2017-02-14(Tue)

東京一極集中  歯止めへ戦略の再考を

東京圏 21年連続で転入超過  歯止めかからぬ一極集中 「地方創生」を練り直せ  

◇東京圏、21年連続で転入超過 総務省人口移動報告
 総務省統計局は31日、住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告を公表した。進学や就職で地元を離れる若い人が減り、都道府県間の移動者数は2年ぶりに減少。都道府県別でみると、首都圏への人口集中が続いている。
 都道府県間の移動者数は、前年より5万9407人少ない227万5331人。都道府県別では7都府県で転入超過となり、東京が7万4177人で最も多く、千葉、埼玉、神奈川、愛知、福岡、大阪と続いた。転出超過は北海道が6874人で最多。熊本は震災の影響で、転出超過数が前年より2858人多い6791人となった。
 東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は転入が転出を11万7868人上回り、21年連続の転入超過だったが、超過数は前年より1489人減り、5年ぶりに減少した。名古屋圏(愛知、岐阜、三重)、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は4年連続の転出超過だった。(笹川翔平)
(朝日新聞)

<各紙社説・主張>
産経新聞)一極集中の是正 地方高齢者への支援急げ(2/6)
東京新聞)東京一極集中 是正はもっと大胆に(2/9)
信濃毎日新聞)続く一極集中 「地方創生」を練り直せ(2/2)
京都新聞)東京一極集中  歯止めへ戦略の再考を(2/8)
西日本新聞)人口移動報告 歯止めかからぬ一極集中(2/2)
宮崎日日新聞)東京一極集中 実効性ある施策早急に示せ(2/10)

総務省ホーム > 統計データ > 住民基本台帳人口移動報告
http://www.stat.go.jp/data/idou/
平成29年1月31日 住民基本台帳人口移動報告 平成28年(2016年)結果
http://www.stat.go.jp/data/idou/2016np/kihon/youyaku/index.htm







以下引用



産経新聞 2017.2.6 05:02
【主張】一極集中の是正 地方高齢者への支援急げ


 安倍晋三政権が旗を振る東京一極集中の是正に成果がみられない。
 総務省人口移動報告によれば、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は21年連続で転入超過となった。大阪圏と名古屋圏は4年連続の転出超過だった。
 より条件の良い働き口を求め、人々が集まってくるためだろう。東京五輪に向けて、こうした流れはさらに強まるとみられる。
 地元に残りたくても、思うような仕事が見つからない。進学や就職を機に若者が転居するのはやむを得ない。
 一極集中への歯止めには、大学などで身に付けた知識を活用できる仕事の創出が不可欠だ。地方創生も、そこにもっと重点を置いた取り組みを急ぐべきである。
 転入超過だった東京圏でも、その人数は5年ぶりに減少した。少子化で若者の絶対数が減ったことが要因だという。代わって、今後増えるとみられるのが地方で1人暮らしをしてきた高齢者だ。
 要介護状態になくとも、通院や買い物などの日常生活が困難だという人は多い。こうした高齢者が東京圏に住む子供などを頼って同居や近居を選ぶケースはすでに目立っている。
 東京圏の高齢化がさらに進めば、病院や福祉施設の不足がさらに深刻化する。
 こうした高齢者は、少しのサポートがあれば、住み慣れた地域で暮らし続けられる。地方高齢者の生活支援の強化を求めたい。
 例えば、安価な家賃の高齢者住宅を整備し、病院への送迎、役所の窓口での手助けといったサービスを、公的事業として展開してはどうか。これらはコンパクトな町づくりの推進にもつながる。
 東京一極集中の是正は、国土形成に関わる問題でもある。人口が集中する東京圏は、経済の牽引(けんいん)役を担ってきた。
 だが、この成長モデルは長く続かない。食料を供給してきた地方が疲弊すれば、東京圏も機能しなくなるからだ。
 東京直下型地震も予測されている。国家の危機管理の上でも大阪圏などとの多極化が望ましい。
 五輪後を見据え、東京圏をどう位置付け、人口集積によらない新たな成長モデルをどう築くか。
 安倍政権には、早期に国家のグランドデザインの検討に入ってもらいたい。
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東京新聞 2017年2月9日
【社説】東京一極集中 是正はもっと大胆に


 日本の総人口が減少に転じた一方で、東京圏への人口集中が止まらない。安倍内閣が旗を振る「地方創生」の成果が見えぬということでもある。一極集中の是正には、もっと大胆な対応が必要だ。
 総務省がまとめた昨年の人口移動報告によると、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は十一万七千八百六十八人の転入超過、名古屋圏(愛知、岐阜、三重)は二千三百六十三人、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は九千三百三十五人の転出超過だった。
 東京圏の転入超過は二十一年連続。一方、名古屋圏、大阪圏は四年連続の転出超過である。
 東京圏の転入超過数は前年を千五百人ほど下回ったものの、その五年ぶりの縮小は、そもそも移動する若い世代が少子高齢化で減ってきた影響だと考えられる。つまり、東京一極集中には一向に歯止めがかかっていないのである。
 安倍内閣の地方創生総合戦略は新年度、五カ年計画の三年目に入る。地方からの転入を六万人減らし、地方への転出を四万人増やして東京圏への転入・転出を二〇二〇年に均衡させるという目標の達成は極めて難しい状況にある。
 政府は昨年末、その総合戦略の改定版を閣議決定した。目玉の一つが地方大学の振興である。
 東京での大学の新増設抑制や地方移転促進など、その具体策を検討する政府有識者会議が今週、初会合を開いた。夏ごろまでに対応方針をまとめる予定という。
 若者に、より魅力的な切磋琢磨(せっさたくま)の場を用意しようという試みなら大いに賛成したい。だが、東京での大学の新増設抑制に傾けば、少子化で競争が厳しくなる大学運営の自由を縛る、という別の問題を引き起こすことになろう。
 東京に遊学した若者が東京圏にとどまるのは、大学の問題ではない。問題は、卒業後に活躍すべき舞台がどこにあるか、である。
 総合戦略の改定版では、中央省庁の出先拠点「サテライトオフィス」設置も検討課題とされた。
 鳴り物入りで動きだした中央省庁の地方移転は、結局、文化庁が数年後に京都へ移転するだけの看板倒れに終わった。代わりにサテライトオフィスを持ち出しても、出先は出先であり、求心力は持ち得ないのではないか。
 求められるのは、人の流れを変える国土の構造改革、多極化である。中央から地方に国の機能や権限を大胆に移譲して求心力を分散させねば、いつまでたっても東京一極集中は是正できまい。
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信濃毎日新聞(2017年2月2日)
社説:続く一極集中 「地方創生」を練り直せ


 東京圏への人口集中が続いている。
 総務省が公表した2016年の人口移動報告によると、転入者が転出者を11万8千人ほど上回った。前年よりわずかに減ったものの、21年連続の「転入超過」である。
 安倍晋三首相が「地方創生」を掲げて2年半ほどになる。一極集中の是正は簡単でないことが改めて浮かび上がった。看板倒れに終わらせてはならない。政策を根本から練り直す必要がある。
 報告は、住民基本台帳に基づき自治体間の住民の移動状況をまとめたものだ。都道府県別で転入超過は、東京圏の東京、神奈川、埼玉、千葉に加え、愛知、大阪、福岡の計7都府県だった。
 全市町村の7割以上が転出超過となる一方、転入超過は東京23区が最大で大阪市が続く。
 政府が、人口減少対策の5カ年計画「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定したのは、14年12月だ。大都市への人口流出で自治体の半数は将来、消滅する恐れがある―との民間団体の試算公表が発端だった。
 戦略は、東京圏から地方への転出増、東京圏への転入減といった基本目標を掲げた。
 東京から本社機能を移転させた企業の減税制度を15年度に作るなど対策を取ったものの、成果は乏しい。国が率先垂範しようと打ち出した中央省庁の地方移転も、文化庁を京都へ移すことが決まったにすぎない。
 1億総活躍、働き方改革など次々にスローガンが繰り出され、地方創生は影が薄れた印象だ。
 17年度予算案に、これといった取り組みは見当たらない。今国会での首相の施政方針演説は、地方の意欲的なチャレンジを地方創生交付金により後押しするといった内容にとどまっている。
 20年には、東京五輪・パラリンピックが開かれる。一極集中がますます加速するのではないか。
 人口減少は長年の課題だ。政府が「地方創生」という新たな旗を振ったからといって、たやすく解決できるものではない。地方に慌ただしく戦略を作らせる、自治体の創意を国が審査して交付金を出すといった中央集権的なやり方では限界がある。
 施政方針演説で首相は、地方の発意による地方のための分権改革を進めるとも述べた。言葉だけでなく、きちんと実行するよう求める。自治体が住民とともに知恵を出し、独自の発想で活性化を図れるよう権限、財源の思い切った移譲を考えるべきだ。
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[京都新聞 2017年02月08日掲載]
社説:東京一極集中  歯止めへ戦略の再考を


 地方の人口流出と東京一極集中に歯止めがかからない。
 総務省の2016年人口移動報告によると、東京圏の転入者が転出者を約11万7千人上回り、21年連続で転入超過となった。
 「地方創生」を掲げる安倍政権は、14年末に策定した「まち・ひと・しごと総合戦略」で地方に若者30万人分の仕事を生み出すなどして20年に東京圏の転入・転出を均衡させる目標を示した。転入超過は5年ぶりに前年より縮小したものの達成は極めて難しいだろう。
 都道府県別で転入超過は東京圏と愛知、大阪、福岡のみで、東京の約7万4千人に次いで千葉、埼玉が多かった。逆に転出超過は京都の750人、滋賀706人など40道府県に上った。
 今年は安倍政権が打ち出した5カ年の総合戦略の中間年に当たる。本社機能を地方へ移す企業の減税制度を15年に始めたが、適用が決まったのは16年末時点で12社にすぎない。「国が模範を示す」として取り組んだ中央省庁の地方移転も文化庁の京都移転が決まっただけだ。17年度の政府予算案も目玉となる対策は見当たらず、手詰まり状態と言わざるを得ない。
 高齢化や人口減少にあえぐ地方の再生は、日本の将来を左右する重要な課題と言える。東京五輪・パラリンピックに向け、一極集中が再び加速することも予想され、地方創生が看板倒れとならないように戦略の見直しと強化が欠かせない。
 東京圏の転入超過の大半は15~24歳が占める。大学進学時と卒業後の就職時に地方から若者人口が流入しているとみて間違いない。そこで政府は、新たに大学の都内への新増設抑制や地方大学の振興に乗り出すという。
 その方策を検討する有識者会議を6日に立ち上げ、夏をめどに具体策をまとめる。東京一極集中に危機感を強める全国知事会の要望を受け、政府が腰を上げた形だ。
 ところが少子化で学生獲得の競争が激しさを増す中、都内の私立大などから学問の自由の抑制につながるといった懸念の声が上がっている。実効ある処方箋を打ち出せるか政府の本気度が試されよう。
 大学の東京圏偏在が一極集中の一因とはいえ、その是正だけで地方からの人口流出は止まらない。何より若者が生まれ育った古里の未来に希望が持てる施策こそが不可欠だ。雇用創出や就業支援、出産・子育てしやすい環境整備など、そこで暮らす魅力を高める努力が地方自らにも求められる。
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西日本新聞2017年02月02日 10時38分
社説:人口移動報告 歯止めかからぬ一極集中


 総務省が公表した2016年の人口移動報告は、地方の人口流出と東京一極集中に歯止めがかかっていない現実を示した。
 安倍晋三政権は15年度から5年を目途に東京圏から地方に新たな人の流れをつくるとして地方創生を掲げるが、一朝一夕に解決できる課題ではないことを改めて突き付けられたといえるだろう。
 人口移動は住民基本台帳の転出者と転入者から算出される。都道府県別にみると、転入超過は東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪、福岡の7都府県しかない。東京、名古屋、大阪の三大都市圏以外では福岡県だけだった。
 東京都の転入超過数は7万4177人と15年比で7519人減り、東京圏でも1489人減った。ともに5年ぶりに減少に転じたが、一極集中に歯止めがかかったとは言えまい。東京圏は21年、東京都も20年続けて転入超過だ。
 市町村別にみると、75%超が転出超過となった。最多は北九州市で2623人、2位は長崎市、3位は熊本市、さらに6位に熊本県益城町、14位に長崎県佐世保市、16位に宮崎市と続く。
 熊本市と益城町は熊本地震の影響が大きいとみられるが、8471人と全国5番目の転入超過になった福岡市を除き、九州の主要都市が転出超過の上位に並んだ。
 主要都市には東京などへの人口流出を地域で食い止める「ダム機能」が期待される。九州では福岡市以外は機能不全に陥っている。
 地方創生は、地方自治体への交付金配分とともに、企業の本社機能や中央省庁の地方移転を打ち出したが、いずれも成果は上がっていない。次の一手として東京23区の大学・学部の新増設抑制が浮上するが、手詰まり感も漂う。
 その一方で、例えば豊かな自然や暮らしやすさを求めて地方へ移住する人は増えている。定住人口に固執せず交流人口を増やそうという試みもある。
 国に頼らず、もっと地域の住民本位で考えていく発想が必要ではないか。「自前の地域づくり」へ議論を深めていきたい。
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宮崎日日新聞 2017年2月10日
社説:東京一極集中 ◆実効性ある施策早急に示せ◆


 住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告が発表された。東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)に転入した人の数は、転出者の数を11万7868人も上回る大幅な「転入超過」となった。21年連続で東京一極集中が続いていることを意味する。
 16年の東京圏の超過人数は、前年よりも1489人少なく、5年ぶりに減少に転じた。ただ、これをもって「地方創生の成果だ」と強弁できる数字ではあるまい。
本社機能移転進まず
 転入超過は7都府県あって、東京圏以外では愛知、大阪、福岡の3府県。転出超過は北海道の6874人が最大で、地震が影響したとみられる熊本の6791人、兵庫の6760人の順。本県は4288人だった。
 安倍政権は「まち・ひと・しごと総合戦略」を14年末に決定。東京圏の転入者と転出者の数を東京五輪が開かれる「20年には均衡させる」と目標を掲げた。地方で毎年10万人の雇用を生みだして流出を防ぐとともに、東京からの移住・定着に結びつける新しい「ひと」の流れづくりに取り組むとする。
 政権の政策について、実績を点検してみたい。まず東京23区からの本社機能の移転である。移転促進の優遇税制の適用を受けた企業は16年末でわずか12社しかない。もともと地方にあって本社機能を拡充することで減税された会社は117社ある。これらの措置で生まれた雇用はまだ限定的だろう。国は効果を検証するべきだ。
 国が範を示すとしていた中央省庁の地方移転でも、全面的な移転は文化庁だけにとどまった。
 安倍晋三首相は「人口1億人の維持に真正面から取り組む初の内閣だ」「東京一極集中の是正を目指す」などと、その姿勢をアピールしてきた。だが、鳴り物入りで始めたこれら施策の効果は、不十分と言わざるを得まい。戦略を策定して2年が過ぎている。結果で示すか、もしくは、「20年均衡」に向けて裏付けがある具体的な道筋を早急に示すべきである。
大学の魅力向上も鍵
 今国会の施政方針演説で首相は「史上初めて、47全ての都道府県で有効求人倍率が1倍を超えた。全国津々浦々で、確実に『経済の好循環』が生まれている」と胸を張った。確かにデータでは、ハローワークで仕事を探す人1人につき、求人が一つ以上ある状況を示している。だがこの求人倍率は、景気回復のみで改善したわけでもあるまい。人口減少や若者の流出が要因となっている地方も多いはずだ。
 総合戦略の内容だけでは、五輪に向け投資が集まる東京の独り勝ちが続くと考えるのが妥当だ。
 流出を止めるには、魅力ある大学や仕事を地方で増やさなければならない。それには国主導の政策だけでは無理であることは裏打ちされた。地方自治体の創意工夫を積極的に生かし、総力戦で食い止める仕組みを考えるべきである。
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日本経済新聞 2017/1/31 15:51
東京圏への人口流入、5年ぶり減少 1489人減の11.7万人
 総務省が31日発表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告(外国人を除く)によると、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)への人口流入が5年ぶりに減少した。転入者が転出者を上回る「転入超過」は前年比1489人減の11万7868人。少子高齢化の影響などで、地方から東京圏に引っ越してくる転入者が減少したことが影響した。
 東京圏への転入超は21年連続。転入超過数は景気悪化などの影響で11年に6万人台まで減少していたが、その後は再び増加していた。16年の転入超過数は依然として11万人台と高水準だが、超過数の拡大傾向には歯止めがかかった形だ。
 都道府県別にみると7都府県が転入超過、40道府県が転出超過。地方から広く人口が流出し、東京圏や愛知県、福岡県など一部の地域に人口が集中する傾向は変わっていない。全国1719市町村のうち転入超過は424市町村で全体の4分の1にとどまり、残る1295市町村では人口が流出している。
 多くの地方で転出超過が縮小するなか、近年の地震の被災地では人口流出が加速している。東日本大震災の影響が長引く福島県では3444人、熊本地震で被災した熊本県では2858人、それぞれ前年より転出超過数が拡大した。


朝日新聞デジタル 2017年1月31日21時48分
東京圏、21年連続で転入超過 総務省が人口移動報告
 総務省統計局は31日、住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告を公表した。進学や就職で地元を離れる若い人が減り、都道府県間の移動者数は2年ぶりに減少。都道府県別でみると、首都圏への人口集中が続いている。
 都道府県間の移動者数は、前年より5万9407人少ない227万5331人。都道府県別では7都府県で転入超過となり、東京が7万4177人で最も多く、千葉、埼玉、神奈川、愛知、福岡、大阪と続いた。転出超過は北海道が6874人で最多。熊本は震災の影響で、転出超過数が前年より2858人多い6791人となった。
 東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は転入が転出を11万7868人上回り、21年連続の転入超過だったが、超過数は前年より1489人減り、5年ぶりに減少した。名古屋圏(愛知、岐阜、三重)、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は4年連続の転出超過だった。(笹川翔平)



佐賀新聞 2017年02月01日 16時16分
21年連続で東京圏へ転入超 人口移動報告 一極集中40道府県は転出超
 総務省が31日に公表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告によると、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)は、転入者が転出者を上回る「転入超過」が11万7868人だった。前年より1489人少なく、5年ぶりに減少したものの、転入超過は21年連続となった。一極集中に歯止めがかかっておらず、東京圏への転入・転出を20年に均衡させる政府目標の達成は困難な状況だ。
 都道府県別で転入超過は東京圏と愛知、大阪、福岡の計7都府県のみ。残りの40道府県が転出超過だった。沖縄も転出超過に転じた。
 総務省の担当者は「特に千葉県のベッドタウンなど、子育て支援に力を入れている地域への人口流入が目立つ。東京圏以外では企業や大学の多い大都市に人が集まっている」と説明した。
 転入超過が最大だったのは東京の7万4177人で、千葉1万6075人、埼玉1万5560人と続いた。転出超過は北海道の6874人が最大で、熊本の6791人、兵庫の6760人の順だった。佐賀は転出超過数2300人だった。
 熊本は昨年4月の地震が影響したとみられる。熊本からの転入が増えた福岡は、転入超過が5732人へ拡大した。
 東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)はいずれも転出超過で、超過数は岩手3870人、宮城483人、福島5839人だった。
 全市町村の7割以上が転出超過となり、北九州市、長崎市、熊本市の順に多かった。転入超過は東京23区が最大で大阪市、札幌市が続いた。
 三大都市圏のうち、名古屋圏(愛知、岐阜、三重)は2363人、大阪圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は9335人の転出超過で、どちらも4年連続となった。【共同】
=ズーム=
■人口移動報告 自治体間の住民の移動状況をまとめた統計。住民基本台帳法に基づき、転入者の住所地や性別、年齢などを集計している。市区町村をまたいで住所を移し、転入を届けた人が対象。引っ越しても届け出ていない場合や、同じ市区町村内で引っ越した人は反映されない。総務省統計局は毎月データを発表し、毎年1~2月に前年1年間の結果を公表。行政施策や、人口移動に関する研究分析の資料として活用されている。
 地方創生決め手欠く 東京五輪で流入再加速も
 人口減に拍車
 地方から人口の流出が止まらない。地方創生を目指し、安倍政権が新たな組織を設けて2年半。2016年の人口移動報告によると、東京圏に人口が集中する構図はほぼ変わらず、対策は決め手を欠いている。国内外から大勢の人が集まる20年東京五輪・パラリンピックに向け、一極集中が再び加速することも予想され、政府は対応の見直しを迫られそうだ。
 日本有数の豪雪地帯、山形県尾花沢市(人口約1万7千人)。転出者数から転入者数を差し引いた16年の「転出超過」は236人で、前年の161人から増えた。10~20代で進学、就職のため転出した人の多くは戻らず、人口は減る一方だ。市は婚活支援、ウインタースポーツなどを売りにした若者らの移住促進に取り組むが、実績はわずか。逆に、毎日の雪かきは重労働で、市担当者は「『高齢になったら住みづらい』と出て行く人もいる」とこぼす。
 山林がほとんどを占める島根県美郷町も人口流出が続く。総務省の支援で特産品開発などをサポートする「地域おこし協力隊」として一時的に暮らす若者もいるが、任期後に定住する人は少数派だ。「仕事を選べず、どんどん町外へ出て行ってしまう」と町の担当者。18年4月1日には広島と結ぶJR三江線が廃止され、不便さから人口減に拍車がかかると心配する。
 人口減で自治体の半数は将来、消滅する恐れがある-。政府の対策は、民間団体が14年に公表した衝撃的な試算が発端だ。担当相や専門組織を置き、14年度にまず5カ年の総合戦略を決定。15年度には、東京から本社機能を移転させた企業の減税制度を作った。
 しかし、経済産業省によると、適用が決まったのは16年末時点でわずか12社。取引先、消費者が集まる東京の利点を重視する企業は多い。石破茂・前地方創生担当相が「国が模範を示す」と打ち出した中央省庁の地方移転も、各省庁が激しく抵抗。文化庁の全面的な京都移転が決まっただけだ。
 17年度の政府予算案は目玉となる対策は見当たらず、手詰まりの状態。政府関係者は「五輪を控え、一極集中はさらに進む可能性がある」と漏らす。
 そのまま就職
 自治体担当者が口をそろえて指摘するのは、進学をきっかけとする若者の流出だ。
 長野県によると、16年4月に大学・短大に進んだ県出身者約1万1千人の74%は県外へ。その半数程度は東京圏に進学した。一方、県外進学者の「Uターン就職率」は10年度の卒業者は44%だったが、15年度は38%に落ち込んだ。県担当者は「学生は大学の多い東京圏に流れる。雇用情勢の改善もあり、そのまま就職する傾向が強まっている」と分析する。
 全国知事会は昨年、東京23区の大学・学部の新増設抑制、地方の大学支援を求めて緊急決議。「将来の地域経済を支える若者の東京集中に歯止めをかけるべきだ」と訴えている。政府は夏までに方向性をまとめるが、日本私立大学連盟会長を務める鎌田薫・早稲田大総長は「新増設の抑制は教育の発展を阻害し、学問の自由の不当な抑制につながる」と反論。「就職で東京に来る若者も多く、一極集中是正の観点からも弥縫(びほう)策にしかならない」として、地方の雇用創出にこそ力を入れるべきだと話している。


日本経済新聞 2017/2/1 1:07
東京圏11.8万人の転入超 16年、被災3県から流出加速
 総務省が31日発表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告(外国人を除く)によると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は、転入者が転出者を上回る「転入超過」が前年より1489人少ない11万7868人だった。東京圏への転入超過は21年連続。数は5年ぶりに減少したが、一極集中の傾向は続いている。
 16年に都道府県をまたいで引っ越し、転入届を出した日本人を集計した。東京圏への転入超過数は、景気の悪化や東日本大震災の影響などで11年まで減少したが、その後は再び増加傾向にあった。今回、転入超過数が減ったことについて、総務省は「就職や結婚などで移動する若者が少子高齢化で減少している」(統計局)と分析する。
 名古屋圏(愛知県、岐阜県、三重県)と大阪圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)はともに4年連続で転出者が転入者を上回る転出超過だった。都道府県別でみると、転入超過は多い順に東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、福岡、大阪の7都府県。残る40道府県は転出超過で、最多は北海道。沖縄県は2年ぶりに転出超過に転じた。
 東日本大震災の被災3県は流出が加速している。岩手、宮城、福島3県の転出超過は合計1万192人と、前年より3599人増えた。転出超過数の増加幅が全国で最も大きかった福島県は、避難した人の帰還の動きが一服しつつあるとみられる。増加幅が2番目に大きかった熊本県は、4月の地震の影響で転出者が転入者を6791人上回り、昨年より2858人多かった。
 都道府県をまたぐ移動は進学や就職、結婚を機に転居することの多い20代、次いで30代、40代が多い。平均所得が高く生活が便利な都市部への若者の流出は止まらない。
 東京をはじめ中核都市の人口集中は都市の国際競争力を高め、効率的な経済活動を営むうえで有益との指摘がある。一方で地方から若者の流出が進めば、地方が自立した経済活動を維持できなくなる懸念も多い。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は「地方自らが地域ならではの魅力を磨いて発信しなければ、若者の流出を止めるのは難しい」と語る。


日本経済新聞 2017/2/1 6:00
近畿:京都・兵庫など5府県が人口転出超 大阪は2年連続転入超
 総務省が31日発表した住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告では、大阪府を除く近畿5府県が転出超過となった。大阪府は2年連続の転入超過だが、超過数は1794人と15年に比べて502人減った。京都府と兵庫県の転出超は5年連続となる。
 大阪府では高層マンション建設が活発な大阪市が9474人の転入超だった。全国の市町村別の超過数で東京都区部に次ぐ2位に入った。市によると「都心回帰で市内中心部に人口流入が続いている」(統計調査担当)。
 一方、転出超過数でも東大阪市が全国4位、寝屋川市が7位、堺市が10位に入り、市町村別の格差が鮮明になった。東大阪市は1507人の転出超。同市幹部は「狭い住宅が多く、新しい住民をひき付ける魅力が足りない」と危機感を示す。
 京都府は750人の転出超で、超過数は15年に比べて471人増えた。府は「京都市内は住民が増加傾向にあるが、府北部や南部で減少している地域がある」と分析している。
 兵庫県は6760人の転出超で、超過数は北海道と熊本県に次いで全国3番目に多い。ただ超過数は5年ぶりに減り、県統計課は「超過数の拡大に歯止めがかかる兆し」とみている。
 滋賀県は706人と4年連続の転出超だが超過数は1281人減った。県企画調整課は「子育て支援や新産業創出の取り組みが徐々に実っている」と話す。奈良県は3619人、和歌山県は3894人の転出超だった。

日本経済新聞 2017/2/1 7:00
道から人口転出超過、昨年22%減 札幌集中は止まらず
 総務省が31日発表した2016年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、北海道からの転出超過数(日本人のみ)は6874人と15年に比べ22%減った。21年連続の転出超過となったが、超過数は2年続けて減少している。
 転出者の減少に加え、転入者の増加率が全都道府県で最も高いため、転出超過数が抑えられつつある。一方、道内では札幌圏への人口集中が加速し、地方の衰退がさらに進んだ。
 全国で転入者数が増えたのは北海道と福井県だけだった。道外への転出者は5万5418人と1.8%減った。総務省では全国的な傾向として、首都圏などへ流出する主な年齢層である若年層の絶対数減少が背景にあるとみている。
 一方、道内への転入者は4万8544人と15年に比べ2.0%増えた。
 男女別では男性と女性がそれぞれ2942人、3932人の転出超過となった。男性の転出超過数は昨年に比べ28.8%の減少で、女性の転出超過の減少率16.9%を大幅に上回った。
 女性の転出超過が男性に比べて高水準なのは65歳以上の年齢層の道外流出が目立つため。64歳以下の年齢層は男女とも転出超過数が減っている。
 道内では札幌市や周辺への人口集中が進んだ。同市の転入超過数は9137人と15年の8173人から拡大。千歳市や恵庭市、北広島市など道央圏の主要都市も軒並み転入超過数が増えた。
 一方、道央から離れた地域では函館市が1073人減(15年は889人減)、釧路市が1002人減(同884人減)など、中核都市であっても人口減少が加速している実態が明らかになった。

日本経済新聞 2017/2/1 6:00
四国:4県とも転出超 4年連続 昨年人口流出なお高水準
 総務省が31日発表した2016年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、四国の全県で4年連続して転出者が転入者を上回った。転出超過数の4県合計は8761人と前年より2%減ったが、人口流出は高い水準にある。少子高齢化による自然減が加速する中で、人口減に歯止めをかけようと各県は移住促進などに力を入れる。
 16年に日本人が都道府県間で転入した人数と転出した人数の差は四国4県を含む40道府県で転出超過となった。
 四国では香川県の転出超過数が前年の2.2倍の1101人と4県で唯一増えた。ただ、道府県では7番目に少ない。愛媛県は3647人と最も多かったが6%減。徳島県は22%減の1748人、高知県は2265人でほぼ横ばいだった。
 香川県は転出者数が2%減だったものの、転入者数が6%減と福島・熊本両県に次いで減少幅が大きかった。高松市は253人と4県の市町村で転入超過数が最も高かった。一方、さぬき市や坂出市などその他の多くの市は転出超過となった。雇用の場の不足などが要因とみられる。
 他の3県は転出者数の減少が転入者数の減少より大きかったため、転出超過数が減った。ただ、進学や就職、結婚などで県外に転出する若年人口自体が減っている側面もあるようだ。
 4県の全95市町村のうち、転出超過は73市町村と77%を占めた。高知市の947人を筆頭に、松山市も289人と県庁所在地でも転出超過となっている。生産年齢人口(15~64歳)では全体の85%が転出超過となっており、業種によっては働き手の確保が深刻な課題となっている。


日本経済新聞 2017/2/2 3:00
愛知の20~24歳女性、東京圏へ流出多く 昨年
 愛知県に住む若い女性の東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への流出が浮き彫りになっている。愛知県によると2016年、20~24歳の女性は、東京圏に対し1327人の転出超過だった。同世代の男性は646人の転出超過にとどまる。男女の人口差は、未婚率の上昇や少子化などにつながり、ひいては都市力の低下をもたらすとの指摘もある。
 県によると16年に東京圏に転出した20~24歳の女性(日本人)は2669人であるのに対し、転入は1342人。全年齢合計での女性の転出超過は4158人となっており、20~24歳だけで3割強を占める。
 一方、対象を東京圏に限らなければ、愛知県の20~24歳は転入超過となっている。ただ、総務省がこのほど発表した住民基本台帳に基づく16年の人口移動報告(外国人を除く)によると、同世代の転入超過は男性3771人に対し、女性は1629人と差がある。
 この差は県人口にも反映する。15年の国勢調査によると、県内の日本人女性100人に対する日本人男性の数は、全年齢では100.24人なのに対し、20~34歳は110.96人と、男性が圧倒的に多い。
 中京大の内田俊宏客員教授は「製造業が強い愛知県では、他地域から人を吸引する雇用の受け皿が男性に比べ、女性は少ない」と分析した上で、「(男女の人口差は)将来的に未婚率の上昇や少子化に直面する。女性が集まらない街として都市のブランドイメージも下がる」と指摘する。
 愛知県もこうした状況を踏まえ、17年度は就職活動を控えた首都圏の学生などに県の住みやすさをPRする。女性活躍推進の研究会や働く女性の魅力発信なども行う予定だ。内田教授は「3次産業の育成や、製造業でもITや人工知能(AI)の分野で(女性)の人材育成が必要」と話す。

 今回の人口移動報告では、全年齢でみると愛知県が6265人の転入超過だった一方、三重県は3597人、岐阜県は5031人の転出超過だった。この結果、名古屋圏全体では4年連続で転出超過となった。若い女性をどう呼び寄せるかという課題がある愛知県に対し、三重県と岐阜県は人口減への対策が待ったなしとなっている。

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