2017-01-08(Sun)

教えて!整備新幹線1~5  朝日新聞シリーズ記事

(1)全国5線、建設に政治の力 (2)「地方創生」につながるの? (3)延伸ルート決まった北陸、着工はまだ先?
(4)フリーゲージトレイン、実現するの? (5)並行する在来線はどうなるの? (2016年12月16日~23日)

(教えて!整備新幹線:1)全国5線、建設に政治の力(12/16)
----「JRの意向はあるだろうが、ルートを決めるのはあくまで政治の場だ」

----かつて政治家は新幹線構想に冷淡だった。自動車の普及で、鉄道は衰退するとみていた。だが、国鉄が1964年に東海道新幹線を開業すると、その集客力をみて態度を変える。国鉄が山陽新幹線を建設中だった70年、「全国新幹線鉄道整備法」を議員立法で成立させ、政府が命じてつくれるようにした。

----さらに2年かけて、「日本列島改造論」など地方振興をうたった田中角栄政権が全国に新幹線網を広げる「基本計画」をまとめる。中でも73年の「整備計画」で優先とされた5線が整備新幹線だ。

----ところが、工事入りしないまま82年に計画凍結が決まった。大借金を抱えた国鉄に余裕がなくなったためだ。沿線を地盤とする政治家らは反発した。返済不要な税金でつくるよう求め、87年の国鉄民営化後も早期着工を主張。運輸省(現国土交通省)や大蔵省(現財務省)は、JRの経営や国の財政への悪影響を心配して抵抗した。-- 結局、凍結は解かれ、89年に北陸へ向かう高崎―軽井沢の工事が始まった

 ■「時代に逆行」指摘も

----もともと新幹線は大都市間をつなぐ目的だった。整備新幹線は大都市と地方都市を結ぶため、巨額投資に見合う経済効果への疑問、公共事業への納税者の厳しい目もあり、着工はゆっくり進んだ。与党内にも慎重派の有力議員がいた。

----近年、風向きが変わりつつある。東日本大震災後、災害対策に役立つ公共事業の再評価が進み、民主党の野田佳彦政権は2012年、3区間(新函館北斗―札幌、金沢―敦賀、諫早―長崎)の着工を認めた。

----さらに安倍晋三政権は15年、開業の前倒しを決定。与党には「地方創生」を旗印に山陰や四国への延伸を求める声まである。北陸からの大阪延伸も、31年度見込みの着工の前倒しが模索されている。
 国交省は、鉄道関連の年間予算約1千億円の7割超を整備新幹線に使う。裏腹にローカル線は廃止が相次ぎ、在来線のホームドア設置も遅れ気味だ。




以下引用

(教えて!整備新幹線:2)「地方創生」につながるの?(12/17)
----ただ、沿線住民の利便性が下がるケースもある。富山県高岡市には北陸新幹線の新高岡駅ができたが、最速型「かがやき」はほぼ停車しない。中心街にある高岡駅までは在来線への乗り換えが必要だ。・・・県庁所在地の金沢と富山を結ぶのが優先され、両都市間にある高岡にしわ寄せがいった。
 新幹線開業後に、並行在来線の運賃が上がる例も多い。

----97年に開業した北陸新幹線の高崎―長野(長野新幹線)でも、ルートが都市の将来を左右した。・・・逆に隣の小諸市は、新幹線ルートから外れたうえに市内の駅に停車していた在来線特急も廃止され、同期間の人口減少率は6%を超える。

----地方に明暗をもたらす新幹線だが、誘致熱は高まっている。山陰や四国への延伸を求め、地元自治体は要望を活発化する。安倍晋三首相も1月の施政方針演説で「地方創生回廊をつくる」と述べ、例として新幹線を挙げ、地方に期待を持たせている。

(教えて!整備新幹線:3)延伸ルート決まった北陸、着工はまだ先?(12/21)

----北陸や北海道などの整備新幹線は、1973年に整備計画としては決定済み。国交省の外郭団体が建設し、JR各社が運行する。これまで着工の壁になってきたのは、巨額の建設費だ。国と沿線自治体が税金を投じるほか、JRも負担するが、ともに支出への抵抗感は強い。国と自治体の財政は厳しい。JRの負担は、開業済みの新幹線の運賃が高止まりする一因とも指摘されている。

----並行在来線と目されるJR湖西線の分離に、地元の滋賀県が否定的だ。

----国交省の試算では、経済効果額を建設費で割った数値が1・1となり、「投資に見合う」とされた。ただ、前提となる乗客数は沿線の人口減が見込まれるなか、現在の在来線特急の2・4倍に増えるとしており、「楽観的すぎる」(与党議員)との見方もある。国交省幹部は「経済効果の出し方は色々ある。所要時間の短縮で新たに利用する人が出てくる点を重視した」と説明する。

(教えて!整備新幹線:4)フリーゲージトレイン、実現するの?(12/22)

----ただ、FGTは実用化のめどが立っていない。14年の走行試験で車輪近くの部品に摩耗が見つかり、安全性が不安視された。部品を改良した2年ぶりの走行試験はまだ検証レベル。実用化には約60万キロの耐久試験のクリアが必要だ。車輪をつなぐ車軸も摩耗し、定期的な交換費用が生じることもわかった。

----すでに、FGTは22年度には間に合わず、最速で25年度からの見通しだ。

----一方、国交省はいまもFGTにこだわっている。断念したら、投じてきた開発費400億円超がムダになりかねない。鉄道局は「実用化のハードルは高いが、簡単にはやめられない」としている。

(教えて!整備新幹線:5)並行する在来線はどうなるの?(12/23)

----元JR江差線だ。3月の北海道新幹線開業で、沿線自治体が出資する第三セクターの経営に移った。運賃は平均約1・3倍に値上げしたが、沿線の人口は減り、10年間で約23億円の赤字が出そうだという。

----国土交通省は、整備新幹線の着工条件の一つに「並行在来線の経営分離の自治体同意」を挙げる。想定するのは、自治体出資の三セクが引き継ぐケースだ。前例は多い。「生活の足」の廃線は避けたいから、自治体も引き受けざるを得ない面がある。三セク化とともに大抵は運賃も上がる。JRに比べて経営体力が弱く、値上げで収入を増やさないと立ち行かないためだ。乗客増をめざして定期代を補助するなど、さらに税金を使って経営を支援している自治体もある。

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朝日新聞 2016年12月16日05時00分
(教えて!整備新幹線:1)全国5線、建設に政治の力


161216A)(教えて!整備新幹線:1)今後も延びる新幹線
今後も延びる新幹線
 大阪延伸ルートが「小浜・京都」経由に固まった北陸新幹線、開業して最初の年末年始を迎える北海道新幹線は「整備新幹線」と呼ばれます。最近の動きも交え、しくみや課題をシリーズで読み解きます。
 東京・永田町の会議室に11月下旬、与党の国会議員が集まった。北陸新幹線の延伸ルート(敦賀―新大阪)を話す検討委員会だ。呼ばれたJR西日本の来島達夫社長に、自民党のベテラン議員が告げた。
 「JRの意向はあるだろうが、ルートを決めるのはあくまで政治の場だ」
 整備新幹線と呼ばれる北海道(青森市―札幌市)、東北(盛岡市―青森市)、北陸(東京都―大阪市)、九州(福岡市―鹿児島市、福岡市―長崎市)の5線のあり方を象徴する言葉だ。当初から建設の推進力は政治だった。
 かつて政治家は新幹線構想に冷淡だった。自動車の普及で、鉄道は衰退するとみていた。だが、国鉄が1964年に東海道新幹線を開業すると、その集客力をみて態度を変える。国鉄が山陽新幹線を建設中だった70年、「全国新幹線鉄道整備法」を議員立法で成立させ、政府が命じてつくれるようにした。
 翌年、上越、東北、成田(後に中止)新幹線の建設計画を決定。東京からの目的地は、当時の自民党幹事長、総務会長、政調会長の地盤周辺だった。
 さらに2年かけて、「日本列島改造論」など地方振興をうたった田中角栄政権が全国に新幹線網を広げる「基本計画」をまとめる。中でも73年の「整備計画」で優先とされた5線が整備新幹線だ。在来線も併用する山形や秋田のミニ新幹線、JR東海が建設中のリニア中央新幹線などとは区別される。
 ところが、工事入りしないまま82年に計画凍結が決まった。大借金を抱えた国鉄に余裕がなくなったためだ。沿線を地盤とする政治家らは反発した。返済不要な税金でつくるよう求め、87年の国鉄民営化後も早期着工を主張。運輸省(現国土交通省)や大蔵省(現財務省)は、JRの経営や国の財政への悪影響を心配して抵抗した。
 結局、凍結は解かれ、89年に北陸へ向かう高崎―軽井沢の工事が始まった。政府の外郭団体が造り、JRに線路を貸す。国と沿線自治体の税金による「公共事業」ながら、JR側が一部を負担する制度もできた。着工決定時の首相は、「ふるさと創生」を唱えた竹下登氏だった。
 ■「時代に逆行」指摘も
 もともと新幹線は大都市間をつなぐ目的だった。整備新幹線は大都市と地方都市を結ぶため、巨額投資に見合う経済効果への疑問、公共事業への納税者の厳しい目もあり、着工はゆっくり進んだ。与党内にも慎重派の有力議員がいた。
 近年、風向きが変わりつつある。東日本大震災後、災害対策に役立つ公共事業の再評価が進み、民主党の野田佳彦政権は2012年、3区間(新函館北斗―札幌、金沢―敦賀、諫早―長崎)の着工を認めた。
 さらに安倍晋三政権は15年、開業の前倒しを決定。与党には「地方創生」を旗印に山陰や四国への延伸を求める声まである。北陸からの大阪延伸も、31年度見込みの着工の前倒しが模索されている。
 国交省は、鉄道関連の年間予算約1千億円の7割超を整備新幹線に使う。裏腹にローカル線は廃止が相次ぎ、在来線のホームドア設置も遅れ気味だ。
 人口は減少に転じ、高度成長の再来も厳しい。社会保障費の増加で財政難でもある。他方、道路や空港の整備が進み、高速バスや格安航空会社(LCC)が台頭している。
 鉄道に詳しい原武史・放送大教授は「高度成長期は鉄道に速さが求められたが、いまは観光列車でゆっくり移動を楽しむのも人気。時代に逆行している」と指摘する。
 (内藤尚志)
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朝日新聞デジタル 2016年12月17日05時00分
(教えて!整備新幹線:2)「地方創生」につながるの?



161217A)(教えて!整備新幹線:2)新幹線駅がある都市間に明暗も
新幹線駅がある都市間に明暗も
 JR金沢駅前の金沢駅東広場通りは、ホテルやオフィスビルがひしめく。3年前、路線価が前年から6・3%上がり、都道府県庁所在地で上昇率ナンバーワンとなった。2015年の北陸新幹線の金沢乗り入れを前に、駅周辺の再開発が加速した。
 16年も13・6%上がり、大阪、東京などに次ぐ5番目の上昇率だった。在来線特急などで約4時間かかっていた東京―金沢間が約2時間半に縮まった効果は大きく、企業の進出や観光客が増えている。
 同じ整備新幹線では、11年に全線開通した九州新幹線鹿児島ルートの乗客がほぼ右肩上がりで伸び、今年開業した北海道新幹線も乗客はJRの想定を上回る。東京や福岡といった大都市とつながった影響だ。
 ただ、沿線住民の利便性が下がるケースもある。富山県高岡市には北陸新幹線の新高岡駅ができたが、最速型「かがやき」はほぼ停車しない。中心街にある高岡駅までは在来線への乗り換えが必要だ。
 新幹線開業まで走っていた在来線特急「はくたか」は高岡駅に停車していたが、新幹線はスピードを重視して中核都市をなるべく直線でつなぐように造られる。県庁所在地の金沢と富山を結ぶのが優先され、両都市間にある高岡にしわ寄せがいった。
 新幹線開業後に、並行在来線の運賃が上がる例も多い。北陸でも在来線(金沢―高岡―富山)が970円から1220円になった。金沢市は人口増と一等地の地価上昇が続くが、高岡市はともに下落に歯止めがかからないままだ。
 97年に開業した北陸新幹線の高崎―長野(長野新幹線)でも、ルートが都市の将来を左右した。国勢調査の人口で見ると、途中駅ができた長野県佐久市は人口減少率が05年から10年間で1%程度にとどまる。逆に隣の小諸市は、新幹線ルートから外れたうえに市内の駅に停車していた在来線特急も廃止され、同期間の人口減少率は6%を超える。
 地方に明暗をもたらす新幹線だが、誘致熱は高まっている。山陰や四国への延伸を求め、地元自治体は要望を活発化する。安倍晋三首相も1月の施政方針演説で「地方創生回廊をつくる」と述べ、例として新幹線を挙げ、地方に期待を持たせている。
 (石井潤一郎)
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朝日新聞 2016年12月21日05時00分
(教えて!整備新幹線:3)延伸ルート決まった北陸、着工はまだ先?



161221A)(教えて!整備新幹線:3)北陸新幹線 延伸着工にはまだ課題
北陸新幹線 延伸着工にはまだ課題
 敦賀から新大阪への延伸ルートが「小浜・京都」経由に決まった北陸新幹線。ただ、すぐに建設を始められるわけではない。着工の条件をまだ満たしていないからだ。
 新幹線は「主たる区間を時速200キロ以上で走行」など法律の定めがある。着工までの手続きも法令で細かく決められている。
 国土交通相は、大まかなルートを記した「基本計画」を決定後、建設と運行を担う事業者をそれぞれ指名し、「整備計画」に格上げする。その後、環境影響調査や工事計画を評価し、着工を認可する。
 北陸や北海道などの整備新幹線は、1973年に整備計画としては決定済み。国交省の外郭団体が建設し、JR各社が運行する。これまで着工の壁になってきたのは、巨額の建設費だ。国と沿線自治体が税金を投じるほか、JRも負担するが、ともに支出への抵抗感は強い。国と自治体の財政は厳しい。JRの負担は、開業済みの新幹線の運賃が高止まりする一因とも指摘されている。
 一方、沿線を地盤とする政治家らは早い着工を求め続ける。そこで民主党(現民進党)政権は2009年、着工条件として(1)安定財源の確保(2)収支採算性(3)投資効果(4)JRの同意(5)並行在来線分離の自治体同意という「着工5条件」を明示。すべて満たす必要があるとした。安倍政権にも引き継がれている。
 北陸新幹線の新大阪延伸は(1)と(5)が課題として指摘されるものの、与党によるルート選びでは議論が棚上げされた。(1)は国だけでなく、自治体の支出も確保する必要がある。別のルート案を推していた京都府は「負担に見合う受益がない」(幹部)と支払いに難色を示していた。(5)は、並行在来線と目されるJR湖西線の分離に、地元の滋賀県が否定的だ。
 ほかにも(3)について疑問視する声がある。国交省の試算では、経済効果額を建設費で割った数値が1・1となり、「投資に見合う」とされた。ただ、前提となる乗客数は沿線の人口減が見込まれるなか、現在の在来線特急の2・4倍に増えるとしており、「楽観的すぎる」(与党議員)との見方もある。国交省幹部は「経済効果の出し方は色々ある。所要時間の短縮で新たに利用する人が出てくる点を重視した」と説明する。(奥田貫、内藤尚志)
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朝日新聞デジタル2016年12月22日05時00分
(教えて!整備新幹線:4)フリーゲージトレイン、実現するの?



161222A)(教えて!整備新幹線:4)九州新幹線長崎ルート、フリーゲージトレイン(FGT)なら時短
九州新幹線長崎ルート、フリーゲージトレイン(FGT)なら時短
 3日深夜、九州新幹線鹿児島ルートの新八代駅(熊本県)に、赤い車両が到着した。一部区間を共用する長崎ルートへの導入をめざし、国土交通省の外郭団体が開発を急ぐ「フリーゲージトレイン(FGT)」の走行試験だ。車輪の幅を変えて走れる。
 開発には歴史的な事情がある。世界で一般的な線路のレール幅は1435ミリ。日本でも速度が必要な新幹線ではこの幅だ。ところが在来線はもっと狭い。戦前、政府が鉄道網拡大を急ぎ、コストが安い1067ミリを採用した。
 FGTなら、相互乗り入れができない新幹線と在来線の問題を解決できる。在来線に乗り入れる新幹線には秋田、山形の「ミニ新幹線」が存在するが、こちらは在来線のレール幅を1435ミリに拡幅している。別途工事費が生じる上、工事中は在来線の運休が必要になることもある。
 長崎ルートは、長崎―武雄温泉(佐賀県)の新幹線を2022年度までにつくる予定だが、ほかは計画がない。武雄温泉から先はFGTで在来線を走り、新鳥栖で鹿児島ルートに乗り入れて博多に向かう。
 ただ、FGTは実用化のめどが立っていない。14年の走行試験で車輪近くの部品に摩耗が見つかり、安全性が不安視された。部品を改良した2年ぶりの走行試験はまだ検証レベル。実用化には約60万キロの耐久試験のクリアが必要だ。車輪をつなぐ車軸も摩耗し、定期的な交換費用が生じることもわかった。
 すでに、FGTは22年度には間に合わず、最速で25年度からの見通しだ。それまで長崎ルートを使う人は、在来線特急と乗り継ぐことになる。最近では、FGTにこだわらず、すべて専用の線路を走る新幹線規格でつくるべきだとの声が強まっている。
 一方、国交省はいまもFGTにこだわっている。断念したら、投じてきた開発費400億円超がムダになりかねない。鉄道局は「実用化のハードルは高いが、簡単にはやめられない」としている。(奥田貫)
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朝日新聞デジタル 2016年12月23日05時00分
(教えて!整備新幹線:5)並行する在来線はどうなるの?



161223A)(教えて!整備新幹線:5)新幹線ができ、並行在来線は値上げ相次ぐ
新幹線ができ、並行在来線は値上げ相次ぐ
 9日夕方、北海道の津軽海峡沿いを走る列車内の明かりが落ちた。道南いさりび鉄道の「夜景列車」は、函館の夜景を楽しんでもらうため、12月に計5日間運行する。
 元JR江差線だ。3月の北海道新幹線開業で、沿線自治体が出資する第三セクターの経営に移った。運賃は平均約1・3倍に値上げしたが、沿線の人口は減り、10年間で約23億円の赤字が出そうだという。
 少しでも補えればと、観光列車を走らせる。ほかにオリジナル料理を提供する列車もある。小上(こがみ)一郎社長は「利用者を増やすことを考えないと、明日はない」と話す。
 北海道、北陸、九州などの整備新幹線ができると、JRは並行在来線を手放すことが多い。新幹線に乗客を奪われ、重荷になるからだ。前身の国鉄は、赤字ローカル線をいくつも抱えて行き詰まった。二の舞いを避けたい思いは強い。
 国土交通省は、整備新幹線の着工条件の一つに「並行在来線の経営分離の自治体同意」を挙げる。想定するのは、自治体出資の三セクが引き継ぐケースだ。前例は多い。「生活の足」の廃線は避けたいから、自治体も引き受けざるを得ない面がある。三セク化とともに大抵は運賃も上がる。JRに比べて経営体力が弱く、値上げで収入を増やさないと立ち行かないためだ。乗客増をめざして定期代を補助するなど、さらに税金を使って経営を支援している自治体もある。
 「小浜・京都」ルートに決まった北陸新幹線の新大阪延伸も、並行在来線の行方が火種として残る。
 経営分離される可能性があるのは琵琶湖の西側を通るJR湖西線だ。JR西日本の来島達夫社長は「自治体との協議で決める」とするが、地元・滋賀県の三日月大造知事は「容認できない」という。延伸ルートは県内を通らないのに、負の遺産だけ引き受けることになりかねない。
 京都、大阪、神戸エリアの主要駅にも止まる「新快速」が走る湖西線は、利用者は多い。ただ、九州新幹線鹿児島ルートの例がある。JR九州は、収益が見込める区間に限って並行在来線の経営を続け、該当しない熊本と鹿児島の県境をまたぐ区間は三セク化された。(磯崎こず恵、岩沢志気)
     ◇
 「整備新幹線」は終わります。次シリーズは来年1月に始めます。
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