで、厚生労働省として異例の対応だということです。厚生労働省は、社員の勤務実態を調べたうえで、労務管理などに問題が見つかれば、再発防止に向けて改めて指導することにしています。
 電通では平成3年に入社2年目の24歳の男性社員が過労のため自殺していて、塩崎厚生労働大臣は12日の衆議院予算委員会で「この企業において再び自殺事案が発生したことは本当に遺憾の至りだ」と述べ、再発防止策を講じるよう電通を指導したことを明らかにしていました。
電通は、「当社に東京労働局の調査が入っていることは事実です。調査には全面的に協力しています」とコメントしています。
「かとく」ブラック企業対策として設置
今回、調査に入った過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」は、いわゆるブラック企業対策として、影響の大きい大企業を調査するため去年、東京労働局と大阪労働局に設けられました。
 ベテランの労働基準監督官が労働時間の問題に絞って大企業を調査し、行政指導を行うほか、悪質なケースは刑事事件として書類送検します。
 これまでに全国に展開する、靴の販売チェーンやディスカウントストアの運営会社などを書類送検しています。
女性の母親「国はしっかり指導を」
高橋まつりさんの母親の幸美さんは、14日の東京労働局の調査について、「電通には、謝罪の言葉だけでなく、しっかりとした改善策をとってもらいたい。国は、大切な労働者のいのちを守るために、しっかりと電通を指導してもらいたい」と弁護士を通じてコメントしました。
官房長官「過重労働防止に厳しく対応」
菅官房長官は午後の記者会見で、「厚生労働省において、今回の立ち入り調査の結果を踏まえて過重労働防止に向けて厳しく対応していきたい。政府としては、働きすぎによって尊い命を落とすことが決してないよう、働く人の立場に立って長時間労働の是正、同一労働同一賃金の実現などの働き方改革をしっかり行って、こうしたことのないように改善をしていきたい」と述べました。
自殺女性 ツイッターに残された悲痛な声
高橋まつりさんは、自殺した去年12月25日の朝、静岡に住む母親の幸美さんに「今までありがとう」とメールを送っていました。メールを見た幸美さんは、まつりさんにすぐ電話をして「死んではだめ」と伝えましたが、まつりさんはその日、みずから命を絶ちました。
 東京大学を卒業後、去年4月に電通に入社したまつりさんは、インターネットの広告を担当する部署に配属されました。去年10月、部署の人数が14人から一気に半数以下の6人に減り、それまで月20時間から50時間ほどだった残業が100時間を超えるまでになったといいます。このころから、まつりさんの、ツイッターなどへの書き込みは、仕事のつらさを訴えるものが目立つようになります。
 「休日返上で作った資料をボロくそに言われた もう体も心もズタズタだ」、「土日も出勤しなければならないことがまた決定し、本気で死んでしまいたい」、「もう4時だ体が震えるよ……しぬもう無理そう。つかれた」などと過酷な勤務に苦しむ様子が書き込まれていました。
さらに、「眠りたい以外の感情を失いました」、「毎日次の日が来るのが怖くてねれない」、「弱音の域ではなくて、かなり体調がやばすぎて、倒れそう……」などと、睡眠不足や体調不良を連日訴えていました。
 亡くなる直前の去年12月には、「死にたいと思いながらこんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」とか、「死んだほうがよっぽど幸福なんじゃないかとさえ思って」などと死を意識した書き込みが増えていきます。
 まつりさんは、上司から言われたということばも書き込んでいました。「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」、「会議中に眠そうな顔をするのは管理ができていない」、「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」。「男性上司から女子力がないだのなんだの言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である」などと憤る気持ちをつづっていました。
 24歳で命を絶ったまつりさんについて、母親の幸美さんは先週の記者会見で、「1人で働いていた私に対して、『就職してお母さんを楽にしてあげたい』と言ってくれていた。運動神経もよく、明るく友だちも多い、誰からも好かれる娘でした。娘が生きているうちに会社はどうして対策をしてくれなかったのかという思いでいっぱいです」と話していました。


毎日新聞2016年10月15日 00時49分
電通過労自殺
抜き打ち調査、関西、京都、中部の3支社も
新入社員自殺:電通に強制調査 東京労働局
長時間労働常態化の疑い 社員の勤務記録を調査か
 広告代理店最大手・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)の自殺が過労を原因とする労災と認定された問題で、東京労働局などは14日、東京都港区の電通本社に労働基準法に基づく抜き打ちの立ち入り調査「臨検」を実施した。また、同日までに、関西(大阪市)、京都(京都市)、中部(名古屋市)の3支社の調査も行った。全社的に長時間労働が横行している可能性があるとみて、社員の勤務記録や会社の対応策などを調べているとみられる。
 電通では1991年にも入社2年目の男性社員(当時24歳)が自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定した。労働局は過労自殺が繰り返された点を重視したとみられる。労基法上、労働基準監督官は臨検して企業側に帳簿の提出を求め、使用者を尋問できると規定するが、支社までを対象とするのは異例という。
 高橋さんは昨年4月に入社し、本採用となった10月以降、業務が増加し、同12月25日に自殺した。三田労働基準監督署は今年9月、うつ病を発症する1カ月前の残業時間が月約105時間に達していたとして、労災認定した。今後、臨検によって、電通の労使協定が認めていない月70時間を超える時間外労働などの具体的な法令違反を確認した上で是正を勧告(行政指導)する方針。より悪質な違法行為が見つかった場合、書類を検察庁に送って刑事事件として立件することも検討する。
 高橋さんの母幸美さん(53)は弁護士を通じて「国は大切な労働者のいのちを守るために、しっかりと電通を指導してもらいたい」とのコメントを出した。【早川健人】

日本経済新聞 朝刊2016/10/15 3:30
電通、長時間労働常態化か 新入社員過労自殺
労働局立ち入り 遺族「改善策しっかりと」
 電通の新入女性社員が昨年12月に過労で自殺した問題を受け、東京労働局などは14日、労働基準法に基づき東京都港区の電通本社などを立ち入り調査した。長時間労働が常態化している疑いがあるとみて、出退勤記録などから実態解明を進める。法令違反があれば是正勧告する方針。悪質な場合は刑事事件としての立件も視野に入れる。
 調査に入ったのは東京労働局の過重労働撲滅特別対策班など。電通の中部(名古屋市)、京都(京都市)、関西(大阪市)の3支社も同日までに立ち入り調査した。労基法に基づく「臨検」と呼ぶ措置で、支社まで対象に含めるのは異例だ。
 亡くなったのは高橋まつりさん(当時24)で、遺族側の代理人弁護士によると、東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。10月以降に業務が増え、11月上旬にはうつ病を発症したとみられる。12月25日に都内の社宅から投身自殺した。
 三田労働基準監督署は今年9月に労災と認定。高橋さんの残業時間は昨年10月9日~11月7日で約105時間に及んだ。
 代理人弁護士によると、高橋さんは残業時間を労使協定で定めた月70時間以内に抑えるため、「労働時間集計表」に過少申告するよう指導されていたという。高橋さんは指導に従い昨年10月は「69.9時間」、同11月は「69.5時間」と実際より減らして記載していた。
 厚労省は全社的に残業時間が超過していなかったかどうかや、過少申告の有無などを調べる。
 電通では1991年、入社2年目の男性社員が過労で自殺。遺族が提訴し、最高裁が会社側の責任を認めた。塩崎恭久厚生労働相は今月12日の衆院予算委員会で「再び自殺事案が発生したことは本当に遺憾の至りだ」と述べていた。
 厚労省は従業員に過酷な労働を強いるブラック企業対策として、過重労働撲滅特別対策班を東京と大阪に昨年発足。これまでに大手の靴販売店や量販店などの4社を違法な長時間労働があったとして書類送検した。
 高橋さんの母親の幸美さん(53)は代理人弁護士を通じて「電通は謝罪の言葉だけでなく、しっかりとした改善策をとってもらいたい。国は大切な労働者の命を守るために、しっかりと電通を指導してもらいたい」とのコメントを出した。

 菅義偉官房長官は14日の記者会見で、電通への東京労働局の立ち入り調査について「結果を踏まえ、過重労働防止に厳しく対応する」と述べた。その上で「働きすぎによって尊い命を落とすことがないよう、働く人の立場にたって長時間労働の是正、同一労働同一賃金を実現したい」と話した。


朝日新聞 2016年10月15日05時02分
社員「過労自殺2度目なので…」 電通の労務管理焦点に
 日本を代表する広告会社の電通に対し、東京労働局が抜き打ち調査に踏み切った。女性新入社員の過労自殺をきっかけに、違法な長時間労働が常態化していた疑いが表面化し、刑事事件に発展する可能性が出てきた。今回の調査には、長時間労働の是正に取り組む安倍政権の姿勢も垣間見える。
 「自分も当然のように深夜残業をしている。過労自殺は2度目なので、労基署が入ることは意外とは思わない」。電通の中堅社員は14日、こう漏らした。
 別の30代の社員も「ここ3カ月は残業が月100時間を超える。何とかしてほしいと思っていた。労基署が入って会社が変わってくれるならいい」と話す。
 電通の労働時間の管理はどうなっているのか。広報部は、社員が始業・終業の時刻を申告し、上司が承認して管理していると説明する。
 労働基準法は、1日8時間、週40時間が労働時間の上限と定める。ただ、労使で結んだ協定を労働基準監督署に届ければ、上限を超えてもいい。電通が届けている時間外労働は原則として月50時間。この範囲で残業させるように管理職に指導しているという。
 しかし、自殺した高橋まつりさんの時間外労働は月100時間を超えていた。労基署に届け出ている時間を大きく上回る。入退館記録などをもとにした遺族側の代理人弁護士による集計では130時間に達したこともあった。
 広告業界をとりまく環境変化が働き過ぎを助長しているとの見方もある。スマートフォンの普及、オンライン動画やソーシャルメディア(SNS)の利用者の増加につれてネット広告が急増。電通の調べでは、国内の2015年のネット広告費は1兆1594億円で、5年前より49・6%伸びた。電通の売上高に占めるネット・モバイル広告関連の割合も増加傾向にある。
 ただ、条件が事前に決まる新聞やテレビなどの広告と違い、ネット広告は表示や閲覧回数などを踏まえて代金が決まる。社員の多くは「ネット広告への理解度が薄い」(業界関係者)との見方もある。
 9月にはネット広告を扱う部署で、一部の広告を契約通り掲載しないといった取引が判明。山本敏博常務執行役員は記者会見で「仕事量に対して力量と時間が足りていなかった」と、管理体制の不備を認めた。
 電通の社内では、経営環境の変化のスピードに対応しきれず、長時間労働が常態化していた可能性がある。今後の労働局の調査では、電通が労働時間の実態を正しく把握して労務管理をしていたかが焦点になるとみられる。
■特別チーム「かとく」が抜き打ち調査
 本社への抜き打ち調査には、東京労働局の「過重労働撲滅特別対策班」が加わっていた。通称「かとく」と呼ばれる特別チームだ。所属メンバーは労基署が行う日常的な業務はせず、過重労働が疑われる企業を集中的に調査している。ターゲットの企業を徹底して調べるのが特徴で、東京・大阪の両労働局だけにあるチームだ。
 発足したのは昨年4月。働き手を酷使する「ブラック企業」の問題の深刻化を受けて、悪質なケースの取り締まりを強化するのが狙いだ。主なターゲットは全国規模で事業展開する大企業。事業所ごとの案件を調べるのではなく、会社全体の労務管理の実態を解明し、過重労働を防ぐことをめざしている。行政指導にとどまらず、企業や経営陣の刑事責任を追及するケースが目立つ。
 最初に手がけた案件は靴チェーン店「ABCマート」の違法残業。都内2店舗で横行していた月100時間前後の違法残業について、東京の「かとく」が昨年7月、店の責任者やチェーンを運営する会社の役員を労基法違反の疑いで東京地検に書類送検した。
 東京の「かとく」は今年1月、ディスカウント店を展開する「ドン・キホーテ」の違法残業も立件。大阪の「かとく」も全国チェーンの飲食店の運営会社2社を立件した実績がある。
 電通への調査では、関西支社(大阪市)に大阪の「かとく」のメンバーも加わった。厚生労働省の担当者は「省としてしっかり取り組む案件だという認識の表れ」と解説する。
■政府の「働き方改革」、議論始まったばかり
 「電通の社員の方が過労死、いわば働き過ぎによって尊い命を絶たれた。二度と起こしてはならない。働く人の立場に立った『働き方改革』をしっかりと進めていきたい」
 立ち入り調査前日の13日夜。安倍晋三首相は、自ら議長を務める「働き方改革実現会議」に関連して開かれた多様な働き手との意見交換会で、社名を挙げて過労自殺の防止に言及した。
 首相は働き方改革を政権の「最大のチャレンジ」と位置づけ、改革に向けた議論を9月末に本格化させたばかり。主要テーマの一つとして、長時間労働の是正を挙げている。
 過労自殺した電通の新入社員が労災認定されたのは、その矢先の出来事だった。それからわずか2週間後に行われた抜き打ち調査。厚労省幹部は「働き方改革で長時間労働を是正しようという流れがあり、首相も『働く人の立場に立った改革』と言っている。塩崎恭久厚労相にも(電通に)厳しい対応をしなければいけないという思いがあったと思う」と解説する。
 政府は長時間労働を是正するため、残業時間の上限を厳しくする新たな規制の導入を検討している。実現会議が年度末にまとめる実行計画に具体策を盛り込む予定だ。菅義偉官房長官も14日夕の記者会見で、「働き過ぎによって尊い命を落とすことは決してないように、長時間労働の是正を行いたい」と話した。


朝日新聞 2016年10月14日20時16分
電通、労基法違反容疑で立件視野 本支社一斉抜き打ち
 東京労働局と三田労働基準監督署は14日、労働基準法違反の疑いで広告大手、電通の本社(東京都港区)に立ち入り調査に入った。女性新入社員(当時24)が過労自殺し、労災認定されたことを受けた抜き打ちの調査だった。違法な長時間労働が全社的に常態化していた疑いがあるとみて、刑事事件としての立件を視野に調べを進める。
 午後1時、黄色の腕章を着けた労働基準監督官ら8人が東京・汐留の本社ビルに入った。長時間労働の調査を専門的に手がける「過重労働撲滅特別対策班」のメンバーが含まれ、労務管理の資料の確認や人事担当者への聞き取りなどをして、勤務時間の管理体制を中心に調べたという。今後も断続的に立ち入りや聞き取りを続ける方針。関西(大阪市)、京都(京都市)、中部(名古屋市)の3支社にも各地の労働局が同日までに調査に入った。「同時期に本社と支社を一斉に調査するのは異例」(厚生労働省の関係者)という。
 入社1年目だった高橋まつりさんが昨年末に都内の女子寮で自殺し、三田労基署が先月30日に労災認定した。高橋さんの1カ月(昨年10月9日~11月7日)の時間外労働は約105時間と認定された。遺族側の代理人弁護士によると、電通が労基署に届け出た上限の時間を大幅に超えており、東京労働局は労基法違反にあたるとみている。
 電通広報部は「全面的に調査に協力している」とのコメントを出した。(千葉卓朗)

朝日新聞 2016年10月8日08時43分
電通の女性新入社員自殺、労災と認定 残業月105時間
 広告大手の電通に勤務していた女性新入社員(当時24)が昨年末に自殺したのは、長時間の過重労働が原因だったとして労災が認められた。遺族と代理人弁護士が7日、記者会見して明らかにした。電通では1991年にも入社2年目の男性社員が長時間労働が原因で自殺し、遺族が起こした裁判で最高裁が会社側の責任を認定。過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。その電通で、若手社員の過労自殺が繰り返された。
 亡くなったのは、入社1年目だった高橋まつりさん。三田労働基準監督署(東京)が労災認定した。認定は9月30日付。
 高橋さんは東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。インターネット広告を担当するデジタル・アカウント部に配属された。代理人弁護士によると、10月以降に業務が大幅に増え、労基署が認定した高橋さんの1カ月(10月9日~11月7日)の時間外労働は約105時間にのぼった。
 高橋さんは昨年12月25日、住んでいた都内の電通の女子寮で自殺。その前から、SNSで「死にたい」などのメッセージを同僚・友人らに送っていた。三田労基署は「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定し、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論づけた。
 電通は先月、インターネット広告業務で不正な取引があり、広告主に代金の過大請求を繰り返していたと発表した。担当部署が恒常的な人手不足に陥っていたと説明し、「現場を理解して人員配置すべきだった」として経営に責任があるとしていた。高橋さんが所属していたのも、ネット広告業務を扱う部署だった。
 電通は00年の最高裁判決以降、社員の出退勤時間の管理を徹底するなどとしていたが、過労自殺の再発を防げなかった。代理人弁護士によると、電通は労基署に届け出た時間外労働の上限を超えないように、「勤務状況報告書」を作成するよう社員に指導していたという。電通は「社員の自殺については厳粛に受け止めている。労災認定については内容を把握していないので、コメントは差し控える」としている。(千葉卓朗)


朝日新聞 2016年10月8日00時15分
「死んでしまいたい」 過労自殺の電通社員、悲痛な叫び
高橋まつりさんの遺影を掲げて記者会見する母親の幸美さん=東京・霞が関の厚生労働省
 広告大手、電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が、過労自殺だったとして労災認定された。母親の幸美さん(53)は7日、厚生労働省で記者会見し、「労災認定されても娘は戻ってこない。いのちより大切な仕事はありません。過労死を繰り返さないで」と訴えた。
 遺族側の代理人弁護士によると、高橋さんが配属されたのはインターネット広告を担当する部署だった。自動車保険などの広告を担当し、クライアント企業の広告データの集計・分析、リポートの作成などが主な業務だったという。
 業務が大幅に増えたのは、試用期間が終わり、本採用になった昨年10月以降。部署の人数が14人から6人に減ったうえ、担当する企業が増えた。月100時間を超える時間外労働をこなしたこともあり、高橋さんは精神障害による労災認定の基準の一つを超えたと判断された。
 電通では、社内の飲み会の準備をする幹事業務も新入社員に担当させており、「接待やプレゼンテーションの企画・立案・実行を実践する重要な訓練の場」と位置づけている。飲み会の後には「反省会」が開かれ、深夜まで先輩社員から細かい指導を受けていた。上司から「君の残業時間は会社にとって無駄」「髪がボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「女子力がない」などと注意もされていたという。
 「本気で死んでしまいたい」「寝たい以外の感情を失った」「こんなストレスフルな毎日を乗り越えた先に何が残るんだろうか」。高橋さんはSNSなどで友人や母親に、仕事のつらさを打ち明けていた。
 心配した幸美さんが電話すると、まつりさんは「転職するか休職するか、自分で決断する」と答えた。11月には上司に仕事を減らしてもらうよう頼んでいた。幸美さんは「自分で解決してくれる」と娘を信じた。
 昨年12月25日朝、まつりさんから幸美さんに「今までありがとう」とメールが来た。幸美さんが電話で「死んではだめ」と呼びかけると、まつりさんは「うん」と答えた。それが、最後のやりとりになった。
■電通、再発防止を誓うも…
 電通では1991年にも入社2年目の社員(当時24)が自殺。電通は当時、会社としての責任を認めなかったが、00年3月の最高裁判決は「会社は過労で社員が心身の健康を損なわないようにする責任がある」と認定。過労自殺で会社の責任を認める司法判断の流れをつくった。電通はその後、遺族と和解。責任を認めて再発防止を誓った。
 この裁判を担当したのが、高橋さん側の代理人を務めている川人博弁護士だ。川人氏は7日の会見で、労働時間の把握がずさんだったり、上司の安全配慮に対する意識が十分でなかったりした可能性を指摘。「企業責任は重大。抜本的な企業体質の改善が必要だ」と強調した。
 「過労死・過労自殺のない社会をつくりたい」という遺族の願いから生まれた過労死等防止対策推進法が2年前に施行され、7日には初の「過労死等防止対策白書」が閣議決定された。
 しかし、過労死・過労自殺は後を絶たない。最近は高橋さんのような若い世代が、心の病で自ら命を絶つケースが目立つ。
 08年6月にはワタミグループの居酒屋で働く新入社員が自殺。月141時間の時間外労働があったとして、労災認定された。遺族が会社の法的責任を追及して提訴し、15年12月には会社や創業者の渡辺美樹氏(現自民党参院議員)が法的責任を認めている。
 川人氏は「防止法の成立後も、職場の深刻な実態が続いている。国と企業が過労死防止に全力で取り組むよう心より訴えたい」と話した。(千葉卓朗、編集委員・沢路毅彦)

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過労死等防止対策白書


http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138529.html
過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)第6条に基づき、国会に毎年報告を行う年次報告書で、過労死等の概要や政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況を取りまとめたものです。
平成28年版過労死等防止対策白書
本文、骨子、概要
本文(「白書、年次報告書」のページ)
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/16/index.html
「白書、年次報告書」のページに、白書本文の全体版と分割版を掲載しています。
骨子
骨子 [418KB] http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/kosshi.pdf
概要
概要 [1,712KB ]http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/gaiyou_10.pdf
照会先:労働基準局総務課過労死等防止対策推進室
  電話:03-5253-1111(内線 5583、5526)

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日本経済新聞 2016/10/7 9:40
80時間超す残業、企業の2割 初の「過労死白書」
 政府は7日、過労死等防止対策推進法に基づく「過労死等防止対策白書」を初めて閣議決定した。1カ月間の残業時間が、労災認定の目安となり「過労死ライン」とされる80時間を超えた正社員がいる企業は22.7%に上ると指摘。正社員の4割近くが高いストレスを抱えながら働いている実態も浮かび、職場環境の改善、働き方の見直しなどを訴えている。
 2014年の同法施行を受け、厚生労働省は昨年12月~今年1月、企業約1万社(回答は1743社)と労働者約2万人(同約1万9千人)を対象とする調査を実施。結果を白書に盛り込んだ。
 過労死ラインを超える残業をしている正社員がいる企業の割合を業種別にみると、最も高かったのは情報通信業で44.4%。研究や専門的な技術サービスを提供する企業が40.5%、運輸・郵便業が38.4%で続いた。同省は「人員不足や、予定外の仕事が突発的に発生することなどが影響している」とみる。
 過労死等防止対策推進法について「大まかな内容を知っていた」とする企業は38.1%にとどまった。
 一方、労働者調査では正社員の36.9%が高ストレスを抱えていることが分かった。業種では医療・福祉(41.6%)やサービス業(39.8%)の割合が高い。
 正社員で自身の疲労の蓄積度について「高い」「非常に高い」とした人は32.8%。睡眠時間も45.6%が「足りていない」か「どちらかといえば足りていない」とした。理由(複数回答)は「残業時間が長い」が最も多く、36.1%が挙げた。
 長時間労働などの「勤務問題」を原因の一つとする自殺者は、年間2千人を超える状況が続いている。
 白書では過労死について「労働時間や職場環境だけでなく、業界を取り巻く環境や労働者側の状況など多岐にわたる要因の分析が必要」と指摘。厚労省は約2万人を10年間追跡する大規模調査を準備中で、過労死の実態解明をさらに進める。
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