2017-04-17(Mon)

大阪万博誘致 カジノで輝く未来は描けるか

カジノでいのち輝くか  内外にアピールできるか  巨額費用に見合う「意義」がない


<各紙社説>
読売新聞)大阪万博誘致 カジノで輝く未来は描けるか(4/13)
毎日新聞)大阪万博誘致を閣議了解 これでパリに勝てるのか(4/15)
東京新聞)大阪万博誘致 カジノでいのち輝くか(4/14)
京都新聞)万博の大阪誘致  説得力ある意義を示せ(4/14)
神戸新聞)大阪万博/内外にアピールできるか(4/12)
愛媛新聞)大阪万博誘致決 巨額費用に見合う「意義」がない(4/13)




以下引用



読売新聞 2017年04月13日 06時00分
社説:大阪万博誘致 カジノで輝く未来は描けるか


 万博を開催する意義やメリットを内外に丁寧に説明する必要がある。
 政府は、2025年の国際博覧会(万博)の大阪誘致を決定した。パリの博覧会国際事務局(BIE)に近く立候補を申請する。
 テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。持続可能な社会・経済システムや健やかな生き方が実感できる博覧会を目指す。
 ロボットや人工知能、仮想現実など、日本が得意とする科学技術を駆使して、「常識を超えた万博」を実現するという。その詳細な計画の策定はこれからだ。
 開催地は、BIE加盟の約170か国による投票で来秋に決まる。ライバルと目されるのは、7度目の万博開催に名乗りを上げたフランスだ。温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」の推進を念頭に置いた構想を進める。
 厳しい招致レースとなろう。日本としては、秋までにBIEに提出する立候補申請文書に、説得力のある開催計画を盛り込めるかどうかが、当面の課題となる。
 2度目となる大阪万博の構想は、大阪府の松井一郎知事と橋下徹前大阪市長が14年に打ち出した。20年東京五輪後の景気浮揚策を模索していた政府が、それに便乗する形で誘致決定に至った。
 政府は、3000万人の来場者を見込む。開催に伴う経済波及効果は1・9兆円に上るというが、過去の万博の実績などを基にした概算の域を出ない。
 肝心の開催資金の調達に関する議論も不十分である。
 会場建設だけで1250億円を要するとされる。政府と大阪府・大阪市、経済界で3等分することで合意しているが、企業には「見返りがなければ、資金は拠出できない」といった声が多い。
 財源の確保は、BIEにアピールする重要なポイントだ。特区制度の活用など、企業の投資意欲を喚起する仕組みを早急に検討する必要があるだろう。
 会場予定地の人工島「夢洲」の造成は、全体の4割しか完了していない。鉄道や道路整備などの関連事業費として、別に730億円以上が必要となる。これをどう工面するのかという問題もある。
 府と市が、万博の開催とセットで夢洲へのカジノ誘致を積極的に進めていることも見過ごせない。人類共通の課題を国際社会と共に考える万博の理念は、ギャンブルとは相容れない。
 府民には、カジノ開設に対する拒否反応が強い。このままでは、誘致の機運は盛り上がるまい。
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毎日新聞2017年4月15日 東京朝刊
社説:大阪万博誘致を閣議了解 これでパリに勝てるのか


 政府は2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致を閣議了解した。博覧会国際事務局(BIE)に近く立候補を申請する。
 東京一極集中が進み、関西経済の低迷が続く。20年東京五輪・パラリンピックやリニア中央新幹線東京-名古屋開業で取り残されるという不安もある中、万博による景気浮揚効果を期待する声は理解できる。
 しかし、経済活性化を追い求めるだけでは世界からの支持を集めることはできない。21世紀の万博に求められる理念を示し、説得力のある開催計画を策定する必要がある。
 国の有識者検討会は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする報告書をまとめ、人工知能(AI)やロボットなどを駆使した体験・交流型の万博を提言した。
 当初のテーマ案は「人類の健康・長寿への挑戦」だった。しかし、若者や途上国に関心を持ってもらおうと変更した。逆に抽象的で方向性があいまいになってしまった。
 報告書には「世界お笑いグランプリ」「仮想現実でゲームキャラクターと対面」といった事業例が示されている。地球規模の共通課題の解決策を考える万博にふさわしい事業と言えるのか疑問が残る。
 検討会は3回で終わった。議論が拙速だったと言わざるをえない。
 開発のめどが立たない大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)が会場で、建設費は約1250億円かかり、国と地元自治体、経済界の等分負担で合意した。
 しかし、経済界では資金確保のめどが立っていない。巨額の税金を出すことへの国民の理解を得たと言える状況でもない。
 夢洲ではさらにカジノを含む統合型リゾート(IR)の計画が進む。ギャンブル依存症が指摘されるカジノに慎重な意見は根強い。万博との並行事業とするには問題が多いが、議論はほとんどなかった。
 既に立候補したフランス・パリの開催テーマは「共有すべき知見、守るべき地球」だ。地球温暖化対策の枠組みとして合意したパリ協定を理念の中心に置いた。
 日本では誘致委員会が発足したばかりだ。パリとは厳しい競争が予想される。開発優先やカジノを見込んだ万博誘致では、国内外の共感を得ることはできないだろう。
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東京新聞 2017年4月14日
【社説】大阪万博誘致 カジノでいのち輝くか


 政府が二〇二五年国際博覧会(万博)の大阪誘致を決定した。開催地を決める来年秋に向け、誘致活動が本格化する。「オールジャパンで」というなら、開催への幅広い国民の理解が欠かせない。
 経済産業省がまとめた万博検討会の報告書によると、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとし、心身ともに健康な生き方や持続可能な社会・経済システムを考える博覧会を目指す。会場予定地は大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)。人工知能や仮想現実などの最新技術を駆使して「常識を超えた万博」を実現する、としている。
 パリの博覧会国際事務局(BIE)に二十四日にも立候補を届け出る。開催地は、一八年秋のBIE総会で加盟国の投票によって決まる。二五年万博には、すでにパリを主会場とするフランスが名乗りを上げており、ロシアにも立候補に向けた動きがある。
 今回の大阪万博構想は、大阪府の松井一郎知事と大阪市の橋下徹前市長が一四年に打ち出した。いわば、大阪都構想の是非を問う翌年の住民投票をにらんだ大阪維新の会の政策が出発点である。
 これまでの国内開催では、「人類の進歩と調和」の一九七〇年大阪万博や「自然の叡智(えいち)」の〇五年愛知万博が時代を先取りするテーマを掲げ、確かな遺産を残した。
 大阪府・市は、まちづくりの核として二度目の万博を狙い、大阪側が温めてきた構想に乗った政府も、二〇年東京五輪に続く経済成長の起爆剤と見込む。しかし、実現に向けた課題は多い。
 政府は来場者を三千万人と見込み、経済効果を一兆九千億円とはじくが、多額の開催費用は問題なく調達できるか。計画では千二百五十億円とされる会場建設費は国、大阪府・市、民間が三分の一ずつ負担することになっているが、地元経済界には「難しい」という消極的意見が少なくない。
 府と市が、同じ夢洲にカジノを含むIR(統合型リゾート)を誘致する青写真を描いていることも気掛かりだ。「心身ともに健康な生き方」を掲げる万博を、ギャンブル依存症の懸念が拭えぬカジノと同時並行で誘致することに国民の理解は得られるのか。
 改憲勢力である維新の会の協力を期待して首相官邸が大阪誘致にかじを切った、との見方もされる万博構想である。政府がいうように「オールジャパンの態勢で必勝を期す」には、開催の理念や意義をもっと丁寧に説明し、広く国民の理解を求める必要がある。
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[京都新聞 2017年04月14日掲載]
社説:万博の大阪誘致  説得力ある意義を示せ


 関西浮揚の起爆剤になるのか、一過性のイベントに終わるのか。内外からの集客が見込まれ、京都にとっても大きな関心事である。
 政府は2025年の国際博覧会(万博)の大阪誘致を閣議了解した。近く博覧会国際事務局(BIE)に正式に立候補を届け出る。
 約半世紀ぶりとなる大阪での万博開催は、松井一郎府知事(日本維新の会代表)らが強く働き掛けてきた。20年の東京五輪後の景気浮揚を図り、さらに憲法改正などでの協力を引き出す「一石二鳥」の手段として、安倍政権と大阪側の思惑が一致したといえる。
 計画では25年5月~11月の半年間、大阪北港の人工島・夢洲(ゆめしま)を会場に開く。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、人工知能(AI)や仮想現実、ロボットなどの最新技術を体験できる「常識を超えた万博」を目指す。
 日本の技術力を世界にアピールする狙いは分かる。が、なぜ祭典の色合いが濃い「万博」なのか。いまひとつ説得力を欠く。
 最大の課題は資金の確保だ。会場建設費1250億円は国、大阪府・市、経済界で分担するが、地元経済界からは「寄付が集まりそうにない」と、愛知万博(05年)のように公営ギャンブルの収益活用を求める声が漏れる。地元が及び腰では、巨額の税金投入に幅広い理解が得られるだろうか。
 会場への地下鉄延伸や道路整備には730億円以上かかると見込まれるが、財源のめどはない。東京五輪のように、後になって必要経費が膨張する恐れもある。
 大阪側は、カジノを含む統合型リゾート(IR)を23年ごろ夢洲で開業させ、万博との相乗効果を生む思惑だろう。しかし、カジノ解禁には世論の反対が強いうえ、仮に法律が整備されても大阪が選定されるかは不透明だ。
 万博後の広大な土地の活用策も白紙だ。人口減と高齢化が進むなか、都市の再開発は人口回帰が進む都心部が主流になっている。海に突出し、大阪都心から遠い夢洲だけに再開発は容易ではあるまい。巨額のインフラ投資は将来、大きなツケになりかねない。
 開催地が決まる来年11月のBIE総会に向け、ライバルのフランス・パリとの「票取り合戦」に注目が集まるが、開催意義とリスクをいま一度冷静に吟味すべきだ。時代に合わない「右肩上がり」の発想で誘致に突き進み、せっかくの万博が「常識を超える」という意気込みと裏腹の「常識外れ」なものになっては、もったいない。
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神戸新聞 2017/04/12
社説:大阪万博/内外にアピールできるか


 政府が2025年の国際博覧会(万博)の大阪誘致を閣議了解し、正式に決まった。大阪府は24日にも、パリの博覧会国際事務局に立候補を届け出る。
 官民で構成する誘致委員会のトップには榊原定征経団連会長が就き、オールジャパンの支援体制が整った。
 開催が決まれば、大阪開催は1970年に続き55年ぶり、2度目となる。政府は約2兆円の経済効果を予測する。
 20年の東京五輪後に建設ブームがしぼみ景気が落ち込むのを見越して、次の種をまく意図がうかがえる。53年前の東京五輪後に不況に陥った日本経済が、大阪万博で成長路線に転じた過去も意識しているのだろう。
 ただ当時とは人口減や高齢化の加速など、状況が大きく異なる。万博を経済成長のてこにしようとするだけでは、各国の支持を得るのは難しい。
 大阪万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに25年5月から半年間開催し、3000万人の来場を見込む。大阪湾岸部の人工島・夢洲(ゆめしま)に、1250億円を投じて会場を整備する計画になっている。
 建設費は官民で均等に拠出することが閣議で決まったが、具体策はこれからだ。主要企業に負担を割り振るかつての「奉加帳(ほうがちょう)方式」が、現在も通用するとは考えにくい。
 大阪府と市は当初、カジノを含む統合型リゾートもセットで売り込もうとした。依存症対策や治安悪化など多くの国民がカジノに懸念を抱く中、夢洲での実現を唱えてきた府と市が、万博開催を追い風にしようとしたと見られても仕方ない。
 夢洲を含む大阪湾岸の人工島開発は、バブルの負の遺産である。本来、関西全体にプラスとなる土地の活用策を、万博とは切り離して練り上げるべきだ。
 昨年11月には、パリが環境をテーマに万博開催地に立候補した。大阪は大きく出遅れ、開催理念に関する理解も、十分得られたとは言いがたい。
 貧困の解消や災害対策、人工知能の活用など、世界共通の課題解決に挑戦してこそ、世界3位の経済大国が開く万博にふさわしい。関西の、日本の英知を結集して中身を煮詰め、内外にアピールしなければならない。
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(愛媛新聞)2017年4月13日(木)
社説:大阪万博誘致決 巨額費用に見合う「意義」がない


 政府は、2025年国際博覧会(万博)の大阪誘致を閣議了解した。24日にも博覧会国際事務局に立候補を届け出る。実現すれば55年ぶりの大阪開催。地元は経済効果を期待するが、会場の建設や交通アクセス整備に巨額の費用がかかる。政府と大阪府は「なぜ今、万博なのか」との開催意義を、国民に向けて明確に示さなければならない。
 万博はもともと、情報通信が発達していなかった時代に、最先端の技術を市民に公開し、国力を内外に示す場でもあった。今は画期的な技術に関する情報でさえ、メディアを通じて簡単に得られる時代。万博の必要性自体が薄れている。
 大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。府の基本構想は「人類の健康・長寿への挑戦」だったが、途上国からの支持を得にくいなどの理由で「未来」を加えたテーマに一変した。政府と松井一郎府知事が東京五輪後の景気浮揚策、関西経済への波及効果を最も重視しているのは明らかで、基本コンセプトはないに等しい。
 その「経済効果」も丼勘定。大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)の会場に2800万~3千万人が来場すると見込み、直接的な経済波及効果を1兆9千億円と想定している。東京五輪の例を出すまでもなく、こうした数字は政府の「希望的予想値」にすぎない。
 運営費800億~830億円は、現段階ですでに府の試算を100億円ほど上回った。会場アクセスに必須の地下鉄の延伸などにも730億円かかるとされる。国、大阪府と大阪市、民間が3分の1ずつ負担することになった1250億円の会場建設費も、今後膨れ上がる恐れは十分にある。政府は、将来国民にツケが回る可能性についても説明する必要がある。
 05年の愛知万博は構想浮上から閣議了解まで7年かかった。今回の大阪万博は松井氏が率いる大阪維新の会が14年に提唱、わずか3年で決まった。国会運営などで維新との関係を重視する安倍政権の後押しがあったためとみられる。拙速で政治的な思惑を秘めた決定を憂慮する。
 夢洲(ゆめしま)はかつて、大阪市が目指した08年夏季五輪の選手村になる予定だったが、誘致に失敗して「負の遺産」化。府と市は万博予定地の隣にカジノを含む統合型リゾートを誘致する方針だが、地元の反対は根強い。万博閉幕後を見据えた将来図も不透明で、資金の拠出に二の足を踏む企業が多い。
 そもそも、万博が掲げる「健康」とカジノは相いれない。宗教上の理由などでカジノに反発する国が多く、招致活動の中では「封印」するというが、真の狙いは隠しようがあるまい。
 25年万博にはフランス・パリが立候補を表明、すでに活発な誘致活動をしている。地元でさえ開催機運が高まらない大阪万博は「一過性のイベント」で終わりかねない。費用対効果も含めて広く国民の意見を聞き、誘致の是非を再考するべきだ。
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