2017-03-14(Tue)

森友学園問題 (7) 幕引きはありえない

事件の可能性はないか  首相も与党も解明責任果たせ  国民の怒り、受け止めよ  国会招致で徹底究明を

<各紙社説・主張>
朝日新聞)森友学園問題 幕引きはありえない (3/13)
読売新聞)森友申請撤回 用地と補助金は確実に返還を (3/13)
産経新聞)贈賄申し込みに補助金適正化法違反…森友学園問題 事件の可能性はないか 司直も解明を (3/13)
東京新聞)森友学園 これで終わりではない (3/14)
しんぶん赤旗)「森友」格安取引 首相も与党も解明責任果たせ(3/12)

北海道新聞)「森友」申請断念 尽きぬ疑惑の解明急げ (3/14)
新潟日報)森友学園問題 真相解明は国会の責務だ (3/14)
信濃毎日新聞)森友学園問題 国民の怒り、受け止めよ (3/14)
京都新聞)森友学園問題  国会招致で徹底究明を (3/14)
宮崎日日新聞)森友学園問題  解明へ関係者招致すべきだ (3/14)

南日本新聞)[籠池理事長退任] 疑惑解明はこれからだ (3/14)
琉球新報)「森友小」取り下げ 幕引きにしてはならない (3/14)
沖縄タイムス)[「森友」申請取り下げ]疑問は深まるばかりだ (3/12)






以下引用



朝日新聞 2017年3月13日05時00分 
(社説)森友学園問題 幕引きはありえない


 これで幕引きにするわけにはいかない。全容解明には関係者の国会招致がやはり必要だ。
 学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典理事長が、4月開校をめざしていた小学校の設置認可の申請を取り下げ、理事長を退任すると発表した。
 大阪府はすでに不認可の方針を示していた。申請を取り下げることで、事態の収拾を図ったようにも受け取れる。
 だが、10日の記者会見で籠池氏は、国有地売買の経緯や補助金の不正取得疑惑について詳細な説明をしなかった。逆に府に対し「私どもの資料を流出させた」と批判、国会での追及や報道のせいで工事が遅れ、寄付金集めに影響が出たなどと、まるで被害者のように語った。
 いま学園に向けられている疑惑は多岐にわたる。反省や、真摯(しんし)に説明する姿勢が見られなかったのは残念だ。
 申請を取り下げ、仮に国が土地を買い戻したとしても、土地売却の不可解な減額の経緯や、政治家の関与の有無などを解明する必要性に変わりはない。記者会見で持論を述べるだけでなく、籠池氏は国会で疑問にていねいに答えるべきだ。
 野党は籠池氏や当時の財務省幹部らの国会招致を求めている。だが自公両党は応じない。
 「民間人だから慎重であるべきだ」「違法性がない」「国会で審議中」。それが与党側の言い分だ。
 しかし、過去に民間人が国会に参考人として招致された例は98年の日興証券利益供与事件や02年の外務省NGO問題、15年の年金情報不正アクセスなど、少なからずある。
 何より森友学園は小学校の建築事業費をめぐり、金額の異なる3通りの契約書を国や府などに提出、補助金を不正に得ていた疑惑まで浮上している。
 何をもって違法性がないと言い切れるのか。
 参院での審議では、財務、国土交通両省とも「記録がない」「法的に適正に処理した」と繰り返し、現在の担当局長らが、棒読みのような「官僚答弁」に終始している。
 こうした政府の態度に、らちが明かないと多くの国民が感じているのが現状ではないか。
 安倍首相の妻昭恵氏の名誉校長就任の経緯やその影響についても、籠池氏や財務省幹部にただす必要がある。首相らが国有地払い下げなどに「不正はない」というなら、堂々と招致に応じて真相を解明すればいい。
 このままでは「疑惑にふたをして、逃げている」と言われても仕方あるまい。
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読売新聞 2017年03月13日 06時07分
社説:森友申請撤回 用地と補助金は確実に返還を


 数々の問題点が発覚した以上、開校はあり得なかった。自ら身を引いたのは、当然のことだ。
 学校法人「森友学園」が、大阪府豊中市の国有地を買い取って新設中だった小学校について、府への設置認可申請を取り下げた。籠池泰典理事長は退任する意向を示している。
 学園側は4月の開校を目指し、府に認可申請資料を提出していた。そのでたらめな内容には、あきれるばかりである。
 私立の中高一貫校に推薦枠を確保したとの報告に対し、相手校は「事実無根」と否定した。教員予定者名簿に本人に無断で掲載していた。籠池氏の経歴でも「自治省入省」などの詐称が判明した。
 府が強い不信感を持ったのも、無理はない。近く不認可を決定する見通しだった。
 府の私立学校審議会は、2015年1月に「認可適当」と答申する一方で、財務面などを懸念して「開校準備状況について報告を受ける」との条件を付けていた。
 こうした経緯があるだけに、府はなぜ、虚偽の内容をもっと早く見抜けなかったのか。
 認可審査は、学校法人の申請内容を基本的に信用する性善説に立っていると言える。今回の問題を教訓に、都道府県は厳格な審査に努めねばならない。
 疑惑として残るのは、森友学園側が金額だけが異なる3通の校舎建築工事契約書を作成し、使い分けていた点だ。府に示した契約書の額が最も安く、国土交通省には最高額のものを提出していた。
 「府には財務面での問題がないように装い、国には多くの補助金を引き出そうと、高い額で申請した」というのが、府の見方だ。
 国交省からの5600万円の補助金は、全額返還させねばならない。不正受給の疑いもある。徹底調査が求められる。
 学園側に払い下げられた国有地の処理も課題だ。今月中に工事が完了せず、開校できなければ、国が売却価格と同額で買い戻せる特約が付与されている。
 国が買い戻す際、学園側は更地に戻すのが原則だ。国有地は国民の貴重な財産である。財務省は着実に手続きを進めてほしい。
 籠池氏は再申請に意欲を示し、建設中の校舎を残すよう訴えている。厚かまし過ぎないか。
 入学予定だった子供たちの手当ても、忘れてはならない。20~25人の入学希望者がいたという。府は、保護者の意向を聞き、市町村などとも連携して、迅速に受け入れ先を確保する必要がある。
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産経新聞 2017.3.13 05:01
【主張】贈賄申し込みに補助金適正化法違反…森友学園問題 事件の可能性はないか 司直も解明を


http://www.sankei.com/images/news/170313/clm1703130001-p2.jpg
 国有地の売却などをめぐって数々の疑惑がもたれている大阪市の学校法人「森友学園」が、小学校設置の認可申請を取り下げた。この責任を取り、籠池泰典理事長は退任の意向を表明した。
 だがこれで、問題の幕引きというわけにはいかない。国や大阪府を相手どり、複数の不明朗な申請で国有地を安値で買い取り、補助金などを得ようとしていた。この問題を放置すれば、政府や役所は信を失う。司直の手で疑義を徹底的に解明すべきだ。
 土地売買や値引きをめぐっては自民党の鴻池祥肇(よしただ)参院議員が財務省への仲介を要請され、「封筒」を渡されそうになったと証言している。学園側は封筒の中身は商品券だったとしており、贈賄申し込み罪に当たる可能性がある。
 小学校の建設工事費では約7億円から約23億円まで、金額が大幅に異なる3通の工事請負契約書が、それぞれ国や府などに提出された。意図的に過剰な建設費の見積もりで補助金の交付を受けたとすれば補助金適正化法違反の可能性があり、松井一郎府知事は「補助金詐欺なら刑事事件」と指摘している。
 逆に過小の申告であれば、収支を安定したものに見せかけるための「粉飾」の疑いが生じる。
 他にも、推薦入学枠の虚偽申告や自らの経歴詐称については関係者のミスと説明しているが、疑問は解消されない。
 社会の公平性を著しく損なう事例があれば、いたずらに国会審議を長引かせるより、司法のメスを入れるべきである。認可申請の撤回や理事長の退任で済まされる問題ではない。
 不自然な申請を諾々と認可してきた財務省などの役所も猛省すべきである。国庫の損失というべき問題について、説明が尽くされたとはいえない。
 国会審議では、安倍晋三首相も「すとんと、ふに落ちるような説明がされなかったのは事実だ」と述べている。このままでは許認可行政に対する信頼を保てない。
 首相夫人の安倍昭恵氏は一時、新設する小学校の名誉校長に就任していた。
 首相夫人が公人であれ、私人であれ、その名が学園の寄付金集めや入学生の獲得に利用されたことは否定のしようがない。自らの存在の影響力を今一度、自覚すべきだろう。
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東京新聞 2017年3月14日
【社説】森友学園 これで終わりではない


 大阪の学校法人「森友学園」は小学校設置のための認可申請を取り下げた。籠池泰典理事長も退任する-。これで幕引きと考えるなら甘い。不可解な取引の全容解明を果たすべく国会招致が必要だ。
 「学校が建設できなかった責めを負う。子どもと保護者に申し訳ない」-。籠池氏は十日の記者会見でこのように謝罪し、退任について語ったものの、一連の疑惑に対する明確な回答は避けた。国会の参考人招致にも応じないという。誰がこんな会見内容で納得するというのだろうか。
 これほど謎の多い土地取引もない。国有地が八億円も値引かれたからだ。大阪府豊中市にある土地の評価額は当初、九億五千六百万円。それが地中から廃棄物が出たとの森友学園側の申し出を受けて、八億円余りが撤去費用として差し引かれたのである。しかも分割払い。異例ずくめである。
 小学校の建築事業費には何と金額が異なる三種類の契約書が存在する。これも疑問だらけだ。高い金額は約二十三億円で国土交通省に、安い金額は約七億円で府に提出されていた。三倍以上の開きがある。府に対しては財務面で問題がないように見せ掛け、国からは多くの補助金を引き出そうとした-。そんな見方が出ている。
 実際に国からは五千六百万円の補助金が出たが、これは補助金の不正受給にあたりうる。国交省は既に支払った補助金を返還請求する方向だが、同時に刑事事件の立件可能性も探るべきである。
 財務省も旧国有地に建設した校舎を解体し、更地に戻して引き渡すよう学園に要求するという。違約金の支払いも求める。当然の対処である。だが、何よりも国が国有地を評価額の14%で売却した経緯が全く明らかになっていない。
 自民党の鴻池祥肇(よしただ)参院議員が財務省への仲介を頼まれたと証言している。どのような「力学」が働いたのか否か明白にしないと国民は納得しない。「安倍晋三記念小学校」の触れ込みで寄付金を募り、安倍首相の妻の昭恵氏が名誉校長に就いていた経緯もある。
 共同通信社の世論調査では、国有地が格安で売却された問題について、86・5%が「適切だと思わない」と回答。籠池氏を国会招致し、説明を求めることに「賛成」との回答が74・6%に上った。
 関係者を国会招致すべきである。全容解明がなされないと、いつまでも行政府や首相周辺は国民から疑いの目で見られる。
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しんぶん赤旗 2017年3月12日(日)
主張:「森友」格安取引 首相も与党も解明責任果たせ


 大阪の学校法人「森友学園」(籠池泰典理事長)が4月に開校予定の小学校用地として財務省・近畿財務局から破格の価格で国有地の払い下げを受けていたことが発覚して1カ月―。「森友」側は申請取り下げや理事長「退任」を表明しましたが、弁解は一方的で、格安払い下げの経過も語らず、「森友」の虚偽の届け出なども明らかになり、疑惑は広がるばかりです。安倍晋三首相らは開き直り、自民党や公明党は違法性が明確でないと籠池氏や当時の理財局長の国会招致に消極的ですが、国民の財産をめぐる疑惑の解明は、これからますます重要となっています。
疑念深まる異例払い下げ
 「森友学園」が大阪・豊中市内の国有地を、小学校建設を理由に、最初は国有地では通例あり得ない賃貸契約で手に入れ、賃貸料を値切りに値切ったあげく、今度は売買契約に切り替えて、地下に廃棄物が埋まっていたからと10億円近い評価額から約8億円値引きさせた破格の安値で購入、しかもそれさえ10年間の分割払いを認めさせたという事実は、驚きを通り越して、文字通り国民の怒りの対象です。当事者の近畿財務局は、「森友」との詳しいやりとりは文書を残していないからと明らかにせず、安倍首相も、担当の理財局が国会で問題はないと答弁しているからとそれ以上解明しようとしません。
 本来あり得ない取引には政治家などの関与が当然予想されるのに、日本共産党の小池晃書記局長が国会で、自民党の鴻池祥肇(よしただ)参院議員事務所の面談記録を突き付け、賃貸料値引き交渉への働きかけや他の政治家の関与をただしても、首相は自党の議員の行為についてさえ調査しようとしません。内閣を統括する首相としても自民党総裁としても全く無責任です。
 小学校は一時期「安倍晋三記念小学校」と名付けられ、首相の妻の昭恵氏が講演などで訪問し、つい最近まで「名誉校長」を引き受けていました。それさえ詳しい経過を明らかにしない首相の態度は、不当なかばいだてといわれても弁解の余地はありません。
 「森友」が木造校舎の建設費を補助する国と大阪府、騒音対策などを助成する空港運営会社にそれぞれ別の工事金額を報告し、大阪府より約3倍の金額を申請した国(国土交通省)からはすでに5645万円の補助金を受け取っていたことも判明しました。府より2倍近い工事費で申請した運営会社からも1億5000万円近い助成金の支給が内定していました。虚偽の申請なら「補助金詐欺」「助成金詐欺」の疑いさえ濃厚です。「森友」が府に提出した資料で籠池氏の経歴を偽装し、愛知県の中学校への「推薦枠」や予定教員の名簿にも虚偽があったなど新たな疑惑も明らかになっています。解明は文字通り喫緊の課題です。
疑惑ある以上招致は当然
 安倍首相が不正は明白でないからと調査しようとしないことや、与党が違法は明らかでないと関係者の国会招致に同意しないのは論外です。不正や違法が明らかなら警察・検察が捜査すべきです。それを待たず、疑惑がある以上ただすのは国政を調査する国会の責務です。税金の使い方は会計検査院も調査しますが、検査院任せは通用しません。籠池氏や財務省関係者に証言を求めないのでは、疑惑解明に背を向けたことになります。
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北海道新聞 2017/03/14 08:55
社説:「森友」申請断念 尽きぬ疑惑の解明急げ


 国民の疑問は募るばかりだ。究明の幕引きにしてはならない。
 大阪府の学校法人「森友学園」の国有地取得をめぐる問題で籠池泰典(かごいけやすのり)理事長は、開校を予定していた小学校の設置認可の申請を取り下げ、理事長退任を表明した。事態の早期収拾を図ったのだろう。
 だが籠池氏は記者会見で、疑惑の核心について詳しく説明しなかった。これまでの籠池氏自身の発言との整合性にも疑問が残る。
 与党側は「違法性がない」として国会への参考人招致を拒否しているが、政治的、道義的な問題を解明するのは国会の責務だろう。
 自らの名前が寄付金集めに使われ、夫人が名誉校長を務めていたにもかかわらず、まるで人ごとのような安倍晋三首相の対応も理解しがたい。国会招致の実現へ、指導力の発揮を重ねて求める。
 籠池氏は会見で「学校が建設できなかった責めを負う」と謝罪した。だが虚偽の契約書の疑惑などについては明確に答えなかった。
 用地取得時の政治家による口利きを否定し「首相夫妻からも何もしてもらっていない」と述べた。
 これを受けて自民党内には「参考人招致の必要はなくなった」と決着ムードも出ているという。
 だが籠池氏は、会見の直前に公表された声明で「国会議員の先生が私を知らないと言ったが、よく存じ上げている方もいる。そういうことも言わないのはおかしい。しっぽ切りだ」と述べていた。
 事実なら国会で説明を聞きたい。会見で主張を変えたのも不可解だ。疑問はむしろ深まっている。
 鴻池祥肇(こうのいけよしただ)元防災担当相の事務所が籠池氏側の要請を受け、陳情を仲介したとの証言もある。鴻池氏自身も含め、国会招致が必要だ。
 きのうの参院予算委員会では民進党の小川敏夫氏が、学園の過去の民事裁判の準備書面に、稲田朋美防衛相の名が訴訟代理人弁護士として記されていると指摘した。
 稲田氏は、学園の法律相談に乗ったことや顧問弁護士だった事実はないと答えたが、共同事務所の一員として「委任状の中に私の名前があることは推測される」と認めた。より丁寧な説明が必要だ。
 国会への参考人招致について、与党内からは「籠池氏が何を言い出すか分からない」との声も聞かれる。それだけ不透明な部分が残されているということだろう。
 共同通信の世論調査では、86・5%が用地売却について「適切だと思わない」、74・6%が籠池氏の国会招致に「賛成」と答えた。与党は重く受け止めるべきだ。
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新潟日報 2017/03/14
社説:森友学園問題 真相解明は国会の責務だ


 真相は何も解明されていない。与党の自民、公明両党は参考人招致の実現など国会としての責務を果たす必要がある。
 大阪市の学校法人「森友学園」は、大阪府豊中市の旧国有地に4月開設を目指し建設していた小学校の認可申請を取り下げた。
 籠池泰典氏は「苦渋の決断だった」と理事長退任の意向を表明、開設断念の理由として国会の追及や報道を挙げた。
 ただ実際は、認可申請に絡む国や大阪府への虚偽報告や金額の異なる3通の工事契約書、政治家への働き掛けといった多くの疑惑が相次いで表面化し、外堀を埋められたと言っていい。
 不認可の流れが決定的となったため、申請を取り下げざるを得なかったとみるべきだろう。
 今後、国は旧国有地と、既に支払っている補助金の返還を請求する方針だ。
 問題は、小学校の認可申請を取り下げたからといって、学園を巡る疑惑が解消したわけではないということだ。
 一つ目の疑問は、近畿財務局が当初、国有地を小学校用地として使うには「購入のみ」としていたのに、府私立学校審議会の「認可適当」との答申を受けた直後の2015年5月、10年間の賃貸契約が結ばれたことだ。
 土地評価額は10億円だったにもかかわらず、建設工事中にごみが見つかったという理由で、売却額は1億3400万円にまで減額された。「ごみの撤去費用」などを差し引いたのである。
 さらに、国有地を払い下げる場合、購入希望者との間で「見積もり合わせ」を行うの通例だが、国は学園側に見積額を提示するよう求めなかった。
 隣接地を豊中市に売却した際は実施しており、対応の違いが際立っている。
 近畿財務局と学園側との交渉や面会の記録も、財務省の行政文書管理規則に基づき、売買契約締結後に「廃棄した」という。
 最大の疑問は、「認可適当」との答申をはじめ、学園側の要望が次々と実現した背景に、政治家の不当な口利きや介入がなかったのかどうかだろう。
 学園は「安倍晋三記念小学校」の触れ込みで寄付金を募り、昭恵夫人が名誉校長に就いていた。その経緯も明らかになっていない。
 残念なのは与党側が籠池氏らの国会招致に消極的なことだ。「民間人を呼ぶのは慎重であるべきだ」というのが理由である。
 だが、共同通信社の全国世論調査では、国有地が土地評価額より格安で売却されたことを86%が「適切だと思わない」と答え、籠池氏を国会に招致することに74%が「賛成」と回答した。
 これは、国民が学園を巡る問題に強い疑念を持ち、国会審議で真相を明らかにするよう求めていることに他ならない。
 自民、公明両党が国会招致を拒否するのは、参考人として呼ぶことで何か不利益が生じるからではないかとの疑念さえ湧いてくる。
 真相を曖昧にしたままの幕引きは許されないと認識すべきだ。
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信濃毎日新聞 (2017年3月14日)
社説:森友学園問題 国民の怒り、受け止めよ


 政府の説明に国民は納得していないことが、あらためてはっきりした。
 森友学園問題についての共同通信社の全国電話世論調査で、国有地払い下げの経緯に対し政府が十分に説明していると思うとの回答は5・2%しかなかった。「思わない」は87・6%にのぼる。
 当然の数字だろう。政府の説明は胸に落ちないことが多すぎる。国民は怒っている。
 評価額9億5600万円の国有地が森友学園に小学校の用地として1億3400万円で売却された。なぜ値引きしたのか国会で質問された国交省は、地中のごみの撤去費用8億円余りを差し引いたと説明した。
 そこで問題になるのは値引き額が適切だったかどうかだ。担当の大阪航空局にはごみ撤去費用の算定をした経験がなかったことを国交省は認めている。
 ならば第三者の専門家に算定を委託すべきではなかったかと追及されると、開校時期が迫っていたので迅速に結果を出すため局内で見積もりした、という意味のことを答えた。特別扱いした理由について納得のいく説明はない。
 財務省の担当者は木で鼻をくくったような答弁に終始している。政治家の働き掛けの有無について「なかったので記録もない」。森友学園側に土地評価額など資料を提示したのではないかとの質問には「われわれがそういうことをすることはない」。
 安倍晋三首相も昭恵夫人の関与を問われて「妻は私人。犯罪者扱いは極めて不愉快」と感情的に反発するだけだ。国民の疑念に向き合う姿勢から遠い。
 森友学園の籠池泰典理事長は先週、開設準備を進めていた小学校の設置認可申請を取り下げた。理事長辞任も表明している。
 だからといって追及の手を緩めるわけにはいかない。政治家、国に働きかけ国有地を破格の価格で取得した疑惑は重大だ。状況によっては刑事事件に発展し得る。
 学園は校舎建設で金額が異なる3通りの工事請負契約書を大阪府などに提出していた。補助金詐欺の疑いも否定できない。
 共同通信の世調では74・6%が籠池理事長の国会招致に賛成している。理事長に加え、払い下げ当時の国交省、財務省の担当者も呼んで事情を聴く必要がある。
 世調の内閣支持率は55・7%だった。約1カ月前の前回調査より6・0ポイント下がった。国民が厳しい目を向けていることを、政府、与党は肝に銘じるべきだ。
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[京都新聞 2017年03月14日掲載]
社説:森友学園問題  国会招致で徹底究明を


 大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、学園がこの土地に予定していた小学校の設置認可申請を取り下げた。籠池泰典理事長が記者会見し、理事長職を退く意向も表明した。
 だが土地売買や認可申請に絡む数々の疑惑は消えておらず、学園の説明責任は果たされていない。これで幕引きとはいかない。
 会見で籠池氏は「学校を建設すると言ってできなかった責めは負う」としたが、国会での追及や報道に対する恨み言を並べ立て、土地売買には「何の疑惑もない」、政治家への口利きについては「誰にも依頼していない」とするだけで詳しい説明をしなかった。一方で学園運営への関与は続け、学校設置を再び申請するとも述べた。
 追及の矛先から逃れるための申請撤回、退任表明と受け取られても仕方あるまい。申請はすでに、大阪府が不認可とする公算が高まっていた。
 疑惑の当人が誠実に対応しないなら、事実の解明には国会や府議会の役割がますます重要になる。国民の財産である国有地がなぜ格安で売却されたのか。会計検査院の検査と並行して、籠池氏や当時の財務省担当者らを国会招致し、徹底究明すべきだ。
 解せないのは、与党が国会招致を拒み続けていることだ。
 「民間人の招致は慎重に」というが、前例はいくつもある。先週には、学園が小学校の建設費について金額の異なる3通りの契約書を国、府、関西エアポートに提出していたことが判明した。国の補助金を水増し請求した疑いが生じ、与党内で聞かれる「違法性がない」から招致しないとの理屈も説得力を失っている。それでも拒むのは、何か不都合な事情があるからではと勘ぐりたくもなる。
 財務省は土地売却は適正に行われたと繰り返す一方で、近畿財務局と学園の交渉記録は廃棄したとしている。であればなおのこと、当時の局担当者が国会に出て交渉の経緯を説明すべきだろう。
 共同通信社の世論調査では75%近くが籠池氏の国会招致に賛成している。焦点は政治家の関与の有無である。国民の声に後ろ向きでは、政治不信が増すばかりだ。
 森友学園は小学校の認可申請の際、教員予定者や私立中学への推薦入学枠について事実と異なる記載の資料を府に提出したことも分かっている。土地問題の追及がなければ、表面化しなかった可能性がある。都道府県の認可審査の在り方も点検しなければならない。
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宮崎日日新聞 2017年3月14日
社説:森友学園問題 ◆解明へ関係者招致すべきだ◆


 国有地を格安で買い取り、4月開校を目指して校舎を建設中の小学校について、大阪市の学校法人「森友学園」は大阪府への設置認可申請を取り下げた。
 夫人が小学校の名誉校長を引き受けていた安倍晋三首相と学園側との関係や、不動産鑑定士の評価額より8億円余り安い土地売買の不透明な経緯などを巡り、野党は追及を強めている。
 国民の間に疑念が広がる中、与党はなぜ動かない。財務省なども経緯を調査しようとしない。うやむやにして終わりにしたいようだが、それは到底許されない。
与党に幕引きムード
 設置認可に絡み、学園側が財務状況や教員確保などで数々の虚偽説明をしたことも明らかになり、不認可になるとみられていた。
 申請取り下げ後に記者会見した森友学園の籠池泰典理事長は「苦渋の決断」とし、土地取得を巡る政治家の口利きなどを否定。理事長を退任する意向を示した。
 小学校開設を前提に土地を売却した国は買い戻しに向け、校舎を解体し更地にして引き渡すよう学園側に要求した。政府や自民党では「買い戻せば、この問題は終わり」と幕引きのムードも漂う。
 だが学園側が土地取得で破格の扱いを受けた経緯や、さまざまな疑惑はほとんど手つかずのまま残っている。
 国有地の評価額は9億5600万円。それが1億3400万円で売却されたのはなぜか。自民党参院議員、鴻池祥肇元防災担当相の事務所で作成された「陳情整理報告書」が明るみに出た。そこには、学園側が財務省近畿財務局との売買交渉を有利に運ぶため「政治力で早く結論を得られるようお願いしたい」などと要望を重ねていたことが詳細に記されている。
 さまざまな要望は交渉経過とも重なり合う。しかも、ほぼ実現している。政治家からの働き掛けの有無をただされ、財務省は「さまざま問い合わせはあり、そういう可能性があると思う」としたが、記録が残っていないことを盾に交渉経過などの調査を拒んでいる。
不正受給疑いも浮上
 政治家の関与も含め当時の経緯を解明するには、籠池氏や財務省の証言が欠かせない。しかし与党は「籠池氏は民間人なので強制できない」「違法性が明らかでない」と理由を挙げ、野党が求める参考人招致に難色を示している。
 理解に苦しむ。何を恐れているのか。足並みをそろえるように籠池氏も参考人招致に応じないと述べた。それなら、財務省の当時の担当者らを招致して交渉経緯を検証し、その上で籠池氏から個別に事情を聴くことも考えられよう。
 学園側が小学校の工事請負代金を過大に申告し国土交通省から補助金を不正受給していた疑いも浮上。その一方で、大阪府には財務状況をよく見せるため請負代金を過少申告したとされ、小学校がなくなり、土地が返還されても一件落着とならないことは明らかだ。
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南日本新聞 ( 2017/3/14 付 )
社説:[籠池理事長退任] 疑惑解明はこれからだ


 大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長が、大阪府豊中市の旧国有地に計画していた小学校設置の認可申請を取り下げ、自らの退任を表明した。
 森友学園を巡っては、国有地が格安で売却された問題に始まり、申請手続きや建設工事などで数々の疑惑が噴出している。
 にもかかわらず、籠池氏は一方的な主張を繰り返すだけで疑問に答えようとしない。この状態で子どもに学びの場を提供できるはずもなく、断念は当然である。
 申請取り下げを表明した会見で籠池氏は「苦渋の決断だった」と述べ、「何かに邪魔されている感じ」と報道機関を名指しで批判した。報道の被害者のように考えているのなら、全くの見当違いと言わざるを得ない。
 学園は認可申請に絡んで異なる校舎建設費の記載された3通の契約書を作成したり、児童確保策や教員リストを虚偽報告したりしていた疑いが次々に浮上している。
 府の松井一郎知事は「詐欺的だ」と批判していた。府教育庁の現地調査でも学園側の対応は誠実さを欠いた。不認可の流れは決定的だった事実を直視すべきだ。
 財務省は旧国有地に建設した校舎を解体し、更地に戻して引き渡すよう学園に求めた。国土交通省は補助金約5600万円を返還請求する方針だ。適正な手続きを着実に進めなければならない。
 だが、それで幕引きは許されない。国有地が売却前の状態に戻って補助金が返還されたとしても、疑惑解明は別の問題である。
 どんな経緯で土地売却の不可解な減額が実現したのか。学園側の要望に沿うように進んだ設置手続きの流れに、政治家の関与があったのか。国会での真相究明を注視したい。
 野党は夫人が小学校の名誉校長を引き受けていた安倍晋三首相と学園側の関係も含めて、追及を強めている。籠池氏の参考人招致も繰り返し求めているが、与党は「民間人の招致には慎重であるべきだ」「違法性が明らかでない」と拒んでいる。
 国有財産の売却に絡む疑惑であり、国会議員の口利きが疑われている以上、解明は国会の責務である。違法性がなければ参考人招致できないという理屈も到底理解できない。
 共同通信社の全国世論調査で、籠池氏を国会招致して説明を求めることに74.6%が「賛成」と回答している。
 与党が後ろ向きの姿勢を見せれば見せるほど、国民の疑念は深まる。隠したいことがないのなら、堂々と招致できるはずだ。
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琉球新報 2017年3月14日 06:01
<社説>「森友小」取り下げ 幕引きにしてはならない


 学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長が大阪府豊中市の旧国有地で計画していた小学校開設を断念し、認可申請を取り下げた。
 異なる校舎建設費を記した契約書3通の存在や、認可申請に絡み児童確保策や教員リストなどを府側に虚偽報告した疑いなどが次々と明るみに出た。
 だが籠池氏は納得いく説明を一切していない。にもかかわらず、籠池氏は「再びチャレンジする。今まで以上に子どもの育成をする」と述べ、別の場所での学校建設を目指す意向を示している。
 籠池氏自身が全ての疑惑に答え、不正が一切なかったことを証明しない限り、教育に携わることはやめるべきではないか。
 学園は認可申請に際し、財政状態を説明する資料の一つとして代金7億5600万円と記載された工事請負契約書を府に提出した。その一方で、国土交通省の補助金申請には約23億8400万円、関西エアポートへの助成金申請では約15億5500万円と記された契約書を出した。
 施工業者は府私学課に提出した契約書は、学園側の虚偽説明に基づき作成したと説明している。学園側が財政負担を軽く見せ掛けて開設を有利にし、補助金・助成金を最大限得るためだったのではないか。その疑念を払拭(ふっしょく)できない。
 愛知県の私立学校と推薦入学枠の提供で合意したと府に報告した件も、実際にはなかった。
 認可申請を取り下げたからといって、これで責任なしとはならない。学園側は国交省から補助金約5600万円を受け取っている。返還すれば済むということにはならない。
 府私立学校審議会(私学審)は2015年1月に「認可妥当」を答申した。籠池氏は「認可適当の結論が出たから、国有地を定期借地して買収した。それがなかったら(校舎は)建てなかった」と述べている。
 私学審会長はことし2月、「よほどのことがない限り3月下旬には認可証が交付される」との見通し示していた。虚偽申請疑惑は「よほどのこと」だ。籠池氏は自らの責任を深く自覚すべきである。
 政治家の口利き関与などは、国会で解明しなければならない。自民党は参考人招致に応じるべきだ。小学校の認可申請取り下げで、幕引きにしてはならない。
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沖縄タイムス 2017年3月12日 11:00
社説[「森友」申請取り下げ]疑問は深まるばかりだ


 森友学園の籠池泰典理事長が、大阪府豊中市の旧国有地に建設していた小学校の認可申請を取り下げ、理事長を退任すると発表した。
 前日まで「府の認可妥当を前提として建築している」と開校に執念を燃やしていただけに、急転直下の白紙撤回は奇々怪々。教育に対する持論を展開し、自らに批判的なメディアに責任を押し付ける会見も異様な雰囲気だった。
 一連の問題発覚後、初めて開いた記者会見で籠池氏は「苦渋の決断だった」と述べ、国会での追及や報道によって敷地内のごみ搬出が遅れ、寄付金が集まりにくくなったと説明した。
 評価額の14%という格安で学校用地を取得したことなどについて、国会議員の口利きを否定。「安倍首相夫妻からも何もしてもらってない」と語った。
 一方、金額の異なる3通の工事請負契約書の問題に質問が及ぶと、説明はしどろもどろ。国から多額の補助金を受け取るために建築費を水増ししたのではないかという疑惑や、不透明な土地取引など肝心なことは何一つ明らかにされなかった。
 恨み節に終始し、都合の悪い質問には答えようとしない態度はいかにも身勝手である。
 認可申請や建築工事などに関し次々と噴出する疑惑に、府私立学校審議会は「不認可」の意向を固めていたといわれる。
 認可申請を取り下げたからといって、問題の幕引きにはならない。疑問は深まるばかりだ。
■    ■
 会見で籠池氏は「いつの頃からか私の信条が(問題の)中心となり、袋だたきに遭うようになった」と訴えた。
 森友学園が大阪市内で運営する幼稚園は「教育勅語」を暗唱させることで知られる。「教育の神髄を伝えている」との理由で導入したというが、戦前の軍国主義教育を否定した憲法、教育基本法の下で、子どもたちが教育勅語をそらんじる姿は異様である。
 教育勅語は普遍的な意義を持つ道徳を説く一方で、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」とうたう。戦争になったら天皇のために命を投げ出せとの教えだ。戦後、衆参両院が排除・失効を決議したのは、国民主権の現代にそぐわないからである。
 籠池氏は「再びチャレンジする」と別の場所での学校建設を目指す意向を示している。いずれ出直したいと言っているのだから、なおさらこれで幕引きとすることは許されない。
■    ■
 安倍晋三首相の妻昭恵さんが森友学園が計画する小学校の名誉校長を務めていた問題は、自民党内からも不適切だったとの声が上がっている。
 学園の幼稚園教育を巡って、教育勅語を是認する答弁をした稲田朋美防衛相への批判も強まっている。
 政府与党としてきちんと解明すべき問題なのに、自民党が籠池氏の国会招致に消極的なのは理解に苦しむ。
 国民の疑惑を晴らさなければ政治不信は強まる。与野党協力して籠池氏の参考人招致を実現させるべきだ。
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