2016-11-13(Sun)

米トランプ大統領の衝撃広がる (3)辺野古移設、再考の時

保護主義へ傾斜 世界経済の足元揺らぐ パリ協定に背を向けるな 日米安保 安易で危うい同盟礼賛

<各紙社説・主張>

読売新聞)トランプ外交 日米同盟の不安定化は避けよ(11/12)
毎日新聞)激震トランプ 保護主義へ傾斜 世界経済の足元揺らぐ(11/12)
日本経済新聞)株高でも警戒解けぬ「内向きの米国」 (11/12)
産経新聞)トランプ氏と環境 パリ協定に背を向けるな(11/12)

東京新聞)トランプのアメリカ(下) 辺野古移設、再考の時(11/12)
北海道新聞)日米安保 安易で危うい同盟礼賛(11/12)
西日本新聞)米大統領選余波 ポピュリズムに警戒せよ(11/12)




以下引用



読売新聞 2016年11月12日 06時08分
社説:トランプ外交 日米同盟の不安定化は避けよ


 予測不能とも称されるトランプ外交に、日本はどう向き合うのか。
 悲観も楽観もせず、長年の同盟関係を基礎に、政策面の協調を粘り強く働きかけることが肝要だろう。
 トランプ次期米大統領は、オバマ大統領と会談するなど、政権移行の準備を進めている。関係国首脳とも相次いで電話会談した。
 安倍首相が日米同盟の意義を強調すると、トランプ氏も「並外れた関係だ」と評価し、友好ムードを演出した。17日にニューヨークで会談することでも一致した。大統領選のわずか9日後のトップ会談は異例である。
 政治経験のないトランプ氏は選挙中、同盟国を軽んじる発言を繰り返した。外交の基本方針について、いち早く共通認識を持とうとするのは好判断だ。同盟やアジア情勢に関する日本の考え方に理解を直接求める意味は大きい。
 トランプ氏は、「米国第一」主義を掲げて、在日・在韓米軍の撤退をちらつかせ、駐留経費負担の大幅増額を求めてきた。日米貿易摩擦が激しかった時代から30年来の持論であり、本音だろう。
 外交アドバイザーのマイケル・フリン元国防情報局長官も、在日米軍の撤退は否定しつつ、日本の負担増を提起する考えを示す。
 歴代の米大統領が選挙中の公約を修正・撤回した例は多い。トランプ氏の一連の発言も選挙向けの側面があるのは確かだが、軽視するのは賢明ではあるまい。
 そもそもトランプ氏がどこまで日米同盟の実態を把握しているかは不明だ。日本は同盟国の中でも多額の経費を負担している。
 日米安全保障条約は、米国の対日防衛義務だけでなく、日本の基地提供を定めており、そのお陰で米軍は前方展開の拠点を確保している。同盟は非対称であっても、決して片務的ではない。
 日米同盟が「公共財」としてアジアの平和と安定に寄与することは、米国自身の安全や外交面の発言力の確保、貿易・投資を通じた経済的利益につながっている。
 トランプ氏が「偉大な米国の復活」を目指すなら、日米同盟の重要性を見過ごすべきではない。
 首相はトランプ氏との会談で、新たな日米同盟のあり方について率直に意見交換すべきだ。北朝鮮の核・ミサイル開発や、中国の独善的な海洋進出に、日米がどう共同対処するかも議論したい。
 日本政府が様々なルートを通じて、トランプ陣営の外交・安保担当スタッフと対話を重ね、信頼関係を深める努力も欠かせない。
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毎日新聞2016年11月12日 東京朝刊
社説:激震トランプ 保護主義へ傾斜 世界経済の足元揺らぐ


 米大統領に就任するドナルド・トランプ氏は貿易保護主義が持論だ。日米などが自由貿易圏を形成する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を表明し、中国などへの関税強化も訴えてきた。
 世界首位の経済大国が保護主義に傾斜すると、貿易が停滞する。各国の景気が冷え込んで、世界経済は足元から揺らぎかねない。それは米国の利益にもならないはずだ。
 トランプ氏は、米国がカナダ、メキシコと結んでいる北米自由貿易協定からの離脱もちらつかせた。中国に対しては、人民元を安値に誘導する為替操作国と認定し、45%の関税を課すと主張した。
 本来、自由貿易のメリットは大きい。関税が撤廃・削減されると、輸出が拡大する。輸出産業の雇用増も見込める。輸入国の消費者は製品や農産物を安く買える。経済のグローバル化は成長の原動力になる。
 一方、グローバル化は負の側面も伴う。海外の安い製品が大量に輸入されると、競争力を失った産業は衰退し、失業者が出る。
 トランプ氏は、鉄鋼業が廃れた米中西部などで保護主義を訴え、低所得層の支持を集めた。激戦州の多くを制する要因となり、グローバル化への不満が強いことを示した。
 グローバル化から取り残された人たちへの配慮は不可欠だ。だが、保護主義は問題の解決にならない。
 高率の関税で守っても、生産性の低い産業をさらに弱体化させるだけだ。貿易相手国が報復関税を課せば、通商紛争になりかねない。いずれも米国にマイナスだ。トランプ氏の目指す「最強の経済」と矛盾する。
 グローバル化による格差を是正し、経済の足腰を強めるには、新産業育成や就労支援など国内対策を充実させるべきだ。
 第二次世界大戦後、国際的な自由貿易体制の構築を主導したのは米国だ。戦後の世界経済の発展は自由貿易の成果だ。今年9月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議は、保護主義への反対を共同声明に明記した。米国も自由貿易で利益を得てきたからだ。
 TPPを推進したのも米国だ。オバマ政権は、アジア太平洋地域への輸出を拡大し、米国の成長を加速させると説明してきた。TPPの意義は、だれが大統領になっても変わらないはずだ。
 日本ではTPP承認案が衆院を通過し、参院で審議入りした。安倍晋三首相は「早期発効に向けた機運を高める」と強調した。17日のトランプ氏との会談では、自由貿易の重要性を説き、米国もTPPを承認するよう働きかけるべきだ。
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日本経済新聞 2016/11/12付
社説:株高でも警戒解けぬ「内向きの米国」


 米国の次期大統領に共和党ドナルド・トランプ氏の就任が決まったことを受け、金融市場の動きが激しくなっている。トランプ氏勝利が判明した直後はリスクを避ける動きが強まり、安全資産とされる円が急伸した。一転して翌日からはドル高・円安が進み日米の株価は上昇基調となった。
 投資家はトランプ氏の経済政策が米国の景気を刺激すると見ている。しかし「米第一主義」を掲げる同氏が貿易などの保護主義に走るのではないかとの懸念は強い。「内向きの米国」への警戒を解くわけにはいかない。
 大統領選を通じてトランプ氏は民主党ヒラリー・クリントン候補との感情的な言い争いに終始した。政策論が深まらなかったため、トランプ氏の経済政策は不透明感が強く整理されていない部分が多い。政策の実現可能性を見きわめなければならない。
 たとえば、トランプ氏は法人税率を引き下げるほかインフラ投資の拡大も掲げているが、財源をどのように確保するか、債務の拡大をどこまで許容するかといった問題は不明確だ。
 今のところ市場は財政赤字の拡大を予想し、米長期金利が上昇基調を強めている。ただ金利上昇は企業の借り入れの負担を増やすため、中小企業の投資活動などを抑える側面もある。
 またトランプ氏は金融機関への規制を緩和する方針を表明しているが、具体性に乏しい。そもそも「ウォール街寄り」とみられる政策が、同氏の中核的な支持層とされる低所得の白人に歓迎されるとは考えられない。
 トランプ氏が実際に保護貿易に傾けば日本企業のグローバル戦略に悪影響を与えかねない。円高の可能性は再び高まる。
 幸いにして日本企業は、1ドル=100円を突破するような急激な円高にならない限り、持ちこたえられる体質となっている。株主還元を厚くし、年金などの長期投資家との関係を強めておけば、市場が急変した場合でも振り回される必要はなくなる。
 日本の政官民のいずれもトランプ氏との有力なパイプを持っていない。同氏の周辺には金融業の専門家もいる。政府だけでなく民間レベルでも関係の構築を急ぎ、政策の真意などを探る必要がある。それが米経済にまつわる不透明感をぬぐい、市場を長期的に安定させることにつながる。
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産経新聞 2016.11.12 05:03
【主張】トランプ氏と環境 パリ協定に背を向けるな


 地球温暖化防止を目指して発効したばかりの「パリ協定」に、早くも異変の兆しが表れた。
 米大統領選での共和党のドナルド・トランプ氏の勝利である。同氏は選挙期間を通して、人類の産業活動による地球温暖化という認識を否定する言辞を重ねてきた。
 来年1月の大統領就任後も、この姿勢を貫くなら全世界が手を携えたパリ協定の効果が大きく薄らいでしまう。それどころか、枠組み全体が土台から崩壊しかねない。
 トランプ氏は「地球温暖化対策費は無駄遣いだ。その費用を社会資本に回すことで雇用を回復させる」と有権者に訴えてきたが、それは視野の狭い政策だ。
 健全な地球環境は、世界平和の基礎であり、人類の存続に不可欠な条件だ。この環境秩序の上に国々の発展を築くべきであり、温室効果ガスの大量排出国である米国は、その歩みを主導する一員であるべきだ。
 トランプ氏には過去の文明が環境破壊で自滅してきたことに思いを致してもらいたい。温暖化対策で頂点に立つ決断こそが「偉大なアメリカ」に通じる道である。
 石炭やシェールガスといった化石燃料は、将来の人類のためにも残しておかなければならない貴重な資源だ。安易に燃やして二酸化炭素の煙にしては、歴史に汚点を残すことになるだろう。
 一方、日本は「2030年度で13年度比26%減」という高い目標を掲げてパリ協定に参加しているが、原発の安全利用が一向に進まない現状に照らすと、達成の見込みは極めて疑わしい。
 安倍晋三政権が、それを承知の上で原発再稼働の遅れを傍観しているのなら、排出削減に背を向けているのと同じことだ。トランプ氏に温暖化問題で、もの申す資格はなくなる。
 米国のパリ協定離脱は何としても防ぎたい。協定の最重要要素は初の米中参加である。両国だけで世界の排出量の約4割を占める。米中は、低炭素社会の実現を目指す取り組みにおいて、良くも悪くも、駆動車の両輪なのだ。米国が後退すれば、中国の削減にもマイナス影響が及ぶ。
 現在、モロッコで国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が開催中だ。トランプ氏には米国だけでなく、世界全体の繁栄を希求してもらいたい。
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東京新聞 2016年11月12日
【社説】トランプのアメリカ(下) 辺野古移設、再考の時


 一九九六年の日米合意以来、二十年も膠着(こうちゃく)状態が続く沖縄の米軍普天間飛行場移設問題。米国の政権交代はこの問題を再考する絶好の機会だ。
 米国の対日専門家によると、米政府にはこんな危惧もある。
 普天間飛行場の移設に伴い、地元の反対を押し切って沖縄県名護市辺野古に新基地建設を強行することは、日米同盟を揺るがしかねない。政治的コストが高すぎて、同盟は持続可能なのか-。
◆沖縄米軍基地の脆弱性
 最近では米国の安全保障問題の専門家の間で、沖縄に集中する米軍基地が持つ脆弱(ぜいじゃく)性への懸念も出てきた。技術の向上著しい中国のミサイルの射程に沖縄が入るようになったからだ。
 有力軍事シンクタンクのランド研究所は昨年九月に出した報告書で、中国のミサイルが「最前線にある米軍基地からの効果的な作戦遂行に障害となる」とその脅威を指摘した。
 報告書は台湾有事を想定した場合、中国による太平洋地域の米軍基地へのミサイル攻撃では、二〇〇三年までは米国は「大きな優位」に立っていたが、一七年には「不利」に逆転すると評価した。
 中国は沖縄も射程に入れる短距離弾道ミサイルを約千四百発保有し、命中精度は五~十メートルの誤差に収まる。嘉手納基地は比較的小規模なミサイル攻撃でも数日間運用停止になり、集中攻撃を受ければ数週間の閉鎖に追い込まれる、と分析している。
 このため、フィリピンやベトナムなどとの軍事協力の強化や、太平洋地域での基地分散の必要性を提言した。
 今年一月には別の有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)は普天間飛行場の辺野古移設が「最善の選択肢」とする報告書を議会に提出した。
◆しがらみがないだけに
 報告書は同時に、嘉手納基地や韓国、グアムの計四カ所の主要空軍基地がミサイル攻撃に弱く「これらの基地が紛争の初期段階で機能不全に陥れば、戦闘能力回復に困難を伴う。脆弱性は不安定性でもある」という評価を下した。
 移設計画の見直しを唱える安全保障の専門家もいる。
 ジョージ・ワシントン大のマイク・モチヅキ教授らは六月、米紙に寄稿し、国と県による法廷闘争が決着するまでにはなお十年かかり、日本国内の基地反対の政治勢力はさらに強力になる公算が大きいとの見方を示した。
 そのうえで、在沖海兵隊(定員一万八千人)をグアムのほかに米本土カリフォルニア州にも移転し、三千人規模まで削減することを提唱した。
 そうすれば滑走路のある大規模な基地は不要となり、海兵隊キャンプ・シュワブ(名護市など)に埋め立てを伴わないヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)を新設することを代案として提案した。
 海兵隊削減によって抑止力が低下するとの懸念には、兵器を積んだ事前集積船を日本に停泊しておけば、有事には兵員を空路で急派することで即応できるとした。
 辺野古移設見直しには、既得権益を守りたい米軍の抵抗が強い。しかも、過去にいくたびも日米両首脳が確認を重ねてきた合意事項だ。そうした抵抗や重みをはねのけることができるのは最高指導者だけだ。
 日米両政府は「辺野古移設が唯一の解決策だ」と繰り返すが、トランプ氏は政治や軍事にしがらみがないだけに、そうした先入観はなく、思い切った決断ができるのではないか。
 もっとも、同盟関係の軽視をいうトランプ氏が、日米安保体制の解消に動くのならば、移設問題もおのずと消滅する。
 〇九年十一月に訪日したオバマ大統領は都内での演説で「米国は太平洋国家だ」と表明した。
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)に加盟する二十一の国・地域は、世界全体の国内総生産(GDP)の六割、人口は約四割を占める。オバマ氏はこの地域に関与していくことが米国繁栄の道だと判断。世界戦略の軸足をアジアに移す「アジア・リバランス(再均衡)」政策を打ち出した。
◆戦略的なアジア構想を
 その柱は環太平洋連携協定(TPP)と、海・空軍の全体の六割に当たる戦力を、二〇年までに太平洋地域に重点配備する米軍再編の両輪からなる。
 これに対し、トランプ氏は大統領就任当日にTPP離脱を表明すると言っている。TPP発効は難しくなった。
 それでも、米国が成長センターのアジアから後退するのは国益にならないという判断が米国では支配的だ。トランプ氏がその点を理解し、戦略性のあるアジア構想を描けば、地域の安定にもつながるだろう。
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北海道新聞  2016/11/12 08:55
社説:日米安保 安易で危うい同盟礼賛


 トランプ次期大統領の下でも日米の同盟強化は不変だとして、日本政府は早速米国への働きかけを強めている。安倍晋三首相は17日にニューヨークでトランプ氏と異例の就任前の会談を行う方向だ。
 両氏による先の電話会談で首相は「強固な日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定を下支えする不可欠な存在だ」と強調した。
 だが、トランプ氏は大統領選期間中、日本に米軍撤退をちらつかせて駐留経費の全額負担を求め、応じない場合の日本の核武装を容認するような論外の発言をした。
 発言の真意も確認しないまま、型通りに同盟関係を礼賛するのは安易で危うくないか。
 現在の日米安保体制には沖縄の過重な基地負担など多くの問題がある。そのことを次期政権に伝え誤った認識を改めさせ、同盟のあり方を根本から議論するべきだ。
 米軍が日本を守ってあげているのに日本が応分の負担や貢献をしていないとの、いわゆる「安保ただ乗り論」は米国世論に以前からくすぶっている。
 安倍政権が集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制を整備したのも、こうした背景から米側の要求に応えた側面が強い。
 そして、「米国第一」を掲げるトランプ氏が当選した。
 米側が日本に軍事、財政両面で一層の負担増を求める可能性は現実にあるだろう。米軍撤退に言及したのも要求をのませる駆け引き材料とみるべきだ。型破りなトランプ流に惑わされてはならない。
 在日米軍への「思いやり予算」は本年度から5年間で9465億円と、過去5年と比べ133億円増額された。さらなる負担増など到底受け入れられない。
 首相は最初の会談で、この点を明確にしなければならない。
 また、安保法制は違憲の疑いが拭えず、自衛隊が日本の平和や安全と無関係の「米国の戦争」にまで巻き込まれる危険がある。
 首相がトランプ氏に対し、安保法制についてこれまでのように「同盟の絆は強まった」などと自賛すれば、「日本は何でも要求に応えてくれる国」との過剰な期待感を抱かせかねない。
 そもそも米軍の日本駐留は、安保条約上の日本防衛義務だけでなく米国の世界戦略の一環として日本が基地を提供してきたものだ。
 日本として米次期政権に伝えるべきは、基地の負担を沖縄に背負わせてきた歴史であり、普天間飛行場の辺野古移設や日米地位協定の見直しを迫ることである。
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西日本新聞 2016年11月12日 10時50分
社説:米大統領選余波 ポピュリズムに警戒せよ


 米大統領選でトランプ氏が徹底したポピュリズム(大衆迎合主義)の手法で当選したことは、欧州など世界各地で台頭するポピュリズム型政党を勢いづけそうだ。ポピュリズムの負の側面を注視し、警戒する必要がある。
 ポピュリズムとは、民衆の利益や不満、恐れを利用して、既存エリートの体制側と対決し、権力を得ようとする政治姿勢のことだ。
 大統領選でトランプ氏は、自らを既存支配層の部外者とアピールした。格差の拡大に怒り、移民の増加に不安を抱く白人中間層をあおり立て、支持に結び付けた。典型的なポピュリズムである。
 社会のひずみにあえぐ市民が、その窮状を改善してくれない既存エリート層に反発するのは当然であり、時としてそれはまっとうな社会変革の原動力となる。
 しかし、ポピュリズムの問題点は、しばしば差別意識や偏狭なナショナリズムなど、社会の負のエネルギーと結び付いて増大することだ。トランプ氏も差別的発言やデマを交えて有権者を扇動した。
 こうした風潮が横行すれば、言論が荒れて民主主義が劣化する。少数派が抑圧され、社会の分断が進む。副作用は限りなく大きい。
 英国では6月の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したが、離脱派政治家がデマの多い公約で支持を集めたと指摘された。移民流入が社会問題化する欧州では移民排斥を掲げる極右政党やEU懐疑派が勢いを増しており、こうした政党の多くはトランプ氏勝利を歓迎する姿勢を示している。
 日本でも最近、沖縄の基地反対派を「土人」と呼んだ機動隊員を、政治家が擁護するような言動があった。差別発言を容認する風潮はポピュリズムを助長する。
 市民の正当な怒りを、前向きな社会変革のエネルギーにするためには、既存の政党や政治家たちの反省と自己改革が必要だ。普段は声の小さい市民の中に歩み入り、その苦しみに共感しながら地道に解決策を積み上げていくしかない。それを怠ったときに、ポピュリズムの嵐が社会を襲うだろう。
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