2016-10-24(Mon)

「民泊」規制強化 NYで「違法貸し出し」掲載に制裁金

旅行者にまた貸しダメ 緩和でなく安全ルール確立を 本当に宿は足りないのか?

----米ニューヨーク州は21日、自宅のマンションやアパートを留守の間に貸す目的で、民泊仲介サイトに登録することを禁じる規制を導入した。
 
民泊用に貸す際は、自分も自宅にいるよう求めている。
これにより、複数の賃貸マンションを民泊用に借りて、旅行者にまた貸しするといったことが事実上、できなくなる。
(読売新聞)

<主張・記事>
しんぶん赤旗)主張:「民泊」議論 緩和でなく安全ルール確立を(10/17)
ニッセイ基礎研究所)本当に宿は足りないのか?―民泊解禁がホテル市場に与える影響(10/7)




以下引用

読売新聞 2016年10月23日 18時04分
米NY州、民泊規制強化…旅行者にまた貸しダメ
 【ニューヨーク=有光裕】米ニューヨーク州は21日、自宅のマンションやアパートを留守の間に貸す目的で、民泊仲介サイトに登録することを禁じる規制を導入した。
 民泊用に貸す際は、自分も自宅にいるよう求めている。これにより、複数の賃貸マンションを民泊用に借りて、旅行者にまた貸しするといったことが事実上、できなくなる。
 違反者には、1回目は1000ドル(約10万円)、2回目は5000ドル、3回目以降は7500ドルの罰金を科す。
 同州にはマンションやアパートを30日未満の短期で貸し出すことを禁じる法律があるが、仲介サイトを通じた民泊の拡大で実効性が損なわれている。現状を放置すれば、民泊用に物件を借りる人が増え、住宅不足や家賃の上昇を招き、実際に住んでいる人たちの利益を損なう恐れがあると判断した。
 米民泊仲介サイト大手Airbnb(エアビーアンドビー)はニューヨーク州の決定を不服として、「裁判で争う」とのコメントを発表した。


産経ニュース 2016.10.22 10:05
民泊規制強化法を制定 NY、エア社は提訴へ
 米ニューヨーク州は21日、一般の人が空き部屋を他人に貸し出す「民泊」規制強化法を制定した。違法物件をウェブサイトなどに掲載するのを禁止するのが柱。クオモ知事が同日、法案に署名した。民泊仲介サイト大手エアビーアンドビーは同法の差し止めを求めて提訴すると表明した。民泊のルールづくりを巡る論争は続きそうだ。
 同州はこれまで、集合住宅の居住者が不在のまま、空き部屋を短期間貸し出す行為を禁止。だが、エア社のサイトに違法物件の貸し出しを申し出る掲載が後を絶たないとして、ホテル業界を中心に規制強化を求める声が強まっていた。
 エア社は一般人が空き部屋を他人に貸し出すことをウェブサイトで仲介している。全米有数の観光地ニューヨーク州でこの法律が厳しく運用されれば、経営に打撃を受けるとみられる。(共同)


毎日新聞2016年10月21日 19時31分
米国
NYで民泊規制強化 「違法貸し出し」掲載に制裁金
 米民泊仲介大手エアビーアンドビーの事業活動を締め付けようとする動きが米ニューヨーク州で強まっている。違法ホテル化を助長しているとの批判を受け、民泊関連事業への規制を強化する法案が州議会で通過。クオモ知事の署名による成立を待つ段階だが、エア社は法廷闘争に持ち込む構えだ。日本と同様、民泊を巡る利害の調整が難航している。
 エア社は一戸建てや集合住宅の居住者らが空き部屋を他人に貸し出すことをウェブサイトで仲介。居住者は手軽に収入を得られ、借り手は総じてホテルより割安に宿泊先を確保できる。「シェアリングエコノミー(共有型経済)」の一つと注目されている。
 全米屈指の観光地ニューヨーク州のホテル業界は早くからエア社を警戒し、ロビー活動を展開。2010年には居住者不在の集合住宅を、ホテルのように短期滞在用に貸し出すことを禁じる法律が施行された。
 それでも今年10月現在、エア社のサイトには違法とみられる貸出物件の掲載があふれる。「マンションを丸ごとエア社の顧客用に使う違法業者が横行している」(ホテル業界)ともされる。
 そこで州議会は違法な貸し出しを「サイトに掲載する行為」に対し段階的に7500ドル(約78万円)まで制裁金を科す規制強化法案を可決した。
 エア社は「サイト掲載を禁じるのは言論の自由に抵触する」と強く反発。法案が成立した場合、州を訴えると表明しており、対立の長期化が予想される。
 エア社は日本でも事業を手掛けている。半面、民泊を巡っては無許可営業が相次ぐ。日本政府は20年に開催される東京五輪・パラリンピックに向けた訪日外国人旅行者の増加に備え、民泊に関する新法を検討中。だが旅館業界の警戒感は強く、営業日数を制限することなどが議論されている。(共同)

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しんぶん赤旗 2016年10月17日(月)
主張:「民泊」議論 緩和でなく安全ルール確立を


 空き家などを宿泊に使う「民泊」をめぐって大都市部や観光地で近隣住民とのトラブルなど問題が顕在化しています。「観光立国」を経済政策アベノミクスの柱の一つに掲げる安倍晋三政権の下で、「民泊」を広げるための「規制緩和」が検討されていますが、地元からは警戒の声が上がっています。
無許可施設の広がり懸念
 「民泊」について、政府の検討会は「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して、宿泊サービスを提供するもの」と定義づけています。インターネットを通じて、空き家を短期で貸したい人と旅行者をマッチング(条件が一致するものを照会)するビジネスとして世界各地で展開され、日本でも、東京都、大阪府などの主要都市、京都、奈良などの観光都市で急速に広がっています。
 問題は、「民泊」施設の多くで、公衆衛生上の規制を規定した旅館業法、建物の安全基準を規定した建築基準法、火災が発生した際の避難経路の確保を定めた消防法などの法律に違反するケースが後を絶たないことです。
 京都市が今年公表した民泊施設実態調査では、市内の「民泊」施設数2702件のうち旅館業法上の無許可と推測される施設は1847件で、68・4%に達していました。全国の自治体には、マンションの一室を使った「民泊」をめぐり「利用者の大きな話し声やキャリーバッグを引く音などの騒音がひどい」「オートロック機能の意味がなくなり不安だ」などの多くの苦情が寄せられる事態も起きています。常駐スタッフが不在の「民泊」では、火災時の避難誘導が考慮されていない実態もあります。
 安倍内閣は8月に閣議決定した「未来への投資を実現する経済政策」で観光政策を「成長戦略」の柱に位置づけ、「外国人観光客4000万人時代に向けたインフラ整備」などを打ち出しています。そのために建物の容積率の規制を緩めたホテルの増設促進、規制緩和による「民泊」の普及を本格化することを検討しています。
 都市や地域ごとで規制緩和を先行実施させる「国家戦略特別区域」では、「民泊」の最低滞在日数を短期でも可能にすることで利用を促進させることや、一定の届け出さえすれば営業を認めることなどが具体化されています。2017年の通常国会に、「民泊」関係の新法を提出する動きもみせています。
 外国人旅行者の急増を背景に、多くの人が宿泊先を確保することが困難な状況にあるのは事実です。しかし、最低限の安全、衛生、防災設備が万全といえない「民泊」を認めることは、宿泊者の安全を保障できないだけでなく、今まで以上に近隣トラブルなどを増幅させる状況を招きかねません。
許可制の堅持が不可欠
 現在も旅館業法の許可が不要の簡易宿所として「イベント民泊」がありますが、これらは目的や期間が限定されているものであり、管理者が常駐するなどしています。
 外国人観光客に日本の文化や風習を安心して味わってもらうためにも、日本の旅行客やビジネスマンが宿泊先確保に困らないようにするためにも、違法な「民泊」の野放しや危険な規制緩和でなく、旅館業法などの諸法規に適合した許可制を堅持したルールにもとづく整備こそ必要です。
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株式会社ニッセイ基礎研究所 2016年10月07日
本当に宿は足りないのか?―民泊解禁がホテル市場に与える影響


基礎研REPORT(冊子版) 2016年10月号
金融研究部 不動産市場調査室長 竹内 一雅
http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54036?site=nli
全文ダウンロード(PDF)
http://www.nli-research.co.jp/files/topics/54036_ext_18_0.pdf?site=nli
民泊ビジネスが活況を呈している。現時点では、旅館業法の認可を取得していない民泊の多くは「闇民泊」と呼ばれる違法状態にあるが、民泊の収益性の高さと、悪質な経営者以外は取り締まられていないことなども民泊ビジネスの活況を後押ししているようだ。
 しかも5月19日の「規制改革に関する第4次答申」、6月2日の「日本再興戦略2016」等により、Airbnbに代表される民泊(インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した宿泊サービスの提供)に関する法案が今年度中に提出され、全面解禁される見込みになったため、その動きは加速している。
 既に多数のコンサルタントが生まれ、頻繁にセミナーが開かれ、関連業者も多く起業している。数多く誕生した民泊代行サービスの中の一部のサイトをみると、そこに登録すると最大手のAirbnbはもちろん、欧米系や中国系などの民泊サイトへの登録・翻訳や、鍵の受け渡しを含めた物件管理・清掃やトラブルにも対応し、民泊法案成立後は政府への物件登録も代行するなど、何から何までワンストップで対応してくれる場合もあるようだ。
 収益性の高さに加え、この利便性の高さもホスト(空き物件の保有・賃借者)による登録を進ませる理由だろう。民泊法案では、旅館業法で定められている認可は不要で、政府への登録はネットでの届出だけで済む。報道によると、2015年にAirbnbを利用した訪日客は138万人に達し、中国系などの民泊サイトも急増していることから、全体の民泊利用者数はAirbnbの倍程度と言われている。これらが違法ではなく合法になったら、その利便性と収益性から、民泊登録数はかなりの数にのぼる可能性がある。全国には居住可能な空き家が820万戸以上あるのだから、潜在的な民泊物件数は非常に多い。
 ただし、現時点では多くの不動産会社等は民泊ビジネスへの進出にさほど積極的ではない。現時点では違法状態で法制度が整っていないこともあるのだが、次に大きな理由と考えられるのが、民泊開業による周辺住民とのトラブルの可能性だ。ホテルが住居専用地域に建設できないことから分かるように、居住と宿泊は水と油と言ってよいほど親和性が低く、特に同じマンション内での近隣トラブルは避けがたい。問題なのは民泊の存在が、マンション内の他の住民にほとんど何のメリットももたらさないことだ。加えて、民泊法案では180日を上限とする日数制限がかかる見通しのため、宿泊施設として利用できない残りの期間の運用に問題が残る。もちろん、個人宅での外国人受け入れや、所有するマンション・戸建ての空き家活用であれば、180日であっても大きな問題はないはずだ。すでに海外の大都市では、民泊への規制強化も始まっており、日本での民泊法制化でも、そうした海外における規制動向も参考にすることになるだろう。さらにテロや犯罪の発生への危惧もあると思われる。
 その上で懸念されるのが民泊の全面解禁による宿泊施設の供給過剰問題だ。民泊の解禁は、2020年に訪日外国人4千万人を目指す政府目標を達成するために生じる、宿泊施設不足対策という側面もある。しかし、本当に国内の客室数は大きく不足するのだろうか。
 政府目標から逆算すると、2018年中に2015年末比で訪日外国人旅行者数は1千万人の増加が見込まれる。2016年から2018年の開業済み及び開業予定のホテル客室数は43,500室に達するという。計画未公表のホテルやゲストハウスなどを含めるとさらに多くの供給があるだろう。日本人の延べ宿泊者数が現在と不変なら、これらのホテルや宿泊施設の開業により全国で8~9百万人の訪日外国人の受入れが十分可能と思われる。つまり、現在見込まれているホテル供給計画等で、当面のホテル需要目標のかなりの部分をまかなえる可能性があり、ホテルや民泊供給の多い都市では、民泊解禁が宿泊施設の過剰をもたらす懸念が出てきた。
 民泊の法制化は、違法状態の解消に加え、現在、所得税を納めていない民泊経営者への課税をも意図したものと思われる。しかし、同時に民泊の完全解禁は宿泊施設の供給過剰をもたらし、ようやく上昇しはじめたホテル従業者の賃金を再び引下げ、高品質のサービスに影響を与える可能性もある。民泊の法制化では、例えば当初は特定地域からの解禁や、戸建てやホームステイ型に限定した段階的な解禁など、何らかの激変緩和措置の検討も必要ではないだろうか。
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