2017-01-31(Tue)

タクシー初乗り410円始動 「ちょい乗り」

次は「前決め、相乗り」  再編の号砲か  収入減を不安視する声も


タクシー初乗り410円、「ちょい乗り」需要開拓  都内
----東京都内で30日、「初乗り410円」のタクシーが走り始めた。午前0時以降に出庫した車両から、2キロメートル730円だった初乗り運賃を1.052キロメートル410円に引き下げた。30日は新旧の運賃のタクシーが混在する。短距離の利用拡大につながる運賃体系とすることで日々の買い物や通院などでの「ちょい乗り」需要の掘り起こしを狙う。
(日本経済新聞)

タクシーちょい乗りの次は「前決め、相乗り」
----東京都内で30日、「初乗り410円」のタクシーが始動した。2キロメートル730円だった初乗り運賃は約1キロメートル410円に。利用者減に悩む各社は「ちょい乗り」需要に期待を膨らませる。事前に運賃を確定する「前決め運賃」や、「相乗りタクシー」の導入を探る動きもある。今回の運賃改定は利用者の選択肢を広げる第一歩にすぎない。
(日本経済新聞)

◇「ちょい乗りタクシー」は再編の号砲か  収入減を不安視する声も
----「本当に利用客は増えるのか」
 初乗り運賃変更で、現場からは不満や不安の声も聞こえてくる。「ばかなことをしたもんだ」。50代の個人タクシーのドライバーはこうつぶやく。「確実に収入は減る。タクシーを利用するお客さんは、もう固定してますよ。値下げしたところで、どのくらい増えると思いますか」と悲観的だ。
 法人に所属する別のドライバーは、「うちの会社としては賛成しているみたいだけど、仲間うちでは『遠くまで乗ってくれるお客さんが減るんじゃないか』と心配している」と話す。
(日経ビジネスオンライン)




以下引用


日本経済新聞 2017/1/30 22:26
タクシーちょい乗りの次は「前決め、相乗り」
初乗り410円始動
 東京都内で30日、「初乗り410円」のタクシーが始動した。2キロメートル730円だった初乗り運賃は約1キロメートル410円に。利用者減に悩む各社は「ちょい乗り」需要に期待を膨らませる。事前に運賃を確定する「前決め運賃」や、「相乗りタクシー」の導入を探る動きもある。今回の運賃改定は利用者の選択肢を広げる第一歩にすぎない。
 「初乗り410円からスタートさせていただきます」。午前5時半、日本交通(東京・千代田)の赤羽営業所(東京・北)。乗務員があいさつの練習を大声で繰り返した後、6台の車両が第1陣として出発した。
 初乗り運賃変更は東京23区と武蔵野市、三鷹市のタクシーが対象。個人タクシーを含む大半の車両が410円を採用した。石井啓一国土交通相は「短距離でもタクシーを使いやすくなり、需要喚起につながる」と話す。
 国交省によると15年度の全国の法人タクシーの輸送人員は14億2200万人で、10年間で約3割減った。欧米では自家用車で乗客を運ぶライドシェア(相乗り)が普及。その事業モデルを築いた米ウーバーテクノロジーズは日本市場を狙う。客を奪われたくないタクシー会社と、安全性を確保したい国交省の危機感が料金改革の根底にある。
 ただ、今回の改定がすべての乗客にメリットをもたらすわけではない。約1.7キロメートル以下で値下げになるが、国交省によると全国のタクシーの平均乗車距離は3.7キロメートル。30日に人形町から東京駅八重洲口にタクシーで移動した吉沢暁子さん(46)は「中距離の利用が多いから初乗り価格が下がっても乗る頻度は変わらない」と話す。
 さらに6.5キロメートル以上乗ると従来より割高になる。記者が30日に東京駅の丸の内口から明治神宮(東京・渋谷)までの7キロメートルを移動したところ、運賃は3210円で初乗り短縮前より230円高かった。初乗り後の加算も従来の280メートルごとに90円から237メートルごとに80円となり、1メートルあたりの単価は少し上がる。
 初乗り運賃改革は柔軟な運賃体系への第一歩だ。都内のタクシー各社と国交省は乗車前に運賃を確定したり、同じ方向に向かう客が相乗りしたりするサービスの実現もめざす。国交省は2017年度、両サービスの実証実験を実施する方針だ。日本交通の川鍋一朗会長は「17年のタクシー業界は昨年と違うレベルで変わる」と予想する。
 カギは配車アプリだ。「前決め運賃」はアプリで目的地を入力した段階で決まる仕組みを想定。「相乗りタクシー」は目的地が近い複数の乗客を引き合わせ、ムダのないルートで送る。いずれも利用者の安心感につながり、タクシー利用を促す効果がありそうだ。送迎時間や運賃でメリットを最大限打ち出せるだけの技術開発が欠かせない。
 タクシー会社減収の解消を狙い、福岡市などでは運賃引き上げに向けた動きもある。官民ともにタクシー会社の体力をこれ以上すり減らさないために、適正な運賃を模索している最中だ。難しい連立方程式の「解」はまだ見つかっていない。
(清水孝輔、木原雄士)


朝日新聞 2017年1月31日05時00分
タクシー、ちょい乗りに活路 東京都心、初乗り410円開始
初乗り運賃が410円になったタクシーに乗り込む利用者たち=30日午後、東京都新宿区、林紗記撮影
 東京都心部のタクシー初乗り運賃が30日、2キロ=730円から約1キロ=410円になった。全国の都市部で1番の手頃さ。「ちょい乗り」需要の開拓をもくろむ。タクシー業界は全国的に利用が低迷。生き残りをかけ、各地で新サービスの試行錯誤が続いている。
 ■五輪も見据え国際水準
 東京のJR新宿駅。西口のタクシー乗り場には30日朝から、窓に「初乗り410円」のステッカーをはったタクシーが並んだ。
 「安くて、利用したい気持ちになる」と家族で新宿に買い物に来た中野区の主婦佐藤静子さん(85)は話す。「2人なら、バスよりもタクシーがお得」と喜ぶ声もあった。
 利用者の歓迎とは対照的に、ドライバーからは減収を心配する声が漏れる。
 JR東京駅前のタクシー乗り場で客待ちをしていた運転歴21年の男性(64)は、「初乗り利用10回分の売り上げが、これまでより3千円ほど下がる。差を埋めるほど客が増える気がしない」。別の運転手男性(55)は「遠方まで乗る人は値上げ。これまでのお客さんが離れてしまう」。
 一方、「外国人旅行者の利用が増えるかも」と期待するドライバーもいる。チップなども含めた国土交通省の計算では、ニューヨークは初乗り「約320メートル約420円」、ロンドンが「約260メートル約420円」。今回の運賃変更には、日本の初乗り運賃を国際水準に合わせ、外国人にも使いやすくする狙いがある。タクシー大手幹部は「最近は訪日外国人が多く、20年には東京五輪もある。利用のパイを増やすチャンス」と話す。
 ■利用者10年で3割減
 「利用者は1970年からじりじりと右肩下がり。業界は強い危機感を持っている」。410円タクシーの開始を控えた27日、都内で記者会見した東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋一朗会長はこう強調した。
 国交省によると、全国のタクシー利用者はこの10年で3割減った。鉄道やバスなど、ほかの交通手段と比べても、「一人負けの状態」(国交省担当者)だ。
 売り上げも細っている。全国に約6千ある法人タクシー事業者の2015年度の営業収入は計約1兆5千億円で、10年間で2割減。労働時間は全産業平均よりも長いのに、14年の男性ドライバーの平均年収は、全産業より234万円低い302万円だった。東京の法人タクシーだけで見ても、男性ドライバーの平均年収は全産業平均より4割も低い。
 小泉内閣が進めた規制緩和で02年、新規参入や増車がしやすくなり、タクシーの台数が増えた。しかし客は増えず、過当競争に。国は料金の下限を厳しく設定するなど、規制強化に戻した経緯がある。
 だが、業界を守る料金規制に対しては「利用者の利便性を考えていない」との批判があった。
 東京の410円タクシーについて、川鍋会長は「運賃でニーズに応える初めての策。タクシーが身近になるといい。選ばれる回数を増やしたい」と意気込む。
 (伊藤嘉孝、力丸祥子)
 ■妊婦に優先配車/高齢者付き添い
 身近なサービスで利用を促すアイデアも出てきた。
 たとえば、陣痛が始まった妊婦に優先的に配車し、病院まで送り届けるサービス。この数年で全国に広がった。東京では出産が近い妊婦の7割が事前登録、2割が実際の出産で利用した計算になるという。
 タクシー大手の日本交通(東京都千代田区)の場合、登録無料で、料金は通常の迎え代金(410円)と運賃だけ。12年のサービス開始以来、登録は約11万3千件、利用は3万6千件にのぼる。
 このほか、幼い子どもを塾や空港などへ送迎したり、認定を受けたドライバーが観光案内をしたり。高齢者の買いものに付き添うサービスや、東日本大震災の被災地で語り部を担う取り組みもある。「ゆりかごから墓場まで、人生に寄り添うサービスです」(業界団体関係者)
 近年、海外ではスマートフォンのアプリを使って自家用車をタクシー代わりに呼ぶライドシェア(相乗り)が広がり、業界には危機感が募る。一般ドライバーがマイカーで有償で客を運ぶことは「白タク」として原則禁止されているが、もし全面解禁されれば競合は必至だからだ。
 だが、手をこまねいているわけではない。業界は国交省と共同で、アプリを使って運賃を事前確定できる仕組みを検討している。タクシー大手幹部は「サービスも充実させつつ、プロが運転する安全性もアピールし、タクシーの存在感を高めたい」と話している。
 ◆キーワード
 <東京の新タクシー運賃> 23区と武蔵野市、三鷹市で初乗り(1・052キロ)運賃を380円から410円までの、10円刻みの4種類から業者が選ぶ仕組みを導入、ほぼ全業者が410円を選択した。初乗り後は237メートルごとに80円加算され、時速10キロ以下では90秒ごとに80円かかる。道路事情によるが、2キロ弱まではこれまでより安く、2~6・5キロはほぼ同等、6・5キロ以上では割高に。例えば8キロ乗ると2810円でこれまでより100円高くなる。
 ■全国各地のタクシー初乗り運賃
      初乗り運賃      距離
 札幌市   670円   1.6キロ
 仙台市   670円   1.7キロ
 東京都心部 410円 1.052キロ
 名古屋市  500円 1.264キロ
 大阪市   680円     2キロ
 広島市   640円   1.5キロ
 福岡市   670円   1.6キロ
 (初乗り運賃は国が定める上下限の間から選ぶ仕組みで、大半の業者が上限を選択している。表の「運賃」は上限額)


日刊スポーツ[2017年1月31日9時41分 紙面から]
ちょい乗り」タクシー開始、初乗り410円 東京23区などのタクシー運賃
 東京都心部などのタクシー初乗り運賃が30日、約1キロまで410円に引き下げされた。従来は2キロまで730円。短い距離を安い運賃で気軽に乗ってもらう「ちょい乗り」施策に、利用者は「便利になった」「初乗りの距離が短すぎる」など反応はさまざまだ。
 新運賃は、東京23区内と武蔵野市、三鷹市に営業所を置く事業者が対象。初乗り1052メートルを越えると、237メートルごとに80円加算する。2キロ弱までは割安、約2キロから約6・5キロは値上げと値下げが混在。約6・5キロ以上になると割高になる。都内在住で営業職の40代の男性は「営業回りで短い距離でも乗ることが多いので、非常に助かる」と歓迎。一方、埼玉県の60代女性は「1キロぐらいだったら歩いた方がいいかも。歩けないくらいの長距離になるほど割高になるなら、逆に利用しにくい」と話した。
 あるタクシー運転手は、初乗り運賃変更に備えたものの、肩透かしにあった。「今日は5人乗せたけれど、410円で降りた人はいなかった。1000円札を出す人が多いから、釣り銭に500円をたくさん用意していたんだけどね」と苦笑いした。それでも「ちょっとでも乗ってくれる人が増えるとしたら、いい取り組みになる」と期待した。国交省が昨年8~9月に都内で実証実験をした際には、初乗り410円なら月平均に利用回数が増えるとの結果を得ている。
 世界のタクシーの初乗りは300~400円台のところも多く、東京の初乗りは割高だった。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、外国人旅行客対策も兼ねた初乗り値下げ。効果が見えるには、時間がかかりそうだ。【小松正明】
<主な都市の初乗り運賃>
 ▼札幌670円(1・6キロ)
 ▼仙台680円(1・7キロ)
 ▼横浜730円(2キロ)
 ▼名古屋500円(1・264キロ)
 ▼大阪680円(2キロ)
 ▼広島640円(1・5キロ)
 ▼福岡750円(1・6キロ)
 ▼沖縄510円(1・75キロ)


朝日新聞 2017年1月30日14時37分
タクシー初乗り410円、期待と不安 「駅待ち」減る?
 東京都心部(23区と武蔵野市、三鷹市)のタクシーの初乗り運賃が30日、これまでの「2キロ730円」から「約1キロ410円」に変わった。都市部では全国最安値という。「ちょい乗り」が手頃になったと利用者は歓迎。業界は利用低迷の打破に期待をかける。
 「今日から410円に値下げです」。JR新宿駅西口のタクシー乗り場では朝から、タクシー会社の役員らが「ちょい乗りで、タクシーに乗りませんか?」と書かれたチラシを配った。
 乗車した千代田区の林部美智子さん(81)は、「500円でお釣りがくればうれしい。買い物で荷物が増える帰り道や家の近くの病院に行くときも、利用の頻度が増えそう」。通勤のため利用した岡村麻衣さん(25)は、「駅から会社まで歩くと15分ほどかかり、バスに乗ることもある。これからはタクシーを同僚と2人以上で使えばとても安い」と喜んでいた。
 一方で懸念の声も。JR東京駅八重洲口の乗り場に並んだ女性(70)は「中距離以上が値上げになるのは困る」と話した。
 新運賃は、初乗り(1・052キロ)運賃を380円から410円までの、10円刻みの4種類から業者が選ぶ決まりで、ほぼ全業者が410円を選択した。
 初乗り後は、走行237メートルごとに80円加算され、時速10キロ以下では90秒ごとに80円かかる。道路事情にもよるが、2キロ弱まではこれまでより安く、6・5キロ以上では割高。2~6・5キロは、ほぼ変わらない。
 各社は29日深夜から30日未明にかけて準備に追われた。足立区の織田タクシーの営業所では、従業員が徹夜で約100台の運賃メーターの設定を変更し、窓の料金ステッカーを張り替えた。織田一社長は「運賃改定の経費に計300万円ほどかかる。それを取り返すくらい、お客さんが増えてくれれば」と話した。(力丸祥子)
■全国に広がるかは不透明
 新運賃導入の背景には、利用者が減っている業界の厳しさがある。国土交通省によると、全国のタクシー利用者は、この10年で3割減。東京都心部も同様だ。苦境を打開するため、東京では戦後初めて初乗りの距離を短縮し、大幅に値下げする案を業界が打ち出した。
 近距離でも気軽に使える運賃にすることで、お年寄りや子育て中の人などの「生活の足」として、存在感を高める狙いだ。
 また、2020年の東京五輪・パラリンピックや外国人の利用も意識した。チップなども含めて国交省が試算したところ、ニューヨークは初乗り「約320メートル約420円」、ロンドンが「約260メートル約420円」で、日本は主要都市より高かった。国際水準に合わせ、増え続ける訪日外国人の利用を促す。
 ただ、利用者側には「実際は短距離だと嫌がられるのでは」との懸念もある。短距離利用が増えると、「駅待ち」のタクシーが「割に合わない」と姿を消すのでは、との不安もある。この点、東京ハイヤー・タクシー協会は乗り場の巡回などを行い、ドライバーに嫌な顔をしないよう指導する方針だ。駅などへの車両の緊急補充にも柔軟に対応するとしている。
 ドライバーには、「410円の短距離利用ばかりになれば、売り上げが下がる」との不安と、「これまで乗らなかった人たちの利用が増え、収入が増える」という期待が交錯する。
 国交省などが昨夏に行った初乗り410円の実証実験では、約1万人のアンケート回答者の6割が「利用回数が増える」と答えた。
 「ちょい乗り」需要の開拓は、タクシー離れを食い止めるカンフル剤となるか。同協会の川鍋一朗会長は「タクシーが身近になり、高齢者の通院、買いものの足、子育て世代の足として、選ばれる回数が増えればいい。17年はタクシーが大きく変わったと実感いただける年になると思う」と話している。
 全国的にも初乗りの距離は短くなる傾向だが、運賃は据え置き、実質的な値上げになるケースが多い。名古屋市や福岡市など7地域では、業界からの申請で、実質的な値上げに向けた審査が進められている。400円前後の初乗り運賃が全国に広がるかどうかは不透明だ。(伊藤嘉孝)


日本経済新聞 2017/1/30 10:35
タクシー初乗り410円、「ちょい乗り」需要開拓
都内できょうから
 東京都内で30日、「初乗り410円」のタクシーが走り始めた。午前0時以降に出庫した車両から、2キロメートル730円だった初乗り運賃を1.052キロメートル410円に引き下げた。30日は新旧の運賃のタクシーが混在する。短距離の利用拡大につながる運賃体系とすることで日々の買い物や通院などでの「ちょい乗り」需要の掘り起こしを狙う。
 東京23区と武蔵野市、三鷹市のタクシーが新しい運賃に移行した。東京のタクシーの初乗り距離の変更は約80年ぶり。380~410円の範囲で設定できる初乗り運賃は個人タクシーを含むほとんどの車両が410円とした。初乗り後の加算もこれまでの280メートルごとに90円から237メートルごとに80円に変更。従来の運賃より約1.7キロメートルまでは値下げとなり、約6.5キロメートル以上では値上げになる。
 タクシー業界は初乗り運賃の引き下げで短距離の乗車回数を増やし、輸送人員の減少に歯止めをかける考え。30日、新橋駅(東京・港)から出勤のためにタクシーを利用した50代の会社員女性が支払った運賃は570円。従来の初乗り運賃に比べると出費が抑えられたことから「今後はタクシーを使う頻度が増えると思う」と話した。
 大手の日本交通の赤羽営業所(東京・北)では保有するタクシー200台について、29日から順次、メーター変更や運賃表示ステッカーの貼り替えを実施。「初乗り410円タクシー」は30日午前6時前に1台目が出発した。赤羽営業所では30日午後に営業するすべてのタクシーが新しい運賃になる。


時事通信(2017/01/30-10:05)
「ちょい乗り」タクシー始動=初乗り410円-東京23区など
 東京都23区と武蔵野市、三鷹市を営業区域とするタクシーの初乗り運賃が30日、引き下げられ、これまでの730円(2キロまで)から大半が410円(1.052キロまで)に変わった。タクシーの利用客減少が続く中、「ちょい乗り」需要を喚起するのが狙いだ。
 2016年に2400万人まで増加した訪日外国人の利用促進も課題。「ロンドンやニューヨークと比べてもリーズナブルな運賃」(業界関係者)を実現することで、「日本のタクシーは割高」との評判の払拭(ふっしょく)にもつなげる。
 料金改定は加算運賃も対象。国土交通省の試算によると、約2キロまでは値下げとなるが、約2キロ~約6.5キロでは値下げとなる部分と値上げの部分があり、約6.5キロ以上は値上げとなる。
 30日午前0時以降に出庫したタクシーから新料金に順次変更。東京ハイヤー・タクシー協会は午前9時ごろから東京や上野、新橋など主要駅の乗り場で、リーフレットを配って周知に努めた。近隣に病院やオフィスがあるJR新橋駅東口では、利用者から「近場で乗ることが多いので、安くなるのはうれしい」と歓迎する声が聞かれた。


朝日新聞 2017年1月30日05時13分
「初乗り410円」きょうから 都心部のタクシー
タクシーの新運賃のイメージ
 東京都心部(23区と武蔵野市、三鷹市)のタクシーの初乗り運賃が30日から、「約1キロ410円」となる。現行の「2キロ730円」から大きく変わり、短距離の利用は値下げ、長距離は値上げとなる。
 今回の運賃変更は、初乗り(1・052キロ)運賃を380円から410円まで、10円刻みの4種類から業者が選ぶ仕組みで、ほぼ全業者が410円を選択した。全国の都市部では最安値だ。
 初乗りの距離を超えると、走行237メートルごとに80円が加算され、時速10キロ以下のときは90秒ごとに80円かかる。計算上は、2キロ弱まではこれまでより安く、6・5キロ以上になると割高になる。2キロ弱~6・5キロは、ほぼ変わらない。
 30日午前0時以降に仕事を始める車両が新運賃の対象となる。料金メーターの設定変更が必要となるため、29日から継続的に営業している一部のタクシーは、30日も旧料金で営業することになるという。(伊藤嘉孝)

NHK 1月30日 11時51分
東京23区など タクシー初乗り運賃きょうから410円
東京23区などを営業地域とするタクシーの初乗り運賃が30日から引き下げられ、ほとんどのタクシー会社が初乗り運賃をおよそ1キロまで410円に変更して営業しています。
初乗り運賃の引き下げは東京23区と三鷹市、武蔵野市を営業地域とするタクシーで30日から始まりました。国土交通省などによりますと、この地域で営業するほとんどのタクシー会社や個人タクシーが、初乗り運賃をこれまでの2キロまで730円を、1.052キロまで410円に変更しました。
 JR新橋駅のタクシー乗り場では、ほぼすべてのタクシーが新しい運賃に変わり、タクシー会社の担当者が運賃の変更を知らせるチラシを利用者に渡していました。
 国土交通省によりますと、新しい運賃はおおむね1.7キロまではこれまでより値下げになりますが、6.5キロを超えると逆に、値上げになるということです。
 今回の運賃変更の背景にはタクシーの利用者が減り続ける中、短距離の移動に使う「ちょい乗り」など新たな需要を掘り起こそうという狙いがあり、業界ではお年寄りや外国人旅行者などの利用の拡大を期待したいとしています。
利用者や運転手の声は…
タクシーの初乗り運賃の引き下げについて、ふだんから短い距離でタクシーを利用するという人からは歓迎する声が聞かれました。
 30代の女性は「小さい子どもを連れているので、ふだんからよくタクシーを利用する。けさ、自宅から駅まで乗ったら490円で得した気分だった。“ちょい乗り”の利用回数は増えると思う」と話していました。また、20代の女性も「寝坊などでふだんから短い距離での利用が多いので、初乗り運賃の値下げはありがたいです」と話していました。
 その一方で、30代の自営業の男性は「駅からオフィスまで行くのにタクシーを利用しますが、短い距離ではないので運賃も利用の頻度もあまり変わらないと思う」と話していました。
 タクシーの運転手の男性は「早くも410円のお客さんが乗車して、降りるときに喜んでいた。お客さんにとってタクシーに乗りやすくなる運賃の変更だと思う」と話していました。別の運転手の男性は「売り上げにどう影響するかが大事だが、しばらく続けてみないとなんともいえない。これを機会に、短い距離でもタクシーを利用してもらいたい」と話していました。
新しい運賃体系は
タクシーの運賃は、国が定めた上限運賃と下限運賃の間で決まります。
 これまでは、2キロまで700円から730円でしたが、新運賃では、1.052キロまで380円から410円となり、初乗りの距離を短くして、運賃を引き下げます。
 今回、ほとんどのタクシー会社、そして、個人タクシーが上限運賃の410円で届け出ました。
 また、新しい運賃では、初乗りの距離をすぎると237メートルごとに80円、加算されます。
 タクシーは時速10キロ以下で走行すると時間に応じた料金も加算され、新運賃では1分30秒ごとに80円となります。
 国土交通省では、走行距離がおおむね1.7キロまではこれまでより値下げになりますが、6.5キロを超えると逆に値上げになるとしています。


日経ビジネスオンライン-2017年1月30日(月)
「ちょい乗りタクシー」は再編の号砲か
都内で1月30日から初乗り410円に、収入減を不安視する声も
 1月30日、東京のタクシーの初乗り運賃が1.052kmまでで410円となる。対象となるのは、東京23区と武蔵野市、三鷹市だ。
 これまでの初乗り運賃は2kmまでで730円。それ以降は距離や時間によって90円ずつ上がる仕組みだった。今後は80円ずつ上がり、加算されるまでの距離や時間も変わる。その結果、約2kmまでの運賃は従来よりも安くなるが、約6.5km以上は値上げとなる。2km~6.5kmの間は値下げと値上げが混在するようになる。つまり、短距離の利用者で減収となる分を中長距離の増収でカバーして、全体では運賃収入が変わらないように“組み替える”というわけだ。
2016年夏に東京都内で実施された、初乗り運賃引き下げの実証実験。利用した日本人の6割が「利用回数が増える」と回答したが、果たして利用客は増えるのか
 運賃変更に先立って行われた記者会見で、東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋一朗会長は、「タクシーを気軽に利用する“ちょい乗り”を普及させるとともに、訪日外国人の利用も増やしていきたい」と語った。

東京ハイヤー・タクシー協会の川鍋一朗会長(左)と東京都個人タクシー協会の秋田隆会長
 改定に踏み切った背景には、タクシー業界の危機感がある。川鍋会長は「タクシーの輸送人員は、この10年で3割減った」「若い人でタクシーに乗る習慣のない人が増えている」と現状を語った。
 こうした中で、東京ハイヤー・タクシー協会は、運賃変更にとどまらず、その他の施策にも着手している。
 例えばトヨタ自動車が開発したタクシー専用車「JPN TAXI」。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに都内で1万台走らせる構想を描く。日中に走るタクシーが約3万台なので、3割が新型車両となる。川鍋会長は、自身が経営する日本交通(東京都千代田区)で率先して導入する予定だ。「セダンではなく、ワゴン型のタクシーが多く走るようになることで、東京の風景が変わる」と語った。
次ページ「「本当に利用客は増えるのか」」
「本当に利用客は増えるのか」
 初乗り運賃変更で、現場からは不満や不安の声も聞こえてくる。「ばかなことをしたもんだ」。50代の個人タクシーのドライバーはこうつぶやく。「確実に収入は減る。タクシーを利用するお客さんは、もう固定してますよ。値下げしたところで、どのくらい増えると思いますか」と悲観的だ。
 法人に所属する別のドライバーは、「うちの会社としては賛成しているみたいだけど、仲間うちでは『遠くまで乗ってくれるお客さんが減るんじゃないか』と心配している」と話す。
 変更に向けて、2016年8月から9月にかけて、初乗り410円の実証実験が行われた。その際、利用した日本人の6割が「利用回数が増える」と答えている。だが、一般消費者に意向を尋ねる調査は行われていない。川鍋会長自身も「予想しづらい」と話す。
効率的に稼ぐ時代に突入
 今回の運賃変更によって、タクシー業界の再編が一気に進むと見る向きは多い。
 「短距離のお客が多くなっても回転率を高めて稼げればよいが、営業する場所によって明暗は分かれるだろう。最近普及している配車アプリなどを活用して、いかに効率的に稼げるかが勝負の時代になる。そうした資本を投じられるかどうかが、生き残りに関わってくる」と、あるタクシー会社の首脳は話す。
 タクシー会社のM&A(合併・買収)を手掛ける、日本M&Aセンター事業法人部の榊原啓士シニアディールマネージャーも、「効率的に稼ぐためには、設備投資は不可欠。訪日外国人が増加し、大手を中心に多言語対応を進めるべく、コールセンターを設置する動きなどが目立つ。こうしたことができない小規模の会社にとっては厳しい時代だ」と話す。
 タクシー業界は1兆6000億円の産業にもかかわらず、最大手の日本交通でも500億円ほどの売り上げだ。川鍋一朗会長は、日経ビジネス2016年11月28日号の編集長インタビューで「再編の軸になりたい」と語っている。
 海外を見渡せば、配車アプリ大手の米ウーバーテクノロジーズが台頭し、利用した人からは日本でのライドシェア解禁を求める声が上がっている。こうした動きは、タクシー業界にとって脅威ともいえる。“ちょい乗り”で消費者をいかに呼び込み、利益を上げていくか。タクシー業界の真価が問われる時代にもなっている。

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