2017-02-24(Fri)

物流危機 宅配業界岐路に  運転手 20年度に10万人不足

荷物急増でサービス見直し アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 「今の荷物量、無理」


宅配業界岐路に=荷物急増でサービス見直し
----宅配便国内最大手のヤマト運輸は、インターネット通販の普及とともに急増している荷受量を抑制する検討を始めた。労働組合の要求を受け、ドライバー不足や長時間労働の常態化など労働環境の悪化に対応する。宅配業界は需要の増大によってサービス見直しを迫られるという皮肉な状況に直面している。
(時事通信)

アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 「今の荷物量、無理」
・長時間労働、人手不足に拍車
----急速な少子高齢化を受け、国内企業の人手不足感は強まっている。なかでも物流を支えるトラック運転手らの不足は深刻だ。
 求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す有効求人倍率を見ると、宅配便の運転手を含む「自動車運転」(パート含む、短期間雇用除く)は16年で2・33倍。全職業平均の1・22倍を大きく上回る。13年は1・60倍だったが、上昇傾向が続く。
 
労働環境は厳しい。厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに算出した「道路貨物運送業」の年間の残業時間は、1人あたり平均396時間。全産業平均の156時間の2・5倍に達する。月給は32万3600円で全産業平均より1万円ほど低い。年間賞与額は36万9400円と、全産業平均の半分にも満たない。
 
業界内の競争は激しく、ドライバーは比較的低い賃金で長時間労働を迫られる。それが人手不足にさらに拍車をかける――。運送会社の労働組合でつくる運輸労連の幹部は、業界の現状をそう説明する。
 「配送料は安いまま、『即日配送』といった質の高いサービスも求められる。このままいくと日本の物流はパンクしかねない」
(朝日新聞)

物流危機 運転手、20年度に10万人不足
▽…「アマゾン・ドット・コム」や「楽天市場」などインターネット通販の普及で宅配便の取扱数が増える一方、トラック運転手や仕分け作業員ら担い手が不足している。国土交通省によると、2015年度の宅配便の取扱個数は37億個と14年度より4%増えた。5年前の10年度比では16%増だ。求職者1人あたりにどれだけ求人があるかを示す有効求人倍率はトラックを含む運転職で2倍を超え、確保が難しい。配送時間の指定サービスが広がって負荷が高まり、年末年始に遅配も発生した。

▽…トラック運転手は長時間労働の割に低賃金だ。厚生労働省によると年間労働時間は全産業平均より2割ほど長い。しかし、年間所得額は大型トラックで約1割、中小型トラックは2割低い。他産業より早いペースで高齢化も進む。物流大手が自社の車両や人員で賄えない配送業務を中小の運送会社に任せる場面も増えた。鉄道貨物協会の予測では20年度に約10万人のトラック運転手が不足する。
(日本経済新聞)





以下引用

日本経済新聞 2017/2/24 0:38
人手不足ヤマト、瀬戸際 きしむ「小倉イズム」
 ヤマト運輸が労使で宅配便の荷受量の抑制を検討していると伝わった23日、親会社のヤマトホールディングス(HD)の株価は前日比8%上昇した。ヤマトの宅配便取扱数は増える一方、人件費の高騰で利益は減っており、成長を抑制する戦略を市場が評価した格好だ。深刻化する人手不足が日本型のサービス業のあり方に見直しを迫る。
 「田舎から柿を送っても東京にいつ着くのかはっきりしない」
 ヤマトの中興の祖である小倉昌男氏が宅配便を生み出したのは約40年前。当時、個人が荷物を発送するのは、郵便局か国鉄の駅に限られ、到着予定も分からなかった。
 これを不便に感じた小倉氏は電話1本で個人宅まで集荷して翌日配達する「宅急便」を始めた。顧客の立場で考える「小倉イズム」は社員に受け継がれ、続々と新しいサービスを生み出してきた。1986年に始めた代金引換サービスは通信販売の基盤をつくった。
 「サービスが先、利益は後」という小倉イズムにきしみを生じさせたのが、ネット通販の爆発的な普及だ。ヤマトの宅配便取扱数は10年間で5割増。深刻になる人手不足と人件費の高騰で「利益なき繁忙」に陥った。
 ネックはネット通販会社など割引料金が適用される大口顧客の荷物だ。宅配便の平均単価は16年3月期に578円となり、10年前に比べて1割下がった。2割を占めるとされる再配達でも追加料金は得られない。
 東京都多摩市や神奈川県藤沢市など一部地域で同業他社と共同配送してコスト削減に取り組むが、焼け石に水の状況だ。宅配便の量を減らすのは働き方改革に加え、採算の悪い取引を減らし収支を改善する狙いもある。
 ヤマトは大口顧客に値上げを要請し、交渉が折り合わなければ取引停止を検討する。ある陸運会社の幹部は「経営はどこも厳しく、追随する動きが出てくる」とみる。
 佐川急便はその先例だ。13年にネット通販大手のアマゾン・ドット・コムの宅配から撤退。14年3月期の宅配便取扱数は約12億2千万個と前期比1割減ったが、営業利益は同40%増の433億円に改善した。
 市場も背中を押す。23日のヤマトHDの株価は前日比8%高の2454円で引けた。売買代金も202億円と22日の6.6倍。コモンズ投信の糸島孝俊運用部長は「断らなかったヤマト運輸が新しいステージに入った」と評価。「今後の焦点は値上げ幅」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の安藤誠悟シニアアナリスト)との声もある。
 顧客の要望に応じてかゆいところに手の届くサービスを提供するのは日本のお家芸だ。同様にサービスを磨いてきた小売りや外食など他の産業でも人手不足は顕在化し、ビジネスモデルが成り立たなくなりつつある。
(村松洋兵、菊池貴之)


時事通信 (2017/02/23-21:39)
宅配業界岐路に=荷物急増でサービス見直し
 宅配便国内最大手のヤマト運輸は、インターネット通販の普及とともに急増している荷受量を抑制する検討を始めた。労働組合の要求を受け、ドライバー不足や長時間労働の常態化など労働環境の悪化に対応する。宅配業界は需要の増大によってサービス見直しを迫られるという皮肉な状況に直面している。
 国土交通省によると、2015年度の宅配便取り扱い個数は前年度比3.6%増の37億4500万個。30年前の1985年度と比較すると、7.6倍の規模だ。
 長時間労働の常態化は、荷受量の増加に加え、受取人が不在時の再配達が多いことが背景。業界はこれまでゴルフバッグや冷凍・冷蔵食品など多様な荷物を取り扱い、時間指定など利用者のニーズに応えることで市場を開拓してきた。しかし、業界関係者は「インターネット通販の普及に伴い、想定を超える取扱量になった」と話す。
 宅配便には採算性の問題もある。宅配大手はネット通販会社の荷物の配達を他の法人顧客よりも割安な料金で請け負ってきた。このため、ある通販大手の幹部は「将来的には配達日数の長期化や、送料値上げを覚悟しなければならない場面が出てくる」との見方を示している。


毎日新聞2017年2月23日 21時52分
春闘:ヤマト労組、宅配の荷受抑制要求…ネット通販で増加
 ヤマト運輸の労働組合が2017年春闘の労使交渉で宅配便の荷受量の抑制を求めたことが23日、分かった。インターネット通販の普及で宅配個数が増加し、人手不足で長時間労働が慢性化しているため。今後労使でドライバーの負担軽減に向けて協議を進める。
 ヤマト運輸の16年3月期の宅配便取り扱い個数は17億3千万個と過去最高で、17年3月期はこれを上回るペースで増えている。労組は18年3月期の宅配個数が、17年3月期を上回らない水準に抑えることを求めていく。
 会社側が労組の要求に応じれば、ネット通販などの大口顧客に対し、値上げなどを求めることが考えられる。(共同)


東京新聞 2017年2月24日 朝刊
ネット通販が宅配現場を圧迫 ヤマト労組「荷受け抑制を」
 ヤマト運輸の労働組合が二〇一七年春闘の労使交渉で宅配便の荷受量の抑制を求めたことが二十三日、分かった。インターネット通販の利用が広がり宅配便が増える一方、運ぶドライバーが足りず長時間労働が慢性化していることが背景にある。 (伊藤弘喜)
 国土交通省によると、宅配便の取扱数は統計を取り始めた一九八四(昭和五十九)年度以来、右肩上がりの傾向が続いている。楽天が九七年に通販サイト「楽天市場」を開設し、米大手アマゾンが〇〇年に日本でサービスを開始するなど、近年はネット通販が宅配便の数を押し上げている。
 ネット通販は中高年にも浸透しつつある。高齢者や共働き家庭が増えるとともに宅配ニーズは増し、即日の配達など速さの競争も激化している。
 しかし、宅配便を運ぶトラック運転手の数は〇三年以降ほぼ横ばいだ。このため長時間労働が深刻化しており国交省のまとめによるとトラック業界の労働時間は全産業平均に比べ月四十時間(一三年)も長い。にもかかわらず月平均の所得は賞与を含めても中小型トラック運転手で三十一万円と全産業比で二割も低い。若者は敬遠し、ドライバーの高齢化が進んでいる。
 宅配便の約二割で届け先が留守などのため再配達を要していることも課題だ。ドライバー全体の約一割に当たる年間九万人分の労働力が再配達に費やされている。
 ヤマトで、労組が荷受量の抑制を要求したのは、こうした現場の負担増に歯止めをかける狙いがある。会社側が要求に応じれば、アマゾンなど大口顧客に対し、値上げなどを求めることも考えられる。結果的にネット通販の利用料が上がり、利用者負担が増えることもありえる。
 ネットの普及とともに拡大してきた通販だが、人手不足の壁の顕在化で、伸びは鈍る可能性もある。
 <ヤマト運輸> 1919年に東京で創業。「宅急便」で知られる宅配便事業を全国で展開する。2005年に持ち株会社制に移行した。宅配便の取り扱い個数で最大手。15年度のシェアは46・7%。国内だけでなく海外でも事業を広げている。社員数は16年3月15日現在で15万7863人。集配拠点は全国に約4000カ所ある。


The Huffington Post 2017年02月23日 15時40分
クロネコヤマトの宅配量、抑制検討へ ネット通販拡大でドライバー不足に
 ヤマト運輸が、宅配便の扱い量を抑えることを検討する見通しとなった。宅配量の急増にドライバーの確保が追いつかなくなっており、同社の労働組合が2月上旬、春闘で会社側に要求した。
 ヤマト運輸によると、ネット通販の拡大などにより、宅配便の量は毎年増加傾向にある。2016年度の配達量は、15年度と比べて8%増え、過去最高の18億7000万個を見込んでいる。同社には約6万人のドライバーが所属しているが、配達量の増加にドライバーの確保が追いつかず、長時間労働に繋がっているという。
 このため労組は、宅配便の引き受けを抑え、取り扱い個数をこれ以上増やさないようを会社側に要求。終業から次の仕事まで最低10時間空ける「勤務インターバル」の導入なども求めた。
 ヤマト運輸労働組合は、NHKの取材に対し「今年度は特に荷物の量が増え、現場のしわ寄せが大きくなっている。1年間でサービス内容の見直しなどを進め、きちんと宅配便事業を続けられる体制を整えるべきだと申し入れている」と話した。
 ヤマト運輸は23日、ハフィントンポストの取材に対し、「ネット通販などにより、配達量が想定以上に増え、ドライバーの確保が追いついていない。集荷量の抑制を含め、労働者の働き方を見直しを検討する」と答えた。
 長時間労働の是正は、業界全体の課題となっている。ヤマト運輸では2月1日、働き方改革室を新設し、ドライバーの労働環境の改善を図っている。


朝日新聞 2017年2月24日05時09分
アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 「今の荷物量、無理」
 宅配便最大手のヤマト運輸の労働組合が今春闘で、荷物の取扱量の抑制を要求した。インターネット通販の普及と人手不足でドライバーなどの労働環境が厳しくなっているため。経営側も協議に応じる構えで、収益減につながるテーマを労使で話し合う異例の事態となっている。宅配の現場に何が起きているのか。
 2月中旬、東京・銀座のヤマト運輸の本社会議室に経営陣と労働組合の幹部が集まった。今年の春闘交渉の幕開けとなる会合だ。
 「いまの荷物量は無理があります」。労組の片山康夫・中央書記長が切り出した。同社の春闘で「荷物量」をテーマにするのは初めてのこと。受け取る荷物の量を抑えてほしいとのメッセージに、長尾裕社長は「対策は打っていく」と応じた。再配達や夜間の時間指定配達など、ドライバーの負担が重いサービスの見直しに着手するとみられる。
 ヤマトは宅配市場の5割近くを握る最大手。2016年度の荷物量は前年度比8%増の18億7千万個になる見通し。ネット通販の普及で荷物量は右肩上がりに増えていて、5年前と比べると3割増。スマートフォンの普及を背景にネット通販はさらに拡大しそうで、伸びは収まりそうにない。
 「扱う荷物の4割ぐらいをアマゾンの段ボールが占めている感じ。ほかにもゾゾタウンやアスクルなどネット通販の荷物が目立って増えているが、今一番困らされているのはアマゾン」。都内を担当する30代のドライバーは打ち明ける。
 業界2位の佐川急便が数年前、利幅の薄い荷物は引き受けない戦略に切り替え、ネット通販大手アマゾンの荷物がヤマトに流れてきた。佐川の親しいドライバーから「配達する数が少なくなって楽になった」と聞いた。結果として、ヤマトの現場にしわ寄せが来ているようだ。
 日中は不在の世帯が多く、荷物を置いて帰れる宅配ボックスは、いつも他の宅配業者との奪い合いだ。大型マンションだと、午前中にほぼスペースが埋まってしまう。そうなると不在票を書いて、再配達に行かなければならない。「平日の午後8~9時と土曜日の午前中に再配達の依頼が集中するので、必死で配ってます」。始業時間は午前8時だが、配達を始める時間が遅いと持ち帰る荷物が増えるので、午前6時には出社して仕分け作業をしているという。
 別のドライバーも、アマゾンを扱うようになってからの変化を口々に話す。
 約16年間勤務した30代の元社員は「物量は体感的に3~4割増えた。小走りだった配達が、走りまくっても配り終わらなくなった。定年まで体が持たないと思い退社した」。別の元ドライバーも「午後5時ぐらいに営業所に届く当日配達の荷物が増えた」と明かす。
 「ゆうパック」を扱う3位の日本郵便も、10年の日本通運の「ペリカン便」との統合時に起きた大規模遅配の反省から量を追うことに慎重だ。ヤマトに荷物が集中しやすくなっている。
 「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親で、ヤマトを大企業に育てた故・小倉昌男氏は、労働環境の改善に熱心なことで知られた。20年ほど前から長時間労働の削減目標を労使で毎年定めてきた。
 労組が危機感を強めたのは2年前。荷物の増加にドライバーの採用が追いつかず、目標を守れなくなった。「労働条件をゆがめたり、遅配を繰り返したりしてまで荷物を運んでも意味がない。抜本的に変えなくてよいのか。春闘で真正面から取り上げるしかないと覚悟を決めた。他社に荷物を奪われて量が減るのは仕方ない」。労組幹部は力を込める。(内藤尚志、堀内京子)
■ネット通販も消耗戦に
 「日本のお客様はできるだけ早く受け取ることを期待している。いっそうの改善に努める」。アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長は22日の日本記者クラブでの記者会見で、そう強調した。
 アマゾンや楽天、ヤフーに代表されるネット通販は00年代に急成長。経済産業省によると、15年の市場規模は7兆2398億円。6兆円を割り込んだ全国の百貨店の年間売上高をすでに上回る。総務省の統計では、2人以上の世帯がネットで1カ月に買い物をする金額は昨年12月に初めて1万円を超えた。いまや3割の世帯がネットショッピングを利用しているという。
 それだけにサービス競争は激しく、「送料無料」や、商品が届く「早さ」を競うサービスが急拡大した。その分、玄関まで商品を届ける宅配業者の負担は確実に増した。
 ネット通販側も、競争で消耗戦になりつつある。アマゾンは昨春、通常配送なら原則無料だった配送料を見直し、無料になる対象を2千円以上の買い物に変えた。利用者を増やそうと多くのポイントを与える戦略が経営の重荷になっており、楽天の16年12月期決算は営業減益。ヤフーの16年4~12月期決算によると、ネット通販事業は赤字になっている。(和気真也)
■長時間労働、人手不足に拍車
 急速な少子高齢化を受け、国内企業の人手不足感は強まっている。なかでも物流を支えるトラック運転手らの不足は深刻だ。
 求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す有効求人倍率を見ると、宅配便の運転手を含む「自動車運転」(パート含む、短期間雇用除く)は16年で2・33倍。全職業平均の1・22倍を大きく上回る。13年は1・60倍だったが、上昇傾向が続く。
 労働環境は厳しい。厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに算出した「道路貨物運送業」の年間の残業時間は、1人あたり平均396時間。全産業平均の156時間の2・5倍に達する。月給は32万3600円で全産業平均より1万円ほど低い。年間賞与額は36万9400円と、全産業平均の半分にも満たない。
 業界内の競争は激しく、ドライバーは比較的低い賃金で長時間労働を迫られる。それが人手不足にさらに拍車をかける――。運送会社の労働組合でつくる運輸労連の幹部は、業界の現状をそう説明する。
 「配送料は安いまま、『即日配送』といった質の高いサービスも求められる。このままいくと日本の物流はパンクしかねない」(千葉卓朗、贄川俊)


朝日新聞 2017年2月23日11時09分
ヤマト運輸、荷物の抑制検討へ 人手不足で労働環境悪化
 宅配最大手のヤマト運輸が、荷物の扱い量の抑制を検討する見通しになった。今春闘で労働組合から初めて要求があったためで、インターネット通販の普及と人手不足でドライバーなどの労働環境が厳しくなっていることから、労使で改善を模索する。配達時間帯指定サービスなどの見直しにつながる可能性もある。
 ヤマト運輸労組には約6万人が加入。今月上旬にまとめた今春闘の要求に、来年度の宅配便取り扱い個数は今年度を超えない水準にすることを盛り込んだ。今年度の個数は前年度比8%増の18億7千万個になる見通し。あわせて要求する賃上げは、定期昇給相当分とベースアップの合計で前年と同じ組合員平均月額1万1千円とした。ヤマト運輸は「労働環境の改善策は検討したい」(広報)としており、来月中旬に回答する方向だ。
 ドライバーの労働環境の悪化は業界共通の課題。同様の動きが他社に広がる可能性もある。


日本経済新聞 2017/2/23 2:00
ヤマト、宅配総量抑制へ 人手不足受け労使で交渉
サービス維持限界
 ヤマト運輸の労働組合が2017年の春季労使交渉で初めて宅配便の荷受量の抑制を求めたことが22日、わかった。人手不足とインターネット通販の市場拡大による物流危機で長時間労働が常態化。「現在の人員体制では限界」として、要求に盛り込み、会社側も応じる方向だ。深刻なドライバー不足を背景に、広がるネット通販を支えてきた「即日配送」などの物流サービスにきしみが生じている。
 ヤマト運輸は宅配便最大手で約5割のシェアを持つ。ネット通販の拡大などで、17年3月期の宅配便取扱個数は前期比7%増の18億5000万個と過去最高を見込んでいたが、想定を超えるのが確実な情勢だ。昨年末は急増した荷物をさばききれず一部で配達の遅延も生じた。
 ヤマト運輸労働組合はドライバーなど6万人が参加するトラック運送業界最大の労組。18年3月期の宅配個数が17年3月期を上回らない水準に抑えることを求めており、会社側も応じる方向だ。労使一体で働き方改革に乗り出す。
 具体的には、ネット通販会社など割引料金を適用する大口顧客に対して値上げを求め、交渉が折り合わなければ荷受けの停止を検討する。ドライバーの労働負荷を高めている再配達や夜間の時間帯指定サービスなども見直しの対象になる可能性がある。人手不足は物流業界共通の課題のため追随する動きも出そうだ。
 ヤマト労組は宅配個数の抑制と併せて退社から次の出社まで10時間以上あける「勤務間インターバル制度」の導入も求める。宅配便は基本的に午前8時から午後9時までに配達しており、ドライバーや荷物の仕分け担当者は交代制で勤務する。だが、荷物の増加に処理が追いつかず、早番の勤務者が夜まで残って作業することがあるという状況の改善を目指す。
 ヤマト労組は賃上げについては定期昇給相当分とベースアップの合計で前年と同じ組合員平均1万1000円(前年の妥結額は5024円)を要求。陸運の賃金水準は他業界に比べて低く、ここ数年要求額を増やしてきたが、働き方改革を優先して要求を据え置いた。
 ヤマト運輸はこれまで荷物の伸びには人員の増強で対応してきた。グループ全体の従業員は約20万人で、10年前より3割増えているが、人手不足は深刻化しており、思うように人員を確保できない懸念も強まっている。 ヤマト運輸の親会社のヤマトホールディングス(HD)は1月末、人手不足による人件費の高騰や外部委託費の増加などを理由に、17年3月期の連結営業利益の予想を前期比15%減の580億円(従来予想は650億円)に引き下げた。
 経営環境が大きく変わっているとして、3月を予定していた中期経営計画の発表も9月ごろまで延期した。想定を上回る物流危機はヤマトHDに経営戦略の見直しを迫っている。


日本経済新聞 朝刊 2017/2/23 2:30
日本型宅配モデル岐路 ヤマト、想定上回る拡大
 ヤマト運輸が宅配便の荷受量を抑制するのは、想定を上回るインターネット通販の拡大でサービスの維持が難しくなってきたためだ。当日配送や無料の再配達といった付加価値が高い一方、手間がかかる物流サービスは、人手不足で限界が近づく。世界に誇る日本の宅配モデルは岐路に立つ。(1面参照)
 約40年前に宅配便を始めたヤマト運輸は消費者のニーズをくみ取りながらサービスの品質を磨いてきた。スキーやゴルフなどスポーツ用具の運搬の不便さに着目し、宅配便で荷物を送って手ぶらで会場に行けばよいサービスを開発。実家の親から仕送りされる食品が腐らないように「クール便」も生み出した。
 ヤマト運輸に他社も追随した。宅配便の各種サービスは今やビジネスのインフラになっており、停止になれば消費者に及ぼす影響は大きい。
 宅配便急増のきっかけはアマゾン・ドット・コムなど大手ネット通販企業の登場だ。アマゾンが会員制サービスを始めた2007年度の日本全体の宅配便取扱個数は06年度比1割伸び、初めて30億個を突破した。その後も拡大し続け、15年度は37億個に達した。
 日本の物流危機が深刻化した要因には、再配達などを当たり前に求める消費者意識もある。荷主や運送会社、消費者が現状に対する認識を共有し、改善策を見いださなければ、宅配サービスの瓦解も現実味を帯びる。


日本経済新聞 朝刊2017/2/23 2:30
物流危機 運転手、20年度に10万人不足
▽…「アマゾン・ドット・コム」や「楽天市場」などインターネット通販の普及で宅配便の取扱数が増える一方、トラック運転手や仕分け作業員ら担い手が不足している。国土交通省によると、2015年度の宅配便の取扱個数は37億個と14年度より4%増えた。5年前の10年度比では16%増だ。求職者1人あたりにどれだけ求人があるかを示す有効求人倍率はトラックを含む運転職で2倍を超え、確保が難しい。配送時間の指定サービスが広がって負荷が高まり、年末年始に遅配も発生した。
▽…トラック運転手は長時間労働の割に低賃金だ。厚生労働省によると年間労働時間は全産業平均より2割ほど長い。しかし、年間所得額は大型トラックで約1割、中小型トラックは2割低い。他産業より早いペースで高齢化も進む。物流大手が自社の車両や人員で賄えない配送業務を中小の運送会社に任せる場面も増えた。鉄道貨物協会の予測では20年度に約10万人のトラック運転手が不足する。
▽…危機を乗り越えるため、ヤマトホールディングスは自動化で処理能力を高めた物流施設を稼働。主力の大型トラックより8割多い荷物を運べる連結型トレーラーも活用する。佐川急便も旅客鉄道を活用する輸送を試行する。


<東証>ヤマトHDが買い気配 「宅配総量抑制へ労使で交渉」と伝わる
2017/2/23 9:06
(9時、コード9064)
【材料】ヤマト運輸の労働組合が2017年の春季労使交渉で初めて宅配便の荷受量の抑制を求めたことがわかった。人手不足やインターネット通販の市場拡大による長時間労働の常態化が背景で「現在の人員体制では限界」として要求に盛り込み、会社側も応じる方向。(23日付日本経済新聞朝刊)
【株価】買い気配で始まる。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕


朝日新聞 2017年2月14日16時23分
ネット通販、大幅減益や赤字 利用者増加ねらい消耗戦
 国内ネット通販大手の楽天とヤフーが、通販事業で大幅な減益や赤字に陥っている。ともに足元の利益より今後の成長を見据えて利用者を増やす戦略を取っており、そのために多くのポイントを与える戦略が経営の重荷にもなっている。米アマゾンを加えた三つどもえの争いは、消耗戦の様相だ。
 楽天が13日発表した2016年12月期通期の決算は、売上高が前年同期比9・6%増の7819億円、営業利益は17・6%減の779億円だった。国内通販は売上高が9・3%増の3112億円、営業利益は19・6%減の775億円。営業利益が減ったのは、16年1月から、楽天市場で買い物をした額の最大7%をポイントで還元する費用がかさんでいるためだ。
 利用者数の伸びは、15年12月は前年同月比5%未満にとどまっていたが、16年12月は同10・1%増。ポイントを与える戦略の効果とみられる。三木谷浩史社長は記者会見で、「(キャンペーンは)成功だ。継続したい」と述べた。だが、利益が回復する時期については明言せず、「そんなに遠くないうちに」と話すにとどめた。
 消耗戦を仕掛けたのはヤフーだった。13年に販売業者の出店料と売り上げにかける手数料を無料にした。それまで得ていた年間100億円超の収入を捨てることで出店業者を増やし、利用者の拡大につなげる戦略だった。
 ヤフーが3日発表した16年4~12月期決算によると、利用者は前年同期比で4割弱増えた。広告収入も前年の2倍強の118億円に増えたが、ネット通販事業は赤字(金額は非公表)が続く。15年4月から購入金額の最大11%をポイント還元しており、楽天と同様にポイントが負担になっている。それでも、今月から親会社のソフトバンクと組み、5月末まで最大20%をポイント還元している。
 各社が利益をはき出してまで客を取り込もうとするのは、自社で手がける他のサービスを利用してもらい、より大きな収益につなげるためだ。
 楽天は、ポイントを与える条件の一つとして、自社のクレジットカードを使うことを挙げている。16年のカード取扱高は前年比20・7%増の約5兆円で、国内3位。三木谷社長は「17年中に国内のカードで1位を目指す」と述べた。カードの利用は楽天市場以外が8割以上を占めており、通販以外で広く薄く利益を回収する戦略だ。
 ヤフーもポイントの条件にクレジットカードを入れる。「ヤフージャパンカード」の16年10~12月の取扱高は、前年同期比2・6倍の1741億円に増えたという。一方、アマゾンは、税込み年3900円の有料会員向けに動画見放題などのサービスを続々と打ち出している。新サービスの利用に追加料金はほとんどなく、お得感で利用者を囲い込む戦略だ。(奥田貫)

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