2017-03-25(Sat)

森友学園問題 (10) 説得力ない首相の説明

夫人付の職員 不自然なファクス送信  消えぬ火種、いら立つ首相 森友問題

<各紙社説>
朝日新聞)森友学園問題 説得力ない首相の説明 (3/25)
読売新聞)森友問題審議 首相夫人の立場を整理したい (3/25)
毎日新聞)夫人付の職員 不自然なファクス送信 (3/25)

◇消えぬ火種、いら立つ首相 森友問題
―学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、安倍晋三首相と学園理事長退任を表明した籠池泰典氏との説明が食い違っている。首相は24日の参院予算委員会で籠池氏の主張にことごとく反論した。議論は水掛け論の様相も呈しており、野党は一層、政権や昭恵夫人への攻勢に勢いづく。早期幕引きのメドは立たず、首相のいら立ちが目立つ。
(日本経済新聞)




以下引用



朝日新聞 2017年3月25日05時00分
(社説)森友学園問題 説得力ない首相説明


 疑問はいっこうに晴れない。
 安倍首相はきのうの参院予算委員会で、「森友学園」への国有地払い下げや学校認可に、自身や妻昭恵氏が「まったく関与していない」と強調した。
 審議で焦点となったのは、首相夫人付の政府職員から籠池(かごいけ)泰典氏に届いたファクスだ。
 証人喚問での籠池氏の証言によると、国有地の買い上げ条件の緩和についての相談を、昭恵氏の留守番電話にメッセージとして残した。
 その後、首相夫人付職員は次のファクスを籠池氏に送った。
 「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」「なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」
 「工事費の立て替え払いの予算化について(略)平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と、政府予算に言及した部分もある。
 首相は、ファクスは籠池氏側から首相夫人付への問い合わせに対する回答で、昭恵氏は報告を受けただけだと主張する。しかし、国家公務員である首相夫人付の職員が、昭恵氏の了解もなく一学校法人の要望を官庁に取り次ぐものだろうか。
 首相は、首相夫人付の行為について「事務的な問い合わせで、依頼や働きかけ、不当な圧力はまったくない」という。だが首相夫人付からの問い合わせは、官庁に政治的な影響力を持ちうる。
 自らが持つ権力の重さや周囲の受け止めを、首相と昭恵氏はどう考えているのか。
 稲田防衛相も発言の信用性がいっそう疑われる事態だ。
 稲田氏はこれまで、弁護士である夫が「本件土地売却にはまったく関与していない」と述べていた。だが籠池氏の証言を受け、夫が16年1月の籠池夫妻と国側との話し合いに同席した事実を認め、「(国有地)売却の話ではなく、借地の土壌汚染対応の立て替え費用の返還の話」だったと語った。
 籠池氏の喚問での証言に対し、昭恵氏は自身のフェイスブックで「籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、まったくお聞きしていません」などと反論した。
 だが、自分の主張を一方的に述べるフェイスブックでの説明だけで、首相夫人という公的存在としての説明責任を果たしたとは到底、言えない。
 籠池氏は、虚偽を述べれば偽証罪に問われる証人喚問で証言した。昭恵氏も自ら国会で説明すべきである。
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読売新聞 2017年03月25日 06時04分
社説:森友問題審議 首相夫人の立場を整理したい


 学校法人「森友学園」への国有地売却問題は、事実関係をきちんと踏まえ、冷静に真相を解明することが肝要である。
 新たな焦点は、安倍昭恵首相夫人付の政府職員が国有地の借地契約を巡って、財務省に問い合わせたことだ。
 職員は、契約をより有利な内容にしたいとする森友学園の籠池泰典氏に、「現状ではご希望に沿うことはできない」と回答した。
 参院予算委員会で野党は、昭恵氏が職員を通じて財務省に働きかけたのではないかと追及した。
 安倍首相は、「事務的な問い合わせであり、働きかけ、不当な圧力ではない」と語り、昭恵氏の関与を全面的に否定した。
 籠池氏側は職員に書面で連絡を取っており、昭恵氏が直接関わったとは言えまい。だが、昭恵氏周辺が所管省庁に照会することが結果的に、官僚の「忖度(そんたく)」を誘発する恐れがあるのも事実だ。
 昭恵氏は、2月にこの問題が発覚した後、籠池氏の妻と頻繁にメールでやり取りしていた。誤解を招きかねず、軽率な行動だ。
 自民党内から「首相夫人の立場を踏まえ、もう少し慎重であるべきだ」などと、昭恵氏への苦言が出るのは、もっともだろう。
 予算委は、当時の近畿財務局長の武内良樹氏らを参考人として呼んだ。売却価格が評価額から約8億円減額された経緯について、武内氏は「政治家及び秘書などから問い合わせはなく、政治的配慮は一切していない」と明言した。
 野党側は、「政治家の関与」や「行政側の忖度」をあぶり出そうとしたが、不発に終わった。
 約8億円の算定根拠に関して国土交通省の佐藤善信航空局長は、「地下9・9メートルまで廃材等が存在すると見積もるのは合理的だ」と語った。くい掘削工事で廃材が発見された場所などを基に、撤去処分費用を積算したという。
 将来、国の責任が問われるのを避けるため、売却価格を下げたのは理解できる。ただ、金額の妥当性については、さらに丁寧に説明することが求められよう。
 安倍首相は答弁で、「昭恵氏から100万円の寄付を受けた」との籠池氏の証言に強く反論した。「密室でのやり取りで反証できない事柄を並べ立て、事実に反することが述べられた」と語った。
 昭恵氏もフェイスブックで、昭恵氏の同行者が席を外したとする部分を含め、籠池氏の主張を否定した。野党は、昭恵氏らの証人喚問を要求した。関係者は、具体的な説明を続けねばなるまい。
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毎日新聞2017年3月25日 東京朝刊
社説:夫人付の職員 不自然なファクス送信


 首相夫人の安倍昭恵氏と学校法人「森友学園」の関係をめぐり新たな疑問が浮かんでいる。
 それは、夫人付の政府職員が籠池泰典・学園理事長あてに送っていたファクスの存在だ。籠池氏の要請を受けて財務省に問い合わせをし、返事をしていた。
 ファクスについては証人喚問で籠池氏が明らかにした。この動きを受けて菅義偉官房長官が公表した。
 森友学園は2015年当時、小学校用地の国有地を定期で借りていた。籠池氏は借り受け期間の延長ができないかと思い、昭恵氏側に連絡を取ったという。
 昭恵氏本人は回答しなかったが、同年11月に夫人付の政府職員、谷査恵子氏がファクスで返事をした。財務省の国有財産審理室長に照会した結果、籠池氏の要望には沿えないとしつつも「当方としても見守りたい」と伝える内容だった。その直前に昭恵氏は、籠池氏が建設予定だった小学校の名誉校長に就いている。
 この件について安倍晋三首相は国会で「職員が制度上、法律上の事務的な問い合わせをした。働きかけや不当な圧力ではない」「妻は土地契約に関し具体的内容は全く聞いていない」と説明した。また、土生栄二内閣審議官は財務省への「個人的な照会」だったと答弁した。
 だが、説明には疑問がある。
 昭恵氏には、首相の公務を補佐する際のサポート役として5人の政府職員が指定されている。谷氏もその一人だった。今回のような対応は本来の業務とはいえない。ファクスには内容を昭恵氏に報告したと記されている。事前に昭恵氏と相談していた可能性は否定できない。
 谷氏から籠池氏への返信には工費立て替え払いを予算計上する方針など踏み込んだ内容が記されている。財務省幹部が個別の案件で谷氏に対応したのも、首相夫人付であることに配慮したためではないか。
 首相はこれまで「私や妻が認可や払い下げに関わっていたら、首相も国会議員も辞める」と答弁している。菅氏がファクスを公表したのは「要請を拒否したのだから関与はない」と言いたかったためだろう。
 だが、菅氏の狙いとは逆に、ファクスの内容は、昭恵氏による関与への疑問をふくらませた。
 政府は森友学園との交渉記録をことごとく廃棄したと主張している。今回の対応をみるかぎり、他にも文書があるのではないか。
 昭恵氏は籠池氏の証言を受けて、100万円の寄付を否定するなどのコメントをフェイスブックに載せた。だが、内容は疑問にこたえるものではなかった。国会や記者会見での説明を改めて求めたい。
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朝日新聞デジタル2017年3月25日20時43分
森友「認可」、私学審の舞台裏 「規制緩和の時代で…」
森友学園の小学校設置認可申請をめぐる経緯
 大阪府豊中市の国有地売却問題は、学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典氏の証人喚問で、安倍晋三首相の妻昭恵氏との関係に焦点があたった。一方で、学園が4月開設予定だった小学校の認可申請についても疑問視する声が上がっている。結果的に小学校設置に向けた動きを後押しする形になった大阪府私学審議会の審査は、どのように進んだのか。
 「規制緩和の風に乗って、やっちゃったわけですよ。籠池さん、気の毒だと思う。ある意味そこの段階で止めていただいていたら、こういう騒動にもならない」。24日の参院予算委員会。自民党議員が、学園側の認可申請に条件付き「認可適当」と結論を出した私学審に疑問を投げかけた。
 学園側が府に対し、私立小学校の設置認可の審査基準を緩和するよう要望したのは2011年夏にさかのぼる。府は翌年4月に基準を緩和し、幼稚園しか設置していない学校法人に借入金があっても設置できるようにした。緩和後、小学校の認可申請は学園からの1件だけだという。
 15年1月27日。大阪府庁の一室に、私学経営者や大学教授、府議会議員ら約15人の委員が集まった。学園の認可申請を話し合う臨時の私学審だった。
 「本当に校舎が建つのか」「入学者が確保できるのか」「こんな絵空事でうまくいくとは思えない」……。朝日新聞が情報公開請求によって入手した議事録によると、学校運営や財務に疑問を示す声が委員から相次いだ。
 「収支上、ウルトラC以上のすごい実態になる。不正の可能性はないと仰せられるんでしょうか?」。そんな発言を受け、府の担当者は「(学園側からの)財務諸表に添付されている公認会計士からの書面を確認し、適正なものと判断している」と答えた。一方、「明らかにおかしいというわけではない」「やりたいということはやめなさいとは言えない。規制緩和の時代ですから」との意見もあった。
 結局、この日の臨時の私学審では、寄付金の受け入れ状況や入学者の確保、教育内容などを追加報告することを条件に「認可適当」の答申を出した。委員の一人は「財務面の不安を伝えても書類がそろっていれば認めざるを得なかった。ただ、認可適当とするのは違和感があった」と振り返る。別の委員は「(事務局側が答申を)急いでいるんやなと思った」と指摘する。
 私学審の答申を受けた府は、事務局の府教育庁で最終的に認可の可否などを決める。通常は「認可適当」を私学審が出せば覆ることはないという。
 だが、開校目前の今年2月22日以降、風向きが変わった。私学審で入学予定者が募集定員を大きく下回っていると報告されたほか、私学審向けに学園側が提出した建築事業費の契約書などに虚偽とみられる記載が相次いで判明。学園側は3月10日に申請を取り下げた。
 府議会は23日、府私学審会長の梶田叡一・奈良学園大学学長(75)を参考人招致した。梶田氏は「規制緩和の時代で、国からも土地に関して(契約の)確約があった」と説明。「異例だったが、手続き的に瑕疵(かし)はなかった」と述べた。
 一方、籠池氏は23日の国会証人喚問で「私学審で認可適当をいただいて、国有地を定期借地し、後で建設業者と契約をいたしますので、急にですね、はしごを外されても大変なことになるわけです」と「恨み節」を口にした。(石原孝、矢吹孝文)


朝日新聞デジタル2017年3月25日11時45分
昭恵夫人付職員の照会、影響は? 籠池氏喚問、余波続く
首相夫人付職員から籠池氏に送られたファクスの予算に関する記述
 証人喚問の余波は、この日も続いた。大阪府豊中市の国有地売却問題。24日にあった参院予算委員会では、安倍晋三首相の妻昭恵氏付だった職員について論戦となった。学校法人「森友学園」の籠池(かごいけ)泰典氏に送っていたファクスをめぐって野党が追及。自民側は、昭恵氏と籠池氏の妻とのメールのやりとりを公表した。
 「来年度予算でちゃんと手当てすると書いてある。総理夫人付の担当官がやったことによって、行政の将来に影響を与えることもあるんじゃないですか」
 24日の参院予算委。共産の小池晃氏は、前日に明らかになったファクスの内容について追及した。
 ファクスは、昭恵氏付政府職員だった谷査恵子氏が、国有地をめぐって財務省に問い合わせた結果を籠池氏に回答したもの。このうち予算に関する記述に質問が相次いだ。籠池氏は証人喚問で、この部分に「ここ重要」と書き込んだ書面をかざしていた。
 ファクスが送られたのは2015年11月。森友学園はこのころ、定期借地契約を結んだ国有地でコンクリートがらなどの除去を実施していた。その費用の支払いについて、谷氏はファクスの中で「平成28年度(16年度)での予算措置を行う方向で調整中」と報告した。
 野党側はこの回答や、16年4月6日に学園側の費用立て替え分約1億3千万円が支払われていることを疑問視。民進の福山哲郎氏は「(谷氏が)総理の公務を補佐する役割の支援だという認識だから、省庁がこうやって答えを出すんですよ」と指摘した。社民の福島瑞穂氏も「谷さんが財務省に聞いたということは、昭恵さんが具体的に動いたということ。(支払いまで)ものすごいスピードだ」と疑問を投げかけた。
 これに対し、財務省の佐川宣寿理財局長は「(定期借地)契約が15年5月に締結され、15年度の支払いが難しいという意味で16年度に支払うことを検討しているということ」と問題がないとの認識を示した。また安倍首相も、ファクスの内容を「ゼロ回答であり、忖度(そんたく)していないことは明らか」と主張。予算措置の回答は「事実関係を淡々と述べたということ」と述べた。
 費用の支払いをめぐって、籠池氏は16年1月にも稲田朋美防衛相の夫で弁護士の龍示氏に相談。龍示氏の事務所で、財務省近畿財務局や国土交通省大阪航空局の担当者らと協議し、籠池氏が支払いを繰り返し求めたという。


朝日新聞デジタル2017年3月25日11時59分
大阪府、森友の幼稚園補助金手続き停止 過大受給の疑い
 学校法人「森友学園」が大阪市内で運営する幼稚園が過大に補助金を受給している疑いがあるとして、大阪府教育庁は今年度の支給手続きを停止した。府教育庁関係者が取材に対して明らかにした。
 府教育庁によると、補助金は障害のある園児の数に応じて支払われる。1人当たりの支給額は約78万円。森友学園が運営する幼稚園の昨年度の対象園児は16人で、学園側は約1250万円を受給した。今年度も同じ規模の補助金が出る見込みだった。
 一方で、補助金を受給する要件として医師の診断書や保護者の同意書が必要だが、府議会で学園側がこの同意書を取っていなかったと指摘された。府教育庁は今月21日に実施する予定だった立ち入り調査で、同意書の有無を確認する方針だった。これに対し、学園理事長の籠池泰典氏が国会での証人喚問の準備などを理由に延期を申し入れ、現在も調査は未実施のまま。今月末までの調査受け入れを求めているが、できなければ今年度分は不支給になる可能性があるという。


朝日新聞デジタル2017年3月25日07時48分
FAX送信は公務か 昭恵夫人付職員の行為、国会で論戦
昭恵氏に付いている人ってどんな人?
 籠池氏にファクスを送った行為は、首相夫人付職員の公務に当たるか。安倍首相の妻、昭恵氏の活動がどこまで公的な意味を持つかが問われる中、24日の参院予算委で焦点の一つになった。
 民進の福山哲郎氏の質問に対し、答弁に立った土生(はぶ)栄二内閣審議官は「(職員)個人に対して照会があったものは、厳密に言えば公務ではない」と説明しつつ、「公務員として丁寧な対応をすることはあり得る」と述べた。
 福山氏は「そういう詭弁(きべん)を積み重ねるから、問題が複雑化して国民がわからない」と指摘。「総理夫人付ではなかったら、籠池氏は(国有地の借り受けをめぐる働きかけを依頼する)手紙を送っていない。これは公務だ」と強調した。
 森友学園が予定した小学校の名誉校長に就いていた昭恵氏は公人か私人か、国会で論議が続いてきた。首相夫人付の政府職員が注目されるのは、その議論と密接に関係するからだ。
 今は2人いる常駐職員は第2次安倍内閣で初めて置かれた。その職務のあいまいさも浮き彫りになっている。
 昭恵氏が2015年に学園の幼稚園で講演した際に同行した行為については政府が3日、勤務時間外だったとして「私的活動に関すること」と答弁。「連絡調整に同行することがある」と説明した。ところが5日後に一転して「公務として同行した」と訂正し、土生審議官は「総理夫人の活動が飛躍的に増大した。サポートを常時、円滑に行う必要性が生じてきた」とも強調した。
 一方、昭恵氏は23日夜に投稿したフェイスブックのコメントで職員を「秘書」と説明。菅義偉官房長官は24日、「夫人付の職員は連絡調整以上の役割があるのか」と記者会見で問われると「(秘書と書いたのは)表現だけ。あくまでサポートすること」と弁明した。
 安倍首相は、24日の参院予算委で「中小企業などの集会に招かれた際、さまざまな質問が出る。妻が答えられない場合は(首相夫人)付が調べて答えることもある。これが公務かどうかは、今まできっちりとした定義がないから申し上げられなかった」と述べた。


朝日新聞デジタル2017年3月25日05時04分
職員が…維新が… 政権、逃げの「3手」 森友問題
野党批判からの逃げの「3手」
 政権与党が学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題から、安倍晋三首相や昭恵夫人を遠ざけようと躍起だ。学園の籠池(かごいけ)泰典理事長による証人喚問での証言を否定するための資料を次々と公表し、火種を第三者に転嫁。昭恵氏らの証人喚問に応じる様子はない。
 「籠池氏の証人喚問で昭恵夫人とのメールのやりとりが出た。これについて説明したい」。24日の参院予算委員会の質問で、自民党の西田昌司氏はそう切り出した。手には、籠池氏が前日の証人喚問で取り上げた昭恵氏と籠池氏の妻がかわしたメールの文面を印刷した紙の束があった。
 西田氏は「メールには『昭恵氏がした』と(籠池氏が)いう口止めを思わせる内容がない。全く夫人の関与がないことが明らかだ」と主張。西田氏は質問後に記者団にメールの記録を配布した。
 前日の籠池氏の証人喚問で出た昭恵氏との関わりを示す数々の問題点。政権与党はこれを真っ向から否定し、逃げを打っている。
 その一つが昭恵氏付の政府職員が籠池氏側に送ったファクス。この日の予算委では、前日の記者会見でファクスのコピーを配った菅義偉官房長官が「(ファクスの文面は)夫人付(職員)の個人が作成し、個人で所有していた」と改めて主張。やりとりをしたのはあくまで「職員」であることを強調した。
 ファクスの文面には「希望には添えないが、引き続き当方としても見守ってまいりたい」と書かれていた。菅氏は、この「当方」が誰を指すかについて、職員の個人名を挙げ「それは当然、谷(査恵子)さんだと思う」と断言。共産党の小池晃氏は「典型的な『秘書が』『秘書が』という責任転嫁だ」と批判した。
 火種の転嫁は、憲法改正で連携してきた日本維新の会にも及んだ。森友学園の小学校の設立認可申請をめぐり、民進党など野党が追及を強めている政治家の関与の有無について、自民党の西田氏は予算委で「この問題は大阪の審議会に始まった問題だ」と主張。証人喚問で籠池氏が「はしごを外された」と矛先を向けた維新代表の松井一郎府知事の責任を問う考えを示した。自民党中堅は「これから矢面に立つのは維新だ」と話し、首相や昭恵氏から焦点をずらしたい考えだ。
 籠池氏が証人喚問で「新事実」を次々と証言したことで拡大した疑問に対しては、むしろ問題を矮小(わいしょう)化するよう図っている。
 昭恵氏付職員のファクスに記されていた、籠池氏側の問い合わせに基づく職員による財務省への照会時期は、国有地の売買交渉より前の段階だった。首相はこのことを念頭に予算委で「土地の売買には全く関わりがない」と強調。自民党の高村正彦副総裁は24日の党役員連絡会で「この問題は(国有地の)埋設物の撤去費用が適正だったかどうかに特化していくことが必要だ」と述べ、論点を8億円のごみ撤去費の積算根拠に絞るべきだと訴えた。
 あの手この手で学園と昭恵氏を引き離そうとするのは、昭恵氏の国有地売却問題への関与が疑われれば、「私や妻が関係していたことになれば首相も国会議員も辞める」と公言してきた首相の責任問題に直結するからだ。その首相自身、問題の解明には後ろ向きだ。共産党の小池氏から昭恵氏の証人喚問を迫られると「(証人喚問で)名前を出された人は、私の妻以外にもたくさんいる。そうした人たちを全員証人喚問するのか」と突っぱねた。
■自民、党内からの批判なし 危機管理には懸念も
 自民党の竹下亘国会対策委員長は24日、野党側が要求する昭恵氏らの証人喚問を拒否した。「何も出てこなかったというのが今日の(国会審議の)印象。野党がさらに追及するなら、どんどんやって頂ければいいだけ」と記者団に語った。
 証人喚問で首相側を直撃する証言が続いたにもかかわらず、党内から首相に批判が向かう空気はない。
 石破茂・前地方創生相は24日のTBS番組収録で「(昭恵氏が)隠しているんじゃないのと思われることはかえって良くない。政府与党としてお答えしなきゃいかん」と述べたものの、「我々が選んだ総裁だから、安倍さんに対する信頼を確立することが我々に与えられた責任だ」と首相擁護に徹した。中堅議員は「安倍政権にとって最大の危機なのは間違いないが、決定的な証拠がない今の段階で、政権を批判しても品がない」と様子見だ。
 ただ、政権がこれまで得意と自任してきた「危機管理」が揺らぐ事態に党内にも焦燥感があるのは事実だ。幹部の一人は「官邸が籠池氏に対しカーッとなって喚問に踏み切ったことが、今の危機的状況を招いている」と指摘した。
■首相は全容解明の意思を
 閣僚の不祥事や失言での「ダメージコントロール」が得意とされてきた安倍政権が、学校法人「森友学園」の問題をめぐる対応で、後手に回っている。
 学園の籠池泰典氏の参考人招致は拒みながら、籠池氏から「安倍晋三首相側からの100万円の寄付」発言が出れば、「首相への侮辱」といって一転、証人喚問に踏み切る。「口止めとも取れるメールが届いた」との証言が出たとたん、首相の妻昭恵氏と籠池氏の妻とのメールを公表。疑惑が晴れたとまでは言いがたい文面で、野党からは焦りを指摘される始末だ。
 第2次安倍政権は、政治資金問題などで追及を受けた閣僚を同時辞任させるなど「危機管理能力」を発揮してきた。だが、今回は勝手が違うようだ。いつもは閣僚の「救援」に立つ首相自身が、批判の中心にいるからだ。国会で疑問に答えずとも高支持率を背景に乗り切れるという「1強国会」のおごりも見える。多くの疑問が生まれた証人喚問を経ても、与党幹部がこぞって「一区切り」を強調する姿はその証左だ。
 24日の審議では、野党が役所側にさらなる情報公開を指示するよう求めたが、首相は明確には答えなかった。全容解明へ向け、政権全体を引っ張る意思を示すことが、国民の納得を得る第一歩ではないか。(与党担当キャップ=河口健太郎)
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日本経済新聞 2017/3/25 0:54
消えぬ火種、いら立つ首相 森友問題


 学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、安倍晋三首相と学園理事長退任を表明した籠池泰典氏との説明が食い違っている。首相は24日の参院予算委員会で籠池氏の主張にことごとく反論した。議論は水掛け論の様相も呈しており、野党は一層、政権や昭恵夫人への攻勢に勢いづく。早期幕引きのメドは立たず、首相のいら立ちが目立つ。
 24日の集中審議で、首相は厳しい口調で前日の籠池氏の証人喚問での証言に反論した。
 「私と妻は関与していない」。国有地払い下げへの昭恵氏の関与を問う質問には同じ答えを繰り返した。「何度も答弁している」と漏らす場面も。昭恵氏から「口止めともとれるメールが届いた」との籠池氏の証言については「極めて遺憾で、悪意に満ちたものだ」と強い表現で否定した。
 政権側には当初、籠池氏の証人喚問で同氏の発言のあやふやさを浮かび上がらせ、早期幕引きを図りたい思惑もあった。だが、むしろ次々と飛び出た新証言で火種は広がっている。世論の動向もどう転ぶかは読めず、焦りがにじみ始めている。
 早期収束を狙い、政権側は異例の攻勢に出た。昭恵氏と籠池氏の妻が交わしたメールのやりとりを公開したのだ。
 問題発覚後の今年2~3月にかけてのメールは合計64通。昭恵氏が「(10万円の)講演の謝礼を頂いた記憶がなく、いただいていたのなら教えて頂けますでしょうか」「(籠池氏が昭恵氏から寄付を受けたとする)100万円の記憶がないのですが」――。内容からは困惑する昭恵氏の様子がうかがえる。
 首相は24日の参院委員会で「すべて公にしたほうが様々な誤解がとけるということで公開した」と説明した。前日の証人喚問で籠池氏は、2月に22回、3月に15~16回、昭恵氏から籠池氏の妻にメールがあったと発言し、昭恵氏との親密さを印象づけようとした。政権側は、首相夫人の個人的なメールを公開するという「奥の手」で世論の心証が籠池氏側に流れるのを封じようとした形だ。
 籠池氏は、国有地の借地契約について昭恵氏に相談し、当時の夫人付政府職員の谷査恵子氏が財務省に問い合わせた結果をファクスで受け取ったと述べた。
 政権は、これについても昭恵氏の関与の否定に躍起となった。首相は「妻は『籠池氏から短いメッセージをいただいた記憶があるが、具体的な内容は聞かなかった』とのことだ」と反論。財務省へは「(谷氏が)事務的な問い合わせをした。働きかけ、不当な圧力ではない」と述べた。
 菅義偉官房長官も財務省への問い合わせは「谷氏の個人の頼みだ」と強調。ファクスに書かれた「当方としても見守ってまいりたい」の「当方」は「当然、谷氏だ」と指摘し、昭恵氏と切り離す姿勢を鮮明にした。
 国有地払い下げの問題でも、売却交渉当時に財務省理財局長だった迫田英典国税庁長官や、近畿財務局長だった武内良樹財務省国際局長が24日に初めて参考人として出席したが、いずれも「政治的配慮はなかった」と述べるにとどめた。
 ただ、火消しは容易ではない。浮上した問題には、首相が「(昭恵氏の100万円寄付は)密室のやり取りなど反証できない事柄を並べ立てた」と語るように、完全否定が難しいものも多い。ある政府高官は「政府側も万人を納得させるだけの決め手に欠け、籠池氏側と『言った、言わない』の争いになってしまっている」と懸念する。
 政府高官の一人は「内閣支持率は50%以上ある」となお強気だ。だが、証人喚問後も野党からの追及が長引けば「高い水準を保っていた支持率も急落するのではないか」(首相周辺)と不安視する声もあがる。
 野党4党は長期戦で真相を追及する構え。民進党からは「昭恵氏の証人喚問に応じないと今後の国会日程にも影響が出る」との声もあがる。報道各社による世論調査の内閣支持率に影響が出ているだけに、問題を長期化させて政権の体力低下につなげたい思惑がある。
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日本経済新聞 2017/3/25 1:08
野党、昭恵夫人ら8人喚問要求 「森友」巡り
 民進、共産など野党4党は24日、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却や小学校認可手続きに関し、安倍昭恵首相夫人や松井一郎大阪府知事ら8人の証人喚問を求めた。与党側は全て応じなかった。安倍晋三首相は24日の参院予算委員会で、昭恵夫人らの証人喚問を「政治的関与、不正な値下げがあったかに関わりない証人喚問はおかしい」と拒否した。
 民進党の山井和則国会対策委員長は24日、国会内で自民党の竹下亘国対委員長と会談した。山井氏は昭恵夫人と松井氏のほか、学園側の代理人弁護士だった酒井康生氏、財務省など政府職員5人の証人喚問を求めたが、竹下氏は「証人喚問に値しない」と断った。
 学園の理事長退任を表明した籠池泰典氏は23日の衆参予算委の証人喚問で、昭恵夫人から寄付金100万円を受け取ったと明言。国有地の定期借地契約の延長を巡り昭恵夫人に相談し、夫人付政府職員だった谷査恵子氏からファクスで財務省に問い合わせた内容を回答されたとも語った。
 一方で、昭恵夫人は、寄付や籠池氏に対する回答内容への関与を全面否定している。山井氏は「昭恵夫人と籠池氏の言い分が真っ向から対立している。どちらが真実か明らかにする必要がある」と訴えた。
 首相は参院予算委で、夫人付職員が財務省に問い合わせしたことに関し「制度上、法律上どうなっているかの問い合わせで、依頼や働きかけ、不当な圧力ではない」と強調。回答内容についても「ゼロ回答だ。忖度(そんたく)していないことは明らかだ」と述べ、「国有地の払い下げに私の妻が関与したことには全くならない」との認識を示した。
 首相は2月17日の衆院予算委で、学園への国有地売却や小学校認可について「私や妻が関係していたということになれば、もう間違いなく首相も国会議員もやめる」と答弁している。

日本経済新聞 2017/3/25 0:33
森友国会、ヒートアップ 「喚問しろ」「確証は」
 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題は24日、前日の籠池泰典氏の証人喚問に続いて国会での質疑が続いた。2日間の審議を通じ「政治家の関与はなかった」と強調する与党に対し、野党側は「疑問は深まった」と追及の姿勢を強める。混迷はおさまりそうもない。
 この日の委員会室で何度も話題に上ったのは、安倍昭恵首相夫人に対する証人喚問の是非。
 共産党の小池晃議員は「昭恵夫人も籠池氏と同じ(偽証罪に問われる可能性のある)条件で話してもらわないと真相解明できない」。社民党の福島瑞穂議員も「昭恵夫人は単なる広告塔ではなく、具体的に動いている」と喚問を求めた。
 安倍晋三首相は「(夫人は)犯罪や不正に関わりがないのに証人喚問はおかしい」と反論。委員会室には「喚問しろ」「(疑惑の)確証はあるのか」など与野党双方からヤジが飛び交った。安倍首相が「籠池氏が名前を挙げた全員を喚問するのか」と色をなし、ヤジを続ける議員に「静かにしてください」と求める場面もあった。
 「腑(ふ)に落ちないことが多すぎる」。民進党の大塚耕平議員は国有地払い下げをめぐる近畿財務局の対応を疑問視したが、財務省幹部らは「適切に対応した結果」などの答弁に終始。議論はかみ合わないままだった。
 予算委終了後、民進党の福山哲郎議員は、参考人招致された財務省幹部らの答弁について「『何をいまさら』という発言が多かった。証人喚問をし、きちんと事実確認が必要だ」と憤った。
 一方、自民党のある議員は「野党は籠池氏の証言をうのみにして同じ質問ばかり。国有地の払い下げや学校の誘致に忖度(そんたく)が働いていないことは明白だ」と強調。別の同党議員は「総理も分かりやすく説明をしていた。問題がこのまま収束すれば……」と話した。

日本経済新聞 2017/3/25付
維新、飛び火を警戒 松井知事は証人喚問に前向き
 日本維新の会は学校法人「森友学園」(大阪市)を巡る問題の“飛び火”を警戒する。籠池泰典氏は23日の証人喚問で、大阪府による学校開設の認可申請に同党代表の松井一郎府知事や同党の国会議員が関与していたと証言した。
 松井氏は24日、記者団に国会での証人喚問に「いつでも行く」と述べ、実態解明に協力する姿勢を示した。
 松井氏は「欠席裁判で人のことをけなすなら呼んでほしい」と語った。小学校の設置認可を巡り、府議会議長を務めた故・畠成章氏に松井氏への働きかけを依頼したと籠池氏が語ったことに関しては「2014年4月に(畠氏と)会った。認可についての要請は一切なかった」とした。


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