2016-11-19(Sat)

JR北海道 鉄道網 路線の半分「維持困難」 

もはやJRに任せられぬ /13区間千キロ超 15年後は半減か 

----北海道の公共交通機関としての役割を果たすことができない―。
そう吐露したと受け止められても、仕方がなかろう。
 
JR北海道はきのう、JR単独での維持が困難な路線を発表した。
バス転換を提案する3区間を含め10路線13区間の計1237キロ。
道内鉄道網の半分に及ぶ。
 
今後、線路や駅舎など鉄道施設を自治体が所有する上下分離方式を軸に地元協議に入るという。
 
自治体の財政事情は厳しい。
議論が平行線をたどれば、鉄路半減が現実味を帯びる。
 
もはや、JRだけに解決策を求めても事態の打開は難しい。
JRの経営努力が不可欠なのは当然だが、鉄道の維持を北海道の地域政策としてとらえるべきだ。
 
そのためにも、国や道には主体的な関与を求めたい。
(北海道新聞 社説 2016/11/19)

北海道新聞) 北海道の鉄道網 もはやJRに任せられぬ(11/19)




以下引用

JR北海道HP
最新のプレスリリース
2016.11.18
当社単独では維持することが困難な線区について
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161118-3.pdf
当社単独では維持することが困難な線区について(PPT版)
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161118-4.pdf
当社のこれまでの経営改善の取り組みについて
https://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/161118-1.pdf

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北海道新聞 2016/11/19 07:00
社説:北海道の鉄道網 もはやJRに任せられぬ


 北海道の公共交通機関としての役割を果たすことができない―。そう吐露したと受け止められても、仕方がなかろう。
 JR北海道はきのう、JR単独での維持が困難な路線を発表した。バス転換を提案する3区間を含め10路線13区間の計1237キロ。道内鉄道網の半分に及ぶ。
 今後、線路や駅舎など鉄道施設を自治体が所有する上下分離方式を軸に地元協議に入るという。
 自治体の財政事情は厳しい。議論が平行線をたどれば、鉄路半減が現実味を帯びる。
 もはや、JRだけに解決策を求めても事態の打開は難しい。
 JRの経営努力が不可欠なのは当然だが、鉄道の維持を北海道の地域政策としてとらえるべきだ。
 そのためにも、国や道には主体的な関与を求めたい。
■道東北に広がる空白
 左の地図を見てほしい。JRが単独で維持できるとする路線だ。道東北に白い部分が目立つ。
 JRの具体的な計画はこうだ。
 単独維持困難路線のうち、札沼線北海道医療大学―新十津川間、根室線富良野―新得間、留萌線深川―留萌間はバス転換する。
 いずれも1キロ当たりの1日平均輸送人員を示す輸送密度が200人未満である。
 宗谷線名寄―稚内間、石北線新旭川―網走間など輸送密度2千人未満の区間については自治体と協議し、経費削減や利用促進で収支改善を図った上で、上下分離方式を模索する。
 北海道新幹線の札幌延伸時は並行在来線の函館線函館―小樽間も経営分離される。
 鉄路を維持するという部分のうち宗谷線旭川―名寄間、根室線帯広―釧路間は、第三セクターの北海道高速鉄道開発がすでに線路などを保有しており、当面は存続の方向となる。
 しかし、これではもう鉄道網とは呼べまい。
 過疎化が進む北海道で鉄道経営の難しさがあるのは確かだ。高速道路などが整備され、マイカーや都市間バスの利用も増えている。
 鉄道事業の赤字を穴埋めするはずの経営安定基金も、金利低下で運用益が大きく目減りしている。経営が厳しいのは分かる。
 だからといって、今日の状況につながった問題からも目をそらすわけにはいかない。JRがこれまで十分な安全投資を行ってこなかったことである。
 2011年に石勝線で起きた特急脱線炎上事故は記憶に新しい。貨物列車の脱線、レールの検査データ改ざんなど不祥事も続いた。
 これも、利用を低迷させた要因だろう。公共交通機関としての当然の対応を怠り、つけを道民に回すやり方は理解を得られるのか。
 きのうの記者会見で島田修社長は「民間企業の事業として担えるレベルを超えている。地域の人と相談させてほしい」と今後の交渉に期待を込めた。
 だが、路線維持に自治体の協力を求める以上、JR自身が資産売却など身を削る努力が必要だ。
■国、道も積極関与を
 過疎化が廃線をもたらすのか、廃線になると過疎化が進むのか―。議論は分かれるが、廃線で地方の衰退が加速するのは確かだ。
 例えば、1989年に名寄線が廃止された紋別市だ。89年に約3万人いた人口は現在2万3千人まで落ち込んでいる。
 漁業の衰退なども背景にあるとはいえ、廃線がまちづくりに影響を与えたのは間違いない。
 こうした状況を打開するには、まちづくりの視点で鉄道をとらえ直すしかない。
 鉄路は生活を支えるばかりでなく、貨物輸送、観光客を呼び寄せる重要な道具である。しかも駅の多くは、商店街の核にもなっている。こうした価値を再認識し、支援策を検討する必要がある。
 中心的な役割を担うべきは全道を見渡す立場にある道だ。まず、道内の交通体系の全体像の中で鉄道のあるべき姿を描き出す。その上で、住民の不安を解消するような具体策を考えるべきだ。
 国の責任も重い。87年の国鉄分割民営化時から、北海道で1社が単独で営むことに無理があるとの指摘はあったからだ。
 石井啓一国土交通相は記者会見で、これから始まる協議に国も参加するとの姿勢を明らかにした。
 ならば、道路に偏っている現在の交通政策を、鉄路を含めた枠組みに練り直すべきではないか。国費投入の検討も急務だ。
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朝日新聞デジタル2016年11月19日05時06分
JR北海道、路線の半分「維持困難」 13区間千キロ超
http://digital.asahi.com/articles/ASJCL5VPZJCLUTIL05X.html
高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」が撮影されたJR根室線幾寅(いくとら)駅は台風被害で運休が続き代替バスが走る。今後、バス転換も協議される=16日、北海道南富良野町、長谷川潤撮影


 JR北海道は18日、全路線の営業距離の約半分にあたる10路線13区間(1237・2キロ)について、もはや自社単独では維持できないと正式発表した。人口減少や自動車利用への転換で、利用客が減っているためだ。同社に限らず、全国の地方路線も苦境にあえぐ。
 「将来にわたり路線維持することは困難だ。民間企業の事業として担えるレベルを超えている」。JR北の島田修社長は18日の会見でこう述べ、発足から30年目に、同社として最大規模の路線縮小に踏み込むことに理解を求めた。
 見直し対象の13区間は昨年度の1日1キロあたりの平均乗客が2千人未満。200人未満の3区間は1列車の平均乗客が10人と特に少なく、バスへの転換を協議する。残る10区間も駅の廃止や運賃値上げ、自治体に線路維持を任せ、JRは運行に専念する「上下分離方式」などを協議する。いずれも2020年春までに合意を目指す考えだ。
 沿線人口の減少で乗客も減った一方、高速道路は30年で6・5倍に延びた。赤字の穴埋めとなる「経営安定基金」の運用益はピーク時より半減。投資が不十分で特急の脱線炎上事故などトラブルも相次いだ。昨年度は全14路線が赤字、今年度の営業赤字は過去最大の440億円と予想する。安全投資などで国から1800億円の支援を受けるが、「バケツに穴の開いた状態」(島田社長)だ。返済にも事欠く可能性が迫り、赤字路線の大幅な削減を迫られた。
 協議の相手となる自治体は道内の約3割の56市町村にのぼる。大半が財政難で、バス転換や応分の負担を求められることに早速身構えている。高橋はるみ知事は18日、「大きな危機感を持って受け止めている。JR北海道は、徹底したコスト削減など最大限の自助努力を進め、拙速な対応をしないよう強く求める」との談話を出した。(上地兼太郎、花野雄太)
■人口減・車利用…全国で苦境
 地方の鉄道は全国的に厳しい。国土交通省の集計では、廃線が許可制から事前届け出制に変わった2000年度以降、38路線754・4キロが廃止された。ほとんどが地方の路線だ。人口減少や自動車利用へのシフトが背景にある。
 中小民営鉄道などの「地域鉄道」は96あるが、昨年度、71事業者が鉄軌道事業で経常赤字だった。JRも「3島会社」と呼ばれる北海道、四国、九州はローカル線が多く事情は同じだ。
 「廃線や上下分離、運賃の値上げなど、あらゆるケースを考える必要がある」(10月、JR四国の半井真司社長)、「(不採算路線の維持について)絶対という言葉を使わない」(9月、JR九州の青柳俊彦社長)など、将来的な廃線を否定しない発言が相次ぐ。JR西は島根県江津市と広島県三次市を結ぶ三江線(108・1キロ)を18年春に廃止すると表明した。
 だが、地元の路線存続の要望は強く、事業者は工夫を凝らす。
 「うちは限界集落ならぬ『限界鉄道』。ぬれ煎餅(せんべい)で列車を走らせている」と銚子電鉄(千葉県銚子市)の竹本勝紀社長は言う。
 鉄道利用客は昭和20年代には約240万人いたが、いまは約40万人。昨年度の鉄道事業の収入1億1千万円に対し、支出は1億9千万円だった。ぬれ煎餅など食品関係事業の売り上げが3億8千万円あり、鉄道事業の赤字を補っている。昨年は駅の命名権も販売。地域との連携にも力を入れ、高校生や病院などの協力を得て、お化け屋敷列車や電飾列車、糖尿病予防のキャンペーン列車も走らせた。取り組みの結果、今年度は2割以上、乗客が増えている。竹本社長は「ローカル線は地域の宝。生き残るには、地域と手を携えて、他がやっていないことをやるしかない」。
 三毛猫「たま」の駅長就任で知られた和歌山電鉄(和歌山市)。南海電鉄から運行を引き継ぐ前年の05年度の利用客は約190万人だったが、今は約230万人に増えた。ローカル線再生の代表例とされることもあるが、沿線自治体の補助金がないと赤字になる可能性があるという。
 和歌山電鉄社長の小嶋光信・両備グループ代表は「ローカル線がなくなれば地域は孤立、消滅し、地方が滅んだ上に日本は存在しえない。だが、交通事業者に赤字で維持しろというのは無理な話だ。国、自治体、市民と事業者が一体で支える構図と、それを可能にする財源が必要だ」と指摘する。
 国は地域鉄道に、安全に関わる設備投資などの3分の1を補助している。さらに、自治体と鉄道会社が共同で路線存続の計画をつくり、国交省が路線存続の計画を認定し、補助率を2分の1に上げる制度もある。
 石井啓一国交相は18日、JR北の方針を受け「地域の持続可能な交通体系について考えることが必要。国としても協議に参画し、何ができるか検討したい」と述べた。(石山英明、伊藤嘉孝)


毎日新聞2016年11月19日 08時12分
JR北海道 資金不足限界に 維持困難路線5割公表
 在来線の総延長の約5割を「維持困難な路線」と公表したJR北海道。その背景には、経営安定基金の運用低迷に加え、安全投資負担が重くなったことがある。国鉄分割民営化で発足したJR「3島会社」のうち九州は株式上場を果たし、明暗が分かれた格好だ。【野原寛史、藤渕志保】
 「民間企業として維持できるレベルを超える路線は赤字削減や路線のあり方を相談させてほしい」。18日、札幌市内で記者会見したJR北の島田修社長は苦渋の表情で自治体に協力を求めた。
 過疎化が進む広大な北海道で、JR北の経営難自体は1987年の発足当初から予想された。このため国は6822億円の経営安定基金を設け、高い利率の運用による赤字補填(ほてん)を狙った。しかしバブル崩壊後に運用益は減少し、当初見込みとの差額は来年度で累積約4500億円に上る見通しだ。これまで資産売却などでしのいだが、限界に達している。不動産事業などの多角化も、JR九州ほどの成功には至らなかった。
 資金不足は安全面にしわ寄せされ、2011年には石勝線で特急列車の脱線炎上事故、13年には函館線で貨物列車の脱線事故が発生し、その後レール検査データ改ざんも発覚。利用者の信頼を失い、安全投資でさらに資金不足となる悪循環に陥った。老朽化した車両やトンネルなどの修繕を含む安全投資には16年度以降、毎年350億円必要で、道内を今夏に襲った台風被害も追い打ちとなった。
 今後、JR北は沿線自治体と路線維持の費用負担などを協議。自治体が鉄道施設を保有する「上下分離」方式も検討する。しかし、自治体は「公共交通を採算性だけで判断すべきではない」「自治体財政も厳しく負担はできない」と反発の声が上がる。
 見直し対象となった日高線沿線の新ひだか町の酒井芳秀町長は「路線区間ごとの協議は地域格差も生む。道全体の問題として、道や国の責任で将来を見据えた振興策を検討すべきだ」と指摘した。
 JR四国をはじめ、JR他社も地方に多くの赤字路線を抱える。地域の公共交通をどう整備し、誰が費用を担うのか。JR北の苦境は、北海道だけにとどまらない、重い課題を突きつけている。


日本経済新聞 2016/11/19 7:00
JR北、維持困難な線区を公表 沿線自治体に反発も
 北海道旅客鉄道(JR北海道)は18日、単独で維持が難しい10路線13線区を公表、沿線自治体とバスへの転換などを前提とした協議を始めると発表した。日本経済新聞社が沿線自治体を対象に行ったアンケートでは「線区の現状維持を前提に、相手の提案を聞く」と回答した自治体が65%を占めた。多くの自治体が「現状維持」を前提に交渉を進める立場を示した形で、廃線や自治体負担の拡大による負担軽減を目指すJRにとって、難しい交渉になりそうだ。
 アンケートは13線区の沿線自治体のうち、すでにJRと石勝線夕張支線の廃止で合意した夕張市を除いた55市町村を対象に16~18日に実施した。有効回答を得た44市町村について集計し、具体的な対応などについて個別に問い合わせも行った。
 町内を走る根室線の富良野―新得間がバス転換の対象と位置づけられた南富良野町は「富良野市への公共交通手段がJRしかなく、鉄道は必要」との立場だ。一方、住民の利便性が高まるなら条件次第で応じる用意があると回答した。同じ沿線の富良野市と新得町はバス転換について「わからない」との回答だった。
 同様にバス転換対象の札沼線北海道医療大学―新十津川間では、月形町が「応じられない」と強い拒否の姿勢を示した。留萌線深川―留萌間の4市町はバス転換についていずれも「わからない」と回答した。
 3線区のほか、JR側は9線区で「上下分離」方式を検討することを表明。対象となる線区の沿線自治体の回答数(34)の過半にあたる19の自治体が「応じられない」とした。
 この方式は線路など施設を自治体側が保有するため、重い自治体負担が生じる可能性がある。「莫大な地域負担が生じる上下分離は到底無理。現実的ではない」(芦別市)など、協議前から自治体側には強い反発が生じている。
 赤平市も上下分離には「施設の保有は相当な負担になる」として応じられないとの立場だ。ただ、「いまはJRを資金補助するシステムがない。条件次第で検討課題になる」としている。
 今後の存廃を巡る議論は難航が予想される。JR北海道は9月、昨年1月から運休が続く日高線の沿線自治体に上下分離などを提案したが、自治体側はこれを拒否した。「日高線は2年放置された。同じ赤字路線でもすぐに復旧する路線があるのは理解に苦しむ」(浦河町)など自治体側のJRへの不信感も根強い。
 国への不満も強い。日高線沿線の厚真町は「もともと国の財産なのに、議論に国が不在なのはおかしい」と批判。宗谷線沿線の美深町は「地方単独の問題ではなく、国土全体の問題として捉えてもらう必要がある」と指摘し、路線の存廃問題を事業者と地域だけに委ねることに疑問を示した。
 JR北海道の発表を受けて、釧路市の蝦名大也市長は「道から今後の鉄道のあり方に関する方針が示されないなかでは、地域個別の議論にはならない」とコメント。根室市の長谷川俊輔市長は「JR北海道の赤字を、赤字路線の見直しだけで解消しようとする方針は慎重に判断すべきだ。さらなる経営努力を求めたい」と注文を付けた。


日本経済新聞 2016/11/18 19:20
JR北海道、全路線の半分「維持困難
 経営が悪化している北海道旅客鉄道(JR北海道)は18日、利用者の減少などで単独では維持が困難な10路線13線区を発表した。合計1237.2キロメートルと現在の営業路線のおよそ半分。1987年の民営化以降で最大のリストラとなる可能性がある。沿線自治体と協議を始めるが強い反発が予想される。農産物輸送や観光など地域経済への影響は避けられない。
 道内の路線は札幌市周辺の一部区間を除きほぼ全線が赤字で、中でも今回の13線区は特に利用者が少ない。そのうち100円を売り上げるのに1854円の経費がかかる根室線の富良野―新得間など、1キロメートルあたりの1日の平均輸送人員が200人未満の3線区は廃止し、バスへの転換を沿線自治体に提案する。9線区では自治体が鉄道施設を保有し運行を同社が担う上下分離方式などを提案する。石勝線の新夕張―夕張間はすでに夕張市と廃止で合意している。
 島田修社長は同日の記者会見で「環境の変化に向き合わねばならない」と強調した。道内人口は2015年までの25年で5%減り、とりわけ札幌市周辺以外の地域は17%減となった。JR発足時に計167キロだった道内の高規格道路は約1100キロに達し、自動車へのシフトが進んでいる。
 17年3月期は18期連続の営業赤字となり、赤字幅は過去最大の440億円に拡大する見通し。9月末の手元資金(単体)は68億円と底をつく寸前で、このままでは安全対策や路線の維持費用を捻出できない。資産売却などの合理化策を打ち出してきたが補えず、路線そのものにメスを入れる。
 島田社長は「このままだと19年度中に大変厳しい経営状況に陥る。この時期を念頭に合意形成を図りたい」と話した。ただ、見直し対象路線の沿線自治体は56にのぼる。通勤・通学など生活に果たす役割も大きく、協議は難航が予想される。
 実際に廃止などが進めば、地元経済への影響は大きい。タマネギを多く生産するきたみらい農業協同組合(北見市)は「(見直し対象の)石北線は農産物を送り出す物流の生命線。トラックでは運びきれない」と話す。
 鉄道は改修や安全管理などの固定費がかさむため、人口減が続く地方では維持が難しくなっている。西日本旅客鉄道(JR西日本)は9月、広島県三次市と島根県江津市を結ぶJR三江線を18年春に廃止することを決めた。


NHK 11月18日 14時16分
路線の半分は単独維持が困難 JR北海道が正式発表
赤字路線が経営の重荷になっているJR北海道は、路線全体のおよそ半分にあたる13の区間について単独では維持が困難だと正式に発表しました。JRは、鉄道を維持する場合の費用負担について自治体と協議したい意向ですが地元の反発は強く、今後、路線の見直しがどこまで進むかが焦点です。
人口減少に伴う利用客の減少などを背景に厳しい経営状況が続くJR北海道は18日、島田修社長が記者会見して赤字路線の見直しについて正式に発表しました。
 それによりますと、1キロ当たりの1日の平均利用客が200人未満と特に利用が少ない留萌線の深川・留萌間など、3つの区間について、「ほかの交通手段のほうが適している」として、鉄道を廃止してバスなどに転換することを地元と協議するとしています。
さらに、利用客が2000人未満の路線のうち、宗谷線の名寄~稚内間など8つの区間は、鉄道は維持したいものの単独では費用を賄えないとして自治体が施設を保有してJRは運行に専念する、「上下分離方式」などを含め、費用負担について地元と検討を始めたいとしています。
 このほか、すでに廃止が決まっている区間などを合わせると、路線全体のおよそ半分にあたる13の区間、合わせて1200キロについて今後、単独では維持が困難だと位置づけています。
 これらの路線の見直しは北海道の鉄道網を大きく変えることになるうえ、地元の自治体からは、バスへの転換や鉄道の維持のための費用負担に対して強い反発が出ていて、今後、見直しがどこまで進むかが焦点となります。
JR北海道社長「課題に向き合う必要」
記者会見でJR北海道の島田修社長は、赤字路線の見直しの背景として、「国鉄改革から30年が経過しようとする中で急速に進む人口減少と、札幌1極集中などの環境の変化、土木構造物の更新の課題に直面している。安全な鉄道輸送サービスのために構造的な課題と真正面から向き合う必要がある」と述べました。

SankeiBiz- 2016.11.19 06:01
JR北海道、今期過去最悪の経常赤字 民営化時に支援した国は静観
 ■「地元と議論尽くして」
 JR北海道が追い込まれた末に一策を講じたが、事業の見直しで単独維持が困難とされた路線の存続を求める地元関係者は多く、民営化を進めた国は静観する構えだ。経営を安定させるため基金を設立するなど民営化時に十分な支援をしたとの判断がある。国土交通省幹部は見直し策の成否について「まずはJR北海道が地元とひざ詰めで議論を尽くし、経営改善への道筋を示してもらいたい」と述べ、当面は見守る姿勢だ。
 国は1987年の国鉄民営化に際し、経営基盤が弱かったJR四国、九州を含む「三島会社」の経営を安定させるため基金を設けた。運用益で赤字が見込まれる鉄道事業を穴埋めするのが目的だったが、バブル崩壊後の低金利が響き、狙い通りの運用益にはならなかった。
 今回表明した事業の見直しが計画通りに進展しなければ「資金繰りが危ぶまれる」(鉄道関係者)とされる。ある銀行幹部は営業エリアが隣接するJR東日本による経営支援を期待する。東日本関係者は「株主の反対が必至だ」と強く否定し、現時点で実現性は乏しい。
 石井啓一国交相は18日の閣議後の記者会見で「関係者の話し合いが円滑に進むよう役割を果たす」と述べ、当事者はJR北海道と地元関係者だとする考えを示した。


北海道新聞 11/19 07:00
10路線13区間、維持困難 JR北海道が正式発表 全線の半分
 JR北海道の島田修社長は18日、記者会見を開き、「JR単独では維持が困難な路線」を10路線13区間とし、抜本的な見直しを進めると正式発表した。台風被災で一部不通となっている根室線富良野―新得間など3路線3区間には廃線を伴うバス転換を提案するほか、石勝線新夕張―夕張間はすでに廃止で合意。石北線など7路線9区間については、鉄道施設の一部を自治体が所有する「上下分離方式」などを軸に地元と協議する。2019年度末までに合意形成を図りたい構えだが、多額の財政負担を迫られる自治体との協議は難航が予想される。
 10路線13区間は現在の全営業区間の半分に当たる計1237・2キロで、1987年の同社発足以来最大の構造改革になる見通しだ。
 安全投資や経営安定基金の運用益減少などで経営が苦しいJRは、国の支援金を受けて資金繰りを続けてきた。島田社長は会見で「国の支援も税金。『バケツに穴が開いた』状態のまま税金を入れ続けると借金が膨らみ、民間の融資も受けられなくなる」と危機感をあらわにし、鉄路の存続には大胆な見直しが不可欠との認識を強調した。


レスポンス 2016年11月18日(金) 16時30分
JR北海道鉄道網、15年後は半減か…維持困難路線を正式発表
 過疎化に伴う利用者の減少や、相次ぐ事故や災害の影響による経費の増加で経営が悪化しているJR北海道は11月18日、利用者が少ない13線区の計1237.2kmについて「当社単独では維持することが困難」と正式に発表した。同社は鉄道の廃止や上下分離方式の導入などの協議を沿線自治体と進める方針。
 発表によると、13線区は1日の平均通過人員(旅客輸送密度)が2000人未満。このうち輸送密度が200人未満となっているのは5線区で、災害運休中の日高本線鵡川~様似間と、沿線自治体が廃止に同意している石勝線夕張支線は、既に協議を開始している。
 札沼線の北海道医療大学~新十津川間など残る3線区も、列車1本あたりの利用者数が平均10人前後と少なく、100円の収入を得るために必要となる費用の金額(営業係数)は1000を大幅に超えている。運営上の赤字とは別に老朽化した土木構造物の更新も必要で、今後20年間で58億円程度の維持更新費が必要になる見込みだ。こうしたことからJR北海道は、3線区について「持続可能な交通体系とするために、バス等への転換について地域の皆様と相談を開始したい」としている。
 宗谷本線の名寄~稚内間など旅客輸送密度が200~2000人の8線区も営業係数が300~1000程度で、単独での維持は困難とした。ただ、特急列車による都市間輸送や観光客の利用もあり、利用者の少ない駅の廃止や運賃の値上げなどのほか、運行会社と鉄道施設の保有会社を分ける上下分離方式の導入も視野に入れて「地域の皆様と(中略)相談を開始したい」とし、鉄道を維持したい考えを示した。
 一方、「鉄道でなければ輸送を担えない」札幌圏や旅客輸送密度が4000人以上の線区など計11線区1150.7kmは「当社単独で維持可能な線区」とした。これらの線区でも老朽化した土木構造物が多く、維持更新には多額の費用がかかることから、国や自治体などの補助制度を活用するなどして鉄道を維持するとしている。
 ただし、11線区のうち、第三セクターの北海道高速鉄道開発が設備の一部を保有している2線区は、「当面は当社で維持」するとしつつ持続的な維持は難しいとし、「北海道高速鉄道開発との関連で検討してまいりたい」とした。JR北海道は北海道高速鉄道開発の出資自治体に維持費の増額を要請するものと見られる。
 JR北海道が示した維持困難線区と維持可能線区は以下の通り。仮に単独維持が困難な線区が全て廃止され、北海道新幹線の札幌延伸開業と並行在来線の経営分離が予定通り実施された場合、JR北海道の営業距離は2030年度末時点で約1150kmになるとみられ、現在(2568.7km)より半分以上減ることになる。

■単独維持が困難(輸送密度200人未満・バス転換を軸に協議)
札沼線 北海道医療大学~新十津川 47.6km
根室本線 富良野~新得 81.7km
留萌本線 深川~留萌 50.1km

■単独維持が困難(輸送密度200~2000人・上下分離方式の導入などを軸に協議)
宗谷本線 名寄~稚内 183.2km
根室本線 釧路~根室 135.4km
根室本線 滝川~富良野 54.6km
室蘭本線 沼ノ端~岩見沢 67.0km
釧網本線 東釧路~網走 166.2km
日高本線 苫小牧~鵡川 30.5km
石北本線 新旭川~網走 234.0km
富良野線 富良野~旭川 54.8km

■単独維持が困難(既に協議を開始)
石勝線(夕張支線) 新夕張~夕張 16.1km ※沿線自治体が廃止に同意済み
日高本線 鵡川~様似 116.0km ※災害運休中

■単独維持が可能(札幌圏または輸送密度4000人以上)
石勝線・根室本線 南千歳~新得~帯広 176.2km
室蘭本線 長万部~東室蘭 77.2km
室蘭本線 室蘭~苫小牧 65.0km
函館本線 岩見沢~旭川 96.2km
札沼線 桑園~北海道医療大学 28.9km
函館本線 札幌~岩見沢 40.6km
函館本線 小樽~札幌 33.8km
千歳線・室蘭本線 白石~沼ノ端~苫小牧・南千歳~新千歳空港 68.0km

■単独維持が可能(北海道高速鉄道開発が一部施設を保有)
宗谷本線 旭川~名寄 76.2km
根室本線 帯広~釧路 128.3km

■単独維持が可能(新幹線)
北海道新幹線 新青森~新函館北斗~札幌 509.1km(新函館北斗~札幌間は工事延長) ※新函館北斗~札幌間は2030年度末開業を想定

■その他
函館本線 函館~長万部~小樽・大沼~渡島砂原~森 287.8km ※北海道新幹線新青森~札幌間開業時に経営分離予定
留萌本線 留萌~増毛 16.7km ※2016年12月4日限りで廃止予定《草町義和》


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