2016-12-17(Sat)

オスプレイ墜落大破 沖縄県民の不安が現実に 海兵隊撤退しかない

家の上に落ちていたら これで安全といえるのか 国内配備を見直す時だ  危険な欠陥機は直ちに撤去を

<各紙社説・主張>
朝日新聞)オスプレイ大破 懸念が現実になった(12/15)
毎日新聞)オスプレイ大破 住民を危険にさらすな(12/16)
産経新聞)オスプレイ事故 究明と再発防止に徹せよ(12/16)
東京新聞)オスプレイ事故 家の上に落ちていたら(12/15)
しんぶん赤旗)オスプレイの墜落 危険な欠陥機は直ちに撤去を(12/15)
北海道新聞)オスプレイ事故 やはり起きてしまった(12/15)

信濃毎日新聞)オスプレイ事故 徹底した究明と公表を(12/15)
京都新聞)オスプレイ事故  国内配備を見直す時だ(12/16)
神戸新聞)オスプレイ大破/沖縄県民の不安が現実に(12/15)
中国新聞)オスプレイ大破 地元沖縄の懸念、現実に(12/15)
西日本新聞)オスプレイ事故 これで安全といえるのか(12/15)

琉球新報)欠陥機配備撤回要請 飛行再開はあり得ない 返還式は県民を愚弄する(12/16)
琉球新報)オスプレイ墜落 海兵隊撤退しかない 訓練場返還式典は中止せよ(12/15)
沖縄タイムス)[オスプレイ墜落]海兵隊撤退へ舵を切れ(12/15)




以下引用



朝日新聞 2016年12月15日05時00分
(社説)オスプレイ大破 懸念が現実になった


 米軍や政府は「不時着」だというが、翁長知事が示した「墜落」との認識こそふさわしい。
 沖縄県名護市で米軍の輸送機オスプレイが事故を起こした。海岸の集落から300メートルほどしか離れていない浅瀬に、大破して横たわる機体の残骸は、事態の深刻さを雄弁に物語る。
 許しがたいのは米軍側の態度である。日本国内でのオスプレイの運用を当面停止したのは当然だが、在沖米軍トップの四軍調整官は抗議した副知事に対し「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と話したという。
 占領者意識丸出しの暴言というほかない。政府は事実確認のうえ、発言の撤回と謝罪を強く求めるべきだ。
 この事故と暴言は、沖縄が直面している現実を、多くの人に改めて思いおこさせた。
 墜落の恐怖、騒音の苦しみ、奪われる普通のくらし、重大な事故・事件をくり返しても反省しない米軍、県民より米国の顔色をうかがう日本政府……。
 オスプレイは12年秋から米軍普天間飛行場に順次配備され、いまは24機にまで増えた。事故機はその中の1機だ。
 同飛行場をめぐっては、オスプレイも含め、夜間早朝や人口密集地上空での飛行を制限する日米合意がある。だが県の測定によると、制限時間帯でも1日平均で10回を超える騒音が記録され、有名無実化している。
 先月あった爆音訴訟の判決で那覇地裁沖縄支部は「米軍と国によって、住民に対する違法な被害が漫然と放置されている」と、厳しく指摘した。
 また、本島中部の宜野座(ぎのざ)村では先日来、オスプレイが水タンクをつり下げて民家上空を飛行する訓練を行っている。地元の抗議を米軍は無視し、政府は有効な手を打てないでいる。
 来週20日に普天間飛行場の移設をめぐる辺野古訴訟の最高裁判決が予定され、22日には米軍北部訓練場の一部返還がある。返還といっても、オスプレイの離着陸帯の新設が条件になっており、基地機能の強化との受けとめが沖縄では支配的だ。
 そんなときに起きた事故である。政府が対応を誤れば、県との間の溝はさらに深まる。
 米軍に原因の究明と徹底した情報公開を迫るのはもちろん、同様の事故が起きたとき、日本側も調査に関与できる仕組みの導入を働きかけるなど、県民・国民を向いた対応を求めたい。
 沖縄の負担はもはや限界だ。これを軽減する道を、いま一度根底から問い直す。「墜落」をその契機にしてほしい。
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毎日新聞2016年12月16日
社説:オスプレイ大破 住民を危険にさらすな


 沖縄で米軍の新型輸送機オスプレイによる重大事故が起きた。
 事故機は沖縄県・米軍普天間飛行場に配備されているもので、名護市沖約80メートルに落ち、機体は大破した。
 米軍が日本政府の要請を受け、安全が確認されるまでオスプレイの飛行を一時停止すると決めたのは当然だ。米軍には徹底した原因究明、積極的な情報公開、再発防止を求める。日本政府もそれらが確実に行われるよう努めてほしい。
 米軍によると、事故は夜間の空中給油訓練中に起き、オスプレイのプロペラが給油ホースを切断した影響で損傷したことから、陸地を避けて浅瀬に「不時着」したのだという。「機体の問題ではない」と説明し、「墜落」ではないと強調している。
 だが一歩、間違えば民家に落ち、大惨事になっていたかもしれない。
 オスプレイは操縦が難しい輸送機と言われる。仮に機体に問題がなかったとしても、それで完全に「安全」「安心」というわけでもない。
 同じ日の夜、別のオスプレイが機体脚部の不具合により、普天間に胴体着陸したことも明らかになった。
 一晩でオスプレイの事故が2件相次いだのは異常だ。住民をこれ以上、危険にさらしてはならない。
 さらに、沖縄の人々の神経を逆なでしたのが、在沖縄米軍トップのニコルソン沖縄地域調整官の発言だ。
 ニコルソン氏は、抗議に訪れた安慶田(あげだ)光男・沖縄県副知事に対し「パイロットは住宅や住民に被害を与えなかった。感謝されるべきで表彰ものだ」と開き直ったという。
 沖縄が過重な基地負担を引き受け、米軍機の騒音、事故、米兵の犯罪などに苦しんできた歴史に対する理解が米軍側になければ、基地を安定的に維持することは難しい。ニコルソン氏の態度は極めて不適切で、調整官としての資質をも疑わせる。
 日本政府は抗議し、発言の撤回と謝罪を求めるべきだ。
 オスプレイは、沖縄だけの話ではない。米軍横田基地(東京都)にも配備される計画で、陸上自衛隊も導入を進める。日本全体の問題だ。
 今回の事故では、日米地位協定が壁となり、日本側が捜査できないことが改めて浮き彫りになった。米軍だけの調査で片づけられ、日本側は追認するという仕組みの問題は明らかだ。日本側も捜査できるよう地位協定を見直す必要がある。
 来週は、普天間の辺野古移設をめぐる最高裁判決と、米軍北部訓練場の一部返還式典が予定されている。
 最高裁では国の勝訴が確定する見通しだ。政府は、訓練場の返還で負担軽減を印象づけ、辺野古移設工事を再開する狙いだったが、政府ペースで進めるのは難しくなるだろう。
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産経新聞 2016.12.16 05:02
【主張】オスプレイ事故 究明と再発防止に徹せよ


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸輸送機オスプレイが、名護市の沿岸に不時着し、大破した。
 政府は重大事故として米側に原因究明などを求めた。ケネディ駐日大使が当面の飛行停止を表明したのは当然だろう。
 オスプレイは航続距離や速さに優れ、在日米軍が導入した。その機動力の高さから、自衛隊も導入して配備する計画を立てている。
 だが、事故を契機に、沖縄では配備反対論が再燃している。米側には事故原因の説明など誠実な対応を求めたい。政府もそれを強く促すことが、オスプレイの信頼性を回復し、円滑な運用を再開するうえで欠かせない。
 米側の発表では、今回の事故の原因が機体にある可能性は極めて低いという。他の航空機からの空中給油の訓練中に不具合が起きたとされる。徹底した原因究明と日本側への説明を求めたい。
 オスプレイのパイロットは帰還を試みたが、住宅密集地にある普天間には戻らず、キャンプ・シュワブ沿岸の浅瀬に不時着する方が安全だと判断したという。その判断で、重大事故が回避されたという側面はあるだろう。
 だが、この点について、在沖縄米軍幹部が県副知事に対して「パイロットは県民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」と語ったという。
 この幹部は、事故について記者会見で謝罪している。副知事の強い抗議に対応する中で出た言葉のようだが、事故を起こした側が用いる言葉としては極めて不適切である。反対派を勢いづけることにもつながる。
 そうした点も含め、政府は米側に誠実な対応を重ねて要求していく必要がある。
 普天間移設をめぐっては、翁長雄志(おなが・たけし)知事が埋め立て承認を取り消したことへの訴訟で、来週の最高裁判決で国の勝訴が確実視されている。それを受け、政府は早期の工事再開を考えていた。
 今回の事故が、普天間移設問題の進展を改めて妨げる要因とならないよう、日米双方にとって万全の取り組みが必要である。
 普天間移設を含む在日米軍再編が、日米安保条約の実効性を高め、抑止力向上に資する重要性は変わらない。早期実現に向け、政府は引き続き沖縄を説得し、理解を求める努力を重ねるべきだ。
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東京新聞 2016年12月15日
【社説】オスプレイ事故 家の上に落ちていたら


 沖縄県名護市沖で米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが「不時着」した。起こるべくして起きた事故だ。米側は同機の飛行を一時停止すると表明したが、同機の国内配備そのものを見直すべきだ。
 大破したオスプレイの機体が無残な姿をさらしている。事故が起きたのは名護市のわずか八十メートル沖の浅瀬だった。これが人々の暮らす集落の上に落ちていたなら-。
 米側は「コントロールを失った状況でなく自発的に着水した」と墜落の可能性を否定するが、その言葉を県民が信用できるだろうか。国内の事故でありながら、日米地位協定を盾にして現場の捜査権は日本の警察にはなく米側にあるからだ。日本側は事故の原因究明や情報提供を、米側にお願いしているだけである。
 現場は米側が規制線を張り、機動隊は米軍の意向に沿って立ち入りを制限する。取材しようとする記者たちもそれに阻まれている。
 また、オスプレイの国内での重大事故は初めてだが、米国本土やアフガニスタン、ハワイなどでは墜落、不時着事故が相次いでいる。専門家は機体の特性として操作の難しさなど、その危険性についてずっと指摘してきた。
 にもかかわらず、日本政府の姿勢は甘い。二〇一二年に初めて普天間飛行場に配備された際、米側の安全だという説明を頼りに導入を決めた経緯がある。飛行モードの転換についても米側と覚書を結んでいるが、反故(ほご)にされている。最近も宜野座村の民有地上空で物資のつり下げ訓練が行われ、県民の批判を浴びたばかりだ。
 名護市より北の東村や国頭村では北部訓練場の一部返還条件としてヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設が強行されている。まさにオスプレイが使う施設で、県民は危険がさらに増える建設など受け入れられるはずもない。
 米側は同機の安全性を確認するまで飛行の一時停止を表明したが、沖縄への配備そのものと、ヘリパッド建設を中止すべきだ。
 オスプレイは普天間飛行場に二十四機が配備され、東京の横田基地にも配備計画がある。日本は主権国家らしく米国に対峙(たいじ)すべきで、米国に黙って従い配備を続行するのは無謀でしかない。
 ヘリパッドの年内完成を急ぐ日米両政府は二十二日に北部訓練場の返還式典を予定しているが、翁長雄志知事は出席しないと表明した。オスプレイが重大事故を起こして何をことほぐのか。工事を即刻中止し、式典も中止すべきだ。
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しんぶん赤旗 2016年12月15日(木)
主張:オスプレイの墜落 危険な欠陥機は直ちに撤去を


 沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)配備の垂直離着陸機MV22オスプレイ1機が同県名護市安部(あぶ)の沿岸部に墜落しました。防衛省は国内初の重大事故を小さく見せかけようと「不時着」と発表しましたが、安部沿岸の岩礁でバラバラに大破した無残な姿をさらす機体を見れば、墜落であることは明白です。2013年1月、沖縄県内全ての41市町村の首長と議会議長、県議らから配備撤回を求める「建白書」を手渡された安倍晋三首相をはじめ日本政府が、オスプレイの「安全性」を繰り返し宣伝し、配備を進んで容認してきた責任は極めて重大です。
沖縄全域で県民を脅かす
 開発段階から相次いで墜落死亡事故を起こし、「欠陥機」と呼ばれてきたオスプレイは現在、普天間基地に24機が配備されています。12年9月に10万人以上が参加した「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」の開催や13年1月の「建白書」提出などに示された沖縄の民意を乱暴に踏みにじり、12年から13年にかけて強行されました。
 オスプレイ配備反対が「オール沖縄」の声になったのは、騒音被害や墜落など事故の危険が沖縄全域に及び、県民の命と暮らしを脅かすことが強く懸念されたためです。米海兵隊が12年に発表した報告書(環境レビュー)では、オスプレイは沖縄本島のほぼ全域や伊江島に広がる米軍ヘリ着陸帯の大半(69カ所)を使うことが明らかになっていました。
 今回、オスプレイが墜落した名護市安部の沿岸部は、安倍政権が普天間基地に代わる新基地建設を狙う同市辺野古の目と鼻の先です。オスプレイを県内のどこに配備しようが、沖縄全域が事故の危険にさらされることを証明するとともに、普天間基地の「危険性除去」のために新基地が必要だという安倍政権の口実に全く道理がないことを示しています。
 しかも、安倍政権が建設強行をもくろむ辺野古の新基地は、隣接する海兵隊基地キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどと一体的に運用される最新鋭の巨大基地になります。東村高江で強行されている北部訓練場のヘリ着陸帯の新設などと合わせ、現在、大問題になっている住宅地上空の物資つり下げ(宜野座村)や夜間飛行などオスプレイの危険な訓練が激化することは間違いありません。
 普天間基地配備のオスプレイは、横田基地(東京都)、厚木基地(神奈川県)、キャンプ富士(静岡県)、岩国基地(山口県)などにも飛来し、訓練を繰り返しています。横田基地には、米空軍の特殊作戦用のCV22オスプレイ10機の配備も計画されています。
 今回の墜落事故は沖縄にとどまらず、全国各地の住民の安全にも関わる大問題です。
全国に危険を広げる政府
 安倍政権が既に陸上自衛隊へのMV22オスプレイ17機導入を決め、佐賀空港(佐賀県)への配備を狙っていることは重大です。陸自木更津基地(千葉県)には日米共同のオスプレイ整備拠点を建設しようとしています。
 安倍首相は今回の事故を受けても「飛行の安全確保が大前提だ」と述べるだけで、オスプレイ配備容認の姿勢を変えようとしません。沖縄と全国が連帯し、オスプレイの飛行中止、配備撤回を求めるたたかいを広げることが急務です。
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北海道新聞 2016/12/15 08:55
社説:オスプレイ事故 やはり起きてしまった


 重大事故への懸念が、日本国内で初めて現実になった。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を拠点にする米海兵隊の新型輸送機オスプレイ1機が、同県名護市沖に不時着、大破した。
 翁長雄志知事が「大きな衝撃を受けている」と国に抗議し、オスプレイの飛行中止や配備撤回を求めたのはもっともだ。
 オスプレイは開発段階から墜落事故が相次いでおり、構造上の欠陥を指摘する声は根強い。
 危険性が拭えない米軍機を、普天間のような住宅密集地の中にある基地に配備すること自体、やはり根本的な問題がある。
 オスプレイの基地機能は国外の、住民被害の恐れがない場所に移すべきではないか。
 米軍側は事故機について空中給油を受ける訓練中だったと説明。燃料ホースが切れ不安定になり、普天間に戻ろうとしたが、陸地上空で不具合が生じる事態を避けるため、現場に不時着したという。
 オスプレイを巡っては、墜落や着陸失敗などによる搭乗員の死傷事故が後を絶たない。米軍側は今回の事故を重く受け止め、原因を徹底的に調査し、情報をつまびらかにせねばならない。
 理解できないのは、稲田朋美防衛相の説明である。「自発的に着水したと聞いている。墜落ではない」というが、事故機は胴体から翼がもげて大破している。墜落と受け止められても仕方あるまい。
 オスプレイは本州の各米軍基地にも飛来し、活動の幅を広げている。航空イベントで、陸自丘珠駐屯地(札幌市)に展示されたこともある。
 今回の事故で、オスプレイに対する不安が沖縄県内のみならず、全国に広がっている。
 安倍晋三首相も「重大な事故」との認識を示している。政府に求められるのは、事を穏便に済ませるための努力ではなく、国の導入計画も含め、オスプレイ配備の是非を改めて検討することだろう。
 折しも今月下旬、米軍北部訓練場(沖縄県東村など)の部分返還に関する式典が行われる。
 翁長知事は欠席の意向を事故前から表明している。県の抗議にもかかわらず、近くでオスプレイが危険な訓練を繰り返していることなどが理由だ。
 日米両政府は、式典よりも考えるべきことがあるのではないか。
 大切なのは沖縄における危険の除去である。普天間飛行場を名護市辺野古に移したところで、それは危険のたらい回しでしかない。
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信濃毎日新聞 (2016年12月15日)
社説:オスプレイ事故 徹底した究明と公表を


 米軍普天間飛行場に所属する輸送機オスプレイが沖縄県名護市沖に不時着した。
 安全性への不安を募らせる事故だ。原因を徹底究明し、つぶさに公表する必要がある。
 日本国内で初めての重大事故である。13日午後9時半ごろに発生した。乗員5人は米軍が救助、2人がけがをしている。まかり間違えば、より深刻な事態になりかねなかった。
 米軍側によると、空中給油機から給油を受ける訓練中だった。燃料を渡すホースが切れ、機体が不安定になったという。普天間に帰還しようとしたものの、陸地の上空で不具合が生じるのを避けるため浅瀬を選んで不時着したと日本政府に説明している。
 どのような経緯でホースが切れたのか、なぜ不時着しなければならない状況になったのか…。説明通りだとしても、疑問は残る。尾翼が折れるなど胴体部分は大破した。不時着より墜落と言う方が適切なのではないか。
 プロペラの角度によってヘリコプターと固定翼機に飛行モードを切り替えられる。開発段階から事故が相次ぎ、安全性への懸念は根強い。2012年のモロッコでの墜落などは「人為ミス」が原因とされた。今回の事故は改めて操縦の難しさを感じさせる。
 日本政府は安全が確認されるまでの飛行停止を要請し、米側は運用を当面停止するとした。当然である。ケネディ駐日米大使は飛行再開についても日本政府と緊密に調整したいと述べている。政府は国民に対し状況を逐一、説明する必要がある。
 原因究明を米軍任せにはできない。地元の海上保安部は航空危険行為処罰法違反容疑で捜査に着手した。何があったのか、しっかり解明しなくてはならない。
 飛行の停止だけでなく、配備についても政府は米国側との交渉や再検討をすべきだ。沖縄県の翁長雄志知事は「直ちにオスプレイの飛行を中止して配備撤回を求めたい」と述べている。名護市や沖縄本島北部にある米軍訓練場の地元でも抗議の声が上がった。
 沖縄だけではない。米軍の定期整備拠点に選ばれた陸上自衛隊木更津駐屯地、経由地として頻繁に飛来している米軍岩国基地、陸自が導入する機体の配備を要請されている佐賀空港など、各地で動揺が広がっている。
 米空軍の訓練空域は長野県内を含め、全国に及ぶ。国民の間に不安を残したまま配備を進めれば反発が高まるだけだ。
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[京都新聞 2016年12月16日掲載]
社説:オスプレイ事故  国内配備を見直す時だ


 もし住宅地に落ちていたらと思うとぞっとする。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の新型輸送機オスプレイ1機が名護市の海岸に近い浅瀬に落ち、大破した。オスプレイの国内での重大事故は初めてだ。
 米側によると、夜間の空中給油訓練中のトラブルが原因となった可能性が高いといい、「コントロールを失った状況ではなく、自発的に着水した」として「不時着」だったと説明している。だが、機体がばらばらに散乱した無残な姿を見れば、県側が指摘するように「墜落」とみるのが自然だ。
 米側はオスプレイの運用を一時停止すると発表したが、安全性への懸念が現実となった以上、日本政府は米政府と交渉し、国内配備そのものを見直すべきだ。同じ日に別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸したことも判明している。犠牲者が出てからでは遅い。
 あきれるのは米軍側の態度だ。在沖米軍トップは当初、副知事の抗議に対し、民家を避けて被害を防いだ操縦士をたたえ、「感謝されるべきだ」と激高した様子で話したという。まるで沖縄を植民地と見ているかのような言動だ。
 沖縄では今月に入り、宜野座村の民家上空周辺でオスプレイが連日、物体をぶらさげて飛行するなど、県民の不安を無視するような訓練が続き、県が抗議したばかりだった。
 オスプレイは開発段階からトラブルが続き、1991~2000年に起きた4回の墜落事故で30人が死亡。12年にもモロッコでの演習中に墜落事故を起こし、死傷者が出た。昨年5月には米・ハワイで着陸に失敗し、海兵隊員2人が死亡している。
 もともと飛行中にプロペラの向きを転換する際の機体の不安定さに加え、操縦の難しさが指摘されていた。だが日本政府は県民が反発する中、一方的に「安全宣言」を出し、普天間飛行場への配備を米側と進めてきた経緯がある。
 普天間周辺では、人口密集地上空での飛行や夜間訓練飛行をできる限り避けるという日米合意があるものの実態は米軍任せだ。事故原因の究明についても日米地位協定に阻まれ、日本側が関与できずに終わる可能性がある。そんな「もの言えぬ対米関係」を解消しない限り、住民の安全は守れない。
 米軍に加え、自衛隊もオスプレイの配備計画を進めており、沖縄だけでなく、全国各地で事故への懸念が広がっている。日本政府の責任は重い。
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神戸新聞 2016/12/15
社説:オスプレイ大破/沖縄県民の不安が現実に


決して起こしてはならない事故が起きてしまった。
 沖縄県の米軍普天間飛行場に所属する新型輸送機オスプレイが名護市辺野古沖に落ち、搭乗員5人のうち2人がけがをした。空中給油の訓練中に起きた事故という。
 米軍と日本政府は「不時着」と発表したが、沖縄県は機体の破損状況から「墜落」と受け止め、オスプレイの配備撤回を求めた。
 浅瀬に横たわる事故機の映像を見ると機体はバラバラに大破し、翼が胴体部分から離れている。制御不能となったことは間違いなさそうだ。
 街中に落ちていたらどうなっていたか。1959年の宮森小学校への米軍ジェット機墜落、2004年の沖縄国際大学への大型ヘリ墜落など沖縄で起きた惨事が頭をよぎる。
 普天間飛行場の移設計画で揺れる地元辺野古や、オスプレイが使用するヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の建設が進む北部訓練場周辺で、住民から「不安が現実になった」と声が上がるのは当然である。
 今月22日にはヘリパッド建設と引き換えに米軍北部訓練場の約半分が返還され、沖縄と首相官邸で式典が開かれる予定だ。その直前の事故に、政府関係者から「最悪のタイミング」と嘆く声が聞かれる。
 日本でオスプレイの重大事故が起きたのは初めてだ。事態を重く見た在沖縄米軍はすぐに記者会見を開き、事故原因を説明するとともに県民に謝罪した。
 現在使用中のMV22オスプレイは操縦が難しいとされ、開発段階から多くの事故を起こしている。米軍は今回の事故原因を徹底的に調査するとともに、積極的に情報を公開すべきだ。その上で、一貫して配備に反対してきた沖縄県民の声にしっかり向き合う必要がある。
 沖縄で事故を起こせば、ますます住民の反基地感情が高まることは明らかで、米軍も慎重に運用してきた。それでも事故は起きた。その事実は重い。さらに同じ日、別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸していたことも明らかになった。今の機種で本当に安全を確保できるのか、疑問と言うしかない。
 事故を受けて各地の米軍基地の地元で不安の声が広がる。オスプレイは陸上自衛隊も17機を導入し配備を進めている。日本政府は対応について再考すべきではないか。
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中国新聞 2016/12/16
社説:オスプレイ大破 地元沖縄の懸念、現実に


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に所属する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが名護市辺野古沖の浅瀬に落ちて大破した。恐れていた重大事故が、日本でも現実のものになった。
 米軍は「コントロールを失った状況ではなく自発的な着水」として「不時着」と発表した。プロペラや翼がへし折れ、胴体がちぎれた無残な光景とは隔たりがある。詭弁(きべん)としか言いようがない。集落や市街地で起きていたらと思うと背筋が凍る。
 事故を起こしたのは普天間に拠点を置く海兵隊の24機のうち1機で、空中給油訓練の途中、プロペラが給油ホースに当たって安定を欠いたらしい。「機体に問題はない」と事故翌日に早々と説明したが、地元に十分な情報を出さない従来の米軍の姿勢とは異なるように思える。
 沖縄では米軍北部訓練場の一部返還が22日に迫る。その条件として日本側が建設中のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)でもオスプレイの運用を想定しており、事故の波紋を小さくするために一定の説明を余儀なくされたのかもしれない。
 だが機体に差し障りがなくとも「うっかりミス」で済ますわけにはいかない。オスプレイは操縦の難しさからも安全性への疑念が拭えない。今回のように人為的な要因で事故を誘発するとすればやはり心配だ。事故後に運用を一時停止しているが、地元の理解が得られないなら訓練自体を中止すべきだろう。
 米軍から聞き捨てならぬ発言も出た。県民に代わって抗議した沖縄県の副知事に向かい、在沖縄米軍のトップが「パイロットは県民に被害を与えなかった。感謝されるべきだ」などと激高したという。怒りや不安が渦巻く住民の胸の内を無視した暴言と言わざるを得ない。「植民地意識丸出し」と副知事が批判したのも当然だろう。
 稲田朋美防衛相も米側に原因究明や情報公開を型通り求めるのでは能がない。日本の領土、領海での捜査や原因究明を阻む「壁」である日米地位協定の見直しを働き掛ける必要がある。その点、合同検証を求めた海上保安庁は筋が通っている。
 オスプレイは開発段階から事故が頻発しながら、米側の「安全」宣言をうのみにして日本が4年前、普天間配備を受け入れた。墜落の恐れが大きい飛行モードを制限する覚書は、ほごも同然だ。今月も沖縄県北部の民家上空でオスプレイによる物資のつり下げ訓練が繰り返され、不安が高まる中の事故である。
 安倍政権が事あるごとに口にしてきた「基地負担の軽減」が軽視されている内実を露呈したともいえよう。
 北部訓練場の部分返還の記念式典を、日米両政府は官邸で予定している。このままでは沖縄の県民感情を逆なでするのは明らかだ。
 沖縄だけではない。海兵隊のオスプレイは岩国基地に頻繁に飛来しており、岩国市や山口県が原因究明と再発防止策の徹底を求めた。横田基地は空軍のオスプレイが配備される予定だ。さらに陸上自衛隊にも17機を佐賀空港に配備する計画があり、千葉県の木更津駐屯地には日米の整備拠点が置かれるという。
 こうした計画を、日米両政府はいったん白紙に戻すことを考えるべきだ。この事故の持つ意味は、それほど大きい。
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西日本新聞2016年12月15日 10時50分
社説:オスプレイ事故 これで安全といえるのか


 ばらばらになった機体が青い海に散乱している。安全性への不安が現実化したような光景だ。
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の新型輸送機オスプレイが13日夜、名護市沖の海上に不時着した。乗員は救助されたものの、機体は大破した。米軍は「不時着」と主張するが、機体の制御を失った墜落状態だった可能性もある。日本国内でのオスプレイの重大事故は初めてである。
 事故を起こした米海兵隊のMV22オスプレイは、2012年から13年にかけて普天間へ配備された。開発段階から事故が相次いでいたため、安全性に懸念があるとして沖縄では激しい配備反対運動が起きた。米軍や日本政府は「安全性は十分確認されている」として配備を押し切った経緯がある。
 今回の事故を受け、政府は米軍にオスプレイの飛行停止を要請し、原因究明を求めた。米軍も当面、国内での運用を停止すると政府に伝えた。当然の措置である。
 問題はこれからだ。沖縄では13年にも、米軍嘉手納基地のヘリコプターの墜落事故が起きたが、米軍は事故原因が「特定されていない」としながらも、わずか11日後に訓練を再開した。日本政府も再開に異を唱えなかった。
 今回の事故について、米軍は空中給油訓練中のトラブルだと説明している。機体や構造に問題はないと言いたいのだろう。しかし、オスプレイの特殊な構造や操縦の難しさが原因となったり、事故を重大化させたりした側面はなかったか。徹底的な究明が必要だ。
 日本政府も米軍任せにせず、主体的に調査に関与すべきである。米軍には物分かりの良い顔をして、国民の安全を守る責務をおろそかにするようでは、本末転倒とのそしりを受けるだろう。
 今回の事故を受け、沖縄でオスプレイの配備撤回を求める声が再び高まるのは必至だ。オスプレイは、陸上自衛隊が佐賀空港(佐賀市)への配備を計画している。住民の納得がいく原因究明がなされるまで、オスプレイの運用も配備計画もストップすべきである。
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琉球新報 2016年12月16日 06:01
<社説>欠陥機配備撤回要請 飛行再開はあり得ない 返還式は県民を愚弄する


 オスプレイの連続事故に対する県民の強まる危機感と怒りに向き合うそぶりさえ見えない。政府が県の要求をことごとく拒否するのは事故を重く受け止めていないからではないのか。
 翁長雄志知事がオスプレイは欠陥機だとして、沖縄配備撤回を政府に改めて要請した。墜落、胴体着陸とオスプレイの事故が相次ぎ、当然の要求だ。
 だが、若宮健嗣防衛副大臣は安慶田光男副知事を訪ねた際、撤回要求を拒否し、それどころか辺野古新基地建設推進を明言した。
 安倍政権には沖縄の過重な米軍基地負担の軽減を一切期待できないことが改めてはっきりした。
県民軽視許されない
 稲田朋美防衛相は翁長知事の抗議に対し「安全性に関して県民のみならず国民も重大な関心を寄せているオスプレイの今回のような事故に関して非常に遺憾である」と述べた。
 だが「遺憾」の真意は何なのか。事故で県民が恐怖を感じたことではなく、辺野古新基地に支障が出ることを「遺憾」としているようにしか聞こえない。
 その証拠に稲田防衛相は14日、オスプレイ墜落事故の辺野古新基地建設計画への影響について「関係者が誠実に履行していくということだと思う」と述べている。新基地建設を推し進めることしか念頭にないのではないか。
 オスプレイの安全性が疑われ、事故原因も確定しない中での新基地推進発言は無神経すぎる。そもそもオスプレイは沖縄本島全域を飛び回っており、新基地ができたからといって県民が危険にさらされる状況は変わらない。県民からすれば、飛行再開はあり得ない。
 翁長知事との会談で、稲田防衛相は「県民と国民が理解して、安全だということがない限り、飛行することはやめてほしいと(在日米軍トップのマルティネス司令官に)申し入れた」と述べ、「県民の理解」がオスプレイ飛行再開の条件とも受け取れる発言をした。
 だが、稲田防衛相は事故は「不時着水」だとし、墜落とは見なしていない。オスプレイは安全で、墜落原因である訓練を改善したとして「安全宣言」することは目に見えている。
 若宮防衛副大臣は安慶田副知事との会談で「東アジアの不安定な安全保障環境で、欠くべからざる装備になっている」として、オスプレイの配備撤回要求を拒否した。
 理解し難い。百歩譲って東アジアの不安定な安全保障環境にオスプレイが貢献しているとしても、沖縄県民の犠牲はどうでもいいのか。県民軽視は許されない。
重み受け止めるべきだ
 翁長知事は北部訓練場過半の返還式典について「重大な事故を起こしたオスプレイが代替施設であるヘリパッドで運用されるのは極めて問題であり、返還式も行うべきではない」とし、開催自粛を求めた。これも当然の要求である。
 北部訓練場過半の返還は、オスプレイが使用するヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設が条件である。ヘリパッドは東村高江の集落を取り囲むように配置されている。住民のことを考えれば、盛大に祝えるものではない。
 翁長知事と面談した杉田和博官房副長官は、みんなで努力して返還まできたとして「開催したい」と拒否した。
 一体、政府がどんな努力をしてきたというのか。
 総面積約7800ヘクタールのうち約4千ヘクタールの広大な土地が返ってくるが、米軍が使用できない土地を返すだけのことだ。その見返りに、政府が住民らの反対を押し切って、米軍にとって使い勝手のいいヘリパッドを造ることを努力と言えるのだろうか。県民を愚弄(ぐろう)する返還式典はやめるべきだ。
 翁長知事は「開催を見直さない場合、多くの県民の思いが踏みにじられ、政府への強い不信感をもたらすことになる」と稲田防衛相に伝えた。その言葉の重みを政府は受け止めるべきだ。
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琉球新報 2016年12月15日 06:01
<社説>オスプレイ墜落 海兵隊撤退しかない 訓練場返還式典は中止せよ


 この危険で不気味な灰色の機体が飛ぶ限り、どこに落ちてもおかしくない。県民の命と尊厳を守り、犠牲者を出さないためになすべきことが一層鮮明になった。
 それは危険機種の撤収にとどまらない。欠陥機を運用する在沖米海兵隊の全面撤退と辺野古新基地、高江ヘリ着陸帯の建設断念を強く求める。
 海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが13日夜、名護市安部の海岸に墜落した。多くの県民が「落ちるべくして落ちた」と背筋が凍る恐怖感を味わっている。
 沖縄配備を強行した上、危険な訓練を放置する日米両政府への強い怒りが基地の島に充満している。
見苦しい矮小化
 日米両政府は北部訓練場の過半返還の記念式典を22日に催す予定だが、東村高江のヘリ着陸帯建設を急ぐ強権的対応が強い反発を招く中、墜落事故まで起きた。式典強行は県民感情を逆なでする。
 翁長雄志知事は式典中止を要求した。北部訓練場は返還を前に基地機能強化が際立ち、安倍政権が口にする「負担軽減」は虚飾に満ちている。安倍政権で「基地負担軽減」を担う菅義偉官房長官は式典中止を決断すべきだ。
 海兵隊によると、事故機は空中給油を受ける訓練中に切れた給油管がプロペラを破損し、不安定になったという。制御できなくなったから海に落ちたのだ。墜落の衝撃で機体はバラバラになって波間に漂った。それでも海兵隊と日本政府は「不時着」と言い張る。オスプレイが使う辺野古新基地計画などへの影響を抑えようとする矮小(わいしょう)化は見苦しい。
 墜落の要因は激しい訓練にもある。高江ヘリ着陸帯への離着陸の頻度は増し、宜野座村や金武町の抗議をよそに、騒音防止協定に抵触する深夜まで両町村の住宅地上空で物資宙づり訓練が続いている。
 そして、今回の墜落は風速が強い暗闇の中での空中給油訓練中に起きた。練度向上を最優先し、民意を無視して危険な訓練を強行する海兵隊の組織体制、人権意識の希薄さが引き起こしたのだ。同じ日の夜、配備先の普天間飛行場に別のオスプレイが胴体着陸していたことも明らかになった。
 海兵隊の安全管理は全く機能していない。オスプレイを巡り、2012年に全41市町村長と議長が建白書に署名し、「オール沖縄」で配備に反対した。今も建白書は生きている。翁長県政は海兵隊撤退にこぎ着ける包括的基地施策を立案し、日米政府との折衝力を高めてもらいたい。
県民見下す暴言
 駐留する地の住民感情を全く認識していない。この人の思考回路はどうなっているのか。米軍統治下に逆戻りしたかと錯覚する。
 安慶田光男副知事の抗議に対し、在沖海兵隊トップのニコルソン四軍調整官は「操縦士は住宅、住民に被害を与えなかった。県民に感謝されるべきだ。表彰ものだ」とのたまい、抗議されること自体に不満を示した。机をたたき「政治問題にするのか」と開き直る場面もあった、という。
 沖縄を見下す「植民地意識丸出し」(安慶田副知事)の暴言だ。トップの姿勢が軍隊組織に悪影響を及ぼす。海兵隊は沖縄社会と到底相いれない異物と化している。一刻も早く姿を消してもらいたい。
 県内での米軍機墜落は今年2件目で日本復帰後48件目だ。年に1度以上、米軍機が落ちる都道府県がどこにあるのか。オスプレイは試作段階を含めて墜落事故が相次ぎ、37人が犠牲になっている。
 この欠陥機が飛び続ければ、墜落などの重大事故は避けられない。安全対策を尽くすといっても新たな犠牲を防ぐ担保にはならない。沖縄の空から消えてもらうしかないのである。
 海上保安庁の合同検証要求に対する米軍の返答はなく、現場から報道陣を遠ざけるよう県警に規制を促す場面もあった。日本の主権が発揮できない現場統制、日米地位協定の欠陥も正さねばならない。
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沖縄タイムス 2016年12月15日 07:00
社説[オスプレイ墜落]海兵隊撤退へ舵を切れ


9秒でまるわかり!
• 米軍の県民への敵意は、外務省や防衛省の「米軍第一」政策が原因だ
• オスプレイ配備撤回と海兵隊撤退に舵を切るしか抜本的解決はない
• 安全保障上の不安が高まるのならば、本土移設か国外に分散配備を
 もはや悠長なことを言ってはいられない。政府や米軍が事態の沈静化を優先し、その場しのぎの対応に終始するのであれば、犠牲者を出す前に、私たち自身が強い意思と覚悟をもって対処していかなければならない。
 米軍普天間飛行場に所属する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが13日夜、名護市安部沿岸の浅瀬に墜落した。
 プロペラがちぎれ、尾翼が折れ、胴体部分はバラバラに大破していた。機体が相当な衝撃を受けたということである。
 米軍の説明によると、本島の東約30キロの上空で夜間の空中給油訓練中、給油機のKC130からオスプレイに燃料を送るホースが切れ、それが原因で不具合が生じた。
 同じ日の夜、別のオスプレイは、着陸装置に問題が生じ、普天間飛行場に胴体着陸していた。
■    ■
 キャンプ・ハンセンに隣接する宜野座村城原区の上空では12月に入って、オスプレイによる物資つり下げ訓練や夜間の旋回飛行訓練が続いた。 12日には城原区(崎濱秀正区長)が沖縄防衛局や県を訪ね、ファルコンと呼ばれるハンセンの着陸帯の撤去とつり下げ訓練の即時中止を申し入れたばかりである。その直後の、オスプレイの重大事故。 だが、安慶田光男副知事の抗議を受けた在沖米海兵隊トップのニコルソン四軍調整官は「遺憾に思う」としながらも、かなり興奮した様子で、
「パイロットは住民にも住宅にも被害を与えなかった。パイロットのすばらしい行動は感謝されるべきだ」とテーブルをたたいてまくし立てた、という。
 この発言に見られるのは、典型的な「軍人の論理」「軍隊の論理」である。
 県を代表して抗議した安慶田副知事に逆ギレしたということは、四軍調整官としての資質に著しく欠けることを自ら暴露したようなものだ。
 外務省や防衛省は、沖縄で「住民第一」ではなく「米軍ファースト」の基地政策を取り続けている。その結果、米軍の権利主張が強まり、過重負担の解消を求める県民の取り組みに露骨な敵意を示すようになった。
 安全が確認されるまでオスプレイの飛行を停止する、と米軍は言う。機体の欠陥や故障などが原因でないとすれば、どういう方法で安全を確認するのか。
 住民生活への影響なしに、この狭い島で訓練を繰り返すことはおよそ不可能であり、墜落の危険と不安は絶えずつきまとう。
■    ■
 もはやオスプレイの配備撤回と海兵隊撤退を求め舵(かじ)を切る以外に、抜本的な解決の道は見いだせない。
 全市町村長が署名し、安倍晋三首相にオスプレイの配備撤回を要請した「建白書」の精神に立ち返るときだ。
 海兵隊撤退によって安全保障上の不安が高まるのであれば、本土側が引き取るか、グアム、ハワイを含むアジアへの分散配備をもっと進めるべきだ。
 沖縄に犠牲と負担を押しつけ続ける安全保障政策は維持できない。
 まず成すべきことは、米軍普天間飛行場の一日も早い運用停止に向け、早急に日米協議を開始することである。
 当面の緊急措置としては、宜野座村城原区に隣接するキャンプ・ハンセンのヘリパッドや、東村高江を取り囲むように設置された北部訓練場のヘリパッドを使ったオスプレイ訓練を中止することだ。
 犠牲者を出してからでは遅い。
■    ■
 政府は22日、北部訓練場の約半分の返還に合わせ、記念式典を開く。
 負担軽減をアピールする狙いがあるのだろう。だが、面積を減らすことが直ちに負担軽減につながるわけではない。高江の人々からすればヘリパッドの移設は、被害の拡大にほかならない。
 オスプレイの墜落事故が起き、宜野座村城原区や東村高江の人々がオスプレイ訓練に悲鳴を上げているこのときに、ほんとうに式典を開くつもりなのか。「政治ショー」を中止し、両地域の被害をなくすことに傾注すべきである。
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