2017-01-04(Wed)

北陸新幹線 大阪延伸 見切り発車は禍根を残す

地域経済発展にもつながらない ハッキリした無謀なムダづかい計画

<主張>
産経新聞)北陸新幹線の延伸 見切り発車は禍根を残す(12/28)

<記事>
しんぶん赤旗)北陸新幹線「延伸」中止・撤回を 地域経済発展にもつながらない(12/26)
中日新聞)政治新幹線の先に(上中下) (12/21-23)
中日新聞)未着工区間に計上30%増 政府予算案、前年度比(12/23)
福井新聞)JR西社長「並行在来線まだ白紙」 北陸新幹線、FGT導入不透明(12/22)

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ハッキリした無謀なムダづかい計画
北陸新幹線「延伸」計画は、中止・撤回しかない(2016年12月26日)
日本共産党京都府委員会
http://www.jcp-kyoto.jp/jcp2016/wp-content/uploads/2016/12/20161226.pdf





以下引用

産経新聞 2016.12.28 05:03
【主張】北陸新幹線の延伸 見切り発車は禍根を残す
 北陸新幹線大阪延伸をめぐり、政府・与党が福井県の敦賀から小浜と京都を経由する「小浜・京都」ルートで建設することを決定した。2031年に着工し、46年の完成を目指す。
 整備新幹線の建設費は国と地方が2対1で負担するのが原則だが、小浜ルートの2兆円超にのぼる建設財源は確保されていない。JR西日本から切り離される並行在来線の運営主体も未定だ。
 与党や地元からは建設の前倒しを求める声が早くも上がっているが、多くの課題を積み残したまま延伸を決めたのは、拙速の印象が拭えない。
 北陸新幹線は40年以上前の計画に基づき、その後の高速道路の整備や沿線人口の減少などを考慮していない。地方の高速鉄道網のあり方や費用対効果などを見極めた慎重な議論が欠かせない。
 与党の作業部会では、滋賀県米原市で東海道新幹線に接続する米原案と京都府舞鶴市を経由する舞鶴案も検討した。この中で運賃が最も安いうえ、時間短縮の効果が大きく、JR西も支持した小浜-京都ルートで決着した。
 国は北海道、九州、北陸の整備新幹線向けに毎年度約755億円を投じているが、北陸向けは未着工の敦賀以西の建設費は確保されていない。このため、札幌の開業後に建設を始めるという。
 地元が地域の活性化に向けて新幹線に期待をかけるのは理解できる。だが、小浜ルートでも費用対効果の試算は投入資金をわずかに上回る程度だ。域内の大半がトンネルとなる京都府は、高額の建設費負担に難色を示している。
 整備新幹線は、1973年の高度成長期に策定された計画が基本だ。右肩上がりの当時とは異なり、現在は財政状態が悪化し、他の交通手段も充実している。その中で新幹線建設を優先する合理的な理由は見当たらない。
 新幹線が開業すると、並行して走る在来線はJRの経営から切り離される仕組みだ。第三セクターなどとして地元が経営を肩代わりするが、運賃が上昇して沿線住民の負担が増える場合もある。
 与党には北陸新幹線を前倒し開業させ、四国新幹線や山陰新幹線の新規着工を求める声がある。建設費に財政投融資を活用する案も浮上するなど、建設に前のめりな姿勢ばかりが目立つ。これでは幅広い国民の理解は得られまい。

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北陸新幹線「延伸」計画に関する見解 日本共産党京都府委員会

(「しんぶん赤旗」2016年12月26日付けより転載)
北陸新幹線「延伸」中止・撤回を 地域経済発展にもつながらない
 北陸新幹線の福井県敦賀以西の未着工のルート選定で、与党のプロジェクトチームは20日に、福井県小浜市から京都駅を通る「京都・小浜ルート」を正式に決定し、京都―新大阪間は年度内に結論を出すとしました。これを受け、日本共産党京都府委員会は26日、「延伸」計画をめぐるこの間の経過の特徴は「まったく無謀でずさん」「地域経済の発展にもつながらないものであることが、いよいよハッキリした」とし、計画を中止・撤回するよう求める見解(第3次)を発表しました。党府委員会は「延伸」計画について3月と11月にも見解を明らかにしています。
 第3次見解は、「関西メガリージョン(大都市圏域)」構想に乗り遅れまいとする「延伸」計画などの新たな大型開発の方向は、「三大都市圏」への産業と人の集中をより加速し、地方の疲弊に拍車をかけるだけと批判しています。
 「延伸」計画やリニア中央新幹線建設の「前倒し」の背景には、大型公共事業・「利益誘導」型政治の公然たる復活があると指摘しました。
 今年に入っての「一大キャンペーン活動」では「結局、ルートを決めるのは政治力」(公明党衆院議員)と言い放ったことや、国の「基本計画」路線にない「舞鶴ルート」と山陰新幹線の「共有区間」論が押し出されたことなどに触れ、「こうした『利益誘導』型政治が、住民不在、推進派内でも足並みがそろわない『ルート』決定の背景だ」と強調しました。そして「府民や自治体関係者を巻き込んだ自民、公明、京都府知事らの責任は重大で厳しく指弾されなければならない」と述べています。
 「新たな暴論」として、府知事が「ルートの問題と負担の問題は一応今のところは切り離して」と答弁し、財政より「ルートと建設、先にありき」で財政規律を無視した無責任な態度を示したことを告発しています。
 急浮上した「南回りルート」=京田辺・狛田地区への「新駅」設置について、並行在来線がどうなるか、住宅密集地などをどう通すのか、沿線自治体の財政負担はどうなるかなど新たな矛盾が生まれると指摘しています。


第3次見解
ハッキリした無謀なムダづかい計画
北陸新幹線「延伸」計画は、中止・撤回しかない(第3次見解)
2016年12月26日 日本共産党京都府委員会
http://www.jcp-kyoto.jp/jcp2016/wp-content/uploads/2016/12/20161226.pdf

第2次見解(2016年11月8日)
京都府南部のみなさんへ―北陸新幹線、リニア新幹線等の訴えを発表しました
京都府南部のみなさんへ―日本共産党の訴え― 無謀な「ムダづかい計画」(北陸新幹線「延伸」、リニア新幹線)ではなく、府南部の地域公共交通の充実、暮らし続けられる地域づくりを
http://www.jcp-kyoto.jp/activity_and_policy/activity_and_policy-1660/
全文のPDFデータ
http://www.jcp-kyoto.jp/jcp2016/wp-content/uploads/2016/11/20161108-funanbu.pdf

第1次見解(16年3月25日)
関係自治体、議会で問題点の調査・検証を行い、地域住民にすべての情報を公開し、徹底した議論を
〜問題山積のまま「結論とルート先にありき」の決定は許されない〜
http://www.jcp-kyoto.jp/jcp2016/wp-content/uploads/2016/03/20160325.pdf

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中日新聞 2016年12月21日
滋賀:<政治新幹線の先に>(上) 米原乗り入れ
 北陸新幹線の未着工区間(福井県・敦賀-新大阪間)のルートを巡り、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)が二十日、下部組織の検討委員会の報告を基に小浜-京都案の採用を決めた。費用対効果や建設費などで圧倒的に優れる米原案は、どうして選ばれなかったのか。「政治新幹線」と言われる検討過程の深層に迫る。
 「米原ルートはリニア中央新幹線が通ることになれば、当然つなげるべきだ」。今年一月、一人の政治家がソファに深くもたれて悠々と語った動画がネット上に流れた。
 画面越しに映るのは、与党PTの検討委員長の西田昌司参院議員(京都選挙区)。米原案を推す滋賀県知事でも米原市長でもない。
 ただこうも加えた。「米原案の根拠は『リニアができたら(東海道新幹線の過密ダイヤが)空くじゃないか』というところにある」。当初、新大阪までのリニア全線開業は二〇四五年を予定。新幹線の延伸時期までに開業が間に合わないのを見越し、暗に米原案を否定するものだった。
 その三カ月後の四月、与党検討委は米原案と小浜-京都案、舞鶴案の三案に絞り、滋賀県が米原案、JR西日本と福井県が小浜-京都案、京都府が舞鶴案をそれぞれ推す三つどもえになった。
 当時から営業主体のJR西も支持する小浜-京都案が一歩リードしていた。米原案は、リニア開業時期との絡みで、米原駅での東海道新幹線への「乗り入れ」ではなく、「乗り換え」が前提に。所要時間の長さをネックに出遅れていた。
 しかし、夏ごろから米原案に追い風が吹く。政府が名古屋-新大阪間の開業前倒しへ動きだしたからだ。十一月十一日、四五年から最大八年の前倒しが正式に決まった。
5日の与党PTの検討委で県が配布した資料。三日月知事は東海道新幹線への「乗り入れ」検討を求め、国民本位の議論の必要性を訴えた
 「当時は巻き返せる空気だった」と滋賀県関係者は振り返る。ところが、三日月大造知事が今月五日、与党検討委で「乗り入れ」を提案すると、その利点は議論されなかった。検討委後の会見で西田委員長は次のように言い放った。
 「新幹線整備は、JRと地元自治体の合意が大きな柱。技術的な議論より、そのポイントが事実上、大事だと思う」
 JR西日本とJR東海は終始、ダイヤの過密性や会社間の運営システムなどの違いを挙げるばかり。有識者から「乗り入れは可能」と指摘が挙がっても、JR東海の柘植康英社長は「相当先の話」と「乗り入れ」への言及を避けた。
 三日月知事は「乗り入れ」の実現例として山陽新幹線と九州新幹線の相互直通運転を指摘。その上で「乗り入れに必要な経費は数百億円、別のルートを選択すると、(米原案の五千九百億円)プラス一・五兆~二兆円だ」として、国民本位の議論を求めた。しかし、結果は違った。
 今振り返れば、西田委員長は一月、動画でこうも言っていた。「一つ一つ聞き取りして現状を委員が理解し合っていくとルート選定は自然に落ち着いていく」
 この発言について、与党関係者は補足する。「結局、小浜-京都案を選ぶための議論。米原乗り入れを検討したら、落ち着くどころではなかった」
 (この連載は成田嵩憲が担当します)

中日新聞 2016年12月22日
<政治新幹線の先に>(中) 石川県の翻意
小浜-京都案支持を報道各社に説明する石川県の谷本知事(中央)=東京・永田町で
 「決議が早すぎる。なくしてよ、早く」
 一日、石川県の谷本正憲知事は県議会第二会派との懇談で、議会が「米原ルートが最適」とした昨秋の決議の撤回を冗談めかして求めた。
 北陸三県は福井、富山が小浜-京都案支持を打ち出していたが、石川は立場を留保していた。議会決議を主導した自民党県連会長の福村章県議が十月に滋賀県庁で三日月大造知事と会談し、米原案実現へ連携強化を約束していたからだ。
 しかし、そこには筋書きがあったようだ。翌二日、福村県議は工期の短い米原案と同レベルの早期開通を前提に一転、小浜-京都案支持を表明。満を持した谷本知事は五日、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会のヒアリングで小浜-京都案支持を明言した。
 谷本知事の決断の根底には、小浜-京都案を提案したJR西日本の意向がある。「自らルートを提案したというのは、よほどの覚悟を持っているのでしょう」と決断の正当性をJRに委ねた。
 JR西日本が小浜-京都案を提案したのは今年一月の与党検討委。関西から北陸への旅客誘導の大きさを踏まえ収支採算性を重視したとした。
 その意向は関西広域連合にも働いた。与党検討委の翌々日、広域連合は当初の米原案推奨の立場を白紙撤回。その会議前、JR西の来島達夫副社長(当時)が非公開で各府県に小浜-京都案支持の立場を唱えていたのだ。
 なぜJRの意向が重視されるのか。政府が、税金を投じる整備新幹線建設の着工五条件の一つに「営業主体としてのJRの同意」を掲げるからだ。谷本知事は「(JRは)同意を超えて自らルートを提案された。小浜-京都案ならば、収支採算性は相当良くなるという判断があったのだろう」とその意向をくみ取る。
 JRの意向はルート選定にとどまらない。新幹線と並行する在来線の経営分離にも大きく働く。JR西の来島副社長は滋賀県への説明で「(小浜-京都案になった場合)湖西線(山科-近江塩津)が並行在来線になる可能性がある」と経営分離の検討対象を示した。
 これを受け、県や県議会、地元自治体などは「JR西日本から北陸線、湖西線が経営分離されることは認められない」と米原案と同時に訴えてきた。
 とはいえ、着工五条件の一つには「並行在来線の経営分離について沿線自治体の同意」があり、JR側に決定権があるわけではない。さらに、小浜-京都案をまとめた今月十四日の与党検討委の中間報告には「新幹線が通らない県内の在来線の経営分離は現在の自治体の意向を前提とすべき」と明記された。
 だが予断を許さない。「たとえ着工後すぐに経営分離しなくても、JR側は運賃の値上げや減便をして利用者を減らしていくのが目に見えている」。湖西線を守る住民の会世話役の中本義文さん(69)、垣貫邦男さん(65)は将来的な経営分離を危ぶむ。


中日新聞 2016年12月24日 滋賀
<政治新幹線の先に>(下) 巨額の建設費 
米原ルートの実現を求める看板。建設費が1兆5000億円も上回る小浜-京都ルートに決まったことに、地元関係者は憤りを隠せない=米原市のJR米原駅前で
 十四日、県内の関係者は憤っていた。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委員会が小浜-京都案にまとめた報告書に記された理由が、たった数行にすぎなかったからだ。
 「北陸と関西の間の移動の速達性、利用者の利便性などを総合的に勘案し、小浜-京都ルートが適切である」
 会合後、報道各社から理由を問われた西田昌司委員長(参院京都選挙区)は、報告書と同じ説明を繰り返すだけだった。
 県内の経済団体を核とする米原ルート実現促進期成同盟会の日向寛会長は、検討委の会合後、憤りをあらわにした。
 「小浜-京都案は米原案に比べ、建設費が三倍以上。税金の使い方を示さず、経費の高い路線を選ぶのに説明がない」
 米原市の平尾道雄市長も不満を隠さなかった。「(JR西日本が)急に小浜-京都案を言い出して、あれよあれよという間にその案が有力になって。私は与党の議論を怪訝(けげん)な感じで見てきた」
 国土交通省の調査結果によると、小浜-京都案は運賃・料金が最も安い上に関西-北陸間を一番早く行き来できるが、費用対効果や建設費、建設期間は、米原案(乗り換え)がはるかに上回る。
 所要時間を二十分短縮するのにさらに一・五兆円を追加する-。小浜-京都案を米原案と比べるとそんな計算ができる。
 「時間短縮に大金を払うルート。これでは、米原案は合理性で勝るのに政治力で負けたと言わざるを得ないだろう」。日向会長は嘆いた。
 二人が指摘する通り、二十日の与党PTで正式決定した小浜-京都案が実行できるかは不透明だ。巨額の建設費が着工の壁になるからだ。
 着工時期は従来の計画通りなら、北海道新幹線札幌開業後の二〇三一年以降。それまで財源確保の見通しは立たず、開業は早くても四六年だ。
 与党PT座長の茂木敏充・自民党政調会長は、小浜-京都案の通過ルート公表に向けた詳細調査に一~二年、環境影響評価(アセスメント)に四年ほどかかるとし、「(四六年より早期の開業に向け)この間に与党で整備財源確保の検討を行う」と語った。
 新幹線建設には、JRの負担と同時に、国と沿線自治体が税金を投じるが、国と自治体は財政逼迫(ひっぱく)の中、ともに支出への抵抗感は強い。
 舞鶴案を推していた京都府の山田啓二知事は十五日の定例会見で「府にとって便益は少なく、見合った負担しかできない」と述べ、建設費の地方負担額の軽減を国に求める姿勢を明らかにした。
 与党内でも心配の声が上がっている。自民党の行政改革推進本部は十六日、敦賀以西ルートの建設費を厳しく見積もるよう政府に求めた。着工までに建設費の見積もりが上振れする可能性があるとみたからだ。
 国交省の試算では、小浜-京都案は「投資に見合う」とされた。ただ、前提となる乗客数は、現在の在来線特急の二・四倍に増えるとしている。
 与党関係者は自嘲気味に言う。「これから沿線の人口減が進む。少々楽観的すぎではないか」
 (この連載は成田嵩憲が担当しました)

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日本経済新聞 2016/12/27 6:00
北陸新幹線延伸、識者に聞く 小浜・京都ルート、効果と課題は
 北陸新幹線の敦賀以西の延伸ルートが20日、「小浜・京都ルート」に決まった。関西との時間短縮による経済効果などが期待されるが、着工時期は現時点で明確でない。延伸による北陸への効果や今後の課題などについて、インフラ政策を研究する政策研究大学院大学の家田仁教授と、地域経済学が専門の金沢大学、佐無田光教授にそれぞれ聞いた。
【政策研究大学院大・家田仁教授「高速道接続で効果アップ」】
 ――「小浜・京都ルート」に決まりました。
 「新幹線はなるべく短いルートにし、駅もあまり造らず速達性を高める。同時に駅には割安な駐車場を用意して高速道路でアクセスするようにすれば、費用対効果が高まる。北陸では高速道路のネットワークがかなり整備された。どういう駅を造るかにもよるが、悪くない選択だ」
 ――大阪延伸は北陸にどのような効果をもたらしますか。
 「北陸はもともと関西とつながることで文化的に成り立ってきた。大阪までの延伸は関西の経済圏が広がり、何でも首都圏が頑張らなければいけないという国土の構造変化にもつながる。北陸にとっても関西との隣接性が高まるのはプラスだ」
 「地震リスクを抱える東海道新幹線のバイパス機能という点も大きい。首都圏、中京圏、関西圏という日本のエンジンを結ぶ東海道新幹線が災害で止まれば、日本経済への影響は極めて深刻だ。北陸新幹線が同時にダウンすることは考えにくく、バックアップ機能を果たせる」
 ――小浜・京都ルートの費用対効果が1を下回る可能性はありますか。
 「あるかもしれないが、公共事業の費用対効果を計算する際、社会的割引率という数値を使って実際より低い数字を出している。割引率は4%で、費用対効果が1.0だとしても4%の利回りがあるということ。舞鶴・京都ルートの0.7でも実際の利回りは3%弱だ。1を超えるかどうかというのは重要ではない」
【金沢大・佐無田光教授「地場産業磨いて人材誘え」】
 ――敦賀以西ルートの開業は北陸経済にどのような影響を与えますか。
 「そもそも新幹線に地域経済を持続的に浮揚させるほどの効果はない。金沢開業で石川県の経済波及効果は百数十億円との試算があった。実際はかなり上振れしたようだが、仮に3~4倍であっても県内生産額の1%にも及ばない。経済効果では建設関連の公共工事の方がよほど大きい」
 ――着工まで時間がかかる見通しです。
 「本当に完成するのか疑問だ。世界経済の動向は極めて不透明で、日本の景気や財政状況も今後どうなるのか不確実な要素が多すぎる。東京五輪後も新規のインフラが次々建設される状況が続くとは考えにくい。いつできるともわからないものに期待しているのでは、地域経済は崩壊する」
 「他地域にない技術や人が集積する拠点をつくるなど、新幹線に関係なく地域として取り組むべき点は変わらない。こういうことができていないと開通後のストロー効果が大きく、地域経済にはマイナスとなる」
 ――具体的にはどう取り組むべきですか。
 「国とは重複しないニッチな部分で独自性を出すしかない。文化関連に力を入れる金沢はよりニッチな工芸の部分に特化すれば独自性はさらに高まる。富山はバイオテクノロジーなどの基礎研究で集積が進んでいる」
 「福井は歴史的に素材加工技術が強い。中小企業の連携を深めどんな素材の加工も請け負えるようになれば、人も技術もさらに集まるだろう」


中日新聞 2016年12月23日滋賀
湖西線経営分離「認めない」 関西広域連合が意見まとめる
 関西広域連合は二十二日、大阪市内で委員会を開き、与党による北陸新幹線未着工区間の「小浜-京都ルート」採用決定を受け、新幹線の通らない県で並行在来線をJRから経営分離するのは「認められない」とする意見を取りまとめた。政府・与党への意見書提出も了承した。
 北陸新幹線の全線開業に伴い、県内では湖西線がJR西日本から経営分離の検討対象になるとの見方がある。意見書は、決定が先送りされた京都-新大阪間のルートの早期決定や、並行在来線が経営分離されないための措置など四点を政府・与党に求めた。
 三日月大造知事は「湖西線の取り扱いは滋賀にとって大変重要。新幹線が通らない県の在来線は経営分離の対象としないことを国に確認するべきだ」と求め、他の知事らも賛意を示した。
 新幹線整備費の地元負担の在り方には、山田啓二・京都府知事が「京都は通過駅になる。費用負担と便益に差が生じると府民感情から(負担は)難しい」と主張。井戸敏三連合長(兵庫県知事)は、委員会後の記者会見で、関西全体での分担を前提としつつも「詳細はこれから詰める」と述べるにとどめた。
 (角雄記)

産経West 2016.12.22 21:25
大阪までの早期開業要請、北陸新幹線で関西広域連合
 関西広域連合は22日、大阪市内で委員会を開き、北陸新幹線の福井県・敦賀以西の未着工区間が「小浜京都ルート」に決まった一方、京都-新大阪間の判断が先送りされたことを踏まえ、大阪までのルートを一日も早く整備するよう政府与党に求める意見書を取りまとめた。
 与党のプロジェクトチームは京都-新大阪間について、東海道新幹線の北側を通る北回り案か、京都府南部を経由する南回り案かの結論を年度内に得るとしている。意見書は「関西の地元意見を十分踏まえて早急に決定すること」と要望した。
 山田啓二京都府知事は「京都駅は通過駅としての意味合いが出てくる。費用負担と便益に差が生じないよう、地域経済の効果が説明できる形にすべきだ」と述べた。
 滋賀・米原で東海道新幹線につなぐ「米原ルート」を求めていた三日月大造滋賀県知事は、JR西日本が湖西線を「並行在来線」として経営を分離、第三セクターに引き継ぐ可能性に言及。「湖西線の取り扱いは大変重要。新幹線が通らない県の在来線は並行在来線に該当しないことを国に確認させるべきだ」と主張した。


日本経済新聞 2016/12/23 5:50
北陸新幹線延伸、関西全体の負担確認 関西広域連合
 近畿など8府県4政令指定都市の広域行政組織、関西広域連合は22日に会合を開き、北陸新幹線の延伸について関西全体で建設費の一部を負担することを確認した。一方、国で決めた整備新幹線への自治体の建設費負担のルール見直しも今後求める。近く与党プロジェクトチーム(PT)などに意見書を提出する。
 整備新幹線の建設費はJRの貸付料などを除くと国が3分の2、自治体が3分の1を支払うことになっている。これに対し、会合後に記者会見した井戸敏三連合長(兵庫県知事)は「(ルールを)直さないといけない」と話した。


中日新聞 2016年12月23日
未着工区間に計上30%増 政府予算案、前年度比
 政府が二十二日に閣議決定した二〇一七年度予算案では、北陸新幹線の未着工区間(敦賀-新大阪)が小浜-京都ルートに決まったことを受け、詳細ルートや駅の位置を決める調査費などとして一六年度比30%増の十一億円が計上された。環境影響評価(アセスメント)に必要な準備も進み、着工に向けた手続きが本格化する。
 国土交通省幹線鉄道課によると、航空写真を撮影して図面化。現地での地質調査なども踏まえ、ルートの中心線を決める。トンネルや橋などの数も明らかにする。環境アセスは、具体的な進め方を定めた配慮書を作成。担当者は「アセスに入る時期は一八年度以降」と想定している。
 ルートの詳細調査に一~二年、環境アセスに四年ほどかかる見込み。
 与党はこの五~六年間で財源確保策を議論する。財源にめどがつけば、着工認可の手続きに入る。
 十一億円には、二二年度末の敦賀開業に伴う福井、敦賀両駅での乗り換えの利便性を検討する費用なども含まれる。金額の内訳は不明だが「増額の主な要因は、敦賀以西の調査。全体の半分以上を占める」(同課)という。
 このほか、幹線鉄道の効率的な整備手法を検討する調査費などとして二億八千万円が盛り込まれた。与党は小浜-京都ルートを決定した際、北陸・中京新幹線など基本計画路線の検討を国に求めていた。
◆金沢-敦賀間の建設費は49%増
 一方、北陸新幹線金沢-敦賀間の建設費は、二〇一六年度比49%増の千三百四十億円が盛り込まれた。北海道、九州を含む整備新幹線五区間の総事業費は、同28%増の二千六百三十億円となった。
 五区間のうち、金額は金沢-敦賀が最多。二二年度末の開業に向けて工事が本格化しており県内では九頭竜川橋や新北陸トンネルなどの工事に充てられる。
 国土交通省によると、総事業費の財源のうち、国費は一六年度と同じ七百五十五億円で、東海道など既設新幹線に関するJRからの譲渡収入が四百四十三億円。地方負担は、これらの二分の一の五百九十九億円になる。残りは貸付料(JRが国に支払う施設使用料)と、将来の貸付料収入を担保にした借り入れで賄う。
 借入先は一七年度から民間でなく、財政投融資(財投)に切り替える。建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、財投により八千億円を長期固定、低金利で調達した。金利負担の軽減額は三千億円と見込まれ、未着工区間(敦賀-新大阪)での活用が検討されている。
 (山本洋児)
◆開業前倒しを要望へ 民進党系地方議員
 北信越と関西の民進党系地方議員でつくる「北陸新幹線の整備を推進する議員の会」の役員会が二十二日、福井県議会議事堂であった。北陸新幹線の整備促進を求める決議文を大筋でまとめ、来年初めに国に要望することを確認した。
 福井、石川、長野、京都、大阪の各府県議十一人が参加。冒頭を除き非公開で行われた。
 福井県議の山本正雄会長によると、決議には▽金沢-敦賀間の二〇二二年度末までの開業とさらなる前倒し▽敦賀以西の京都-新大阪間の早期ルート決定、新大阪までの早期整備▽北陸と中京間のアクセス向上-を盛り込む。
 役員会は二十日に北陸新幹線の未着工区間(敦賀-新大阪)が小浜-京都ルートに正式決定したのを受けて開催。山本会長は「新大阪までの開業に三十年かけるわけにはいかない。早めていきたい」と話した。
 (尾嶋隆宏)


福井新聞 (2016年12月22日午前11時56分)
小浜京都ルート詳細調査へ 来年度当初から、国交相
 石井啓一国土交通相は22日、北陸新幹線の敦賀以西のルートに決まった「小浜京都ルート」に関し、詳しい経路や駅の位置を決めるため「与党での決定を基に、来年度当初から詳細調査を行うなど適切に対応していきたい」と述べた。
 石井氏は京都―新大阪間の経路について「(事業費や需要予測などの)調査結果がまとまり次第、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)の検討委に報告したい」とした。
 与党PTは20日、福井県・小浜から南下し京都を経由する小浜京都ルートの採用を正式決定。うち京都―新大阪の経路は、年度内の決定を目指し引き続き検討するとした。


福井新聞 (2016年12月22日午前7時10分)
JR西社長「並行在来線まだ白紙」 北陸新幹線、FGT導入不透明
 JR西日本の来島達夫社長は21日の定例記者会見で、北陸新幹線敦賀以西が小浜・京都ルートに決定されたことを受け、JRから経営分離される並行在来線がどの線区になるのか明言しなかった。「ルートの方向付けがされた段階なので、特定の線区の扱いをまだ声高に言う時期ではない。全くの白紙」と強調した。
 また、2022年度の北陸新幹線敦賀開業後に導入が検討されているフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)について、九州用の耐久走行試験の再開が延期されることを踏まえ「敦賀開業時は難しく、当初予定の25年度も非常に難しいと思う。どのタイミングで導入可能なのかは読みにくいし、現時点で全く分からない」と述べた。
 並行在来線に関しては「具体的に着工に入る段階で、着工5条件の中で扱いが決まる。(沿線自治体の同意が必要なため)私どもの一存で決まるものではない」と強調。「地元は重大な関心を持っている。社の考えを整理した上で、関係する沿線自治体と真摯(しんし)に相談させていただく」とした。
 新幹線が通らないのに湖西線が対象となることに滋賀県が反発していることは「承知している」としたが、対象となるかどうかについては「予断を与える時期ではない」と述べるにとどめた。
 特急列車が運行していない小浜線に関しても「物理的に並行している点をどうとらえ、扱いをどう協議するかということになる。そこは全くの白紙」と明言しなかった。
 小浜・京都ルートの早期整備に向け、最大の課題となる財源確保に関しては「早く着工し、北陸と関西が早く結ばれることが大事。国で新たな財源の手当を十分に検討いただければと思う」と述べた。京都先行開業の案が浮上する可能性がある点に関しては「北陸と関西を一気に結んで利便性を高める観点から、新大阪までの一括整備を望む」と求めた。

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