2017-04-15(Sat)

ユナイテッド航空 乗客引きずり降ろす

航空業界 オーバーブッキング擁護  批判広がる 効率偏重のツケ

◇ユナイテッド航空 定員超過で乗客引きずり降ろす
----アメリカ中西部シカゴの空港で、離陸前のユナイテッド航空機が定員を超えたとして、機内から乗客の1人が無理やり引きずり降ろされる映像がインターネット上に投稿され、大手航空会社の手荒な対応に批判が高まっています。
(NHK 4月11日 18時04分)


◇航空業界が過剰予約を擁護、ユナイテッド問題受け
----ユナイテッド(United)航空問題を受け、航空各社は、定数以上の座席を販売することで航空券の値上がりを抑えることができるとし、オーバーブッキングを擁護している。
(ロイター 2017年04月14日 16時42分)


◇ユナイテッド航空への批判広がる 乗客対応、効率偏重のツケ
----オーバーブッキング(過剰予約)によって乗客を引きずり下ろした問題で、米ユナイテッド航空が揺れている。強制退去時の映像が世界中に拡散され、批判の声は米国外にも広がっている。効率的な運航をより重視する姿勢が問題の背後に潜んでいる。
(日本経済新聞 2017/4/12 23:34)




以下引用


[ロイター]2017年04月14日 16時42分 更新
航空業界が過剰予約を擁護、ユナイテッド問題受け
ユナイテッド(United)航空問題を受け、航空各社は、定数以上の座席を販売することで航空券の値上がりを抑えることができるとし、オーバーブッキングを擁護している。
[ベルリン 14日 ロイター] - オーバーブッキング(過剰予約)となった機内から乗客を引きずり下ろした問題で米ユナイテッド航空への批判が高まる中、航空各社は、定数以上の座席を販売することで航空券の値上がりを抑えることができるとし、オーバーブッキングを擁護している。
空席を回避するために航空会社が定員数以上の航空券を販売するオーバーブッキングは航空業界の慣行だ。ただ、今回の問題を受けて米議会では、より厳格な規定を求める声が一部から上がっている。
一方、航空会社は、定員数以上の席数を販売することで空席リスクを減らし、コストを抑え、航空券の値段も安く抑えることが出来ると主張している。
国際航空運送協会(IATA)は13日付の新聞で「もしオーバーブッキングが認められなくなれば、空席により発生したコストを顧客が負担することになり、航空券代は値上がりするだろう」と主張。
オーバーブッキングの慣行が認められなくなれば、既に低い航空業界の利益率はさらに下がり、フライト間の接続も悪くなると説明した。
搭乗客が定員を超えた場合、航空会社は、補償金を受け取る代わりに搭乗を断念してくれる乗客を募る。希望者が十分集まらなければ、別の便に乗り換えてもらう乗客を選ぶ。
米国では、オーバーブッキングのために予定していた便に搭乗できなかった乗客が2016年は約47万5000人いた。これは搭乗者全体の0.07%。その中で、本人の意思に反して搭乗できなかった乗客は約4万人。米運輸省によると搭乗拒否された人の割合は、1995年の統計開始以降で最低水準だった。
デルタ航空のエド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は12日、2016年に搭乗拒否された乗客の割合は10万人中わずか1人程度だったと説明し、オーバーブッキングを擁護した。


NHK 4月11日 18時04分
ユナイテッド航空 定員超過で乗客引きずり降ろす
アメリカ中西部シカゴの空港で、離陸前のユナイテッド航空機が定員を超えたとして、機内から乗客の1人が無理やり引きずり降ろされる映像がインターネット上に投稿され、大手航空会社の手荒な対応に批判が高まっています。
アメリカ中西部シカゴにあるオヘア国際空港で、9日夜、離陸を前にしたユナイテッド航空の国内線の航空機が、定員を超えていることがわかったとして、航空会社側がすでに搭乗していた乗客たちの中から、ホテルの宿泊代などを支払う代わりに、別の便への振り替えに応じてくれる人を募りました。
 しかし、誰も応じなかったことから、会社側が4人の乗客を任意に選んで、航空機から降りるよう求めたところ、男性1人が拒んだため、航空当局の保安担当者を呼んで、無理やり引きずり降ろしました。
 別の乗客が撮影して、インターネット上に投稿した機内の映像には、乗客の男性が大声で叫んで抵抗する中、保安担当者が男性の両腕をつかんで、通路を引きずっていく様子が映っていて、周りの乗客たちからも「ひどい」などと批判の声が上がっています。
 アメリカのメディアは、ユナイテッド航空の広報担当者の話として、当日はスケジュールの乱れから、この航空機で4人の乗員を、ほかの空港に移動させることになり、定員超えになったと伝えていて、大手航空会社のずさんで手荒な対応に、批判が高まっています。
ユナイテッド航空CEO「おわびする」
 この問題について、ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOは10日、ツイッターで声明を発表し、「今回の件について、ユナイテッド航空の全員が困惑し動揺しています。乗客を振り替えなくてはならなくなったことを、おわびします。速やかに当局と協力し、事実関係を詳細に調査します。問題を話し合いで解決するため、乗客の男性と直接連絡を取っています」としています。
航空当局 保安担当者の1人を処分
シカゴの航空当局は、調査に乗り出す考えを示したうえで、男性に対応した保安担当者の1人について、「定められた手順に従っておらず、容認できない」として、調査が終わるまでの間、停職処分にしたことを明らかにしました。
日本の航空会社の対応は
日本航空や、全日空によりますと、国内線の運航では直前のキャンセルを見越して、一部の便で定員を若干上回る予約を受け付けることがありますが、キャンセルが予想より少なく、結果的に予約が定員を上回る場合は、別の便への振り替えを案内しているということです。
 こうした場合、定員を上回る搭乗がないよう搭乗口の前などで乗客に対し、協力金の支払いやマイルの提供などを説明して、便の振り替えが確実に行われるようにしているということです。
 航空会社は「乗客の同意なしに別の便に振り替えることはなく、無理やり、機内から降ろすようなケースは考えられない」と話しています。

NHK 4月12日 5時57分
乗客強制降機のユナイテッド航空に怒りの声高まる
アメリカ・シカゴの空港を離陸する前のユナイテッド航空機で定員を超えたことを理由に機内から乗客の1人が無理やり引きずり下ろされ、その様子を写した映像が広まり対応に批判が集まる中、インターネット上では、ユナイテッド航空をボイコットしようなどという怒りの声が高まっています。
ユナイテッド航空をめぐってはアメリカ・シカゴにあるオヘア国際空港で9日、離陸前の国内線の航空機に搭乗していた男性1人が定員を超えていることを理由に保安担当者に無理やり引きずり下ろされ、その様子を写した映像がインターネット上に広まり、批判が集まっています。
 これを受けて、インターネット上では「ユナイテッド航空をボイコットしよう」というツイートの投稿が相次いでいて「恥ずべき行為だ。二度と乗らない」とか、「最高経営責任者も引きずり下ろされるべきだ」といった怒りの声が多く挙がっています。
 一方、引きずり下ろされた男性の地元の新聞は、男性はベトナム出身だと伝えていますが、政府に対する請願への署名を集めることができるホワイトハウスのホームページには中国人への差別だと訴える人が当局による捜査を求め、署名が8万件以上集まっています。
CEOが男性に謝罪
この問題についてユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOは11日、声明を出し「強制的に機内から降ろした男性とすべての乗客に深くおわびします。搭乗員のふるまいや定員を超えた場合の対応のしかたなどを徹底的に見直し、二度と繰り返さないことを約束します」として謝罪しました。
 ムニョスCEOが前日に出した声明では、乗客を振り替えなければならなかったことを陳謝したものの、男性に対しての謝罪はありませんでした。
 こうした騒動の中、11日のニューヨーク株式市場では乗客の扱いやその後の対応のまずさが業績にも影響を及ぼすという見方からユナイテッド航空の株価は一時、前日よりも4%以上値下がりする場面がありました。


日本経済新聞 2017/4/12 9:03 (2017/4/12 12:16更新)
ユナイテッドCEO、乗客対応で2度目の謝罪
 【ニューヨーク=稲井創一】米航空大手ユナイテッド航空がオーバーブッキング(過剰予約)となった機内から乗客を強制的に引きずり降ろした問題で、同社のオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)が11日、2度目の謝罪の声明を出した。動画が交流サイト(SNS)などを通じて世界中に拡散され批判が殺到していた。頻発しているオーバーブッキングにも注目が集まりそうだ。
 ムニョス氏は「起こった事態について本当に申し訳なく思っている。こうした誤ったやり方で扱われる人がいてはならない」などとコメントし、謝罪の意を表明した。現場での係員の対応などについて詳しく調査して30日までにその内容を公表する考えも示した。
 オーバーブッキングは9日夜に、シカゴ空港からケンタッキー州ルイビルに向かう便で発生した。任意に選ばれた4人のうち座席放棄を拒否した男性を航空治安当局の係官が強制的に引きずり降ろした。
 今回のオーバーブッキングはユナイテッド航空の4人の従業員を他の空港に移動させるために発生したという。こうしたユナイテッド航空の「顧客軽視」ともとられかねない経営姿勢が批判に拍車をかけた面もある。
 米航空会社ではオーバーブッキングが頻発している。利益を最大化するため、できるだけ席を埋め航空券の安値販売を防ぐためだ。オーバーブッキングが発生した際は、航空会社がバウチャー(商品券)を発行して、自主的に乗客が別の便に移るケースが多い。一方、国内では事前に調整するため今回のような事態にはならないという。




日本経済新聞 2017/4/12 23:34
ユナイテッド航空への批判広がる 乗客対応、効率偏重のツケ
 【ニューヨーク=稲井創一】オーバーブッキング(過剰予約)によって乗客を引きずり下ろした問題で、米ユナイテッド航空が揺れている。強制退去時の映像が世界中に拡散され、批判の声は米国外にも広がっている。効率的な運航をより重視する姿勢が問題の背後に潜んでいる。
 「強制的に退去させられた乗客と全ての顧客に謝りたい」。11日の声明でオスカー・ムニョス最高経営責任者(CEO)はこう謝罪した。退去させられた乗客以外にも言及したのは中国での批判の高まりが念頭にあったとみられる。
 ロイター通信によると、中国の短文投稿サイトで強制退去の映像が4億8千万回以上再生されたという。折しも在韓米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を巡り、交流サイト(SNS)などを通じて中国では韓国製品の不買運動が広がっている。ユナイテッド便が敬遠されかねない状況で11日のユナイテッドの親会社株は一時、4%安と急落した。
 ユナイテッドの対応も批判に拍車をかけた。ムニョスCEOは従業員向けメールで強制退去させた乗客を「(降機を求められ)好戦的になっていった」と記した。オーバーブッキングが、急きょユナイテッドの社員4人を他の勤務地へ運んだために発生したこともわかっている。
 必要な搭乗断念者が集まらない場合は、米航空会社が任意で搭乗してもらわない乗客を選ぶ。抵抗した乗客に対しては航空治安当局者が強制連行できる規定を米各社は導入している。通常は航空会社が発行するバウチャー(商品券)を受け取って、乗客が自主的に搭乗をやめるケースが多い。米運輸省によると本人の意思に反して搭乗できなかった乗客が2016年は4万629人に上る。
 格安航空会社(LCC)などとの競争が激しさを増す中、世界の航空各社は機材小型化などで席を埋めて安値販売を避け、利益を最大化する戦略をとっている。テロによる旅客激減や燃料費アップなどの苦境期に、空席を減らすことの重要さを再認識したからだ。
 オーバーブッキングの手法は世界共通で、日本でも各社が過去の売れ行きなどを解析して定員に数%上乗せした席数を販売し、フライト当日を迎えることもある。定員を超えた場合、国内線では現金1万~2万円やマイルを支払い便振り替えの協力者を募っている。


東洋経済オンライン 2017年04月15日
ユナイテッド航空の「惨劇」はなぜ起きたのか
「個人指名の搭乗拒否」は米国では当たり前
米航空大手、ユナイテッド航空の「炎上」が止まらない。米国国内線での不祥事が今週、インターネット上を駆け巡った。事態の鎮火には時間がかかりそうだ。
事が起こったのは、米国東部時間4月9日夜、シカゴ発ルイビル(ケンタッキー州)行きの短距離運航便だ。午後5時40分の定刻出発に向け、乗客の搭乗が完了した後、業務上の理由で乗務員4人が同便でルイビルに向かわなければならない事が判明。事実上の「オーバーブッキング(過剰予約)」となり、乗客が4人、飛行機を降りなければならなくなった。
米メディアによれば、ユナイテッド側は降機に協力する乗客に対して協力金400ドルを、さらに振り替え便が翌日の午後3時発となるため、ホテルの宿泊代も支払うことを提案した。だが、手を挙げる客が現われず、補償金を800ドルに積み増した。それでも協力者が出てこなかったため、4人の客の指名に踏み切ったという。
「強制引きずり下ろし」の衝撃
指名した4人のうち、3人は飛行機を降りることを承諾した。だが最後の一人、ケンタッキー州在住で医師のデイビッド・ダオ氏は、「翌日にケンタッキーの病院で患者を診なければならない」として降機を拒んだ。その後、シカゴ航空局の保安係官が呼ばれ、ダオ氏は席から強制的に離され、通路を引きずられ、飛行機から出されることとなった。その際に座席の肘掛けに顔を強打したダオ氏は鼻を骨折し、前歯を折ったという。
一連の状況を複数の乗客がスマートフォンで撮影し、ツイッターなどのSNSに投稿。瞬く間に世界中に拡散し、「ユナイテッドにはもう乗らない」などという書き込みで埋め尽くされた。日米路線でユナイテッドと共同運航を行う全日本空輸(ANA)にも顧客から懸念の声が寄せられており、「随時ユナイテッドには問い合わせ内容を伝えている」(広報)という。
なぜ保安係官を呼ばなければならなかったのか。ユナイテッドの広報担当者は「(ダオ氏には)なかなか納得してもらえず、だんだんと声を荒げ、乗務員の指示にも従わなくなってきた。乗務員の拘束時間が規則で決まっており、フライト自体がキャンセルになる可能性も出てきた。時間が迫ってきたため、やむなく保安係官にサポートを依頼した。彼らも説得を試みたが納得してもらえず、動画のような形になってしまった」と説明する。
ユナイテッドの運送約款(航空券を購入した客に適用される規定)によれば、会社側には、安全性が脅かされるなどの場合に乗客を航空機から退出させる権利がある。だが保安係官を呼ぶのが適切だったかどうかは不明だ。
→次ページ何が一番いけなかったのか
シカゴ航空局は11日、「日曜日(9日)の事件は標準の手続きの範囲を超えており、こうした行為を許すことは出来ない」として、飛行機に乗り込んだ係官のうち1人を停職処分にしたと発表。13日には処分にもう2人が追加され、強制降機にかかわった係官3人すべてが停職となった。米運輸省も調査に乗り出している。
このような事態となった背景について、日本航空(JAL)出身で運航実務に詳しい紀和夫・航空経営研究所事務局長は「そもそも社員が急に搭乗しなければならなくなったことがおかしい。4人もまとめて、というのは前もって予測できたはず」と指摘する。そして「乗客がすべて搭乗した後に、他便への振り替えをお願いしたのが1番の問題だ」と断ずる。
航空会社は客を指名して搭乗拒否できる
オーバーブッキングが発生した際は、基本的には搭乗前に他便への振り替えに応じてくれる乗客を探す。自主的に応じてくれる人がいないと、米国では航空会社が指名することができる。これは米国連邦航空規定で定められている法的な権利だ。同規定では会社が定めた搭乗の優先順位に基づいて指名し、指名された客の意思に反していても搭乗を拒否できるとしている。
ユナイテッドのオスカー・ムニョスCEOは12日、米ABCテレビに出演。今回の騒動後、初めてメディアの取材に応じ、「(搭乗拒否となった客に対する)補償金制度は、これまでは機能していた。しかし今回のようにいったん機内に入り、荷物を収納した後の場合は、制度を変えなければならない」と反省の弁を口にした。事件に関しては、「運賃を支払い、われわれの機内で、われわれの座席に座っていた客は、誰であろうとあのような扱いを受けてはならない」と弁明した。
(写真:ユナイテッド航空)ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOは、事件直後の声明で、暴力を受けた乗客への謝罪がなく批判を浴びた
連邦航空規定は、意思に反して指名された客に対する補償金についても定めている。便の振り替えによる最終目的地の到着時間の遅れが1時間以内では支払われない。1時間以上2時間未満(国際線は1時間以上4時間未満)の場合は片道運賃の2倍(675ドルが上限)、2時間以上(国際線は4時間以上)の場合は片道運賃の4倍(1350ドルが上限)となる。
一方で、搭乗の優先順位の決め方は各社に委ねられており、違いが鮮明だ。デルタ航空は搭乗クラスやマイレージプログラムのランク、搭乗券が発行済みか否かなどによって、明確な順位づけがなされている。
アメリカン航空は「通常はチェックイン時刻に基づく」。つまりチェックインの早かった人から優先的に搭乗させる方針だ。そしてユナイテッドはさまざまな要素に基づいて総合的に決めるとしており、他の2社ほどはっきりとしない。今回の件で4人が選ばれた理由も明らかでない。
→次ページ搭乗拒否の多いエアラインは
国際線ではファースト、ビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーといった複数のクラスがある。オーバーブッキングになってもクラスのアップグレードなどで対応できるため、他便への振り替えは少ない。ただ国内線は飛行機が小型になり、乗れなくなる客が実際に出てくる。

米運輸省によれば、このような意思に反する搭乗拒否者の数は2016年、米国国内線で4万人超だった。単純計算で1日当たり約111人である。最も多かったのはLCC(格安航空会社)のパイオニア、サウスウエスト航空。次にアメリカン、そしてユナイテッドが続く。これは運航規模と比例するため、1万人当たりの割合で見ると、最も多かったのはユナイテッドが契約する地域航空会社のエクスプレスジェット航空だった。
日本の航空会社は客の意思を尊重
一方、JALやANAなど日本の航空会社は「乗客の意思に反する搭乗拒否」はしない方針だ。指名するための優先順位付けなどについて、国が定める規定もない。「オーバーブッキング時には早めにお客様から協力者を募り、粘り強くお願いしている」(ANA広報)。
国内航空会社の多くは、他便への振り替えに応じてくれた乗客には、振り替え便の日時が当日の場合は協力金として1万円(マイルで希望する人には7500マイル)、翌日以降の場合は協力金2万円(同1万5000マイル)と宿泊費などを支払う。
国土交通省が公表している国内線でのオーバーブッキングの状況を見ると、最新の2016年4~9月では、ANAが不足座席数で最も多い。一方、1万人当たりの割合ではスターフライヤーが最多となった。

オーバーブッキングは航空業界の商習慣ともいえる。
JALやANAは自社のウェブサイトで「予約を持っていてもさまざまな都合により空港に来られない乗客もいる。空席になってしまうと想定される座席を、実際に利用を希望する乗客に提供するため、一部の便で座席定数よりも多くの予約を受けている」と説明している。できるだけ空席を避けたい航空会社側の事情もあるとみられる。
米国議会では航空会社がオーバーブッキングをしにくくするよう法整備を求める声が出始めている。ユナイテッドは今回の事件における乗務員の対応、振り替え便に応じる協力客への補償金制度、オーバーブッキングへの対応、空港当局との連携の仕方などについて「徹底した調査」を行い、4月30日までに結果を公表する予定だ。
真実がわかっても、ユナイテッドが失った信用は戻ってこない。事業への影響も避けがたい状況だ。乱気流はしばらく止みそうもない。


Techinsight4月14日(金)21時0分
またしてもユナイテッド航空 障がいを持つ94歳女性をビジネスクラスからエコノミーに移動させる
ユナイテッド航空、ビジネスクラスから高齢女性をエコノミーに移動させる(出典:https://www.facebook.com/marianne777)
病と障がいを抱える祖母にとって恐らく最後の旅となるであろうと思った家族は、祖母が少しでも快適な空の旅を過ごせるようにとビジネスクラスの航空券を購入した。ところが帰りの便でユナイテッド航空のCA(客室乗務員)から強制的にエコノミー席へ移動させられるという事態が起こり、家族は怒りを露わにしている。乗客に対して相次ぐ不誠実な対応を見せる同航空に「ユナイテッド航空はもう運航停止にすべき」との声もあがっているようだ。
 つい先月、レギンスをはいた10歳少女の搭乗を拒否したことが報じられたばかりにもかかわらず、今月にはオーバーブッキングとなった医師を座席から力ずくで引きずり下ろすなどして世間の怒りを買い、なにかと問題視されているユナイテッド航空。その同航空がまたも搭乗客を不快にさせる事態を起こしていたことが明らかになった。
 英紙『Mirror』など複数メディアは、マリアン・サントス=アギラールさんという女性が3月1日に投稿したFacebookの詳細とともに機内で起こった出来事を伝えている。
 マリアンさんによると、オーストラリア・メルボルン在住の祖母パズ・オルクイーザさん(94歳)が深刻な関節炎と首に退行性骨疾患を抱えていることから、飛行中を少しでも快適に過ごせるように3600ドル(約39万円)のビジネスクラスのエアチケットを家族で出し合って購入したという。
 メルボルンから米ロサンゼルスまでの飛行中は、CAが行き届いたサービスをしてくれたおかげで何の問題もなかったが、帰路の機内でパズさんは耐え難い苦痛を強いられた。
 16時間という長旅のために家族が配慮して祖母に与えたビジネスクラスの座席であったが、なにぶん94歳で疾患を抱えているためにどうしても祖母の世話をする必要がある。そこでエコノミークラスの座席を購入していたパズさんの娘ローズさんが、行きの便と同じようにビジネスクラス担当のCAに「飛行中、母の手助けをしてもいいか」と訊ねた。それは運ばれた機内食の蓋を開けたり座席を倒したりする程度の介助だったが、ショーナというCAはそのリクエストを拒否した。
 そこでローズさんが「では、あなたが代わりにしてくれるのか」と聞くとCAはそれも拒否したという。そして「この乗客が、あなたの介助を必要とするのであればエコノミークラスに移動させるか、あなたが別の便でビジネスクラスを購入して一緒に座るかどちらかだ」と言われ、ローズさんはあまりにも無慈悲なその対応にショックを受けた。
 そして選択の余地がなかったローズさんは、泣く泣く母親をエコノミークラスに移動させたそうだ。しかし健常者にとっても長旅となると窮屈なエコノミークラスの座席に、障がいを持つパズさんが座り続けることは苦痛でしかなかった。
 飛行機がメルボルンに到着する頃にはパズさんの両脚は腫れあがり、体のあちこちに痛みを訴え、持病を抱えていた首にも耐え難いほどの痛みが襲っていたという。マリアンさんは自身のFacebookで「普段は寝たきりになっていることがほとんど」だという祖母への思いやりが差別という形で拒否されたことに怒りを露わにし、起こった出来事のシェアを求めた。
 「ユナイテッド航空は恥を知るべきです。障がい者やお年寄りに差別をすることは“航空アクセス法”に違反しています。今後、私の祖母のような目に遭う人が出ないためにもこの出来事をできるだけ多くの人にシェアしてもらいたいと思っています。」
 家族が、生涯最後となるであろう祖母の旅にと購入したビジネスクラスでの旅。しかしそれは、パズさんや家族にとっても最悪の思い出となってしまった。しかもパズさんのビジネスクラスの座席には、アップグレードを希望した別の搭乗客が移動したということをローズさんは他の乗客から聞かされた。
 その後、事態を知ったユナイテッド航空側はパズさんに500ドル(約55,000円)の旅行券を送付した。だがマリアンさんは「今後使う予定はありません」と話している。また現在、マリアンさんら家族がパズさんのために支払った3,600ドル分のエアチケットのうち、860ドル(約9万3000円)のみの返金手続きが進められている最中だそうだ。
 なにかとトラブルが絶えず、断続的に世間の反感を買うような出来事をユナイテッド航空が起こしている事実に対し、世間からは「こんな航空会社訴えろ」「本当に運行を廃止にすればいい」「良心的な航空会社とは決していえない」「みんなで搭乗をボイコットすべき」といった批判が相次いでいる。


ダイヤモンドオンライン 2017.4.14
ユナイテッド「乗客流血事件」が物語る航空業界の死角
鈴木貴博:百年コンサルティング代表
ユナイテッド航空が降機を拒否した乗客を機内から引きずり出し、流血させた事件は、同社自身や株主に多大な損害を与えた。なぜこんなことが起きたのか(写真はイメージです)
ユナイテッド航空「乗客流血事件」を
招いた、信じがたい3つのミス
 今週、世界を一番騒がせたビジネス関連のニュースは、ユナイテッド航空の乗客が血まみれで機内から引きずりだされた事件だろう。この記事を書いている時点では、まだ情報は限られていて細部はわかっていない。一方で、航空業界のコンサルティングを多く経験した立場からニュース以上にわかる部分もある。今回はその「わかる部分」を解説しよう。
 この事件は3つのミスが重なって大事件になってしまった。結果はとにかくひどいものだった。
 シカゴ発ルイビル行きのユナイテッド航空3411便は、乗客を一旦機内に案内し満席になった後で、さらに4人の従業員を乗せなければいけないことが判明した。これが第一のミス。
 航空機で乗れる人数よりも多くの予約をとってしまうオーバーブッキングは頻繁に起きるが、通常は搭乗前に振り替えの処理をするので大きな騒ぎは起きない。乗客が乗り込んでしまった後の満席のフライトで、さらに4人の乗員を後から乗せなければならないことに気づいたというのは、明らかなオペレーションミスだ。
 第二のミスは、降りてもらう乗客を募集するにあたって通常の手続きを踏まなかったと言われていることだ。代わりの便に乗ってもらうために、通常は400ドルのクーポンから始めて、誰も応じなければ金額を上げて800ドル、その次は1350ドル(約15万円)まで補償金を上げて自主的に降りてくれる乗客を探す。ところが現場のマネジャーは、なぜか途中の段階までしか金額を上げず、申し出る乗客がいなかったため抽選で降りる客を決めるとアナウンスした。
15万円をしぶったために株主に与えた1100億円もの損失
 これは経験則だが、インセンティブを上限まで上げていれば、他の乗客が降りると申し出る可能性は十分あったと思う。逆に降りるのを拒否したのは、翌日に診療を控えていた医師だった。どのような勤務事情かは現時点ではわからないが、仮にその人が開業医で、月曜日の診察だけで2000ドルの仕事が予定されていたのであれば、飛行機を降りると損害の方が大きい。なぜ中途半端な補償金に止めて逸失利益の大きい人を降ろそうとしたのか。現場のマネジャーが通常の手順を踏んでいたとは思えない。
 そして第三のミスだが、話がつかなかったため、治安当局を呼び入れた際に不適格な担当者が混じっていたことだ。治安当局はユナイテッド航空の職員ではなく、空港の警察官である。シカゴは全米有数の犯罪都市であり、当局には手荒な担当官が少なくない。
 担当官はユナイテッド航空の株価などには関心がないので、黙々と乗客を排除しようとしたようだ。目撃者によれば、3人いた保安員のうちの2人は穏やかに対応をしていたが、残る1人の職員は最初からけんか腰で、暴力的に顧客を排除した結果注意を受け、現在は休職処分を受けている。
 こうして起きた惨事により、血まみれになって通路を引きずり出されていく乗客の映像は、瞬く間にSNSを通じて世界を駆け巡った。この段階で不祥事としてアウトなのだが、ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOが第四のミスを犯す。
 従業員宛てのメールで、「従業員は規定通りの対応をした」と伝えた上で乗客が抵抗したことで問題を増幅させたと書いたのだ。従業員宛てのメールはそのまま地元メディアの知るところとなり、このことも瞬く間に世界に向けて報道された。
15万円をしぶったために
株主に与えた1100億円もの損失
 騒ぎはさらに大きくなり、全米の消費者が「ユナイテッド航空には乗りたくない」という反応を示し、ユナイテッドの株価は翌日最大で1100億円も下がった。これは株主が今回の事件で被った直接の被害額である。
 経験則で言えば、今回の被害者への賠償金も安くて数千万円、高ければ1億円前後はかかることになるだろう。売上の減少はおそらく数百億円以上の規模。株主から見れば、最初から15万円の補償金で降りてくれる人を探してくれていれば起きなかった大損害である。
 では、なぜこんなことが起きてしまうのか。これも「細部の情報はわからない段階での話」という断りをした上で、航空業界の状況からそれが起きてしまうメカニズムについて要点を挙げてみたい。
 まず現場サイドの問題だが、とにかく極限まで乗客を詰め込むことが航空産業の常態になっている。30年前なら航空機の搭乗率は70%が平均だったところが、現在はほぼどの便も満席で運行されている。
ITの進化で飛行機は常にオーバーブッキング
 これはITの進化の成果なのだが、ダイナミックプライシング(動的価格設定)という仕組みで、要するに空席が出ないようにインターネットなどで航空券の投げ売りをする仕組みが進化した結果、最後の席まできちんと埋まるようになってきたのだ。その予約数はキャンセル分を予めAIで予測して、空港で空席待ちをしている人たちを最後に詰め込むことで、最終的な辻褄を合わせている。
 このような実情があるから、搭乗ゲートでは昔と違い、常にオーバーブッキングをさばかなければいけない状況になっている。今回のような問題が起きる確率は、以前よりもずっと高まっているのだ。
ITの進化で飛行機は
常にオーバーブッキング
 今回の報道の中で、抽選で降りる人を選んだにもかかわらず「降りる人が全員アジア人だった」ことが差別ではないかという指摘もあった。
 たぶん、この推測は少し実態とは違っている。抽選で降りる人を選ぶ場合、安い航空券を持っている人の中から選ぶのだ。航空券はファースト、ビジネス、エコノミーの3種類しかないと我々は思いがちだが、価格や利用条件の違いで(航空会社によって異なるが)、実は全部で23種類くらいの航空券がある。
 その中で降りる抽選に当たる確率が多いのは、安い航空券を買った人が中心になる。昔で言えば、このような場合、所得が低い層が選ばれることになった。そう考えると、黒人やヒスパニック、アジア人が選ばれる確率が高くなるのは当然だったのだが、最近は少し事情が違う。
 ネットやスマホの普及で、最近では富裕層も格安な航空券を発見して購入するようになってきた。だから今回のように、医師が抽選で当たってしまい、目的地に到着できなかった場合の逸失利益が大きすぎて、降機に抵抗するというような事態が起きる。安い航空券を持っていた人が電話で弁護士に連絡をとろうとするような事態は、航空会社がマニュアルをつくった際には想定していなかったのかもしれない。
 おそらく抽選でアジア人に差別があったのではなく、我々アジア人は、他のおっとりしたアメリカ市民よりも経済的な航空券を見つけるのが上手だという傾向があるからというのが、今回の事態の背景にあるのだと私は思う。
従業員を向かざるを得ないユナイテッドの社内事情
さて、一歩引いてみると、会社のあらゆる現場では、以前よりもはるかに収益向上のプレッシャーが大きい。より少ない人数でより機械的に乗客をさばいていかないと、航空会社の経営は成り立たない。結果、現場のマネジャーに対する収益プレッシャーも、以前より強まっている。
 真相はこれから解明されていくと思われるが、ユナイテッド航空が乗客を4人下ろしてまで従業員4人をルイビルに送らなければならなかった背景には、おそらくオペレーションコスト上の理由があったはずだ。
 降りる乗客に対する補償金が少なかったのも、現場のマネジャーがそうしたかった何らかの理由があるに違いない。そして大概のケースでは、その理由は経営者や責任者が現場に利益を出すように求めた何らかの通達や指示が根拠になっている場合が多いはずだ。
CEOが従業員を向かざるを得ない
ユナイテッドの複雑な社内事情
 最後に、CEOはなぜ従業員の側を向いたメールを送ってしまったのか。ユナイテッド航空の取締役会では、昨年株主との間で内紛が起きている。現CEOはユナイテッドと合併したコンチネンタル航空出身だが、合併会社の中での微妙な政治的バランスの中で、リーダーシップをとるのに苦慮していることが推察される。
 中でも、旧ユナイテッド航空側の組織を経営するのは難しいはずだ。ユナイテッド航空は1990年代に経営破綻をして従業員が会社を買い取るという前例のない形での経営再建が行われた。この形態は2000年までに完了したのだが、その当時から経営が顧客ではなく従業員を向いていることの問題が指摘されていた。
 事件が起きた直後でまだ情報が少ない段階で、CEOが従業員に向けて、「従業員の皆さんが適切な対応をしていることを理解している」といった内容のメールを拙速に送るという状況を見るにつけ、CEOの地位が何らかのパワーバランスの中で従業員たちの支持を期待しなければ維持できない状況なのではないのかと、勘繰らせてしまう事件だった。
 今回のミスは、治安当局の暴力を除けば、すべてユナイテッド航空が「従業員ファースト」の企業であったがゆえに発生したミスだと私は考えている。その結果起きたことは、前代未聞の事件である。そしてそれが起きる背景には、業界常識的となっている複数の問題がからみ合っているものなのである。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

////////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン