2016-11-20(Sun)

博多道路陥没事故 土木研究所で原因究明へ

それでもNATMで掘った理由 直前に設計変更するも防げず


博多陥没、それでもNATMで掘った理由
---11月8日未明、福岡市のJR博多駅前で起こった大規模な陥没事故。地表から深さ約20mの地下では当時、NATMと呼ぶ工法で地下鉄七隈(ななくま)線のトンネルを掘削していた。設計や施工の段階で想定していたリスクとその対策は妥当だったのか、検証していく必要がある。
 高い地下水位や薄い岩かぶり。こうした地盤条件に対して、工法の選択に問題はなかったのか――。日経コンストラクションの取材で、NATMを採用した経緯と理由が明らかになってきた。
(日経コンストラクション)


博多陥没、直前に設計変更するも防げず
----JR博多駅前で発生した陥没事故。現場で地下鉄工事をしていた大成建設・佐藤工業・森本組・三軌建設・西光建設JVは、事故が起こる2カ月前、トンネルが崩壊するリスクに備えて設計変更していたことが分かった。有識者から成る福岡市の建設技術専門委員会に諮り、2016年8月末に決定した。事故当時は、変更を踏まえて施工していたとみられる。
(日経コンストラクション)

博多道路陥没/土研で原因究明へ、石井啓一国交相表明/地下鉄工事安全確保の充実を
----福岡市の市営地下鉄七隈線の延伸工事区間で発生した道路陥没をめぐり、石井啓一国土交通相は16日の衆院国土交通委員会で、同省が所管する土木研究所原因究明に当たる方針を表明した。高島宗一郎福岡市長が第三者による原因究明を国交省に要望。これを受け同省は市に全面協力する。石井国交相は原因究明と再発防止策の検討を通じて「地下鉄工事の安全確保の充実に努める」と強調した。
(日刊建設工業新聞)

博多陥没:官民挙げて総力戦…現場地層、想定外の変化?
----福岡市のJR博多駅前の大規模陥没事故で、現場道路が発生から1週間で復旧した裏には、作業員延べ1000人余りを動員した官民挙げての総力戦があった。焦点は原因究明に移るが、要因となった地下鉄七隈線延伸工事を施工した共同事業体代表の大成建設は現場の地層に予想外の変化があったことを明らかにした。工法や施工管理が適切だったかもポイントとなりそうだ。
(毎日新聞)




以下引用

日経コンストラクション2016/11/14
博多陥没、それでもNATMで掘った理由
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/cntnews/15/111300589/
 11月8日未明、福岡市のJR博多駅前で起こった大規模な陥没事故。地表から深さ約20mの地下では当時、NATMと呼ぶ工法で地下鉄七隈(ななくま)線のトンネルを掘削していた。設計や施工の段階で想定していたリスクとその対策は妥当だったのか、検証していく必要がある。
 高い地下水位や薄い岩かぶり。こうした地盤条件に対して、工法の選択に問題はなかったのか――。日経コンストラクションの取材で、NATMを採用した経緯と理由が明らかになってきた。
P)事故前日のトンネル工事現場。視察に訪れていた福岡市議が偶然、撮影していた。この時点で大量に出水するなどの異常はなかったという。撮影から約14時間後、重機がある付近で先進導坑を拡幅している際に崩落した(写真:調 崇史)
P)NATMの概要。もともと山岳トンネル用に開発された工法だが、近年は比較的軟弱な地盤が広がる都市部のトンネルにも使われるようになってきた。支保工を密に配置したり、内部に巻き立てるコンクリートを厚くしたりして変形を抑える(資料:福岡市)
 NATMとはNew Austrian Tunneling Methodの略。もともと山岳部などにある硬い岩盤質の地盤にトンネルを掘る工法として開発された。NATMによるトンネル掘削の一般的な手順は以下の通りだ。
 まず、トンネルの断面を掘削した後、壁面や天井面にコンクリートを吹き付ける。トンネルの内周を補強するとともに、落石などを防ぐ役割がある。断面に沿って、支保工と呼ぶ円弧上のH形鋼などを建て込む場合もある。
 次に、トンネル内から地山に向かって、ロックボルトと呼ぶ鋼材を放射状に打ち込む。地山を補強する効果があり、トンネル全体の変形や崩落を防ぐ。ロックボルトは周辺の地山を縫い付けて安定させる「画びょう」や「くぎ」だと考えると理解しやすい。最後に、トンネル内部を覆工コンクリートで巻き立てる。
 掘ったトンネルが崩れないように、トンネル内部からコンクリートやH形鋼で固めるだけでなく、地山全体で支えるようにするのがNATMの特徴だ。
「東京や大阪の都心ではリスクが高すぎる」
 半面、NATMには欠点もある。何らかの原因で地山がトンネルの空間を支えられなくなると、一気に崩壊してしまう恐れがある。
 今回の事故の詳細な原因は不明だが、こうして崩れたトンネルに大量の土砂や地下水が流れ込み、道路に直径約30mもの大きな陥没穴が生じたとみられる。
P)大きく陥没した道路。正面奥はJR博多駅。事故当日の8日午後3時40分ごろに撮影。ポンプ車を使って流動化処理土による埋め戻しが始まった(写真:日経コンストラクション)
 日本の大都市の多くは、河川が運んできた土砂が厚く堆積した平野に位置する。「東京や大阪の都心では、NATMはリスクが高すぎて適用しにくい工法だ」。トンネル工学を専門とする早稲田大学の小泉淳教授はこう話す。
 もしNATMではなく、「開削工法」や「シールド工法」を採用していれば、これほど大きな陥没事故には至らなかったとの指摘もある。
 開削工法とは、地表面から直接掘り下げてトンネルを築く方法。シールド工法とは、シールド機という筒状の機械で地中を掘り、その直後にセグメントと呼ぶコンクリート製や鋼製のブロックを組み立ててトンネルを築く方法だ。
P)開削工法の概要(資料:福岡市)
P)シールド工法の概要(資料:福岡市)

 シールド工法は、シールド機やセグメント自体がトンネルを支える。仮にシールド機やセグメント同士に隙間ができたとしても、トンネルが一気に崩れるリスクは小さいとみられる。
岩かぶりは2~3m
 事故があった箇所をNATMで施工する方針は、概略設計の段階で固まった。福岡市から概略設計に当たる構造検討業務を受託したのは日本シビックコンサルタントだ。
 七隈線博多駅ホームの西側半分と駅間トンネルの一部を含む約196mの区間をNATMで掘削する。この区間には、地表から16mほどの深さまで地下水を含む砂層やれき層などが堆積。その下の風化頁(けつ)岩や砂質頁岩などから成る岩盤層にトンネルを通す。
P)陥没事故が発生した地点の横断図(資料:福岡市)
P)地下鉄七隈線延伸部の地質縦断図。星印の地点をNATMで掘削している際に事故が発生した。図中のbは盛り土や埋め土、asとdAsは砂質土、acは粘性土、dAgは砂れき、Trは風化頁岩や砂質頁岩などの軟岩層。地表から深さ約2.5mに地下水位がある。西隣にあるシールド区間のシールド機はまだ発進していない。福岡市の資料に日経コンストラクションが加筆

 ただし、トンネルの岩かぶりは2~3m程度と薄い。しかも、岩盤層の上端は風化によって粘土化した不透水層となっていた。掘削によって不透水層を突き破らないよう注意する必要があった。
 市は2012年1月、有識者で構成する地下鉄七隈線建設技術専門委員会を設置した。市によると、その2回目の会合で日本シビックコンサルタントの提案に基づいて工法を協議したという。
 市はその後、委員会の意見などを踏まえ、NATMを含む区間の実施設計を発注。八千代エンジニヤリングが12年7月に受託した。
「NATMは合理的な工法」
 「現場付近の地質の条件に対して、NATMは合理的な工法だった」。九州大学の三谷泰浩教授はこう指摘する。三谷教授は岩盤工学の専門家として、建設技術専門委員会にメンバーとして参加していた。
P)事故前日に撮影したNATM区間。崩落は写真奥で起こった(写真:調 崇史)
 三谷教授によると、まず深さ約20mの地下にトンネルを設けるに当たり、開削工法は向かないという指摘があったという。掘削しなければならない土砂の量が多くなるうえ、地上は交通量の多い「はかた駅前通り」。交通規制による影響が大きくなるほか、埋設された水道管や下水道管、ガス管などを移設したり、仮支えしたりする手間が掛かる。
 「かつて福岡市の地下鉄空港線で開削工事を実施した際、地上の規制による交通渋滞が問題となった。埋設管の移設なども考えると、現実的な工法とは言えない」(三谷教授)。
 では、シールド工法はどうか。事故現場のすぐ西隣にある駅間トンネルの工区は、シールド工法で掘進する計画となっている。
 事故が起こった工区は、駅のホームと駅間のトンネルを含むので、トンネルの断面を途中で変える必要がある。隣接する工区のシールド機を使ってそのまま掘進したとしても、後から幅の広い駅部分などを地中で切り開く必要があった。
 「結果的にトンネル内部からNATMと同じような方法で拡幅する工事が必要になる。リスクもNATMを採用する場合と変わらない。そうであればコストが安いNATMを選ぶだろう」と三谷教授は話す。
 都市部の地下をNATMで掘削する場合、シールド工法と比べて半分以下のコストで済むという指摘もある。シールド機やセグメントの製作が必要なシールド工法に対し、地山の力を借りてトンネルを支えるNATMは比較的安価に施工しやすい。
過去の実績もNATMを後押し
 さらに、想定外の地質に遭遇した場合、シールド工法は掘削効率が悪くなるリスクも考えられた。
 事故が起こった工区の地質は均質でないうえ、岩盤層の所々に亀裂が入っていることが事前調査で分かっていた。ただし、都市部で多数のボーリング調査を実施して、亀裂の位置を事前に正確に把握することは難しい。
 「NATMであれば、地質の変化に合わせて支保工の配置を密にするなど、様々な対策が立てやすいという利点がある」と三谷教授は説明する。軟弱な層には薬液などを注入して固めるといった補助工法の選択肢も豊富にある。
 過去の実績も、NATMの採用を後押ししたもようだ。
 1980年代後半に地下鉄空港線の博多駅―福岡空港駅間のトンネルを掘削した際、一部にNATMを適用した。「博多駅周辺の地質にNATMが適用できたという実績があったので、今回も採用を決めた」。市交通局建設部の角英孝部長はこう話している。
P)12日早朝に撮影した現場の様子。約7000m3に及ぶ陥没穴の埋め戻しが進み、下水道など埋設管の復旧作業に移っている。大雨が降らなければ舗装工事を実施して、14日夜にも道路を通行できるようにする見込みだ(写真:大村 拓也)
長谷川 瑤子 [日経コンストラクション]

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日経コンストラクション 2016/11/17
博多陥没、直前に設計変更するも防げず
 JR博多駅前で発生した陥没事故。現場で地下鉄工事をしていた大成建設・佐藤工業・森本組・三軌建設・西光建設JVは、事故が起こる2カ月前、トンネルが崩壊するリスクに備えて設計変更していたことが分かった。有識者から成る福岡市の建設技術専門委員会に諮り、2016年8月末に決定した。事故当時は、変更を踏まえて施工していたとみられる。
P)11月11日午前の「はかた駅前通り」の様子。陥没事故は8日未明に発生。大成建設JVは復旧作業を迅速に進め、15日早朝に道路の通行を再開した。福岡市は今後、原因究明と地下鉄の工事再開に向けた検討に本腰を入れていく(写真:大村 拓也)
 設計変更のポイントは三つある。まず、トンネルの天端の位置を1m下げて掘削断面を縮小した。掘削前のボーリング調査で、トンネルの掘進方向に向かって岩盤層が低くなるように傾斜していることが判明したからだ。当初の設計通りでは、トンネルの天端から岩盤層の上端までの距離である「岩かぶり」が約1mと迫っていた。
P)設計変更(1)トンネル断面を縮小
砂質頁(けつ)岩を主体する岩盤層が、トンネルの天端から2m分確保できるように断面を縮小した。取材をもとに日経コンストラクションが作成

 トンネルを掘る岩盤層の上には、地下水を含んだ砂質土や砂れきの層がある。岩盤層の中をNATMで掘削するに当たり、補助工法として切り羽から斜め前方に打設する先受け鋼管などが岩盤層を打ち抜き、上の層から土砂や地下水がトンネル内に流れ込む危険があった。
 変更後の天端の位置は、ボーリング調査で判明した岩盤層の傾斜に対し、2m以上の岩かぶりを確保できるように設定した。建設技術専門委員会の委員の一人で、地盤工学を専門とする九州大学の安福規之教授は、「2mという値が適切かどうか、設計変更時の委員会で議論があった。補助工法と組み合わせれば対応できるという見解に落ち着いた」と話す。
 過去にも国内のトンネルで岩かぶり2mという条件の中をNATMで掘った実績はあった。ただし、博多駅周辺の不均一な地盤に合っていたかどうかは、今後の論点の一つとなりそうだ。
変更が裏目に出た可能性も
 二つめの変更は、先受け鋼管の長さを当初の設計よりも短くしたことだ。
 先受け鋼管には、切り羽前方の地山を安定させるほか、地表面の沈下抑制や、設置時に前方の地山を探るといった働きがある。現場では先受け鋼管からウレタンなどを含む薬液を注入する「AGF工法」と呼ぶ工法を採用し、周辺の地山を補強していた。
P)設計変更(2)先受け鋼管を短縮
先受け鋼管の長さを短縮。鋼管が岩盤層を突き抜けないようにするためだ。引き換えに、トンネル側面に打設するロックボルトなどを長くして、トンネルの変形を抑える。取材をもとに日経コンストラクションが作成

 先受け鋼管を短くすれば、トンネルの天端近くの地山を支える力が弱まる。そこで設計変更では、トンネルの側面から横断方向に打つロックボルトとサイドパイルの長さを延長し、トンネルの変形を抑えることにした。
 ただし、この設計変更が崩落の引き金になったのではないかという指摘もある。「トンネル側面のロックボルトとサイドパイルを延ばしても、切り羽前方の変位を抑える先受け鋼管の機能を代替するのは難しい」(トンネルに詳しい技術者)からだ。
 最後の設計変更のポイントは、トンネルの掘削の進め方だ。
 当初の設計では全断面を一度に掘削する方針だったところを、小径の先進導坑を掘ってから拡幅する工法に変更した。掘削の効率は落ちるものの、先進導坑の内側から前方の地山の状態を確認しながら少しずつ拡幅することで、より安全な施工を目指した。
P)設計変更(3)先進導坑を設ける
全断面を一気に掘削する当初の設計から、小径の先進導坑を掘り、前方の地山を確認しながら拡幅する工法に変更。事故当時、先進導坑は既に掘り抜いてあり、これを拡幅して完成時のトンネルの上半断面を掘削していた。取材をもとに日経コンストラクションが作成

 このほか設計変更と同時に、土圧や地表面振動といった地山の変化をセンサーなどで逐一監視し、異常を判定するための「管理値」を見直すなどして、安全管理の体制を強化した。
「それでも十分でなかった」
 設計変更の内容は、いずれもトンネルの崩落リスクに備え、当初よりも慎重に施工を進めるための処置だった。それにもかかわらず、事故を防ぐことはできなかった。
 「地山の変化には細心の注意を払っていたはずだ。それでも十分でなかったことが、今回の事故で示されてしまった」。建設技術専門委員会の委員の一人、九州大学の三谷泰浩教授はこう話す。
 道路は11月15日早朝に仮復旧を終えて通行を再開した。福岡市は今後、事故原因の究明と地下鉄の工事再開に向けた検討に本腰を入れていく。
 16日時点で、事故があった工区で工事を再開するめどはたっていない。七隈線延伸工事で市が発注した三つの工区のうち、ほかの2工区では8日から止まっていた工事を11日から再開している。両工区とも、工程に大きな遅れは生じていないという。
P)陥没した「はかた駅前通り」は、事故からちょうど1週間後の11月15日早朝に通行を再開した。福岡市の高島宗一郎市長は、被害に対する補償金の仮払いなどを検討していく方針を示した(資料:福岡市)
P)事故があった工区の西側では、地下鉄七隈線の中間駅を構築する工事が進む。写真は2016年8月時点の土留め工事の様子。11月8日から止まっていた工事は、11日に再開した(写真:福岡市)

長谷川 瑤子 [日経コンストラクション]

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=2016/11/19付 西日本新聞朝刊=
仮払い申請19日から 通行規制し地盤調査 博多駅前陥没
 JR博多駅前の道路陥没で、現場の福岡市営地下鉄七隈線延伸工事を行っていた市交通局と共同企業体(JV)代表の大成建設は18日、休業を余儀なくされるなどした中小・個人事業者を対象に、賠償金仮払いの申請を19日から受け付けると発表した。領収書などで被害金額が確認できれば月内にも賠償金の一部を仮払いする。
 一方、市とJVは18日、復旧現場の安全性を確認するため、埋め戻しに投入した流動化処理土を支える地盤の形状と強度を調べるボーリング調査の準備を始めた。19日未明から約2週間、現場周辺の5車線を一部通行規制し、深さ8~15メートルの5カ所を調べる。14日の専門家会議で地盤調査の必要性が指摘されていた。
 賠償金の仮払いは、営業できずに廃棄した食材費、支払い義務が生じた人件費や家賃などが対象となる。最終的な賠償額は弁護士などの助言も受けて基準を策定した後、確定させる。
 市によると「避難勧告のため営業できなかった」などの電話相談は15日からの3日間で129件に上っている。相談電話=(0120)406243。

産経ニュース 2016.11.18 22:00
【博多駅前陥没】
埋め戻した道路を掘り返す 福岡市、安全確認ボーリング
 JR博多駅前の道路の大規模陥没事故で福岡市は18日、埋め戻して通行再開した現場道路の安全性を確認するため、ボーリング調査に向けた作業を始めた。19日未明から約2週間かけて、現場の5カ所で調査を実施する予定。
 通行再開前日の14日、市が開催した専門家会議で、地盤の状態を調べるボーリングの必要性が指摘されていた。調査に伴い5車線のうち一部車線の交通規制を実施する。
 事故は8日午前5時15分ごろに発生。市道が長さ約30メートル、幅約27メートル、深さ約15メートルにわたって陥没した。市などは、寸断された地中の電線や水道管、ガス管などライフラインの復旧と埋め戻しを進め、発生から1週間後の15日午前5時に通行を再開した。


読売新聞 2016年11月19日
博多陥没道路 ボーリングで地盤状態確認へ
 福岡市博多区のJR博多駅近くで起きた大規模陥没事故で、市は18日、仮復旧した市道でボーリング調査を始めた。約2週間かけて、陥没箇所の地盤の状態を調べる。
 14日に現場を視察した地盤工学の専門家から、長期的な安全性確保のため追加の対応を求める声が出ていた。陥没部分の埋め戻しに使った特殊な土と岩盤の境目付近までボーリングを行い、地盤の位置や固さなどを確認する。調査期間中、5車線のうち最大3車線の通行を規制する。
 また、事故で中断している市営地下鉄七隈線延伸事業のJR博多駅周辺の地下工事で、既に掘削した部分をくいで支えるなどの安全対策も2週間程度かけて行う。
 市は19日から、中小企業などを対象にした損害賠償の仮払いに関する申請受け付けを始める。早いケースでは、月内にも支払いを受けられるという。


日刊建設工業新聞  [2016年11月17日2面]
博多道路陥没/土研で原因究明へ、石井啓一国交相表明/地下鉄工事安全確保の充実を
 福岡市の市営地下鉄七隈線の延伸工事区間で発生した道路陥没をめぐり、石井啓一国土交通相は16日の衆院国土交通委員会で、同省が所管する土木研究所原因究明に当たる方針を表明した。高島宗一郎福岡市長が第三者による原因究明を国交省に要望。これを受け同省は市に全面協力する。石井国交相は原因究明と再発防止策の検討を通じて「地下鉄工事の安全確保の充実に努める」と強調した。
 道路陥没は8日午前5時15分ごろ福岡市博多区のJR博多駅前で発生。24時間体制で復旧作業が行われ、13日までにライフラインが仮復旧。15日午前5時には道路が開放され、一帯の避難勧告も解除された。
 発生から1週間での道路復旧について、石井国交相は「地元の建設業者をはじめ、ライフラインの管理者などさまざまな方が復旧を最優先に対応していただいた」と関係者に敬意を示した。
 16日の衆院国交委で吉田宣弘氏(公明)の質問に対し石井国交相は「再発防止のためにも徹底的な原因究明が不可欠」と強調した上で、土木研究所で原因究明の委員会を開催する意向を示した。詳細は今後、福岡市と調整する。
 原因究明は当事者が中心となって行うのが一般的だが、石井国交相は、14年10月にも同じ七隈線の延伸工事で道路陥没が起きていることなどを踏まえ、福岡市長の意向も直接確認した上で、同省として市に全面的に協力することを決めたとしている。
 国交省は道路陥没が発生した8日の午後9時に福岡市交通局に警告書を発出。同日午後11時30分と翌9日午前10時には福岡市中央区の同局に立ち入り検査を行い、施工状況などを調査した。
 現場の復旧を最優先で進めるため、9日には九州地方整備局の職員2人を災害対策現地情報連絡員(リエゾン)として派遣。道路開放については、14日に開かれた専門技術者による会議に、市の要請を受けて国土技術政策総合研究所、九州整備局道路部、土木研究所から計3人の専門家を派遣し、必要な助言などを行った。

=2016/11/16付 西日本新聞夕刊=
博多陥没の原因究明へ有識者委 国交省 [福岡県]
2016年11月16日11時57分 (更新 11月16日 13時20分)
 国土交通省は16日、福岡市のJR博多駅前で起きた道路陥没事故の原因を究明する有識者委員会を、同省所管の土木研究所(茨城県つくば市)に設置する方針を明らかにした。
 委員会は、研究所の専門家や外部の有識者で構成。福岡市営地下鉄七隈線延伸工事の事業者である市交通局や施工業者への聞き取り、現地調査などを実施し、工法の妥当性や施工状況を確認しながら原因を探る。
 原因究明については、高島宗一郎市長が14日、「事故を起こした側が検証するのは市民の理解を得られない」として、国交省に第三者の立場での調査を要請していた。


毎日新聞2016年11月16日 22時44分(最終更新 11月17日 00時07分)
博多陥没:官民挙げて総力戦…現場地層、想定外の変化?
 福岡市のJR博多駅前の大規模陥没事故で、現場道路が発生から1週間で復旧した裏には、作業員延べ1000人余りを動員した官民挙げての総力戦があった。焦点は原因究明に移るが、要因となった地下鉄七隈線延伸工事を施工した共同事業体代表の大成建設は現場の地層に予想外の変化があったことを明らかにした。工法や施工管理が適切だったかもポイントとなりそうだ。【合田月美、吉川雄策、林由紀子】
167回輸送
 「ある意味神業だった」。市交通局の角英孝・建設部長は復旧工事を振り返る。陥没現場を「流動化処理土」で埋めることを市が即決し、大成建設が「環境施設」(福岡市西区)に連絡したのは事故発生の数時間後だった。同社は全国でも数社の処理土製造業者。処理土は泥やセメントなどを混ぜたもので狭い場所に流し込める。
 だが、すぐ固まるため備蓄できずミキサー車でかくはんが必要。自社の19台と急ぎ10台をレンタルし福岡県筑紫野市の工場から167回、計825立方メートルをピストン輸送した。
 市の専門家会議で地盤強度は事故前の30倍となり、下部で処理土が固まっていなくても周りで支えられ安全と確認された。
工法を検証へ
 「施工しているうちに(岩盤層に)傾斜の可能性があると感じた。(掘削で)上が薄くなりそうという予測があった」。大成建設は15日の記者会見で現場の状況を説明した。
 市や同社によると、現場は岩盤層を掘っており、設計段階では崩れやすい上の砂質層とトンネル上部に約2メートルの間隔を取っていた。ところが水平とみられていた岩盤層の傾斜が認められ、8月にトンネルを約1メートル低く設計変更したが、今回その付近が崩れた。九州地質調査業協会によると「岩盤層の厚さは浸食などで均一ではない。天井部の岩盤の厚さが1メートルもなかった可能性もある」と指摘する。
 現場は少しずつ重機で掘り掘削面にコンクリートを吹き付け補強する「ナトム工法」を使っていた。七隈線の他の場所では円筒形の掘削機で掘り、後ろにトンネルを築く「シールド工法」や、地面を直接掘り下げる「開削工法」などを採用している。市交通局などによると、ナトム工法は硬い岩盤を自由な大きさに掘れる。現場は駅に近く広い空間を作る必要があり適していたとしている。軟らかい地盤に強いのはシールド工法だが掘削面は均一となり、開削工法も地上に建物などがない場所で使われてきた。
 過去の市の工事でナトム工法が使われた時には薬剤で地盤を固めるなどの対策が取られた。今回どのような対応をしていたかも検証されるとみられる。
 一方、三谷泰浩・九州大大学院教授(地盤工学)は「現場が埋まり原因立証は極めて困難」と指摘する。「原因が分からないなら工法を変えるしかないだろう」としている。


毎日新聞2016年11月17日 00時18分(最終更新 11月17日 00時52分)
博多陥没:独紙1面で修復称賛「作業員がわずかな日数で」
 ドイツ大衆紙ビルトは16日付紙面の1面で、JR博多駅前の道路大規模陥没事故が発生した8日と、通行が再開した15日の現場の写真を並べて掲載し「作業員がわずかな日数で修復させた」と報じた。
 ビルトは事故現場の復旧作業と、不備が相次ぎオープンが延期されているベルリン・ブランデンブルク国際空港の現状を比較。当初オープン予定の2011年から既に5年が過ぎていることを嘆いた。
 英国の各紙も16日付の紙面で同様に2枚の写真を並べて「驚くべきスピード」などと報道。高級紙ガーディアンは「東日本大震災での道路復旧作業を思い起こさせる」と指摘した。(共同)


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