2017-01-15(Sun)

軽井沢スキーバス事故 1年 教訓を生かせるのか

悲惨な事故、もう二度と  未熟運転放置が原因 管理不全 会社側立件へ

信濃毎日新聞)社説:バス事故1年 教訓を生かせるのか(1/15)
----昨年末、上田市の貸し切りバス業者が、法令に反する過重労働を運転手らに強いていたことが内部告発で明るみに出た。運転手が勤務した時間や走行距離を“消せるボールペン”で日報に記入し、会社が改ざんしていた。
 
軽井沢の事故後、「より巧妙に隠し続けた」と事務職員は話す。運転手が法令に基づく休息を取らずに働く実態は、この業者に限らず今もある。実効性ある監督態勢が欠かせない。
 
教訓はそれだけではない。事故は業界のひずみを映し出した。65歳の運転手が深夜に長距離の運転をして事故は起きた。大型バスの運転は不慣れだったという。
 
業界の過当競争で運転手の賃金は抑えられ、長時間労働が常態化した。なり手が減り、高齢化が進む。訪日観光客の増加で運転手は不足し、経験も訓練も足りないまま従事する人も目立つ。
 
構造的な問題に踏み込んで対策をとらなければ、惨事が再び起きる心配は消えない。末端にいる運転手がしわ寄せを受ける労働実態こそ改めなくてはならない。

<報道記事>
毎日新聞)1年 未熟運転放置が原因 管理不全、会社側立件へ(1/15)
NHK)軽井沢バス事故から1年 娘を亡くした遺族など現場で献花(1/15)
朝日新聞)悲惨な事故、もう二度と… 軽井沢バス事故1年(1/15)




以下引用



信濃毎日新聞(1月15日)
社説:バス事故1年 教訓を生かせるのか


 車体を傾け、対向車線にはみ出してカーブを疾走していく大型観光バス―。道路のカメラが捉えた映像を、多くの人が今も記憶にとどめているだろう。
 軽井沢町でスキーツアーの夜行バスが道路外に転落した事故からきょうで1年になる。大学生13人と運転手2人が亡くなり、26人が重軽傷を負った。
 乗客の安全を軽視したずさんなバス運行管理の実態や、業界が抱える構造的な問題があぶり出された。再発防止の取り組みは十分か。時とともに教訓を風化させないよう、厳しい目を向けていかなくてはならない。
 昨年12月に成立した改正道路運送法は貸し切りバス事業者への罰則を強化した。悪質な業者に対する罰金は従来の100倍の「1億円以下」に引き上げている。
 無期限だった事業許可は5年ごとの更新制に改めた。国の監査態勢の不備を補うため、民間の指定機関が業者を巡回指導する仕組みも新たに設ける。
 とはいえ、悪質業者の排除をどこまで図れるかは心もとない。強制力を伴わない巡回指導で不正を見抜くのは難しいとの指摘が業界内から出ている。
 民間機関は、指導員が2人1組で業者を回り、問題があれば国に通報して重点的な監査につなげる。運営費用を業者の負担金だけで賄えるのか、指導員をどう確保するか…。課題は山積みだ。
 昨年末、上田市の貸し切りバス業者が、法令に反する過重労働を運転手らに強いていたことが内部告発で明るみに出た。運転手が勤務した時間や走行距離を“消せるボールペン”で日報に記入し、会社が改ざんしていた。
 軽井沢の事故後、「より巧妙に隠し続けた」と事務職員は話す。運転手が法令に基づく休息を取らずに働く実態は、この業者に限らず今もある。実効性ある監督態勢が欠かせない。
 教訓はそれだけではない。事故は業界のひずみを映し出した。65歳の運転手が深夜に長距離の運転をして事故は起きた。大型バスの運転は不慣れだったという。
 業界の過当競争で運転手の賃金は抑えられ、長時間労働が常態化した。なり手が減り、高齢化が進む。訪日観光客の増加で運転手は不足し、経験も訓練も足りないまま従事する人も目立つ。
 構造的な問題に踏み込んで対策をとらなければ、惨事が再び起きる心配は消えない。末端にいる運転手がしわ寄せを受ける労働実態こそ改めなくてはならない。
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毎日新聞2017年1月15日 東京朝刊
長野・軽井沢のスキーバス転落
1年 未熟運転放置が原因 管理不全、会社側立件へ


 乗客・乗員15人が死亡、26人が重軽傷を負った長野県軽井沢町のスキーツアーバス事故から15日で1年になる。県警は、死亡した運転手の技術の未熟さが原因との見方を強め、バス会社側の教育・管理体制の甘さが事故を招いたと判断。社長ら2人の刑事責任を追及する方針を固め、捜査は大詰めを迎えている。一方、国は悪質な事業者をチェックする仕組みの強化を図る。遺族が望む再発防止は実現するのか。【川辺和将、安元久美子、内橋寿明】
 2016年1月の事故発生当初は「居眠り運転」「車両故障」が疑われたが、1年近い捜査を経てバスが転落するまでの状況が解明されていった。
 捜査関係者によると、現場約250メートル手前にあるカメラは、ブレーキランプ(制動灯)をともして猛スピードで坂を下る事故車両を捉えていた。道路に設置されたカメラの映像でバスの姿を確認できたのは現場約100メートル手前までだったが、映像をさらに解析し、カーブに入ってバスの姿が消えた後もガードレールが制動灯を約4秒間、反射し続けていることを確認。事故直前まで運転手がブレーキを踏み続けていたことが明らかになった。
 車両検証で、主要装置に異常はなかった。一方で、ギアはエンジンブレーキのかからないニュートラルの状態だった。県警捜査本部は事故現場と高速道路で、同型の大型バスを走らせ実証実験を実施。その結果、高速になった状態でギアを変える際、シフトチェンジの操作を誤るとニュートラルに入ることが判明。運転手の技術の未熟さが事故を引き起こした疑いが強まった。
 運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)の15年12月の採用面接で、土屋広運転手(当時65歳)は「大型バスの経験は少ない」などと話していたが、会社側は運転技術が十分かを確認せず、採用後の実車訓練も1回だけだった。
 技術の未熟さを認識しながら十分な研修を実施せず、これが事故につながったとして、捜査本部は社長(55)と運行管理者だった元社員(48)を業務上過失致死傷容疑で書類送検し、検察に起訴を求める「厳重処分」の意見を付ける見通しだ。
 土屋運転手も、容疑者死亡で自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で書類送検する。
 刑事過失論に詳しい明治大学法科大学院の大塚裕史教授は「運転技術の未熟さが事故を引き起こしたことと、社長が未熟さを知りながら運行管理者に教育を促すなどの対策を怠ったこと。この二つの確実な立証が求められるだろう」と語る。イーエスピーの広報担当者は「土屋運転手の運転が特に危険という認識はなかった」と話している。
「事故対策、実行注視を」遺族
 国は昨年6月、バス会社のチェック体制強化を柱とした再発防止策をまとめ、改正道路運送法が昨年12月に施行された。同法に基づく新制度では4月以降、貸し切りバスの事業許可に更新制を採用する。これまでは一度事業許可を取れば無期限で有効だったが、国が安全面への投資ができているかなどを5年ごとにチェックし、「不適切」と判断した会社は事業を継続できない。
 バス会社を巡回・指導する民間機関も今夏、設立される。各社の負担金で運営され、全社を少なくとも年1回調査。問題が見つかれば、国がその会社を重点的に監査する。
 事故では、旅行会社とバス会社を仲介した業者が国の基準以下の価格でバス会社を手配した▽運転手が大型車に不慣れだった--なども問題化。国は、仲介業者を登録制とし、指導・監督ができるようにする。直近1年間に乗務しなかった車種を運転する運転手には最低20時間の実技訓練を受けさせるようバス会社に義務づけた。
 貸し切りバスを巡っては、00年の国の規制緩和後、約4500社に倍増。価格競争が激化して安全面への出資を怠る業者も多く、運転手の労働条件にもしわ寄せが及んだ。
 国は00年以降、参入規制の緩和は維持しつつ、大事故が起きる度に制度改正を重ねている。今回の国の対策について、関西大の安部誠治教授(交通政策論)は「安全意識の低い会社をなくす仕組みはある程度整った」と言う。
 軽井沢町の事故で次男を亡くし、再発防止策を提言してきた遺族会代表の田原義則さん(51)は「施行後もきちんと実行されているか、何度も振り返って確認しなければいけない」と指摘する。
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NHK 1月15日 11時59分
軽井沢バス事故から1年 娘を亡くした遺族など現場で献花


長野県軽井沢町でスキーツアーのバスが道路脇に転落し、大学生など15人が死亡、26人がけがをした事故から、15日で1年になります。現場に設けられた献花台には、事故で娘を亡くした遺族など、多くの人が花を手向け、犠牲者を悼んでいます。
事故から1年となる15日、事故現場に設けられた献花台には、事故が発生した時刻の午前2時前に、友人を亡くし、みずからも負傷した大学生3人が献花に訪れ、黙とうをささげました。学生たちは「事故直後のうめき声が聞こえた気がして寝ていても起きてしまうこともありました。亡くなった友人に『また会いに来たよ』という気持ちで黙とうしました」と話していました。
 午前中も多くの人が献花台を訪れ、花を手向けて犠牲者を悼んでいて、このうち、亡くなった東海大学1年生の池田衣里さん(当時19)の家族は、衣里さんが大好きだったというワッフルや飲み物を供えたあと、静かにバスが転落した現場を見つめていました。衣里さんの父親は「娘に会いたいという気持ちは1年たっても変わらないです。本当であれば20歳になっているので、お酒も持ってきました。成人式に晴れ着で会えなかったのがつらいです」と涙をこらえて話していました。
 この事故では、警察のこれまでの捜査で、死亡した運転手がギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かない状態になり、事故を起こした疑いがあることがわかりました。
 さらにバス会社側が大型バスの運転に不慣れな運転手の指導を怠っていたとして会社幹部などを業務上過失致死傷の疑いで立件する方針で詰めの捜査を進めています。
友人「また会いに来たという気持ちで献花」
バス事故で亡くなった首都大学東京の2年生だった田原寛さん(当時19)と一緒にバスに乗り、みずからも負傷した大学生3人が事故が起きた時刻の午前1時55分ごろ、家族らと事故現場を訪れました。3人は献花台に花を手向けたあと、現場のどのあたりにバスが転落したのかなど、警察官から当時の状況を聞いていました。このあと雪が降る中、静かに1分ほど黙とうをささげていました。
 みずからも事故で負傷した学生の1人は、「亡くなった方々の人生はここで終わってしまっているので、その人たちに会うにはこの場所だと思って来ました。友人の寛に対しては『また会いに来たよ』という気持ちで黙とうしました」と話していました。
 また、同じくけがをした別の学生は「夜眠れないときに頭の中に事故直後のうめき声が聞こえた気がして、起きてしまうことが何度かありました。つらい思いもしました」と、事故後の1年を振り返りました。そのうえで「今回の事故が最後になるように、再発防止に取り組んでもらいたいです。バス会社や旅行業界全体でこの事故を忘れないでほしいです」と話していました。
 また、事故を起こした東京・羽村市にあるバス会社「イーエスピー」の高橋美作社長は午前1時前、事故現場を訪れて花を手向けるとともに、亡くなった15人を追悼するため、15本のキャンドルをささげました。
 このあと高橋社長は、「重大な事故からきょうで1年になります。亡くなられた一人一人の皆様におわびの気持ちを込めて手を合わせました。また、けがをされて今なお治療中の皆様の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます」と述べました。そして、「すべての皆様に改めて心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪しました。一方、警察の捜査については、「誠意をもって対応させて頂いています」と述べるにとどまりました。
軽井沢町 藤巻町長らが献花
長野県軽井沢町の事故現場では、午前9時ごろ、地元の軽井沢町の藤巻進町長ら町の関係者が現場の献花台を訪れ、花を手向けました。
 藤巻町長は「若く尊い命がこの場所で奪われました。二度とこのような事故が起きないよう願い、手を合わせました」と話していました。
石井交通相「対策を着実に実施」
スキーバスの事故から1年がたったことを受け、石井国土交通大臣は「このような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意のもと、改正法の円滑な施行に全力で取り組むとともに引き続き総合的な対策を着実に実施し、貸し切りバスの安全対策に万全を期してまいります」とするコメントを発表しました。
これまでの経緯
事故は、去年1月15日の午前2時ごろ起きました。長野県軽井沢町の碓氷バイパスで、スキーツアーのバスがセンターラインを越え、時速96キロまで加速して道路脇に転落。乗客の大学生13人と乗員2人の合わせて15人が死亡、乗客26人がけがをしました。
 東京のバス会社イーエスピーが、法令で義務づけられている出発前の点呼を当日行わず、死亡した運転手の健康状態を記した台帳を作成していないなど、運行に関わる多くの法令違反が見つかり、ずさんな安全管理の実態が浮き彫りになりました。
 さらに、バス会社が、ツアーを企画した旅行会社から国の基準を下回る安い運賃で受注していたことも明らかになりました。規制緩和で貸し切りバスに多くの業者が参入して受注競争が激化し、旅行会社から仕事をもらう立場のバス会社が受け身になってしまう構造的な問題が事故の背景にありました。
 犠牲になった大学生の家族らは遺族会を結成し、国などに安全対策を求め続け、先月、貸し切りバス会社に対する規制強化を盛り込んだ改正道路運送法が成立しました。
警察の捜査は
警察は、事故を起こしたバスと同じ型のバスの走行実験を進めるとともに、先月末までに会社側の関係者の事情聴取をほぼ終えるなどして、事故原因の捜査を進めています。その結果、死亡した土屋廣運転手(当時65)が現場から700メートル手前の下り坂でギアチェンジの操作ミスをしたことで、エンジンブレーキなどが利かないニュートラルの状態になり、フットブレーキも十分踏み込めずにカーブを曲がりきれなかった疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかりました。
 さらに東京のバス会社イーエスピーの社長と運行管理担当の元社員は、死亡した運転手が入社面接で「大型バスの運転は不安だ」と話すなど、重大な事故を起こす可能性があることを予測できたのに、大型バスの運転技能を確認せずに乗務させるなど、指導を怠っていたこともわかったということです。
 このため警察は、死亡した運転手を過失運転致死傷の疑いで、また、会社の社長と元社員を業務上過失致死傷の疑いで、来月にも立件する方針で詰めの捜査を進めています。
国は法改正で規制強化
国土交通省は軽井沢町のバス事故のあと、85項目にわたる再発防止策をまとめ、去年12月に道路運送法を改正するなどして、貸切バス会社に対する規制を大幅に強化しました。
 例えば、バス会社に対する監査の人員不足を補うため、民間機関が巡回して安全管理をチェックする仕組みを導入したほか、事業許可を原則5年ごとの更新制度としました。
 また、違反を繰り返した場合や社会的に影響の大きい死亡事故などを起こしたバス会社に対し、直ちに事業許可の取り消しや停止の処分を下せるようになりました。さらに、違反した場合に運行停止になるバスの台数や日数を増やし、命令に従わず違反を行った会社に対する罰金の額を100万円から1億円に引き上げました。
 運行の安全管理を担う運行管理者については、バスの保有台数にかかわらず、最低2人必要とする制度を導入しました。
運転手の技量確保のため、バス会社に対し新たに採用した運転手には、適正診断や運転経験に応じた実車研修の実施を義務づけました。
 車両の対策については、運転手やバスの前方をカメラで撮影するドライブレコーダーの搭載をすべての貸切バスに義務づけることになりました。
 国が定めた基準を下回る価格で発注する旅行会社や請け負うバス会社をなくすため、運賃の不正についての通報窓口を設けました。
 利用者への情報提供として旅行会社にツアーのパンフレットにバス会社の名前を明記するよう義務づけました。
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朝日新聞デジタル 2017年1月15日05時00分
悲惨な事故、もう二度と… 軽井沢バス事故1年


 長野県軽井沢町でスキーツアーの大型バスが道路脇に転落し、乗客・乗員15人が死亡した事故から15日で1年になる。亡くなった乗客の13人は全員、未来へ羽ばたこうとしていた大学生だった。家族は悲しみを抱えながら、悲惨な事故の再発防止を願う。
 ■安全確保、父が国に訴え
 娘に誇れるような父でありたい――。娘を亡くしたさいたま市の阿部知和さん(57)は今、こんな思いを胸に、遺族会の一員として事故の再発防止を訴えている。
 1年前の1月15日。事故現場近くにある公民館に着くと、白い棺(ひつぎ)が目に入った。不思議な光景だった。その中の一つに、眠ったように横たわる長女の真理絵さん(当時22)がいた。
 「うそだと思いたかったけれど、現実だった。頬に触れると氷のように冷たかった。その瞬間、涙があふれ出てしまった」
 真理絵さんは当時、早稲田大国際教養学部の4年生。大手重工メーカーに就職が内定し、3カ月後には社会人として新しい一歩を踏み出すはずだった。
 事故後、家族の前では気丈に振る舞い続けたが、一人になると、涙を抑えることができなかった。
 事故の約3週間後には「スキーバス転落事件被害者遺族の会」が結成されたが、最初の会合には参加できなかった。四十九日までは娘をしっかりと送り出すことが精いっぱいで、「再発防止を訴えようという気持ちにはなれなかった」。
 気持ちに変化が起きたのは、昨年3月中旬。警察から返された遺品のバッグに、真理絵さんが就職活動中に使っていたスケジュール帳があった。最初のページに、こんな言葉が残されているのを見つけた。
 《生んでくれて育ててくれて早稲田までの教育を受けさせてくれて》
 《いいところに就職して恩返しする》
 両親に対する感謝の言葉を、妻と泣きながら何度も読み返した。「就活中の自分を奮い立たせる言葉だったと思う。でも、この言葉があったから私も前を向いて前進しようという気持ちになった」。遺族会の会合への参加を決めた。
 その後は遺族会に積極的にかかわり、バス会社や旅行会社への罰則強化を求めて国土交通省などと意見を交わし、安全確保策が打ち出されてきた。「少しずつだが、変わってきている。続けることに意味があるんだと、真理絵も言っているような気がする」
 真理絵さんが大学に入学した直後のことを思い出す。突然、「バイオリンをやりたい」と言い出した。高校ではバドミントン部と茶道部に在籍し、楽器には触れたことはほとんどなかった。1年のときは満足に音さえ出せなかったが、練習を続け、1年後には演奏会でオーケストラの一員として弾けるまで上達した。
 「負けず嫌いで、自分で決めたことは必ずやり続ける子だった。私が今やり続けなければいけないことは、悲惨な事故を二度と起こさせないような制度づくりを訴えていくこと。そして事故を風化させないことだと思う」(辻隆徳)
 ■「すべての人、考えて」母願う
 法政大3年だった西原季輝(としき)さん(当時21)=千葉県市川市=の母親が、代理人弁護士を通じて報道機関に「日に日に悲しみが大きくなっていきます」などとするコメントを寄せた。
 コメントによると、季輝さんは小学生のころからソフトテニスに打ち込んだ。教育問題に関心を持ち、教育評論家の尾木直樹教授から学びたいと法政大に進学。尾木ゼミでゼミ長を務めていたという。「季輝の頑張りが実を結んでこれから社会に羽ばたいて活躍していく、そんなタイミングであの凄惨(せいさん)な事故が起きてしまいました」とつづった。
 最後に「ある日突然、大事な人と会えなくなる、それが事故です。こんな悲惨な事故が二度と起きないようにするためにはどうしたらいいのか、世の中すべての人が考えてくれることを望みます」と結んだ。
 一方、教え子のゼミ生4人を亡くした尾木氏ら法政大学関係者は14日、事故現場を訪れた。尾木氏は「一人ひとりの顔、将来の夢、つらかったであろう無念の気持ちに思いをはせて、冥福を祈りました。当事者にとってはまるで時間が止まったような日々。傷はいえていません」と話した。
 〈+d〉デジタル版にコメント全文
 ■更新制・覆面調査、規制強まる
 事故後、貸し切りバスをとりまくルールは変わりつつある。
 事業許可は一度取ればずっと有効だったが、4月からは5年ごとの更新制になる。業者数は2000年の規制緩和で、00年度の2864社から12年度には4536社へ急増し、「安全投資の経営体力がない業者が増えた」(大手旅行会社幹部)。更新制には、それらを締め出す狙いがある。
 国土交通省は、安全確保策を調べる覆面調査を導入し、監査も強化する。
 また、軽井沢の事故では、旅行業者に代わりバスを手配する仲介業者「ランドオペレーター(ランオペ)」が国の最低基準より安い運賃でバスを手配していたことから、観光庁は旅行業法の規制外だったランオペを登録制とし、指導を強める方針だ。(伊藤嘉孝)
 ■軽井沢バス事故以降に変わった貸し切りバスをめぐる主なルール
【事業許可】
 <旧ルール>ずっと有効
 <新ルール>更新制。5年ごとに「安全投資計画」をチェック(今年4月~) 
【許可取り消し後】
 <旧ルール>2年間、再参入停止
 <新ルール>5年間、再参入停止
【安全対策を怠った業者への罰金】
 <旧ルール>100万円以下
 <新ルール>1億円以下
【民間団体による安全指導】
 <旧ルール>業界団体が一部業者だけを対象に実施
 <新ルール>安全指導をする民間機関を業者負担で立ち上げ(今夏)
【国の基準割れ運賃への対応】
 <新ルール>新たに通報窓口を設置
【ドライブレコーダーの搭載】
 <旧ルール>任意
 <新ルール>義務化(今年12月~)
【ランドオペレーター】
 <旧ルール>法規制外
 <新ルール>登録制にして行政が指導・監督する方針
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