2017-01-30(Mon)

マイナス金利1年 住宅市場、活性化も逆戻り 副作用も

マネー投資より預金へ 物価上昇せず 景気押し上げ、肩すかし 貸出額伸びず、銀行苦境

マイナス金利1年 マネー投資より預金へ 日銀、円安が頼み 住宅市場活性化も逆戻り
----日銀がマイナス金利政策導入を決めて29日で1年。金利低下は住宅市場を刺激したが、足元の住宅ローン金利の上昇で、今は導入前に逆戻りした。投資に向かうと期待されたマネーは萎縮し、むしろ預金に回帰する傾向が見られる。トランプ米大統領の動向が金利や為替の行方を左右する中、円安が頼みの綱という不安定な状況が続く。
(日本経済新聞)


◇日銀 マイナス金利決定1年 住宅ローン活発 副作用
----日銀がデフレ脱却に向けて異例のマイナス金利政策の導入を決めてから、29日で1年になります。マイナス金利政策では、住宅ローンや社債の市場が活発になった一方、資金の運用が難しくなった保険会社が一部の保険商品の販売を取りやめるなどの副作用も表面化しました。
(NHK)

マイナス金利1年 景気押し上げ、肩すかし 貸出額伸びず、銀行苦境
----日銀が2016年1月にマイナス金利政策の導入を決めてから、29日で1年となる。導入後、金利水準は大幅に下がったが、設備投資や個人消費は伸び悩んだままだ。一方で、金融機関の収益悪化の副作用は大きく、日銀は9月に長短金利操作を軸とする新枠組みへの修正を余儀なくされた。日銀がマイナス金利を拡大する追加緩和に踏み切るとの市場の予想は、最近では大幅に後退している。
(毎日新聞)





以下引用

日本経済新聞 2017/1/30付
マイナス金利1年 マネー投資より預金へ 日銀、円安が頼み 住宅市場活性化も逆戻り
 日銀がマイナス金利政策導入を決めて29日で1年。金利低下は住宅市場を刺激したが、足元の住宅ローン金利の上昇で、今は導入前に逆戻りした。投資に向かうと期待されたマネーは萎縮し、むしろ預金に回帰する傾向が見られる。トランプ米大統領の動向が金利や為替の行方を左右する中、円安が頼みの綱という不安定な状況が続く。
 マイナス金利政策の導入を機に住宅ローン金利は低下。昨春時点で主要8行への住宅ローンの申込件数は月間8万件と通常の2倍に急増した。
 日銀幹部は「マイナス金利導入は住宅投資には明確に効いた」と胸を張っていたが、トランプ大統領の誕生に伴う金利上昇を受け、大手行は1月から10年固定型を相次いで引き上げた。足元の申込件数は、導入前の水準に戻った。
 今後影響が出そうなのが、超低金利に加え、節税対策と銀行の融資攻勢でミニバブルの様相を呈している貸家市場だ。
 2016年の貸家着工は40万戸を超え、8年ぶりの高水準を見込む。だが前年比4割近く着工件数が伸びた長野県では「供給過剰でアパートがあまり始めている」(長野市内の不動産業者)。全国的に空室増や家賃の低下が進めば、一気に市場が冷え込む懸念がある。
 マネーも日銀が思うようには動いていない。
 銀行預金は16年12月に694兆円と前年同月比6.1%増と過去最大の伸びを記録した。大企業がマイナス金利の国債を持たず、手元資金を預金としてため込んでいるのが一因とみられる。企業や家計の投資増が期待されていたがマネーは依然として萎縮したままだ。
 金融機関への資金需要も盛り上がりを欠く。全国銀行協会の国部毅会長は19日の記者会見でマイナス金利政策の「実体経済へのプラス影響は、まだ多くは生まれていない」と語った。
 国内金融機関は融資が伸び悩む中、利ざや縮小による収益悪化が続いており、「マイナス金利に耐えられなくなった地銀の再編が本格化する」(金融庁幹部)との見方もある。
 足元の明るい材料は円安に伴う企業業績の拡大だ。英国の欧州連合(EU)離脱ショックを受け、16年夏場に一時1ドル=99円まで上昇した円相場は足元で115円まで下落してきた。トランプ大統領の政策期待から米長期金利が2.5%前後まで上昇。日米金利差がじりじりと拡大し、金利の高い通貨のドルが買われて円安基調に転じた。
 日銀が昨年9月にマイナス金利政策から、長期金利も操作する枠組みに変更したことが「円安に効いている」との声が日銀内からは聞こえる。
 「半年、1年もかからない」。黒田東彦総裁は当初、マイナス金利の効果に自信を示していたが景気回復の足取りは重い。日銀は昨年11月に、「物価2%目標」を18年度ごろに先送りした。
 東短リサーチの加藤出氏は現状について「金利低下が消費者心理を冷やした副作用の方が強く出ている」と指摘する。日銀は現状の金融政策を続ける方針だが、次の一手は見えない。


日本経済新聞 2017/1/30付
マイナス金利政策とは
 ▼マイナス金利政策 日銀が2016年1月29日に導入を決めた金融政策手法。銀行は日銀にお金を預けると通常は金利を受け取れるが、一定額を超えると逆に0.1%の金利を支払わなければならなくなるため「マイナス金利」と呼ぶ。当初日銀は、お金を預けて損をするのを嫌がる銀行が、貸出金利を下げ融資を積極化すれば経済が活性化するとみていた。
 ただ導入決定後に金利が急低下し、金融機関や年金の運用環境が悪化するなどの副作用が生じた。日銀は16年9月に異次元緩和の総括的検証を実施。長期金利をゼロ%程度に誘導する長短金利操作政策の導入を決めた。


NHK 1月29日 16時40分
日銀 マイナス金利決定1年 物価上昇せず 資産運用難しく
 日銀がデフレ脱却に向けて異例のマイナス金利政策の導入を決めてから、29日で1年になります。この間、世の中の金利が大幅に低下し、住宅ローンの借り換えが活発になるなどの効果があった一方、物価は思うように上昇せず、個人や企業の資産運用が難しくなる副作用も現れ、日銀は政策の軌道修正を余儀なくされました。
 日銀は去年1月29日の金融政策決定会合で、異例のマイナス金利政策の導入を決めました。
 これは、日銀が金融機関から預かる当座預金の一部に適用する金利をマイナスにして、いわば手数料を取る形にすることで金利全般を押し下げるとともに、金融機関に貸し出しを強く促す政策です。
 政策の導入によって金利が大幅に低下したことから、住宅ローンの借り換えが急増したほか、企業が資金を調達するために社債を発行する動きが活発になりました。
 一方で、企業の投資や個人消費は日銀の狙いどおりには活性化せず、消費者物価の上昇率は、先月まで10か月連続でマイナス圏内が続いています。
 さらに、日銀の想定を超えて金利が低下したことで、地方銀行をはじめ金融機関の収益が圧迫されたり、個人や企業の資産運用が難しくなったりする副作用も現れました。
 このため、日銀は去年9月、新たに長期金利にも誘導目標を設ける形に金融政策の枠組みを修正することになり、異例の金融緩和策は長期化を余儀なくされています。
保険や年金の運用難しく 8か月で修正迫られる
日銀が去年1月、マイナス金利政策の導入を決めた背景には、中国をはじめ新興国経済の減速への懸念から株安や円高が進むなど、金融市場が不安定になり、デフレ脱却がさらに遅れるおそれがあるという危機感がありました。
 マイナス金利の導入が決まると、国債の市場では少しでも利回りがプラスのうちに日本国債を買う動きが急速に広がりました。
国債は、買い手が増えて価格が上昇すると、利回りは低下する関係にあり、長期金利の指標となる償還までの期間が10年の国債の利回りは下がりつづけました。
 黒田総裁は導入を決めたあとの講演で「中央銀行の歴史の中で、おそらく最も強力な枠組みだ」と述べるなど、政策の効果に強い自信を示しました。
 そして去年6月、イギリスが国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱を決めるなど、世界経済の先行きが不透明感を増す中、投資家の間で比較的安全な資産として日本国債を買う動きが一段と広がりました。その結果、長期金利は、7月にはマイナス0.3%と日銀の想定を超える水準に低下しました。
 これに連動して、償還までの期間が20年、30年の国債の利回りも日銀の想定を超えて低下し、保険や年金の運用が難しくなる副作用が顕在化しました。
 そこで、日銀は行き過ぎた金利の低下を抑えるため去年9月、新たに長期金利にも誘導目標を設ける新たな政策の枠組みを決めました。黒田総裁が強い自信を示していたマイナス金利政策は、およそ8か月で修正を迫られた形となりました。


NHK 1月29日 16時40分
日銀 マイナス金利決定1年 住宅ローン活発 副作用
日銀がデフレ脱却に向けて異例のマイナス金利政策の導入を決めてから、29日で1年になります。マイナス金利政策では、住宅ローンや社債の市場が活発になった一方、資金の運用が難しくなった保険会社が一部の保険商品の販売を取りやめるなどの副作用も表面化しました。
活況の住宅ローン 地銀などは利益減少
マイナス金利政策の影響で、活況を呈した代表例が、「住宅ローン」の市場です。
 ローンの金利が過去最低の水準に低下し、特に借り換えの申し込みが急増しました。大手銀行5行のまとめによりますと、去年(平成28年)3月の1か月間で、借り換えの申し込みは、前の年の同じ月の3.6倍にあたるおよそ2万400件に上りました。しかし最近は、長期金利がいくぶん上昇したこともあって、借り換えの勢いは鈍化しています。
 住宅ローンの借り換えと並んで増えたのは、企業が資金を調達するための「社債」の発行です。
 証券最大手の野村証券によりますと、去年1年間に企業が発行した社債の額は10兆3000億円余りと、前の年より33%増加しました。返済までの期間が15年以上のいわゆる「超長期債」を発行する企業が増え、なかには期間が40年に及ぶ社債を発行する企業もありました。
 一方、マイナス金利政策には「副作用」も指摘されています。
 特に地方銀行は、企業や個人への貸し出しの金利を引き下げざるを得ず、さらに“利ざや”が縮小したことで、収益が圧迫されました。
 金融庁のまとめによりますと、全国の地方銀行に「埼玉りそな銀行」を加えた106行の去年9月の中間決算は最終的な利益の総額が、前の年の同じ時期と比べ14%減少しています。
 また生命保険会社の間では、契約者から預かった資金の運用が難しくなったとして、貯蓄性の高い保険商品の販売をとりやめたり、契約者に約束する利回りを引き下げたりする動きが相次ぎました。
“賃貸バブル”への警戒強める
マイナス金利政策による金利の低下で資金を借りやすくなった個人や不動産業者が、投資の一環として賃貸住宅を建設したり購入したりする動きが活発になっていて、日銀は、投資が過熱するいわば“賃貸バブル”とも言える事態にならないか警戒を強めています。
 今月24日に東京都内で開かれた不動産投資のセミナーには、個人や不動産業者の関係者らおよそ40人が参加しました。セミナーに参加した埼玉県の森田正治さん(68)は、20年ほど前から不動産関連の投資を行ってきました。マイナス金利政策の影響で金利が一段と低下したのを機に、首都圏のマンションを購入して賃貸住宅として貸し出し、家賃収入を得る投資を考えています。
 投資の活発化に加えて、土地を持つ人がマンションなどを建てると相続税の節税にもなることから、賃貸住宅は建設ラッシュとも言える状況になっています。
 国土交通省によりますと、去年11月に全国で着工された住宅のうち、賃貸住宅を示す「貸家」の戸数は前の年の同じ月に比べて15.3%増えています。
 しかし、投資先の賃貸住宅を探している森田さんは、確実に居住者が見込めるリスクの小さい物件は次第に見つかりにくくなっていると感じています。このため今後は、物件ごとのリスクをより慎重に見極めて投資を判断したいと考えています。
森田さんは、「マイナス金利の影響で個人投資家が増え、競争が激しくなっていて、家賃も下落している。下落率が低いような、本当にいい物件を探すのは難しくなっている」と話しています。
 こうした個人の資金が賃貸住宅の投資に向かっている状況から、日銀が今月16日に開いた支店長会議では、賃貸住宅の供給が増えて家賃が下落しているという報告が相次ぎました。
 日銀は、投資が過熱すれば、いわば“賃貸バブル”とも言える状況が生まれ、その後、賃貸住宅の資産価値が急落する事態にもなりかねないとして警戒を強めています。
生命保険会社に「国債離れ」
 契約者から集めた巨額の資金を運用している生命保険会社の間では、マイナス金利政策による金利の低下で国債の利回りが見込めなくなったことから、運用先を見直す「国債離れ」の動きが広がっています。
 このうち、運用資産がおよそ27兆円に上る住友生命は、日本国債の買い入れを抑える一方で、為替が変動するリスクはあるものの、より高い利回りが見込める外国の国債や社債の買い入れを増やしています。
今後の市場動向によっては国内株式の購入を増やすことも検討するということです。
 藤戸方人常務は「非常に低金利なので、日本国債を中心とした運用はなかなか厳しい。そういう面ではマイナス金利政策は決定打だった。これからは、より細やかにリスクをコントロールしながら収益を出す運用をしていく」と話しています。
専門家「将来に自信を持てる環境にしないと」
 日銀の金融政策に詳しい調査会社、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは、「全体としては、マイナス金利政策の効果は限定的だった。われわれの世代は将来に不安を抱えているので、金利が下がっても家計や企業は借金を増やそうと思わない。成長戦略や構造改革によって日本経済の将来に自信を持てる環境にしないと、いくら低い金利を日銀が用意しても家計や企業が利用する気になれないのが問題だ」と話しています。


読売新聞 2017年01月29日 13時16分
マイナス金利1年、物価上がらず…財政政策期待
 日本銀行がマイナス金利政策の導入を決めて、29日で1年になる。
 住宅ローンなど様々な金利を押し下げ、銀行の貸し出しは緩やかに増加している。ただ、目標としている物価上昇率2%にはなお遠く、デフレ脱却は遅れている。金融緩和だけで物価上昇や景気浮揚を実現するのは難しいとの見方が広がり、財政政策への期待が高まっている。
 ◆設備更新後押し
 メッキ加工を手がけるさいたま市の日本電鍍工業は昨年5月、取引銀行から融資を受け、省エネ対応の照明を取りつけるなど、古くなった設備を更新した。伊藤麻美社長は「工場ができて20年。大規模な投資を抑えてきたが、有能な人材を確保するのに必要だと思った」と話す。マイナス金利で銀行の貸出金利が低下したことも判断を後押しした。


毎日新聞2017年1月29日 東京朝刊
マイナス金利1年 景気押し上げ、肩すかし 貸出額伸びず、銀行苦境
 日銀が2016年1月にマイナス金利政策の導入を決めてから、29日で1年となる。導入後、金利水準は大幅に下がったが、設備投資や個人消費は伸び悩んだままだ。一方で、金融機関の収益悪化の副作用は大きく、日銀は9月に長短金利操作を軸とする新枠組みへの修正を余儀なくされた。日銀がマイナス金利を拡大する追加緩和に踏み切るとの市場の予想は、最近では大幅に後退している。【安藤大介】
 マイナス金利は、金融機関が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を課す政策。日銀にお金を預けるほど「ペナルティー」を受ける仕組みで、銀行がお金を企業や個人への貸し出しに回し、景気を押し上げる効果を期待した。
 政策決定後に市場の金利水準は急落した。長期金利の指標となる新発10年物国債の市場利回りは、決定直前の0.2%程度から、7月には一時マイナス0.3%まで低下。銀行の企業向け貸出金利や、住宅ローン金利も過去最低となった。
 だが、貸出額は期待ほど伸びていない。16年9月末時点の国内銀行の貸出額は、不動産業向けが15年末比5.9%増の69兆6698億円と過去最高を記録する一方、製造業向けは同2.8%減少。全体では同1.1%の微増にとどまった。大和総研の長内智シニアエコノミストは「成長期待が低い状況では、金利が低くてもお金を借りて投資する企業は少ない。伸びたのは相続税対策のアパート建設や投資目的の住宅購入で、バブルの懸念を高めた」と指摘する。
 消費者向けでは、16年の住宅ローンの借り換え申込件数が大手5行(三菱東京UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井住友信託)で前年比2.7倍に急増する一方、新規件数は15%増だった。16年1~11月の2人以上世帯の実質消費支出は、11カ月のうち10カ月が前年割れで、「消費の押し上げ効果も限定的」(長内氏)だった。
 一方、貸出金利の低下による利ざや縮小は、金融機関の収益を直撃した。5大銀行グループの16年9月中間連結決算の最終利益は、合算で前年同期比約1割減少。日銀は16年9月の金融政策決定会合で、長期金利が下がり過ぎたことが「金融機能の持続性に不安感をもたらした」と認め、長期金利を0%に誘導する枠組みを新たに導入。わずか8カ月で、政策の修正を余儀なくされた。
 日銀は短期金利のマイナス金利は維持し、「経済情勢が急速に悪化したり、円高が進行したりする時には有力な選択肢だ」(幹部)と一段の引き下げも視野に入れる。ただ、市場では「導入時に世論の批判にさらされたことで、よほどのことがなければマイナス幅拡大には動かない」との見方が大勢だ。

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