2016-10-17(Mon)

新潟県知事選 米山氏が当選 161016

野党勝利 再稼働反対の意思示す

----東京電力が目指す柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への対応などが争点になった新潟県知事選挙は、16日投票が行われ、原発再稼働に慎重な姿勢を示してきた現職の知事の路線を継承すると訴えた、医師の米山隆一氏が、自民党と公明党が推薦する候補らを破り、初めての当選を果たしました。
(NHK)

<各紙社説>
朝日新聞)新潟県知事選 原発への不安を示した(10/17)
毎日新聞)新潟県知事選 原発不信を受け止めよ(10/17)
東京新聞)「新潟」野党勝利 再稼働反対の意思示す(10/17)
新潟日報)新知事に米山氏 再稼働「ノー」の民意示す(10/17)





以下引用

朝日新聞 2016年10月17日(月)付
社説:新潟県知事選 原発への不安を示した
 原発再稼働に前のめりな安倍政権への「待った」だ。その意思表示と言える結果である。
 新潟県知事選で、共産と社民、自由の野党各党の推薦を受けた米山隆一氏が初当選した。最大の争点だった東京電力柏崎刈羽原発再稼働に厳しい姿勢を示し、自民、公明両党推薦の前長岡市長、森民夫氏との事実上の一騎打ちを制した。
 選挙で浮き彫りになったのは、県民の原発への強い不安だ。米山氏は「東電福島第一原発の事故や、その影響・課題が検証されない限り、再稼働の議論は始められない」と公約した。有言実行を肝に銘じ、再稼働を目指す国や東電に毅然(きぜん)と向き合うことが責務である。
 再稼働に慎重な態度を貫いてきた泉田裕彦知事が立候補をとりやめ、その路線が継承されるかどうかが注目された知事選は当初、全国市長会長も務め、「国とのパイプ」を強調した森氏が圧倒的に優勢とみられた。
 だが、告示直前に立候補を表明し、再稼働問題で泉田路線を継承すると明言した米山氏の勢いがまさった。朝日新聞社の有権者への調査では、再稼働への賛成が2割台だったのに対し、反対は6割を超えた。この声が米山氏を当選させた。
 柏崎刈羽は7基の原子炉が集中する世界最大級の原発だが、02年に重大なトラブル隠しが発覚し、07年の中越沖地震では火災や微量の放射性物質漏れが起きた。不安を感じる人が多いのもうなずける。
 泉田氏は国に対し、原発事故時の住民の避難計画を原子力規制委員会が審査しない問題点を指摘し、原子力災害対策指針の改善を訴えた。福島第一原発事故については県の専門家委員会を使って独自に検証を続けた。炉心溶融の公表が遅れた問題も追及し、今年になって東電が隠蔽(いんぺい)を認めることにつながった。
 原発の安全を国任せにせず、知事がさまざまな役割を果たせることを泉田氏は行動で示してきたと言える。選挙結果は、そうした姿勢の継続を望む県民が多いことを示した。
 安倍政権は原発を「重要な基幹電源」と位置づけ、規制委の審査を終えた原発は再稼働させていく考えだ。柏崎刈羽の再稼働についても、実質国有化した東電の経営再建に不可欠だと位置づけている。
 しかし、新潟の民意と真摯(しんし)に向き合うべきだ。
 この夏には鹿児島県知事選でも原発の一時停止を掲げた候補者が当選した。住民の声に耳を傾けることは、国政の責任者の務めである。


毎日新聞2016年10月17日 東京朝刊
社説:新潟県知事選 原発不信を受け止めよ
 安倍晋三政権と東京電力は選挙結果を真剣に受け止めるべきである。東電柏崎刈羽原発の再稼働問題が大きな争点となった新潟県知事選は、再稼働に慎重な姿勢を強く打ち出した医師、米山隆一氏=共産、自由、社民推薦=が接戦を制して初当選を果たした。
 敗れた前長岡市長の森民夫氏を推薦した自民、公明両党内には当初、最近の政党支持率の高さや組織力の強さから楽勝ムードが漂っていた選挙だ。にもかかわらず、この結果となったのは、いかに東電に対する県民の不信感が強いかの表れだ。
 しかも7月の鹿児島県知事選で、自公両党が支援して4選を目指した当時の現職が、九州電力川内原発の停止を掲げた三反園訓氏に敗れたのに続く敗北だ。再稼働に対する姿勢があいまいだった森氏に対する不満だけでなく、原発の維持・再稼働路線をひた走る安倍政権への批判も大きいと見ていいだろう。
 今回の知事選は、現職の泉田裕彦知事が突然、4選出馬を断念したことで様相が一変した。
 断念した理由は必ずしも明確ではない。だが泉田氏は2011年の東電福島第1原発の大惨事以降、「事故の検証と総括なしに柏崎刈羽の再稼働議論はできない」と東電に厳しい注文を突きつけ続けてきた。このため東電や安倍政権には、泉田氏が引退することで再稼働が進むかもしれないという期待があった。
 ところが選挙が始まると、泉田路線の継承を訴える米山氏が支持を広げ、自民党は二階俊博幹事長ら幹部が続々と新潟入りして地元経済界や業界団体の関係者を集めて引き締めを求めるなど大慌てになった。
 なりふり構わぬ動きに「古い自民党体質」を感じた有権者も多かったはずだ。森氏も全国市長会長を務めた経験を強調し、政府とのパイプの太さをアピールしたものの、再稼働に対する姿勢は最後まで腰が引けている印象だった。
 原発事故の際の住民避難計画に問題はないかどうかをはじめ、泉田時代から積み残された課題は多い。米山氏が公約通り、それにきちんと対処していくのは当然だ。東電や政府もより慎重な姿勢が必要となる。
 自主投票とした民進党もお粗末だった。元々、次期衆院選の同党候補に内定していた米山氏を推薦できなかったのは支持団体の連合内で東電の労組が力を持っているからだ。しかし「勝てる」と見てか、最終盤になって一転して蓮舫代表が米山氏の応援のために新潟入りするという迷走ぶりだった。
 原発政策を改めて議論して党の態度を明確にしないと有権者には信頼されない。


東京新聞 2016年10月17日
【社説】「新潟」野党勝利 再稼働反対の意思示す
 新潟県知事選は野党三党推薦候補が与党推薦候補に勝った。当初の与党楽勝ムードを吹き飛ばして激戦を制したことは、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対する県民の反対の強さを全国に示した。
 知事選は泉田裕彦知事の任期満了に伴うもので、無所属新人四人が立候補した。共産、自由、社民三党が推薦する医師の米山隆一氏(49)と、自民、公明両党が推薦する前長岡市長の森民夫氏(67)との事実上の一騎打ちとなった。
 泉田氏は四選出馬の意向を表明していたが、知事選告示の一カ月前に急きょ断念を表明。当初は森氏以外に主要候補はなく、与党候補楽勝のムードすら漂っていた。
 選挙戦の構図を一変させたのは米山氏の立候補表明だった。
 米山氏は民進党の衆院新潟5区公認候補に決まっていたが、離党して知事選に立候補。民進党が自主投票にとどめたため、同党以外の共産、自由、社民の三党が推薦し、野党統一候補の形を整えた。
 主要な争点は柏崎刈羽原発(柏崎市など)の再稼働問題だった。この原発には七基の原子炉が集中し、三十キロ圏には約四十六万人が住む。住民の安全確保は県知事にとって最優先事項である。
 官僚出身の泉田氏は一期目から自公両党の推薦を得てきたが、再稼働については「福島事故の検証が終わるまで再稼働の議論はしない」と厳しい姿勢を貫いてきた。
 共同通信社が新潟県内の有権者を対象に行った電話世論調査でも柏崎刈羽原発の再稼働に「反対」と答えた人は60・9%に上り「賛成」は24・2%にとどまる。
 米山氏はその「泉田路線」の継承を表明し、森氏も「泉田知事が育てた県の技術委員会の意見をしっかり聞き、安全という確信がなければ反対と言う覚悟がある」などと訴えたが、県民は森氏の姿勢を支持しなかった。
 安倍政権は選挙で示された民意を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。再稼働を既成事実化してはならない。
 七月の参院選では民進党など野党四党の統一候補が与党候補に競り勝ったにもかかわらず、県知事選で民進党は支持組織の連合傘下に電力総連がある事情から早々に自主投票にとどめた。
 終盤になって蓮舫代表が米山氏の応援演説に駆け付けたが、与党と野党のどちら側につくのか、国政選と地方選との違いがあるとはいえ、軸足が定まっていないことを露呈した。猛省して今後の選挙戦略を練り直すべきである。


新潟日報 2016/10/17
社説:新知事に米山氏 再稼働「ノー」の民意示す
 県知事選の投開票が行われ、医師の米山隆一氏が初当選した。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に対して、県民が「ノー」の意思を示したと言えよう。国の今後のエネルギー政策にも大きな影響を与えることになる。県政史上初めての野党系知事となる、49歳の若きリーダーの手腕に注目したい。
 無所属の新人4氏による選挙は、共産、自由(旧生活)、社民の3党が推薦する米山氏と、自民、公明の両党が推薦する森民夫氏による事実上の一騎打ちだった。
◆大きい原発への不安
 泉田裕彦知事の突然の4選出馬断念を受け、米山氏が出馬を決めたのは告示日の直前だった。
 にもかかわらず、全国市長会長などを務めた前長岡市長の森氏を破ったのは、原発問題を前面に打ち出し、泉田知事の路線を引き継ぐと訴えたことが大きい。
 東京電力が、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働に向けた審査を原子力規制委員会に申請してから3年が過ぎている。
 規制委が「合格」と判断した場合には、新知事は再稼働を認めるかどうかの判断を迫られることになるからだ。
 本社の世論調査では柏崎刈羽再稼働に「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた回答は60・9%に上っていた。
 今回の結果は、県民の再稼働に対する不安の大きさを裏付けたものと言えるだろう。
 選挙は全国からも注目され野党各党の党首らが本県入りした。終盤には、自主投票としていた民進の蓮舫代表も応援に駆けつけた。
 野党統一候補の森裕子氏が勝利した、7月の参院新潟選挙区の再現となった形だ。
 一方で投票率は、過去最低だった前回よりは10ポイント近く高かったものの伸びなかった。
 「原発」が単一争点化される中で、それ以外の政策論争が埋没化したことが背景にあると言えるのではないか。
◆停滞ムードどう払拭
 原発の再稼働問題だけでなく、少子高齢化や人口減少への対応、景気・雇用の回復など本県の抱える課題は多い。
 本紙の世論調査でも新知事に取り組んでほしい政策は、「医療・介護・福祉」が25%近くで最も多かった。「景気・雇用対策」が続き、「原発問題への対応」は約20%で3番目だった。
 県人口は230万人を割り込んだ。少子高齢化や過疎化が進み、安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」の恩恵は地方には届かず、格差は拡大している。
 子供から高齢者まで、全ての県民が安心して暮らしていける社会を築くことが求められる。
 いかにして県の停滞ムードを払拭(ふっしょく)するのか。
 医師の米山氏は、医師や看護師の確保、医療・介護現場の環境改善などを積極的に訴えた。
 教育問題でも、給付型奨学金の創設を通して「日本一の教育県」を目指すなどと訴え、有権者の支持を得た側面はあるだろう。
 若者の県外流出に歯止めを掛け、県税収入を上げていくためには一層の産業振興が必要だ。
 米山氏は中小企業や自然エネルギー産業の支援や、国際見本市の開催など挙げた。
 県の基幹産業である農業の振興では、戸別所得補償制度の導入や担い手育成の拡充など訴えたが、いまひとつ具体性を欠いた側面は否めなかった。
◆指導力発揮できるか
 本県に活力を取り戻すための政策をどう実現していくのか、指導力が問われる。
 米山氏は医師や弁護士の経験はあるが、行政や議員の経験はなくリーダーシップは未知数だ。
 県議会最大会派で過去3回の知事選では泉田氏を推薦していた自民は、今回は森氏を推薦した。
 民進党の支持団体の連合新潟も森氏を支援し、一部県議も森氏を応援している。議会運営では難しいかじ取りを迫られるだろう。
 3期12年に及ぶ泉田県政で、県内市町村や北陸各県、国と厳しい関係になっているとの指摘がある。どう修復を図るのか。
 県が主導する日本海横断航路計画のフェリー契約トラブルや、法律で定められた県の医療・福祉4計画が作られていなかったことなども明らかになっている。
 風通しの良い組織にすることはもとより、フェリー問題をはじめとした泉田県政をしっかりと検証することも求めたい。
 米山氏は「的確なことを言ってくれれば、どんな立場の人であっても必ず検討する」とインタビューに答えている。
 しこりを残すことなく、敗れた候補や各党の意見にもしっかりと耳を傾け県政を運営してほしい。


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産経ニュース 2016.10.17 00:23
【新潟県知事選】
与党痛恨、野党共闘に“成功体験”与えてしまい…解散戦略に影響、TPP審議にも暗雲
安倍晋三首相のテコ入れ通じず
 与野党の全面対決となった新潟県知事選は、安倍晋三首相(自民党総裁)と二階俊博幹事長が直々のテコ入れを図ったにもかかわらず、与党が手痛い敗北を喫した。共産党も推薦した野党共闘の候補勝利で“成功体験”も与えた形で、首相の衆院解散戦略にも影響しかねない。
 自民党の古屋圭司選対委員長は16日夜、「誠に残念だ。県民の審判を厳粛に受け止める」との談話を発表したが、与党にとっては「残念」では済まされない痛恨の敗北だ。7月の参院選新潟選挙区でも自民党候補が野党統一候補に敗北。“連敗”を回避しようとしたが、県連や党幹部はことごとく状況を読み誤った。
 自民党では、3期12年務めた現職の泉田裕彦知事が出馬を撤回した8月末の時点で、全国市長会会長も務めた与党候補、森民夫氏の楽勝ムードが漂っていた。その慢心が悪夢を招いた。
 告示直前に出馬表明した米山隆一氏に想定外の接戦に持ち込まれると、二階氏ら党幹部が入れ替わりで新潟入り。首相自らも泉田氏と官邸で面会して“懐柔”に乗り出したが、流れは変わらなかった。党幹部は「準備が全然できておらず、現場がフル回転しなかった」と振り返った。
「負ける理由ないのに負けた」
 公明党の斉藤鉄夫選対委員長は16日夜、「国政への影響はない」とコメントしたが、額面通り受け止める向きは少ない。
 与党幹部は、高い内閣支持率を背景に首相が来年1月にも衆院解散を断行するとの「解散風」を盛んに吹かす。だが、自民党幹部は「与党系候補が連合新潟の支援も得て、相手は共産党が主体。あらゆる手を打ち、負ける理由がないのに負けた」と分析。23日投開票の衆院東京10区、福岡6区のダブル補選で勝利したとしても、「選挙基盤が弱い若手を中心に態勢を立て直す必要がある。解散風は弱まるのでは」と語る。
 新潟県は全国1位のコメ産地で、知事選では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も争点となった。それだけに17日から首相が出席して衆院特別委員会で行われる審議にも暗雲が立ちこめてきた。(沢田大典)


NHK 10月16日 22時51分
新潟県知事選 米山氏が当選
東京電力が目指す柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への対応などが争点になった新潟県知事選挙は、16日投票が行われ、原発の再稼働に慎重な姿勢を示してきた現職の知事の路線を継承すると訴えた、医師の米山隆一氏が、自民党と公明党が推薦する候補らを破り、初めての当選を果たしました。
 米山氏は、新潟県魚沼市出身の49歳。
 医師や弁護士として活動する一方、民進党の衆議院新潟5区の公認候補に内定していましたが、今回の選挙の告示直前に離党して、立候補しました。
 選挙戦で米山氏は、東京電力が目指している柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な姿勢を示してきた泉田裕彦知事の路線を継承するとして、福島第一原発の事故の原因について徹底的な検証が必要だなどと訴えたほか、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から新潟の農業を守るなどと主張しました。
 その結果、推薦を受けた共産党や自由党、社民党の支持層をはじめ、自主投票を決めた民進党の支持層や、支持政党を持たない「無党派層」などからも幅広く支持を集め、自民党と公明党が推薦する森氏らを破って、初めての当選を果たしました。

NHK 10月16日 22時51分
米山氏「原発再稼動は認めず」
新潟県知事選挙で初めての当選を果たした米山隆一氏は「皆さんからいただいた思いをひとつひとつ真摯に丁寧に全力で形にしていく。
原発再稼働の話がきっとすぐに来るが、約束したとおり命と暮らしを守れない現状で認めることはできないとはっきり言わせていただく」と述べました。

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