2016-12-25(Sun)

17年度予算案(1)過去最大更新 漫然と借金に頼る怖さ

財政再建--税収増頼みの危うさ アベノミクスの陰り 異常予算が常態化

----政府が決めた来年度一般会計予算案はまた過去最大を更新した。消費税増税を再び延期したのに歳出削減も怠り、将来に借金を回して膨張予算を続ける。今だけ良ければという無責任の極みだ。

九七・五兆円。一般会計の総額が膨らみ続けるのは五年連続である。規模は巨大だが、医療や介護の国民負担は拡大し、恩恵が実感しにくい予算ではないか。
 
これまでは円安などで税収が伸びてきたが、アベノミクスの陰りとともに来年度は税収増がわずかになる。そのため「税外収入」をかき集めて体裁は繕ったものの、歳入の三分の一を借金で埋める異常予算が常態化している。・・・
(東京新聞)

<各紙社説・主張>
朝日新聞)財政再建 税収増頼みの危うさ(12/23)
読売新聞)17年度予算案 「未来への投資」となり得るか(12/23)
毎日新聞)来年度予算案 漫然と借金に頼る怖さ(12/23)
日本経済新聞)3党合意の次の一体改革の検討に入れ (12/23)
産経新聞)来年度予算案 成長に資する改革足りぬ 円安頼みの財政運営を脱せよ(12/24)
東京新聞)政府予算案 財政は国の形である(12/24)
しんぶん赤旗)17年度政府予算案 税の集め方、使い方の改革急務(12/23)




以下引用



朝日新聞 2016年12月23日05時00分
(社説)財政再建 税収増頼みの危うさ


 費用対効果の意識を徹底して歳出を抑制・削減する。税制改革を実行し、増税する。経済成長によって税収を増やす。
 借金まみれの財政を立て直すには、この三つを怠らず、地道に取り組んでいくしかない。
 だが、安倍政権は成長による税収増によりかかった財政運営を続けている。それで2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化する再建目標を達成できるのか。政府が決めた予算案を見ると、不安と疑問が募る。
 まずは歳出である。
 国の来年度の一般会計当初予算案は総額97兆4500億円に達し、当初予算としては5年続けて過去最大を更新する。少子高齢化に伴う社会保障費の増加が大きいが、全ての分野を対象に、より少ない予算で政策効果を高める検討を尽くしたとはとても言えまい。
 財源不足を埋める新規国債の発行額が前年度からわずかに減るため、財務省は「経済再生と財政健全化の両立を実現する予算」とうたう。だが、予算全体の3分の1超を新規国債に頼る現実を忘れてはならない。
 補正予算を組んで、災害復旧など緊急事業に限らず歳出を幅広く積み増す作業は、もはや恒例行事だ。今年度の補正は3次にわたり、当初予算から歳出は3兆円余、新規国債の発行も4兆円余り増える。毎年度の当初予算同士を比べて増減を論じることがむなしくなる。
 補正予算に関しては、3次補正で税収見込みを1・7兆円減らすことになった点にも注目するべきだろう。
 景気はさえない状況が続くとは言え、わずかながらもプラス成長を続けており、経済が大きく落ち込んだわけではない。それでも輸出型製造業が為替相場の変動に直撃され、法人税収が見込みを下回ることになった。それに象徴される通り、不安定なのが税収である。
 安倍政権は、消費増税を2度にわたって延期するなど、本格的な負担増を避け続けている。一方で法人税は減税し、企業を元気にすれば税収も増えて財政再建が進むとの立場をとる。
 しかし、財政再建を着実に進める観点からは、それが甘い「期待」にすぎないことを、今回の予算が示している。
 政府の夏時点の試算では、19年10月に10%への消費増税を実施し、毎年度の実質成長率を2%程度と高めに見込んでも、20年度のPBは5兆円超の赤字が残る。黒字化は高い目標だ。
 それでも旗は降ろさないと、首相は繰り返す。どうやって達成するのか、語る責任がある。
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読売新聞 2016年12月23日 06時00分
社説:17年度予算案 「未来への投資」となり得るか


 ◆成長と財政再建の両立目指せ◆
 成長を維持しつつ、財政再建を進める。その難題を克服しなければ、経済の再生は望めない。
 政府が2017年度予算案を決定した。一般会計総額は97・5兆円と、5年連続で過去最大を更新した。
 新規国債発行額は16年度当初より抑え、歳入中の借金の割合である国債依存度も小幅改善した。
 政府は「経済成長と財政再建の両立を図った」と説明する。
 ◆重点事業はパンチ不足
 だが、社会保障費の膨張で財政の硬直化が進み、メリハリに欠ける。借金依存も変わらない。安倍首相が掲げる「未来への投資」に十分応えたものとは言い難い。
 政府が予算案の目玉事業としたのは、「成長と分配の好循環」につなげるための施策だ。
 「1億総活躍社会の実現」に向けて、保育士・介護職員の処遇改善、保育の受け皿拡大、雇用保険料の軽減などを予算化した。
 しかし、保育士などの処遇は、全産業平均の賃金より月10万円程度も低い。この水準をごく一部、底上げするに過ぎない。
 「働き方改革」関連では、非正規雇用から正社員に切り替える企業への支援などを予算計上した。こうした企業支援も、経営者が自社の業績に明るい展望を持てるかどうかにかかっていよう。
 重点事業の狙いは理解できる。予算の効果を上げるには、民間活力を引き出す様々な規制緩和などを組み合わせる必要がある。
 人工知能やIoT(モノのインターネット)といった第4次産業革命を推進することも大切だ。
 公共事業費は6兆円でほぼ横ばいとした。度重なる自然災害を踏まえ、防災・減災に重点を当てたのは妥当だろう。
 問題なのは、社会保障費の膨張が止まらないことだ。
 団塊世代の高齢化で、17年度は初めて32兆円を超えた。一般会計全体の3分の1を占め、歳出拡大の主因となっている。
 ◆社会保障費どう抑える
 医療分野で、豊かな高齢者に現役世代並みの負担を求め、75歳以上の保険料を軽減する特例を段階的に廃止する。年齢ではなく所得に応じた仕組みに転換したのは一歩前進だ。超高額薬オプジーボの薬価50%引き下げも実現した。
 こうした措置で、6400億円と見込まれた自然増を16年度に続いて目標の5000億円まで圧縮した。その努力は評価できる。
 だが、高齢化の進行により、社会保障費が予算全体を圧迫する構図は今後さらに強まる。一方、財源となる消費税率10%への引き上げは19年10月まで延期された。
 医療、介護、年金各分野で持続力を高める制度設計への練り直しが求められる。国民が痛みを分かち合う議論が避けられまい。
 成長戦略を後押しする機動的な予算編成の余地を残すためにも、社会保障と税の一体改革を抜本的に再構築することが必要だ。
 予算効果を見極め、歳出削減を加速させねばならない。
 農道や用水路の整備などを行う土地改良事業は、4000億円に増額した。与党内で、民主党政権時代に削減された事業費の回復が声高に唱えられた。
 事業の質より量を求める旧来の発想が残っているとすれば、歳出改革は実現できない。
 17年度末の国と地方を合わせた長期債務残高は1094兆円に達し、先進国で最悪の水準だ。
 政府は、20年度に基礎的財政収支を黒字化する目標を掲げている。今のような財政運営を続けていては、目標の達成は一段と危ぶまれる状況にある。
 安倍政権は、金融緩和や財政出動による経済成長で税収増を実現し、それをテコに財政再建の歯車を回す戦略を取ってきた。
 ◆歳入歳出の徹底改革を
 だが、アベノミクスの果実である税収増はブレーキがかかっている。16年度の税収は、円高などで企業業績が頭打ちとなり、当初見込みを大幅に割り込む。
 17年度の税収は、景気の改善を見越して、7年連続増の57・7兆円を見込んでいる。
 ただ、前提となる名目成長率は2・5%で、大方の民間予想を上回っている。政府の見立ては強気に過ぎるのではないか。
 利上げ後の米経済の動向や、中国経済の減速など、日本経済を取り巻く情勢は予断を許さない。
 トランプ次期米大統領の景気刺激策で円安・ドル高が進み、輸出産業の収益増への期待は高まるものの、不透明感も強い。
 景気変動にも耐えられる財政運営へ向け、歳入歳出両面で不断の改革を進めていくべきである。
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毎日新聞2016年12月23日 東京朝刊
社説:来年度予算案 漫然と借金に頼る怖さ


 政府は2017年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は97兆円台と5年連続で過去最大を更新した。膨張に歯止めをかけられず、巨額の借金を抱える財政への危機感が感じられない。
 新規国債の発行額はわずかに減らしたが、国債依存度は35%と依然高い。発行残高は865兆円に膨らみ、「借金漬け」に変わりない。
 今回の予算編成は、安倍晋三首相が思い切った改革に取り組める好機だった。夏の参院選で与党が大勝し、政治基盤が強固になったからだ。
 首相は参院選直前に消費増税の2回目の先送りを決めた。増大する社会保障費の安定財源がしばらく確保できなくなり、歳出改革の重要性は増していた。
 効果の乏しい事業は抜本的に見直す。日本経済を持続的成長に導く分野には手厚く配分して構造改革を促す。大胆なめりはりが求められたが、実際は既得権益に縛られた。
 代表的なのは5年連続で増加して6兆円近くを計上した公共事業費だ。これまで公共事業の多くはばらまきに終わった。厳しい財政の中、上積みする余裕はなかったはずだ。
 農業の公共事業である土地改良事業費は、16年度当初予算比で200億円増の4020億円を計上した。民主党政権が減らしたが、自民党は増額圧力を強めた。政府は16年度第2次補正予算でも1752億円を盛り込んでおり、大盤振る舞いだ。
 社会保障費は32兆円台と過去最大に達した。高齢化による伸びをある程度抑え、保育士の待遇改善など少子化対策を充実させる姿勢も見せたが、めりはりは十分と言えない。
 防衛費も5・1兆円と過去最大だ。安全保障を重視する政権の姿勢を反映したが、聖域化していいのか。
 新規国債の発行額を減らしたのは、16年度に落ち込んだ税収の回復を見込むためだ。円安による企業収益の改善で法人税収が増えると想定するが、円安が続く保証はない。
 政府が健全化の指標とする基礎的財政収支は10・8兆円を超す赤字で、5年ぶりの悪化となる。税収見積もりを高めても社会保障費などが増えるからだ。国・地方合計の基礎的財政収支の20年度黒字化という目標の達成は一段と厳しくなった。
 首相は「経済成長なくして財政健全化なし」との方針を掲げてきた。成長に伴う税収増を当てにして歳出抑制に及び腰だった。今回も改革に踏み込まず、漫然と借金に頼った。
 政府の危機感が乏しいのは、日銀の金融緩和で金利が歴史的な低水準にあるためだ。だが、金利上昇を抑え込む日銀の国債購入も限界がある。改革が手つかずのままの財政はいずれ行き詰まるはずだ。
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日本経済新聞 2016/12/23付
社説:3党合意の次の一体改革の検討に入れ


 先進国で最悪の財政状態であるにもかかわらず、歳出が膨らむ主因である社会保障費の効率化はなお道半ばだ。政府が決めた2017年度予算案である。
 経済成長と両立させつつ、財政と社会保障を持続可能な状態にしなければならない。そのために政府は新たな社会保障と税の一体改革の検討に速やかに入るべきだ。
 17年度予算案の総額は97兆円超と過去最高を更新した。
 歳入面では、税収を57.7兆円と見積もった。見逃せないのはむしろ16年度だ。今秋までの円高で企業業績が悪化したため、16年度第3次補正予算案で税収を1兆7千億円あまり下方修正した。
 赤字国債を追加発行する結果、16年度の一般会計に占める新規国債発行額の割合は38.9%と4年ぶりに上昇する。
 安倍晋三政権は経済成長に伴う税収増をアベノミクスの実績として強調してきたが、やはり税収増に過度に依存した財政健全化は危うい。社会保障費を中心に歳出にしっかり切り込む必要がある。
 17年度予算案では、医療や介護で高齢者の負担増に踏み込んだ。たとえば、70歳以上の外来医療費の上限を引き上げたり、介護サービスでは一部の利用者の自己負担を3割に引き上げたりする。
 所得や資産にゆとりのある高齢者にも応分の負担をしてもらうのは当然だ。高齢化に伴う社会保障費の伸びを年5千億円程度に抑える目標は達成し、18年度も同程度の目標達成のメドがたったと財務省は説明している。
 しかし、目先の帳尻合わせだけでは困る。政府は20年度に国と地方をあわせた基礎的財政収支を黒字にする目標を掲げる。19年10月に消費税率を10%に上げたとしても、目標達成のハードルは高い。
 その先の25年には、団塊の世代がすべて75歳以上になる。放置すれば医療や介護の費用は急増しかねず、今から思い切った対策を検討する必要がある。
 12年の自民、公明、民主(現・民進)の3党合意を何とか維持しようと四苦八苦していたり、次の消費増税の是非を議論したりするだけでは不十分だ。
 社会保障を効率化しつつ、真に支援が必要な人や子ども・子育て向けの支援を強化する。その財源確保を含めて社会保険と税制のあり方を一体で見直す。そんな抜本改革に今から着手するのが政府・与党の責務だ。
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産経新聞 2016.12.24 05:01
【主張】来年度予算案 成長に資する改革足りぬ 円安頼みの財政運営を脱せよ


 力強さの見られない経済を立て直す。財政再建は消費税増税の再延期で揺らいだが堅持する。安倍晋三政権の財政運営は、引き続きその両立を求められている。
 平成29年度予算案の一般会計総額は、社会保障費の膨張などで97兆4500億円に達した。5年連続で過去最大を更新した。これを民需主導の成長へどうつなげるかが問われる。
 予算案の特徴は、成長と分配の好循環、働き方改革に資する政策に重点的に配分したことだ。野放図な歳出は許されず、選択と集中を図るのは当然である。
 「目安」達成評価したい
 一時的な需要喚起にとどめるのではなく、0%台の潜在成長率を高め、経済の長期低迷を脱する契機としたい。
 だが、経済再生と両輪で進める財政健全化の道筋は楽観できない。成長に伴う税収拡大を財政再建につなげる戦略は揺らぎだしたという現状認識が必要だ。
 安倍政権は、消費税増税の再延期を決めた後も、32年度に基礎的財政収支を黒字化する方針を維持した。29年度予算は、その目標に向けた集中改革期間の2年目にあたる。
 その意味で、一般歳出の伸びを5300億円程度に抑えるという経済・財政再生計画の「目安」を達成したことは評価できる。
 それでも、新規国債の発行額はわずかしか減らせなかった。第2次安倍政権発足後、着実に進めてきた借金依存からの脱却ペースが急減速した印象である。
 背景には、税収の伸び悩みがある。政府は税収を見積もる前提となる29年度の成長率を名目2・5%、実質1・5%程度とした。民間予測よりも強気の数字だ。
 その上で税収を微増の57・7兆円と見込んだ。円安に伴う企業収益の改善で法人税収が増えると想定したためだ。さらに税外収入もかき集め、かろうじて国債発行減を維持できた印象が強い。
 だが、円安に期待した財政運営は大きな不確実性を伴うことを忘れてはならない。29年度予算案と同時編成した28年度第3次補正予算案で1・7兆円の赤字国債を発行するのも、年初以降の円高で税収が下ぶれしたためである。
 最近の円安や株高は、米国の次期政権に対する期待先行の「トランプ相場」によるものだ。トランプ氏がドル高を放置するかは予断を許さず、円相場もいずれ反転するときが来よう。
 指摘したいのは、アベノミクスの果実だと主張している税収増が、実際には為替次第で大きくぶれるという点である。本来、経済の足腰を強めて為替に翻弄されない強い経済を構築すべきなのに、それが十分できていない。
 だからこそ、日銀が金融政策を総括検証したのと同様、アベノミクスの足らざる部分を真摯(しんし)に総点検した上で、歳出や歳入の構造を抜本的に改革すべきである。
 補正での緩みを戒めよ
 その点、29年度予算案における改革や切り込みには物足りなさが残る。1億総活躍社会の実現など政権の看板に沿って保育・介護人材の処遇改善などを進めるが、重点施策についてどれだけ費用対効果を検討したのか疑問だ。
 例えば、返済不要の給付型奨学金の創設だ。参院選前に各党が公約の目玉に掲げた。無利子奨学金の拡充にとどまらず、給付型も創設する。その必要性をどれほど吟味したのか。
 歳出削減のカギを握る社会保障費は、厚生労働省の要求額を1400億円圧縮した。70歳以上の中所得者の外来医療費限度額を引き上げ、高齢者に対する優遇策に切り込んだことは前進である。
 支払い能力に応じて負担を求め、真に必要な人に重点的にサービスを提供する。これを基本に歳出構造を不断に改革する取り組みが欠かせない。
 留意すべきは、当初予算で社会保障費に切り込んでも、それを補う支出を補正予算で手当てしがちなことだ。ごまかしの手法を断ち切らなければ、社会保障費は際限なく膨張しかねない。
 公共事業でも、景気対策を理由に28年度は2次補正で2・7兆円の建設国債が追加発行された。
 いたずらに多くの予算を確保するのが大切なのではない。生産性向上や成長分野の開拓に真に役立つインフラを効率的に整備することこそ、経済再生に欠かせぬ財政運営の基本である。
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東京新聞 2016年12月24日
【社説】政府予算案 財政は国の形である


 政府が決めた来年度一般会計予算案はまた過去最大を更新した。消費税増税を再び延期したのに歳出削減も怠り、将来に借金を回して膨張予算を続ける。今だけ良ければという無責任の極みだ。
 九七・五兆円。一般会計の総額が膨らみ続けるのは五年連続である。規模は巨大だが、医療や介護の国民負担は拡大し、恩恵が実感しにくい予算ではないか。
 これまでは円安などで税収が伸びてきたが、アベノミクスの陰りとともに来年度は税収増がわずかになる。そのため「税外収入」をかき集めて体裁は繕ったものの、歳入の三分の一を借金で埋める異常予算が常態化している。
 今は日銀が長期金利を無理やり抑え込んでいるため問題が表面化していないだけである。いわゆるトランプ相場で金利に上昇圧力がかかり、為替も不透明感が強い。
 巨額の財政赤字を抱え、人口減と高齢化が進むだけに、歳出に切り込んだうえで負担増に向き合うしかないはずだ。だが安倍政権は増税から逃げ、歳出削減も避ける。財政健全化の意思が希薄だ。
 国際通貨基金(IMF)は九月、安倍政権に対し、財政再建のためには独立した財政機関の設置が重要とする報告書を発表した。
 消費税率の10%への引き上げを延期したことを挙げ「政策決定に不透明さと不確実性という重大な弱点がある」と指摘し、予算編成過程を監視する機関を求めた。
 主要各国はリーマン・ショックで傷んだ財政の健全化を進めるため、すでに機関を設置済みだ。世界で最も財政状況が悪い日本が、ひとり設置していないのはおかしい。財政規律を欠いた政府に委ねていては手遅れになりかねない。
 今回の予算編成で焦点の一つは、持続可能な社会保障を維持するために高齢化で膨らむ自然増加分を五千億円に抑えることだった。高齢者の高額療養費制度を見直し、一定の所得がある人は現役世代と同じ負担水準にしたことは理解できる。
 ただ消費税率引き上げを二度にわたり延期する一方で負担増や給付減を並べるばかりでは国民の将来不安はなくならない。
 財政は国の形を表す。残念ながら、わが国は受益と負担がともに不十分だ。必要な人に必要な社会福祉サービスが届いているか。富裕層への課税や企業の負担は適切か。将来世代へ安易に負担を先送りするのでなく、現世代で痛みも受け入れる。そんなまっとうな財政に一刻も早く舵(かじ)を切るべきだ。
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しんぶん赤旗 2016年12月23日(金)
主張:17年度政府予算案 税の集め方、使い方の改革急務


 安倍晋三政権が、一般会計で97兆4547億円に上る2017年度の政府当初予算案を決定しました。16年度の第3次補正予算案とともに通常国会に提出します。安倍政権が政権に復帰して以来5度目の当初予算ですが、看板にしてきた経済政策「アベノミクス」が破綻して税収が伸び悩む中、軍事費の異常な突出と暮らしに関連した社会保障予算などの抑制が特徴です。国民の暮らしも経済もよくならず、「戦争する国」への暴走で平和が脅かされるばかりです。税金の「集め方」と「使い方」の抜本改革がいよいよ急務です。
「アベノミクス」が破綻し
 4年前の12年12月、政権に復帰した安倍政権は「経済再生」を最優先させると打ち出しました。しかし4年たったいま、異常な金融緩和や財政拡大、「規制緩和」による企業へのテコ入れを柱にした政策は、大企業や大資産家の懐を豊かにしただけで国民の所得や消費拡大に結びつかず、14年4月に消費税を増税したこともあって、経済の6割を占める消費の低迷が続いています。税収も伸び悩み、16年度第3次補正予算案で歳入を1・7兆円も下方修正して国債を増発したのも、「アベノミクス」の破綻を浮き彫りにしています。税収の伸び悩みで、税金で政策支出を賄う基礎的財政収支は17年度悪化する見込みです。
 税金は本来、負担能力のある大企業や大資産家に応分に負担してもらうのが原則です。ところが安倍政権は大もうけした大企業に負担を求めるどころか庶民に増税し、「企業が最も活躍しやすい国」を目指すと法人税などの減税を繰り返してきました。税金の「集め方」が根本から間違っています。
 「アベノミクス」が破綻した安倍政権は15年10月に予定した消費税の再増税を2回にわたって延期しました。その結果、16年度も17年度も予定した「低年金対策」などを延期しなければならなくなったのは、消費税に頼った税制の破綻です。税金の「集め方」の改革は、待ったなしです。
 安倍政権は税金の「使い方」の面でも財政のあるべき姿を破壊しています。財政は国民の税金で国の仕事を賄うとともに、金持ちだけが潤って格差と貧困が拡大しないよう、社会保障などで所得を再分配するものです。ところが安倍政権になって軍事費は5年連続で増え続け、当初予算で過去最大の5兆1千億円台に達したのに、社会保障予算は自然増さえ賄おうとせず17年度は概算要求からさえ1400億円も削減しました。医療も介護も年金も改悪の連続です。
 これでは国民本位の財政などとは言えません。税金の「集め方」と「使い方」の改革が不可欠です。
「大砲よりもバター」を
 「大砲よりもバターを」という言葉がありますが、実は1930年代、ドイツでナチスが大軍拡を進めたときのスローガンは全く逆に「バターより大砲」でした。異常な大軍拡のあげくドイツが亡国の道を突き進んだのは有名です。
 安倍政権の大軍拡で日本の軍事費はすでに世界有数の水準で、一方、社会保障の公的支出はドイツやフランスの7、8割、教育への公的支出は経済協力開発機構(OECD)の33カ国中32位です。安倍政権は歴史の誤りをたどるのか―。税金を暮らしに役立てる転換がいよいよ求められます。
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