2016-11-30(Wed)

JR北海道 「単独維持困難」路線

衆知集め危機打開を  維持できる公共交通を 道が前面に立つべきだ

----「北の鉄路」の危機は、人口減少時代に公共交通をどう守るかという全国共通の問題を象徴している。国と自治体、住民が知恵を出し合い、打開策を探っていくしかない。
 経営難のJR北海道が、10路線13区間について、「自力で維持することは困難」と表明した。延長1237キロは道内の全線のほぼ半分にあたり、道民の生活への影響は大きい。

----市町村ごとに事情は違うだろうから、道が中心になって、北海道全体の未来を考える視点からJRと協議していくのが現実的ではないか。政治家や有識者だけではなく、利用者の意見を最大限聴くべきだ。
 やはり赤字体質のJR四国も先月、路線の存廃を検討していく意向を示した。国は北海道や四国の現状を分析し、より適切な支援策を考えるべきだ。
(朝日新聞)

<各紙社説・主張>
毎日新聞)北海道と鉄道 維持できる公共交通を(11/28)
朝日新聞)JR北海道 衆知集め危機打開を(11/24)
北海道新聞)鉄道網の維持 道が前面に立つべきだ(11/24)
産経新聞)JR赤字路線 地方交通の将来像考えよ(11/20)




以下引用



毎日新聞2016年11月28日 東京朝刊
社説:北海道と鉄道 維持できる公共交通


 緑の大地を1両編成の列車が駆ける。ひとけのないホームに雪が降り積もる。映画やカレンダーの中では印象的な風景だが、北海道の鉄道をとりまく現実は厳しい。
 JR北海道が大規模な路線の見直し方針を発表した。在来線10路線13線区を「JR単独では維持困難な路線」とし、廃線や自治体との共同運営などを視野に、地元との具体的な協議を始める。
 対象線区の長さは合計で、同社の運行在来線の約5割に上る。早期に手を打たなければ、「2019年度中に厳しい経営状態になる」(島田修社長)ほど深刻だという。
 地元では「切り捨てるな」との声が根強いようだ。しかし、生活の足としての利用が減ったから持続できなくなった、というのが実情ではないだろうか。「鉄道ありき」ではなく、住民が使いやすく、長続きする移動手段の姿を考える時である。
 それにしても、なぜこれほど多くの線区が持続困難となったのか。
 九州の約2倍ある広大な土地に人々が分散して住む北海道は、札幌近郊を除くと路線ごとの利用がもともと少なかった。そこに道路の整備と人口減少が加わり、利用者が一層減少した、という事情がまずある。
 利用が減ると、運行頻度を下げたり、運賃を値上げしたりせざるを得ない。ますます不便になり、利用者は減る。悪循環が続いてきた。
 さらに、設備の老朽化、度重なる自然災害による復旧費用が大きな重しとなった。安全に運行するための投資がままならないというのでは、交通機関としての資格を失う。
 問題はこれからどのような公共交通に変えていくか、だ。JR北は、1列車あたりの平均乗客数が10人程度と極端に少ない線区を廃止対象とした。バスへの転換を前提に地元との協議が本格化する。
 より複雑なのは、即廃線の対象となっていないものの、JR北だけでは維持できない区間だ。線路など鉄道施設にかかる費用を自治体が負担し、JRが運行を担う「上下分離」方式も検討されそうだが、赤字が地元自治体に移るだけでは、長続きしない。自治体も疲弊している。
 「線路ありき」の発想からいったん離れてみてはどうか。住民の移動ニーズを目的や頻度、時間帯などについて精査し、それに最適の公共交通を地域ごとに探る必要がある。
 北海道には、高齢化や人口減少に加え、冬場の厳しい気候といった特別な事情もある。これまで抜本的な策を打ってこなかった責任は、JR北はもちろん、自治体や国にもあるはずだ。町の将来像、公共交通のあり方について、国や北海道も積極的に知恵を出してほしい。
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朝日新聞 2016年11月24日05時00分
(社説)JR北海道 衆知集め危機打開を


 「北の鉄路」の危機は、人口減少時代に公共交通をどう守るかという全国共通の問題を象徴している。国と自治体、住民が知恵を出し合い、打開策を探っていくしかない。
 経営難のJR北海道が、10路線13区間について、「自力で維持することは困難」と表明した。延長1237キロは道内の全線のほぼ半分にあたり、道民の生活への影響は大きい。
 気象条件が厳しい北海道は線路や鉄道車両の維持費が割高で、JR北は鉄道事業で毎年400億円を超す赤字を出す。
 国が設けている経営安定基金は低金利で運用益が少なく、赤字を埋めきれない。「維持困難」の13区間を仮に切り離せば、収支均衡は見えてくる。
 石勝線でのトンネル火災や、保線現場での検査データ改ざんなど、JR北ではここ数年、安全が揺らぐ事態が相次いだ。
 赤字圧縮のため、安全確保に必要な投資や人員まで削った歴代経営陣の失策の結果だ。
 国主導で14年に発足した現経営陣は、安全投資を優先して経営再建を進めてきた。だが橋やトンネルの老朽化も進み、さらに膨大な資金が必要だ。運行を続けるには、路線網の見直しが欠かせないと判断した。
 特に乗客が少ない3区間は廃止し、ほかの10区間は、おもに地元に経費分担を求める方向で自治体と協議したいという。
 切羽詰まった事情は理解できるが、鉄道は地域住民の公共財でもある。廃止する場合は、バスなどの代替手段で利便性を高めていく必要がある。
 JR北の島田修社長は「自分たちのレールとの意識を持って」と沿線住民に呼びかけ、経費分担に理解を求めた。ならばJRはどれだけ経営努力を尽くすのか。まず十分に説明しなければ、納得は得られまい。
 自治体側も覚悟が求められる。人口減が続く限り、すべての交通網を今まで通り維持するのは難しいと認識すべきだ。
 幹線道路の整備で鉄道離れが加速した面もあり、地域によってはバスや予約制タクシーなど、車を使った公共交通がより便利な場合もあろう。
 市町村ごとに事情は違うだろうから、道が中心になって、北海道全体の未来を考える視点からJRと協議していくのが現実的ではないか。政治家や有識者だけではなく、利用者の意見を最大限聴くべきだ。
 やはり赤字体質のJR四国も先月、路線の存廃を検討していく意向を示した。国は北海道や四国の現状を分析し、より適切な支援策を考えるべきだ。
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北海道新聞 2016/11/24 08:55
社説:鉄道網の維持 道が前面に立つべきだ


 道に求められているのは、第三者として立ち回るのではなく、主体的な関与だ。
 JR北海道が、単独では維持が困難とする路線を公表し、存廃を含む今後のあり方について、地元自治体と協議に入る考えを示している。
 道も協議に参加する方針だ。「単独維持困難」路線が鉄道網の約半分に及ぶ以上、当然である。
 気になるのは、道の姿勢がこの問題への深入りを避けているかのようにも映ることだ。
 沿線自治体には、道の積極的な対応を求める声が少なくない。
 鉄路の行く末は、地域の将来を左右する。ひいては北海道全体にも影響するだろう。
 道内全体を見渡す立場にある道が果たすべき役割は大きい。鉄道を含む交通網全体のビジョンを構築し、前面に立ってこの問題に対応すべきだ。
 JRが単独維持困難とするのは、10路線13区間の計1237キロで、多くは道東や道北、旧産炭地などに集中している。
 高橋はるみ知事は記者会見で、「地域の意見を踏まえ、道の立場で役割を果たしたい」と述べた。JRに一層の経営努力を促し、国には支援策を求めるという。
 ただ、これまでの対応を見ると道の立ち位置がはっきりしない。JRと自治体の「行司役」にとどまろうとしているかに見える。
 沿線自治体では、通勤、通学、通院など生活を支える足として鉄路存続を求める声が多い。
 道はこうした地域の声を正面から受け止める必要がある。傍観者や第三者ではなく、住民の暮らしを守る当事者としての意識が求められよう。
 知事は公約に地方創生を掲げている。その地方が鉄路の問題で大きな不安を抱える以上、取り組みをもっと強化するのが筋だ。
 協議のあり方も考えたい。
 JRが路線ごとに自治体と協議を進めてしまうと、個別の赤字だけが判断材料となり、全体像を見失いかねない。
 その結果、鉄道網が各地で分断される事態を招くようなことになれば、禍根が残ろう。
 だからこそ、道の出番である。個別路線の損得勘定でなく、全道的な視点で解決策を探るべきだ。
 単独維持困難な区間も、観光で人気があったり、貨物列車が走ったりしている。
 観光も農産物の輸送も、道内の産業振興に不可欠だ。その価値にも目を向けたい。
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産経新聞 2016.11.20 05:02
【主張】JR赤字路線 地方交通の将来像考えよ


 経営不振のJR北海道が「自力では維持できない」として10路線13区間の運営見直しを表明した。利用客が極端に少ない札沼線などの3区間は廃止するという。
 沿線人口の減少が止まらず、道内路線の収支はほぼ赤字に陥っている。台風などで被災した線路の復旧負担も重い。厳しい経営環境を考えれば、廃線もやむを得ない選択肢といえよう。
 一方で公共交通機関の役割も忘れてはならない。路線を廃止する場合でも地元と協力し、バスなどで地域住民の移動手段の確保に努めるのは当然の責務である。
 少子高齢化に伴い、地方鉄道網の維持は全国的に難しくなっている。政府は鉄道会社や地元に委ねることなく、地方交通の将来像を示してもらいたい。
 昭和62年の国鉄の分割民営化では、1日1キロ当たりの輸送人員が4千人未満の路線は原則廃止とした。今回の運営見直しは、同社路線の約半分にあたる1200キロ強に及ぶ。廃線を提案した3区間の輸送人員は、いずれも200人を下回るという。
 他の見直し対象でも自社での維持は困難として、地元が線路や施設を買い取る「上下分離方式」での運営などを自治体に提案する。運賃値上げや利用客が少ない駅の廃止も検討するという。
 こうした見直しにあたっては、地元との丁寧な話し合いが欠かせない。広島と島根を結ぶ三江線の廃止を決めたJR西日本は、地元協議に5年をかけた。地域住民の理解を得るには、経営のさらなる合理化も求められよう。
 鉄道事業者の基本は安全運行だが、JR北海道は必要な安全投資費用も公的な支援に頼らざるを得ない状態にある。レールの検査データ改竄(かいざん)などの不祥事も続いた。安全確保を徹底する意識改革も改めて進めねばならない。
 JR発足時に赤字が見込まれた北海道と四国、九州の3社は、国が設けた基金から支援を受けてきた。最近はマイナス金利の影響で基金収益も減少している。
 それでも先月上場したJR九州は、観光地を巡る豪華寝台列車「ななつ星」で高い人気を得た。JR北海道も観光客誘致などで道庁と協力体制を築いてほしい。
 鉄道の維持が困難な地方に対しては、地元振興と組み合わせたバスへの転換を促すなど、国も積極的な支援を講じる必要がある。
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