2017-03-13(Mon)

「民泊」解禁法案 閣議決定

住宅宿泊事業法案」 住宅に人を180日を超えない範囲で宿泊させる事業

◇「住宅宿泊事業法案」が閣議決定 民泊サービスを管理
 政府は3月10日、空き家など住宅を使って宿泊サービスを行う「民泊」に関するルールを定める「住宅宿泊事業法案」を閣議決定した。事業として住宅に人を宿泊させる場合、都道府県などへの届け出を求める。また、年間提供日数は180日以内とする制限も設ける。
 
家主不在型の住宅宿泊事業を行う場合には事業者への管理の委託を義務付け、こうした住宅の管理を行う住宅宿泊管理業の登録制度を設ける。また、民泊サービスを仲介する住宅宿泊仲介業の登録制度も設ける。違反者に対する罰則も規定されている。
(新建ハウジング -2017年3月11日)

民泊新法案期待も規制実効性に疑問の声 京都市や旅館業界
---京都市内では、無許可民泊の増加とマナーの悪い民泊客の振る舞いが市民生活に影響を及ぼしている。新法で一定の歯止めが期待される一方、規制強化の実効性については市や旅館業界に疑問の声も出ている。

---京都市は、法案作成に向けて周辺住民とのトラブル防止策、違法営業に対する自治体の立ち入り調査権や、自治体の条例制定による営業日数の制限などを要望していた。

---民泊と競合する旅館業界は警戒感を強める。厳しい衛生基準を求められる旅館業法の許可を得ない違法民泊が増えており、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合の北原茂樹理事長は「民泊は旅館業法で規定されるべきだ。ホテルの建設ラッシュにより、民泊が必要という前提も崩れている」と指摘する。営業日数を定める条例については「京都市内では、地域の実情に応じて180日より少ない日数で」と注文を付ける。

---市はマンションやアパートの空き部屋を使う民泊の増加を抑えたい考えだが、新法案がそのまま成立すれば「住居専用地域」でも民泊の営業は可能になる。
 また、営業日数を制限する条例は、騒音などによる生活環境の悪化を防ぐために区域を定めて制定できるが、基準は法成立後に国が示す政令で決まる。
(京都新聞 2017年03月11日)
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住宅宿泊事業法案概要
http://www.mlit.go.jp/common/001175461.pdf





以下引用


住宅宿泊事業法案」を閣議決定
民泊サービスの適正化を図りながら、観光旅客の来訪・滞在促進を目指します!~
2017年3月10日
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000318.html
 訪日外国人旅行者が急増する中、多様化する宿泊ニーズに対応して普及が進む民泊サービスについて、その健全な普及を図るため、事業を実施する場合の一定のルールを定めた「住宅宿泊事業法案」が本日閣議決定されました。
1).背景
 ここ数年、民泊サービス(住宅を活用して宿泊サービスを提供するもの)が世界各国で展開されており、我が国でも急速に普及しています。一方、民泊サービスに起因した近隣トラブルも少なからず発生しており社会問題となっています。
 このため、民泊サービスの提供に関して一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図ることが急務となっています。
2).概要
(1) 住宅宿泊事業に係る届出制度の創設
  [1] 住宅宿泊事業※1を営もうとする場合、都道府県知事※2への届出が必要
  [2] 年間提供日数の上限は180日
  [3] 地域の実情を反映する仕組み(条例による住宅宿泊事業の実施の制限)を導入
  [4] 住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置(宿泊者の衛生の確保の措置等)を義務付け
  [5] 家主不在型の住宅宿泊事業者に対し、住宅宿泊管理業者に住宅の管理を委託することを義務付け
  ※1 住宅に人を180日を超えない範囲で宿泊させる事業
  ※2 住宅宿泊事業の事務処理を希望する保健所設置市又は特別区においてはその長
(2) 住宅宿泊管理業に係る登録制度の創設
  [1] 住宅宿泊管理業※3を営もうとする場合、国土交通大臣の登録が必要
  [2] 住宅宿泊管理業の適正な遂行のための措置(住宅宿泊事業者への契約内容の説明等)と(1)[4]の措置の代行を義務付け
  ※3 家主不在型の住宅宿泊事業に係る住宅の管理を受託する事業
(3) 住宅宿泊仲介業に係る登録制度の創設
  [1] 住宅宿泊仲介業※4を営もうとする場合、観光庁長官の登録が必要
  [2] 住宅宿泊仲介業の適正な遂行のための措置(宿泊者への契約内容の説明等)を義務付け
  ※4 宿泊者と住宅宿泊事業者との間の宿泊契約の締結の仲介をする事業

添付資料
報道発表資料 [PDF:124KB]
http://www.mlit.go.jp/common/001175225.pdf
概要 [PDF:123KB]
http://www.mlit.go.jp/common/001175461.pdf
要綱 [PDF:138KB]
http://www.mlit.go.jp/common/001175229.pdf
法律案・理由 [PDF:262KB]
http://www.mlit.go.jp/common/001175231.pdf
新旧対照表 [PDF:111KB]
http://www.mlit.go.jp/common/001175233.pdf
参照条文 [PDF:123KB]
http://www.mlit.go.jp/common/001175235.pdf
お問い合わせ
国土交通省代表 03-5253-8111
法案全般
観光観光産業課  北川 内線27-333 直通03-5253-8329 FAX03-5253-1585
        総務課  重見 内線27-303 直通03-5253-8971 FAX03-5253-1563
うち2)(2)関係
土地・建設産業局不動産業課  角谷 内線25-121 直通03-5253-8288 FAX03-5253-1557

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NHK 3月10日 11時09分
民泊 届け出義務づける法案 閣議決定
住宅の空き部屋などを有料で貸し出す「民泊」について政府は10日の閣議で都道府県に届け出を義務づけ、年間の営業日数は180日を上限にすることなどを盛り込んだ新しい法案を決定しました。
住宅の空き部屋を旅行者に有料で貸し出す「民泊」は、地域を限定して規制緩和を行う「国家戦略特区」で認められているほか、カプセルホテルなどと同じ「簡易宿所」として都道府県などの許可をとれば営業できます。
 しかし、無許可で営業を行う「違法民泊」が各地に広がり地域住民との間で騒音などのトラブルが起きているため、政府は、民泊のルールや罰則を定めた新たな法律案をまとめ、10日朝の閣議で決定しました。
 法律案では「民泊」を行う場合には、都道府県への届け出を求め、部屋の衛生の確保や宿泊者名簿の作成、それに宿泊者に対する騒音防止の説明などを義務づけます。また、ホテルや旅館と区別するため年間の営業日数は180日を上限としたうえで、都道府県や政令指定都市などが条例でさらに日数を短くすることも認めています。違反があれば国土交通省や都道府県が立ち入り検査などを行って業務の改善を命令し、従わない場合は罰金などを科すことも盛り込みました。
 政府はこの新しい法律案を今の通常国会に提出し、成立を目指すことにしています。
国交相「健全な普及を」
「民泊」のルールを定めた新たな法律案が10日朝の閣議で決定されたことについて、石井国土交通大臣は「急速に拡大する民泊サービスについて騒音やゴミ出しをめぐる近隣トラブルが社会問題となっていたことから一定のルールを作り健全な民泊の普及を図る。適切な規制のもと、地域の実情にも配慮しつつ、旅行者の多様化する宿泊ニーズに対応できるようになると期待される」と述べました。
 また菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「訪日外国人の宿泊ニーズが多様化している中で、いわゆる民泊が急速に増加しているが、治安・衛生面での懸念や近隣トラブルが社会問題になっていることも事実だ。一定のルールを定める法律により、民泊の健全な普及が図られることで、訪日旅行者の利便性や快適性が高まることを期待したい」と述べました。

日本経済新聞 2017/3/10 9:01 (2017/3/10 10:38更新)
民泊、全国で解禁 新法案を閣議決定
年間上限180泊
 政府は10日の閣議で、住宅の空き部屋に旅行者を有料で泊める民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法案(民泊新法案)を決めた。家主に都道府県への届け出、仲介業者に観光庁への登録を義務づけて、だれでも民泊事業を営めるようにする。年間営業日数の上限は180泊とし、地方自治体が条例で短くできる規定も盛り込んだ。
 石井啓一国土交通相は同日の閣議後会見で「急速に拡大する民泊の近隣トラブルが社会問題になっている。一定のルールを作って健全な民泊の普及をはかる」と述べた。今国会での成立をめざし、早ければ2018年1月にも施行する。
 民泊事業者には衛生管理や宿泊者名簿の作成、民泊住宅とわかる標識の掲示などを義務づける。家主が住んでいないタイプの民泊は管理業者を国交省に登録させ、同様の義務を負わせる。法令に違反した事業者には業務停止命令や事業廃止命令を出す。従わない場合は、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金を科す。
 都道府県や政令市は騒音など生活環境の悪化を防ぐため、条例で区域を限って営業日数を制限できるとした。国交省は営業日数を「ゼロ日」として事実上、民泊を締め出すような条例は認めない方針だ。条例を制定できるケースの詳細は政省令やガイドラインで示す。
 政府は訪日客を20年までに4千万人に増やす目標を立てている。健全な民泊サービスを普及させて、訪日客の受け皿としたい考えだ。


時事通信 (2017/03/10-08:41)
民泊、条件付き解禁へ=年180泊上限-届け出や罰則規定・新法案
 政府は10日の閣議で、住宅やマンションの空き部屋を旅行者らに有償で貸し出す「民泊」のルールを定めた新法案を決定した。民泊物件の所有者らに届け出などを義務付け、違反者への罰則を設けた上で、営業を全国で解禁する。年間営業日数の上限は180泊とし、生活環境の悪化が懸念される地域では都道府県や政令市などが条例により短縮できるようにする。早ければ2018年1月からの施行を目指す。
 民泊は現在、東京都大田区や大阪府など国家戦略特区で認められている他、旅館業法に基づきカプセルホテルなどと同じ「簡易宿所」としての営業許可を受ければ実施可能。ただ、無許可営業が横行し、周辺住民とのトラブルなどが問題となっている。
 新法案は、特区以外の地域や、簡易宿所を原則設置できない住宅地での民泊を解禁。一方で物件の所有者に(1)都道府県への届け出(2)衛生管理(3)苦情対応-などを義務付ける。物件管理を所有者から委託された業者や、米エアビーアンドビーのような仲介業者には国への登録を課す。
 違反者に対する立ち入り検査の実施や罰則も定めた。物件の所有者が虚偽の届け出をしたり、営業停止命令などに従わなかったりした場合、6カ月以下の懲役または100万円以下の罰金を科す。
毎日新聞2017年3月10日 東京夕刊
民泊法案:閣議決定 届け出制 年180泊を上限

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 政府は10日、マンションなどの空き室に旅行者を有料で泊める「民泊」を本格解禁する住宅宿泊事業法案(民泊法案)を閣議決定した。届け出だけで年180泊を上限に住宅街でも民泊営業ができるようになる一方、自治体が条例で特定の区域での営業日数を引き下げることも認める。これまで無許可営業が多かった民泊を一定ルール下で合法化することで、観光立国に向けた普及を図る。年内の施行を目指す。
 民泊は仲介サイトの登場で都市部を中心に急拡大し、外国人旅行者の受け皿になっているが、旅館業法の許可取得の要件が厳しく、多くは無許可で営業している。国家戦略特区制度を活用した民泊も、羽田空港がある東京都大田区と大阪府だけにとどまる。
 新法は、民泊を営業する場合は都道府県などへの届け出が必要とし、家主らに衛生対策、近隣トラブル防止のための苦情処理、民泊であることの標識の掲示の義務を課す。「Airbnb」(エアビーアンドビー)などの仲介サイトも観光庁への登録が必要で、宿泊料や仲介手数料の明示などを義務付ける。違反があれば、自治体や観光庁は業務停止や登録取り消しなどの処分ができる。
 また「あくまで住宅」との考え方から、宿泊させるのは年の半分の180日までとする。自治体は条例で営業を認める日数や区域を制限できるが、政府は制限を「騒音など生活環境の悪化を防止する目的」に限り、日数をゼロにしたり、管内全域で営業禁止にしたりすることはできないとの見解を示している。詳細は政令で定める。
 旅館業法の許可も民泊の届け出も行わない「闇民泊」の取り締まりは強化する。無許可営業の罰金の上限を3万円から100万円に引き上げる旅館業法改正案を、既に国会に提出している。【熊谷豪】


日本経済新聞 2017/3/11 1:17
解禁の民泊、定着するか 新法案を閣議決定
 政府は10日、住宅に旅行者を有料で泊める民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法案(民泊新法案)を閣議決定した。今国会での成立をめざす。「シェアエコノミー」の代表として法整備に先立ち広がった民泊は、無許可物件が多くトラブルも起きていた。一定のルールが整い、本格普及へ期待が高まる一方、ホテル・旅館や地方自治体には不安もある。
 東京都大田区のマンションの一室。マレーシア人女性ジョイス・ウングさん(46)は「値ごろで自宅のようにくつろげ、洗濯機で服も洗え快適」と満足顔だ。
 この部屋は、民泊の仲介や運営を手掛ける百戦錬磨(仙台市)子会社のとまれる(東京・千代田)が大田区の国家戦略特区の認定を受けて民泊用に貸し出している。通常料金は平日1室あたり税別6900円だ。
 サービスも多様化している。民泊事業を手掛けるアイバケーション(東京・港)が大田区内で運営する戸建て住宅型の認定民泊は困りごとをチャット相談できるスマートフォンを貸す。泊まったイギリス人男性エリオット・ロウさん(20)は部屋の使い方などを相談しながら「畳や布団が快適で日本の雰囲気を味わえた」と喜ぶ。
 これまで民泊は、有料で繰り返し宿泊客を受け入れる施設の運営は旅館業法で定める「簡易宿所」の許可を得るか、同法適用が除外される国家戦略特区の東京都大田区などでの認定が必要だった。こうした制度などを利用しながら普及を続け、急増する訪日客の受け皿となってきた。
 大阪観光局によれば関西国際空港に着く訪日客の2割弱が民泊を利用する。民泊仲介世界最大手の米エアビーアンドビーを利用した訪日客は2016年に約370万人。15年時点の平均宿泊日数の3.8日で計算すると延べ1000万泊を超える。16年の訪日客の延べ宿泊者数は観光庁によると7088万泊だった。
 一方、既存の制度の厳しさもあり、無許可民泊も多かった。厚生労働省が民泊サイトに登録された物件を1万件以上抽出して分析したところ確実に営業許可がある物件は16.5%にとどまった。
 グレーな民泊は稼ぎも大きいようだ。大阪市中央区のある地区は賃貸マンションの1室(3LDK)の賃料相場は月10万円だが、清掃費や運営委託費を除いても民泊オーナーのもうけは月35万円程度を見込めるという。収益への税金を適切に納めていない物件もある。
 新法は悪質物件の淘汰やトラブル抑止をめざすのが目的だ。宿泊者のマナーや騒音トラブル、治安悪化などへの懸念から住民が反発することも多く、一定のルールは民泊の普及促進につながると歓迎する声も多い。
 ただ、ホテル・旅館業界は「民泊の影響は想定以上に大きい」(近鉄・都ホテルズ)と顧客減少を不安視する。関連業界の声が年間180日の日数上限など民泊の全面解禁を押しとどめ、規制緩和の効果に一定の足かせをつけることになった。
 今後は、規制の厳しい旅館業法と特区、新法と複数の方法が併存する中、競争条件を公平にするため関連法を整理する必要性を求める声もある。


日本経済新聞 2017/3/11 1:15
民泊、独自規制で骨抜き懸念 軽井沢町は全域認めず
 地方自治体からは住民の苦情などを受け、民泊に独自の規制を設けようとする動きが出ている。2020年東京五輪など訪日客の増加を見込んだ規制緩和が骨抜きとなる可能性もある。
 日本を代表する高原保養地として別荘地が広がる長野県軽井沢町。2016年3月に「清らかな環境と善良なる風俗を守るため」として、町内全域で民泊施設を認めない方針を示した。法的拘束力はないが「民泊の計画が出てきても、要綱や基準をしっかり説明し、営業できないことを何としても理解してもらう」(生活環境課)という。
 すでに民泊が広がる都市部の自治体も身構える。札幌市は2月、違法民泊の取り締まりを強化するため、市民からの相談を受け付ける通報窓口を設けた。市内には旅館業法の許可を得ない違法民泊が多く、騒音やゴミ出しに対する苦情が急増しているためだ。
 東京都新宿区や世田谷区は独自のルールを探り始めた。新宿区は昨年10月に有識者らでつくる検討会議を設けた。会合では住居専用地域での民泊禁止を求める声も出た。
 民泊新法は都道府県や政令市などの上乗せ規制を認めている。具体的には「学校の周辺は夏休みの7~8月のみ営業可能」「観光地は多客期の9~11月を除き営業禁止」など、地域や期間を区切って営業を規制する内容を想定しているようだ。
 条例を制定できるのは「生活環境の悪化を防止するため必要があるとき」に限るが、どのようなケースが当てはまるのかあいまいだ。松村敏弘・東大教授は「自治体が上乗せ規制をする場合は説明責任が問われる。大半の住民が反対している根拠を示すべきだ」と指摘する。さらなるルールの明確化が必要だ。


東京新聞 2017年3月10日 夕刊
民泊、自治体届け出制に 罰則強化 新法案を閣議決定
 政府は十日、一般の住宅を宿泊施設として活用する「民泊」の営業基準を定めた住宅宿泊事業法案を閣議決定した。民泊サービスを行う家主を都道府県など自治体への届け出制とするほか、客を泊められる営業日数は年百八十日以内とし、生活環境の悪化が懸念される地域では自治体が条例で短縮できるとした。今国会での成立を目指す。
 急増する外国人旅行者の宿泊先を確保するため手続きを簡素化して参入を促すとともに、自治体が家主らを把握・監督することで近隣とのトラブル防止につなげたい考え。環境悪化や既存の宿泊施設への影響を不安視する声も強く、国会審議でも議論となりそうだ。
 新法案は、都道府県や政令指定都市などへ家主が届け出れば、ホテルや旅館が原則営業できない「住居専用地域」での民泊サービスを認める。家主には、民泊住宅と分かる標識の掲示や宿泊者名簿の作成、定期的な清掃などを義務付け、近隣住民の苦情への対応や騒音防止対策を求める。
 法令に違反した家主には業務停止命令や事業廃止命令を出し、従わない場合は六月以下の懲役または百万円以下の罰金を科す。
 家主が同居しないケースでは、国に登録した施設管理者を置き、家主と同様の義務を負わせる。インターネットなどの仲介業者は観光庁への登録制とする。
 政府が国会に提出済みの旅館業法改正案は、無許可営業の罰金額の上限を現行の三万円から百万円に引き上げる規定を盛り込んだ。新法施行後に届け出をせずに営業すれば「無許可」とみなされ、旅館業法違反に問われることになる。


京都新聞 【 2017年03月11日 09時00分 】
民泊新法案期待も規制実効性に疑問の声 京都市や旅館業界
 住宅を宿泊施設として活用する基準を初めて定めた民泊新法案が10日、閣議決定された。民泊事業を届け出制とし、営業日数は180日を上限としている。京都市内では、無許可民泊の増加とマナーの悪い民泊客の振る舞いが市民生活に影響を及ぼしている。新法で一定の歯止めが期待される一方、規制強化の実効性については市や旅館業界に疑問の声も出ている。
 京都市内や大阪市内で旅館業法の「簡易宿所」の許可を得ずに民泊を運営している男性(28)は「いつまでも潜って営業できない。外国人を受け入れる楽しさもあり、新法に基づく営業なら近隣住民の理解も得やすくなる」と対応を考え始めている。
 許可を得て一戸建ての民泊を営む「Miyako village」(左京区)の阿部誠介社長は「180日以内の営業では採算が取れない無許可民泊もあるだろう。今後は通年営業できる簡易宿所への移行が増えるのでは」とみる。
 京都市は、法案作成に向けて周辺住民とのトラブル防止策、違法営業に対する自治体の立ち入り調査権や、自治体の条例制定による営業日数の制限などを要望していた。大枠では反映され、市保健福祉局の中谷繁雄担当部長は「枠組みは評価したい。一歩前進」と受け止める。
 民泊と競合する旅館業界は警戒感を強める。厳しい衛生基準を求められる旅館業法の許可を得ない違法民泊が増えており、京都府旅館ホテル生活衛生同業組合の北原茂樹理事長は「民泊は旅館業法で規定されるべきだ。ホテルの建設ラッシュにより、民泊が必要という前提も崩れている」と指摘する。営業日数を定める条例については「京都市内では、地域の実情に応じて180日より少ない日数で」と注文を付ける。
 市はマンションやアパートの空き部屋を使う民泊の増加を抑えたい考えだが、新法案がそのまま成立すれば「住居専用地域」でも民泊の営業は可能になる。
 また、営業日数を制限する条例は、騒音などによる生活環境の悪化を防ぐために区域を定めて制定できるが、基準は法成立後に国が示す政令で決まる。中谷部長は「建物の形や大きさなどで、きめ細かく制限できるかまだ分からない」と今後の議論を注視する。

トラベルビジョン - 2017年3月12日(日)
政府、民泊新法を閣議決定、年間180日まで営業可能に
 政府は3月10日、「住宅宿泊事業法案」(民泊新法)を閣議決定した。厚生労働省と観光庁による「『民泊サービス』のあり方に関する検討会」の最終報告書などを踏まえたもので、民泊サービスを「住宅宿泊事業」(民泊事業)と位置づけて、営業に関する届出制度を創設。年間180日までの営業を可能にする一方で、自治体の条例により事業実施を制限できるようにする。また、家主不在型の民泊物件を管理する「住宅宿泊管理業者」と、宿泊者と民泊事業者を仲介する「住宅宿泊仲介業者」についても登録制度を設ける。法案は3月中に通常国会に提出する予定。
 観光庁は、年間営業日数の上限については「関係団体と協議の上で決定したもの」と説明。管理方法については「『実際に宿泊した日数』を民泊事業者や仲介業者に申請してもらい、一元的に管理するシステムを作る」とした。なお、日本旅館協会や全国旅館生活衛生同業組合連合会などの宿泊業界団体は、年間営業日数については「事前に申請した180日のみ営業する」ことを要望していた。
 民泊事業者については都道府県知事への届出制とし、家主居住型の事業者には衛生確保や標識の掲示など事業を適正におこなうための措置を義務付ける。一方、家主不在型の事業者には標識の掲示のみを義務付けた上で、衛生確保などその他の措置を管理業者に委託することとした。
 管理業者は国土交通大臣への、仲介業者は観光庁長官への登録申請と許可取得を義務づける。また仲介業者については、宿泊者への契約内容の説明などを義務付けるとした。監督はそれぞれの届出・登録先が担当し、場合に応じて立入検査や業務方法の変更、登録取消、業務停止などを命ずることができるようにした。
▽Airbnbは歓迎コメント、JATAは「遵法営業を」
 今回の閣議決定に際し、仲介業者にあたるAirbnb Japanと百戦錬磨はコメントを発表。Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏は「大変嬉しく思う」と述べた上で、「有休資産である空き家や空き部屋の活用で、多くの新たな機会が生まれる。地域社会に配慮し、持続可能な形で、ホームシェアを含む短期賃貸が全国に普及するよう、引き続き政府や関係者の皆様と協働したい」と述べた。
 百戦錬磨は「まずは新たなルールが守られることで“ヤミ民泊”が一掃される契機としたい」と述べた上で、同社がミッションとして掲げる訪日客の地方への誘客に言及。「古民家など歴史的資源の宿泊施設への活用などを通じて新たな宿泊スタイルを提供するほか、イベント民泊なども積極的におこないたい」と意欲を示した。
 日本旅行業協会(JATA)の広報室は「利用者の安心・安全のためには“遵法営業”が大前提」と強調した上で、「旅行ニーズの多様化への観点からは、民泊も選択肢の1つ」とコメント。一方で「旅行業界のパートナーである地方の旅館などは、厳しい経営環境にある。既存施設の経営が逼迫しないための支援や、違法行為の迅速な取り締まりなどの目配りをお願いしたい」と要望した。




トラベルボイス 2017年3月11日
民泊で日本のお城に泊まれるのか? 民泊新法の中身を元担当官の弁護士がわかりやすく解説(前編)
こんにちは。弁護士の谷口です。
2017年3月10日、住宅宿泊事業法案(民泊新法)が閣議決定されました。今後、国会で審議されることとなります。
この民泊新法は、私が観光庁に着任してまもなくの2014年(平成26年)夏頃から具体的な検討が始まり、その後、規制改革会議や、私が事務局を担当した観光庁・厚生労働省による有識者検討会等の様々な場で議論を重ねてまいりました。約3年がかかりましたが、ようやく、行政の検討の成果が法案という形で具体的に公表されることになりました。
今回のコラムでは、この民泊新法案(住宅宿泊事業法案)の概要について、前編(事業の概要)・後編(具体的な規制)に分けて解説したいと思います。
新法の対象施設とは?
本法案では、いわゆる民泊事業を「住宅宿泊事業」と定義しています。その定義のとおり、利用できる施設は「住宅」に限定され、「住宅」とは、以下の1.と2.の要件の両方を満たすものとされています。
1. 家屋内に、台所、浴室、便所、洗面設備その他当該家屋を生活の本拠として使用するために必要なものとして省令で定める設備が設けられていること
2. 現に人の生活の本拠として私用されている家屋、従前の入居者の賃貸借の期間の満了後新たな入居者の募集が行われている家屋その他の家屋であって、人の居住の用に供されていると認められるものとして省令で定めるものに該当すること
なお、2.では、現に人が住んでいる家屋であることや、「入居者の募集が行われている家屋」であること等が求められています。「入居者の募集が行われている」については、どのように募集を行っていればよいか、その具体的な運用についてはまだ明らかではありません。
本法案の適用がある「住宅」であるかどうかを決める1.と2.の要件の詳細は、今後省令で定められることになっていますので、現時点ではどのような施設が「住宅」にあたるのかは明らかではありませんが、少なくとも、お城の天守閣とか水族館とか本屋のように、台所等の設備も持たず、また本来の用途が人の居住用ではない施設は、「住宅」には当たらず、本法案の適用対象外になるものと考えられます。
住宅宿泊事業とは? 年間提供日数の制限を超えた場合は旅館業か?
本法案が適用される「住宅宿泊事業」とは、1. 旅館業の営業許可を受けた者以外が、宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、2. 人を宿泊させる日数として省令で定めるところにより算定した日数が1年間で180日を超えないものとされています。
すなわち、営業主体がホテル、旅館、簡易宿所等の営業許可を受けた者であれば、本法案は適用されません(1.)。
また、住宅宿泊事業は、昨年夏に規制改革実施計画において発表されたとおり、年間の提供日数は180日以下とされています(後述のとおり、日数の数え方は省令で定められることになっています)。180日を超えて提供された場合、その事業は住宅宿泊事業に当たらなくなり、本法案は適用されないことになります(2.)ので、その結果、(当該事業は原則どおり旅館業に当たるため)無許可の旅館営業として、旅館業法に基づく指導、処分、罰則の対象となり得るものと考えられます。
なお、今国会では、旅館業法の改正も予定されています。その中では、無許可の宿泊施設に対しても保健所が立入検査を実施できるようにする改正に加え、無許可営業に対する罰則を現行の「3万円以下の罰金刑」から「100万円以下の罰金刑」に引上げる改正が予定されているようです。
年間提供日数180日も法案で明文化
届出住宅の年間提供日数について、法案上、上限を180日とすることが明記されました。
本法案は、利用される施設が「住宅」であることを前提として、宿泊業の実施を旅館業より軽微な規制のもとで認めるものであるところ、毎日宿泊に供される施設は、もはや「住宅」とは言えないため、本法案の適用の前提を欠くことになります。そこで、本法案は、届出住宅が「住宅」としての性質を有することを担保するためには、その年間の営業機会が1年365日の約半分である180回以下である必要があると考え、年間提供日数の上限を180日とすることになりました。年間提供日数の具体的な算定方法は省令で定められることになっています。
自治体の条例で日数(期間)の制限が可能に
本法案では、都道府県(保健所設置市を含みます)の条例により、住宅宿泊事業の実施を条例で制限することができるとされています。
年間提供日数を180日よりも少ない日数(期間)に限定すること等が可能になるものと考えられます。他にも、家主在住型と家主不在型を分けて制限するといったことも、法案を見る限りは禁止されていないように思われますが、具体的にどのような制限が運用可能なのかについては、行政による政省令や解釈通知を待つ必要があります。
おわりに
本法案が対象とする「住宅宿泊事業」の概要は、以上のとおりです。本法案では、「住宅宿泊事業」のプレーヤーとなる【1】ホスト、【2】代行業者、【3】プラットフォーマーを、それぞれ【1】住宅宿泊事業者、【2】住宅宿泊管理業者、【3】住宅宿泊仲介業者と位置付け、それぞれについて規制を設けておりますので、次回のコラム(後編)において、これらの規制の概要について解説したいと思います。


トラベルボイス 2017年3月11日
民泊仲介サイトやホストの義務とは? 民泊新法の中身を元担当官の弁護士がわかりやすく解説(後編)
弁護士の谷口です。
前回のコラムでは、民泊新法、すなわち住宅宿泊事業法が対象とする施設・事業の内容について解説しました。後編となる今回のコラムでは、「住宅宿泊事業」のプレーヤーとなる【1】ホスト(住宅宿泊事業者)、【2】代行業者(住宅宿泊管理業者)、【3】プラットフォーマー(住宅宿泊仲介業者)に対する規制の概要について解説したいと思います。
1. 住宅宿泊事業者(ホスト)に対する規制
―民泊ホストは自治体に「届出」、管理業者への委託が必要
▼届出制:虚偽の届け出には100万円以下の罰金
住宅宿泊事業を行うためには、旅館業法に基づく営業許可の代わりに、都道府県(保健所設置市を含む)に届出を行う必要があります。届出にあたっては、1自らの氏名、住所等の情報、2管理業務を委託する住宅宿泊管理業者の情報、3住宅の図面等物件に関する情報、及び4省令で定める情報を一緒に提出する必要があります。
これまでの議論からすると、住宅宿泊事業者が、当該住宅を民泊に利用できる権利を有するのかどうか(所有者かどうか。アパートの場合、大家さんとの間の賃貸借契約で民泊としての利用が許されているか。分譲マンションの場合、管理規約上、民泊としての利用が許されているのか)を確認するための書面(不動産登記、賃貸借契約書、管理規約)の提出も求められるのではないかと思われます。
なお、虚偽の届出を行った場合には本法案に基づき6月以下の懲役・100万円以下の罰金が科される可能性があります。他方、届出を行わずに住宅宿泊事業を実施した場合には、本法案の違反ではなく、旅館業法違反として、旅館業法に基づく罰則等の対象となる可能性があります。
また、これまでの議論からすると、これらの手続きについてはインターネットを通じて届出できるように取り組まれると考えられます。
▼必要とされる住宅宿泊管理業者への委託
本法案では、住宅宿泊事業において行うべき管理業務が定められています。各届出住宅においてこれらの業務を実施しなければなりませんが、住宅宿泊事業者(ホスト)自身が実施できる場合は限定的で、多くの場合、住宅宿泊管理事業者(以下「管理業者」といいます)に委託して実施することが求められています。
具体的には、以下のいずれかの場合に当たれば管理業者への委託が必要となります。もっとも、住宅宿泊事業者(ホスト)自身が後述する管理業者の登録を持っている場合には委託は不要です。
• 届出住宅の居室数が、省令で定める居室数よりも多いとき。
• 届出住宅に人を宿泊させる間、住宅宿泊事業者が当該住宅を不在とするとき(いわゆる家主不在型民泊ですが、一時的に不在にすることがあるだけの場合や、住宅宿泊事業者が近隣にいること等により管理上支障がないと認められる場合は除かれます)。
つまり、住宅宿泊事業者(ホスト)自身が管理業者の登録を持っていない限りは、家主不在型民泊(一時的な不在等の場合は除く)であれば、管理業者への委託は必須ということになり、また、家主在住型(ホームステイ型)民泊の場合でも、その居室数が多ければ、管理業者に委託する必要が生じるということになります。
【管理業務の内容】
管理業者が行うべき管理業務の内容は以下のとおりです。1、2、3、5の各義務の具体的内容は省令で定められることになっており、本法案では簡単にしか定められていません。
1. 宿泊者の衛生の確保を図るために必要な措置を講じる義務(定期清掃等)
2. 宿泊者の安全の確保を図るために必要な措置を講じる義務(非常用照明器具の設置等)
3. 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保を図るために必要な措置を講じる義務(外国語表記等)
4. 宿泊者名簿の備付義務
5. 宿泊者に対して、周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関して必要な事項を説明する義務
6. 周辺地域の住民からの苦情処理義務
▼ホストのその他の義務(仲介・標識・提供日数報告義務等)
上記の他、住宅宿泊事業者(ホスト)には、主に以下の義務が課されることになります。
• 宿泊客との間の仲介を依頼する場合、旅行業者又は住宅宿泊仲介業者(以下「仲介業者」といいます。)に依頼しなければならない。
• 住宅宿泊事業の標識を掲示する義務。
• 宿泊させた日数(提供日数)を登録行政庁に定期報告する義務。
これまで、宿泊サービスに関する仲介業は旅行業者の独占業務でしたが、住宅宿泊事業に関しては、旅行業者の他に、仲介業者においても実施することができるようになります。もっとも、仲介業者が実施できるのは手配旅行業務(宿泊契約の締結に向けた媒介・代理行為等)だけで、企画旅行業務(パッケージツアーの造成・販売)はできません。
また、各届出住宅の年間提供日数の報告義務が課されます。年間提供日数(180日)以内かどうかは、当該住宅を利用した宿泊サービスが旅館業に当たるのか、本法案が適用される住宅宿泊事業に当たるのかを決める分水嶺となりますので、住宅宿泊事業者(ホスト)は、同日数を適切に報告することが求められます。この報告を怠った場合、又は虚偽の報告を行った場合には30万円以下の罰金に処せられる可能性がありますので、ご注意ください。
2. 住宅宿泊管理事業者(代行業者)に対する規制
―管理業者は国交省に登録、行政庁への定期報告義務も
▼住宅宿泊管理業とは?
住宅宿泊管理業とは、定期清掃や苦情処理などの管理業務を報酬を得て実施する営業を指します。
住宅宿泊管理業を行うためには、国土交通大臣の登録が必要です。上記のとおり、家主不在型民泊や、家主在住型(ホームステイ型)民泊でも居室数の多い場合には、住宅宿泊事業者(ホスト)は、その管理業務を管理業者に委託しなければなりません。
管理業者の登録要件は、具体的には省令で定められることになっていますが、本法案を見る限り、登録に当たり、一定の財産的基礎、業務遂行体制を備えることが求められるようです。なお、営業保証金を予め供託することや、国家資格を有する者を選任することまでは求められていないようです。
【管理業者に対する主な義務】
管理業者に課される義務は、主には以下のとおりです。
• 管理業務受託契約の締結前の説明書面交付義務(電子交付可)。
• 管理業務受託契約締結時の契約書面交付義務(電子交付可)。
• 受託業務の再委託の禁止。
• 営業所等への標識掲示義務。
• 行政庁への定期報告義務。
管理業者には、契約書面交付義務に加え、契約締結前に説明書面を交付する義務を課されています。これらの書面に記載すべき内容は、法令にて定められることになっていますので、おそらく、当事者間で契約内容・条件を自由に設定することはできず、少なくとも契約内容・条件の重要な部分については、行政側のルールに従う必要がありそうです。
また、管理業者が本法案の義務に違反した場合には、行政指導、業務改善命令、登録取消・抹消等の処分、立入検査、罰則等の対象となる可能性があります。
3. 住宅宿泊仲介業者(プラットフォーマー)に対する規制
―観光庁への登録が必須、仲介サイトには違法民泊の掲載を禁止
▼住宅宿泊仲介業とは?
住宅宿泊仲介業とは、届出住宅についての宿泊仲介行為(宿泊契約の締結にあたり、住宅宿泊事業者〔ホスト〕又は宿泊者のため代理又は媒介等をする行為であり、旅行業者が実施する手配旅行と同質の行為を意味します)を報酬を得て実施する営業を指します。オンライン上でホストとゲストを結ぶプラットフォーマーの行為も、基本的にはこれに当たると解されます。
住宅宿泊仲介業を行うためには、観光庁長官の登録が必要であり、上記のとおり、届出住宅に関する仲介行為は、旅行業者か仲介業者にしかできません。また、仲介業者には、届出住宅を用いた企画旅行(パッケージツアー)の造成・販売はできません。
なお、住宅宿泊事業者(ホスト)自身が旅行者を募集する行為自体は禁止されていませんが、管理業者が住宅宿泊事業者(ホスト)のために旅行者を募集することはできないものと考えられます。
仲介業者の登録要件は、具体的には省令で定められることになっていますが、本法案を見る限り、登録に当たり、一定の財産的基礎、業務遂行体制を備えることが求められるようです。なお、旅行業者とは異なり、営業保証金を予め供託することや、旅行業務取扱管理者のような国家資格を有する者を選任することは求められていないようです。
【仲介業者に対する主な義務】
仲介業者に課される義務は、主には以下のとおりであり、旅行業法に基づく義務を少しずつ緩和したものになっていると言えます。
• 宿泊者との間の仲介契約にかかる契約約款の作成・届出・公示義務(観光庁長官が定めた標準約款を用いる場合は届出不要)。
• 仲介料金の公示義務。
• 違法行為のあっせん・公告禁止。
• 宿泊者に対する説明書面交付義務(電子交付可)。
• 行政庁に対する定期報告義務。
上記のとおり、仲介業者は、予め宿泊者との間の仲介契約に関する契約約款を作成する必要があります。旅行業者の場合には、約款を独自に作成する場合には「認可」を受けることが必要ですが、本法案では「届出」を行えば足りるとされています。
また、仲介業者は、旅行業者と同様、違法なサービスのあっせん・広告行為を行うことは禁止されています。したがって、本法案に基づく義務を遵守していない届出住宅や、180日を超えて宿泊利用されているにもかかわらず、旅館業法の営業許可を受けていない届出住宅の仲介行為やその広告(ウェブサイト上での情報掲載も含むと解されます)についても禁止されることになります。
さらに、書面の交付義務についてですが、仲介業者は、宿泊者に対して契約締結前に説明書面を交付することは求められていますが、契約時に契約書面を交付することまでは求められていません。この点は、管理業者に対する規制や、取引条件説明書面及び契約書面の交付を求める旅行業法とは区別されているようです。
また、仲介業者が本法案の義務に違反した場合には、行政指導、業務改善命令、登録取消・抹消等の処分、立入検査、罰則等の対象となる可能性があります。
おわりに
住宅宿泊事業法案の概要は以上のとおりです。
本法案により、民泊施設が遵守すべきルールが整理されることになり、特に、届出住宅における標識の掲示義務等が設けられたことで、民泊に利用されている施設が法令を遵守している施設かどうかを区別することができるようになります。その点では、ヤミ民泊の摘発が広がるという期待がもたれます。
他方、本法案では、年間提供日数の算定方法や、届出・登録に関する事項についても、多くが政省令で定められることになっており、まだその外縁が示されたに過ぎません。
本法案の成立・施行により、宿泊施設の供給量の増大、国内OTAも民泊を扱うことによる販路拡大が予想されますが、これが既存の宿泊市場にどこまでのインパクトを与えるのかについては、政省令による制度の具体化、行政による本制度の運用次第と言えますので、本コラムでは、行政による政省令の動向等にも引き続き注視していきたいと思います。

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