2017-04-09(Sun)

JR30年 「国鉄解体は政治が悪い」 石破前地方創生相

鉄道はもうからないといけない」という概念は、世界の考え方とは違う。公的インフラとしての鉄道を考える必要はある。
リニア資金を北海道に  リニア新幹線ができて、これでどうして東京一極集中の是正になるのかわからない


石破地方創生相が語るJR30年 「国鉄解体は政治が悪い」
●我田引鉄で鉄道が赤字
----政治家が国鉄を食い物にしたとはいわないけど、我田引鉄の面があった。自分の選挙区に鉄道を引くことによって、採算を無視しても票を取ろうと考え、赤字が増えていったという側面は否めません。

----「鉄道はもうからないといけない」という概念そのものが間違っているとは言わないけれど、世界の考え方とは違います。
鉄道は赤字でけしからん」という考え方は日本特有です。
 
たとえばフランスの鉄道は収入の中で運賃収入は2割。残りの8割は公的な支援です。
もうかるのであれば、公共インフラである必要はありません。
そもそも、北海道には車が一台も走っていない道路がいっぱいある。あれは大赤字です。だけど、誰も道路を廃止にしろなどとは言いません。

いま1億2千万人いる日本人は、このまま行くと2100年には5200万人と半分以下になります。
しかも高齢化が進む。「自動運転技術を発達させれば、鉄道なんかいらんのだ」という考え方がありますが、一方で定時性、省エネ、大量輸送に優れた鉄道に勝るものはないという議論もある。公的インフラとしての鉄道を考える必要はあるでしょう。

リニア資金を北海道に
----鉄道の魅力は非日常性にあると思っています。その意味で私は、非日常感のまったくないリニア新幹線にあまり魅力を感じません。
リニア新幹線ができて、これでどうして東京一極集中の是正になるのかわからない。

仮にリニア新幹線を造るお金をJR北海道に使うことができたなら、JR北海道はまったく変わっていたでしょう。
JR北海道があんな状態になったのは、JR北海道の責任だけでなく、民営化の経緯も含めた国の政策にも理由があったと思います。


◇JR北海道をつぶすの誰だ 会社もグループもみんな逃げた
 半分の路線を「維持困難」と投げ出そうとしているJR北海道。会社もJRグループも国も自治体も、誰も責任を取らない。十分予測できた暗い未来を直視しなかった。

(AERA 2017年4月10日号)





以下引用


Dot.(ドット)https://dot.asahi.com/index.html
鉄道に関する記事一覧
https://dot.asahi.com/keyword/%E9%89%84%E9%81%93/

AERA 2017年4月10日号
石破地方創生相が語るJR30年 「国鉄解体は政治が悪い」

石破茂(いしば・しげる)/1957年生まれ。慶應義塾大学卒業。銀行員を経て、86年衆院選で初当選。防衛相、自民党幹事長などを歴任。写真は急行「出雲」を引いていたDD51(撮影/写真部・岸本絢)
 国鉄が解体し、7社のJRが発足して30年。株式上場を機に、脱テツドウにシフトする会社があれば、お先真っ暗な未来にアタマを抱える会社あり。現在のリストラなど働く人たちの労働環境悪化は、国鉄解体に原点があるとの指摘も。「電車の進化」などさまざまな切り口で30年を検証していく。AERA4月10日号では「国鉄とJR」を大特集。政界随一「乗り鉄」「飲み鉄」の石破茂・前地方創生相に話を聞いた。
*  *  *
 鉄道好きになったのにきっかけなんてありません。もともと好きだったということです。ただ、思い出の列車と言えば急行「出雲」。小学1年の時、17歳年上の姉が東京で結婚式を挙げることになりました。その時、下の姉と故郷の鳥取から乗ったのが急行「出雲」。何というか、超感動。夜、列車が走るんです。しかも食堂車まであって。非日常ですよね。
 分割民営化の時は国会議員になって2年目。まだ30歳でした。ただ、国鉄が赤字になったのは、政治家が悪かったのだろうという思いはありました。荒船清十郎さんという埼玉選出の国会議員がいて、1966年に彼が運輸大臣の時、自分の選挙区にあった深谷駅に強引に急行を止めさせ、世論の批判を浴びて辞任するという事件があった。
●我田引鉄で鉄道が赤字
 政治家が国鉄を食い物にしたとはいわないけど、我田引鉄の面があった。自分の選挙区に鉄道を引くことによって、採算を無視しても票を取ろうと考え、赤字が増えていったという側面は否めません。当時の国鉄は大赤字で、しかもサービスが悪く、ストも多い。民間にするしかないという思いはありました。
鉄道はもうからないといけない」という概念そのものが間違っているとは言わないけれど、世界の考え方とは違います。「鉄道は赤字でけしからん」という考え方は日本特有です。
 たとえばフランスの鉄道は収入の中で運賃収入は2割。残りの8割は公的な支援です。もうかるのであれば、公共インフラである必要はありません。そもそも、北海道には車が一台も走っていない道路がいっぱいある。あれは大赤字です。だけど、誰も道路を廃止にしろなどとは言いません。いま1億2千万人いる日本人は、このまま行くと2100年には5200万人と半分以下になります。しかも高齢化が進む。「自動運転技術を発達させれば、鉄道なんかいらんのだ」という考え方がありますが、一方で定時性、省エネ、大量輸送に優れた鉄道に勝るものはないという議論もある。公的インフラとしての鉄道を考える必要はあるでしょう。
リニア資金を北海道に
 房総半島を横切る「いすみ鉄道」の鳥塚亮社長が面白いことを言っていました。「乗って残そう」と言っている間はダメ。地元の人が用もないのに乗るのではなくて、乗りたいと思う鉄道を造ることが大切だと。いすみ鉄道では、半世紀ほど前の国鉄カラーで塗ったディーゼル気動車を走らせています。車内広告も昭和40年代のまま。それを見て泣いて喜ぶ人がたくさんいます。鳥塚社長が言うのは、100人のうち99人がくだらないと思っても、首都圏には3500万人の人間がいてそのうち1%の35万人でもすてきだと思い、その人たちが乗ってくれれば大丈夫だ、と。いすみ鉄道は地方ローカル鉄道復活のモデル。必要なのは、逆転の発想です。
 鉄道はつながってこそ力を発揮します。日本海側は新幹線と高速道路がつながっていないので、横の連係が恐ろしく悪い。だから私は、日本海側の国土軸を完成させるため、山陰新幹線の早期実現を訴えている。フル規格でなく、単線でも十分。それなら工事費は半分で済みます。
 一方で、鉄道の魅力は非日常性にあると思っています。その意味で私は、非日常感のまったくないリニア新幹線にあまり魅力を感じません。リニア新幹線ができて、これでどうして東京一極集中の是正になるのかわからない。仮にリニア新幹線を造るお金をJR北海道に使うことができたなら、JR北海道はまったく変わっていたでしょう。JR北海道があんな状態になったのは、JR北海道の責任だけでなく、民営化の経緯も含めた国の政策にも理由があったと思います。
 私は「乗り鉄」兼「飲み鉄」。個室寝台のA寝台に乗ったら、もうとことん飲みますよ(笑)。
(構成/編集部・野村昌二)

AERA 2017年4月10日号
JR北海道をつぶすの誰だ 会社もグループもみんな逃げた
 国鉄が解体し、7社のJRが発足して30年。株式上場を機に、脱テツドウにシフトする会社があれば、お先真っ暗な未来にアタマを抱える会社あり。現在のリストラなど働く人たちの労働環境悪化は、国鉄解体に原点があるとの指摘も。「電車の進化」などさまざまな切り口で30年を検証していく。AERA4月10日号では「国鉄とJR」を大特集。
 半分の路線を「維持困難」と投げ出そうとしているJR北海道。会社もJRグループも国も自治体も、誰も責任を取らない。十分予測できた暗い未来を直視しなかった。
*  *  *
 3月中旬、北海道日高町にある日高門別駅を訪ねた。立派な待合室のある駅舎に2本の線路。だが、いつまでもそこに列車は来ない。ここ2年ほど、JR北海道の大動脈の一つ、日高線(苫小牧─様似(さまに)、146.5キロ)が、116キロにわたって運休しているからだ。
 きっかけは2015年1月の高波被害で、線路下の盛り土や橋が流されたこと。JR北は、「復旧に86億円、運行再開しても年間13億円かかる」と沿線自治体に負担を求めた。人口減少に悩む自治体にとても負担はできない。運休区間の廃止を通告してきたのは昨年12月。沿線自治体の一つ、日高町の三輪茂町長は困惑を隠さない。
「地図から鉄道路線が消えたら、首都圏から人が来なくなる。年間予算100億円程度の町の規模ではJR北海道が求める(1町あたり年2億円程度の)負担は到底できません」
 15年12月から、沿線自治体とJR北が復旧に向け議論する沿線自治体協議会が始まった。
「復旧に際し国に補助金を要請するには(運行を)持続させる仕組みをセットで構築することが不可欠です」(JR北海道)
 だが三輪町長によれば、JR北に、路線再開に向けた熱意を感じることはできなかった。沿線7町は様似から札幌までの優等直通列車導入や新駅設置などの利用促進案を出したが、JR北は年間3億円程度の赤字が出るとの試算を出して難色。鵡川(むかわ)駅から、日高門別駅までの約20キロは路線の損傷はないが、運行再開には折り返し施設新設などで6千万円に加えて、毎年の運行コストなど3億2千万円の負担が必要と町に要求したという。
「二言目には『赤字なので』という話ばかり。災害をいいことに、路線を廃止したいとしか思えません」(三輪町長)
 JR北はいま、国鉄から受け継いできた「全国あまねく」(ユニバーサルサービス)の看板を下ろしつつある。昨年11月に全路線の半分にあたる10路線13区間を「自社だけでは存続できない」、うち3路線(のちに日高線運休区間を含め4路線)の一部区間のバス転換を沿線自治体に提案した。
 札幌から車で約1時間半、北海道の農村地帯にある札沼線の終点、新十津川駅(新十津川町)。昨年3月のダイヤ改定で列車が3本から1本に減らされ、午前9時40分に「日本一早い終電」が発車する駅に。ここから北海道医療大学駅までが廃止3線区のうちの一つだ。14年に駅前に休憩所「寺子屋」を開き、グッズなどを販売している後木幸里(うしろぎゆきさと)さん(86)は嘆く。
「温暖化が進めば雪も減り、北海道は移住先や別荘地として魅力的な存在になる。そうすれば鉄道の役割も増えると思います。JR北海道は真剣に努力をしてきたのか、と言いたいですね」
●発足10年は頑張った
 国鉄の分割民営化時、すでに将来の経営難が予想されたのは九州、四国、北海道のいわゆる「3島会社」。だが、昨年上場を果たした九州と比べてもJR北の惨状は際立つ。直接の原因は、11年の石勝線トンネル内特急火災など頻発した事故。安全対策のため特急列車の減速減便などコストカットを余儀なくされ、鉄道の魅力はさらに失われた。
 工学院大学の曽根悟特任教授は、JR北は発足から10年くらいは「非常に頑張っていた」と言う。雪が降ったら「運転が怖い人が鉄道に乗ってくれる」と「雪ダイヤ」を組んで積極的な運行に努め、90年の札幌─旭川間130キロ運転や94年の札幌─函館間2時間59分運転など、札幌と各地を結ぶ特急の高速化も実現した。
 当時在籍していた60代のOB社員は、こう当時を振り返る。
「スキーブームもあって本州からどんどん客を呼ぼうという意識が高かった。東京駅に営業所もつくるなど頑張っていました」
 だが、その頑張りも十分ではなかった。OB社員は言う。
「各自治体との連携や、地元の観光需要を掘り起こす動きが全社的にならなかった」
 足元の安全確保や需要喚起といった動きが鈍いまま、低金利時代が襲ってきた。もともと経営難が予測されてきた3島会社は分割民営化時に国から「経営安定基金」(JR北は6822億円)を与えられ、その運用益で赤字を埋める仕組みだった。だが、低金利時代に突入して運用益は目減り。当初の金利水準に比べ、トータルで約4千億円減少したと推測されている。かといって、取り崩しもできない。
 曽根氏は、同じ苦境に立たされた四国と北海道の違いがここで表れたと言う。四国は苦しい状況でも路盤改修に積極的に投資し、枕木をコンクリート製に切り替えて結果的に保守費を切り下げることに成功した。JR北は、その動きができなかった。
「四国、九州と違い鉄道システム全体が見通せる技術者が会社のトップにつかなかったため、技術革新の姿勢が次第に失われたのです」(曽根氏)
●国の支援体制が不十分
 この苦境を招いたことをJR北だけの責任にするのは間違いだ。鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、「国がJR北海道を支援する仕組みが整っていないのが最大の問題」と指摘する。
 JR北は民営化当時に比べて赤字線区を切り、利用客も増えている。だが運賃値上げをしたくても、国の指針により他のJR旅客会社とコストを比較して運賃を決める「ヤードスティック方式」を採用しているため自由に運賃が値上げできない。そのため正社員数を発足当時の1万3千人から7千人(16年)まで減らすなど、コストカットを強力に進めざるを得なかった。一連の事故もその流れの中にあると梅原さんは指摘する。
 北海道内を走るJR貨物から十分な収益を得られなかったことも、JR北にはダメージだった。JR貨物も経営環境が厳しく、貨物列車が走ることによるレール摩耗分などの上乗せ経費分だけの「アボイダブルコスト」のみを払う仕組みになっている。北海道大学の石井吉春特任教授(社会政策)は、「北海道内では旅客に対する貨物の割合が極めて高く、本来JR貨物が払うべき費用負担をJR北が肩代わりしているため赤字解消が進まない」と分析する。石井特任教授は、JR北海道が貨物から得られていない線路使用料は年150億~200億円程度と推測する。経営安定基金の運用益の大半を食いつぶす計算だ。
 JR貨物は17年3月期に鉄道事業が初めて黒字化する見通し。好調ぶりについて、同社は、
「国内総貨物量は減少しているが、トラックドライバー不足や環境問題を背景に、鉄道による貨物輸送量は増えている」
 と分析する。黒字化でアボイダブルコストのあり方も今後問われることになるだろう。
●無料道路との競争に
 北海道の苦境は国の交通政策に遠因があると語るのは、関西大学の宇都宮浄人教授だ。JR発足後も次々と高規格道路を開業させ、特にJR留萌線と並行する深川留萌自動車道、JR日高線と並行する日高自動車道(それぞれ一部)など国交省北海道開発局が開発する高規格道路は無料開放されている。
「これはイコールフッティング(平等な競争条件)ではない。道路と鉄道にかける予算の配分の適正化を国や自治体は考えるべきです」(宇都宮教授)
 高規格道路はそもそも、道内の自治体が求めてきた構図があると石井特任教授は指摘する。
「その結果、鉄道が苦境に陥った。今回維持困難とされた線区の地元自治体の首長は、自分たちがどう公共交通を維持していくか考えないといけません」
 日高線沿線にある新ひだか町の酒井芳秀町長は、レール上も道路も走れるバス「DMV」を日高線に導入すべきだと主張する。だが、「日高の公共交通を考える有志の会」を主宰する新ひだか町の高橋幸二さん(50)は、「DMVはメリットを感じられないし、鉄道にこだわっていては理想の公共交通は生まれない。そもそもの原因は鉄道による街づくりを行政が怠ってきたことだ」と厳しく批判する。国もJRグループも自治体も、問題をなあなあで先送りし、JR北の苦境をつくってきたのだ。
●インフラは国が責任を
 打開策はあり得るのか。観光情報サイト「タビリス」の鎌倉淳さんは、北海道にはポテンシャルの高さがあると言う。
「インバウンド客が集まっており、しかも団体客から個人客にシフトしつつあるため列車移動の需要は高い。今年2月に乗車した富良野線は外国人観光客でいっぱいで、高い運賃を設定するといいのではないでしょうか」
 もう一つの方策は、北海道新幹線の高速運転化だ。現在、整備新幹線部分の最高時速は法律で最高260キロと決められている。法律を変え360キロ運転を実現すれば30年度に札幌まで延伸予定の北海道新幹線は東京─札幌間が4時間を切る可能性があり、「航空機との競争で優位に立てる」(鎌倉さん)
 もっとも、老朽化した鉄路の改修や整備点検はこれからもJR北の経営を圧迫し続ける。宇都宮教授はJR北が主張する通り、インフラ部分を国や自治体が保有する「上下分離方式」が望ましいと主張する。
「本来、鉄道は道路同様、社会インフラとして国や自治体が地域全体の社会的な利益を考え、その土台を支えるべきもの。欧州で浸透しているこの考え方を、JR北海道の問題を機に日本でも広げていくべきです」
 JR北の経営好転の切り札になるかもしれない新幹線。そんな新幹線を渇望しているのが、四国だ。新幹線誘致の旗振りを務める「四国の鉄道高速化連絡会」は誘致の理由について、「人口減少対策のための基盤として、全国の新幹線ネットワークと結ぶことが不可欠」と説明する。一方、整備新幹線を地元にもつ青森大学の櫛引素夫教授(地理学、新幹線論)は、こう警鐘を鳴らすのだ。
「青森では在来線沿線の三沢市や野辺地町などが特急停車駅でなくなり、新幹線ができて利便性が低下して不満が根強く残りました。誰が得をし、誰が損をするかを検討しないまま建設促進論だけが強調されれば、地域に混乱を招く可能性もあります」
(編集部・福井洋平)

////////////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : JR30年 国鉄解体 石破 地方創生 リニア 東京一極集中 鉄道

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン